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伊那中病 決算見込み額 5億8千万円の黒字
伊那市の伊那中央病院の今年度の決算見込み額はおよそ5億8千万円の黒字となることが報告されました。
これは、28日にひらかれた、伊那中央病院を運営する伊那中央行政組合の議会全員協議会で報告されました。
入院や外来の収益など病院の事業収益は税抜きで102億8千万円、それに対し、人件費や材料費などの事業費用は97億円となり、事業収益から事業費用を差し引いた純利益は、およそ5億8千万円と見込んでいます。
去年12月には、純利益は4億6千万円ほどと見込んでいましたが、患者数の増加などにより更に増益となりました。
伊那中央病院では、平成20年度まで赤字経営が続いていましたが、経営努力などにより平成21年度から3年連続の黒字となっています。
伊那中央病院の事業費の4分の1は、本来であれば構成市町村が負担することになっていますが、事業会計が黒字の場合、高度医療負担額から相当額を減額するため、今年度分については実質的な負担がなくなるということです。
また、中央行政組合全員協議会で、救命救急センターと、研修センターなどの改修工事のスケジュールなどが示されました。
救命救急センターは、本館南側に増設される予定です。一般救急入り口のほか、救急車搬送入り口、要除染患者の入り口が設けられます。
レントゲンやCTの検査も、増築棟で行える計画です。
増築棟の2階には、口腔外科や患者の精神ケアを行う精神科診療室のほか、内視鏡やロボット出綬など最先端の医療機器が導入された研修センターが設けられる予定です。
救命救急センターは平成25年9月に完成、研修センターは、平成26年3月に完成予定です。 -
中病が救命救急センターに
長野県医療審議会が、22日県庁で開かれ、伊那市の伊那中央病院が、救命救急センターに指定されることが正式に決まりました。
救命救急センターには、これまで駒ヶ根市の昭和伊南総合病院が指定されていましたが、今回、伊那中央病院に正式に指定替えされることになりました。
指定替えは、長野県が進める上伊那医療圏地域医療再生計画に沿って進められてきました。
伊那中央病院の救命救急センター指定にともない救急病床10床を増設する施設整備については、平成24年度に工事に着手し、25年度に竣工する予定です。
伊那中央病院は、4月から救命救急センターに指定されます。 -
救命救急センター指定に向け整備
駒ヶ根市の昭和伊南総合病院から救命救急センターの指定替えが決まっている伊那中央病院は、平成24年4月のセンター運営開始に向け、院内の整備を行っていく考えです。
18日夜には伊那中央病院で伊那中央病院運営審議会が開かれ、委員や中央行政組合の職員、およそ30人が出席しました。
この日はセンター指定に向けた院内整備についての計画案が示され、審議会で了承されました。
現在、伊那中央病院では指定替え後の救急医療体制のあり方について5つの部会で検討が進められています。
示された計画案には、平成23年度中に行う暫定的な整備として3階西病棟・北ウイングの一般病床16床を、救急用の病床10床に整備する事、呼吸循環監視装置や人工呼吸装置などの救急医療機器、およそ5千万円分を導入する事などが盛り込まれています。
また、平成23年度から24年度にかけて、南側の庭に救命救急センター施設の整備を主体とした建物を増築するとした構想案も示されました。
財源については、上伊那地域医療再生事業の事業変更などによる基金を充当する予定で、不足分については病院事業債を充てるとしています。
これらの計画案は、中央行政組合議会で承認されれば、5月に開かれる県医療審議会の上伊那地域医療再生計画の変更報告の承認を待って、順次整備が進められることになっています。
審議会では、平成23年度から、これまで分煙対応だった敷地内が全面禁煙になることや、今年度の事業収支見込額が8千4百万円の黒字となる見通しであることも報告されています。 -
