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美篶青島の渋谷さん宅
家庭用にみそを手造り昔ながらの方法でみそを手造りしている伊那市美篶青島の渋谷節男さん(68)宅で、今年もみそ造りが始まった。大豆30キロを用意し、みそ玉作りに精を出した。
渋谷さんの家では1度に2年分のみそを仕込むため、みそ造りは1年おき。今年が仕込みの年で、節男さんと妻の米子さん、米子さんの妹の唐木律子さんの3人が手分けして取り組んだ。
節男さんは庭先に用意した大釜で大豆を煮る役目。豆が煮上がると、物置に用意した大豆をすりつぶす道具に入れる。ミンチのような状態になった大豆を今度は米子さんと律子さんが四角い形に整えてみそ玉を作り、わらを敷いた台の上に並べていく。
長年みそを手造りしているため、「市販みその味は知らない。造るのは面倒だけど、家で造ったみそはうまいもんで」と米子さん。節男さんも、律子さんも、「香りが違う」「一味違う」と口をそろえる。
みそ玉は1週間から10日寝かせた後、カビを洗い落とし、麹と塩と混ぜ、おけに入れて寝かせる。3カ月ほど経ったところで、みそをもう1回ひき直し、再度おけに詰めて寝かせる。春ころに食べられるようになるといい、1年後の出来上がりを楽しみにしている。 -
地域と児童が伊那北駅前整備
JR伊那北駅前広場の景観を伊那市の北の玄関口にふさわしく美しいものにしようと、駅周辺の商店主などでつくる山寺活性化協議会(矢野昌史理事長)と近くの伊那小学校5年夏組(浦野孝文教諭、33人)は協力して広場のいけすと緑地の整備に動き始めた。1日朝、約50人が現地に集まり、児童らは草むしりやいけすの掃除、協議会役員は枝打ちや不要木を取り除くなどの作業に当たった。ヤナギやツツジは残し、生い茂っていた低木約30本を重機で撤去した。緑地の面積は約70平方メートル。参加者らは「意外と広くて思ったよりも大変」などと話し合いながら作業に汗を流した=写真。
夏組の児童らは昨年4月の社会科授業の一環でごみと環境について調べたことがきっかけで、駅前広場の状態に着目。「いけすの水が汚い」「ごみがたくさん落ちている」などの声が出る中、6月の伊那北高校文化祭「ペン祭」のいけす利用を考えるワークショップにも参加して問題意識を深めた。維持費などの問題からいけすを取り壊すこともあり得ると聞き、市長に手紙を書いて維持を嘆願したことも。「このままではいけない。自分たちで行動を起こそう」と10月からは自主的に週1回の清掃をする一方、協議会と駅前再生構想について話し合ってきた。
浦野教諭は「これからここをどんなふうにするのかは子どもたちに任せている。芝生を植えるとか、花壇をつくるとかのアイデアが出たが、地元の人たちと話し合いながら良い方向を決めていってほしい」と児童らの活動を温かく見守っている。
同協議会は昨年、付近に学校が多いことから駅周辺を学生の街と位置付ける「学生の街ビジョン」構想を立ち上げた。今回の作業はその最初の取り組みでもある。矢野理事長は「子どもたちの気持ちがうれしい。一緒に考えながら、市民みんなに愛される駅前公園にしていきたい」と話している。 -
県労連メーデー伊那中央大会
県労連系の第79回メーデー伊那中央大会が1日、伊那市であった。上伊那各地から15団体・約300人が集まり、大会会場の伊那市生涯学習センター「いなっせ」から伊那北駅前までをデモ行進。のぼりや手作りのプラカードを掲げながら「憲法改悪は許さないぞ」「後期高齢者医療制度反対」「自衛隊をイラクから撤退させよう」「憲法9条を守ろう」などとシュプレヒコールを上げながら通りを練り歩いた=写真。
大会では「すべての団体・個人の枠を超え、すべての労働者の力を結集して日本の平和と民主主義を守り、生活向上と権利拡大、人間らしく生きるために目標を実現させよう」などとするメーデー宣言を全会一致で採択した。参加者が登壇しての意見発表もあった。 -
保科正之公生誕397年記念講演
伊那市観光協会主催の「保科正之公生誕397年記念講演」が29日、高遠町総合福祉センターやますそであった。直木賞受賞作家で伊那市ふるさと大使の中村彰彦さん、東京大学大学院教授の山内昌之さんの講演と2人のトークショーに会場を埋めた市民が興味深く聞き入った。
中村さんは「名君を育てた女たち」をテーマに生みの母お静、武田信玄の娘である見性院と信松院について話した。お静の実家、神尾家の悲愴な決意で生まれたのが幸松、後の保科正之で、出産にあたっては信松院が懐妊したお静を浦和にかくまったこと、見性院が600石のうち300石を幸松に与え、武田姓も与えて育てたことなどを話し、「武田家の誇りを持った姫君とお静の3人がタッグを組んで保科正之の幼少期を支えた。日本史の表面に出てこない、保科正之を育てた女性がいたことを知ってほしい」と語った。
山内さんは「世界の中の保科正之」をテーマに、「政治家としての哲学、リーダーとして学ぶところが多い」とし、軍事より民生を大切にする時代に入ったことを的確に捉えていたこと、逆転の発想を持っていたこと、飢餓対策で社倉制度を設けたこと、年金として老人に米を与えることを最初にしたことなどを挙げた。「美徳と、いい意味の頑固さを持ち、うそを言わない政治家だった。日本の近世史にこんな立派な政治家がいたことが嬉しかった。私たちがすぐに学べることはうそを言わない美徳」と話した。 -
