-
「華やかによみがえる古布」展
ちりめんなどの古布に新たな命を吹き込んだ人形や押絵などの作品展「華やかによみがえる古布」が9日、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで始まった。14日まで開く。
宮田村の「ギャラリー枯淡」代表の前山ひろみさん(73)が主催。前山さんは皮のアートフラワーに20年近く親しみ、3年前からはちりめんの押絵も楽しんでいる。今回の展示会は古布好きが縁で知り合った北海道、東京都、三重県の造形作家ら4人も参加し、5人それぞれの個性豊かな作品を展示した。
前山さんの作品は、麻のれん、江戸ちりめんの古布などからイメージを膨らませ、「三軒長屋のねこちゃん」「うさぎのお月見と紅葉狩り」など物語を作り、元の布の絵柄を生かしながら、美しい柄のちりめんで押絵にしている。
造形作家による擬人化したネコやウサギなどの人形、市松人形の着物、節句を題材にしたちりめん細工など多彩な作品が並ぶ。
「自分の生きがいのため、目標を持ってこれからの年齢を乗り越えていきたい」。そんな思いで開いた展示会。「古布に込められた思いを古布と会話しながら新たな命を吹き込み、よみがえらせた作品を見ていただきたい」と話している。
期間中の13日午後2時から展示会場でメモリアルコンサートもある(まえやま内科胃腸科クリニック主催)。 -
池田満寿夫の世界展
版画家、池田満寿夫の初期から最晩年までの版画作品などを紹介する「池田満寿夫の世界展」が10日、伊那市旭町のはら美術で始まった。幅広い年代の版画作品に加え陶芸、書も集めた見ごたえある展示になっている。
池田満寿夫(1934-97年)は旧満州に生まれ、終戦後に長野市に移り長野高校を卒業。57年第1回東京国際版画ビエンナーレ展入選、60年第2回同展文部大臣賞を受賞。66年に棟方志功に次いで第33回ヴェネツィア・ビエンナーレ展国際版画大賞を受賞し一躍有名になる。版画家だけでなく彫刻家、陶芸家、脚本家、映画監督、芥川賞作家など多彩な顔を持ち活躍した。
今回の世界展では、初期の珍品「わたしの処女 No8」(1958年)、「水」(1965年)をはじめ米国時代、晩年、そして最後の版画作品で3点セットの「人間の全て」(1997年)までがそろう。版画は32点。陶芸8点、書5点。
はら美術では「これだけの作品が集まることはない。ぜひ見てほしい」としている。
会期は15日まで。午前11時縲恁゚後6時、入場無料。 -
エネルギー有効利用事例発表会
事業活動の中での取り組みを通して環境負荷の低減を促進しようと上伊那電気主任技術者協会(川上国男会長)は10日、第20回「やさしいエネルギー有効利用事例発表会」を伊那市西箕輪の伊那技術形成センターで開いた。上伊那と飯田市の11事業所に勤務する電気主任技術者らが参加し、それぞれが取り組んできた事例計17件を発表し合った=写真。
駒ケ根市のネクストエナジー・アンド・リソース(伊藤敦社長)は、20年前に製造された太陽電池パネル約3300枚を販売するために1枚1枚発電性能を測定したところ、95%のパネルが使用可能だった竏窒ニする事例を発表。保存状態が良ければ、発電性能は長期間維持できることが分かった、とした上で、今後は性能劣化原因の解明と残存寿命の予測に取り組みたいと話した。
宮田村の浦野紙器(浦野勇社長)は新工場建設に際し、県内最大規模の150キロワット級の太陽光発電設備を導入した結果、消費電力量の30%をまかなうことができた事例を発表。1億円の費用をかけたが、大きな効果が上がったとした。
川上会長はあいさつで「発表会は年に1回の開催を続けて20回目を迎えた。継続は力なり。今後も30回、40回と続いていくと確信している」と述べた。 -
伊那市の女性団体訪韓へ
韓国の南原(ナムウォン)市を舞台に展開する古典的純愛物語『春香(しゅんこう)伝』にちなんだ「春香祭」(5月1縲・日)が同市で開かれるのに合わせ、伊那市の女性団体や文化団体の会員などでつくる民間の使節団(竹中則子団長、16人)が韓国を訪れる。
2月の韓国大統領就任式に出席した小坂樫男市長と、同席した南原市の崔中根市長が懇談した際、両市の文化団体の交流についても話が弾んだのが事の始まり。帰国した市長に話を聞いた女性団体連絡協議会の竹中則子会長らが訪韓に名乗りを上げた。
