-
日本一短い祭りに匹敵?
1分足らずの神事、ブナの森、鉾立例祭宮田村の山深いブナの森で17日、例祭があった。祝詞と拝礼でわずか1分足らずの神事だが、登山者や山仕事、地域の安全などを祈った。
村職員や村議ら9人が参列。正式な神官は同行しないが、村造林班の大澤光雄さんが代役をつとめ、木々が色付く約1300メートルの鎮守の森で厳粛に神事を行った。
明治時代に寄進された33体の観音をまつる宮田高原近くの鉾立(ほこだて)。同じく村の関係者が例祭を行ったが、2礼1拍手と万歳だけで神事は終了した。
石碑に一礼するだけの塩尻、岡谷市境の祭りが日本一短い祭りと有名だが、宮田村の2つの例祭も劣らない短さで毎年行われている。 -
神仏習合の不動滝例祭
山岳信仰を受け継ぎ、今も珍しい形で宮田村の山中に残る3つの例祭が17日、行われた。神仏習合の不動滝に、一瞬のうちに神事を終えるぶなの森、鉾立(ほこだて)。村民でも足を運ぶことがない祠(ほこら)もあるが、関係者が大切に守り続けている。今年は7月豪雨で一帯は甚大な被害を受け、一部の例祭は場所を変更するなどの影響も。参列者は例年にも増して地域の安全を祈願した。
黒川渓谷上流にある不動滝例祭は、豪雨被害で林道の車両通行ができないため、宮田観光ホテル敷地内に祭壇を設けて開いた。不動明王と金山彦大明神を合祀(ごうし)してあるため、僧侶と神主が並んで祭事。商工会関係者ら約50人が参列し、商工業発展、地域の安全などを祈願した。
荘厳な瀑布(ばくふ)と結びついた不動滝信仰。村誌では江戸時代後期の1795年に村内の小町谷文五郎と唐木五郎右衛門が不動尊を寄進したと記す。
産業の神様である金山彦大明神もまつられ、現在は商工会が中心となり例祭を続ける。
車両が通れないため今年は5日に、商工会の8人が徒歩で不動滝まで代参。往復3時間以上の道のりだったが、付近の掃除などもして清めてきた。
例祭では、いつものように僧侶と神主が並んで玉ぐしを奉てん。線香をあげ、お経も唱えた。
神事終了後、前林善一商工会長は、小町谷、唐木両氏の末えいから寄付があったことを紹介。
「不動滝と例祭を守り続けた商工会にと善意を寄せてもらった。祠に通じるハシゴなどが老朽化しており、改修費用として使わせてもらう」と話した。 -
なごみ家でコンサートと作品展
宮田村の住民参加型福祉施設「なごみ家」は15日、手づくりコンサートと作品展を開いた。コンサートでは同施設の職員でマリンバ奏者の酒井保美さんが開いているマリンバ教室の生徒らが酒井さんと合奏。初めて人前で演奏するという生徒たちは緊張しながらも見事な演奏を披露し、大きな拍手を受けた=写真。地域住民の有志ら12組が代わる代わる舞台に登場し、ハーモニカの演奏や歌、手品や紙芝居などを多彩に披露して、集まった人たちの喝采を浴びていた。
作品展は3回目。絵画や工芸作品などが多数展示され、訪れた人たちはその出来栄えに感心しながらじっくりと見入っていた。 -
宮田村町二区防災訓練
宮田村の町二区(太田照夫区長)は15日、今年再編・強化した自主防災会の初めての訓練をを宮田小学校で行った。約80人が参加。万一の災害発生に備えて避難誘導、救護、給食・給水などの7班ごとにそれぞれ実践的な訓練に当たった。太田区長は「危機感を持って真剣に訓練に取り組んでほしい」とあいさつした。
炊き出し訓練では、新品の災害用炊飯器を使って約15キロの米を炊いた。参加者らは「初めて使う釜だからどんなふうに炊けるか分からんな」などと話しながら心配そうな表情で釜を囲んで炊き上がりを待っていた=写真。
リヤカー設置型の担架の組み立て、取り扱いの訓練や、消防団員の指導を受けながらの救護訓練なども行われ、参加者は懸命に訓練に取り組んでいた。 -
バイオリン・チェロ発表会