伊那消防署が消火協力者に感謝状
4月4日に南箕輪村南原で起きた住宅火災を早期に発見し、初期消火に当たって被害を最小限に抑えたとして伊那消防署(唐沢三喜男署長)は30日、いずれも同村南原の無職松嶋正一さん(78)、会社員戸田礼奈さん(33)、農業篠原昭夫さん(70)、池迫三郎さん(65)・賢一さん(36)親子に感謝状を贈った=写真。唐沢署長は「空気の乾燥している折、早期発見と初期消火のおかげで被害が少なくて済んだ」と感謝の言葉を述べた。
最初に火災を発見して119番通報した松嶋さんは「自宅の裏に出てたばこを吸っていたら、1軒先の家から煙がもうもうと上がっているのが見えた。行ってみたら炎が2メートル近く上がっていたのでびっくりして応援を呼んだ」。松嶋さんから連絡を受けた戸田さんは携帯電話で119番通報し、家からバケツを持ってきて消火に当たった。篠原さんは無線を聞いて現場に駆け付け、外壁をなたではがすなどして消火活動に協力した。池迫さん親子はバケツや園芸用ホースを使って消火に当たった。
5人の協力により、被害は外壁などの一部焼失で済んだ。出火原因は、前日取り出したまきストーブの灰を紙袋に入れ、外壁に立てかけておいたことによるとみられる。出火当時、家人は留守で無事だった。 -
伊那ライオンズクラブ45周年記念総会
伊那ライオンズクラブは27日、結成45周年を記念して諏訪中央病院名誉院長、チェルノブイリ連帯基金理事長で「がんばらない」(集英社)などの著者鎌田実さんの講演会を県伊那文化会館で開いた。
鎌田実さんは1948年東京都に生まれ、東京医科歯科大学医学部卒業後、長野県諏訪市の諏訪中央病院で地域医療に携わる。88年に同病院の院長に就任。91年からチェルノブイリ救援活動に参加。05年に同病院を退職し、非常勤医師として働く。06年に「がんばらないレーベル」を立ち上げ、CDジャズアルバム「ひまわり」をプロデュース。日本テレビの「世界一受けたい授業」、NHK「クイズ日本の顔」「紅白歌合戦(審査員)」などに出演。著書に「がんばらない」(集英社)、「あきらめない」(同)、「雪とパイナップル」(同)などがある。
鎌田さんは、黒柳徹子さんと共同の著書「トットちゃんとカマタ先生の ずっとやくそく」(ソフトバンククリエイティブ)を書くにあたってのエピソードや、海外に医療支援に行った時の話、父親から学んだことなど、自身の体験を交えながら「人間はみんなちょっとずつ変わっている。時代や地域によっては生きづらい人だっている。でも、その時に誰か一人でも、わかっていると言ってくれる人がいれば救われる。みんなが一生の間に1回、誰かに、その人にとって大事な役割をしてあげれば、世の中はもっと温かくなるんじゃないかと思う」「人道支援は困っている子どもや死にそうな子どもを救うこと」「一度失敗した人が再チャレンジができる、子どもたちがいつも可能性を与えられている、この国のために苦労して働いたお年寄りが最後まで命が終わるまでちゃん補償してくれる、そんな温かな血が通った国でないといけない」などホスピタリティ(心のこもったもてなし)の重要性などについて語った。 -
西箕輪高原マラソン大会に200人
伊那市の第19回西箕輪高原マラソン大会(実行委員会など主催)が29日、西箕輪中学校グラウンドを発着点に開かれた。地元の小・中学生を中心に、塩尻市や南箕輪村を含めて約200人が参加した。
コースは、西箕輪中学校グラウンドから伊那インター工業団地周辺を折り返す3キロと4・5キロ。
参加者はスタートの合図で、一斉に走り出した。青空が広がり、東に南アルプスを望みながら、自分のペースでゴールを目指した。
結果は次の通り。
◇3キロ▽小4男子(1)原洸14分58秒(2)三沢惇太15分14秒(3)原佳輝15分46秒▽小4女子(1)北原瑛理香18分12秒(2)山岸さくら18分12秒(3)伯耆原さえ18分13秒▽小5女子(1)金沢聖恩16分35秒(2)金沢聖耕16分51秒(3)中山美来17分34秒▽小6女子(1)唐沢和季14分01秒(2)杉山黎華14分02秒(3)杉山舞華14分17秒▽一般男子(1)溝上晴斗15分51秒(2)田中弘徳16分53秒(3)中村義直17分12秒▽一般女子(1)原妙子16分03秒(2)河合夏海17分20秒(3)名取素子17分21秒▽家族(1)丸山元資21分18秒
◇4・5キロ▽小5男子(1)山口健斗19分27秒(2)富沢正二郎19分54秒(3)村沢任21分06秒▽小6男子(1)河合直哉21分38秒(2)落合恒輝22分19秒(3)池上裕介24分31秒▽中学生男子(1)宮沢佳樹18分33秒(2)浦野理史18分41秒(3)有賀誠19分05秒(4)竹内雄也19分12秒(5)城取良樹19分21秒(6)白鳥克哉19分30秒▽中学生女子(1)落合悟花20分21秒(2)山口聖21分22秒(3)村上森花21分46秒(4)塩沢愛花21分50秒(5)松田愛菜23分12秒(6)小池美沙季23分22秒▽一般男子(1)延藤浩毅17分38秒(2)西広雄仁18分08秒(3)矢崎貴臣19分43秒▽一般女子(1)三沢喜予20分49秒(2)青木美恵25分24秒(3)大日向里美29分13秒▽40歳以上男子(1)富沢博之15分04秒(2)山田健一18分40秒(3)天野哲郎19分30秒 -
