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声掛けへの対応学ぶ 伊那市・高遠小で防犯訓練
伊那市の高遠小学校(白鳥彰政校長、252人)は19日、伊那署の協力を得て、児童に対する声かけ対策のための防犯訓練を校庭でした。子どもたちは有事にそなえ、自分たちで身の安全を守る方法を真剣に学んだ。
訓練は署員が演じる不審者役が車内から声をかける想定。2、4、6年生それぞれの代表2人ずつが、全校児童の前で模範となる対策方法を披露した。
不審者役は「チョコレートをあげるから」などと誘惑したが、児童らは「いりません」とはっきりと断り、防犯ブザーを鳴らして対応した。
高遠町交番の岩井智昭交番所長は「不審者と距離を取って対応し、身の危険を感じたら近くの家に逃げ込むこと。防犯ブザーを持っていない時は、大声を出して助けを求める」などと指導した。
模範披露した4年東組の保科沙矢夏ちゃんは「今のは訓練だったので防犯ブザーを鳴らせたが、本番だったら怖い。不審者に会ったら1メートル以上の距離を取って、大声で助けを求めるようにしたい」と気持ちを引き締めていた。
本年に入って伊那署管内で発生した、不審者の声かけなどの事案は10件。高遠町内では発生していない。 -
上農定時制振興会総会
上伊那農業高校定時制振興会(小坂樫男会長)の総会が25日、同校であった。高校改革プランに基づく箕輪工業高校との統合に話が及び「定時制のメリットへの認識は一緒だが、全体の流れは夜間定時の良さを生かすために動いていない」など、統合に向けて進められている準備に対する不満が相次いだ。
箕輪工業と上伊那農業定時制は現在、箕輪工業の施設を使って新しく設置される多部制・単位制高校に移管するための準備を進めている。しかし、箕輪工業を視察した教諭の一人は、箕輪工業の現状施設の狭さ、不十分さを指摘し「上農定時の良さの一つは、独立した空間が確保できていること。しかし、あの状況では夜間部独自の教室を確保することすら難しい。施設確保は最低限必要」と指摘。
また、伊那地区の定時制生徒が増加する傾向から、夜間定時を現在の場所に残すための働きかけを求める声もあったが、小坂会長は「全体の協議の中で決定したことを変更することは無理。夜間定時の良さを残す形でやっていくしかない」と語った。 -
俳優
黒河内雅子さん6月22日に駒ケ根市文化会館で行われる前進座公演『銃口』(三浦綾子原作)に愛国教師・杉野恵子役で出演する。
「原作には出てこない役です。でも3年前の初演から同じ役を演じているので思い入れは深い。戦争をテーマにした重い作品と思われがちですが、先生と生徒のやり取りの中にはほのぼのする情景や笑いのある場面などもあります。実は地元での子ども向けではない一般公演は初めて。秋には伊那市で『出雲阿国』の公演もあって、今まで全然なかったのに急に地元公演が2回。誰に会うか分からないのでバカはできないですね(笑)」
◇ ◇
「俳優を志したのにはこれというきっかけはないんです。流れに乗っているうちにここに行き着いたという感じ」
仙醸で知られる高遠の造り酒屋に生まれた。高校生の時、駒ケ根で劇団四季の『ジーザス・クライスト・スーパースター』を見て感動。
「女優ってテレビに出ているきれいな人たちで、自分とはかけ離れた存在だと思っていたし、なろうとも思わなかった。でも舞台の世界では役者がそれぞれの個性を発揮しているように見えた」
獨協大外国語学部に在学中、夜間俳優学校に通って演劇を学び、卒業と同時に前進座に入団。
「初舞台は大阪道頓堀の中座でしたが、もう必死。歌舞伎ものだったんですが、かつらをつけることだけでも精いっぱいで、演技がどうこう以前の問題でした」
「舞台であまり失敗はしたことはない」というが、かけていた眼鏡をはずみで床に落としてしまったことがある。「さりげなく拾ったつもりだったけれど、お客さんにはきっと失敗だって分かっただろうな」
公演当日にインフルエンザにかかったこともある。「それでもやらなければならないのが俳優のつらいところ。でもやめようと思ったことは一度もない」と断言する。
◇ ◇
年間平均100縲・50ステージをこなす。昨年は200ステージに出演した。入団以降女優として十数年がたつが「中堅女優なんてとんでもない。まだまだです。何しろ周りにいるのがすごい人たちばかりなので…」。