バイオリニストの故鈴木鎮一が提唱して世界に知られるスズキ・メソードに基づいて幼児からの音楽教育を実践している才能教育研究会の伊那支部(北原志佳支部長)は15日、伊那、駒ケ根教室の生徒らによるバイオリン・チェロ発表会を宮田村の村民会館で開いた。3歳から高校生までの約50人が代わる代わるステージに立ち、1年間の練習の成果を披露した。
小さな演奏家たちは子ども用サイズの小さなバイオリンやチェロを構えて無心に弓を動かし、バッハやドボルザーク、ヴィヴァルディなどの曲を見事に弾きこなして大きな拍手を受けていた。客席の保護者らは、ステージで演奏するわが子の晴れ姿を収めようとビデオカメラを構えたり「失敗しなければいいが…」などと心配そうにささやき合ったりしながら、舞台での演奏ぶりをじっと見詰めていた。 -
めいきん生協ワインクラブ、山ぶどう収獲体験
名古屋勤労市民生協(めいきん生協)の組合員でつくる「ワインクラブ」の6人が14日、宮田村の畑で山ぶどう(ヤマソービニオン)の収獲を体験した。「ワインの原料を自分たちの手でもぎ取れるなんて幸せ」と作業を満喫。同生協は年末に解禁される山ぶどうワインの新酒から、組合員への本格的な販売も予定しており、宮田と中京圏を結ぶつながりの深まりに関係者も期待を寄せている。
宮田村では同生協とのリンゴオーナー制度で多くの組合員を毎年迎えているが、ワインクラブも宮田村の山ぶどうワインが生産を始めた8年前に発足。
理念に賛同したオーナーの組合員15人ほどで構成し、収獲や仕込などの作業を体験し、年末の新酒発表会にも参加している。
この日は6人が訪れ、山ぶどう栽培組合長の春日伊平さんの畑で収獲体験。
初めて山ぶどうを収獲したという春日井市の女性は「こんなに味が濃くて甘いとは思わなかった。ワインを飲む楽しみが、またひとつ増えた」と話した。
同生協は法改正で昨年から酒類を取り扱うようになり、注文書に山ぶどうワインも掲載し組合員に販売する。 リンゴオーナーとワインクラブの事務局を務める同生協の川瀬春雄さんは「農業や食育など理解を深める面からも、産地と消費地がつながりを深めることは良いこと」と話した。 -
宮田中「梅樹祭」
自身の想い率直に、限りない可能性広げて宮田村宮田中学校の文化祭「第48回梅樹祭」は13、14日開き、可能性をもっと伸ばそうと、一般公開もして意欲的に展示やステージ発表などを行っている。恒例の弁論会は、人間関係や命の大切さなどを本音で語った。
1年から3年まで代表の8人が弁士となり、想いや考えを率直にぶつけた弁論会。
2年の加藤香さんは、学校に行けず悩んでいる時に、友人からもらった手紙が励みになったと発表した。
いつも通りに接してくれた友人、家族、先生など多くの人の支えがあって今の自分があると語り、「これからは支えてあげられる側にもなれるよう努力したい」と話した。
3年の宮下理子さんは、友達関係について発表。表面上の友情ではなく、トラブルがあってもよく話し合うことが大切と、自身の経験を通じて話した。
2年の後藤佑梨さんは読書で感じた命の大切さについてふれ、世界中には多くの子どもたちが病気などで苦しんでいると説明。
「私は自由に何でもできる環境にいながら、無駄に過ごしてきた。苦しんでいる人の少しでも心の支えとなり、今を大切に生きていきたい」と話した。
14日は午前8時半から講演会、同10時20分から音楽会を開催。校内展示も一般公開し、午前は9時から正午、午後は1時から2時まで行う。 -
障害者自立支援法で福祉作業所家族会が村に要望書提出
宮田村福祉作業所に通う利用者10人の保護者でつくる家族会(赤羽好美会長)は13日、障害者自立支援法の新しい制度の下でも負担が増えないよう求め、清水靖夫村長に要望書を提出した。先走りする国の理念に村の現場サイドも戸惑いを隠せず、保護者や利用者も年齢を重ねていく今後の生活について不安を訴えた。
「国の支援が見えてこない。そのしわ寄せが来ている」。この日、要望書を受け取った清水村長は苦しい胸の内を家族会や利用者に伝えた。