第33回わんぱく広場
遊びを通して子どもたちの創造性と連帯感をはぐくもうと、伊那市青少年団体連絡協議会加盟の7団体でつくる実行委員会(清水剛委員長)と伊那市教育委員会は29日、第33回わんぱく広場を伊那市西町の春日城址公園で開いた。多くのちびっこたちが訪れ、汗ばむほどの陽気となった晴天の下で、歓声を上げながらさまざまな遊びを楽しんだ。
伊那青年会議所は輪ゴムで飛ばす紙飛行機やプラ板で作る竹とんぼなどの製作を指導した。作った竹とんぼを飛ばすコンテストやシャボン玉作りなども行われ、ブースの周辺は笑顔の子どもたちでにぎわった。ボーイスカウト伊那第1団が設置した、ロープで作った吊り橋を渡る「モンキーブリッジ」や、ロープにぶら下がって谷を滑り降りる「ロープケーブル」などは順番待ちの長い行列ができるほどの人気コーナーとなった。はなまる地域探検隊は空き缶を利用した竹馬や鳥の巣箱作りなどを指導。子どもたちは苦労して自分の手で作った竹馬で夢中になって遊んでいた=写真。 -
伊那まつり実行委員会第1回
「第36回伊那まつり」は8月2、3日竏秩B伊那市の夏を彩る大イベント、伊那まつりの第1回実行委員会が28日、伊那市役所であった。委員など約120人が出席し、日程と基本コンセプト「躍る」、テーマ「和」、キャッチフレーズ「熱、夏、竜」(A竏探SU・NA竏探SU・TA竏探SU)などを承認した。互選により、各委員会の正副委員長などを選出した。
市民踊りは2日に中心市街地で行い、ダンシング・オン・ザ・ロード、伊那節、勘太郎月夜唄を踊る。花火は3日。天竜川・三峰川合流点、市役所西、天竜川中州で打ち上げる。昨年に続き、市民から記念花火を募集する。おまつり広場はセントラルパークで開き、ローメン横丁、酒蔵横丁などを催す。
主な役員は次の皆さん。
▼実行委員長=丸山敞一郎▼総務広報委員長=藤沢秀敬▼同副委員長=小平恒夫、泉沢勝人▼市民おどり委員長=有賀昭洋▼同副委員長=飯島尚幸、唐木孝之、北條俊宏、高山光宏、中村登美子▼おまつり広場委員長=中村弘人▼同副委員長=柴宏治、小池秋男▼遊ingビレッジ委員長=唐沢幸利▼同副委員長=田中直美、黒河内直明▼花火委員長=川上健夫▼同副委員長=横森孝心、鈴木一比古、黒河内浩、春日州一、唐木一平▼交通委員長=堀内四郎▼同副委員長=内山寿、秋葉松美、唐沢賢治▼保安救護委員長=伊藤仁▼同副委員長=伊藤岩雄、戸田政光、宮下由紀夫▼事務局長=小池真一▼同次長=竹松慎一▼監査委員=伊藤正、森本光洋 -
伊那市行政改革審議会
伊那市の行政改革について審議する市行政改革審議会(中村威夫会長)は25日夜、08年度の第1回会議を市役所で開いた。本年度の新たな取り組みとして、一般競争入札制度に総合評価方式を導入するなどの入札制度の改善を行政改革大綱の項目に追加することを了承した。
市は、07年度の行政改革の進ちょく状況についても報告。具体的な取り組みとして掲げた90項目のうち未着手の項目はなく、71項目が「実施」「一部実施」だった。予定より進んでいるのは34項目、予定通りが44項目、遅れているのは「公社・第三セクターの経営状況の把握と公表」「公会計の整備」「地域協議会との協働」などの12項目。市は、予定より遅れている事項は積極的に取り組めるよう促進を図るとともに、予定通りの事項についてもさらにスピードアップを図っていきたい竏窒ニしている。
現委員の任期は6月30日で切れるため、同じ顔ぶれでの審議は今回が最後となる予定。小坂樫男市長はあいさつで「意見をいただいて進めてきたが、一定の成果が挙がった」と感謝した。 -
伊那市新ごみ中間処理施設用地選定委員会、候補地の認識に誤り - 上山田区域には下山田区域を含んでいた -
上伊那広域連合の新ごみ中間処理施設の建設候補地の一つとして、伊那市の用地選定委員会(伊藤精晤委員長)が検討してきた高遠町上山田区域。その建設用地として市が見積もった2万9千平方メートルのうち、約1万3千平方メートルは隣接区の下山田地籍であることが28日までに分かり、市は同日の委員会で「これまで十分に確認してこなかった事務局のミス」と陳謝した。これを受け委員会はこの日予定していた候補地の絞り込みを延期し、事務局が下山田に対し改めて候補地だったことを説明した後、候補地の絞り込みを進めることで合意。最終候補地の決定も延期せざる得ないことになった。上山田は候補地の中でも評価点数が高く、住民の反感が少ないなど、有力候補地の一つだったため、下山田の今後の動向が注目される。
◇ ◇
説明によると、当初市では対象候補地北側にある市道押出・小原線を両区の境界だと認識していたが、実際は候補地のほぼ中央を流れる水路が区境となっていることが今月25日に地域住民からの指摘で判明。市ではその翌日、下山田区長を訪問し、陳謝するとともに状況を説明した。
下山田区長は▽区民に下山田が候補地であることを周知した上でなければこれ以上話を進められないこと▽下山田区に対し、正式に候補地とし連絡することから始めること竏窒ネど、9項目にわたる意見を提出。
