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手良小1年生“調理室デビュー”
春の香り、よもぎ団子作り伊那市の手良小学校1年生(25人、田畑孝江教諭)は2日、皆で摘んだヨモギを使ってよもぎ団子を作り、春の香りを楽しんだ。
「春探し」で学校周辺を探検した際に、ヨモギが生えているのを発見。家庭でよもぎ団子を食べたことのある児童がいたことなどから、料理をするため1日にヨモギ摘みに出かけ、スーパーのレジ袋に1人半分くらいずつ摘んだ。
この日は、1年生にとって記念すべき“調理室デビュー”。初めての調理実習のため、今回は栄養士の早川佳代さんが米粉とゆでてすりつぶしたヨモギを混ぜ団子に丸める直前の状態にまで下準備し、児童は若草色の生地を一口大に丸める作業に取り掛かった。
コロコロと上手に丸め中心を軽く押し、沸騰した湯の中へ。団子が最初の若草色から鮮やかな濃い緑色に変わると、「緑になった!」と次々に鍋の中をのぞいた。ゆで上がった団子はきなこをつけてさっそく試食。「おいしい」「ヨモギの味がする」とニコニコ顔だった。
児童は、よもぎホットケーキ作りも考えており、過日2年生が給食の時間に届けてくれたノカンゾウの料理のお礼をしたいという思いもある。ヨモギでどんな料理ができるかを調べ、次回はヨモギをゆでる作業から取り組む計画をしている。 -
【「地酒処叶屋」倉田克美さん・真美さん】
全国に根強いファンを持つフォークシンガーで詩人の友部正人を招いて5月18日、店を会場にライブを開く。
プロミュージシャンを呼ぶのは初めてではない。7年前にも友部と・ス七色の声を操る・ス実力派女性シンガー、おおたか静流(しずる)とのジョイント・コンサートを企画して大成功に導いている。あの感動をいつかまた竏窒ニの思いをずっと温めてきたが、店が今年創業40周年の節目を迎えることから、思い切って大好きな友部に久しぶりのライブ演奏を打診した。「実は演奏を…うちの店でしてほしいんですが…」と電話で恐る恐る切り出すと「面白そうだね。いいじゃない」と気さくに快諾。
「有名なミュージシャンなんだけどまったく気取らない。もともとストリートで歌っていた人でもあるし、今も小さい会場でよくライブを演ってる。もしかしたら、大きいホールよりも聴き手との距離が近い小さな所の方が好きなのかもしれないね」
◇ ◇
おおたか静流のステージを見て大感激し、何とかして地元でライブを竏窒ニ考えたのが8年前。何度も事務所に電話したが「スケジュールがいっぱい」などとはぐらかされ、なかなか返事をもらえなかった。思い余って手紙も何通も書いたが音沙汰はなし。むなしく数カ月が過ぎたある日、たまたま知人に誘われて見に行った友部のステージの打ち上げの席で「静流さんのライブの話が進まなくて」と思わず愚痴がポロリとこぼれた。それを聞いた友部の奥さんが「そういうことなら私に任せなさい」とその場で静流本人に電話をかけて話してくれた。後押しのかいあって、その後はとんとん拍子。たちまちのうちに話がまとまった。静流と知り合いだと分かった友部にも「ぜひ一緒に演って」と懇願し、首尾よくOKを取りつけた。
演奏会場は、ある程度の広さが必要だが当たり前の所ではつまらないからと、近くにある箕輪町の養泰寺にスムーズに決まった。だが一番の心配は「果たして客が集まってくれるか」竏秩B考えられる限りの人たちに声を掛け、新聞や雑誌などに告知を依頼したほか、民放FM局のイベント紹介番組にも生出演して自らの声でアピールした。経費を最小限に抑えるため、ポスターやチラシ、チケットなどは心得のある友人が制作。準備、運営にも友人、知人が全面的に協力してくれた。
そして迎えたライブ当日。予想を大きく上回る300人が集まり、会場の本堂は聴衆で埋まった。ライブも熱狂的に盛り上がって大成功。
演奏が終わり、興奮冷めやらぬ会場を後にする客が「最高のライブだったよ」と口々に掛けてくれる声を聞いた瞬間、こみ上げる感情を抑えきれず、2人で抱き合って泣いた。
◇ ◇
共に友人らとバンドを組み、ギター、ドラムス、キーボード、ボーカルなどを多才にこなす音楽マニア。
