-
南福地で集落営農組織発足
国が示す新しい方針に基づく農業の担い手となるべく24日、伊那市富県南福地で、集落営農組織が発足した。法人ではない任意の集落営農組合が市内で誕生したのは今回が一例目。組合長に選任された宮下正之さんは「若い兼業農家が地域農業を支えている反面、後継者のいない農業者も出てきた。今のうちに南福地を守れる営農組合をつくり、先祖伝来の土地を守ろうということとなった」と語り、組織運営への協力を求めた=写真。
95戸の賛同を得た同集落の設立当初取り扱い面積は約52ヘクタール。今後も引き続き取り扱い面積を拡大し、水稲30ヘクタール、麦7ヘクタール、大豆5ヘクタールを目指す。利用集積した農地は組合員が作業分担していく予定だが、当面は個々人が自身の農地を管理していく。 販売物収入は取れ高で、諸経費は面積割、助成金などは面積割りと取れ高で分配し、組織としての収入は残さない。
今後富県地区は7月中に、集落ごとで5つの任意組織を発足することを計画している。また、国の新方針が任意組織に課している「法人化計画」については、富県地区全体で1つの法人を成立させたいとしている。 -
白鳥バレエ学園伊那教室発表会
白鳥バレエ学園(塚田たまゑ代表)伊那教室の第9回発表会が25日、伊那市の県伊那文化会館であった。伊那教室出身で現在は熊谷哲也氏率いる「K・バレエカンパニー」で活躍する田中一也さんなどをゲストに迎え、伊那教室の65人と飯田教室の5人が優美な舞台を演じた。
長野市を中心に県内16カ所で教室を開校している白鳥バレエ学園は例年、プロを目指す若手バレエダンサーの登竜門とも言えるローザンヌ国際バレエコンクールなどで入賞する人材を輩出している。 伊那教室の発表会は2年に1度。今年は、それぞれが出演するバレエコンサートに加え、バレエ音楽の父と呼ばれているレオ・ドリープが作曲した「コッペリア」の全3幕を公演し、3人の高校生がそれぞれの幕の主演を務めた。
出演者は、美しい人形を中心として展開する物語の登場人物を表現力豊かに熱演。さまざまに繰り広げられる舞台が、観客を楽しませた。 -
ママさんバレー夢気球杯
第30回伊那市ママさんバレーボール夢気球杯大会が25日、伊那市の伊那小学校体育館であった。市内9チームが参加し、熱戦を繰り広げた。伊那市ママさんバレーボール協議会主催、中部電力協賛。
バレーボールを通して親ぼくを深め、心身の健康を養うことを目的とした大会。1位縲・位のチームには順位カップを贈呈する。A、B、2ブロックのリーグ後、1位同士で決勝、2位同士で3位決定戦をした。
選手たちは、息の合ったチームワークでボールを回し、鋭いスパイクを相手コートに決め合った。
今回は参加できなかったが、今後は旧伊那市単位だけでなく高遠町、長谷からの参加も広く呼びかけていく予定でいる。
結果は次の通り。
(1)マザーズ(2)コスモス(3)荒井 -
資源の大切さ理解深める 伊那市の小学生「エコツアー」
伊那市は26竏・月6日、市内の小学校を対象とした環境学習「子どもエコツアー」を開く。初日は東春近小学校4年中組(27人)が同市横山の「鳩吹クリーンセンター」など3施設を見学し、資源の大切さなどについて学んだ。
環境に対する学習の場を提供する目的で開かれ、2年目の取り組み。市内の学校に呼び掛け、2校5クラス(前年は1校1クラス)からの参加要望があった。
不燃物・粗大ごみ処理施設の同センターを見学した児童らは、まだ使えそうな粗大ごみを見て「もったいない」などと感想。施設関係者は「ごみ減らすためには、要らない物は買わない。物を大切にしながら使うことを考えて」と呼び掛けた。
7月6日までに、東春近と西箕輪小の4年生5クラスが、資源ごみの中間処理施設「信州ウエイスト」や上伊那広域水道用水企業団「箕輪浄水場」などを見学する。 -
ペン祭でマスオさんと個性について討論
伊那市の伊那北高校で24日、第52回ペン祭があった。漫画「サザエさん」でマスオさんの声を演じる声優・増岡弘さんを迎えた企画では、増岡さんと同校の生徒、教師が、本当の個性について意見し合った=写真。
