-
たゆまぬ努力で美味しいワインに、宮田村の山ぶどう栽培組合が学習会
宮田村特産の赤ワイン「紫輝」「駒ヶ原」の原料となる山ぶどう交配種ヤマソービニオン。今年も収穫を終え12月7日に新酒の解禁を控えるが、栽培農家は学習会を開くなどして意識の向上や幅広い知識の習得に努め、さらにレベルの高いワインづくりを目指そうと励んでいる。
「生産に携わるものとして、もっとワインやぶどうについて理解を深めたい」と始まった学習会。3回目を迎えた20日は、飯田市のソムリエ浜島晃さんを講師に「紫輝」と世界のワインを飲み比べ、現状認識と宮田村のワインの将来的な方向性も含めて探った。
「ワインは産地の個性を出すのに数十年もかかる仕事。地域の風土をビンの中に閉じ込めることが最も大切です」と浜島さん。「紫輝は飲み比べても他のワインと遜色ない。このように世界のワインを参考にしながら、仕立てていくのも良いと思います」と続けた。
栽培者のひとりでワイン醸造技術管理士(エノログ)の資格も持つ秋山泰久さん=南割区=は「地元に根付く良いワインにしていくには、栽培者みんなが同じ意識でぶどうづくりをすることが大切。このような学習会も通じながら底上げが図れれば」と話していた。 -
上伊那の魅力的な食品、東京の商談会「フードセレクション」でPR
八十二銀行をはじめとした地方銀行が主催し、全国各地のあらゆる食の産品が集まる商談会「フードセレクション2008」が11日、東京ビッグサイトで開かれた。3回目の今年は354業者、県内からは40業者が出展。上伊那からも魅力的な「食」を生産、販売する業者が複数出展し、飲食店や流通業界のバイヤーらが多数訪れて品定めした。食の安全性が問われるなか、信州伊那谷の豊かな風土に育まれた産品の数々は高い注目を集め、「おいしさと安全安心を消費者は求めている。環境的なイメージや製品に対するストーリー性、こだわりなど、信州の産品には魅力も大きい」と話すバイヤーもいた。
宮田村の製造業マスダが運営する宮田とうふ工房は、県内産大豆「ナカセンナリ」のみを用いる自慢の豆腐製品を試食交えて紹介した。新製品として来春に本格販売を予定する「そばとうふ」や大豆手づくりのかりんとうなども用意。
試食した東京や仙台などで外食産業を展開する担当者は「おからを出さず栄養素を丸ごと残した豆腐は可能性を感じる。消費者は添加物にも敏感。都会の人たちは食に非日常的な要素も求めており、宮田とうふのようなうんちくを語れる商品を我々も求めている」と話した。
豆腐という消費期限が限られる商品だけに広く流通させるには難題も抱えるが、同社顧問の小原勇さんは「ネット販売や観光とリンクさせるなど次に向けて戦略を練っていきたい」と話した。
飯島町の食肉製造販売「大成」は都市圏でも認知度が高まっている馬肉製品を用意。馬刺しだけでなく、ジャーキー、レトルトなどもPRし、商品の幅の広さも売り込んだ。
駒ヶ根市の中央道駒ケ岳サービスエリアでレストランを経営し、地元名物のソースカツ丼とその関連商品を販売する信南サービスは初出展。異色の「ソースカツ丼キャラメル」や、カツ丼用ソースは大手コンビニなどの目にも留まったが、同社の木下世貴開発室長は「数量的な問題など宿題も頂いた。研究も重ねて、駒ヶ根のソースカツ丼をさらに広めることができれば」と話した。 -
宮田村の企業の制度資金利用、設備関係で大幅減
宮田村の企業が設備投資関係で村や県の振興資金制度を利用した今年度上半期の件数(9月末現在)は、1件にとどまり前年同期に比べて8件も減っていることが分かった。村産業建設課が村商工業振興協議会で報告。運転資金関係は前年同期とほぼ同じ件数だが、金融不安から始まった不況感の増大も重なり「厳しい状況も反映して新たな設備投資を手控えている傾向が現れている。一方で今後運転資金の利用も増えていくのでは」と同課はみている。
設備関係では、県制度資金の利用は前年同期で6件の実績があったがゼロにとどまり、村の資金利用も1件と2件減っている。運転関係は村が23件(前年同期比5件増)、県が6件(同4件減)だった。
この日の村商工業振興協議会は、新規立地や増設した工場や店舗を対象に固定資産税相当額を助成する「商工業振興補助制度」の審査も行い、申請があった9件全てを承認した。