同法は福祉サービスを利用する障害者に相応の自己負担も求めているが、村は福祉作業所の利用料について現段階では負担額などを決めていない。
「不公平のないようにしたい」として他市町村の動向をみながら、利用負担などを決めていこうと考えているからだ。
村長と懇談した家族会側からは「今は送り迎えもしたりできるが、我々保護者が年をとって動けなくなったら、誰が子どもたちの面倒を見てくれるのか」と不安の声も。
清水村長は「日本の福祉はどれをとっても深刻。しっかりと意見は言っていきたい」と話した。 -
人気上昇ペレットストーブ
県補助、原油高も追い風に原油高や県の補助制度新設などで、木質ペレットストーブの人気が高まっている。製造販売する宮田村の近藤鉄工(近藤満社長)は、昨年の出荷台数の2倍にあたる300台の生産を見込んでおり、本格的な冬の到来を控えてフル操業の状態。県外からの問い合わせも多く、対応に追われている。
県は近藤鉄工やヨウホク(駒ケ根市)など3社のペレットストーブ3機種を「信州型」と認定。購入する個人や事業者に10万円を補助し、100件の枠に11日現在で45件の申し込みが来ている。
また、市町村への補助制度も設けたほか、県施設や県立高校に新たに100台の導入も予定している。
積極的な普及策の追い風になっているのが、最近の原油高。「割高だったペレットだが、灯油などの値上がりで価格差もなくなった。環境にやさしい面も受けている」と県の担当者は説明する。
近藤鉄工は3年前の初年度は35台の出荷だったが、順調に生産台数を伸ばしてきた。
同社のホームページはストーブを全面に取り扱い、遠くは広島、山口などからも問い合わせが寄せられる。
「コスト面が有利になってきたこともあるが、環境にやさしいことや火の見えるストーブの暖かみも人気が高まっている理由」と同社の・ス木重由総括担当。
全てが職人の手作りのため月産50台ほどだが、今月から来月にかけて生産の最盛期を迎える。 -
プロのドライバーが園児を指導、中央保育園で交通安全教室
宮田村中央保育園は11日、交通安全教室を開いた。ヤマト運輸駒ケ根センターの現役運転手が講師。公道の危険性を熟知しているプロのドライバーの視点で、園児に正しい交通ルールを指導した。
着ぐるみゴリラのゴン太君も登場し、子どもたちにも分かりやすく解説。急な飛び出しや車の近くで遊ぶことの危険性を伝えた。
年長園児は横断歩道の渡り方を実践練習。遠くのドライバーからも確認できるよう、手を真っ直ぐ高くあげて渡っていた。
要請を受けて年に数回ほど指導を行っている同センターだが、「指導することで、我々の交通マナーに対する意識向上にもつながっている」と話した。 -
防火ポスター審査
伊南行政組合消防本部北消防署(米山覚署長)は11日、管内の小中学生を対象にした06年度防火ポスターコンクールの審査を同署で行った。寄せられた150点の作品を竹上俊隆消防長ら署の幹部が審査し、学年ごとに金・銀・銅賞を選んだ=写真。
入賞作品は11月に開かれるこども消防広場で北署に展示されるほか、管内の大型店や事業所などでも展示される。
入賞者は次の皆さん。
◇小学5年▽金=伊沢真由(東伊那)▽銀=北澤茉里乃(同)▽銅=今井美月(赤穂東)◇小学6年▽金=清水雄太郎(宮田)▽銀=伊藤貴保(同)▽銅=那須野美月(赤穂)◇中学1年▽金=馬場さくら▽銀=北條麻衣▽銅=橋爪ひとみ(以上赤穂)◇中学2年▽金=湯澤隆弘▽銀=清水累衣▽銅=近藤光華(以上赤穂)◇中学3年▽金=岩牧あいり▽銀=高坂佳奈▽銅=熊崎泰奈(以上赤穂)▽消防次長特別賞=鈴木宏明(東中) -
宮田小祖父母参観
宮田村の宮田小学校はこのほど、祖父母参観を行った。各学級が授業を公開したほか、体育館では児童が学校で学んでいることなどを発表。おじいちゃん、おばあちゃんに学習の成果を披露した。