看護師不足に対応へ 准看護学院拡充
上伊那地域医療再生推進協議会が、18日伊那市のいなっせで開かれ、課題となっている看護師不足に対応するため、地域医療再生計画を変更する方針が示され、了承されました。
18日は、4回目の上伊那地域医療再生推進協議会が開かれました。
地域医療再生計画は、国の交付金を、県の事業として行うもので、協議会では、22億円余りの基金を活用した計画について審議しています。
今回の協議会では、上伊那地域の看護師不足が深刻だとして、新たに看護師確保のための対策事業を追加する計画が示されました。
それによると、上伊那医師会附属准看護学院の学習施設を拡充し、施設は、伊那中央病院に設置予定の研修施設内に配備するとしています。これにより、25人程度しか受け入れられなかった准看護学院の入学者数を33人に増加させたい考えです。
准看護学院の学習施設拡充のための事業費にあてるため、伊那中央病院に設置予定の内視鏡手術トレーニングセンターの事業が見直されました。
実験用動物を利用する手術のトレーニング施設から、動物を使わず、シミュレーションで行う施設に変更するとしました。
シミュレーション施設に変更する事で、獣医師を配置しなければならないなどの運営の負担が減り、事業費も縮小します。
変更前のトレーニングセンターについては、基金と自主財源をあわせて、11億5千万円の総事業費を見込んでいました。
そのほか看護師確保の対策として、奨学金制度を創設するとしています。
奨学金の事業費については、各公立病院などに配分されている事業費などから出し合って、あてていきたいとしています。
方針の変更について協議会で了承されました。
看護師確保やトレーニングセンターなどの詳細計画について、次回4月に開かれる協議会に示される予定です。
計画は、早ければ県の6月補正予算に、進捗状況によっては、9月の補正予算に計上したいとしています。 -
辰野総合病院施設部会初会合
上伊那地域医療再生事業の作業部会の一つ、辰野総合病院施設部会の初会合が21日、辰野町役場で開かれた。
会議は冒頭のみ公開で行われ、辰野総合病院と、辰野町から8人が出席した。
辰野総合病院施設部会で検討するのは、辰野総合病院の施設整備について。
辰野総合病院は回復期医療に重点をおいた病院として移転新築される。現在125床ある一般病床を新病院では一般60床、回復期対応の病床に40床を転換し、リハビリ訓練施設を充実させる。
部会では、新しい病院にも設置する予定の訪問看護ステーションの広さや人数は、どのくらいの規模にするか検討していく。
また、現在病院に併設している介護老人保健施設福寿苑が、病院の新築にともない単独経営となる為、これまで共有していた給食施設や医師の配置などについても協議する。
部会では他に、新病院の設計が具体化したら住民説明会を開くべき、という意見もあった。
今後、辰野総合病院施設部会では、これらの課題と辰野病院の経営改革プランの見直しも含め、話し合いを進めていく予定。 -
医師確保部会 初会合
上伊那地域医療再生事業の作業部会の一つ、医師確保部会の初会合が10日夜、伊那市のいなっせで開かれた。
会議は冒頭のみ公開で行われ、上伊那8市町村、公立3病院、上伊那医師会から21人が出席した。
医師確保部会では、信州大学との連携のもと、公立3病院の研修医・指導医師などを確保するための対策を検討した。
最終的には信大の医学部と協定を結ぶことを目指していて、部会では、信大から医師を派遣してもらうための具体的な方策を公立3病院の事務長が中心となり検討をすることになった。
事務長間の検討が終わり次第、次の会合を開き、その内容が示される予定。
上伊那の医師の数は、全国や県の平均を大きく下回っている。住民10万人に対し何人の医師がいるかを調べた数字では、平成20年12月末現在で、全国平均が224人、県平均が205人、上伊那の平均が135人となっている。 -
内視鏡手術トレーニングセンター部会初会合
上伊那地域医療再生事業の作業部会の一つ内視鏡手術トレーニングセンター部会の初会合が8日夜、伊那市のいなっせで開かれた。