任期満了に伴い新たに委員の委嘱も行い、会長に前林善一村商工会長、副会長に村議会選出の久保田秀男さんを互選した。席上清水村長は「過去に経験したことがないほど産業経済界にとっては大変な時。先を見通した施策を考える必要性もある」と言及し、前林会長は「下請け、孫請けにまで余波がきてさらに大変なことも予想される。景気回復は簡単ではないが、何とか知恵を出し合い村の商工業振興を図っていきたい」とあいさつした。 -
工房信州の家と南信州ビールが信州ブランドアワードに入選
地域資源を活かした県内のすぐれたブランドを選ぶ「信州ブランドアワード2008」の結果が発表され、上伊那からは伊那市の住宅建設業フォレストコーポレーションの事業ブランド「工房信州の家」と、駒ヶ根市・宮田村の地ビール「南信州ビール」が入選した。県デザイン振興会など産学官で県内ブランドの推進確立を目指す実行委員会が主催し今年で5回目。推薦と公募の計49点から選考し、大賞は「諏訪湖の花火」が選ばれた。
-
宮田村が空き店舗活用に助成金導入へ
宮田村は市街地の活性化などに役立てようと、空き店舗に出店する企業団体や個人などに家賃の半額を助成する制度を導入しようと検討している。同村内では空き店舗を活用して地域を元気にする取り組みが民間レベルで芽生え始めており、「商店街振興の一役を担えれば」と村産業建設課は説明する。
1年以上商業施設や事務所として利用した場合が対象となり、月額5万円を上限に家賃の半額を助成。風俗店などは対象外となる。
このほど開いた村商工業振興協議会で説明。今後、議会にも報告して制度化する計画。同課によると、上伊那では同様の助成制度を伊那市や中川村で導入しているという。
宮田村仲町モールでは、ものづくりの仲間らが中心になり空き店舗にギャラリー「手づくり屋」を開設するなど、民間の力で商店街を元気にする取り組みも始まっている。国道沿いの旧パチンコ店や広域農道沿いの旧コンビニエンスストア、中心商店街の旧酒屋をはじめとして空き店舗が散在するが、村は空き店舗活用の動きを後押しして地域活性化につなげたい考えだ。 -
中央アルプス山麓美酒フェスタ開幕
多彩な地酒を飲みくらべ味わう中央アルプス山麓美酒フェスタ2008が6日、駒ヶ根市で開幕した。地元醸造所4社が、ビール、ワイン、ウィスキー、日本酒、リキュールと自慢の酒の数々を惜しみなく出品。初日は駒ヶ根高原の地ビールレストラン「味わい工房」が会場で、県内外から訪れた約50人が酒と料理のコラボレーションに酔いしれた。
南信州ビール、本坊酒造、長生社、養命酒の各社が、17種類の酒を用意。各種品評会で受賞したり、希少な酒もあり、シニアソムリエの石田通也さんが「「これだけレベルの高い酒が一堂に集う地域は全国、世界をみても数少ない」と紹介し、参加者はグラスを傾けた。
酒にあう料理やつまみも出され、相性も確かめながら満喫。各醸造所の担当者を交えて酒談義もはずんだ。会社の同僚らと一緒に参加した東京の熊谷トシ子さんは「雰囲気がとてもいいですね。もっとお酒が強くならないと」と話した。
7日も午後6時半から味わい工房で同様のパーティー形式で開き、8日は午後4時から同市内銀座商店街の会場で飲みくらべを楽しむ。7日分の当日券は4500円、8日分の前売りは1500円、当日1800円で、ともに定員になり次第締め切る。問い合わせは駒ヶ根市観光案内所0265・81・7700まで。 -
中央アルプス山麓美酒フェスタ6日から
駒ヶ根市の駒ヶ根高原と中心市街地を会場に6日から、中央アルプス山麓美酒フェスタ2008(実行委員会主催)が開かれる。長生社、養命酒、本坊酒造、南信州ビールの地元醸造所4社が参加。和洋の多彩なお酒が楽しめ、駒ヶ根高原の地ビールレストラン味わい工房で開く7日分と、銀座通り商店街周辺で開く8日分のチケットは若干の余裕もあり前売り券を販売している。
昨年初めて開いた「中央アルプス山麓の美酒を楽しむ会」が好評で、東京からの宿泊ツアーも企画。最終日の8日には市街地の銀座通り商店街周辺に会場を設けるなど、新たな試みも行う。
6、7日は午後6時半から高原の味わい工房が会場で、酒と料理を楽しむパーティー形式。ソムリエやきき酒師など専門アドバイザーや各醸造メーカーの担当者の解説も聞きながら、ゆっくりと楽しむ。