「音楽、特にライブと酒屋なんて変な組み合わせに見えるかもしれないけど、自分たちにとってはまったく自然。どっちも人と人との気持ちの通い合いがなければ駄目ってことじゃないかな。だからこそ、夢のようだった7年前のライブのあの感激をもう一度味わいたいし、店を通じて知り合った人たちや地元の人たちみんなに味わってほしい」
(白鳥文男)
5月18日午後4時開演。前売り3千円、当日3500円。定員50人。問い合わせは叶屋(TEL72・6479)へ。 -
第1回長野県工芸美術選抜展
第1回長野県工芸美術選抜展が1日、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで始まった。県内の工芸美術作家18人による多彩な作品約250点の共演に、来場者が関心を寄せ見入っている。
選抜展は、松本市で6年前に始まった美術工芸展公募展の関係者の中で、年々応募者のレベルも上がり仲間で選抜展をやってみたい、公募展は松本市在住・在勤者対象だが長野県に広げたい-などの思いで開催した。
陶芸、木工芸、漆工芸などに加え、工芸展では見ることのできない手描染色、和紙画、マクラメ、西洋陶芸、工芸盆栽など全11分野の工芸美術がそろった。将来的にプロを目指す人も含め、松本市を中心に伊那市、箕輪町などからも作家を選抜している。
代表の陶工・木村万岳さんは、「新しい分野を一緒にやり、見やすく楽しめるようにした。混ざり合うことは難しいが、皆さんの意欲が表れている」という。選抜展は、中央展に出品していく登竜門に-との思いもあり、「将来的には県内巡回展にして輪を広げたい」という。
会期は6日まで。午前9時縲恁゚後6時(最終日午後5時)。 -
KOZUE縲恟ス縲怎Rンサート
NPO法人クラシックワールド主催の上伊那出身の音大卒業生による「KOZUE縲恟ス縲怎Rンサート 響-音楽家による多彩な音の世界-」が25日夜、伊那市生涯学習センターホールであった。ピアノとマリンバの8人の音楽家がすばらしい演奏を披露した。
伊那市、辰野町、南箕輪村、中川村出身のピアノ7人、マリンバ1人。ショパンのソナタ3番第1楽章、プロコフィエフのソナタ6番第1楽章、ベートーヴェンのソナタ第8番作品13「悲愴」第2楽章、シェーの賛美歌195番「キリストにはかえられません」などを演奏した。
1人1、2曲の演奏で、作曲された背景や曲に対する思いを込めてステージで熱演。観客は演奏に静かに聞き入り、盛大な拍手を送っていた。 -
今年度初めての授業参観
宮田村宮田小学校は28日、今年度初めての授業参観を開いた。4月に入学した1年生も学校生活に慣れた様子で、参観した保護者は我が子の成長を実感していた。
1年1組は国語の授業。既に繰り返し読んだ教科書を暗記している児童も多く、大きな声で朗読した。
子どもたちの元気な学校生活に保護者たちは目を細めていた。 -
宮田小2年1組がスイカ栽培に挑戦
宮田村宮田小学校2年1組は30日、学級で飼育するハムスターの「リボンちゃん」の飼育費用に収益を充てることも考えて、スイカ栽培を始めた。南割区の小田切靖子さんが駒ケ原にあるほ場を開放し、全面的に協力。さっそく29人全員で苗を植えて「大きくなりますように」と願いを込めた。
昨年度は同小旧3年3組のスイカ栽培に協力した小田切さん。「子どもたちが喜んでくれれば最高」と2年1組も快く迎え入れた。
元気良くほ場に到着した児童。小田切さんから説明を受け、苗を丁寧に植えた。
「スイカは食べるのは美味しいけれど、つくるのは大変だ」と汗を流しつつ、成長を願って手をあわせ祈りをささげる姿も。
昨年も地元農家の協力でサツマイモを育て、学校近くのスーパーで販売した子どもたち。今年のスイカは学校給食に提供し、その収益を飼育費用にしたいと考えている。
「大きいスイカができるといいね。みんなでがんばってつくってね」と小田切さん。子どもたちは目を輝かしてうなずいた。 -
箕輪西小学校で青空学級
箕輪町の箕輪西小学校で25日、縦割りグループの青空班でのジャガイモの植えつけと児童会のイベント「青空フェスティバル」があった。
同校では青空班として、毎年1縲・年生の縦割りグループでの活動に取り組んでいる。
今年度の新グループ(112人、18グループ)での最初の活動として同校近くの畑にジャガイモの種芋を植えた。ジャガイモは7月の「カレー会・キャンプ」で食べる。