ディスカッションに参加した9人は、個性を表す一つでもある「外見」による主張について討論。
「個性はその人の価値観を指すもの。自分の好きなものを着ることは個性を伝えることになる」「高校生は外見を気にする時期。相手がどう感じるかは重要だが、外見で個性を表現することは悪いことではない」など、ファッションによる主張を肯定的にとらえる意見がある反面、生徒会長の漆戸健太君は「本当に好きでやっている人もいるが、周囲の影響を受けて無理している人もいる。ぶきっちょでも自分のやりたいことに素直であることが大切」と、行動の発端になっている思いの重要性を訴えた。
増岡さんは「今はみんな同じようなファッションをしており、個性のある人が少なくなった。言われたままに行動するのでなく『本当にこれでいいのか』と疑問を持ち、変えていこうとする力が大切。本当の自分を模索したり、さらけ出したりすることを大切にしてほしい」と語った。 -
地域衛生自治会 伊那市・高遠町に来年度設立
伊那市は23日夜、高遠町の12区長を対象に、同町地域衛生自治会を設立するための説明会を町総合支所で開いた=写真。区長らの了承が得られたため、設立に向けた話し合いを重ね、来年度の発足を目指す。
3市町村合併を機に区長体制を導入したため、これまでの、各常会、町内会単位での活動が実態と合わなくなり再編成する。それぞれの地域間の情報共有による活性化を図る目的で組織化し、以前から旧伊那市内にある地域衛生自治会の形に歩調する。
高遠町総合支所市民生活課の説明によると、旧町では各常会、町内会1人ずつの計83人の衛生部長がそれぞれ、ごみステーションの管理などの環境衛生活動を推進していたが、設立後は常会・町内会の上に各区単位ごとの総括役を設置し、さらにその上に区内役員から互選した会長を置く。
今後は、衛生部長らに取り組みの説明を周知するため、7月下旬までに、各区ごとで出前講座を開く予定。町内の部長から代表者を選出し、組織の設立に向けた協議を進めていく。 -
不法残留の疑いでフィリピン人逮捕
伊那署は22日午後10時23分、不法残留の疑いで、伊那市西箕輪のフィリピン国籍の土木作業員、ロベルト・マエストロカンポ容疑者(58)を現行犯逮捕した。調べによると同容疑者は12年2カ月の不法滞在だった。
自宅で女性の友人と口論になっていたのを、地域住民が通報。現場へ向かった署員が所要の捜査をした結果、不法滞在者であることが判明し、逮捕した。 -
野口高齢者クラブ細工寿司づくりと落語会
笑いと寿司の創作で老化防止と健康増進を図ろう竏窒ニ21日、伊那市手良の野口高齢者クラブ(城倉昌秋会長)は、「細工寿司作りと落語の会」を開いた。諏訪市の寿司職人で、福祉施設や小学校などを訪問して落語を披露している小平晴勇さんを講師に迎え、バラやヒョウタンの細工寿司に挑戦。「笑顔は薬」と題した落語を楽しんだ。
小平さんを招くのは3年目。昨年までは落語会のみだったが、小平さんの本職が寿司職人だということを知った会員の一人が「今度来る時は寿司も食べたい」と要望し、今回は寿司の講習会も実現した。
寿司づくりでは、キュウリや卵焼き、桜でんぷんなどを巻き込んで鮮やかなバラ模様やヒョウタン型をした巻き寿司を作成。参加者の一人、那須野万寿子さん(88)は「考えながらやるから頭の体操になる」と話していた。
寿司を食べた後、小平さんが落語を披露。会場には笑いが溢れた。 -
農林産物直売所「たかずや」で5周年祭り開催
伊那市富県の農林産物直売所「たかずや」は24日、開所から5年を迎えたことへの感謝を込めて「5周年祭り」を開く。
同直売所は、富県地区の生産者がその日の朝収穫した新鮮な旬の野菜の数々が並ぶのが魅力。年に一度の祭りは、消費者への感謝を込めて例年開催している。
当日は、大ぶりで色艶のよいレタスやキャベツをはじめ、ブロッコリー、カリフラワー、キュウリなど、旬の野菜のほか、キノコ、切り花、山菜、ハチミツなど各種農林産物がぞくぞくと並ぶ。