会議は冒頭のみ公開で行われ上伊那8市町村、公立3病院などから13人が出席した。
この部会は、伊那中央病院内に全国の医療関係者を対象にした内視鏡手術トレーニングセンターを設置することについて検討する。
上伊那広域連合によると、出席者からは、内視鏡手術トレーニングについて指導できる医師が確保できるのか、また年間約1億円と想定されている運営費はどうするのかなどの質問が出されたという。
事業主体となる伊那市では、次回7月中を予定している部会までに、出された質問の回答をまとめ報告する予定。 -
地域連携ネットワーク部会 初会合
上伊那地域医療再生事業の作業部会の一つ、地域連携ネットワーク部会の初会合が7日、伊那市のいなっせで開かれた。
会議は冒頭のみ公開で行われ、上伊那8市町村、公立3病院、上伊那医師会から21人が出席した。
地域連携ネットワーク部会で検討するのは、公立3病院の連携、病院と診療所の連携を進める地域連携ネットワークの推進、住基カードを上伊那の医療圏統一の診察券として活用するための整備の2事業。
ネットワークの推進では、伊那中央病院に連携の拠点となる「地域医療支援センター」を設置する。
連携の仕方については、伊那中央病院が素案を作り、次回の会合で示されることになった。
また、現在伊那中央病院で導入している電子カルテを、昭和伊南総合病院、辰野総合病院でも導入することを目指していて、県の9月補正予算に間に合うよう、検討を進める。
住基カードを共通の診察券として活用するための整備では、まずは昭和伊南総合病院とその周辺市町村をモデル地区として実施する計画。
こちらは、公立3病院の電子カルテ化が完了した段階で、実施していく予定。
地域連携ネットワーク部会では、6月下旬に2回目の会合を開く予定。 -
周産期医療部会初会合
上伊那地域医療再生事業の作業部会の一つ、周産期医療部会の初会合が4日夜、伊那市のいなっせで開かれた。
会議は冒頭のみ公開で行われ、上伊那8市町村、公立3病院、上伊那医師会から17人が出席した。
周産期医療部会で検討するのは、開業助産所への設備整備費補助の拡充と、小児後方支援機能の拡充の2事業。
助産所については、事業に該当する新規の開設や既存助産所での施設整備の予定が当面ない。
このため、助産師会と駒ヶ根市にある長野県看護大学が現在検討している、胎児の画像などを助産所から病院に転送するネットワーク構築について、部会でも協議してほしいとの要望があり、これを含めて検討していくことが確認された。
もう一つの事業、小児後方支援は、昭和伊南総合病院に、出生後に保育器が必要な低体重児などに対応する新たな施設を整備する。
これについては、昭和伊南総合病院に常勤の小児科医が1人しかいないため、対応は難しいとして、まず病院に医師確保の努力をしてもらったうえで内容を検討していくことになった。
周産期医療部会は、7月中旬までに2回目の会合を開く予定。 -
「救急医療部会」初会合
上伊那地域医療再生事業の作業部会の一つ、「救急医療部会」の初会合が3日夜、伊那市のいなっせで開かれた。
会議は冒頭のみ公開で行われ、上伊那8市町村や公立3病院の担当者、上伊那医師会から17人が集まった。
救急部会は、▼上伊那の救急医療体制の在り方▼救急医療機器の更新と充実について検討する。
上伊那の救急医療体制については、公立3病院が機能を分担し、連携による新たな体制づくりをめざす。
伊那中央病院は、高度な処置が必要な患者などに対応する3次救急医療の拠点として整備を進める。
手狭となっている「救急医療センター」を拡充するほか、集中治療室などのベッドを5床ほど増やし、救命救急センターとしての機能を持たせる。
現在、上伊那では昭和伊南総合病院が救命救急センターに指定されているが、部会では、全体の事業計画の中で示された「中病を救命救急センターに指定すること」を前提に検討を進めている。
昭和伊南総合病院と辰野総合病院は、2次救急から回復期の医療を維持・充実させる。