ジャガイモの植えつけの後は、学校敷地内で児童会主催の青空フェスティバルを開いた。
児童会役員が校舎外に隠した「箕輪西小青空学級」と1文字ずつ書かれた石をグループごとに探し回った。
年少の児童たちは年長の児童について歩きながら、「ないなあ」「ここにもない」と植木の下をのぞいたり、草をかきわけて調べていた。 -
赤穂小3年生がJICA駒ケ根訓練所を見学
駒ケ根市の赤穂小学校(馬場澄博校長)3年生116人が28日、国際協力機構(JICA)駒ケ根青年海外協力隊訓練所を訪れ、実際に海外で国際協力に携わった元隊員の話などを聞いた=写真。
赤穂小学校の3年生は例年、春の遠足の一環として毎年同訓練所訪れている。
今回は昨年9月までニカラグアから帰国したばかりの関理恵子さん(30)=箕輪町=が、現地の子どもたちの生活と、あちらでの活動体験を分かり易く紹介。ニカラグアの子どもたちは1日7円程度のお小遣いをもらい、学校であめなどを買っていることを関さんが紹介すると児童らは「いいな」「楽しそう」と声を挙げたが、一方で学校には半日しか行けず、残りの半日は生活費を稼ぐために働いていること、寝る場所がなく、道路で寝ていることなど、自分たちの生活とはかけ離れた現地の生活の厳しさを知らされ、真剣にその話に聞き入っていた。
最後に関さんは「あちらの子どもたちからものすごくたくさんのことを教えてもらい、毎日を楽しく生きることの大切さを学んだ」と児童らに語った。 -
中尾歌舞伎 春季公演
伊那市無形文化財に指定される中尾歌舞伎の春季公演が29日、長谷の「中尾座」であった。演目は「恋女房染分手綱(そめわけたづな)重の井子別れの段」。観客300人が詰めかけ、地元の保存会員の熱演に見入った。
初公演の「恋女房竏秩vは、由留木家の息女・調姫の乳母・重の井が、お家の存続にかかわる調姫の縁談などから、生き別れた馬子の息子・三吉に名乗ることができず、泣く泣く別れる親子の悲哀を描いた作品。
子役の登場に、観客は拍手を送ったり、おひねりを投げたり。縁談を嫌がっていた調姫がすごろくに勝って「はよ、行こう」と機嫌を直す場面など所々で笑いを誘い、会場を沸かせた。見どころの子別れは、涙を流す親子の姿でしんみりとさせた。
中尾区に住む70歳の女性は「子役も上手で、泣かされた。勤めのあいさにけいこするのは大変だろうけど、毎回楽しみにしている」と話した。
会場では、中尾歌舞伎のオリジナル手ぬぐいが販売された。
中尾歌舞伎は江戸時代から歴史があり、一時、戦争で途絶えたが、86年に復活。例年、春と秋に定期公演を開いている。 -
南箕輪村
息吹俳句会「五七五の17音で簡潔にやさしくすれば俳句はいい。なんでも詰め込むと感動的な句はできない」
毎月1回、南箕輪村公民館での句会。村文化団体連絡協議会に所属する「息吹俳句会」が開いている。
村公民館の俳句講座で学んだ仲間の有志が92年に発足させた。会員は村内に暮らす12人。今年は林剛さんが代表、永田政枝さんが会計を務める。
毎月の句会では、兼題と雑詠を2句ずつ作り合評する。4月の兼題は蜂、蜂の子、蜂の巣、蜜蜂、働蜂、女王蜂など。兼題は前の月の句会で皆で決める。
「批評しあったほうがいい句ができる」と、俳歴の長い荻原文博さんが先生役を務める。兼題、雑詠共に票を投じた人が選んだ理由や句のいい所などを話すだけでなく、よりよい句になるように皆で話し合い手直しもする。
荻原さんを除いては、皆公民館講座から俳句を始めた人ばかり。「自分で生み出す苦しみというか楽しみというか、試行錯誤する時間が楽しい」「俳句の魅力は言葉で表現できること。旅に行っても俳句を作っておけば後でこんな風だったと思い出せる」という。
俳句を通して物を見る目が変わった人、季節を先取りするようになった人がいる。「辞書を調べたり季語を考えたり。凝縮された文芸なので、日常にも生かされる。手紙を書くにも簡潔な言葉を選んだり、頭の訓練にもなる」とも。
楽しみと苦しみの両面あるのが俳句のようで、「私は作るのが苦しくて苦しくて。でも何か一つのことに取り組めばボケ防止になってありがたい」と話す人もいる。
「締め切り間近になると、夜眠れなくなる」。そんな声に荻原さんは、「1カ月の余裕がある。一夜漬けではだめ。全部できなくてもメモしておいて、つなげればいい」とアドバイスする。「人の句を鑑賞することが勉強になる。私の勉強は小説を読むこと。そこからヒントを得る」ともいう。