8日の市街地会場は午後4時から同7時までで、同じくビール、ワイン、日本酒、リキュールとふんだんに用意。造り手との交流も深めながら、地元の美酒に酔いしれる。また、午後1時からは各醸造所を訪れるシャトルバスで行く工場見学(無料)も行う。
味わい工房会場の高原の部は前売りは4千円、当日は4500円で、市街地の部は前売り1500円、当日1800円。いずれも定員になり次第締め切る。
南信州ビールの竹平考輝さんは「多くの人に地元の豊かな酒文化にふれてもらう機会になれば」と期待を寄せている。
問い合わせは駒ヶ根市観光案内所0265・81・7700、駒ヶ根市商工観光課0265・83・2111へ。 -
ティービーエム、春日さん、・ス田さんに村長表彰
宮田村の村長表彰式は4日開き、多額の善意で教育文化振興に寄与した発電用タービンブレードなど製造のティービーエム(山田益社長)に感謝状、前村教育委員長の春日親夫さん(78)=新田区=、前村教育相談員の・ス田収藏さん(75)=町一区=に表彰状を贈った。
ティービーエムは本社がある宮田村へ100万円を教育文化振興にと寄付。村はその善意で宮田小学校と村民会館にプロジェクター各1台を導入した。
清水村長は表彰式で「欠かすことのできない備品で、末永く使わせて頂く」と話し、日ごろから地域への貢献活動に熱心な同社の企業姿勢に改めて感謝した。
唐澤副社長は「特殊な産業分野で歩むことができたのも地域あってこそ」とあいさつ。より一層地域に貢献できる企業として飛躍することを誓った。
多年にわたり教育行政推進に手腕を発揮した春日さんは「宮田村には素晴らしい子どもたちと家庭文化がある」と語り、発達障害児や不登校児の相談にあたってきた・ス田さんは「子どもや保護者に教えられたことばかりで反省のほうが大きい」と振り返りつつ、2人は今後とも村の教育発展に協力していきたいと抱負を述べた。 -
宮田村議会が北川製菓を視察
宮田村議会は23日、新田区にある北川製菓駒ケ岳工場を視察した。駒ヶ根市福岡に本社がある同社が宮田村に進出して1年が経過。議員たちは同工場が立地する西山山麓地域の観光や村の産業振興も含め今後の活性化のあり方を探ろうと、熱心に見学した。
同工場は全国菓子組合連合会が認証する高度な管理衛生システム「HACCP」(ハサップ)で、全国8番目の認証工場。視察した議員一行は主力商品のドーナツ製造ラインを見学し、徹底された機械化や衛生面などの工場環境に関心を寄せた。
山田一三工場長は「競争は激しいが、良質で安全な製品づくりに努めている」と説明。新たな製品開発も積極的に展開している企業風土も紹介した。
同社は観光面への寄与も視野に入れて同地に進出した経緯もあり、松田英俊議長は「今後とも宮田村を応援していただきたい」と呼びかけた。
視察は議会改革の一環として取り組んでいるもので、昭和伊南総合病院をはじめ課題となっている現場へ直接的に足を運び理解を深めている。 -
宮田村仲町商店街でハロウィーン、子どもたちが仮装してにぎやかに
商店街を元気に‐。宮田村仲町モール商店街で25日夕、地域の子どもたちらが多数参加してハロウィーンの仮装行列が行われた。海賊や魔女などに扮装し、にぎやかにパレードした。
同商店街にある梅が里ギャラリー「手づくり屋」が企画。同ギャラリーに手工芸品を出品している市川明子さん、加藤昌利さん=同村町1区=が中心になって準備を進め、数十人が集まった。
子どもたちは行列を組んで各店舗をまわり、店主からあめなどのお菓子をもらう場面も。「かわいいね」と買い物客も一緒に楽しんでいた。
「こんなに多くの人たちが扮装して参加してくれるとは驚き」と市川さん。商店主らも商店街の活性化につながればと目を細めていた。
この日は、カボチャを使ったランタンづくりの教室も手づくり屋で開き、イベントを楽しむ声が商店街に広がった。 -
北川製菓が「しっとり野菜ドーナツ」
北川製菓(駒ヶ根市福岡、北川浩一社長)は、野菜ジュースを生地に練り込んだ「しっとり野菜ドーナツ」を全国の生協を通じて販売を開始する。従来にも野菜ドーナツはあったが、濃厚な野菜のうまみを生かして味や食感をさらに改良した。