初期救急、2次救急、3次救急の対応を体系化し、それを一元的に管理する機能を中病にもたせる。
地域医療を伊那中央病院に一元化させるためのシステム等については、次回の部会で検討される予定。
事業費は、およそ4億8300万円を見込んでいる。
救急医療部会の会議は、次回は7月に開かれる予定。 -
回復期医療部会初会合
上伊那地域医療再生事業を推進するため設置された作業部会の検討が始まった。
7つある作業部会の一つ、「回復期医療部会」の初会合が2日夜、伊那市のいなっせで開かれた。
会合は非公開で行われ、関係する伊南の市町村や辰野町、昭和伊南総合病院、上伊那医師会などから15人が参加した。
上伊那地域医療再生事業は国の交付金約22億4千万円を受けて平成25年度まで5年計画で行う。
本年度から事業に着手するため、県の9月補正に間に合うよう各部会が7月中旬までに内容を検討する。
事業は14あり、回復期医療部会は、そのうち3つの事業について検討する。
検討するのは、昭和伊南総合病院と辰野総合病院の回復期の医療体制の整備についてで▼昭和伊南にリハビリテーションセンターを整備すること▼リハビリ技術者の育成▼昭和伊南と駒ヶ根病院が連携し認知症の共同診療体制を整備すること竏窒フ3事業。
リハビリテーションセンターの整備については、昭和伊南にリハビリを担当する新たな医師が赴任して間もないため、病院内での検討が必要だとして、本年度の事業での予算化を見送ることなどが確認された。
回復期医療部会は、7月上旬に次回の会合を開く。
そのほか6つの部会は、今月21日まで順次初会合を開く予定。 -
伊那市医療政策審議会設置へ
伊那市の白鳥孝市長は、通院費の無料化や医療政策などについて検討する医療政策審議会を設置する考えを示した。
25日に開かれた定例記者会見で白鳥市長があきらかにした。
審議会は、通院費の無料化を含め、幅広く医療分野について議論し方向性を導きだそうというもの。
メンバーは、医師をはじめ保護者やPTAなどで構成し15人から20人程度を見込んでいる。
6月の定例市議会に審議会設置に関する補正予算を盛り込む考え。
白鳥市長は選挙公約として中学3年生までの入院費の無料化をかかげていてこれについても補正予算に反映させる考え。 -
上伊那地域医療再生事業作業部会全体会議
上伊那広域連合は、公立病院の機能再編や経営効率化を目標とする上伊那地域医療再生事業で、具体的に検討を進める7つの作業部会を立ち上げた。
13日夜、伊那合同庁舎で開かれた会議には、上伊那の公立3病院の関係者や医療福祉関係団体の代表など60人が出席した。
上伊那地域医療再生事業は、国から22億円余りの補助を受け、公立3病院の機能再編や病床利用率を上げる経営の効率化、医療従事者の増加、里帰り出産制限の緩和を平成25年度をめどに目指す取組み。
今回設置された作業部会は、その目標に向けて具体的に検討を進めていくためのもの。
地域救急センターの充実、運営などについて検討する救急医療部会、病院の移転新築などを検討する辰野総合病院施設部会、地域医療支援センターの設置、運営について検討する地域連携ネットワーク部会、医師確保部会など7つの部会が設置される。
各部会は、それぞれ10人ほどで構成され、早いところは、来週から検討に入る。
6月をめどにプランをまとめ、7月の運営連携会議で決定し、県の9月補正予算に反映させていくことにしている。 -
上伊那公立病院等運営連携会議 初会合
上伊那の公立3病院の機能再編などについて検討する上伊那公立病院等運営連携会議が17日、伊那市役所で開かれた。
会議には公立3病院の院長や上伊那医師会会長、また県の担当者ら21人が出席した。
この会議は、公立病院の機能分担や連携、医師確保のための仕組みの構築などについて検討するもので、これら地域医療再生のための事業に国から5年間で22億4千万円が交付される。
会議では救急医療部会や辰野総合病院施設部会などテーマ別に7つの部会が設置されることが了承された。
辰野総合病院施設部会では、回復期機能強化のための辰野総合病院の移転新築について検討していく。