男性は2人だけと少し寂しいが、「皆人柄がいい。集まって句会をするのが楽しい」と林代表はいう。
「紙と鉛筆があればいい」。次の句会に向け12人が、それぞれの心で俳句を詠む。(村上裕子) -
第34回駒ケ根市こどもまつり
子どもが自然の中で遊びながら、たくましい体と豊かな心を育む「第34回駒ケ根市こどもまつり(駒ケ根 わんぱくランド2008)」が27日、8年振りに菅の台ちびっこ広場周辺でにぎやかに開かれた。市内の各種団体でつくる実行委員会主催。
「チーム・ナマステ」がJICAシニアボランティアが考案し、ネパールで普及を図る「ナマステ体操」を披露し開祭、子どもたちは各団体が工夫を凝らした13の広場に散らばった。
ストラックアウトや火起し体験、輪投げなどに多くの子どもたちが熱中。アフリカンドラム、食育カルタ、ネイチャーゲームにも興味を示し、子どもたちの輪ができた。
こおばしい匂いにつられ、ボーイスカウトのポップコーンには長い列ができた。 -
あぐりスクール駒ケ根校開校
JA上伊那はさまざまな体験学習を通じて、農業と食への理解を深めてもらおうと27日、小学2縲・年生を対象にした農業体験講座「あぐりスクール」駒ケ根校が開校した。駒ケ根市、宮田村、中川村の5小学校の児童約50人が参加。12月まで全9回の講座で、田植え、イチゴ狩り、野菜の収穫、ラッカセイ、リンゴの収穫など農業体験のほか、しめ縄づくり、五平もちづくりにも挑戦する。
初回は東町の畑でジャガイモの植え付け。 児童らはうねに沿って並び、JA職員に教わりながら、ジャガイモの芽を確認し、うねの中央に種イモを並べ、丁寧に土をかぶせた。
引き続き、トウモロコシとニンジンの種まきを体験した。
子どもたちは「いつ、芽が出るのだろうか」「大きなイモが獲れるといいね」と話しながら、作業を進めた。 また、お昼にはみんなで長い巻き寿司づくりも楽しんだ。
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御嶽山保存会が木曽と文化交流
南箕輪村の無形文化財(民謡)「御嶽山(おんたけやま)」を後世に伝えようと村民有志でつくる保存会(清水伝之丞会長)は26日、木曽町で活動する「木曽節保存会」を同村へ招き、大泉西部地区館で交流会を開いた。互いの民謡を披露し合いながら、両伝統文化への理解を深め合った。
2回目となる交流は初めて村で開催した。交流が始まったのは昨年春からで、両団体が参加したイベントで木曽節保存会から「御嶽山」のいわれを尋ねられたのが契機。民謡が木曽谷から伊那谷に伝わったことを話すと交流の話が持ち上がり、昨年秋に木曽町で1回目を開いた。
交流会には両保存会のメンバー計30人が参加し、それぞれ自慢の民謡を歌と踊りのパートに分かれて学び合った。木曽節保存会の岩井茂雄副会長=木曽町=は「顔なじみに会うのを楽しみに来た」と笑顔。御嶽山保存会の清水江美子副会長=大泉=も「交流がこれからも続けば」と期待した。
木曽節保存会のリードで「正調木曽節」を踊る参加者たち -
箕輪町の保育園で英語あそび始まる
箕輪町の保育園で23日、本年度の英語あそびが始まった。初日は松島保育園で、年長園児が、エー・トゥー・ゼット(本社・松本市、外国語指導助手派遣業務など)が派遣した講師のマシュー・スコットさんから30分間のレッスンを受けた。
英語あそびは箕輪町の「一味違う子ども」育成事業として06年度に始まった。昨年度までは講師がレッスンの時間のみ各園を訪問していたが、本年度からは、レッスンの日には午前9時半から午後3時まで園に滞在。昼食をともにするなど園児とふれあう。
マシューさんのレッスンは、英語で名前を言い合うなど、簡単な英語を繰り返すことから。動きに合わせて言葉を発したり、絵カードを使うなど、楽しみながら英語に慣れる。レッスン後は園庭で園児と一緒に遊んだ。
園児が英語に慣れるため、マシューさんが園児に話す言葉はすべて英語。昼食時に園児から「タマネギってなんていうの」と聞かれると「オニオン」と答えるなど、園児の質問に簡単な英語で答えていた。
マシューさんの言葉を聞き取ろうと耳をそばだてたり、自分の知っている英語を口にする園児の姿も見られた。