『春香伝』と伊那市には、戦時中に疎開していた作曲家の高木東六さん(伊那市名誉市民・故人)が当時、物語を題材にしたオペラ『春香』を作曲した縁もある。女団連は02年、日韓交流文化公演で上演されたオペラを横浜市で鑑賞している。竹中団長は「市長に話を聞いてぜひ行きたいと思った。祭りが楽しみ。短い訪問だが、韓国の女性団体との交流もしたい」と話している。
祭りは『春香』の劇やオペラの上演、伝統的な衣装を身にまとっての市内パレードや歌の大会などが6日間にわたって催され、韓国全土から約50万人が訪れるという。
10日には日程や注意事項などの説明会が市役所で開かれた=写真。参加者は旅行代理店の担当者の説明を聞きながら韓国に思いをはせた。
訪問は2泊3日。4月30日早朝に伊那市を出発し、同日韓国着。5月1日に南原市長を表敬訪問し、祭りを視察する。2日はソウル市内の観光などをして深夜帰着の予定。 -
県の「景観育成特定地区」指定に向け、2年越しの活動を展開
西箕輪ふるさと景観住民協定者会の事務局長
伊那市西箕輪
山口通之さん(66)海外を見ると、フランスなんかは100年ぐらい街の景観を守ってきた歴史がある。日本はそういう点ですごく鈍感。でも、高度経済成長を経て「何でもかんでも建設すればきれいになる」という考えから「地域の歴史にあった風景が一番素晴らしいんじゃないか」ってなってきたね竏秩B
先月末、西箕輪地区全域を県の景観育成特定地区に指定するため、地権者の3分の2以上の同意書などを県に提出した「西箕輪ふるさと景観住民協定者会」。その事務局長として、2年がかりで活動を引っ張ってきた。今後、順調にいけば8月下旬ころ、西箕輪は県内初の景観育成特定地区となる見込みだ。
「ここには山と畑、そこに人間の営みがある。また、意外と知られていないが、ここは先人たちがうんと苦労して水を引いてきた経過もある。西箕輪にはそういう自然や歴史、文化が織りなす日本の原風景がある」
◇ ◇
1942年生まれ。日本が高度経済成長期にあった1964年に高校の教員になり、時代の変遷とともに移り変わっていく地域の姿を見てきた。
最初に赴任したのは佐久市岩村田。地元の浅間山麓(ろく)は、観光開発のために開発が進んでいる真っ最中だった。山野やはにわかにして別荘地やスキー場へと変わり、道や店舗ができていった。地域は豊かになったかのように見えたが、開発が進む一方で「こんなはずじゃなかった」もらす地域住民の声も聞こえてきた。
「開発は悪いことじゃないけど、特にバブル崩壊後は『これまで開発に突っ走ってきたが、果たして本当それで良かったのか』という声が高まった。そんな中『地域の人が地域のことを考えるなきゃいけない』という気運も出てきた」
◇ ◇
西箕輪地区では02年、産業廃棄物の処分場建設計画が浮上したことをきっかけに景観や環境に関する議論が始まった。住民アンケートの結果、多くの住民がこの地に人一倍の愛着を持っていることが分かり、05年には西箕輪地区全体を対象とした紳士協定「西箕輪ふるさと景観住民協定」を締結。県から景観特定育成地区の話を持ちかけられたのはちょうどその時だった。
「法的拘束力をもって景観育成を図れるってことだが、3分の2以上の同意書が必要だったり、景観計画の素案を作成しなきゃだったりとやるべきことが山ほどあったから、かなりのプレッシャーだった」と振り返る。
そんな中、特区指定に向けた活動を開始。しかし、先を急ぐより、住民に理解してもらうことを最優先しようと決め、説明会やワークショップ、景観ウォーキングなど、さまざまなイベントを開催。特区指定への理解を求めるとともに、この地区の景観の素晴らしさを改めて知ってもらうための取り組みを展開した。そんな活動の結果、景観計画案の同意を得ることもでき、住民の3分の2以上の同意書も集まった。 -
上伊那に桜前線 高遠見ごろ15日前後
伊那市は9日、桜の名所として知られる高遠城址公園のタカトオコヒガンザクラの開花を宣言した。昨年より4日遅く、例年と比べて4日早い。見ごろは15日前後から1週間ほど。
基準となる公園内の桜雲橋周辺の桜が数輪咲き始めた。日当たりのよい公園南ゲート付近は、すでに2分咲き。11日ごろから、夜間(午後6時縲・0時)のライトアップをする。混雑はないものの、開花宣言によって入園者は徐々に増えると見られ、12、13、19、20日にピークを迎えそう。
9日は、県内外から観光バスなどが入り、花見客はゆっくりと公園内を散策。花びらをカメラに収めたり、桜を見ながら弁当を食べたりして、のんびりと過ごした。