委員会では「これまで積み上げてきた経過もあり、事務局から改めて候補地としての説明をしてもらい、慎重に取り組むべき」といった意見に賛同し、これまで各候補地に対して行ってきた手続きを下山田に対しても行い、候補地の絞り込みを行うことで合意した。
これまで隣接地として見られていた下山田には、各候補地を示した地図が送付されていないほか、点数評価項目の確認もしていない。下山田からこれまでにない新たな情報が出てきた場合、内容によっては評価点数が変わることもある。
また「住民の理解度」を評価する項目については、委員会として市民全体に意見を求めるような意向調査などを行っておらず、また、あくまで評価は客観的に進めたいとの判断から、評価項目から除外することになった。 -
小沢花の会「芝桜祭り」
伊那市小沢の住民有志による小沢花の会(池田清和会長)の「芝桜祭り」が、同会が管理する広域農道沿いの花公園で始まった。県内外から観光客が訪れ、愛らしい花の中を歩いたり写真を撮ったりとにぎわっている。
広さ30アールの公園には実際の富士山の千分の一サイズで作った名物花富士をはじめいくつかの富士があり、「2008」や今年のえとのネズミを花でデザイン。白と藤色の花で天竜川も作り、ピンクの花の間にはスイセンも咲き、公園は一枚の絵のように見える。
北側の芝桜の開花はこれからで、満開になるのは5月の連休ころの見込みという。花の時期は長く1カ月くらい楽しめる。
26、27日の週末には乗用車だけでなく中京方面からの大型観光バスが9台も訪れた。今年は大型バス用駐車場も整備している。
ライトアップは5月3日から5日の午後7時から9時まで。29日から公園隣りの田に水が入り逆さ富士も楽しめる。3日から6日は、ちんどん屋も来る。
会場ではお茶と漬物を無料サービス。芝桜の苗、芝桜まんじゅう、甘酒の販売もある。 -
第11回ビデオ作品コンクール表彰式
愛好家でつくる伊那ビデオクラブ(飯島尚美会長)と伊那ケーブルテレビジョン共催の第11回ビデオ作品コンクールの表彰式が26日、伊那市生涯学習センターであった。会員の研さんのために年1回開くコンクールで、伊那市長賞は伊那市の前田耕一さんの作品「そばにいてよかったねー」が受賞した。
作品は制限時間5分以内で未発表のもの29点。12日の審査会で映画監督の後藤俊夫さん、伊那市、伊那ケーブルテレビジョンの代表、ビデオクラブ会員らが撮影技術、編集技術、音声の使い方、作品の完成度などの項目を点数で評価し100点満点で審査した。
表彰式で飯島会長は、「競争し合うコンクールと違い1、2年かけて学んできたものの発表会という意味合いを持つ。審査で70点以上が23作あり上手な作品ができるようになってきた。今後は作者の思いが伝わるか、人の心を揺さぶる作品ができるかなどさらに精進したい」とあいさつした。
伊那ビデオクラブは93年発足。例会での勉強のほか撮影会、県内外クラブとの交流会をしている。今年は3月に「伊那映像祭2008」も開き好評だった。会員は30人。
結果は次の通り(敬称略)。
▽伊那市長賞=「そばにいてよかったねー」前田耕一(伊那市)▽伊那ケーブルテレビジョン賞=「蛙の楽園」有賀光代(伊那市)▽後藤監督賞=「あばれみこし」赤羽伊三夫(伊那市)▽伊那市教育委員会賞=「こいの季節」(伊那市)石川はつめ▽伊那ビデオクラブ会長賞=「ゆりの里」平沢三千人(南箕輪村)▽NHK長野ビデオクラブ会長賞=「月下美人一期一映の不思議」小島勇男(南箕輪村)▽中部日本新聞社賞=「狐の嫁入り」河野恒(北安曇郡池田町)▽信濃毎日新聞社賞=「待ちわびて2008」北原正(南箕輪村)▽長野日報社賞=「訪ねまほしき園原花桃の里」飯島尚美(伊那市)▽伊那毎日新聞社賞=「今 農業は?」赤羽仁(伊那市)▽みのわ新聞社賞=「押し花野外教室」小山喜美子(伊那市)▽上伊那教育会長賞=「三滝探検」武田忠芳(伊那市)▽伊那市有線放送賞=「俵作り」白鳥節夫(伊那市)
◆伊那ケーブルテレビジョンで放映している「ビデオクラブ作品集」から同社が選定し表彰する作品
▽優秀賞=「北大合唱団東京OB会クラーククラブ第5回演奏会」赤羽仁▽地域文化賞=「輝く子供たち」赤羽伊三夫▽ほのぼの賞=「中国春節の旅」武田忠芳▽シャッターチャンス賞=「白鳥の寝るところ休むところ」河野恒 -
伊那市の住所表示大幅変更へ
伊那部3050番地の市役所の住所は「下新田3050番地」に、伊那3500番地1のいなっせは「荒井3500番地1」に、伊那1979番地2のきたっせは「山寺1979番地2」に変わります竏秩B
分かりづらいと不評だった伊那市の伊那、伊那部、美篶の住所表示を8月4日に一斉に変更したいとして準備を進めている伊那市は対象地域の住民に対する説明会を始めた。
変更されるのは「伊那」のほぼ全域と「伊那部」「美篶」の一部。「伊那」は福島と山ろく地帯の一部を除き「御園」「山寺」「坂下」「荒井」「西町」竏窒ネどに変更。「伊那部」は「中央」「日影」「境」「上牧」竏窒ネどに、「美篶」の一部は「上の原」「野底」「美原」竏窒ネどに表示が変わる。変更されない地域も一部にある。番地は原則として現在のまま変わらないが、郵便番号は変更される。影響を受けるのは市民約3万2千人と千社以上の事業所など。
1回目の説明会は25日夜、上新田、下新田の住民を対象に市役所で開き、総務部財政課の伊藤明生管財係長が住民約20人に変更の概要や日程などについて説明した=写真。参加した住民は説明におおむね納得した様子で、特に異論などは出なかった。