マシューさんはオーストラリア出身で34歳。日本人の妻と1歳半の娘がいる。安曇野市の穂高東中学校で英語指導助手を5年間務めていたことがあるが、園児に英語を教えるのは初めて。
マシューさんは堪能な日本語で「今までこんなに小さな子どもたちに教えたことがないので、おもしろい。がんばります」と意気込みを話していた。 -
幸せ運ぶ人形展
長野市大豆島で人形工房を主宰する人形作家の戸井田紗代子さんと門下生による「幸せ運ぶ人形展」が24日、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで始まった。
戸井田さんは失明寸前の病をきっかけに1990年より創作人形活動に入る。陶芸家でもあり、現在は長野県陶芸作家協会会員、長野県工芸会会員。老人福祉センターで講師も務める。
伊那では初の人形展。戸井田さんは創作活動の主流である陶人形と木彫人形、教室で指導しているクラフト人形など約70点を展示。現在イスラム圏に関心を持ちヨルダン、シリアなどを訪ねており、そのときの感動やイメージから作った「イエメンの瞳」、アフリカ旅行から出来た「生きる笑顔」などもある。
「生きる力を人形にしたい。にこっとする、ほっとする、そんな人形を作り、見る人に何か通じるものがあればうれしい」という。
長野教室、戸井田さんの弟子が開く辰野教室の生徒も表情豊かな人形を出品。会場には400点以上も並ぶ。
会期は29日まで。午前10時縲恁゚後5時(最終日午後4時)。 -
学校花壇コンクール審査
県学校花壇コンクール春花壇の上伊那地方審査が25日、参加13小中学校で行われた。
宮田村の宮田中学校は3月に卒業した加々美李歩さんの作品「虹」を花壇デザインに採用。緑化委員会(飯島啓介委員長)が中心となり昨年秋、色彩豊かにパンジーを植えた。
大切に育てた花壇は、南アルプスの残雪のコントラストも絶妙で目に鮮やか。
この日の審査では委員の平澤和基君、酒井まどかさん(ともに2年)が花壇の概要を説明し、県の審査員は「花の背の高さ低さを上手に活かしている」と評価していた。 -
高遠北小創立30周年記念事業で環境整備
伊那市高遠町の高遠北小学校は26日、創立30周年記念事業の一環で中庭の庭園造りや遊具のペンキ塗りなどの特別親子作業を行った。節目を祝うため児童や保護者、卒業生ら計約130人が力を合わせ、学校の環境整備作業に汗を流した。
同作業は「学舎を磨き、さらに飛躍する北小」をスローガンに掲げた記念事業の第1段。滑り台やジャングルジムはやすりで磨き、児童たちが丁寧にペンキ塗り。水の管理が大変だった池は、御影石の白砂などを参加者で敷き広げ、・ス枯山水風・スの庭園に変えた。
1979(昭和54)年4月、藤沢、三義、長藤各小学校の統合により開校した同小は、本年度30周年を迎える。記念事業の実施については06年度から話し合いを重ね、07年度PTAが中心となって実行委員を発足。今後、音楽会や運動会、式典などの開催を予定する。
加藤博実行委員長は「家庭数や児童数がどんどんと少なくなる中、親子が協力して事業に取り組み、学校をPRしていきたい。環境整備の作業などを通じ、もっと地域の和が強まればうれしい」と話している。
学校中庭にある遊具のペンキ塗りに励む児童ら -
第37回日本画県展
長野県日本画会主催の公募展・第37回日本画県展が24日、伊那市の県伊那文化会館美術展示ホールで始まり、全県から応募のあった98点を展示している。
公募作品サイズの規格は20号から50号で、今回は20号、30号も多く出品されている。定めたテーマはなく、今回は人物画よりも全体的に風景画が多いという。
「サイズが小さくなってきて寂しいけど、皆さんそれぞれの感性で一生懸命描いている。その人、その人の感動が絵に出ていればいいなと思う。日本画は理屈抜きに見る人が理解でき鑑賞できるので、足を運んでいただきたい」と話している。
上伊那関係分の入賞は市教育委員会賞に「華」池上頼子さん(伊那市)、水野美術館賞に「縄文」鈴木岬さん(伊那市)、奨励賞に「白木蓮」野沢繁子さん(辰野町)。
同展は春と秋の年2回。秋は長野市で開催のため、伊那で鑑賞できるのは春の巡回展のみ。会期は29日まで。午前9時縲恁゚後5時(最終日午後3時)。 -