兵庫県姫路市からツアーで訪れた女性(82)は「1度、来たいと思っていた。花びらのピンクが濃く、かわいらしくてやさしい色」と話し、花見を楽しんだ。
公園内には、タカトオコヒガンザクラ1500本がある。古いもので樹齢140年。花は濃い紅色で、ソメイヨシノよりやや小ぶりなのが特徴。コヒガンザクラ樹林は1960年、県天然記念物に指定された。
高遠の桜情報は、テレフォンサービス(TEL94・3939)で確認できる。
入園料は一般500円、小中学生250円。 -
南信病院長に知事感謝状
上伊那福祉事務所の生活保護嘱託医を33年間にわたって務め、3月末に退任した南信病院長、近藤廉治さん(80)=伊那市美篶=に9日、知事感謝状が贈られた。近藤さんは「33年と聞いてびっくりしたくらい、本当にあっという間だった。少し長過ぎたから若い人に譲りたい。皆さんの協力のおかげで無事に終えられてよかった。楽しかった」と笑顔で振り返った。
感謝状を手渡した宮坂正巳地方事務所長は「長きにわたり、福祉行政の円滑な運営と適正な保護の実施に貢献した功績に感謝する。今後もますます活躍を」と感謝の言葉を述べた。
近藤さんは1975年以来、精神的な病気が原因で生活保護を申請した人の認定と継続についての判断やアドバイスなどをしてきた。信州大医学部卒。県駒ケ根病院長を経て72年、南信病院を開設した。園芸療法などの先進的な取り組みで知られる。
嘱託医の後任は同病院の副院長、武藤隆さんが務める。 -
伊那消防署特別点検
伊那消防組合伊那消防署は8日、年度始めの特別点検を行った。庁舎屋上に署員約40人がきびきびと整列。訪れた小坂樫男組合長、唐木一直副組合長に服装や手帳などの点検を受け、新年度のスタートに当たって職務遂行の意気込みを新たにした=写真。
小坂組合長は「新しく署員も入って新年度が始まった。迅速、安全がわれわれに課せられた大きな使命だが、常日頃の訓練がものをいう。市民の期待に応えられるよう、訓練、勤務に励んでほしい」と訓示した。 -
【記者室】星空の世界
ライフワークとして星と風景の写真を撮っている太田直志さんの写真展。県伊那文化会館で開催中で、北アルプスの燕岳をはじめ国内外で撮影した「星のある風景」の写真に心がふるえた。
中学2年の学校登山は燕岳だった。あまりの辛さに記憶から抹殺したのか、登った覚えはほとんどなく、夜空を見上げた記憶もない。その山に太田さんは星の写真を撮るためだけに登るという。1枚1枚の写真の中に広がる燕岳の星空の世界。ただただ見入ってしまった。
切り立った山の頂、米国アーチーズ国立公園の砂岩のアーチ、豪州デビルズマーブルの岩。それらの上に無数の星が瞬き、宇宙は果てしなく広がっている。人間は、なんてちっぽけな存在なのかと思い知らされる。(村上裕子) -
通り町商店街 一店逸品マップ作る
伊那市の通り町商店街振興組合は、個店の「売り」を消費者にアピールする便利マップ「一店逸品案内」を作った。内田吉郎副理事長らは「商店主自身が自分の店の特色を認識する機会になったことが一番大きい。消費者に『売り』を浸透させ、商店街の活性化に結びつけたい」と話す。
マップはA3判の六ツ折。カラーの両面刷りで、衣料品、飲食、薬局、書店など26店の知って得する逸品案内と位置図、通り町のイベントなどをイラスト付きでまとめた。
店ごとに枠を組み「小世帯向けに、少量パックの品ぞろえ!」「昭和のレトロが漂う食事どころ」「朝から夜まで休まず営業しております」など独自のサービスや商品を紹介。商店主の似顔絵を入れ、営業時間や定休日も載せた。
周辺のトイレ(和式・洋式)や行き先別バス停、医療機関の情報なども調べ、消費者に見てもらえるように工夫した。
マップは2万部作り、10日前後に参加店のほか、市役所や伊那商工会議所、通り町だんわ室などに置く。
通り町商店街ホームページでも紹介している。 -
伊那市消防団長 伊藤仁さん(60)
伊那市長から、4月1日付で市消防団長に任命された。上伊那地方最大の団員数1156人を統率する指揮官は、一言ひとことをかみ締めながら、消防団の今後への展望を語る。
「背負った責任の重さに身の引き締まる思いだが、これからは消防団がなぜ必要かを市民の皆さんによく理解してもらい、団員の活動をもっと知ってもらうよう努力していきたい」
消防団に入団したのは1999(平成11)年4月。御園、山寺、坂下区でつくる伊那分団第1部の部長にいきなり任命された。団員経験はなかったが、担い手不足から異例の抜てきとなった。その後、伊那分団副分団長、同分団長、消防団副団長を2年ずつ経験し、団長の任に就いた。