「まじめで、何かに夢中になると周りが見えなくなるタイプ。もともと器用な方ではないので、どの役を演じても自分にぴったりしない気がするんです。だから本当に自分に合った役に出合ってみたい。あと、一度やってみたいのは極悪人の役かな…」
「うれしいのはお客さんが笑ってくれること。私の演技を見ているお客さんがどう感じているかが分かる瞬間がある。そんな時は最高の気持ちですね」
(白鳥文男) -
権兵衛トンネル開通記念の第九演奏会
伊那と木曽を結ぶ権兵衛トンネル開通記念の「手づくりの第九演奏会」が18日、県伊那文化会館であった。一般公募した団員約300人の迫力ある歌声で、会場を埋めた観客約1300人を魅了。演奏後、しばらくの間、拍手が鳴り止まなかった。
曲目は、ベートベン交響曲第9番二短調「合唱付」作品125の第1縲・楽章。伊那市出身の征矢健之介さん=東京シティーフィルバイオリン奏者=の指揮に加え、地元のソリスト4人が出演した。
昨年6月から練習を積み重ねてきた両地域の団員は小学生から年配者までで、総勢90人の伊那フィルハーモニー交響楽団の演奏に合わせ、ドイツ語で歌い上げた。
1時間半にわたる演奏が終わると、会場から「ブラボー」の声がかかった。
団員は口々に「ステージから観客が見え、気持ちよく歌えた」「伊那と木曽の住民が一緒になって作り上げた演奏会はいい思い出になる」と成功を喜んだ。 -
高遠北小で大型紙芝居
伊那市の高遠北小学校で17日、大型紙芝居の読み聞かせがあった。全児童約60人が集まり、地元の民話に聞き入った。
読書週間(12縲・8日)に合わせ、大型紙芝居のボランティアグループ「糸ぐるま」の久保田文子さん=長谷=に出演を初めて依頼した。
久保田さんは和服姿で登場し「お宮の絵馬」と「黒河内長者屋敷」を披露。
「お宮竏秩vは、諏訪社に掲げた絵から馬が飛び出し、村の田畑を荒らしていたことを知った村人がまちの絵師に頼み、くいと縄を描き込んでもらい、それ以来、田畑が荒らされなくなったという話。
児童たちは、切り絵で仕上げた紙芝居に見入り「馬はかわいそうだけど、畑が荒らされなくなってよかった」と感想を述べた。
読書週間の期間中には、図書委員会によるペープサートの発表もあった。 -
夏まつりにむけ、踊り練習開始
2年に1度の宮田村「みやだ夏まつり」が来月に迫り、イベントの中心となる踊り連の練習が15日夜に役場であった。村内全11区などから指導責任者約40人が出席。町3区の春日悦子さん、町2区の伊藤みつ子さんから手ほどきを受けた。今後は各地区で練習を積み、7月16日の本番では1300人ほどが踊りの輪を繰り広げる。
新宮田音頭と村のイメージソング「心をこめていつまでも」の2曲にあわせ、村内全地区が息のあった振り付けで練り歩く。
この日の練習に参加した多くは経験者だったが、春日さん、伊藤さんは魅せるポイントを示しながら指導。繰り返し踊り、表現の美しさやフォームの正確さを確認していた。
毎回踊り連に華を添えている宮田小学校2年生と保護者だが、今年も参加が決定。この日も担任教諭が練習に加わり、来週から始まる児童の練習に備えた。 -
あばれ神輿今再び
町1区の小田切さん、伝統の祇園祭にむけて製作順調350年の歴史を誇る宮田村津島神社祇園祭宵祭りを来月15日に控え、主役となる「あばれ神輿(みこし)」の製作が進んでいる。祭りの最後に境内石段から投げ落として粉々になるため、毎年全てを新調。今年は小田切建築=町1区=の小田切保鉱さん(63)が手がけ、寸分変わらぬ姿によみがえらせている。
同神社の氏子である町1区、町2区、町3区の大工が毎年回り番で製作するのがしきたり。
小田切さんは40年ほど携わるベテランで、今回で17基目となった。
以前は数人の大工が協力してつくったというが、今は1人。それでも先輩譲りの技術と型板を駆使して、・ス壊れる運命・スの神輿を見事に再生している。
若い頃は神輿を担いだこともあり、壊す側としてのポイントも心得ている。
「壊れるのが早過ぎても、遅過ぎてもダメ。タイミング良く壊れるように、強度などは意識するね」と話す。
屋根の曲線や鳥居の造作など、普段手がけている一般住宅の建築とは違った技術も要求される。
「簡単にできるものは一つもない。この年になっても毎回勉強することばかりさ」。