中央保育園なかよし集会
宮田村中央保育園は22日、新入園児を歓迎する「なかよし集会」を開いた。年長、年中園児が園生活で学んだダンスなどを披露。春から仲間入りした年少園児と一緒にリズム体操など楽しんだ。
年長のやさしいお兄さん、お姉さんが年少園児の手をとって、仲良く一緒にリズムに乗った。
体を動かし、ほっぺやおしりをくっつけたり。笑顔を広げて友情を育んだ。
東、西の両保育園では同集会を24日に行う。 -
マヤ文明都市国家ティカルの神殿天上板の拓本
伊那東小に施行業者が寄贈伊那市立伊那東小学校の管理教室棟完成を記念し、電気設備工事を請け負ったアイネットと宮原電気工事が、マヤ文明古典期の都市国家ティカル(紀元前300年縲恚I元後900年ころ)の神殿入口の天上板に刻まれた暦の拓本を同校に寄贈した。23日、アイネットの中越紀雄社長と宮原電気工事の宮原徹社長が市役所を訪れ、小坂樫男市長に目録を手渡した。拓本はすでに図書室に設置してある。
寄贈品は、松本市在住の拓本家・平川明さんの恩師が拓本にした現物で、恩師の遺品として平川さんが所有していた。ティカル遺跡は1979年に世界遺産の複合遺産に登録され、現在では拓本をとることが出来ないため、大変貴重なものだという。
「日本にはない珍しいもの。どこかに展示したい」という所有者の思いを中越社長が友人を介して知り、今回の寄贈になった。
拓本は、60年分の暦で1カ月ごとに動物などの絵が描かれているという。たて182センチ、横200センチ。額に入れ、児童が集う図書室の壁に飾っている。
中越社長らは「児童に文化が長く続いていることがわかってもらえたらうれしい」と話し、小坂市長も「2千年の歴史に思いをはせてほしい」と話した。 -
桑名智絵 彩画の世界展
伊那市出身で長野市在住の桑名智絵さんの絵画の展示会「こころの絵 桑名智絵 彩画の世界」は29日まで、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで開いている。
色にこだわり、きれいな色を使いたいと「彩画」という独自の世界を作り出し、水彩絵の具で額に使うマットに描く。「こころの絵 優しさとあたたかさの中に」をテーマに、今回は1年半の間に描いた「萌ゆ」「雪の華」「吉野なるみやま」「瀧」など29点を展示した。
マットの素材によって絵の具の染み方が異なり水彩でありながら油彩画のように見えたり、日本画のようだったりと趣の異なる作品で、中には一度描いた絵を水で流して乾かし、残った色からイメージして描く“水絵”という作品もある。
「基本はいいものを見て感動すること。感動がなければ感動ある絵は描けない」と、必ず現場に行ってスケッチし、音楽を聞きながら制作に取り組んでいる。
伊那では96年から1年おきに展示会を開き7回目。かんてんぱぱホールでは、「自分が求めている絵の世界とここのすばらしい環境がぴったり」と今回で3回目になる。時間は午前10時縲恁゚後5時(最終日午後2時)。 -
豊田勇造ライブ
伊那市西春近の山荘「森樹」(しんじゅ)は22日夜、シンガー・ソングライター豊田勇造さんのライブを開いた。昨年に続いて2回目。熱心なファンなど約20人が集まり、豊田さんの歌の世界を堪能した。
豊田さんはフォークシンガーの道に入るきっかけとなった米国の伝説的アーティスト、ボブ・ディランへの思いを歌った『ディラン』、米不足の時代に輸入されたタイ産米を歌ったヒット曲『タイ米ブルーズ』などを次々に披露。ギターを弾きながら時にささやくように、時に激しく、約15曲を熱唱した=写真。曲の合間には、生まれ育った京都独特の柔らかなイントネーションの語りで聴衆を引き込んだ。
豊田さんは1949年生まれ。日本フォークの創生期から活動を始め、メッセージ性の強い曲を次々に発表。多くのCDをリリースする一方で年間100回以上のライブをこなすなど、年齢を感じさせない精力的な音楽活動を展開している。 -
結いと絆、協働で拓く「担い手育成塾」、開塾へ
「結いと絆、協働と自立」をモットーに新しい形のふる里づくりを進めるNPО「信州養命の里(松村俊彦理事長)」は伊那谷の豊かな山林、農地を守り、持続可能な地域づくりに必要な人材、仲間づくりを目的に「担い手育成塾」を5月開講する。