「ドーナツはしっとりした食感のほうが人気が高い。野菜のうまみを残しながら、ドーナツのやさしい味わいを重ねました」と製造する駒ヶ岳工場(宮田村新田区)の山田一三工場長。従来品よりもさらに生地の配合にこだわり、風味豊かな本格的な味に仕上げている。 -
長期熟成ビールを商品化、南信州ビールが発売へ
地ビール製造の南信州ビール(駒ヶ根市)は、2年もの間熟成させたプレミアムビール「ヴィンテージクリスマス」を11月6日から同市内で開く中央アルプス山麓美酒フェスタにあわせて発売を開始する。7.5%の高アルコール度数ながら、コクのあるまろやかな味わいを実現。これだけ高アルコール、長期熟成したビールは珍しく、新たなビールの楽しみ方が広がりそうだ。
宮田村にある駒ケ岳醸造所でステンレスの樽に寝かせ、低温3度で丸2年間熟成。竹平考輝同醸造所長は「バーレーワインという紹興酒にも似たアルコール度数が10縲・2度のビールはあるが、ビールの味わいそのままにした高アルコールの製品はあまりない」と説明する。
同社は、もっと地域の人たちにビールを楽しんでもらおうとさまざまな取り組みを進めているが、熟成タイプも試験的に研究を進め、製品化にこぎつけた。「まろやかな味わいに仕上がった。長期熟成したことで、カドがとれて芳醇さが増した」と竹平さんは胸を張る。
美酒フェスタで披露し、350本限定だが330ミリリットル瓶600円で小売店でも市販。同社が駒ヶ根高原で直営するレストラン味わい工房でも提供する予定だ。 -
宮田村の名物丼、今年もサークルKで発売
宮田村の名物丼「紫輝彩(しきさい)丼」が昨年に続きコンビニ弁当として商品化され14日、サークルK長野県内全124店舗で3週間の限定発売を開始した。昨年も同時期に販売し、1万4千食余りを売り上げる大ヒットに。根強い要望に応えての“再登場”で、開発にも携わった同村商工会青年部を中心とする「名物丼プロジェクトチーム」は、さらなる村の活性化につなげたいと期待を寄せている。
同プロジェクトチームが村民からアイデアを一般公募し、村特産の山ぶどう(ヤマソービニオン)ワインを使用することを共通ルールに誕生した「紫輝彩丼」。村内飲食店12店で提供するが、大手コンビニのサークルKサンクスはそのユニークな取り組みに着目し、コンビニ弁当としても商品化した。
オリジナルのワインだれにつけこんだ鶏肉の竜田揚げをメインにたまねぎ、シメジなどをトッピングしてどんぶりに。昨年も3週間の限定だったが、1万4436食を販売した。サークルK長野南地区統括マネージャーの蒲生吉成さんは「限定弁当の売り上げとしてはわが社のトップクラス。特に地元の人気が高く、伊那谷の人たちの食に対する強い想いも感じられた」と説明する。
今年は原材料の高騰により価格を昨年より若干高い590円に設定したが、その分、鶏肉を20グラム増量。さらに味も改良し、製造するジャパンフレッシュ(宮田村)営業開発部の小木曽由憲課長は「じっくりワインに漬け込み、より柔らかく美味しく食べられる」と胸を張る。
14日は駒ヶ根市のサークルKアクセス駒ヶ根店で発売記念イベントを開催。同青年部員らが扮する「どんぶりレンジャー」も駆けつけて再発売を祝い、さっそく来店者が丼を購入する姿も目立った。「みやだの名物丼が世間に認められてきた証拠だとも思う。次は丼を求めて宮田村に足を運んでもらえれば」と青年部員たちは話していた。 -
宮田村特産山ぶどうワイン仕込み式
宮田村の特産・山ぶどうワインの仕込み式は8日、同村新田区の本坊酒造信州ファクトリーで開いた。村内の栽培農家10戸が丹精込めて育てた採れたての山ぶどうを持ち込み、醸造を開始。収量的には平年並みの28トンほどを見込むが、糖度と酸味のバランスは抜群で、主力銘柄の08年産「紫輝(しき)」は12月7日に発売開始を予定する。式には山ぶどう栽培組合、村、農協などの関係者約20人が出席。さっそく茎を取り除くための破砕機(はさいき)に投入した。
今年は天候にも恵まれ「例年以上に糖度と酸味の状態も良好」と信州ファクトリー工場長の深水公明さん。収穫に励む栽培農家も「おいしいワインになりそう」と期待を寄せる。紫輝6千本のほか、年明けには「信州駒ケ原」など計1万4千本ほどの出荷を予定するが、同ファクトリーでは新たな商品開発も進めており、楽しみ方のバリエーションも増えそうだ。