現在、神輿を造れるのは各区1人の計3人だけ。厳しい後継問題にも直面しているが、妥協を許さない職人が今年も祭りを支えている。 -
高原美術館で小学生ワークショップ
駒ケ根市の駒ケ根高原美術館は16日、伊那市の西春近南小学校2年生を対象にしたワークショップを同館で開いた。児童らは館内の展示作品を見学した後、それぞれ絵画の制作に挑戦した。
松井君子副館長が与えたテーマは「花と花の名前」。40分間で仕上げなければならないとあって児童らは早速画用紙に向かい、思い思いに絵筆やクレヨンを走らせた。サクラやヒマワリ、チューリップなどを描いた絵が完成すると、1枚ずつ皆に示しながら全員で感想を述べ合った=写真。児童らは「きれい」「色がかわいい」、「松井副館長も「丁寧に描けている」「勢いのある絵」「色使いが暖かいね」などとそれぞれの作品を褒めた。児童らは「絵の描き方を教わって楽しかった」「うまく描けなかったけど面白かった」などと笑顔で話していた。 -
箕輪東小で読書集会
図書委員がペープサート発表箕輪町立箕輪東小学校の図書委員会(委員14人)は16日、読書週間に合わせた読書集会で、全校児童の前でペープサートを発表し、本の楽しさを伝えた。
図書館にある本「へんしんトイレ」をペープサートで発表。図書委員が6月に入ってから毎朝練習を重ねた。発表前日は放課後も練習して本番を迎えた。
トイレに入ると変身してしまうという楽しい話で、女の子のまこちゃんがコマに、ノートが殿にと次々に変身。見ていた児童は、次は何に変身するかと予想しながら乗り出すように見入り、トンボがボトンとウンチになって出てくると笑って楽しんでいた。
図書委員は、12日からの読書週間中に図書館に来た児童に手作りのしおりを配ったり、ポスターを作るなど活動。「おもしろい本がたくさんあるので、いっぱい図書館に来てください」と呼びかけた。
週間中は朝読書、校長による大型紙芝居、図書館司書の読み聞かせ、本年度同校に着任した教諭5人が毎日交代で昼に10分間の読み聞かせなど、本に親しむ企画が毎日あり、廊下には「先生のおすすめ本」コーナーも設けた。 -
伊那技専・企業と個別面接式説明会
南箕輪村の県伊那技術専門校(石川秀延校長)は15日、同校で、合同就職説明会を開いた=写真。直接面接によって企業の概要などを知ることで、学生らは目的を持った就職活動への意識を高めた。
求人募集している企業を同校に招き、個別説明による相互理解を深める目的。これまでは職安主催の説明会への参加や、学生が企業を訪問するなどの就職活動の機会しかなく、初めての試みとなった。
上伊那を中心に県内外からメカトロニクス、ソフトウェア設計関係の32社が参加。今年度の修了生ら79人が個別面接で、業務や採用内容の説明、就職活動に役立つ情報などの助言を受けた。
伊那技術専門校の昨年度の就職率は80パーセント以上で、石川校長は「就職に向け、具体的にどんな勉強について学べばよいかを面接で知ることで、就職意識は向上し、就職率に反映できれば」と期待。来年度以降の合同説明会の定着を目指している。 -
宮田小、中学校の自律学級が交流
宮田村の宮田小、中学校自律学級は15日、交流会を開いた。駒ヶ根市の森と水のアウトドア体験広場に出かけ、野外遊びを満喫。学校、学年の枠を超え、互いの絆を深めた。
時折雨がぱらつく天候だったが、子どもたちは元気一杯。遊具で遊んだり、太田切川の河原で石を拾って工作したりと楽しんだ。
駒ヶ根ファームではお楽しみのアイスクリーム。食べながらにぎやかに談笑していた。
時には中学生の先輩が後輩の小学生の世話を焼く姿も。担任教諭らは「互いのことを理解し、つながりを持つ良い機会になった」と話していた。
昨年は養護学級も交えた交流会を開いたが、小中の交流は今年度初めて。 -
東伊那小でプール開き
駒ケ根市の東伊那小学校(小川清美校長)で14日、市内で初めてのプール開きが行われた。午前11時の気温、水温は共に24度。真夏を思わせるような強い日差しの下で児童らは早速大きな水しぶきと歓声を上げていた=写真。
小川校長は清めの塩とお神酒で水の安全を祈願し「目標を持って楽しく、安全に泳ごう。たくさん泳いで夏の終わりには素晴らしい体をつくってください」と児童らに呼び掛けた。 -
中沢小各学年で「炭焼き」テーマに取り組み