また、手打ちそば、おにぎりの無料試食サービスを実施。ぽん菓子やたこ焼きなども販売する。
生産者の一人は「それぞれの生産者一生懸命つくった野菜が並ぶので、ぜひ大勢の方に来てほしい。そばなどの無料サービスなどもあるので、楽しんでもらえれば」と、多くの参加を呼びかけていた。
午前10時縲恁゚後4時。
問い合わせは中部グリーンセンター富県(TEL72・5279)へ。 -
伊那北高校・ペン祭参加を呼びかける仮装行列
伊那北高校の学園祭「ペン祭」の一般公開に先立ち23日、動物やアニメのキャラクターなどを装った伊那北高校生徒らによる仮装行列が伊那市であり、多くの参加を呼びかけた。
52回目となる今年のテーマは「異質上等縲怩サんなお前が好きなんだ縲怐v。
24日の公開時間は午前11時半縲恁゚後4時。漫画「サザエさん」でマスオさん役を務める声優・増岡弘さんによる記念講演「認め合うことの大切さ縲恷ミ会に羽ばたく君たちへ縲怐vが、午前9時半から同校小体育館であり、午後1時半からは同じ会場で音楽部による定期演奏会もある。
25日の一般公開は午前9時半縲恁゚後4時。午前10時半からは吹奏楽部が、午後1時半からはギター部によるライブがある。
また、両日とも同校OBによる作品展「第7回薫ヶ丘美術展」が薫ヶ丘会館特設会場である。 -
サルビアなど花の苗1万6千本を無料配布
伊那市振興公社は23、24日、事務所前でサルビアなど4種類の花の苗を無料配布している。初日は配布開始時刻前に、主婦ら約100人が並ぶほどの人気だった。
花の苗はサルビア、マリーゴールド、ニチニチソウ、ペチュニアの1万6千本で、1千人分(一人につきサルビア10本、そのほか各2本の計16本)を用意。希望者100人にはチューリップの球根も渡した。
おまけのチューリップの球根を目当てに並んだ小沢の辻元武良さん(82)は「玄関の両脇に植えたい」と喜んだ。
花の苗配布は88(昭和63)年から、緑化促進事業の一環として始まった。4月初旬に職員が種をまき、約3万4千本の苗を育てた。無料配布のほか、事務所周辺にも植えた。本年は春先の気温の変化で、例年より生育が1週間ほど遅かった。
24日は午後1時から、事務所前で配る。 -
居場所づくりへ新講座「伊那おやじの会」開講
中高年の男性が集まり、料理や物づくりなどに挑戦する伊那公民館(武田登館長)主催の新講座「伊那おやじの会」の開講式が23日、同公民館であった。活動を通じながら会員同士の親ぼくを深め、それぞれの生きがいを見出すための活動を進める。
同公民館では、年間利用者(延べ約5万2千人)の9割近くが女性に片寄っているいることを懸念し、「男性の居場所づくり」(武田館長)に役立てるための講座を開講した。基本的に会員が主体となって活動していくことで、趣味の集まりとして独立したサークルに育つことを期待している。
現在の会員は市内の60縲・0代の男性24人。開講式では互いの自己紹介を終えた後、年間活動計画を話し合い、マレットゴルフ交流会、新市の名所めぐり、そば打ち体験、将棋・囲碁交流などを盛り込んだ。
会員のほとんどが仲間づくりのために参加したと理由を述べ、なかには「自活するために料理を学びたい」「趣味を持つために皆さんから学びたい」との意見もあった。
講座は毎月第4金曜日で、活動期間は6月縲恬・N3月。第1回講座は7月28日、料理と刃物の研ぎ方教室を開く予定となっている。伊那公民館は会員を募集している。問い合わせは(TEL78・3447)へ。 -
「春の高校伊那駅伝」コース変更へ
来年からのコース変更を目指す「春の高校伊那駅伝」の新コース案が22日、伊那市議会総務委員会協議会で示された。市街地や高遠町方面を通る新コースの決定は7月下旬、同駅伝実行委員会で協議。その後コース沿線の商店街に説明し、理解を求めていく。
新コース案の男子コース(42・195キロ)は、伊那市陸上競技場を発着点に、伊那西部広域農道を南へ進み、県道南箕輪沢渡線へ。市駅前ビルいなっせ前を通過し、国道153号線を通り、JA上伊那東部支所を折り返す。