関係者でつくる山ぶどうの里づくり推進会議(会長・清水靖夫村長)もこの日開かれ、「紫輝」解禁当日の12月7日に同ファクトリーで開くワイン祭りを10年目にして初めて有料にして開催することを決定した。来場者にワインを十分に味わってもらうためで、500円を徴収する。また、栽培農家の高齢化が進み担い手問題も現実化していることから、栽培者の公募なども含めながら検討を進めていくと確認した。 -
新たな食の提案も、宮田村商工祭にぎやかに
企業や人の連携により本格的に始動した宮田村の新食材開発プロジェクトが5日、同村商工祭(村商工会主催)に出展した。地元企業など5社が連携し地域の資源を活用しながら開発を進めている食材を試食販売。誕生間もない「そばとうふ」をはじめ新たな食の提案が数多く盛り込まれ、次々と来場者が舌鼓を打った。
宮田とうふ工房を運営して10年を迎えた製造業のマスダは、健康分野にも力を入れるタカノと信州大学が共同開発した栄養価の高いそばの品種「サンルチン」を用いて「そばとうふ」を提供。タカノは赤そば「高嶺ルビー」のはちみつや乾めん、石澤建設は地元の鹿肉を食べやすく調理したジビエの串焼き、スモークウッドくるみはマスをはじめとした手づくりの燻製、農事組合法人ひかりはシメジを会場に持ち込み、訪れた人たちに食べ方の提案もしながら紹介した。
「そばとうふ」は若い親子連れや女性たちにも好評。スモークウッドくるみが製造する山ぶどうジャムを付けて食べると一瞬にしてデザート感覚に大変身し、「豆腐の概念が変わる。こんな食べ方もあるんですんね」といった声も聞かれた。マスダの増田清社長らは「食への信頼が損なわれつつある現在。地元の顔の見える安全、安心、そして美味しくて健康な食べ物を提案していきたい」と話す。そばとうふをはじめ今後も改良、開発を進め本格的な販売を目指していく。 -
「芝居の会」がコメディ劇公演
駒ヶ根市を中心に活動するグループ「芝居の会」のアイドルを題材にしたコメディ劇の公演が27日、宮田村の村民会館で行われた。
芝居の会は、上下伊那の演劇愛好者グループで、毎年この時期に公演を行なっている。
12回目となる今回は「絶対! アイドル大作戦」というオリジナル劇を披露した。
20年前同じアイドルグループだった3人が再会し、もう一度アイドルデビューを果たそうと奮闘する物語。
一人は主婦に、一人はアイドルのマネージャーに、一人はスナックのママになっているが、アイドル時代に果せなかった夢をもう一度叶えようと力を合わせる。
構想は1年前から、練習は4月から行ってきたということで、息のあった演技を披露していた。
脚本・演出を手がけた飯田市の今村妙子さんは「夢を追いかけ、あきらめかけた人にも元気になってもらいたい」と話していた。
【伊那ケーブルテレビジョン】 -
昭和伊南病院の救命救急センター維持へアピール
伊南医療対策検討委機能不十分との評価を受けた駒ヶ根市の昭和伊南病院について、病院を運営する伊南行政組合は20日、救命救急センターを維持させるため、県や住民に対してアピールをしていくことを決めた。
駒ケ根市役所で伊南医療対策検討会が開かれ、伊南行政組合を組織する駒ヶ根市、飯島町、中川村、宮田村の各市町村長らが参加し、今後の対応策について話し合った。
昭和伊南病院については、整形外科、産婦人科の常勤医師の不在や、医師不足などの現状から、今月16日、県救命救急センター機能評価委員会が、センターとして機能不十分と県に報告している。
伊南行政組合では、機能不十分との報告を県からいまだに受けていないとして、県に対して抗議をしていく考えを示した。
また県に対し、県としての対応を示すよう要望するとしている。
検討委員会では、「昭和伊南病院は医師不足の影響をもっとも受けている病院だが、これまで医師の懸命な努力により、地域住民の健康と安心を守ってきた。救急救命センターとして継続していけるよう、アピールをしていく」として、伊南行政組合長の杉本幸治駒ヶ根市長がアピール文を読み上げた。
検討会では今後、早急に各地域で広報を利用し住民にアピールをしていくとともに、県に出向いての抗議や要望を行っていきたい考え。 -