説明会は対象の各地域で5月29日まで、19回の開催が予定されている。説明会終了後は6月市議会に議案を提出し、議決を経て7月1日に市長が告示する。7月下旬に全対象家庭と事業所に対し、手続きについての手引書を配布する計画。
住所表示の分かりづらさを指摘する声はかなり以前からあったが、市町村合併(06年3月)前の協議会で意見が出たのを機に、変更に向けての議論が本格化した。
市は、変更について十分理解するためにぜひ説明会に参加を竏窒ニ呼び掛けている。問い合わせは市役所(TEL78・4111)総務部財政課管財係へ。 -
美篶公民館でお別れ展
老朽化に伴い、年度中に取り壊す伊那市の美篶公民館で26、27日、「お別れ展」が開かれている。昭和30年代からの公民館の主な出来事、公民館を会場にした結婚式の様子、歴代役員の名簿などをまとめ、訪れた地域住民は興味深く目を通した。
お別れ展は、美篶公民館が長年、地域の拠点施設として使ってきた建物を思い出に刻み込んでほしいと企画。公民館の記録保存資料や地域住民から借りた写真などをそろえた。
アルバムは20冊余で、昭和20年代の村民運動会の仮装行列や文化活動の発表の場だった「ふるさと祭り」(79縲・6年)、公民館の増改築などが写し出される。
公民館での結婚式は62縲・6年)、208組が挙げ、入場や宴会の写真に加え、三三九度の木盃、結婚式の準備に当たった実行委員(公民館役員)着用の上着が並ぶ。祝宴の料理、結婚式にかかった費用なども記され、年配の地域住民は懐かしく見入っていた。
運動会のビデオも上映している。
木造2階建ての現支所・公民館は1962年に建設し、77年に増改築したが、古くなり、近くに美篶支所・公民館の機能を持つ「美篶きらめき館」を新築。5月6日に開所する。
お別れ展と同時に、きらめき館の内覧会が開かれ、地域住民は「広いね」と話しながら、講堂や研修室、創作室などを見て回った。
お別れ展と内覧会の開館時間は、いずれも午前9時縲恁゚後3時。 -
アマランサス栽培講習会
栄養価の高さなどで注目されている雑穀アマランサスの魅力を知ってもらおうと伊那地域アマランサス研究会(登内英雄会長)と伊那商工会議所は24日夜、「雑穀アマランサス栽培講習会」を伊那商工会館で開いた。栽培に興味のある一般住民のほか、レストランや菓子店などの食品関係者約80人が上伊那各地から集まり、研究会の役員の講義を聴いた=写真。参加者にはアマランサスの種子1袋がもれなくプレゼントされ「帰ったら早速まいてみようか」などの声が上がっていた。
信州大大学院農学研究科助教で研究部会長の根本和洋さんは「アマランサスの魅力について」、栽培部会長の北原康弘さんは「アマランサスの栽培について」それぞれスライド写真を交えながら分かりやすく講義した。
アマランサスは紀元前数世紀ごろにはすでに南米アンデス地方などで食用として栽培されていたといい、たんぱく質、脂質、繊維、カルシウムなどの栄養成分が多く含まれている。研究会は将来性のある作物として栽培の普及に努める一方、利用方法の研究などにも取り組んでいる。07年度の伊那、高遠地域での作付け面積は1・75ヘクタールで、約1トンの実を収穫した。実や葉がそばや菓子などに利用されているほか、小中学校の給食にも取り入れられている。 -
幸せ運ぶ人形展
長野市大豆島で人形工房を主宰する人形作家の戸井田紗代子さんと門下生による「幸せ運ぶ人形展」が24日、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで始まった。
戸井田さんは失明寸前の病をきっかけに1990年より創作人形活動に入る。陶芸家でもあり、現在は長野県陶芸作家協会会員、長野県工芸会会員。老人福祉センターで講師も務める。
伊那では初の人形展。戸井田さんは創作活動の主流である陶人形と木彫人形、教室で指導しているクラフト人形など約70点を展示。現在イスラム圏に関心を持ちヨルダン、シリアなどを訪ねており、そのときの感動やイメージから作った「イエメンの瞳」、アフリカ旅行から出来た「生きる笑顔」などもある。
「生きる力を人形にしたい。にこっとする、ほっとする、そんな人形を作り、見る人に何か通じるものがあればうれしい」という。
長野教室、戸井田さんの弟子が開く辰野教室の生徒も表情豊かな人形を出品。会場には400点以上も並ぶ。
会期は29日まで。午前10時縲恁゚後5時(最終日午後4時)。 -
高遠北小創立30周年記念事業で環境整備
伊那市高遠町の高遠北小学校は26日、創立30周年記念事業の一環で中庭の庭園造りや遊具のペンキ塗りなどの特別親子作業を行った。節目を祝うため児童や保護者、卒業生ら計約130人が力を合わせ、学校の環境整備作業に汗を流した。
同作業は「学舎を磨き、さらに飛躍する北小」をスローガンに掲げた記念事業の第1段。滑り台やジャングルジムはやすりで磨き、児童たちが丁寧にペンキ塗り。水の管理が大変だった池は、御影石の白砂などを参加者で敷き広げ、・ス枯山水風・スの庭園に変えた。