□ □
高校卒業後、地元を離れて大学へ進学し、首都圏の会社へ就職していたため帰郷したのは早期退職後の13年前。消防団活動は、都会生活の中で知ることはなく、存在に関心もわかなかった。だが、初めて消防団活動に携わったとき、その必要性を肌で感じた。それは「驚きの連続」だった。
「故郷を離れ、団員経験が少ないからこそ見えてくるものもある。財政に余裕のある都会と違い、余裕のない地方は、常備消防の不足を消防団が補うことで住民の安全を守ることができる。また、地元に精通した団員たちだから対処できる災害もある。自分たちの身を守るには自分たちでやらなければならない。必要なのは支え合いの心」
それを痛感したのは06年に発生した7月豪雨災害のときだった。当時、市役所1階多目的ホール・ロビーを本部に団員を集め、災害救助を目的とした実動部隊の出動指揮を執っていた。次々と入ってくる、無線からの被災情報と出動要請に自然の猛威を実感。そして、ホール・ロビーには、豪雨が去るまでの2日半、使命を遂げようと不眠不休で出動と待機を繰り返す団員の姿があった。
□ □
「消防団員になって感じたのは、地元に住んでいる人たちが消防団の必要性と団員の活動をきちんと理解していなかったこと。まずは、情報を自ら発信し、市民に活動を知ってもらいたい。消防団に関心を持ってもらいたい」
一人ひとりの生産性が求められ、職場を離れることが厳しい現代社会だが、大切なのは郷土を守りたいという気持ち。「それぞれができる範囲でよい。周囲に火の取り扱いを注意するだけでも、火災予防の協力になるのだから」
(布袋宏之) -
伊那市総合計画審議会第6回
伊那市は8日、09縲・8年度の市政運営の指針となる市総合計画【基本計画】案の第6回審議会(下島省吾委員長、23人)を市役所で開いた。委員16人が出席し、6章のうちの第1章「市民が主役のまちづくり」について意見を交わしたほか、第2章「だれもがいきいきと働き産業が育つまちづくり」について市の担当者から説明を聞いた。
第1章について参加者からは「職員削減をうたっているが、どんどん減らせばいいというものではない。市民へのサービスを犠牲にしないでほしい」「市税収納率の目標値が94%とあるが、目標は100%であるべきではないか」「市民が主役といっても、何かする時には人、物、金が要る。市の支援についての記述がないので追加してほしい」などの意見が出た。
市は意見を検討して反映させた修正案を次回審議会(4月21日開催予定)に提示する。市長への答申は7月の見込み。
基本計画案は市役所1階の行政情報コーナー、高遠町総合支所、長谷総合支所などで閲覧できるほか、市のホームページでも公開されている。市は計画の内容についての意見を25日まで募集している。 -
人権擁護委員委嘱
伊那市の人権擁護委員10人のうち4人の任期満了に伴って8日、新任1人と再任の3人に法務大臣の委嘱状が伝達された=写真。任期は4月1日から3年間。
委嘱状を伝達した小坂樫男市長は「ボランティアで大変だがどうか頑張って」と激励した。
3期9年の任期を終え、3月31日で退任した重盛東洋さん(71)=西箕輪=に感謝状と記念品が贈られた。
委嘱を受けたのは次の皆さん。
▼新任=土肥袈裟次(西箕輪)▼2期目=中山マミ子(美篶)白田信隆(美篶)▼3期目=宮下茂人(富県) -
おひさまクラブ春の油彩画展
上伊那在住者を中心とした油絵愛好者らでつくる「おひさまクラブ」(平沢孝一会長)は18日まで「春の油彩画展」を伊那市中央区の中部電力伊那営業所ギャラリー「ふれあい」で開いている。風景、花、人物など、会員10人が思い思いに描いた個性豊かな油彩画と、講師を務めるパリ国際ル・サロン会員の画家・碓井伍一さんの作品計21点が展示されている。
平沢会長は「具象も抽象もあって統一感はないが、それぞれ好きなものを楽しく描いている。一緒に楽しみませんか」と呼び掛けている。
同クラブは市駅前ビルいなっせの油絵教室の修了生らが集まって04年に発足。碓井さんの指導で、月2回の例会で腕を磨いている。
入場無料。午前8時30分縲恁゚後5時10分。土・日曜日休館。 -
県経営者協会が知事と懇談
県経営者協会は7日、村井知事との第7回懇談会を伊那市のかんてんぱぱホールで開いた。上伊那地区では初の開催。上伊那支部を中心とした会員約40人が出席し、村井知事にさまざまな質問や意見を述べた。
