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のうさん味ネットフェアにぎわう
のうさん味ネット上伊那・上伊那農業改良普及センターは9日、
JA上伊那Aコープ駒ケ根店で、かあちゃん自慢のふるさと上伊那の味を集めて「のうさん味ネットフェア」を開いた。
上伊那地区で取れる農産物を加工した、みそや各種漬物、おやき、五平もち、パン、切り餅など20グループが出店。「米粉パン、おいしいよ」「ちょっと食べて、この漬物一味違うから」と盛んにPRし、熱心に販売。来場者は試食し、1品、2品と買い求めていた。
また、五平もちの「ふるさとの味いいじま」はみその焦げるこおばしい匂いを漂わせ、焼き立てを販売していた。 -
もちつきボランティア交流会
駒ケ根市ボランティア連絡協議会の「もちつきボランティア交流会」は9日、駒ケ根市ふれあいセンターであった。同協議会に所属するボランティア35団体の140人余が参加し、交替しながらもちつきを楽しんだ。
今回は27キロのもち米を4基のうちでつきあげ、あんこやきなこ、大根おろしで味わった。
参加者はつきたてのもちを味わいながら、「心友ボランティア」「ぶらんこ」「華和クラブ」など新規グループの活動発表に耳を傾けたり、ナマステ体操を楽しんだ。
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看護大卒業式
駒ケ根市の県看護大(深山智代学長)は8日、学部卒業式、大学院修了式を開いた。学部生84人と大学院博士前期(修士)課程修了生11人が深山学長から卒業証書、学位記を受け取り、思い出深い駒ケ根のキャンパスを巣立った。
学部卒業生代表の牛山陽介さんは「4年間で学問と実践を通して看護の責任の重さを強く感じた。学んだものは看護職者としての大切な財産になるだろう」、大学院修了生代表の佐藤恵子さんは「医療現場は多くの問題を抱えているが、学んだことを生かし、看護と社会の発展に誠心誠意尽くしたい」とそれぞれあいさつした。深山学長は「看護職への期待はますます高まっている。『患者は看護の先生である』といわれる通り、知識と技術は患者に対する中から身につくもの。道は平坦ではないが、一歩一歩前進すれば困難は必ず乗り越えていけるはず」と激励の言葉を贈った。 -
生け花でひな祭り
ひな人形に見立てた生け花を飾って春の訪れを楽しもうと駒ケ根市中央の池坊流華道教授の遠藤政恵さん宅で8日、ひな祭りが開かれた。教室の役員らが前夜から生けた色鮮やかな花々を前に、生徒らが集まってちらしずしなどの料理や菓子を囲み、年に一度のひな祭りを和やかに楽しんだ=写真。
内裏ひなの頭(かしら)には男びなに黄、女びなには赤竏窒ニ色違いのチューリップを使い、女びなにはスイートピー、カスミソウなどの優しい花をあしらって十二単(ひとえ)を表現。男びなには左右に大きく張り出させたレザーファンの葉を使って衣の袖にしたほか、三人官女や五人ばやしにもガーベラをはじめとするさまざまな花を使い、彩りや形に工夫を凝らして生き生きと仕上げた。
遠藤さんは「花はすべて弟子たちが生けたもの。毎年続けてこられたのも弟子たちのおかげで、本当にありがたく、感謝している」と話している。
生け花を使ったひな祭りは今年で31年目になる。 -
看護大卒業記念植樹
卒業式を翌日に控えた駒ケ根市の県看護大(深山智代学長)で7日、看護大交流市民の会(木下和好運営委員長)と卒業生らが卒業記念のシダレザクラ1本を植えた。キャンパス内にある緑地「有酸素運動研究コース」の一角に集まった約80人の学生が代わる代わるシャベルを手にし、4年間の学園生活の思いを込めてサクラの木の根元に土をかけた=写真。
木下委員長は「卒業しても、サクラの時期が来たら第二のふるさと駒ケ根を思い出して花を見に来てほしい」とあいさつした。卒業生を代表して飯島克枝さんと塩原沙子さんは「入学時からいろいろと支えてくれた皆さんとともに記念植樹ができてうれしい。植樹したサクラとともに私たちも成長していきたい」と礼を述べた。
同コース内には第1回卒業記念の1999年から毎年1本ずつ植えられたシダレザクラの木が整然と並んでいる。
卒業式は8日午前10時30分に行われる。 -
東伊那小6年生を送る会
駒ケ根市の東伊那小学校(小川清美校長)で7日、6年生を送る会が開かれた。卒業まで10日余りとなった6年生に残り少ない小学校生活の思い出にしてもらおうと、在校生が学年ごとに趣向を凝らした歌や踊りなどを披露し、手作りのプレゼントを贈った。