都会の団塊世代にも呼びかけ、ともに支え合い、共鳴し合える塾生を募り、交流を深めながら楽しく学ぶ。 元信州大学農学部教授の島崎洋路さん(島崎山林研修所長)を塾長に、同大学の教授、KОA森林塾など、企業、NPО、行政などの分野で活躍する講師を迎える。塾は3年間を予定。初年度は5月10日、中川村文化センターで開講し、09年3月まで、全9回開く。講演や講習会、現地体験視察を組み込み、最終の第9回は学習のまとめ、シンポジウムを行う。会場は村文化センター、信大、KОA森林塾のほか、第8回は東京中央区区役所で開く。
松村理事長は「地域づくりは人づくり。3年から5年かけて、農山村活性化と新しい町づくりのリーダーが育てば」と期待する。
現在、第1期生を募集中、受講料無料。詳細は「養命の里プロジェクト」(TEL88・2452) -
獅子舞勇壮に大久保熊野神社例祭
宮田村大久保区熊野神社例祭(小田切一広主任総代)は19日に宵祭り、20日に本祭りを行った。伝統の獅子舞とお囃子を奉納。大人と子どもが一緒になって盛り上げ、本格的な春の到来を地域みんなで祝った。
150年の歴史を誇る大久保の獅子舞。宵祭りでは継承する祭囃子保存会(小田切忠会長)が練り歩き、同神社で悪魔払いを奉納した。
お囃子には地元の小学生約30人が参加。数十年前から育成会事業として取り組むもので、今年も3月から5回練習して祭りに臨んだ。
子どもたちの奏でる楽しげな笛や太鼓にあわせ、夕闇に包まれる田園地帯を勇壮に獅子が練り歩いた。 -
信大大学院農学研究科 派遣先企業の成果発表
信州大学大学院農学研究科は24日、文科省が採択した事業「派遣型高度人材育成協同プラン」の2007年度実施報告会を南箕輪村の信大農学部で開いた。昨年度は修士学生4人が参加し、地元などの食品企業で企業活動を体験。それぞれが派遣先での活動内容と成果を発表した。
06年度から始まった同事業は、機能性食品開発を学ぶ技術系学生を地域の食品企業に派遣し、広い視野と経営感覚を企業の中で磨くことが狙い。昨年度は伊那食品工業へ2人、養命酒製造へ1人、サラダコスモへ1人を派遣し、9月から3カ月間、研修を積んだ。
参加学生を対象とした人格形成に寄与した点をアンケートした結果、行動力や思考力、チームワーク能力の向上を確認。学生たちは「テーマを持って実行するという社会人生活で重要な姿勢を身に付けた」「研修を通じて学んだことを今後の自分が成長するための糧にしたい」などと話した。
事業は5年計画で、3年目となる本年度は派遣協力企業、参加学生の拡大、対象専攻科の充実を図りながら展開していく。
派遣型高度人材育成協同プランの実績報告をする参加学生 -
駒ケ根市教育委員会定例会で確約書の提出を含む学校給食費滞納対応マニュアル示される
駒ケ根市教育委員会の定例会が22日、市役所南庁舎であり、本年度から導入する「学校給食費滞納対応マニュアル」が示された。連帯保証人を伴なう確約書の提出を求める滞納抑止策については「滞納をなくさなければならないのは確かだが、今は複雑な家庭環境もある。その辺を十分配慮する仕組みを取ってほしい」との指摘もあったが、中原稲雄教育長は「この制度は払えるのに払えない家庭を前提としている。最終的に各家庭の状態を調査し、悪質なケースのみ徴収したい」と、理解を求めた。
同制度は保護者の納入意識を高めることを目的として市が本年度から導入する。本年度は全学年の保護者に、来年度以降は新入児童保護者に確約書と連帯保証書の提出を求める。
徴収の流れはまず、指定日に講座振替できず、その状態が2カ月継続した場合、集金袋により現金徴収を促す。それでも納入されなかった場合、今度は個別で分納相談を実施。分納誓約書の提出を求めるが、それも提出されなかった場合、分納相談不成立となる。最終的には各家庭の状況を調査し、納入できる場合のみ、法的手段をとって徴収していきたいとしている。
昨年度の駒ケ根市の給食費の徴収率(原年分)は98・48%。前年より0・17ポイント上昇した。しかし、過年度分をトータルした場合、前年比は0・08ポイント下がる。未納者のほとんどは、払える能力があるの、継続的に給食費を滞納しているという。 -
北村広志さん写真展