三遠南信自動車道は上伊那経済の発展のためにぜひ造ってほしい竏窒ニの要望に対し村井知事は「非常に大事な道路。つながらなければ意味はないので、手をつけた以上、必ず静岡まで開通させる」と言明した。
リニア新幹線については「整備新幹線の中では優先順が下位であり、国がすぐに動く様子はない。現在行われているJR東海のボーリングもデータをそろえるための事前調査なので、これで直ちにルートが決まるわけではない。どうか冷静な対応を」と呼び掛けた。
出席者からは「地方は道路がないと暮らせない。国に道路特定財源の暫定税率復活の圧力をかけてほしい」「魅力ある企業が多いことを県としてもっと発信してほしい」「上伊那の一部で遅れている高度情報通信ネットワークの整備を進めてほしい」などの要望が出され、知事は「十分認識している」「検討する」などと回答した。 -
高校卓球 上伊那選手権大会
第35回上伊那高校卓球選手権大会(上伊那卓球連盟主催)は6日、伊那市の県伊那勤労者福祉センター体育館で行った。国体南信地区予選の前哨戦に位置付けた大会。男子5校、女子3校から計約80人が参加し、男女別シングルス、学校対抗戦を繰り広げた。
上位の結果は次の通り。
【男子】
▽学校対抗 (1)駒ヶ根工A(2)伊那弥生(3)赤穂A(4)伊那北A
▽シングルス (1)山岡孝太(伊那北)(2)小河内博貴(赤穂)(3)水上裕太(駒ヶ根工)北原卓征(赤穂)
【女子】
▽団体 (1)伊那西A(2)伊那北(3)伊那西B(4)伊那西C
▽シングルス (1)柴美由紀(伊那西)(2)牛山雅美(伊那西)(3)中山由美(伊那北)松崎美紀(伊那西)
熱戦を繰り広げた女子学校対抗戦 -
塩田愛子教室 ステンドグラス作品展
伊那市長谷のステンドグラス職人・塩田愛子さん(33)が市女性プラザ伊那で指導するステンドグラス教室の作品展は10日まで、同市立伊那図書館1階広域情報コーナーで開いている。受講生12人が制作したランプシェードや壁かけなど、一人3点以上の計56点を出品している。
月に1回の教室が始まり、5年が経過したのをきっかけに、多くの人に見てもらいたいと、初めての作品展を計画した。作品は女性でも手軽に作れるキットを使っているが、それぞれに作者の感性が表れており、「世界で一つの作品」になっている。
作品は受講生たちが自分のお気に入りを出展。バラやパンジー、幾何学模様などのランプシェードのほか、雛人形やクリスマスツリーなどに模したステンドグラスを並べた。会場を優しく包み込む光が来場者を魅了している。
塩田さんは「家の中に飾っていても、外からの光に通して楽しむことができるのが魅力。生徒さんたちにとって作品は家族の一員であり、生活の一部。それぞれのこれまでの活動の成果を見てほしい」と来場を呼び掛けている。
午前10時縲恁゚後7時(最終日は午後3時まで)。 -
第16回伊那市用地選定委員会
建設コスト、環境影響、分けて点数化上伊那広域連合の新ごみ中間処理施設の建設場所を検討している伊那市の用地選定委員会(伊藤精晤委員長)が7日、伊那市であった。用地を選ぶ評価基準の中に市民から募集した意見をどう汲み上げるのか、点数評価する項目の評価手順をどうするかなどを決めるため、3グループに分かれて検討。各グループとも「環境影響と建設コストは分けて評価すべき」という意見でまとまり、環境影響を評価する16項目と建設コストを評価する14項目は別々に評価し、第一段階として、どちらか一つでも合計点が低い評価点が付いた数カ所を候補地から除外すること決定した。候補地の絞り込み方法は次回、具体化する。また、各候補地の点数は24日に明らかにし、ある程度まで候補地を絞り込んでから再度、現地調査を行う。
グループ検討の結果「最終候補地を決定するまでにある程度候補地を絞り込みしていく必要がある」として候補地を絞り込みを行うことを決定。最終候補地をどのように決定するかは依然、決定していないが、候補地を絞り込みを行うにはこれまで検討してきた点数評価項目に基づき行うため、各候補地の点数が明らかになる。
最終候補地1カ所が決まるまで、住民感情を刺激したくない思惑のある事務局側は当初、最終候補地の決定を予定している30日までは各候補地の点数を明らかにできないとしたが、委員から「今度の現地調査は点数評価した結果が妥当かどうかを確認するために行うもの。候補地の絞り込みをしてから確認したい」「段階的に絞り込んだ手順を市民に公開することにも意義がある」との声が挙がり、現地調査を行う前に各候補地の点数を公表し、候補地の絞り込みを行うこととなった。