駒ケ根市の中沢小学校(北原三千生校長)は7月1日に市内小中学校などで行われる「第13回学校と地域竏註カ涯学習フォーラム」(信濃教育会、駒ケ根市教育委員会など主催)に向け、全校を挙げて炭焼きをテーマにした学習に取り組んでいる。各学年ごとに「炭の火おこし」「ドラム缶の炭焼き窯作り」などの目標を定め、総合的な学習の時間などを利用して着々と準備を進めている。
4年生(原茂教諭)はカヤを使った炭俵作りに挑戦する。地域に伝わる伝統的な炭俵の作り方を地元のお年寄りに教えてもらうことで地場産業だった炭焼きについての理解を深め、郷土の文化に触れる狙い。6日に材料のカヤを近くの山で刈り取り、14日には編み方の練習をした。編み方の基本を習った児童らは実際にやってみてうまくいかなかったり、疑問に感じた点などを互いに出し合い「こうすればいいんじゃないの」などと話し合うなど、真剣な表情で試行錯誤を繰り返していた=写真。原教諭は「苦労して炭俵を作ることが地域の伝統文化について考えるきっかけになってくれれば」と話している。
公開授業は7月1日午前9時35分縲・0時20分。 -
権兵衛トンネル開通記念 第九演奏会近づく
伊那と木曽を結ぶ権兵衛トンネル開通記念の「手づくりの第九演奏会」が18日に迫った。練習にも熱が入り、団員たちは「すばらしい演奏会にしたい」と心待ちにしている。
団員は公募で、伊那・木曽地域の住民有志360人が集まった。都合などにより298人まで減ったが、息を合わせ、ベートーベンの「第九」をドイツ語で歌い上げる。
団員の中には、家族で参加する人たちが数組いる。
伊那市西春近の主婦春日桂子さん(64)もその一人。団員を募集していることが朝食の話題に上がり「めったにないことだから」と長男夫婦と小中高生の孫3人と一緒に申し込んだ。
昨年6月から始まった練習日には、家族が1台の自動車に乗り込み、それぞれのパートを歌いながら会場へ。「子どもたちのほうが歌詞を覚えるのが早かった」という。オーケストラとの合同練習を重ね「いよいよ来たかという感じ。権兵衛トンネル開通記念の演奏会で歌ったことが、いい思い出になれば」といい緊張感を持ちながら、本番に臨む。
「第九を歌う会」の北沢理光実行委員長は「オーケストラとの合わせにも慣れ、思った以上に仕上がりはいい。本番になると、さらに力を発揮する」と話す。また、トンネル開通をきっかけに、両地域で開く音楽祭にそれぞれ出演依頼があるなど新たな文化交流の広がりに期待している。
演奏会は18日午後2時から、県伊那文化会館で開く。指揮者の征矢健之介さん=東京シティーフィルバイオリン奏者、伊那市出身=のほか、地元のソリストが出演。オーケストラは伊那フィルハーモニー交響楽団が務める。
チケットはほぼ完売で、当日券を用意する。
問い合わせは、市生涯学習センター内の第九実行委員会(TEL78・5801)へ。 -
田中下遺跡見学会
約6千年前の縄文時代前期の竪穴式住居跡が新たに見つかった宮田村の田中下遺跡で10・11日の2日間、現地見学会が行われた。歴史に興味のある村民らが次々に訪れ「すごいね」などと感心しながら住居跡や土器などに見入った=写真。説明に当たった村教育委員会文化財主任の小池孝さんは、訪れた人たちに発掘の状況などを丁寧に解説し「大昔の人間がここでどんな生活をしていたか、これらの小さな手がかりからあれこれと想像する楽しさを味わってください」などと呼び掛けていた。
会場の一角にはこれまでに発掘された土器や石器、耳飾りなど約100点が展示されていて、訪れた人たちの注目を集めていた。 -
学校シンボル・ス梅・スを収獲
引き継ぐ伝統、今年も全校生徒で宮田村の宮田中学校は13日、学校のシンボルでもある校内の梅並木で小梅の収獲作業を行った。全校生徒が丁寧にもぎ取った結果、昨年に比べて30キロ以上も多い324キロと豊作。学校の給食で使うほか、世話になった近所の人に配ったり、保護者らに頒布した。
「梅が里」と呼ばれる同村にふさわしい、梅の並木をと1975(昭和50)年に50本ほどを植樹。
以来、緑化委員会を中心に歴代の生徒たちが大切に守り続けてきた。
昨年からは各学級で5縲・本程度管理するようになり、生徒にとってより身近な存在に。
この日も、熱心に作業。天の恵みに感謝しながら、まばゆいばかりの緑色の実を次々と収獲していた。