女子コース(21・0975キロ)は同陸上競技場を出発点に、男子コースと同様の順路でいなっせを通過、伊那北信号を折り返し、市街地を通り、伊那食品工業猪ノ沢工場を折り返し競技場へ戻る。
説明では▽今までのコースでは沿線からの応援が困難▽3市町村合併して、2つのアルプスを結ぶコースが期待されている竏窒ネどと変更理由を上げた。
春の高校伊那駅伝は1978(昭和53)年、30キロコースでスタート。1992年に、現コース(42・195キロ)へ変更し、女子の参加も始まる。来年で30回の節目を迎える。前年参加チーム数は男子が77(うち県内20)、女子が33(うち県内7)チームだった。 -
災害時に協力・応援 伊那市と5団体が協定調印
伊那市は23日、伊那市内郵便局、伊那市建設業組合、アピタ伊那店、上伊那農業協同組合、伊那ケーブルテレビジョンの5団体それぞれと、災害時の被害状況の伝達、生活物資の供給、復旧工事などの協力に関する協定の調印をした。
梅雨期の最中、早急に応援体制を結び、防災体制の充実を図ろうと、関係機関と協定を締結。市内郵便局とは、3市町村合併に伴い新市として新たに締結。そのほか4団体については初めてとなった。
小坂樫男市長は「災害が発生すれば混乱が起きることは想定できる。情報伝達から災害復旧までの協力をいただけることは、市民の生活の早期安定に役立つ。これを機に、新市の安心安全なまちづくりを目指したい」とあいさつした。
伊那市では今後も同様の関係機関と応援協定を締結していく考え。 -
伊那接客業者防犯協会 600店舗へ啓発ステッカー配布
旧伊那市の飲食店組合など6団体でつくる伊那接客業者防犯協会(鈴木一比古会長)は22日から、飲食店での未成年者への飲酒提供を防ぐための啓発ステッカーを、同協会の加盟約600店舗へ配り始めた。
伊那署管内の伊那市高遠町の飲食店で本年2月、店員が17歳の少年らに飲酒をすすめた違反行為を重く受け止め、啓発ステッカーを作成した。これまで飲酒運転追放などを呼び掛けるステッカー配布はしたが、未成年の飲酒に関しては初めて。
ステッカーは黄色地の厚紙に、黒文字で「飲酒は20歳以上(法令)」と記され、左側下段に同協会名と「伊那警察署」と書いてある。大きさは縦27・2センチ、横9・8センチ。
鈴木会長は「組合員の店で同様の事件が発生しないよう、健全な経営をしっかりしてもらいたい」と話す。
協会内6団体の組合長らを通じ、1週間以内に各店舗へ配布し、店内の見える場所へ掲示する予定となっている。 -
総合美術品ご奉仕会 27日までベル伊那
地元物故作家や中央画壇で活躍中の巨匠らの日本画、掛軸、洋画など100余点を展示即売する「総合美術品ご奉仕会」は27日まで、伊那市日影のベルシャイン伊那店2階文化ホールで開いている=写真。
横山大観の「雪之夕」、川合玉堂の「雨中山水」などの掛軸や、画集にも掲載されている中島千波の「百合椿」などの日本画が注目。
そのほか、文化勲章作家・藤田喬平のガラス工芸「紫色地金彩花瓶」、伊勢崎満の「備前耳付花入」、重要無形文化財・十四代柿右衛門の「濁手山吹文皿」などがある。
地元作家では池上秀畝、中村不折、長尾無墨らの掛軸や水墨画が並んでいる。
午前10時縲恁゚後6時30分(最終日は午後4時)。 -
洋画家 窪田千秋さん(88) 伊那市東春近中殿島
堅苦しさがない、自由さが伝わってくる風景、静物画を描く。健康のために始め、画歴は約40年。四季を通じて変化に富む伊那谷の山や川などを、キャンバスに向かって表現し続けている。
「今まで元気でいられたのも絵があったから。絵を描いていると、自分だけの世界が広がる。天気がよければ家ではじっとしていられないね」
◇ ◇
絵を描き始めたのは1964(昭和39)年のことだ。それまで仕事のストレスで、一日にタバコを3箱(60本)吸っていたため、体を壊した。健康に気遣い禁煙を決意し、気分を紛らわせるため、絵を描くことに没頭した。