友情を育みながら元気にたくましく育った子どもたちの様子に目を細める参観者。愛する孫の生き生きとした表情に心からエールを送っていた。 -
県議選 小原派後援会長に前林氏
県議選上伊那郡区に出馬表明した現職の小原勇氏(58)=県民協働・無所属ネット、宮田村=の後援会「勇NET(ゆうねっと)」は、来春の選挙に向けて新たな後援会長に前林善一氏を選んだ。
前林氏は村商工会長。前会長の清水靖夫氏が村長に就いた関係などから退いたことに伴い、8日の役員会で選任された。
事務局長も加藤恭一氏から城倉栄治氏に交代した。 -
おいしい芋焼酎に
原料のサツマイモ収獲上伊那の酒販店などが地域の協力も得て企画する、地元産サツマイモを原料にした芋焼酎づくり。宮田村では9日に、イモの収獲作業を行った。春先から生産を手がけた農事グループ「駒原ファーム」のメンバーら約10人が、「おいしい焼酎になれば」と思いを馳せつつ額(ひたい)に汗した。
全8市町村でそれぞれ賛同者を募り取り組んでいるが、宮田村では「駒原ファーム」が町三区の休耕田28アールを使って栽培。
取り寄せた「黄金千金(こがねせんがん)」の種を苗におこし、5月に植えた。
この日は、ファームのメンバーに加え、住民の有志も参加。トラクターで畑をかき、大きく実ったイモを手作業で次々と掘り起こした。
焼酎用のイモ栽培は同ファームにとって初めての経験で、当初は試行錯誤の連続だったが、宮嶋正明代表は「1年やってみて様子も分かった。生産調整した休耕田の活用になり、地域おこしにも役立てれば」と期待を寄せた。
宮田村分の収獲量は約5トン。既に箕輪町などでも収獲を行っているが、飯田市の喜久水酒造で醸造し、12月には産地別など9種類の焼酎として販売される予定だ。 -
小さくても地域の団結キラリ
つつじが丘スポーツ祭、区民仲良く熱戦宮田村最小の行政区で世帯の8割以上が村営住宅入居者のつつじが丘区で8日、スポーツ祭が開かれた。日常的に顔を会わせる機会が少ないといわれる・ス団地住まい・スだが、330人ほどの区民のうち約70人が参加。子どもから高齢者まで多彩な競技に挑戦し、地域、隣近所の絆を深めた。
スポーツ祭は2年に1度の開催。誰もが楽しめる趣向を凝らした内容にし、異世代が一緒に競技を楽しむ光景もみられた。
観客席にはビニールシートをひき、隣近所が仲良く肩を並べて声援も。絶好の秋晴れのなか、和やかに進行した。
ジャンケンなどのゲーム要素もとり入れ、運動能力の高さだけでは勝てないように工夫。吹きつける強風も波乱を呼び、運も味方につけながら挑戦した。
「若い世帯も多く参加してくれた。顔をあわせることが少ない土地柄だからこそ、このような機会を大切にしたい」と川上勝区長。天高く響く歓声に目を細めた。 -
秋を感じ、健康増進
町三区歩け歩け大会宮田村町三区の歩け歩け大会は8日、約50人が参加して開いた。秋の色を濃くする区内の小田切川から駒ケ原一帯をたどり、楽しみつつ健康増進を図った。
同区公民館分館の主催で、子どもから高齢者まで幅広く参加。約3・2キロのコースを一緒に歩いた。
木々が色付く駒ケ岳を望みながら元気に出発。稲刈りがほぼ終わった田園風景、天空広がる青空に本格的な秋の到来も感じつつ、ゴールを目指した。
宮嶋正明分館長は「体力を保つには、まず歩くことが大切。これを機会に体を動かして」と呼びかけた。 -
実りの秋に歓声
かかし隊、稲刈りに力あわせ農作物の栽培を通じて季節の行事も味わう宮田村公民館の親子学級「われら、かかし隊」は7日、稲刈りを行った。鎌を使って手作業で収獲。心地良い汗を流し、実りの秋を喜んだ。
同隊は町3区の休耕地を借りて野菜などを栽培。水田もつくり、春に植えた稲も立派に成長した。
黄金色に垂れた稲穂に、子どもたちはニッコニコ。町3区の川手友幸さん、加藤政義さん、大田切区の田中一男さんらの指導で、親子一緒に力をあわせ収獲した。