5年生は「中学へ行っても元気で頑張ってください」と大きな声で応援のエールを送った=写真。
3年生は6年生一人一人を詠んだ俳句に感謝の気持ちをこめ「○○さん 背が高くて大人みたい」などと発表した。
4年生は女子が新体操を披露したほか、男子がヒゲダンスを踊って大きな笑いを誘った。
市内の5小学校は18日に修業式、19日に卒業式をそれぞれ行う。 -
【記者室】卒業式で復讐
ある高校の卒業式で小さな事件が起きた。式も終盤、答辞で登壇した卒業生代表が在校生に向け「この学校の先生のように人前で恥をかかせる大人にはならないでほしい」と言ったのだ。列席者は冷水を浴びたようにその場に凍りついた。
どんな思いでこれを口にしたのか。よほど腹に据えかねる事情があったのだろうが、このやり方は感心できない。騒いだり暴れたりするバカ者に比べればはるかに良いが、式を台無しにし、多くの人を嫌な気持ちにさせたことは反省すべきだ。
彼は復讐を遂げてすっきりしたろうか。否、砂をかむような苦い思いだけが残っているに違いない。だがこれも若さゆえ。願わくば、自らの行いの非は非として認め、今後の教訓にしてほしい。(白鳥文男) -
赤穂高卒業式
赤穂高校(米山明広校長)は5日、卒業証書授与式を行った。保護者、教職員、在校生らが見守る中を各クラスの代表生徒7人が壇上に進み出て米山校長から卒業証書を受け取った。卒業生代表の福沢なつ美さんは答辞で「多くの友人たちと出会えた素晴らしい3年間だった」と涙ながらに思い出を振り返った上で「これから新たな生活が始まるが、赤穂で培った精神力と行動力で乗り越えていきたい。どうかこれからも見守って」と述べた。
米山校長は「行く手には多くの困難や壁があるだろうが、悲観的にならず常に前向きに考えてほしい。誇り、気品、継続の3つの言葉をはなむけに贈りたい」と激励した。卒業生271人は保護者と在校生らの拍手に送られながら、3年間過ごした母校を静かに後にした=写真。
卒業生はほとんどが大学などに進学する。 -
昔昔亭健太郎独演会
駒ケ根市出身の落語家昔昔亭健太郎=本名・箭内(やない)広光=さんを招いての第5回東伊那寄席が4日、同市の東伊那公民館で開かれた。同公民館と東伊那区社会福祉協議会主催。健太郎さんはNHKテレビの朝の連続ドラマのタイトルにもなっている『ちりとてちん』と、婚礼の余興で大失敗する『松竹梅』の古典落語2題を披露=写真。落語の後にはかっぽれも踊るなど、芸達者なところを見せた。
集まった約100人の人たちは健太郎さんの芸に「ああおかしい」などと言いながら、涙を流して大笑いしていた。
健太郎さんはサラリーマンを経て97年に故春風亭柳昇師匠に入門。その後師匠が亡くなったことにより、昔昔亭桃太郎師匠門下に移籍した。現在二ツ目。 -
駒工卒業式
駒ケ根工業高校(本間秀明校長)は4日、卒業証書授与式を行った。機械、電気、情報技術各科の代表が進み出て本間校長から卒業証書を受け取った。
本間校長は「本校での貴重な体験でつちかった力を生かして地道な努力でハードルを乗り越え、将来は各分野で中心的な存在として活躍されることを期待する」とはなむけの言葉を贈った。
在校生代表の川頭匠君は送辞で「夢と希望を絶やさないで。時には母校を訪れて後輩を励ましてほしい」と述べた。
卒業生104人は在校生と保護者らの拍手に送られながら、3年間過ごした母校を静かに後にした=写真。
卒業生は機械科35人、電気科38人、情報技術科31人で、卒業後の進路は大学などへの進学と県内外への就職がほぼ半数ずつ。 -
子ども消防体験教室
消防署の活動について理解を深めてもらおうと駒ケ根市の伊南行政組合消防本部北消防署(米山覚署長)は1日、子ども消防体験教室を開いた。管内の駒ケ根市と宮田村の6小学校から2人ずつ、計12人の5年生児童が参加し、放水体験をしたり消防署や消防車の見学をしたりした。
児童らは駒ケ根市下平の農村環境改善センター「一心館」の駐車場で放水を体験した。署員らに手伝ってもらい、防火服とヘルメット、手袋を身に着けると「重い」と大騒ぎ。「放水始め」の合図とともに、構えたホースから水が勢いよく飛び出すと、最初は狙いが定まらずに戸惑った様子だったが、すぐに慣れて放水体験を楽しんだ=写真。児童らは「簡単そうに見えたけど、こんなに力がいるとは思わなかった」と笑顔で話し合っていた。 -