また事業計画にあった公立3病院の経営統合については当面、機能分担と連携に重点を置くことが確認された。
また救急医療部会では今後、駒ヶ根市の昭和伊南総合病院から伊那中央病院へ救命救急センターの指定変更についても協議される。
救急医療について、実情は伊那中央病院が担っているものの、指定変更については駒ヶ根市など地元が難色を示していることから、救急医療部会で検討していく。
伊那中央病院を運営する伊那中央行政組合の小坂樫男伊那市長は「救急医療部会で早急に結論を出してもらいたい」と話している。
救命救急センター指定について会議では、結論を出すのは県だが課題としては認識しているとして、今後地域住民の理解を得ながら協議を進めていきたい竏窒ニしている。 -
昭和伊南病院 妊婦健診5月末休止へ
上伊那医療問題懇談会の総会が1日、伊那市のいなっせで開かれ、駒ヶ根市にある昭和伊南病院での妊婦健診が、今年5月末で休止されることが報告された。
伊那保健所の報告によると、昭和伊南病院での妊婦健診が、今年5月末で休止されるという。
また、6月には駒ヶ根市にレディスクリニックが開院する予定で、この病院が新たに妊婦健診と分娩の連携診療所になる。
新病院では、年間約300件から350件の分娩対応を予定しているという。
伊那中央病院が現在行っている里帰り分娩の制限については、当面継続される。
ただし、現在産休中の伊那中央病院の産科医師2人が復帰する今年10月以降に、制限の見直しを検討したいとしている。 -
地域医療再生で交付金決定
伊那保健福祉事務所は1日、伊那中央病院、昭和伊南総合病院、辰野総合病院の機能分担と連携を進める地域医療再生計画について、厚生労働省が5年間で25億円を交付することを1月29日付けで正式決定したことを明らかにした。
地域医療再生計画は、上伊那の公立3病院が安定的に地域医療を担い続けていくため、将来的な経営統合を見据えた機能分担と連携により、上伊那医療圏を再生することなどを目標としている。
公立3病院の体制整備による機能再編後は、伊那中央病院が高度救急医療を、昭和伊南が急性期から回復期を、辰野病院が急性期から回復期、在宅医療を担う。
また救急医療充実のため公立3病院が構成員となり将来的な経営統合のあり方の検討などを行う「公立病院運営連携会議」が設置される。
ほかには、3次救命救急センターを担う病院を伊那中央病院とすることを検討し、「地域救急医療センター」の一部拡充と関連機器の整備など機能充実を図る。
また、内視鏡手術トレーニングセンター整備など医師確保のための仕組みづくりの研究、開業助産所などへの設備整備費補助など周産期医療体制の整備を図る。
上伊那広域連合では公立病院運営連携会議を3月頃に設立し、事務局を広域連合内に置くことにしている。
これら地域医療再生計画により上伊那地域の医療をこれまでの「病院完結型医療」から「地域完結型医療」へ転換を図りたいとしている。
国からの交付金は県の基金に積み立てられ、事業実施にあたり各病院へ配分されることになっていて、今後、連携会議で実施事業や予算配分が決定される予定。 -
伊那中央病院初の黒字に
伊那市の伊那中央病院は本年度、平成15年の開院以来、初の黒字を見込んでいる。
これは、24日開かれた伊那中央行政組合議会で、組合長の小坂樫男伊那市長が示した。
伊那中央病院は、国の公立病院改革ガイドラインに沿って、今年3月に経営改革プランを作成した。
プランでは、平成22年度までの黒字化を目指していたが、1年前倒しで本年度黒字化を達成する見込みだ。
小坂組合長によると、昨年度は、1億9700万円の赤字だったが、診療材料費や医薬品の購入削減などの対策が効果を挙げ、今年4月からこれまでの間に2億9千万円の経営改善を図ることが出来たという。 -
伊那中病にMRI2台目導入へ
伊那中央行政組合は、来年度当初予算に、伊那中央病院に2台目のMRIを導入するための予算を計上する。
24日開かれた伊那中央行政組合議会の全員協議会で説明された。
MRIの導入は、県が策定した地域医療再生計画の事業として行われる。