昔ながらに、はざかけして乾燥。脱穀してもち米にし、来月の収獲祭で味わう。
作業後は、十五夜の郷土食「オカラコ」で昼食。地元に伝わる風習も体験し、秋の一日を満喫した。 -
県議選 上伊那郡区に現職の小原氏出馬表明
宮田村の県議、小原勇氏(58)=県民協働・無所属ネット、町三区=は8日夜の後援会役員会で、再選を目指して来春の県議選上伊那郡区に出馬すると表明した。
小原氏は、村井知事の誕生で対話のできる県政が始まったと説明。「県民が主人公の本当の地域主権を確立したい」と述べた。
上伊那郡区は伊那市と旧高遠町、旧長谷村の合併により、定数が3から2へ減員。
4年前を戦った現職3人、前職、新人各1人が出馬を目指す動きをしており、一票差で揺れた前回以上の激戦も予想される。 -
コーヒーかすがペレット燃料に
ペレットストーブなどを製造する近藤鉄工(近藤満社長、宮田村つつじが丘工業団地)は、コーヒーを煎れた後に残る粉(コーヒーかす)を固形化し、ペレット燃料にする技術を開発している。村の財産として技術を有効に活用したいと、村内の企業とも連携。「ごみとして捨てられていた“かす”をリサイクルする有効な手段になる」として研究、構想をふくらませている。
飲料メーカーなどから、大量のコーヒーかすが産業廃棄物として排出されている点に着目。年間数十万トンにも及ぶと知り、3年前から研究を進めてきた。
開発したコーヒーかすのペレット燃料は、市販されている木質ペレット用のストーブで燃焼可能。研究段階で火力は木質よりも高かったという。
また、使用済みの粉を乾燥、圧縮してペレットにするため、木質などとは違って粉にするまでの加工が不要。コストの低減化、省力化も図れると見込む。
運搬、量産など事業化には課題も多いが、「自立して厳しい村の活性化の一助になればと願う。何とか宮田ブランドとして発信ができれば」と近藤社長は期待を寄せる。 -
山ぶどうワイン仕込み式
宮田村の特産品・山ぶどうワインの仕込み式が6日、醸造する新田区の本坊酒造信州工場で開かれた。村内農家14戸が栽培する山ぶどうは今季も豊作で、糖度、酸味とも最高の状態。同工場も新たな製法を取り入れ、さらに美味しいワインとして12月には新酒を発売する。
式には山ぶどう栽培組合や村、農協など関係者約20人が出席。茎を取り除く破砕機(はさいき)に、収獲したばかりの山ぶどう500キロを次々と投入した。
312本で始まったワイン醸造も8年目を迎え、今年は25トンほどの収量で1万8千本近い生産を予定。現段階では新酒の「紫輝」と、「駒ケ原」を共通銘柄にした熟成、樽熟成、甘口と4種類の発売を計画している。
そのうち当初から生産を続けている12月発売の「紫輝」は、ボジョレ・ヌーボーにも使われる製法を一部に導入。
茎などを取り除かず房のままタンクに投入して自然発酵させる方法で、今まで通りの茎を取り除く一般的な製法で醸造するワインに一部調合する。
「新酒にあったフルーティーな仕上がりが期待できる」と、同工場長の藤野公宏さんは話す。
高品質を証明する県の原産地呼称管理制度に3年連続で認定されている山ぶどうワイン。生産者のたゆまぬ努力で良質なワインが完成する。 -
受け継ぎたい地域の風習
向山民俗資料館で十五夜のお供え特別展宮田村民会館内にある向山雅重民俗資料館で、村内に伝わる十五夜の風習「おからこ」のお供え物を再現した特別展示が十五夜の6日まで行われている。
十五夜のお供え物と言えば、団子が思い浮かぶが、宮田村では米をつぶして丸い鏡餅のようにした「おからこ」をお供えするのが昔からの風習。
しかし、今では村内でも忘れ去られるようになり、風習を継承している家庭はごくわずかとなった。
村教育委員会は「地元の身近な文化をもう1度見つめてもらおう」と特別展を企画。