1979(昭和54)年4月、藤沢、三義、長藤各小学校の統合により開校した同小は、本年度30周年を迎える。記念事業の実施については06年度から話し合いを重ね、07年度PTAが中心となって実行委員を発足。今後、音楽会や運動会、式典などの開催を予定する。
加藤博実行委員長は「家庭数や児童数がどんどんと少なくなる中、親子が協力して事業に取り組み、学校をPRしていきたい。環境整備の作業などを通じ、もっと地域の和が強まればうれしい」と話している。
学校中庭にある遊具のペンキ塗りに励む児童ら -
【記者室】講演に学ぶ
写真家・新村洋子さんの講演を聞いた。写真展のために少数民族の撮影に訪れたベトナム。象がベトナムにいることを知らなかった新村さんは、カメラの向こうに偶然目撃した象との出会いをきっかけに、ベトナムで象と暮らす人々の写真を撮り続けるようになったという▼象や象使いの写真だけでなく野生の象を調教する貴重な映像、象の捕獲が禁止される以前に広い森の中で「象が獲れた」などの合図のため使われた角笛の音楽なども記録している▼情熱を傾け追い求めるものに出会えたことをうらやましく思うが、新村さんはただ手をこまねいていたわけではない。とにかく積極的。自らの力で出会いを引き寄せたのだろう。生き方を学ばせていただいた講演だった。(村上裕子)
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第18回伊那市新ごみ中間処理施設用地選定委 - 候補地から六道原東、六道原西、三峰川・天竜川合流 点、下小出、与地、福島を除外 -
上伊那広域連合の新ごみ中間処理施設の建設場所を決定する伊那市の用地選定委員会(伊藤精晤委員長)が24日、市役所であった。前回の決定に基づき、点数評価項目のうち、環境保全項目で点数が低い六道原東、六道原西、三峰川・天竜川合流点、下小出、の4カ所と、建設関連項目の点数が低い与地、福島を候補地から除外(下小出は建設関連項目でも除外対象だった)。残った7カ所を視察し、建設地としての適正を再度確認した結果「総合点が1位だからという理由のみで最終候補地には決め兼ねる」とする伊藤委員長の意見に合意し、現在の7地点からさらに数カ所まで候補地を絞り込み、最終的には全委員の記名投票で1地点を決定することとなった。最終決定は5月9日となる見込み。
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この日事務局は、これまでに同委員会で決定した点数評価項目に基づき、各候補地の点数を提示。また、建設関連項目と環境保全項目を合わせた「総合点」の順位も示した=2面参照。
委員会では前回の決定に従い、環境保全項目で点数の低い4地点、建設関連項目で点数の低い3地点を候補地から除外。その後、今回除外されなかった7カ所が、本当に候補地として適当なのかを判断するため、再度視察した。
視察に参加した委員からは「残った7カ所はそれなりの適地だが、総合点が上位だった地点はやはり引っかかる点も少ない」として、総合点で順位が高かった桜井、上山田などを有力候補地として挙げる委員が多く、上山田については「候補地の中に遊休農地も含まれており、地元の熱意も感じる。その辺を評価できないかと考えている」とする意見もあった。
一方、候補地にすべきでないという意見が多かったのは青島。「絶滅危惧(ぐ)種の猛禽(もうきん)類が飛来する林が近くにあり、避けるべき」などといった声も多かった。
次回、28日の委員会で候補地の絞込みを行い、5月9日に委員投票を行う。 -
伊那市地域づくり活動支援金事業決定
伊那市は24日、市民が自発的、主体的に地域の活性化に取り組む活動を支援する「地域づくり活動支援金事業」の08年度採択事業を発表した。採択された事業は新規11、継続10の計21件。事業内容は景観形成が10件と最も多く、サクラの里づくり7件、環境保全2件、住民交流と歴史・文化関係が各1件。支援金総額は451万3千円。
支援事業には3月3日縲・1日に29団体が応募し、計733万4千円を要望。4月9日に選考委員会(選考委員長・酒井茂副市長、8人)を開き、独創性、公益性、発展性などを基準に審査、決定した。
新規採択事業と金額は次の通り。
▼ハイキングコース整備事業(手良地区活性化促進会議企画委員会)=21万円▼西春近桜の里づくり事業(西春近自治協議会)=50万円▼地域の希少動植物の保護と自然環境の保全事業(新山山野草等保護育成会)=17万1千円▼高遠・花の商店街づくり事業(高遠町商店街発展の会)=50万円▼高遠・花の商店街づくり推進事業(高遠景観形成会)=50万円▼日影区花のふれあい事業(日影区花の会・花壇の会)=7万円▼内の萱スポーツ公園への桜の植樹事業(荒井区)=33万3千円▼権兵衛・伊那節の里花づくり事業(権兵衛・伊那節の里花づくりの会)=50万円▼野口環境整備、環境保全、景観形成に関する事業(野口区)=25万5千円▼桜の苗木植樹育成事業(桜の木育成会)=3万5千円▼小沢水系井筋の現状調査と保全を考える事業(荒井区)=22万円 -
高遠さくらまつり号利用実績
伊那市は24日、JR東日本などと共同で今年初めて運行した臨時列車とバス「高遠さくらまつり号」の乗車実績と利用者へのアンケート結果を発表した。