上伊那医療圏における地域医療再生計画は、今月18日に国で認められ、県に交付金の内示があった。
これを受け、伊那中央行政組合では、来年度事業として伊那中央病院にMRIを1台導入し、設置場所の拡張工事を行う計画。事業費は総額約3億円。
地域医療再生計画については、年明けに県の呼びかけで事務レベルの会議が開かれ、組織体制、事業の優先順位、事業の中身などを協議していくという。 -
内視鏡技術トレーニングセンター
利用に需要県が策定する地域医療再生計画に盛り込まれている、伊那中央病院への内視鏡技術トレーニングセンターの開設について、伊那市に開設された場合に利用したいと考えている医師が、アンケートの結果76%いることが分かった。
これは、伊那市の呼びかけで施設開設の可能性を検討してきた勉強会が、4日に開いた報告会の中で示した。
アンケートは、全国の大学病院を中心に500の診療科で千人の医師を対象に行われ、213人の回答があった。
「伊那市に開設されたら利用したいか」との質問には、「大いに利用したい」「内容により利用したい」が合わせて76%で、施設の需要があることが分かったという。
勉強会座長の白鳥孝副市長は、「この地にセンターを造ることは望ましい」とする検討結果を小坂樫男市長に報告した。
小坂市長は、「運営費や組織、利用など課題はあるが、この事業がなんとか日の目を見るようにお願いしたい」と話した。
建設に関する検討など今後については未定という。 -
上伊那公立3病院経営統合
小坂伊那市長「やむを得ない」伊那市の小坂樫男市長は、21日の記者会見で、県による上伊那の地域医療再生計画による公立3病院の経営統合について、医師不足や赤字経営などから、「やむを得ない」との考えを改めて示した。
また統合などについて不安の声がある駒ヶ根市の昭和伊南総合病院を運営する伊南行政組合に出向き、経営統合や機能分担などについてその必要性を説明する意向があるとの考えも示した。 -
地域医療再生事業 上伊那医療圏選定される
地域医療の課題を解決するため、県が策定する事業を実施する「地域医療再生事業」に、上伊那医療圏が選定された。
これは13日、長野県庁で開かれた県医療審議会で報告され、了承された。
県内で厳しい医療環境にある上伊那と上小の2医療圏が選ばれた。
審議会で示された計画によると、上伊那では伊那中央病院、昭和伊南総合病院、辰野総合病院の公立3病院で新たに「公立病院運営連携会議」を設立し、3病院の将来的な経営統合を見据えて、機能分担と連携のあり方を検討する。
伊那中央病院は、第3次救命救急センターを担う病院と位置づけ、現在ある「地域医療センター」を一部拡充するほか、5年のうちに救命救急センターへの指定を目指す。
昭和伊南総合病院は、「地域医療支援リハビリテーションセンター」を整備し、2次救急から回復期を担う病院に、辰野病院も2次救急から回復期を担う病院として体制を整備する方針。
機能再生を推進するため、電子カルテなどによる診療情報を共有する地域連携ネットワークも整備するとしている。
そのほか、伊那中央病院に「内視鏡トレーニングセンター」を整備し、全国からトレーニング医師を受け入れ、医師不足の解消につなげたい竏窒ニしている。
これらの事業は国から25億円の補助を受け、5ヶ年計画で実施される予定。 -
ボイス81
市町村と県が懇談市町村と県の懇談会「ボイス81」が29日、伊那市のいなっせで開かれた。
村井仁長野県知事が伊那市を訪れ、上伊那8市町村と懇談した。
ボイス81は、地域の声を県政に生かすとともに、市町村の主体的な取り組みを推進していこうと、平成18年度から行っている。
この日は、上伊那のそれぞれの市町村長が地域の課題について要望した。
小坂樫男伊那市長は、リニア新幹線のBルートによる整備促進について、「下伊那地域を含む県内5つの期成同盟会はBルートで決定している。知事は先頭に立ってBルートを推進してほしい」と求めた。