中アの山岳写真展 いなっせで
宮田村在住の吉川覚さんと、駒ヶ根市在住の鎌倉國光さんによる、山岳写真の作品展が、伊那市のいなっせギャラリーで開かれています。
会場には、中央アルプスの四季折々の様子を収めた写真40点が並んでいます。
この作品は、中央アルプスの宝剣山荘などの山小屋を管理している吉川さんと、山が好きで山に登り、20年以上写真を撮り続けている鎌倉さんが撮影したものです。
会場には最近撮影したものが中心にならんでいますが、紅葉の写真だけは、10年ほど前のものだということです。
最近の紅葉は、温暖化で山の上も昔ほど気温が下がらないことから、鮮やかに色付かないということです。
実際山へ行くと、昔は寒かった時期が今はそれほどでもなく、高山植物の花の開花も2週間ほど早まっているということです。
吉川さんは、「同じ場所・同じアングルでも常に違った表情がある。風景とは一期一会、これからも撮り続けたい」と話していました。
この山岳写真の作品展は、9日(火)まで、伊那市のいなっせギャラリーで開かれています。
【伊那ケーブルテレビジョン】 -
伊那毎日新聞休刊へ
伊那毎日新聞は31日付の発刊をもって休刊する。1955(昭和30)年2月の創刊から53年余。地域とともに歩んだ半世紀の歴史に幕を下ろす。
伊那毎日新聞は、伊那市本町で産声を上げ、以来社屋を伊那市西町区、南箕輪村と移転。1999年に現在地の伊那市室町に移ってからは、紙面のカラー化などを図るとともに、内容の充実に積極的に取り組んできた。
01年には、「地元の課題は世界にも共通する課題」を合言葉に、公共事業や教育、環境などの問題を通じて「真の豊かさ」について考えてみよう竏窒ニ、伊那毎日新聞社製作のケーブルテレビ番組「いなまいニューススタジオ」がスタート。紙面と映像が連携する新しいスタイルで、公共事業の決定プロセスの不透明性や矛盾などを指摘した。
02年には、県会でのダム論議を背景に「いなまいテーブル」を作成。ダム問題を「財政」「環境」「生活」「産業」「景観」「決定プロセス」など多面的視点で検証する“判断の枠組み”を提供した。「いなまいテーブル」のパンフレットは上下伊那のほぼ全戸に配布。いま問題にされている戸草ダム建設計画中止を議論する際に十分応用できる。
03年から05年にかけては「上伊那・輝く経営者キャンペーン」を展開。産学官でつくるキャンペーン推進委員会の事務局を伊那毎日新聞社が務め、上伊那で輝いている中小企業経営者約100人を紙面、映像、単行本で紹介した。さらに、05年からは、戦後の上伊那経済を牽引してきた大手企業の優れた経営者・創業者を上伊那の「産業史」「経営史」として後世に残す企画も展開している。
読者参加でつくる各種カラー企画や人物紹介も好評で、郷土愛醸成につながる、との声も多かった。
最近では広域ごみ処理施設建設計画の詳細な報道などが住民の関心を集め、伊那毎の記事が注目されている中での残念な休刊となってしまった。 -
村と村内企業が合同で取得認証目指して、エコアクション21
宮田村と村内企業計17事業所は、環境経営システム「エコアクション21」の合同取得認証を目指す自治体イニシャティブプログラムに申請した。来年6月の認証取得を目指すが、村住民福祉課は「合同で取得することにより経費を節減しつつ、環境意識の底上げを図っていきたい」としている。
同村は6月にエコアクション21のセミナーを開催。それらの動きを受けて村役場と、工業系11社、建設業4社、小売店1社が認証取得を目指すことになった。
9月から合同の研修を開始し、環境目標や方針、活動計画などを各事業所で立て、実際の運用に移して認証審査を受ける。
上伊那では2006年度に箕輪町が全国の自治体では初めてエコアクション21の認証を取得。
宮田村は役場本庁を認証取得の対象としているが、2012年までに6%の温室効果ガス削減を目標にした「役場地球温暖化防止実行計画」にもからめて、全職員の意識を高めながら取り組んでいく方針だ。 -
宮田ビジネス学院が5講座を無料に、7周年記念で