アマチュア写真家の北村広志さん=駒ケ根市中央=は作品展「光の彩りを感じて…II」を伊那市中央の中部電力伊那営業所ギャラリーで5月2日まで開いている。サクラ、夏の高原、紅葉、白鳥など、四季折々の美しい自然の風景を見事にとらえた作品27点を展示している=写真。
写真は3年前から独学で始めたという。同ギャラリーや伊那中央病院などで写真展を開いているほか、雑誌のコンテストにも投稿している。
入場無料。午前8時30分縲恁゚後5時10分。土・日曜日休館。 -
歌舞伎の中尾で花桃の丘づくり
中尾歌舞伎で知られる伊那市長谷中尾で20日、丘を将来花桃でいっぱいにしようと上中尾集落の住民がつくる「上中尾元気ずく出し隊」(西村幸一隊長、26人)は「上の原 花桃の丘公園」予定地の高台にハナモモの苗木約50本を植え付けた=写真。西村隊長(66)は「サクラも考えたが、歌舞伎の定期公演がある4月29日にお客さんを迎えるには花桃の方が時期的に良い。数年後には成長した木がこの丘を満開の花で飾ってくれるだろう」と笑顔で話した。
上中尾は現在の戸数わずかに14戸。小中学生は1人もおらず、高校生が2人いるだけという少子高齢化集落。住民はここに花桃の咲く公園を整備して地域活性化につなげようと昨年「元気ずく出し隊」を結成し、立ち木を伐採するなどして公園造りに乗り出した。
地区内にはさらに2カ所の公園整備が計画されていて、今年秋までにハナモモの苗木約40本を植える予定。
丘は数十年前はサクラが数本ある小公園で住民らの憩いの場所だったが、近年はカラマツが林立するなど様変わりしたため、訪れる人もなく打ち捨てられていたという。 -
村運動あそび検討委員会 08年度活動計画
「南箕輪村運動あそび検討委員会」は22日夕、村役場で2008年度1回目の委員会を開いた。村関係者や各保育園長ら委員11人と委員会顧問の柳沢秋孝松本短期大学教授らが出席。3年目となる本年度の活動計画などについて話し合った。
柳沢運動プログラムを取り入れた、村の「運動あそび」は06年度から本格導入。本年度は、村内5保育園それぞれ年長14回、年中13回、年少11回の活動回数で村運動保育士の金井仁美さんが授業する。このほか、村子育て支援センターや小学校などで「親子運動あそび」を展開する。
各保育園では授業のほか、保育園生活の中に「運動あそび」を取り入れ、園児たちの「心と体」を育てている。本年度からは、各学年ごとの保育士でつくる研究会で情報を共有しながら、効果的に行っていくことを確認した。
顧問の柳沢教授は「人間の運動機能は生後の経験や体験によって高まるため、乳児、幼児期は最も重要な期間となる。運動は生きるために必要なこと。大人が子どもたちに興味を持たせ、自主的にやっていけるよう支援する必要がある」と呼び掛けた。 -
絵画サークル「芽の会」 伊那市
1991(平成3)年、伊那市の伊那公民館の油絵教室修了生で絵画サークル「芽の会」(福沢由紀子代表)を結成した。メンバーは入れ替わりながら、現在、市内を中心に、7人で構成する。40縲・0代と年代の違う仲間が同じ趣味を持ち、絵を描くことの喜びを共有するサークルだという。
油絵が主で、講師に信州美術会伊那支部長の前田博さんを迎え、月2回(第1・3土曜日)、伊那公民館で活動する。
題材は、静物や風景など会員が描きたいもの。自宅で制作中の作品を持ち寄り、前田さんから構図や色づかいなど作風や技量に合わせた指導を受ける。会員は「個性を大事にしてくれるから、楽しく絵を描ける」と話す。
会員からもアドバイスが飛ぶ。「先生ばっかりだもんね」とお互いに何を言っても良い環境が出来上がっている。
仲間の絵を見たり、批評を聞いたりすることで、刺激を受け、自らの作品作りにも結びつくそうだ。
「絵を描くのは学校の授業以来」という会員もいる。一人ひとりキャンバスに向かい、絵の具を重ねていく。「自分の思いをどう表現するのかが難しさでもあり、おもしろさ。奥が深い」と研さんを積む。
6月の第84回伊那美術展覧会(伊那美術協会主催)に向け、会員は50号以上サイズの作品を制作中。ほとんどの会員が出品する予定だ。県展などにも挑戦している。
そのほか、芽の会独自の作品展や公民館ロビー展、文化祭で作品を発表。年1回のペースでスケッチ旅行に出かけたり、懇親会を開いたりと和気あいあいとした雰囲気の中で、絵を描くことを楽しむ。
(湯沢康江)