乗車人数は、運行した4月12、13、19、20日の4日間合計で約690人(バス乗車券・公園入園券がセットになったパスポート売上枚数調べ)。利用者へのアンケートには190人が回答を寄せ、住居地は中信(95人)北信(47人)関東方面(32人)などが多いことが分かった。次年度以降の利用希望については89%が「利用したい」、バスの車中で地元ボランティアらが行った観光ガイドについては85%が「良かった」と回答するなど、おおむね好評。「平日に利用したい」とする希望者は70%に上った。
小坂樫男市長は「渋滞もなくてよかった。初めての試みでもあり土、日のみの運行だったが、要望も多かったので来年はぜひ平日にも運行したい」として、列車運行を平日にも拡大したい考えを示した。
さくらまつり号は4日間のみJR松本竏宙ノ那北駅間を1日1往復運行。伊那市は列車に合わせ、伊那北駅竏注i唐ウくらホテル間を結ぶバスを運行(ジェイアールバス関東に委託)した。
伊那北駅前では地元商店街などが、高遠さくらホテル前では市振興公社や商工会がそれぞれ物品販売を行ったが、売上実績などは不明。 -
上伊那地区保護司会総会
上伊那地区保護司会(松沢考資会長)は23日、通常総会を伊那市山寺の越後屋で開いた。北部、中部、東部、南部の各分区の保護司約70人が出席し、08年度の事業計画・予算案などを承認した。08年度は「社会を明るくする運動」関連事業を中心に、研修会の実施、協力事業主への協力呼び掛けなどを重点的に行っていく。
松沢会長はあいさつで「私たちの活動の原点は更正の手助け。明るい地域と社会づくりのための活動を地道に行っていきたい。保護司としてのレベルアップのため、研修に積極的に参加し、行動する保護司を目指してほしい」と呼び掛けた。
講話として県保護観察所の加納里史統括保護観察官の話を聞いた。 -
食生活改善推進協議会上伊那支部総会
県食生活改善推進協議会上伊那支部(六波羅弘美支部長)は23日、定期総会を伊那市の県伊那合同庁舎で開いた。会員約150人が出席し、08年度事業計画・予算案などを承認した。08年度は県が示した食育推進計画、地産地消推進計画の内容を考慮しながら講習会、料理教室などを通じて健康的な食生活の普及を図っていくほか、牛乳や郷土料理の普及促進などにも取り組んでいく。
六波羅支部長は「今年設立40周年を迎える。ひたすらボランティアとして積み重ねてきたこれまでの努力に感謝する。これを機に活動の根元を見詰め直してみよう」と呼び掛けた=写真。
特別講演として山崎宗広伊那保健所長が「食の視点から生活習慣病を考える」と題して食と健康の関係について講演した。 -
【警察功労で瑞宝単光章受章 内山寿さん】
危険性の高い警察業務に長年従事して多くの功労を重ねたとして今月、瑞宝単光章を受章する。
篠ノ井町(現長野市篠ノ井)で7人きょうだいの末っ子に生まれ、5歳で父を亡くした。
「苦労したせいもあって、世のため、人のために役に立つことをしたい竏窒ニ警察官を志した」
20歳で警察官となり、松本署を振り出しに県内各地で勤務。主に刑事畑を歩んだ。
若い時は暴力団員に短刀を突きつけられたことなどもあったが、経験を重ねるにつれ、だんだんと度胸がついてきた。
「昔は今と違って刑事にはなりたくてもなかなかなれなかったもんだ。普通は10年以上の経験が必要だったし、上司が適性を認めてくれなければ駄目だった。それだけに、仕事は大変だったな」
賭博の現場に踏み込んで修羅場になったこと、日米安保闘争の警備に駆り出され、国会議事堂の地下室でごろ寝したこと、温泉街ではけんかや泥棒が絶えず、土、日曜日も祭日もなく捜査に駆けずり回ったこと竏秩B
「今思えば懐かしいような気もするが、当時は死に物狂いでただ懸命にやっていた」
岡谷署勤務だった時のこと。走って来る1台のバイクを見て、特に何が不審というわけではなかったが何となく気になり、その場で止めて職務質問した。
「荷台にあったバッグを調べると、中にはひもで縛った5、6本の瓶があった。これが何と火炎瓶だったんだ。時刻は午後2時30分ごろ。閉店間際の銀行に押し入るつもりで店を狙っていたんだよ。どうして止めたか自分でもよく分からんが、とにかく未然に防ぐことができて本当によかった」
戦後の食糧難から食料統制が続いていたころにはこんなことも。停止を命じた2台のトラックが止まらずに走り去ってしまった。駅前のタクシーをつかまえ、勘で行方を探したが姿は見えず。あきらめかけたころ、塩尻峠の登り坂でようやく発見。タクシーで追い越し、細い道をふさいで停車させた。
「積荷を調べたら、30キロ入りの米袋が荷台にぎっしり。数えたら200袋以上もあった。闇米だよ」
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39年務めて60歳で定年退職。その間の所属長、本部長表彰は84回を数える。退職後は中南信運転免許センターで11年間法規の講師。現在は伊那市交通安全指導員会長を務めている。7期目。
「長年苦労してきたが、少しは人のためになったという自負もある。どんな道でもそうだろうが情熱、勇気、辛抱が大事だ。せっかく得た経験だから、世のために生かしていきたいね」
(白鳥文男) -
マヤ文明都市国家ティカルの神殿天上板の拓本