昔ながらに、おからこと里芋などの根野菜、お神酒、ススキなどを並べ、満月浮かぶ風景も再現した。
さっそく見学者が訪れたが、「懐かしいねぇ」と話す人がいる一方で、「おからこなんて初めて聞いた」と話す村内の高齢者も。
小学生の見学もあり、もの珍しそうだったが、ムード満点の十五夜気分を味わっていた。 -
工場敷地内に日本庭園
宮田村新田区の製造業ユーエスアイ(旧社名浦野紙器)は新工場に日本庭園を併設し、地域にも開放している。散策できるほか、地下53メートルから湧き出る良質な天然水も自由に飲むことができ、従業員のほか近所の人が持ち帰る光景もみられる。
庭園は浦野勇社長の発案で造成。池やせせらぎ、植栽が見事だが、石や立派なマツなど地域の寄付も得ながら完成した。
周囲に壁などは一切なく、誰でも自由に立ち寄れる空間に。「地域の協力があってこそ。気軽に利用してもらえれば」と担当者は話す。
工場用に新たに採掘した井戸水は良質で、抜群のミネラルウォーターに。「延命水」と名付けて園内にも引水し、自由に試飲することも可能だ。 -
宮田村保育園秋の遠足
宮田村3つの保育園は4日、秋の遠足を行った。秋色濃くした村内を歩き、公園遊びなどを満喫した。
中央保育園の年中、年長、西保育園の全園児、東保育園の年長園児は新田区のふれあい広場へ。
芝生広場でかけまわったり、滑り台などの遊具で思いっきり遊んだり。
昼食は家族がつくってくれたお弁当。可愛い盛り付けに「おいしい。みんな食べちゃった」と、満面の笑顔が広がった。
食後はもうひと遊び。景色を楽しみながら歩き、帰路についた。 -
宮田小秋の遠足
宮田村宮田小学校は秋の遠足を行い、自然や文化など地域の豊かさにふれた。
各学年ごと集団行動し、それぞれの目的地へ。5年生は学習に生かそうと、村内各所の文化財をめぐった。
中越区の中越遺跡や石造物、南割区では三塚古墳、先人が耕作地などへの動物侵入を防ぐために築いた「猪垣」など、知られざる地域の歴史を探訪。
新田区の県宝・宮田宿本陣(旧新井家住宅)では、村教育委員会の小池孝文化財主任から話しも聞いた。
「200年ほど前の住宅を移設して、そのままの形で復元保存しています」などと説明を受け、児童たちは熱心にメモをとった。
薄暗い住宅内に入り、囲炉裏や土間など現代の家とは全く違った環境に驚きも。
当時の人たちが使っていた道具なども見学し、江戸時代の生活ぶりにも思いを馳せた。 -
宮田村ナイター野球、愛球クラブ3連覇
宮田村ナイター野球会の半年間に及ぶリーグ戦が2日夜、閉幕した。打撃好調で5勝3分けだった愛球クラブが、3連覇を飾った。
同クラブは春日金夫監督のもとに集まった筋金入りの野球好きがメンバーで、10代から50代と年齢層が厚い。昨年までの連覇は投手力を中心にした守りの野球だったが、今年は機動力を絡めた攻撃が爆発した。
「先取して打ち勝つパターンができた」とメンバーの松下宏さん。ナインは向山和孝会長から優勝旗やトロフィーを受け取り、次なる目標に4連覇を見据えた。
今季は1チーム減り9チームの参加だったが、僅差の接戦で好試合も多かった。
閉幕式で向山会長「来年また一緒に野球を楽しみたい」と再会を期し、選手たちの活躍をねぎらった。
最終結果は次の通り。
(1)愛球クラブ(2)NHKGs(3)一撃(4)JAるーらる(5)里宮クラブ(6)新田クラブ(7)大原メッツ(8)ゴールデンモンキーズ(9)昭和伊南総合病院 -
良質なワイン期待大
宮田村特産「山ぶどう」収穫始まるワインに加工する宮田村の特産品「山ぶどう(ヤマソービニヨン)」の収獲が、3日朝から始まった。昨年に比べ1週間ほど遅いが、糖度も日増しに高くなっており、房の成り具合も上々。「今年も美味しいワインができそう」と、栽培農家は・ス実りの秋・スに期待をふくらませている。
14戸の栽培農家のトップをきって、駒ケ原にある秋山泰久さんの畑で収獲が開始。県外からも収獲したいと仲間が訪れ、にぎやかに作業初日を迎えた。