これに対し県は、「JR側と情報を共有することが大事と考えている。現在JRに詳しい説明を求めていて、再度説明会を開くよう要請していきたい」と回答し、知事からの発言はなかった。
また、医師不足などの医療問題について、小坂市長は「上伊那公立3病院のそれぞれの役割分担や、将来的な連携について、県も主体的になって検討してほしい」と要望した。
これに対し村井知事は「医療は全県的な問題。それぞれの地域の問題を適切に解決するため、国の予算の有効活用を含め相談していきたい」と話していた。
懇談ではほかに、箕輪町や南箕輪村から、権兵衛トンネル開通に伴い交通量が増加した伊那西部広域農道の補修や、国道361号南原地区沿線の歩道の設置などの要望が出ていた。 -
上伊那公立病院の連携検討会議発足
上伊那地域の伊那中央病院・昭和伊南総合病院・辰野総合病院の3つの公立病院の連携促進について検討する会議が17日、発足した。
医師の不足や地方自治体の財政難などにより、公立病院の経営は非常に厳しい状況にある。
そういった中、上伊那地域では、医師の確保や経営改善などといった課題に直面しているとして、連携について検討する組織を立ち上げた。
会議は、病院が設置されている地区の伊那市長・駒ヶ根市長・辰野町長のほか、各病院の病院長、県など9人で組織している。
上伊那地域公立病院連携促進検討会議では、連携により医療提供体制を維持、また強化していく方策を検討していくという。 -
村井知事と伊那商工会議所女性会が懇談
上伊那地域を視察に訪れた村井仁長野県知事が14日、伊那商工会議所女性会と懇談し、上伊那の課題について考えを示した。
懇談会は伊那商工会館で開かれ、伊那商工会議所女性会のメンバー15人が参加した。
交通網整備について村井知事は、「リニア新幹線など将来の交通環境に期待していいと思う。ニーズに注意深く対応していきたい」と話した。
また少子化対策については、「まず結婚する人を多くしなければ」と話し、「県内各地で開かれている結婚相談所を県でまとめ、幅広い出会いの場が持てるよう現在検討を進めている」とコメントした。
また医師不足の問題にも触れ、「上伊那の医療問題は十分承知している。県としては、どこが中核病院と言いにくい状況でもある。病院の関係者間で機能分担などをまとめてもらえれば、県で話し合いの場を設けたい」と話した。
女性会は昨年、県の補助金「元気づくり支援金」を受けて環境問題についての紙芝居を制作していて、懇談会に合わせて披露した。 -
伊那中央病院 小児科医師など増へ
伊那中央病院の小児科と地域救急医療センターの医師が、4月から増えることが分かった。
24日開いた伊那中央行政組合議会で小坂樫男組合長が示した。
それによると、小児科は現在の4人から5人、地域救急医療センターは4人から6人、外科は1人補充で6人になる。
ただし、産婦人科は現在の7人から1人減って6人になる見通しという。
小坂組合長は、「産婦人科医師の確保など早急な対応に努めたい」と話していた。 -
伊那中央病院が地域周産期母子医療センターの認定受ける
県は9日、伊那市の伊那中央病院を、県内で7番目となる地域周産期母子医療センターに認定した。
これは「出産などに関わる比較的高度な医療提供ができる」病院を、認定するもの。
産科医不足のため、伊那中央病院は昨年4月から、分娩をあつかえる上伊那唯一の公立病院となっている。
こうした状況を受け同院では、地域の人たちに少しでも安心してお産をしてもらおうと、地域周産期母子医療センターの認定申請をしていた。
伊那中央病院には現在、産婦人科医7人、小児科医4人が在籍しており、妊娠、分娩、分娩後の対応に当たっている。
また、24時間体制でリスクの高い出産に対応したり、早産で生まれた未熟児への対応もしている。
病院関係者は「指定を受け、改めて地域の安心、安全なお産を担う立場となった。責任を持って病院運営をしていきたい」と話していた。
また、伊那中央病院は2月23日付で、厚生労働省から地域のがん診療の中核病院となる「がん診療連携拠点病院」に指定されている。
指定期間は4月1日から来年の3月31日までで、県内では8カ所目の指定となる。 -