用地選定に関する市民意見の活用についてはすでにこれまでの評価項目に組み込まれているとの見解から「後々の参考意見として生かしていきたい」としたほか、候補地の賛否に関する意見について伊藤委員長は「最終候補地を絞り込む時、委員それぞれが考慮する形で反映していくことになると思う」と語った。 -
県公衆衛生専門学校入学式
伊那市の県公衆衛生専門学校伊那校(山崎宗広校長)で7日、08年度の入学式があった。歯科衛生士を目指す19人が入学許可を受けた=写真。
入学生代表の山田夏美さんは「多くの知識、技術を学ぶだけでなく、思いやりを忘れないようにしたい。歯科衛生士への道のりは容易ではないが、仲間と励ましあって努力していきたい」と誓いの言葉を述べた。
山崎校長は、式辞で「歯科衛生士は生涯にわたって活躍できる魅力ある仕事。初心を忘れず、主体的、積極的に学んで、自ら判断する力を養ってほしい」と激励した。
2年生を代表して本村真由美さんは「厚い教科書や初めて見る機器に驚くことだろうが、だんだんに楽しさややりがいが感じられるようになるはず。19人の仲間と助け合って成長してほしい」と歓迎の言葉を述べた。 -
西春近公民館コヒガンザクラ満開
地元で早咲きと知られる、伊那市の西春近公民館南児童公園のコヒガンザクラが満開となり、見ごろを迎えている。高さ10メートル以上、樹齢約80年の古木2本など計8本が公園を囲んでおり、夜は地元有志が設置したぼんぼりの光が幻想的に映し出している=写真。
今年の咲き始めは例年とほぼ同じ時期で、ここ数日の間に満開となった。花の色は淡いピンク色で、枝は木の下に立った人を包み込むように垂れており見事。近所に住む子ども連れの家族やお年寄りたちが連日、枝下でお花見している。
公民館内で働く女性職員は「窓口を訪れた人も見事な咲き具合に見とれている。桜が満開となり、職場も華やかになっている」。花の見ごろは今週いっぱいで、ライトアップは午後6時縲恣ッ9時半。 -
伊那市の歌、花、木、鳥のお披露目式
伊那市の歌・花・木・鳥のお披露目式が5日、市役所であった。市歌の作詞・作曲家の家族や地域住民ら約350人が出席。選定理由などが報告され、市民に親しまれるように願った。
昨年12月、市歌は旧伊那市の「伊那市の歌」、花は「さくら」、木は「かえで」、鳥は「らいちょう」に決定。
小坂市長は「合併して2年が経過した。新しい市の象徴で、伊那市が発展するべく心新たに努力していく」と述べた。
市役所前の芝生広場で、小坂市長らが高さ3メートルのタカトオコヒガンザクラと、高さ4メートルのイタヤカエデを1本ずつ植えた。
そのあと、伊那市の歌を作曲した高木東六の遺志を引き継ぐ女声コーラス「ザ・シワクチャーズ伊那」と伊那東小学校合唱団のメンバー約100人が市の歌を披露。続いて、高木東六の長女緑さんの指揮で、出席者全員が歌った。
伊那市の歌を作詞した宮脇至さんの長男瑞穂さん(67)は「格調高く『あがるしぶきに虹(にじ)が立つ』などロマン性を持つ。『平和に生きる』は身に染みて感じた平和の尊さを込めたようだ。これからも歌われることをうれしく思う」と話した。
市は、市歌の木彫額や花・木・鳥の写真パネルを市役所1階の市民ホールに展示し、市民に周知する。 -
伊那公園桜五分咲き
伊那市の伊那公園で4日、公園内に飾られたボンボリの点灯式があった。同公園にはコヒガンザクラやソメイヨシノなど280本13品種が植えられ、公園内ではコヒガンザクラが五分咲き、ソメイヨシノも赤くなり始めている。
伊那公園桜愛護会によると13日にはソメイヨシノも見ごろを迎えそうとのこと。
同会は13日、伊那公園芝生広場で「健康歩道を歩き・太鼓演奏を聴き・カラオケを楽しみながら食事をする会」を開く。太鼓演奏午前11縲恁゚後1時、カラオケを楽しむ会午後1時縲恁゚後4時、足湯につかり健康歩道を歩く会午前11時縲恁゚後2時。 -
伊那市交通指導員委嘱式 交通事故のない市へ
交通安全指導などの啓発活動に取り組む、伊那市交通指導員の委嘱式が4日、市役所1階多目的ホールで行われた。指導員22人のうち16人が新人。それぞれ、小坂樫男市長から委嘱状を受け取った。
小坂市長は「交通事故は加害者、被害者ともに心に傷を負ってしまう。交通指導員の活動はこのような悲惨な事故をなくすための重要な活動。伊那市の交通事故が減少するため、協力してほしい」とあいさつした。