駒ケ根市議会3月定例会開会
駒ケ根市議会3月定例会は3日開会し、杉本幸治市長が08年度施政方針演説をした。「地方の時代にふさわしい、市民が主役のまちづくりに向け、効率的な行財政改革を進めるとともに、基礎自治体としての体質を強化し、自らの力量を高めていかなければならない」とし、「駒ケ根市には豊かな自然という財産、感性やアイデアにあふれた人材や企業がある。活力を、知恵を、行動力を生かした地域づくりを進め、都市間競争に負けない力強い、足腰のしっかりしたまちづくりを進めていかなければならない」と、市民の理解と協力を求めた。
杉本市長は国の予算と地方財政計画について述べ、市の08年度予算の概略、主な取り組みを項目ごとに示した。昭和伊南総合病院の医師不足対策は、関係市町村や関係機関と連携しながら全力で取り組むこと、子育てや教育は妊婦健診を6回まで公費負担とすることや、新中学校建設を重点課題として第3次総合計画後期基本計画に位置付けていくことなどを挙げた。
産業振興では、積極的に企業誘致に取り組むこと、協働のまちづくりと市民生活の向上では「将来を考える100人委員会」(仮)の設置や、市外の駒ケ根出身者を中心とした「駒ケ根応援団」(仮称)の結成などを挙げたほか、市職員の意識改革の一環として、能力と業績による人事評価制度を全職員に対して運用する方針を示した。
本会議では市側が08年度一般会計予算など31議案を提出、委員会に付託した。会期と日程は次の通り。
▽4縲・1日=休会▽12、13日=本会議(一般質問)▽14、17、18日=予算特別委員会▽19、21日=委員会▽26日=本会議(採決) -
駒ケ根市社会福祉大会
地域福祉の推進を図ろうと「自立とふれあいの中で安心と安全、支え合う地域社会を」を大会スローガンに掲げた第44回駒ケ根市社会福祉大会が1日、市文化会館で開かれた。記念講演として『世界がもし100人の村だったら』の再話で知られる作家で翻訳家の池田香代子さんによる講演「100人村とわたし・たち」が行われたほか、地域団体などによる意見発表や東伊那小学校児童による体験発表、社会福祉に寄与した個人、団体の表彰などが行われた=写真。
大会には約300人が参加し「だれもが幸せを実感できる多様な福祉サービスを実現するため、障害者福祉、高齢者福祉、児童福祉などの一層の充実を図ろう」などとする大会宣言を採択して閉幕した。
小ホールやホワイエには福祉の広場として福祉活動の展示や紹介コーナーが設けられ、訪れた多くの市民らでにぎわった。 -
駒ケ根地域自立支援施設開所式
駒ケ根市は1日、児童発達支援施設「つくし園」、地域活動支援センター「伊南桜木園」、小中学校に長期間登校できない児童・生徒の復帰を支援する中間教室が入る駒ケ根地域自立支援施設「サポートセンターきらら」の開所式を同所で開いた。各施設の利用者など関係者約70人が出席して運営開始を祝った。杉本幸治市長はあいさつで「違った場所にあった3施設が一つになる。その利点を生かし、目的と問題点を共有して誇りと生きがいの持てる施設にしていってほしい」と述べた=写真。
施設の愛称は利用者から寄せられた名称37点の中から2点を合わせて決定した。
施設は06年に新築、移転した老人ホーム観成園の建物を改修したもので鉄筋コンクリート2階建て、述べ床面積は約1660平方メートル(つくし園560平方メートル、伊南桜木園440平方メートル、中間教室90平方メートル、その他570平方メートル)。敷地面積は約3250平方メートル。建設費は7190万円。 -
介護用口腔洗浄器商品化へ
介護が必要なお年寄りや病人の歯磨き、口すすぎを在宅で手軽に行える小型軽量の口腔洗浄器を共同で開発してきた県看護大看護国際研究センターの看護実践改革・学外機関交流推進研究部門(部門長・北山秋雄健康保健学教授)と、高森町の医療用精密機器部品製造の大島山機器(後沢久人社長)は29日、商品化のめどがついたとして製品の詳細を発表した。
商品名は「スッキリーノ」。チューブを通じてポンプで水を送り出しながら電動歯ブラシで歯を磨けるほか、口腔内の水を吸い出せる。幅、奥行きとも23センチ、高さ18センチで質量は1キロと軽量な上、価格は3万9800円と他社の類似製品の半額以下に押さえた。