例年、梅漬けやジュースなどに加工して給食で味わうほか、農協などに一部を販売。
さらに今年は、保護者にも安価で頒布し、今後の管理費用に充てる。
生徒会では梅の収獲量を当てるコンテストも実施したが、2年1組の浦野勝平君が見事1キロ差でトップ賞。さっそくランチタイムで表彰式があり、賞品の小梅3キロを手にした。 -
伊那美術展 個性豊か力作ぞろい
伊那美術協会(柴田久慶会長)の第82回伊那美術展が11日、伊那市の県伊那文化会館で始まった。秀作が集まった個性豊かな展示に、初日から多くの人が鑑賞に訪れにぎわっている=写真。18日まで。
今回は権兵衛トンネル開通を祝し、木曽谷の作家11人の招待作品も含め、会員や一般の力作227点を出品。日本画、洋画、彫刻、工芸の4部門のほか、一作年からジュニアの部を特設し、高校生の作品も前年度比約2倍の31点が並ぶ。
1924(大正13)年に「黒百合会」として発足し、上伊那の芸術文化の向上を目的に始まった展示会。現在の会員は224人と県内でも有数の美術団体に成長した。関係者によると、一人ひとりの作品は年々レベルアップしているという。
近年は女性の作品が多く出品されているのが特徴。柴田会長は「子育てや仕事が終わり、若いころできなかったことを、熱心に勉強している」と分析。作品展全体の総評は「自分の自由な発想を作品にした、見ごたえのある展示になっている」と話している。
午前10時縲恁゚後5時30分(最終日は午後4時)。入場無料。
受賞者は次の皆さん。
▽伊那美術協会賞=亀井政昭(南箕輪)▽伊那市長賞=竹内慶子(駒ヶ根)▽伊那市教育委員会賞=内田三智子(箕輪)▽権兵衛トンネル開通記念賞=中山隆文(伊那)▽会員佳作賞=吉田冴子(箕輪)小林佑子(伊那)倉田多喜子(駒ヶ根)▽奨励賞=岩佐みね子(駒ヶ根)赤羽英子(辰野)湯沢ふき子(伊那)木下和子(伊那)▽新人賞=宮島覚(駒ヶ根)北原洋子(伊那)東城順子(松川)今井絢(辰野)小松るり子(諏訪)原麻里子(南箕輪)▽ジュニア奨励賞=西尾辰也(伊那)白鳥嵩(伊那)下島恵美(伊那)清水真希(駒ヶ根) -
高遠高校1年生禁煙教育講座
高遠高校(福沢務校長)で8日、1年生125人を対象とした「禁煙教育講座」があった。喫煙による健康への害について知識を習得することで、喫煙防止につなげる機会とした。
講師は、長谷国保直営美和診療所の岡部竜吾所長。「タバコのはなし縲怎^バコに隠された真相を知ろう縲怐vと題し、たばこに含まれる有害物質や、喫煙によって起こる病気などをスライドに映し出して紹介した。
身体に影響を及ぼす有害物質は、発がん率を多く含むタールや、脳の働きを低下させる一酸化炭素など百数十種類に上ると説明。病気のなかでも肺がんについては、吸い始めの年齢が若いほどなりやすいことや、たばこの消費量に伴って肺がん率が高いことなどを教え「今はいいかもしれないが、20年、30年後に(肺がんに)なる可能性が高い」と注意を促して、喫煙しないことを勧めた。
生徒たちは、グループになってたばこについて知っていることを出し合ったり、岡部所長の講話に真剣に耳を傾け「たばこの煙で体がさびる」(岡部所長)ことに理解を深めた。 -
駒ケ根郷土芸能まつり
第19回駒ケ根郷土芸能まつりが11日、駒ケ根市の市文化会館で開かれた。市内の34団体が出演し、神楽、舞踊、民謡、バレエ、剣舞、大正琴、吟詠などを次々に披露した。大きなステージでの発表とあって、出演者はそれぞれ緊張した面持ちで登場したが、踊りや演奏を始めると次第に落ち着いた表情になり、日ごろのけいこの成果を存分に発揮して見事な芸を見せていた=写真。
客席の観衆は「大したもんだね」「きれいだね」などとささやき合いながら、披露される芸の数々に夢中で見入っていた。 -
宮田氏の末裔、故女性俳人の想い遠祖伝来の地に
中世に宮田村一帯を治めていたとされる土豪・宮田氏の末裔(まつえい)で、戦後を代表する女性俳人だった故桂信子(本名・丹羽信子、1914‐2004)さん。祖先を想う気持ちが人一倍強かった故人の遺志を受け継ぎ、門下生で現代俳句協会長の宇多喜代子さんが12日、同村を訪問。故人が生前・ス幻の城・スと胸の内に秘めていた北割区の宮田城址に足を運び、30年に及んだ想いを遠祖伝来の地に届けた。
桂さんは30年ほど前に一度来村。「句碑を建てることがあるならば、祖先の築いた城跡に」と、宮田城があった場所を探した。