宮田村商工会が運営する宮田ビジネス学院は開講7周年を記念して、パソコンの超初心者コースなど5講座を受講料無料(テキスト代のみ実費)で提供する。8月から9月末までのキャンペーンで、湯沢健二校長は「日ごろのご愛顧を地域に還元したい」と話している。
対象となるのは超初心者コースのほか、インターネットコース、電子メールコース、ブログ講座(初・中級)、同(上級)。
受講時間は4時間から10時間ほどで、日曜日を除く営業時間内(平日午前10時縲恁゚後8時、土曜日は午後5時まで)なら30分単位で自由に学習できる。
通常1万3千円前後する講座を開放するものだが、テキスト代各千円は必要となる。
1人で複数の受講も可能。問い合わせ、申し込みは宮田ビジネス学院85・2849まで。 -
保育園で夏まつり
宮田村の3つの保育園は恒例の夏まつりを各園で開き、友だちや家族と一緒に園児たちが楽しい夏の思い出をつくった。
中央保育園では、園児、職員、保護者が手づくりで出し物やイベントなどを用意。アットホームな雰囲気に包まれながら、夏の夜の一日を満喫した。
年長園児がつくったトトロの森も大人気。ファンタジーの世界も楽しめ、ゲームあり、お化け屋敷ありと多彩な内容で賑わった。
縁日風情も味わいながら、最後は花火大会で最高潮。交流の輪を深めていた。 -
手づくり屋で夏休みクラフト体験
宮田村仲町商店街の空き店舗を活用した梅が里ギャラリー「手づくり屋」は、夏休み特別企画として子どもたちを対象に各種クラフト教室を開いている。
講師は同ギャラリーに作品を出展する地域の人たち。親子参加を歓迎しており、子どものみで参加する場合は小学校3年生以上が対象となる。
8月5日まではビーズ、樹脂粘土クラフト。5日は食品トレーで飛行機づくりに挑戦し、9日は木工と流木アートの教、10日はカブト虫のはく製づくりに挑戦する。
各日とも午後からの開催。材料費のみ実費となる。問い合わせなどは三浦さん090・3142・3691へ。 -
茜織展今年も上高地で
感じたイメージを豊かな色彩で表現する・ス茜織り・スを提唱する宮田村大原区の辰野恭子さんと村内外の創作仲間16人が10月、上高地アルペンホテルで展覧会「茜織展」を開く。好評だった昨年に続き2回目で、宮田村と上高地の自然を題材にした作品を多数出品。全国から訪れる観光客の目を織物で楽しませる。
松本市政施行100周年記念事業の一環として開かれた昨年の展覧会。「岡山でもやってほしい」など来場者の反響は大きく、展覧会を通じて全国に交流の輪も広がった。
辰野さんらは上高地へも足しげく通い、今年の展覧会に向けてイメージを増幅。
また、身近な宮田村の情景にも想いをふくらませ、白銀の冬の木立ちや緑あふれる宮田高原など、感性を磨きながら作品を仕上げている。
「通り過ぎるとただの風景も、色に残すとまた違った趣きがあることに気付かされますね」と辰野さんら。
「全員が大切につくる織物。何か感じてもらえればうれしいですね」と話した。
会期は10月3日から11月3日まで。問い合わせは辰野さん85・3590まで。 -
駅前広場「輪苑」にあずまやを
宮田村のJR宮田駅周辺の住民有志でつくる「一輪の会」(小沢常明会長)は26日、整備を進める駅前広場「輪苑」に休憩所となるあずまやを建てようと地鎮祭を開いた。同会の手づくりで輪苑が開園して2年が経過。あずまやの設置は当初からの念願でもあり、今回も地域の幅広い協力で建設にこぎつけた。
新田区の後藤寛さんが、所有する山林からヒノキ材を提供。
棟りょうにはあずまやを何棟も建てた経験がある同区の小田切幸平さん、屋根ふきは中越区の久保田秀男さんに協力を仰ぎ、一輪の会メンバーが基礎から枠ぐみまで力をあわせて手づくりする。
広さは4畳半ほどで、10月の完成を予定。「輪苑はどんどん進化し、多くの人に親しんでもらえる広場となった。念願だったあずまやもみんなの手づくりで、立派に完成させたい」と小沢会長は話した。 -
町三区、ナイターで区民運動会
宮田村町三区の区民運動会は26日夜、中央グラウンドで開いた。区と分館の主催で800人にのぼる区民が参加。夕暮れを待って競技を開始し、・スナイター・スで競技を楽しんだ。
猛暑対策としてナイター方式を採用する同運動会も今年で18回目。前々回から隔年開催となった。