開発のきっかけは十数年前。後沢社長が寝たきりの母の介護に当たっていた時にひどい口臭が気になり「寝たままでも口の中を洗える器具を作ろう」と思い立ったことによる。軽量化で一番苦労したのはポンプの選定。良い製品を求めて各方面を捜し歩いたという。北山教授とは5年前に知り合い、共同で改良に取り組んできた。看護大の学生や駒ケ根市内の病院での臨床実験を経て大幅な改良の成功にこぎつけた。現在特許を申請中。
後沢社長は、当面は受注生産で対応していくが、関係方面に利点をアピールして受注を伸ばし、将来的にはもっと安価で販売できるようにしたい竏窒ニしている。 -
上伊那貨物が環境認定取得
トラック運輸業の上伊那貨物(小池長社長)駒ケ根、伊那の両営業所は、国土交通省の外郭団体、交通エコロジー・モビリティ財団の環境規格「グリーン経営認証」を2月20日付で取得した=写真。環境方針として「燃費の向上と廃棄物の適正処理を重点として環境負荷の低減に努めます」(一部抜粋)と定め、燃費の10%向上を具体的目標に掲げている。
同社はトラックの燃費向上のため、数年前からアイドリングや空ぶかしを減らすなどの改革を進めてきたが、昨年「環境保護は時代の要求でもある」として、グリーン経営認証制度取得を決定。10月に申請書を提出し、社を挙げてシステム整備に取り組んできた結果、1月22日の審査を経て晴れて認証を受けた。
竹島昌治総務部長は「地球環境を考えることは社会的な責任。今後も自分たちでできることを精いっぱいやっていきたい」と話している。 -
駒ケ根JCが海外協力隊体験入隊を企画
駒ケ根青年会議所(田中靖隆理事長)は5月に行うJICA(国際協力機構)駒ケ根青年海外協力隊への中学生体験入隊のプログラムについての検討を始めた。28日夜、JC会員と地元の体験入隊経験者、協力隊OBら約30人を集めて「共生の心をつなぐまちづくり会議」の第1回が駒ケ根商工会館で開かれた。
初対面の参加者も多いことから、まずはゲーム形式で楽しく自己紹介=写真。打ち解けたところで、体験入隊プログラムの骨格となるアイデアづくりに取りかかった。
田中理事長はあいさつで「協力隊訓練所が開設されて今年でちょうど30年になる。次代を担う中学生に世界を理解してもらい、共生の心を育んでもらうために皆さんの思いを集めてほしい」と呼び掛けた。
会議は5月10、11日の体験入隊実施に向け、5回の開催が予定されている。 -
駒ケ根市公債費負担適正化計画
駒ケ根市は06年度決算の実質公債費比率が国が定めた基準の18%を超える18・2%となったことから作成を義務付けられることになった公債費負担適正化計画(07縲・3年度)をこのほど作成し、29日の議会全員協議会で議員らに示した。
計画によると▽07縲・9年度の3年間で毎年度約1億円規模の繰り上げ償還を行う▽地方債の発行を元金償還額内に押さえる▽建設事業を必要最小限とする▽自主財源の確保により、比率の分母である標準財政規模の拡大を図る竏窒ネどの対策を行うことにより、実質公債費比率は08年度以降、18%未満に押さえられるとしている。
実質公債費比率が18%を超えた場合、地方債の発行は適正化計画の内容と実施状況などを勘案した上で県知事が許可することになっている。 -
【生田流筝曲、三味線、地歌演奏家 気賀沢美香さん】
4歳の時、母親の勧めで近くの筝教室に通い始めた。
「きれいな着物が着られるよ竏窒ネんて言われてね。本当は友達がみんなやってるピアノがよかったんだけど言えなかったな。それが今の自分につながっているんだから不思議ですよね」
だが、決して嫌々習っていたわけではない。師匠は厳しく、時に怖かったが、それでも弾くのは楽しかった。
「筝って良家のお嬢さんのたしなみみたいな印象があるでしょ。でも実際の演奏は皆さんが思っているよりずっとパワフルなので子どもにとってはけっこう大変。大人も子どもも筝の大きさは同じだし、弦を押し下げて音程を高くする「押し手」だって、大人と同じだけの力が必要ですからね」
身内に和楽器の演奏をたしなむ人はいなかったが、天賦の才と努力でめきめきと上達し、中学生のころには「将来はこの道で竏秩vと考え始めた。高校1年生で早くも名取りの試験に合格。卒業後はプロを目指す演奏家の養成学校である東京の「正派音楽院」に入学した。カリキュラムは、演奏の実技はもちろん、邦楽理論、日本、西洋の音楽史、楽典など盛りだくさん。予科1年間、本科2年間にわたって邦楽の真髄を学んだ。