戦友の画家、故中島覚雄氏の下で2年間、油絵を学び、その後は独学。「お金もかからず、他人にも迷惑をかけない」。自分の世界で夢中になれる趣味を見つけた。
禁煙は最後のタバコ1本を箱の中へ残し、禁断症状が出ればニコチンの臭いを嗅いで、我慢。繰り返すこと約10年、タバコが臭いを失ったころには禁煙に成功していた。
◇ ◇
15年ほど前までは、寝泊りできる大きな車で県内外の高原などを訪れては、作画に熱中。自炊ができるキャンプ用品を積み込んで、1週間かけて各地を跳び回った。
遠出は少なくなった現在も、天候に恵まれれば、おにぎりとお茶を持って、車で上伊那の風景を追い続ける。月3回の水彩画講座へも通い、受講生同士の交友の輪も広げている。
「今でも車に乗って絵を描きにいけることは幸せ。周りの同級生はほとんど死んでしまったが、趣味があるから(自分は)元気でいられる。禁煙で始めたが、今は絵が健康法になっている」
◇ ◇
米寿のお祝いをする代わりに、人生で初めての個展「美しき伊那谷の四季を画く」(21竏・月5日・伊那市、中部電力伊那営業所ギャラリー)を開いた。
人生のひと区切りにと、ここ2、3年の間に描いた油絵、水彩画を計26点出品。かやぶき民家、残雪のアルプス、高遠の桜、天竜川など上伊那の自然が会場に広がっている。
「いくら描いても、よい絵が出来上がるとは限らない。これでよいというとこまで、いきつかないのが絵の深さ。ボケ防止のためにも、絵を描き続けて追求したい」
しっかりとした目の輝きを見せ、意気込みを語った。 -
伊那市「越後屋」に兵庫県から研修旅行
JR飯田線伊那市駅前の御菓子処「越後屋」(竹村裕社長)へ20日、兵庫県篠山市の茶舗「諏訪園」の従業員ら11人が研修旅行に訪れた。昨年12月に店内を改装したことが同業者の目を引いた。研修者らは、ヒット商品を試食し、経営方針などを学んで参項にした。
越後屋は銘柄を3品に絞って販売している、創業1882(明治15)年の老舗。研修者らは、昭和30年代に4代目の当主が創作した「伊那のまゆ」や現当主が考案した「月夜唄」を試食したり、店内を見学した。
諏訪園の酒井義一社長(70)は「機械を使わず手作りで菓子を作っていることがすばらしい。本来の味を伝えることは自分たちの目指すものと同じ」と、竹村社長の説明に聞き入っていた。
店内は昨年12月に全面改装し、老舗のイメージを強く、落ちついた色の木を使った内装。店内は以前よりも照明を増やし明るく、10日ほど前には、ディスクオルゴールを設置し、来店客を和ませている。
改装後は20代前後の客層も店に足を運ぶようになり、売り上げは上々。伊那市駅前に店を構えているため、以前よりも駅前が明るくなったという声も多いという。 -
日本風景街道
伊那と箕輪の2団体申請美しい街道づくりを支援する仕組みや体制の確立を検討する国土交通省の「日本風景街道戦略会議」ワーキンググループに、上伊那で伊那市の「伊那アルプス街道協議会(仮称)」、箕輪町の「西部花街道をつくる会」が申請した。各市町は、それぞれ協議会を立ち上げ、活動計画の策定に取り組む。
伊那市の活動エリアは、国道361号・国道152号(権兵衛街道、杖突街道、秋葉街道)の直線距離で東西40キロ。歴史や自然環境を再認識し、二つのアルプスに抱かれた風景を保全する。
活動方針に▽361号とその周辺から見える中央・南アルプスの風景を守る▽街道の歴史や四季折々の自然を歩いて楽しむ散策ルートを整備する▽食や健康による都市と地域の交流のまちづくりを促進する竏窒ネどを挙げる。具体的には、電柱の移転、南アルプスパノラマレストパーク(仮称)の建設、361号線のルート変更などが考えられる。
9月に活動団体代表者、伊那商工会議所、学識経験者などでつくる協議会を発足させる予定で、市民主体の活動を推進する。南箕輪村にもかかるため、加わってもらう考え。
本年度中に活動計画を策定し、07年度、実験的に取り組み、08年度、本格的に動き出す。
「日本風景竏秩vには全国から72ルートの申請があり、プレゼンテーションする33ルートに選ばれた。7月下旬、ワーキンググループの中村良夫座長らが現地調査に訪れる。