玉入れに綱引き、輪投げなど、誰もが出場できるように多彩な8種目を用意。班対抗で熱戦を繰り広げた。
ラストの精鋭ペアリレーまで息の抜けない展開に。声を枯らして声援にも力が入った。
優勝2班、2位が5班、3位は3班だったが、各地区ともに隣近所の結束が目立った。 -
リンゴオーナー農園の園開き、各地で開催
上伊那農業協同組合(JA上伊那)の「リンゴオーナー園」の園開きが27日、上伊那各地であり、今年自分のリンゴを育てようと考えている県内外の家族連れなどが各地の農園を訪れ、契約式に臨んだ。
同制度は1シーズン、自分のリンゴの木を持ち、秋には自分の木からリンゴを収穫することができるもの。土や自然に親しみ、農業への理解を深めてもらうことなどを目的として開催している。
そのうち宮田村の酒井秀康さん(51)の農園では今年、29組の家族がオーナーとして契約。この日愛知県名古屋市から家族とともに契約式に訪れた薮田留美さんは「去年も同じ畑でダンボール9箱ぐらい取れた。今年も秋が楽しみ」と話し、気に入った木に契約のしるしとなる札を下げていた=写真。
オーナーのほとんどがリピーター。主には県外から訪れる家族が中心で、県内別地域から訪れる人も1割程度いるという。 -
少林寺拳法宮田支部の拳士たちが親子で自然体験
宮田村の少林寺拳法宮田支部(鈴木英仁支部長)の少年少女拳士とその家族が27日、駒ケ根市のシイタケ生産者・水上平八郎さん(53)の雑木林で林間学習をした。子どもたちは協力合いながらキツツキの巣箱づくりやシイタケ採りなどを体験。自然の大切さを学ぶとともに、仲間との絆を深めた。
ただ拳法を身に付けるだけでなく、人との絆や相手を思いやる心を学んでほしいとの願いから、同支部では普段からこうした体験学習を展開しており、水上さんの林で林業体験をするのは2年目。
最初に上伊那地方事務所林務課の大崎智文さんからアカマツ林の話や近年問題となっている松くい虫のことなどを学び、林の中につるすキツツキの巣箱づくりに挑戦。年下の子が釘を打つ時は釘が曲がらないよう、年上の子が添えてあげるなどして、みんなで一つの巣箱を完成させ、「キツツキが入るといいな」などと笑顔で話していた。
水上さんは「こうした体験の中で子どもたち自然を知ってもらい、未来へとつないでいってほしい」と話していた。
また、現在少林寺拳法宮田支部、駒ケ根支部ではともに活動する拳士を募集している。
宮田支部の問い合わせは(TEL090・1543・3763)鈴木さん、駒ケ根支部の問い合わせは(TEL090・4196・・4032)気賀沢さんへ。 -
子どもたちが県宝の障子張り
宮田村公民館の親子体験講座「われら、かかし隊」は26日、県宝に指定される宮田宿本陣旧新井家住宅(新田区)で宿泊体験した。古くなった本陣の障子張り替えにも挑戦。歴史的建造物で寝泊りし、夏休みの思い出をつくった。
今から約250年前の江戸時代後期に建てられた本陣。訪れた子どもたちはさっそく、管理者のシルバー人材センター会員から手ほどきを受け、障子張りに汗を流した。
ハケで丁寧にのりを塗り、初めての体験に興味深げ。「結構大変だね」と話しつつ、作業を進めた。
この日は、身分の高い武士が宿泊した同じ場所で寝泊り。ひとときの・スタイムスリップ・スを満喫し、豊かな村の歴史にふれていた。 -
消防団協力事業所に3社
宮田村は24日、初の消防団協力事業所として平沢製作所、カトー、ティービーエムの3社を認定した。人員確保が課題の消防団だが、地元企業に理解を広げ団活動の活性化を図るのがねらい。従業員の入団促進などさらに支援を強化してもらい、地域防災体制の充実を図る。
消防庁が推進している制度で、村は本年度新たに導入。従業員が消防団に複数入っているなど、協力体制が認められた事業所を認定する。
この日は、協力事業所であることを示す表示証を村役場で交付し、清水靖夫村長が平沢製作所の平岩弘幸総務部長、カトーの加藤英明専務、ティビーエムの唐澤敏治副社長にそれぞれ手渡した。
「消防団の機能充実には地元事業所の協力が欠かせない。地域を守るために一層の協力を」と清水村長。
平沢成己団長も「団員確保は悩みのたね。有事には団員は出動せねばならず、ぜひ企業の皆さんに理解と支援をしてほしい」と話した。