「でもね、根っから練習が好きじゃなかったからかなり苦しかったんです。『やめるんなら今だ』と考えたことも度々でした。でも厚い壁にぶつかってそれでも懸命に取り組んでいると、うそのように急に楽にできるようになることもあったりして、何とか卒業することができました」
生田流以外の世界も知りたいとNHKの邦楽技能者育成会を受験して合格。将来を嘱望される精鋭に交じって、さらに1年間演奏に磨きをかけた。
23歳で駒ケ根に自分の教室を開いた。学ぶ立場から教える側に初めて立って不安だったが「自分がやってきたことを教えればいいんだ」と考え、試行錯誤しながらより良い指導方法を模索してきた。
「今思えば、最初の弟子は気の毒だったな。教えているつもりでも、逆に弟子から教えられることばっかりで。自分の方が成長させてもらいました」
◇ ◇
教室とともに演奏活動にも熱心に取り組んでいる。流派、ジャンルを超えた日本の代表的なプロ邦楽家約50人で編成する和楽器オーケストラ「むつのを」(六つの緒=6弦の古楽器)に参加して全国各地でコンサート。ロックやジャズの要素も取り入れた地元の邦楽バンド「SO竏鱈AB」(ソーラボ)にも参加。98年には筝、三味線、尺八から成る邦楽ユニット「まいまい」を結成し、リーダーとして各地で演奏活動を行うなど、和楽器の新しい可能性を追求し続けている。
「一緒にやっているギターやパーカッションの人たちが『邦楽の人はしかめ面して下を向いたきりで演奏しているが、もっと楽しそうにできないか』と言うんですよ。それで筝はスタンドにセットして立って弾くことにしたんです。笑顔で、演奏にもアクションをつけてね。最初は戸惑ったし、慣れなくて変な気分だったけど今はすごく楽しめるようになりました」
「邦楽って敷居が高いっていう感じでしょ。でも、例えばピアノと同じようにもっと気軽に、身近に感じてほしいんですね。ここ10年でずいぶんと理解されるようになりましたけど、まだまだです。私もテクニックを見せるのではなく、メロディがきれいに聞こえるような、聴く人の心に響くような演奏をしたいですね」
(白鳥文男) -
【記者室】カミカミマシーンで健康な歯
駒ケ根市の赤穂南小は01年に文部科学省の「歯と口の健康づくり推進校」の指定を受けたのをきっかけに、学校を挙げて歯の健康に取り組んでいる。中でも目を引くのが、かんだ回数が数字で表示される「カミカミマシーン」だ▼養護教諭の発案で開発に取り掛かり、近くの駒ケ根工業高校の教諭の協力を得て、多くの試行錯誤を経て完成した。材料費が約3千円というのがまた素晴らしい。近い将来の商品化を考えている竏窒ニいうから要注目だ▼マシーンをはじめとするさまざまな取り組みにより、虫歯を持つ児童の割合は当初の90%前後から70%近くにまで減少したという。歯は一生の財産だ。幼少時に歯の大切さに気づかせる教育の価値は計り知れないほど大きい。(白鳥文男)
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赤穂南小の「歯の健康づくり」の取り組みを視察
学校を挙げて歯と口の健康づくりに取り組んでいる駒ケ根市の赤穂南小学校(下平達朗校長)で28日「小学校における食育と歯の健康づくりを推進する会」の最終第3回が開かれた。保健や食育、教育関係者など県内外から約20人が参加し、同小の取り組みを視察した。
4年2組で行われた歯の授業では、同小が独自に考案、実用化した、かむ回数をカウントする「カミカミマシーン」を使用し、チョコレートやポテトチップなどの比較的軟らかい物と、いり豆、せんべい、するめなどの硬い物をかんだ回数の比較実験が行われた=写真。参加者は児童に「虫歯はない?」などと質問したりしながら興味深そうに見入っていた。
5年生児童を対象にした「8020子ども推進員」の認証式も行われ、学校歯科医が認定証と8020バッジ、推進員ノートを一人一人に手渡した。受け取った児童らは「よくかんで歯を大切にします」などと誓っていた。
同小は歯の健康について楽しく指導する全校集会「歯ッピータイム」を月に1回開いたり、体重測定時に歯のチェックや歯磨き指導を行ったりするなどのきめ細かい活動により、児童の虫歯予防に大きな成果を挙げている。昨年度の第45回全日本学校歯科保健優良校表彰では最優秀校に選ばれている。 -
拡大する松くい虫被害竏茶}ツタケ産地での取り組み