伊那中央病院が電子カルテシステム導入
伊那中央病院は、上伊那の総合病院では初めて、診療記録をコンピューターで管理する電子カルテシステムを導入した。
2日、伊那中央病院を運営する伊那中央行政組合の小坂樫男伊那市長や、病院の小川秋實院長ら関係者30人が参加し、運用開始のセレモニーを行った。
電子カルテシステムは、患者の診断やレントゲン写真などの診療記録を電子的に保存し、病院内の専用端末で情報を見ることが出来る。
コンピューターで日本語入力をするため、従来の手書きのカルテと比べ、患者やその家族にとって理解しやすくなる。
また、データのやり取りでカルテを照合出来るため、待ち時間の削減につながるという。
入院患者には専用のリストバンドを取り付ける。看護師が、無線機能を持つ携帯端末でリストバンドを読み取ると、電子カルテシステムから患者の情報を引き出すことができる。
この携帯端末では、処方する点滴や薬などを確認でき、医療ミスの防止につながるという。
小川院長は、「システムの導入で、医師らは患者の必要な情報を即座に知ることができ、チーム医療が推進される。医療の質の向上や効率化につなげていきたい」と話していた。
今回導入した電子カルテシステムの構築費は7億円で、病院が半分の3億5千万を負担し、残りを国や組合を構成する市町村で負担する。 -
伊那中央病院運営審議会
経営改革プラン案を了承伊那中央病院運営審議会が24日夜、伊那中央病院で開かれ、経営改革プランの案が了承された。
審議会には上伊那医師会や住民の代表など30人が出席した。
経営改革プランは公立病院が平成23年度を目途に黒字化する計画をまとめたもので、国へ提出する。
審議会では病院の運営状況などについて説明があった。
それによると、平成19年度と20年度の比較で外科の外来の患者数はおよそ千人減少しているが、診療報酬は5千万円増加している。
一方内科は患者数が3千人、診療報酬は4千万円減少している。
これについて伊那中央病院では、「入院や症状の重い患者が病院に訪れるようになってきている。また内科については、精密検査が必要など紹介状のある患者のみ受けつている」と説明している。
ほかに市町村別の入院患者は、伊那市、箕輪町、南箕輪村で減少しているが、駒ヶ根市と辰野町では増加している。
審議会では、ほかに伊那中央病院が妊娠後期から新生児の早い時期までの医療を総合的に行う地域周産期母子医療センターに県から指定されることが報告された。
伊那中央病院では経費節減などにより、平成22年度からの黒字化を目指していて、今回示されたプランは3月に開かれる伊那中央行政組合に示され了承される見通しとなっている。 -
公立病院に対する連合長の見解
上伊那広域連合長の小坂樫男伊那市長は23日、公立3病院の連携について、「3病院の改革プランが出揃ってから、広域連合としてどうしていくかを考えたい」との見解を示した。
この日開いた広域連合議会の一般質問で、根橋俊夫議員の質問に答えた。
小坂連合長は「上伊那の医師不足は県内でも3番目。3病院がそれぞれ経営改革プランを作成しているが、果たして黒字化できるかは疑問に思う。今後は改革プランが出揃ったところで、どうするかということになると思う」と考えを示した。 -
昭和伊南病院改革プラン答申
昭和伊南総合病院の経営改革プランを検討する審議会が11日開かれ、これまでの検討結果を伊南行政組合長の杉本幸治駒ヶ根市長に答申した。
救命救急センターの存続については、今後、県との協議を行いながら検討を進めていく方針。
救命救急センターの存続については、当初の「現状で高度な3次救急を担うには困難」という見解は変えず、今後、県が加わった新たな組織で検討を進めたい竏窒ニしている。
経営再建の方向としては、伊南行政組合側の素案の通り、2年後の平成22年度までに単年度収支の黒字化を目指し、職員数の削減や給料の見直しを行う。
医師の負担を減らす取り組みとしては、届出病床を現在の235床から220床に縮小する。
改革プランは、伊南行政組合議会に示した後、国に提出する予定。