今年は病害もほとんどなく、7月豪雨など夏の日照不足で心配された糖度も、秋の深まりとともに順調に上がってきた。
「ぶどうの木は5年で大人になる。宮田のほ場では7年ほどを迎えており、一番脂の乗った成熟期。渋みもでてきて、より本格的なワインが期待できる」と秋山さんは話す。
今年は過去最高の出来だった昨年を若干上回る25トンから30トンの収量を予定。栽培組合の春日伊平組合長も「ここに来て寒暖の差も加わり、良質なぶどうに仕上がった」と胸を張った。
村内の本坊酒造で仕込むワイン「紫輝」と「駒ケ原」の2銘柄は、県の原産地呼称管理制度の認定を受けるなど、業界内でも高い評価。最も早い新酒は12月に発売する。 -
出産モォー大丈夫
林道崩落の宮田高原で下牧何とか下界で出産できます‐。7月豪雨による林道崩落で寸断状態にあった宮田村の宮田高原で3日、放牧していた牛9頭の下牧作業があった。出産を今月中に控える牛もいたため、急ピッチで林道を仮復旧。関係者の努力の甲斐もあって健康状態はいずれの牛も良好で、車に揺られて元気に下山した。
豪雨で宮田高原に通じる寺沢林道は各所で寸断。起点から6・5キロ地点では、道が10メートル以上にわたって跡形もなく崩れ、仮復旧も手間取った。
2日の段階でも道は開いておらず、関係者はヤキモキ。それでも悪天候の中、作業を続けて何とか間に合わせた。
豪雨以後の2カ月間は、村職員が交替で高原に入り、牧場を管理。牛の健康面に気を配り、大きな問題などはなかった。
出産を控える12歳の黒毛和牛も、胎児ともに健康状態は良好。この日、下牧作業に参加した獣医や畜産関係者は「あと1週間ほどで生まれそう」と話し、運搬車に乗せた。
他のホルスタイン8頭も体重が数十キロほど増加。豪雨の影響を感じさせなかった。
林道崩落でキャンプ場の今季営業を休止するなど被害が大きかった標高1650メートルの同高原は、里より一足早く長い冬を迎える。 -
車いすダンスで、世界選手権出場の小田切元治さんを激励
10月14、15日オランダで開催される車いすダンス世界選手権に出場する宮田村南割の小田切元治さん(50)の壮行会が1日夜、宮田村内であった。宮田壮連有志ら約20人が出席し、世界の大舞台での活躍を期待した。
小田切さんは昨年12月の車いすダンス全日本選手権で初優勝、3度目の世界大会にこまを進めた。ペアを組むのは中野市の長島はつみさん。脊椎損傷で上肢にも下肢にも障害のある重度のクラス。
清水村長は「世界大会出場は村の誇り、優れた才能を発揮し、上位入賞を」。小原県議は「障害者と健常者がバリアを超え、一体になってダンスをすることは意義深い。ダンスを通じて国際交流を深めて」とそれぞれ健闘を祈り激励した。
小田切さんは「世界選手権は3度目の挑戦。世界の壁は厚いが、目標は決勝戦進出」と決意を述べた。
) -
津島神社の祇園祭りのお囃子を収録、CD化
宮田村津島神社の祇園祭りのお囃子を後世に伝えるために、宮田祇園囃子保存会(川手友幸会長)は1日、村民会館で演奏の収録をした=写真。
大人会員の後継者確保が難しく、高齢化が進み、口伝による伝承が懸念されることから、県地域伝統文化伝承事業の認定を受け、CD70枚を制作し、子ども囃子結成25周年記念として、子ども会員に贈る。
この日は子どもや大人約60人が参加し、林立する集音マイクの前で本囃子の「越後獅子」「軒すだれ」「あげは」、帰り囃子の「六方」「お花見」など6曲を演奏し収録した。 -
教育委員長に春日氏再任
宮田村教育委員会は臨時会を2日開き、互選により委員長に春日親夫氏(75)=新田区=を再任した。任期は2007年9月30日までの1年間。
春日氏は1996年から委員長職。この日は、新たに委員となった保科和幸氏(67)=町2区=に辞令を交付し、互選により同氏は委員長職務代理者に就いた。