28日に開かれた上伊那地方松くい虫防除対策協議会では、依然、各市町村で拡大し続けている松くい虫被害の実態が報告された。上伊那全体の被害量は5250立方メートルとされているが、すでに被害が拡大しすぎて把握しきれていない市町村も出てきており、潜在的にはこれよりさらに広い範囲で被害が生じていると考えられる。そんな中、マツタケの産地である「東伊那地区」でも松くい虫被害が発生し始めている駒ケ根市は、同地区を守ろうと必死だ。本年度から薬剤の空中散布などを始めているが、それ依然から住民らが主体的に松林を守る取り組みを進めるなどして、何とか山を死守しようとしている。
駒ケ根市における本年度の松くい虫被害量2320立方メートル。前年度比で150パーセント増、市内全域で確認されている。早くから地域住民などが自費で対策を講じてきた東伊那地区でも、隣接区の中沢地区から松くい虫被害が侵入。そのため、東伊那を松くい虫被害の前線基地としないために、駒ケ根市や地方事務所では中沢地区内での徹底駆除などを行うなどしてきたほか、東伊那地区約10ヘクタールでヘリコプターや地上からの薬剤散布を実施。結果、枯損木の発生を極力抑えることができた。
市担当者は「東伊那だけでなく、市内のアカマツをできるだけ守れるよう、徹底した駆除をしたい」と話す。 しかし、被害拡大を防ぐためには全量駆除が不可欠。本年度も薬剤撒布を計画しているものの、薬剤散布だけでは全量駆除は難しく、枯損木が発生した場合、早期伐倒駆除も不可欠となる。 -
駒ケ根で店舗火災
28日午後4時すぎ、駒ケ根市赤穂北割一区馬場の100円ショップ「ザ・ダイソー駒ケ根店」の店内から出火した。火は同一棟に出店している酒店「タカギ」、雑貨店「サンタの創庫」、書店「平安堂駒ケ根店」、CDショップ「ディスクランド・ジュン」にも延焼。鉄骨平屋建て約3千平方メートルを全焼して午後7時40分に鎮火した。
出火当時、店内には約10人の客と従業員がいたがけがなどはなく、隣接する4店舗にいた計数十人の客も逃げて無事だった。ダイソーにいた客は「店内の商品から火が出ているのを見た」と話しているが、出火原因は不明。
酒店の従業員は「警報ベルの音が鳴り響き、続いて防火シャッターが下りた。何が何だかわけが分からなかった」、CDショップの従業員は「ベルが鳴ったが、誤作動かと思った。客もたくさんいたが火災に気がついておらず、しばらくして騒がしくなったので外に出てみたらすごい煙と火が見えてびっくりした」と話した。
現場は国道153号線と中央道駒ケ根インターチェンジを結ぶ通称アクセス道路沿いで、商店が建ち並び、通行量も多い場所。燃える建物を遠巻きに見詰める群衆は駆け付けた消防らによる放水の様子や、空高く吹き上がる黒い煙を見ながら「こわいね」などと話し合っていた。 -
(12)松原悦夫さん(60)
「場所も場所だし、田舎丸だしのそば屋にしたい。そば粉をはじめ、薬味の野菜も、1品料理の食材も中沢産にこだわった」-。
1昨年11月末に駒ケ根市中沢、中沢保育園南にそば処「柏屋」を開店、1年2カ月が経過し「1度来店していただいたお客様が『またくるでー』と言って、友だちを引きつれて来てくれるようになった。ぽつんと1軒だけのそば屋で、うちのそばを食べようと来てくれるお客様の期待にこたえようと精神誠意、心を込めて打たせていただいている」。
駒ケ根市中沢中割、農家の長男に生れた。上伊那農業高校林業科に学び、卒業後中沢森林組合に入った。林業技術員として、組合員や作業員の指導をした。チェンソーとトラックが普及し、山作業は手作業から機械化が進んだ。昭和50年代になると、同規格の用材でいつでも間に合う外材の輸入材が増え、地元材は敬遠されるようになった。今、また森林の持つ多目的機能がクローズアップされ、森林税の導入が検討されるなど、林業を取り巻く時代の変遷を現場で見てきた。
「第2の人生を早めにスタートしよう」と定年まで4年を残して退職した。
そば打ちとの出会いは15年前、中沢公民館の男の料理教室でそば打ち名人、宮沢勝人さんから教わり、初めて打った。「自分が打ったそばは市販のそばと比べ、格段においしかった」。以後、手打ちそばの味にひかれ、「なんとか、おいしいそばを打ちたい」と、県内の評判の店を食べ歩いた。「ボソボソと切れてしまうのはどうしてだろうかと、本職に教えてもらった。特に八ケ岳のおんびらそば店主からは親切にアドバイスをいただいた」。
勤務の傍ら、15年間に何千食も打ち、年越しそばは毎年150食打って配った。