20日、市議会経済建設委員会協議会で説明があった。
◇ ◇
箕輪地籍の県道与地辰野線(通称・西県道)は、住民有志の「西部花街道をつくる会」(唐沢弘三会長)が花桃の植栽に取り組んでいる道路で、同会が申請した。
平沢豊満箕輪町長は、「西県道に花桃を植えるだけでなく、総合的な街道作りができたらと思う。幅広い範囲でアドバイスできる人、地域と意見交換できる人をアドバイザーにお願いしていきたい」と、20日の町議会一般質問で考えを述べた。
町政策企画室によると今後、街道整備に向け町、県、地元団体などによる組織を立ち上げ、専門アドバイザーと相談しながら事業計画の策定に取り組む。 -
若手職員が元気の出るまちづくり提言へ
伊那市の若手職員でつくる「元気の出る伊那市プランニングチーム」の第1回会議が21日、市役所であった。10月を目途に新たな活性化事業の提案などをまとめ、内容によって新年度予算に反映する。
メンバーは、入社10年以内の20縲・0代前半の職員10人で、リーダーに村田和也さんを選んだ。
小坂市長は、思い切った大胆な提言に期待。
メンバーは一人ずつ元気なまちづくりに対し「アンケートを広く募り、こんな店があると元気が出るという提言をしたい」「まちの元気のためにも、市職員が元気になる方策を示したい。庁内に音楽を流すことはできないか」など意見を述べた。また、子育て中の母親が行きやすい場所作り、市内で運行するバスの連結などもあった。
次回は7月6日で、テーマを絞り、意見を出し合いながら自主運営で進めていく。
プランニングチームは99(平成11)年度から始まり、1年ごとにメンバーを入れ替えて市政に提言。これまでコンビニエンスストアでの水道料納入などが採用されている。 -
カキツバタ湿原を紫に彩る
伊那市西春近の「野田山あやめ園」のカキツバタが湿原を紫色に彩り始めた。関係者によると、本年は例年に比べて1週間ほど咲き始めが遅い。6月下旬縲・月上旬が見ごろになりそうだ。
藤沢川沿いにある「休み平キャンプ場」から延びたハイキングコース上にあるアヤメ園。標高約1100メートルに広がる約2・41ヘクタールの湿原に、約1万株のカキツバタが群生している。
湿原内には桟橋の遊歩道が整備され散策は自由。朝霧に包まれると、園内は紫色のカキツバタが幻想的な世界を演出するほか、季節に応じてザゼンソウ、ミズバショウ、ツツジなども見られ、見所が多い。
「野田山あやめ園」は広域農道沿いの入口から車で約5・3キロ。休み平キャンプ場や物見や城がある藤沢山自然休養園内にある。 -
伊那消防署 「ドクターカー」システム試行
伊那消防署は19竏・9日のうちの7日間、救急隊員と医療機関が連携し、救急救命の確立を高める「ドクターカー(医師同乗)」システムの試行に取り組む。定期的な試行を繰り返し、地域住民への定着化を目指し、本格運用の実現につなげる。
試行は04年9月に始まり、今回で4回目。前回は重症傷病者(疑いを含む)を対象に出場したが、同乗する医師に消防署の仕事を理解してもらうため、全症例が対象となり、医師は同署へ滞在する型にした。
出場指令を受けると、救急隊員3人と医師1人が救急車へ乗り、現場へ出動。また、管外の救急隊からの搬送を途中で引き継ぐこと(ドッキング方式)にも取り組む。
ドクターカーシステムは県内数カ所で運用。医師が同乗することで、外傷から病気まで幅広く早急な措置が可能となり、救命率の向上が期待できる。
救急係長の里見実さん(40)は本格運用について「専門の医師や救急隊員の確保などの課題はあるが、実績を積み上げてシステムの実現につなげたい」と話す。
伊那消防署は今後も試行を繰り返し、問題点などを明かにし、運用に向けた資料づくりを進める。
同消防署(管内=旧伊那市、南箕輪村)の05年の救急出動件数は2558件で、一日平均約7件。そのうち65パーセントは入院以上の患者を搬送した。 -
声掛けへの対応学ぶ 伊那市・高遠小で防犯訓練