しかし、定かな位置を確定できず、その時の様子を雑誌に「幻の城を訪ねて」と寄稿している。
地元の宮田城址保存会が中心になって城址の再整備が始まると、一昨年末に病床で聞いたが、病状は回復せず・ス幻の城・スを目にする夢は叶わなかった。
そのことをずっと気にかけていた保存会の春日会長。桂さんの祖先を大切にする気持ちを知っていた宇多さんの思いも一致した。
保存会が城址に建立した宮田氏一族の慰霊碑には、この日のために桂さんの遺影も掲げられ、約10人の保存会員が同席。
一緒に祈りを捧げた宇多さんは「生きていたら、どんなにか喜んだことと思う。本当に地元の皆さんのおかげ」と感謝した。
「句碑をつくるならば死後にして」と生前、言葉を残した桂さん。春日さんは「これも何かの歴史のつながり。ぜひ句碑もつくりたい」と話していた。 -
伊那市の西箕輪「通学合宿」
公民館に宿泊し、異年齢の集団生活の中で自主的な児童を育てる「西箕輪通学合宿」が5泊6日の日程で11日、伊那市の西箕輪公民館で始まった。西箕輪小学校の4竏・年生29人が初日は、夕食づくりやキャンプファイヤーを楽しみ、仲間との交流をスタートした。
公民館単位の長期間合宿は上伊那で例がなく、2年目の取り組み。本年の参加者は昨年の反響もあり、前年比17人増の61人が希望したが、宿泊施設の規模を考え抽選した。参加費一人3千円で、市の補助金などで活動。西箕輪公民館(城取茂美館長)の主催、西箕輪こども会育成会の協力。
各学年男女6人の計5班を構成し、各班に近くの信州大学生が世話役に付いた。初日の夕食の献立は、1班が献立をしたハンバーグと野菜サラダ。昨年は食事の開始が遅れたが、今年はじっくりと計画したため、調理も順調に進み、定刻には皆で料理に舌鼓を打った。
初日のメーンイベントのキャンプファイヤーは、参加者や大学生が火を囲んで自己紹介やフルーツバスケットなどのゲームをした。大きな声で、自分の好きな食べ物を恥じらいなく発表する児童らは、集団生活を実りある体験にしようと笑顔が弾けていた。
2回目の参加となる5年生の井上卓也君(10)は「あれから、お母さんの料理の手伝いなどをするようになったし、自分のためになった。今年もいろんな友達と仲良くなりたい」と意気込んでいる。 -
箕輪工業高校の再編整備基本方針示される
高校改革プラン実施計画に基づく新たな高校の具体像を検討している箕輪工業高校(荒井和人校長)は12日、PTAや同窓会などでつくる「箕輪工業高校の未来を育てる会」(会長・平澤豊満町長)と懇談し、再編整備方針や新しい高校の将来構想を示した。地元との具体的な懇談は今回が初めて。
箕工側は今後、他校の視察やこうした懇談を重ねながら、教育課程は7月までに、設備・施設の整備計画は9月までに第1次案の完成したいとしている。早期に学校の全貌を明らかにし、地域住民への周知時間を確保する構えだ。
箕輪工業の荒井校長は、午前部・午後部履修者に対しては他部への乗り入れによる3修を前提とし、夜間部は「3修も可能」という緩やかなつながりとすることを提案。また、ホームルームや生徒会活動により人間関係力の形成に力を入れる仕組みづくりも示した。
一方で、これらを満たした学校を実現するためには、施設・設備の不足、夜間課程の環境充実、人的配置の充実が必要であることを示した。
説明を受けた平澤会長は、視察にかかる費用などを前向きにバックアップする意向を示し「高校そのものが生まれ変わるチャンスととらえ、一丸となって進めたい」とした。
しかし、予算規模の具体像は明らかとなっておらず、県としてどこまで配慮を受けられるか課題は残る。 -
「森本自然教室」3年目開講
信州大学名誉教授の森本尚武さん(72)=伊那市御園=による「森本自然教室」が11日、南箕輪村の同大学農学部で始まった。上伊那をはじめ、北信や東信地域など遠方から定員(30人)を超える約50人の申し込みがあった。9月までの全9回の講座を通して親子で自然と触れ合う。
幼少のころから自然に親しんでほしい竏窒ニ、3年目。これまで同様、昆虫の採集や標本製作、草花や樹木の観察に加え、新たに水生生物で水質を調査したり、鳥類を観察して樹木と鳥の関係も学ぶ内容を盛り込んだ。