自分なりにほぼ満足できるそばが打てるようになった1昨年、組合を退職し「この中沢で、自分でソバを栽培し、自分で石臼挽きした手打ちそばの店を出そう」と決意。遊休農地2ヘクタールを借り、しなの1号を作付けし、田舎屋をイメージしたそば処「柏屋」を建設し、11月末に開店にこぎつけた。
中沢産ソバ粉8割、強力粉2割の二八そばはちょっと太めで黒っぽい「田舎まるだしのそばになった」。わざわざ食べに来てくれるのだからと、量も1人前200グラムと多め。薬味の大根は知人からオリジナル品種「中沢大根」の種をもらい受け栽培した。冬季限定のワサビも中沢の清流で育った本物。
特別宣伝もしなかったが、口こみで客が増えてきた矢先、趣味でなくお金をもらうことのプレッシャーで手が動かなくなった。切っていても精神が安定せず、上手に切れなくなった。そんなある日、友人が「そば屋だからといって、かしこまることはない。自分のありのまま、自分でできる精いっぱいの仕事をすればいい」とアドバイスされ、「このまま精進をつづければいいんだ」と迷いがふっ切れ、打てるようになり、そばを打つのが楽しくなったとか。
「そば打ちは奥が深い。これからも自分と挑戦し、さらにそば打ち道の奥を極めたい」と話す。
メニューは「ざる」と津南町産のナメコ入りの「ナメコそば」。「山菜そば(北秋田市産山菜)」「とろろそば(山形村産長芋使用)「かき揚そば(自家産野菜とエビ)」のほか、秋山郷風のそばがきもある。
営業時間午前11時30分縲恁゚後2時。夜は予約のみ。定休日は火、水曜日、詳細は同店(TEL83・3860) -
駒ケ根市子育て講演会
駒ケ根市教育委員会の子育て講演会が24日、文化センターであった。東京理科大学共通教育センターの篠原菊紀教授が「子どもの脳にも、親の脳にも必要なこと」と題して講演し、約200人が聴講した。
この中で、篠原教授は前頭葉の働きと脳の発達やワーキングメモリー(作業のための記憶)、その多重使用に触れ「ワーキングメモリーの力が落ちたり、未発達だといっぱいいっぱいになりやすい。他人の気持ちと自分の気持ちの並行処理がきつくなる。ワーキングメモリーをどう育てるかが子どもの大問題であり、どう維持するかが大人の問題である」とした。
また、前頭葉の鍛え方に運動、手作業、気持ちの持ちよう、人とのかかわり、食事-を挙げ「脳は食べ物ででき、食べ物で動く。多種類の食品を適量とる食生活が脳に良い。豆やゴマ、ワカメ、野菜、キノコ、魚、イモをおいしく、よく噛んで」とアドバイスした。 -
駒ケ根市環境市民会議報告
市の環境基本計画について検討してきた駒ケ根市環境市民会議(小原茂幸座長、31人)は25日「第2次環境基本計画(素案)」(08縲・7年度)をまとめ、杉本幸治市長に提出した=写真。小原座長は「足掛け3年にわたる検討の結果。次の世代にどういう駒ケ根市を残していったらいいかを考えながら討論を重ねた。市民が一体となった自然に優しいまちづくりを進めてほしい」と述べた。杉本市長は「6月をめどに市民に示したい。思いをしっかり受け止め、環境都市に向けて取り組んでいく。活動はこれで終わりでなく、これからが実行の時。会議のメンバーには今後も携わっていってほしい」と期待を寄せた。
報告はA4判、141ページで、本編と資料編の2部構成。将来像として「空青く 水清く 緑深く ふたつのアルプスと子どもたちにやさしい風が吹くまち駒ケ根」を掲げ、6つの基本方針の下に具体的な目標や取り組みの数々を挙げている。取り組み項目は省エネ、新エネの活用、マイバッグ使用、エコポイント制度導入、子どもたちの環境活動応援など、多岐にわたる。
2月末の市議会全員協議会で議員らに示し、10月ごろには市内全戸に配布したい考え。 -
木曽駒ヶ岳生態系保護地域における植生復元対策事業の調査結果を報告竏注。後5年を目途に植生マット施工技術などをフローチャート化
登山者の入り込みなどによって高山植物の荒廃などが進む中央アルプス木曽駒ヶ岳で、植生復元対策事業に取り組む中部森林管理局木曽森林環境保全センターは26日、本年度実施した復元作業の報告と今後の事業のあり方を考える検討会を伊那市の南信森林管理署で開いた。同事業に参加するNPOやボランティア、市町村関係者が集まり、植生復元のために設置したヤシ繊維マットなどの成果を確認。「厳しい自然環境においては劇的な植生の増加は難しい」としながらも、個体数や植被率が増加傾向にあるという報告を受けたほか、事業継続を予定している5年の間に、植生マットなどの施工手順や技術をマニュアル化する。