伊那市の高遠小学校(白鳥彰政校長、252人)は19日、伊那署の協力を得て、児童に対する声かけ対策のための防犯訓練を校庭でした。子どもたちは有事にそなえ、自分たちで身の安全を守る方法を真剣に学んだ。
訓練は署員が演じる不審者役が車内から声をかける想定。2、4、6年生それぞれの代表2人ずつが、全校児童の前で模範となる対策方法を披露した。
不審者役は「チョコレートをあげるから」などと誘惑したが、児童らは「いりません」とはっきりと断り、防犯ブザーを鳴らして対応した。
高遠町交番の岩井智昭交番所長は「不審者と距離を取って対応し、身の危険を感じたら近くの家に逃げ込むこと。防犯ブザーを持っていない時は、大声を出して助けを求める」などと指導した。
模範披露した4年東組の保科沙矢夏ちゃんは「今のは訓練だったので防犯ブザーを鳴らせたが、本番だったら怖い。不審者に会ったら1メートル以上の距離を取って、大声で助けを求めるようにしたい」と気持ちを引き締めていた。
本年に入って伊那署管内で発生した、不審者の声かけなどの事案は10件。高遠町内では発生していない。 -
若狭三方五湖観光協会、サザエのつかみ取りなどで観光PR
夏休みは海の幸が豊富で美しい景観が楽しめる三方をぜひ訪れてほしい竏窒ニ、福井県若狭町の観光PRキャラバンが20日、伊那市を訪れ、青梅300キロと、つかみとりによるサザエ240キロの無料配布をした。会場となった伊那市のアピタ伊那店前は、新鮮なサザエや肉厚の青梅目当てに集まった人たちでごった返した。
この日訪れたのは若狭三方五湖観光協会や若狭町の職員と、民宿女将など27人。過去には兵庫県などでPR活動をしてきたが、近年は長野県からの観光客が多くなってきたこともあり、改めて三方の魅力を知ってもらおう竏窒ニ来伊した。
8月5日縲・6日は、7エリアでの花火大会があるほか、7月中は5カ所でサザエのつかみとり体験を実施する。また、四季折々の美しさが楽しめる三方五湖のクルーズや梅のもぎ取り体験、初心者でも楽しめる海釣り公園など、親子で楽しめるスポットも多数ある。
若狭三方五湖観光協会の今井加七事務局長は「海あり山あり湖あり。長野県の人にも喜んでもらえる美味しい魚介類も豊富にある。夏場、冬場を問わず、来ていただきたい」と話していた。
問い合わせは若狭三方五湖観光協会(TEL0770・45・0113)へ。 -
JA上伊那・松本空港からのチャータークルーズ実施
上伊那農業協同組合(JA上伊那)はこのほど、信州松本空港発着のチャーター機で行く「中国三峡クルーズ5日間の旅」を企画した。県外空港を利用したチャーター企画は過去にも企画してきたが、松本空港を利用した企画は初めて。近くの空港から旅行をしたいとする過去の利用者の要望があったことや、地元空港を活用することで地域の活性化につなげることなどを目的としている。チャーター機で重慶に降り立った後、3日間かけて中国最大の渓谷、瞿塘(くとう)峡、巫(ふ)峡、西陵峡をクルーズ船で下る。普通なら最大でも6日はかかる日程だが、チャーター機の利点を生かして時間ロスをなくした。
三峡下りのコースには三国志ゆかりの名所、旧跡が多く、蜀(しょく)の建国者・劉備が祀られる白帝城などがある。しかし、三峡ダムの完成を09年に控え、昔ながらの峡谷を見られるのも残りわずかだという。
ツアーを予定しているのは10月18日縲・2日。全行程、添乗員が同行する。クルーズ船は5階建て80室の大型客船でレストラン、診療所、スポーツジムなどさまざまな設備を備えている。定員は115人。現在順調に申し込み数を伸ばしている。
担当者は「普通はホテルとバスを行ったり来たりするが、クルーズで2泊することで移動も少なく、高齢者にも優しい旅行」と多くの参加を呼びかけていた。
問い合わせ・申し込みはJA上伊那旅行センター(TEL72・6127)、JA上伊那駒ヶ根旅行センター(TEL81・1130)へ。 -
西春近北保育園、保育参観で親子一緒に運動プログラムを体験