「体験して感動することが今の教育には欠けている」と森本さん。「信州のなかでも上伊那は自然の宝庫。複雑さやおもしろさ、不思議な現象がたくさんある自然のなかで、いろんなことを体感して興味をもってほしい。それをきっかけに環境保護などについて関心が高まれば」と話す。
初回は親子約40人が参加し、学部内の農場でモンシロチョウの卵を採集。無農薬畑で栽培しているキャベツの葉の裏を入念に探した。カメムシやガなどの卵もあり、子どもたちは見つけ次第「何の昆虫ですか」と積極的に尋ねていた。
採集したモンシロチョウの卵は自宅に持ち帰り、湿度が適当な場所で1日1回エサを与えながら成虫になるまでの成長過程を観察する。昆虫が育つ様子を自ら学ぶとともに、命の大切さについて考える。
下諏訪から訪れた小学5年の男子はアゲハチョウの成長を観察するなど大の昆虫好き。「昆虫についていろんなことを学べるから楽しみ」と話していた。 -
駒工生が箕輪町のBDF事業学ぶ
駒ヶ根工業高校機械科の2年生37人は9日、工場見学の授業で箕輪町を訪れ、町のバイオディーゼル燃料(BDF)事業を学び、BDF精製作業場を見学した。
駒工は環境教育に取り組み4年目になる。風力・太陽光発電、日照などの環境観測、燃料電池自動車製作などに取り組み、今年は県の補助を受け、3年生が課題研究でBDF精製機を作る計画をしている。
BDF事業の学習は、自治体がBDF事業に取り組んでいることを学び認識を高めるねらいで、見学コースに組み込んだ。
町役場で住民環境課職員が、「地球環境にやさしいまちづくり」を目標に環境問題、廃食用油のリサイクルに取り組んでいることを話し、BDFの特徴、軽油との比較、精製工程などを説明。精製作業場に移動し、町が導入している廃食用油再生燃料化装置を見学した。
生徒は、小規模施設で精製作業をしていることに驚きながら、装置の内部をのぞき込んだり、廃食用油格納庫を見て、「学校で機械を作るので今後に生かしたい」と話した。 -
学童クラブのボランティア募集
子どもたちの豊かな放課後を確保しよう竏窒ニ、伊那小学校内の伊那学童クラブを利用する児童の保護者が、クラブの活動にボランティア参加してくれる人を募集している。同クラブでは現在、登録児童約80人に対して常勤職員3人が配置されているが、保護者の一人、の古畑克己さん(37)は「現状は大人の目が少なすぎて安全が保障できない状況。まずは安全の確保が必要」と、多くの参加を求めている。
核家族化、女性の社会進出などが進む中、学童クラブを利用する家庭は全国的に増加している。伊那市でも、伊那、伊那東、伊那北、3つの学童クラブで、登録児童が80人近い状況。市では、10人以上の利用でクラブを設置し、20人増えるごとに指導員を1人が増員するようにしているため、70縲・0人に対しては指導員4人が配置される計算。しかし、指導員の配置数は実際の利用数をもとに決めており、1日50縲・0人が利用する現状では、3人の配置で足りると判断している。
しかし、軽度発達障害の児童などに対する加配措置はなく、指導員がそうした児童に付きりになれば、ほかの児童へのケアは必然的に手薄となる。また「現状では第2の家庭としての役割を担うには問題がある」とする声もあり、保護者側からボランティアによる人員確保を提案した。
古畑さんは「地域と家庭が一緒に子育てについて考えていけるような学童であってほしい」としている。
ボランティアにかんする問い合わせは伊那小学童クラブ(TEL76・2755)か、古畑さん(090・8328・9568)へ。 -
日本墨絵展で伊那毎日新聞社賞受賞
伊那市日影
堀米昭好さん(67)「じっくりじっくり、お酒のようにあたためて描いた作品。墨絵はまだ駆け出しなので受賞に自分でもびっくりして…でも、とてもうれしかった」
日本墨絵会(吉沢玉昌会長)の第9回日本墨絵展(6月1縲・日、伊那市の県伊那文化会館)で、伊那毎日新聞社賞を受賞した。
作品は「映峰気韻」(30号)。どっしりと構えた山、差し込む光、湧き立つ雲。北アルプスの五竜岳を描いた。
昨年9月から小品を描き、その後、出品用に描いた。ある程度出来上がったところで部屋に置き、日に何度となく作品を見ては、「これでいいのかな」「名はどこに入れるか」と自問自答を繰り返した。震える手でようやく印を入れたのは今年4月だった。
「題が描いたイメージにぴったり合うかどうかが難しい」。頭を悩ませ、かもし出す、訴えるものがある「気」という字にこだわり、「映峰気韻」と決めた。