7期13年目となる、市交通指導員会の内山寿会長(76)=同市山寺区=は「交通事故は尊い命を奪い、家庭や社会に多大な影響を及ぼす。期待に応えられるよう、市民の交通安全意識の高揚、推進に努力していきたい」と決意表明した。
交通指導員は、交通安全運動への参加や地域啓発活動などで、市民へ交通事故防止を呼びかける。任期2年。
小坂市長から委嘱状を受け取る指導員ら -
不法投棄監視連絡員の委嘱式
廃棄物不法投棄の早期発見と未然防止を図ることを目的とした活動を展開する不法投棄監視連絡員の委嘱式が4日、伊那市の県伊那合同庁舎であり、上伊那では市町村などの推薦があった11人に宮坂正巳上伊那地方事務所長が委嘱状が手渡した=写真。
不法投棄監視連絡員は県が不法投棄防止対策の一環として04年度から取り組んでいるもので、連絡員は自身が住む市町村内で不法投棄の多い場所などをパトロールし、不法投棄を発見した場合は市町村や地方事務所などに通報する役割を担う。本年度は伊那市3人、駒ヶ根市2人、そのほかの町村は各1人が委嘱を受けた。
宮坂所長は「07年度の2月までの不法投棄件数は75件。前年同期と比較して、ほぼ横ばいとなっており、これもみなさまの活動実績が上がっているということだと思う。今後も、みなさまからの情報を活用して、市町村と連携しながら確実に不法投棄対策を進めていきたい」と語った。
不法投棄監視連絡員による不法投棄の発見状況は、07年度、2月までで75件。すべて一般廃棄物だった。パトロールは上伊那全域で476日、時間にして964時間実施されている。 -
伊那西高校で入学式
伊那市の高松学園伊那西高校で4日、入学式があり、真新しい制服を着た176人の新入生が教職員や保護者などに見守られる中、新しい学校生活をスタートした=写真。
新入生らは吉川英人校長から入学許可を受け、新入生代表の伊藤優里さんが「ただいま、入学の許可をいただけたことを大変嬉しく思う。本日より建学の精神に基づき、1日たりとも無駄にすることのないよう、勉学、クラブ活動、生徒会活動に最善を尽くしたい。また、高校生としての本分を尽くすことを誓います」と宣誓の言葉を述べた。
吉川校長は式辞で「本校は自分に与えられた命を大切にしていく場。みなさんは今、新しく始まる高校3年間の生活に胸を膨らませていると思うが、高校生にとって一番大切なことは学習することで、できる、できないにとらわれず、1時間1時間を大切にしてほしい。みなさんが膨らませている夢を実現するよう願っている」と語った。 -
新山小学校で入学式 新入生は2人
伊那市の新山小学校(山岡清孝校長、43人)で4日、入学式があった。新入生は、市内で最も少ない2人。1・2年生の複式学級となり、7日から2年生と一緒に机を並べる。
上級生が太鼓演奏などを披露し、新入生を歓迎した。
式終了後、新入生は教室に入り、ノートや鉛筆、はさみなど教材が置かれた机に着席。担任が一人ひとりの名前を呼ぶと、右手を挙げて元気よく「はい」と返事。「学校で何が楽しみですか」と尋ねると「勉強」と口をそろえた。
複式学級は8人以下が基準で、2年生6人と合わせても8人。市内で初めての複式学級となるが、国語と算数は1・2年生が別々の教室で受ける。また、教育に支障がないよう、選科1人(新山小と伊那西小)を市負担で配置した。 -
雑穀アマランサス入りあまざけ」開発発表
「
雑穀アマランサスによる地域振興を目指し商品開発に取り組んでいる伊那地域アマランサス研究会は3日、「雑穀アマランサス入りあまざけ」の発表会を伊那市の伊那商工会館で開いた。商品を開発、製造した同会に所属する仙醸(本社・伊那市高遠町、黒河内靖社長)から商品の説明があり、関係者などが試飲した。
今回発表したアマランサス入りの甘酒は米麹(こうじ)95%に対し、ポップしたアマランサスを粉末にしたものを5%配合。アルコール、甘味料、化学調味料など無添加。好みにより冷やしても、温めても味わいを楽しめるとのこと。
仙醸ではビン入り、内容量400グラム(約360ミリリットル相当)の商品を約千本製造(製造年月日08年3月29日・賞味期限09年1月29日)。観光客が訪れる場所で徐々に販売していくということで、5日から高遠城址公園の公園開きに合わせ同公園内の仙醸臨時販売店での販売や、11日から高遠町本町の仙醸旧酒蔵などで販売。税込み480円。