伊那東小に施行業者が寄贈伊那市立伊那東小学校の管理教室棟完成を記念し、電気設備工事を請け負ったアイネットと宮原電気工事が、マヤ文明古典期の都市国家ティカル(紀元前300年縲恚I元後900年ころ)の神殿入口の天上板に刻まれた暦の拓本を同校に寄贈した。23日、アイネットの中越紀雄社長と宮原電気工事の宮原徹社長が市役所を訪れ、小坂樫男市長に目録を手渡した。拓本はすでに図書室に設置してある。
寄贈品は、松本市在住の拓本家・平川明さんの恩師が拓本にした現物で、恩師の遺品として平川さんが所有していた。ティカル遺跡は1979年に世界遺産の複合遺産に登録され、現在では拓本をとることが出来ないため、大変貴重なものだという。
「日本にはない珍しいもの。どこかに展示したい」という所有者の思いを中越社長が友人を介して知り、今回の寄贈になった。
拓本は、60年分の暦で1カ月ごとに動物などの絵が描かれているという。たて182センチ、横200センチ。額に入れ、児童が集う図書室の壁に飾っている。
中越社長らは「児童に文化が長く続いていることがわかってもらえたらうれしい」と話し、小坂市長も「2千年の歴史に思いをはせてほしい」と話した。 -
桑名智絵 彩画の世界展
伊那市出身で長野市在住の桑名智絵さんの絵画の展示会「こころの絵 桑名智絵 彩画の世界」は29日まで、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで開いている。
色にこだわり、きれいな色を使いたいと「彩画」という独自の世界を作り出し、水彩絵の具で額に使うマットに描く。「こころの絵 優しさとあたたかさの中に」をテーマに、今回は1年半の間に描いた「萌ゆ」「雪の華」「吉野なるみやま」「瀧」など29点を展示した。
マットの素材によって絵の具の染み方が異なり水彩でありながら油彩画のように見えたり、日本画のようだったりと趣の異なる作品で、中には一度描いた絵を水で流して乾かし、残った色からイメージして描く“水絵”という作品もある。
「基本はいいものを見て感動すること。感動がなければ感動ある絵は描けない」と、必ず現場に行ってスケッチし、音楽を聞きながら制作に取り組んでいる。
伊那では96年から1年おきに展示会を開き7回目。かんてんぱぱホールでは、「自分が求めている絵の世界とここのすばらしい環境がぴったり」と今回で3回目になる。時間は午前10時縲恁゚後5時(最終日午後2時)。 -
伊那商工会議所が事業承継セミナー
会社の経営を後継者に引き継ぐ「事業承継」について理解を深めてもらおうと伊那商工会議所(向山公人会頭)は23日、初めてのセミナー「事業承継問題解決への道を探る縲怏~滑な事業承継に向けて」を伊那商工会館で開いた。上伊那各地の事業主など約50人が集まり、長野市の税理士山崎健児さんの「遺産分割から事業承継問題を考える」と、八十二銀行の事業承継サポートチームの横谷秀克さん、轟直宏さんの「金融機関から見た事業承継」を聴いた=写真。
山崎さんは事業承継で実際によくあるトラブルとして▽自社の株価が思わぬほどに高値になっていて高額の相続税がかかる▽遺産分割がうまくいかない竏窒ネどを挙げた。「面倒だからと先送りにせず、一度きちんと相続税の計算や遺産分割のシミュレーションをしておくことが大切だ」と呼び掛け、法律上の手続きなどについて詳しく説明した。 -
日韓女性団体がそば打ちで交流
文化交流と観光で伊那市を訪れている韓国ソウル市の女性団体の10人が23日、今月末から来月にかけて訪韓する伊那市の女性団体とそば打ち体験をするなどして交流を楽しんだ。伊那市の女性団体は、韓国の南原(ナムウォン)市を舞台に展開する古典的純愛物語にちなんだ「春香祭」(5月1縲・日)を見学に韓国を訪れる民間の使節団(竹中則子団長、16人)など約30人。両国の参加者は伊那市西箕輪のみはらしファーム内「名人亭」で対面し、和やかな雰囲気の中でそば打ちに取り組んだ。指南役を務めた伊那市そば打ち名人の会・小林史麿会長は「そばは伊那が発祥の地。おいしいそばを打って味わってほしい」と話し、身振り手振りを交えて丁寧に指導。韓国の女性らは初めて体験するそば打ちを珍しがり、笑顔を見せながら楽しそうにそばと格闘していた=写真。
韓国の女性団体はそば打ちに先立って伊那市役所を訪れ、小坂樫男市長にあいさつしたほか、そば打ち後には高遠まで足を伸ばして高遠公園や勝間のシダレザクラを堪能した。 -
豊田勇造ライブ
伊那市西春近の山荘「森樹」(しんじゅ)は22日夜、シンガー・ソングライター豊田勇造さんのライブを開いた。昨年に続いて2回目。熱心なファンなど約20人が集まり、豊田さんの歌の世界を堪能した。
豊田さんはフォークシンガーの道に入るきっかけとなった米国の伝説的アーティスト、ボブ・ディランへの思いを歌った『ディラン』、米不足の時代に輸入されたタイ産米を歌ったヒット曲『タイ米ブルーズ』などを次々に披露。ギターを弾きながら時にささやくように、時に激しく、約15曲を熱唱した=写真。曲の合間には、生まれ育った京都独特の柔らかなイントネーションの語りで聴衆を引き込んだ。
豊田さんは1949年生まれ。日本フォークの創生期から活動を始め、メッセージ性の強い曲を次々に発表。多くのCDをリリースする一方で年間100回以上のライブをこなすなど、年齢を感じさせない精力的な音楽活動を展開している。