同事業が始まったのは05年度。調査区域は木曽駒ヶ岳森林生態保護地域や特定地理保護林となっており、今年度は昨年9月にボランティアや県、市町村の協力のもと、伊那前岳の八合目でヤシ繊維や麻繊維のマットを伏工し、一部に高山食物の種子をは種した。
また、05年度、06年度にヤシマットを設置した場所についてはモニタリング調査を実施。05年度に設置した場所ではもともとそこにあった植物の生長による個体数増を確認。一方、08年度に設置した場所では、主には種した植物が個体数を増やしたことで、全体の個体数が増えていることが明らかになった。
事業は5年程度の継続調査を行い、どのような傾向を示すか確認し、その後の方向性を模索する。また、来年度は「八丁坂」や伊那前岳にいたる「九合目」「登山道沿い」で、植生復元計画を検討していく。
参加者からは「いずれにせよ、復元には時間と労力がかかる。植生が破壊されないよう、できる限り観光客に呼びかけていく必要がある」などといった意見も出された。 -
駒ヶ根市 08年度当初予算案発表
駒ケ根市は26日、08年度当初予算案を発表した。「市長交代に伴う骨格予算」とするが、一般会計の総額はほぼ通年規模に匹敵する137億2300万円で、前年度当初比4億7100万円(3・3%)減。就任約1カ月の杉本幸治市長の施策は、選挙で公約した市長報酬20%減、妊婦健診の公費負担増をはじめ、横浜市との職員相互交流研修など一部が盛り込まれた。
杉本市長は「市政に停滞を招かないよう、継続事業、経常事業を中心とした骨格予算とした。公約に掲げた事業は財政との整合を図りつつ、6月以降の補正予算で対応していきたい。財政は大変厳しい状況で、編成に当たっては基金を取り崩さざるを得なかったが、今後健全化に努めていきたい」とした。
歳入全体の約38%を占める市税は、企業誘致の効果などにより法人市民税の伸びを8・9%と見込むなど52億4380万円(前年度当初比2・9%増)と見積もった。地方交付税は27億円(同7・4%増)、市債は10億860万円(同4・0%増)を見込んでいる。
歳出は、全体の18・3%を占める人件費に25億1580万円(前年度当初比5・9%減)を計上した。減少要因は退職者減など。普通建設事業費は、南田市場土地区画整理事業が収束に向かいつつあるものの、最終段階の工事を残していることなどから2・1%増の15億4370万円となっている。
財源の不足分1億7500万円は、ふるさとづくり基金を取り崩して対応。その結果、同基金と財政調整基金の08年度末合計残高は7億4750万円となる見込み。08年度末の起債残高は195億6千万円で、07年度の見込み額から6億9千万円減少する見通し。
特別会計106億730万円を加えた総計は243億3千万円で前年度当初比8・7%(23億3千万円)の減。 -
百射会
駒ケ根市体育協会弓道部は24日、北町の市弓道場で「第16回百射会」を開いた。市内を中心に近隣市町村から、23人が参加し、日ごろの修練の成果を披露した。
参加者は数人ずつ入れ替わりながら、4射ずつ25回、矢場に立ち、きりりと引き、28メートル先のまとを狙って矢を放った。射数が通常の5倍とあって、自己を見つめ、集中力の持続と体力の限界に挑んだ。
結果は次の通り(敬称略)
▽優勝=手塚信一郎(71中、伊那市)(2)柴穂徳(箕輪町)(3)平沢孝一(伊那市)(4)高仲成人(駒ケ根市)(5)春日貴(駒ケ根市) -
第27回駒ケ根市少年剣道大会
第27回駒ケ根市少年剣道大会は24日、市武道館であった。小学1、2年の部、同3、4年男子の部、小学5、6年男子の部、同女子の部、中学生男子の部、同女子の部の計6部門に約60人が出場、気合のこもった好試合を展開した。
結果は次の通り(敬称略)
▽小学1、2年の部(1)米山哲弘(赤小2)(2)北島駿策(赤小1)(3)平田萌(南小1)▽小学3、4年男子の部(1)田中慎吾(南小4)(2)中村拓也(南小4)(3)田中伶穏(赤小4)▽小学5、6年男子の部(1)松村青(東小5)(2)気賀沢仁哉(赤小5)(3)馬場信介(東伊那小5)▽同女子の部(1)田畑野乃夏(赤小6)(2)竹沢萩野(赤小6)(3)新井誌織(赤小6)▽中学生男子の部(1)石沢周(赤中2)(2)寺平諒(赤中2)(3)古屋翔蕗(赤中2)▽同女子の部(1)林くるみ(赤中2)(2)沢上かれん(赤中2)(3)春日もも(赤中1)