発表会では関係者たちがアマランサス入りの甘酒と、米麹のみの甘酒を飲み比べた。アマランサス入りの甘酒は「コクがある」「味わいが違う」など好評だった。
仙醸では今後、取り扱いを希望する店舗などでも随時販売していきたいとのこと。
問い合わせは、仙醸(TEL94・2250)へ。 -
津野祐次さん伊那市に写真寄贈
写真家の津野祐次さん=伊那市長谷在住=が4日、伊那市役所を訪れ、市に3枚の写真を寄贈した。
写真は山と渓谷社の08年のカレンダー「日本百名山」に掲載された「将某頭山から望む木曽駒ケ岳(西駒ケ岳)」(縦43センチメートル横53センチメートル)、山と渓谷社の「日本の美景」上巻や雑誌などに掲載され、今年2月に東京都新宿区の区役所ロビーに展示された「高遠城址公園の桜」(縦100センチメートル横150センチメートル)、「伊那まつりの花火」(縦103センチメートル横73センチメートル)。
津野さんは写真が本などに掲載されたことにより伊那市に問い合わせが来ることなどを考慮して、今回、写真を市に寄贈。
「すばらしい写真をいただき、大変うれしい」と小坂樫男伊那市長は礼を述べた。
写真は7日から市役所ロビーにて展示する。 -
市営球場 改修に向け08年度から設計取り組む
伊那市教育委員会は来年度、老朽化が進む同市中央区の市営球場の改修工事に向け、耐震診断・設計業務委託費用800万円を新年度当初予算に盛り込んだ。09年度から改修工事は始まり、1、3塁側スタンドを取り壊すなどして、グラウンドを芝生で囲んだ形の球場に生まれ変わる。
市営球場は1947年の建設。面積1万7780平方メートル、両翼90メートル、センター120メートルで、収容人数1万1千人。建設から約60年が経過するコンクリート造りの1、3塁側スタンドは老朽化のため取り壊し、外野席の盛り土は取り除く。76年に改築した同造りのメーンスタンドは、耐震診断を受けてから補修するか決める。
球場の改修工事に向け、2006年、庁内で検討委員会を発足。市営球場の今後の在り方としては、球場に隣接する伊那公園と一体感を持たせるため、「開放的でフラットなイメージ」へと改修することが決まった。改修費用は合併特例事業債。
関係者は「今後、県営伊那球場は競技をするための設備を充実させ、市営球場は市民が気軽に利用できる球場へと変え、2つの球場の位置付けをはっきりさせていきたい」と話している。
老朽化が進み、09年度から改修工事が始まる市営球場 -
中山間地の栽培に適した新品種のダッタンソバをタカノと信大が協同開発、伊那市内の遊休農地などで栽培開始
タカノの(本社・宮田村、鷹野準社長)保健福祉関連事業部と信州大学農学部の井上直人教授が共同開発してきた新種のダッタンソバ3品種がこのほど、種苗登録を完了し3日、報道関係者に公開された。今回開発したダッタンソバは、ルチンなどの栄養素を豊富に含むことに加え、収量が普通のソバの2倍確保できるが、普通のソバ同様、手間はかからない。また、表皮が固く、鳥害を受けにくいのが特徴。このことから、産学官連携の一環として同事業の栽培を担う伊那市は、農業者が高齢化し、野生動物の農作物被害が深刻化する中山間地でこのソバを普及したいと考えており、タカノとの契約栽培のもと、生産を進めることで、生産から販売、流通までの一環したルートを確立する。また、タカノは、ダッタンソバの栄養効果を生かした商品開発を進め、食品の安全性や健康を重視する消費者市場への参入を狙う。
今回種苗登録した新品種は成熟期が異なる3品種。2000年から開発に着手し、今年2月に「気の力」「気の宝」「気の豊」として品種登録された。
今後は伊那市内で試験栽培を開始するため、現在長谷、高遠地区などの中山間地を中心にこのソバを栽培してくれる農家を募集している。
昨年の市内のソバの作付けは約220ヘクタール。ソバの栽培は手間がかからないため、取り組む農家もいるが、市の交付金を受けてもほとんど収益はないのが現状。しかし、このソバを生産した場合、補助金を受けながら販売収入も得られるため、従来よりも収益性が高くなると見込まれる。
また、二次製品についても、現在国内に出回ってる生そばの8割が外国産のそば粉であることから、タカノの企画室臼井敏行室長は「現在国内には安心・安全を求める消費者ニーズがある。また、今回のソバは収量が一般の約2倍確保できるため、商品価格も一般のそばと同じくらいで販売できると思う。そう見ればニーズはあると思う」と話していた。
タカノでは今後、今年の収穫を待って新商品の開発を進める。