柳沢運動プログラムの実際の様子を知ってもらおう竏窒ニ伊那市の西春近北保育園(池上三枝子園長)は17日、保育参観に合わせて運動遊びをした。年長から年少までの約60組の親子が、楽しみながら体を動かした。
前頭葉の刺激、身体能力の強化などを目的とする同プログラムは、伊那市内の保育園でも昨年4月から導入している。これまで同園では、文書などで取り組みについて伝達してきたが、実際に見たことがない保護者も多く、こうした保育参観を企画。また、今回は親子で一緒に出来る運動プログラムに初挑戦した。
運動プログラムの指導に当たる保育士が、年齢に合わせて動作が発展していくことや、動きのもたらす効果などを説明。父親の参加も多く、元気よく動き回る子どもの姿を感心しながら見学していた。
参加した母親は「日ごろ言葉では聞いていたが、基礎的な動作を練習していることが分かってよかった」と話していた。
車での移動などが多い今の園児は、遠足でも体力が続かなかったり、転んだときに受身が取れないことがあったが体力や反射能力が身につき、落ち着いて話を聞けるようにもなってきたという。 -
つくしんぼ園祭
伊那市のつくしんぼ保育園で18日、恒例の園祭があった。バザーやお祭り広場など多くの地域住民らが訪れにぎわった。
同保育園の父母と職員による園祭は、37年前の創立以来続く行事。バザーの売上金などを園の運営維持や遊具費用にあてている。
掘り出し物バザー、自然食品コーナー、親子で楽しめるお祭り広場などがあり、バザーはすれ違いが困難なほど混雑した。食器、毛布、タオル、おもちゃ、ベビー用品など安いものがたくさんあり、皆、かごいっぱいに買い求めていた。
食事コーナーもにぎわい、子どもたちもゲームコーナーで遊んだり、バザー品の中からおもちゃを真剣な顔で選んで楽しんでいた。 -
西駒山荘 ヘリ荷上げ
夏山シーズンを迎え、伊那市は20日朝、中央アルプス北部にある市営西駒山荘に荷上げした。食料や燃料など1・96トンをヘリコプターで運び、7月8日の営業開始に備えた。
鳩吹公園からヘリコプターが飛び立ち、1往復10分ほどをかけて、荷作りした米や野菜、ガスなどの荷物を5回に分けて運んだ。
西駒山荘には市職員に加え、管理人や山荘修繕のための大工も一緒に上がり、登山者を受け入れる準備を整えた。
西駒山荘の営業は10月9日まで。収容人数は40人で、市商工観光課は本年度の利用者数を例年並みの400人と見込んでいる。
天気がよければ、南アルプス越しに富士山を見ることができ、周辺にはコマクサの群生地などもある。
予約は、商工観光課(TEL0265・78・4111)へ。 -
せせらぎ水路で園児が水遊び
伊那市の竜東保育園年長児58人は20日、市役所南側の「せせらぎ水路」で水遊びをした。水路の両側に植えられたハナショウブが咲き始め、園児たちは元気いっぱいに遊んだ。
水着姿の園児たちは「冷たーい」と言いながらも、延長約100メートルの水路を走ったり、水をかけ合ったりしてびしょびしょになって1時間ほど楽しんだ。
ハナショウブは数千株が植えられ、7月中旬ごろまで楽しめる。
飯田測候所によると、20日の最高気温は27度。
21日は昼が最も長い「夏至」を迎える。7月16日までの長期予報で平均気温は平年並み、降水量は平年並みか、多い、日照時間は平年並みか、少なめ。 -
【記者室】プラネタリウムで
県伊那文化会館プラネタリウムの投映番組が先週末から夏番組に変わった。今回は世界中で愛され続けているサン=テグジュペリ作の童話「星の王子さま」を原作とする作品。これまでと少し違って動画で、子どもから大人まで楽しめる番組だった▼上伊那はたくさんの星を近くに見ることができる。恵まれた環境なので、わざわざプラネタリウムで星を見なくても…と思う人もいるかもしれないが、1度足を運んでみるとプラネタリウムならではの良さを満喫できる▼今春、プラネタリウムで初の受け入れをしたツアーの観光客は「とても癒された」と満足していたが、ドームを出るときは本当に癒されたと感じる。番組を楽しむのはもちろん癒しにも最適のスポット。(村上記者)