墨絵歴は3年目。「本当に入ったばかりで、墨をかじったというだけ。奥の深い世界でまだ何もわからないけど、教室で冗談を言いながら、楽しく気の向くままに描いていますよ」。
若いころから筆を持つのが好きで、「心を落ち着かせるために」書をやっていた。教職のかたわら通信教育で学び、雅号は「渓石」。教授号も取った。
「色は強烈すぎてごまかされる。怖い。私には白黒が魅力がある」
いつか白黒の絵を描いてみようと思っていた。退職後、娘夫婦から贈られた墨絵の道具。「私の気持ちをわかっていてくれたようで、うれしかった」。
日本墨絵会の中山玉駒さんが指導する日影公民館の水墨画教室に通い始め、書の雅号で描いている。日本墨絵展に初出品した昨年は、「深山湧雲」(10号)で奨励賞を受賞した。
教室では花も風景も描くが、個人的には山を題材にすることが多い。
「山が呼ぶんですよ。雪が降ると特にきれいでね」
カメラを持って忙しく飛び歩く日々。中央アルプスは何回も訪れ、先月は北アルプスにも出かけた。雲間から光が差す瞬間を追って何度もカメラを向けた。「スケッチする間はない。しょっちゅう見て歩くから忙しいからね」。
頭の中は「こんな山が描けたらいい」「この花が描けたら」と墨絵のことばかり。「墨で色の変化が出てこないといけないというが、難しい。大変ですよ」。しっかり描き込む部分と、そうでない部分を描き分けることも課題という。
「ゴォーッと滝の音が響いてくるような絵、雲間から飛び込む光線…音や光を描くのが理想。でも無理だなぁ」。理想を追い求め、筆を持つ。(村上裕子) -
宮田中で交通安全教室
宮田村の宮田中学校は5日、交通安全教室を開いた。駒ヶ根署員の指導で、自転車の事故防止について全校生徒が理解を深めた。
同中は自転車通学禁止だが、休日の部活動のための通学や課外の活動については許可している。
同中生徒の事故は近年ないが、全国的に生徒が関わる自転車事故が多発しており、交通ルールを見直す機会として教室を開いた。
自転車の正しい乗り方、発生しやすい事故などを解説したビデオを鑑賞。駒ヶ根署の渋谷保人交通課長が引き続き講話した。
よそ見や携帯電話のながら運転などが大事故につながると指摘。「自転車には免許がなく、安易に乗っているのが現状だが、交通ルールを守って歩行者を保護する運転を心がけて」と呼びかけた。 -
古流松應会伊那支部がいけばな展
古流松應会伊那支部(大石理峯支部長)の「第21回いけばな展」が9日から、伊那市通り町のニシザワデパート4階で始まった。「水辺の花」をテーマにした作品がそろい、初日から多くの女性らが訪れた。12日まで。
2年に1回開く作品発表で、今回は発足40周年の節目を迎えた。伊那市を中心に、上伊那の会員約100人が1点ずつ出展し、前期・後期に分けて作品(一部除く)を入れ替える。
流儀にのっとった古典花と独自の発想による現代花があり、カキツバタ、スイレンなどを生けた、みずみずしい作品が並ぶ。石を敷き詰めた空間にはヤナギの大木を使い、ツツジなどを生けて山の景色を表現、サラシホウキで滝をイメージした合作もある。
また、小学生を対象に、月2回開いている「こどもいけばな教室」の招待席にはアルストロメリアやヒマワリ、ユリなどを題材にした50点も展示。
大石支部長は「大作が多く、40年の成果を見ていただきたい」と話した。
開催時間は午前10時縲恁゚後5時。 -
駒ケ根で信州現代抽象画展
駒ケ根市の駒ケ根高原美術館で「06信州現代抽象画展」が7月18日まで開かれている。県にゆかりの作家でつくる信州現代抽象画会の会員17人が油彩、版画、立体などの作品約40点を展示。個性豊かな表現を競っている。
出展作家は次の皆さん。
天野惣平、碓井伍一、荻久保春雄、加々美豊、白木總一、須藤幹子、高山正弘、滝澤一男、鳥羽佐和、鳥羽賢郎、能勢伸子、林政人、藤澤幸雄、降旗和子、桝田千秋、森本啓子、両角十志男
入館料大人1千円、大・高校生800円、小・中学生500円(土曜日無料)。午前9時縲恁゚後5時30分。会期中無休。問い合わせは同館(TEL83・5100)へ。 -
祇園祭の華、阿波踊り練習開始
来月15日に迫った宮田村津島神社の祇園祭宵祭りにむけて7日夜、「阿波踊り信州みやだ連」(北原健一連長)の練習が始まった。あばれみこしが有名な勇壮の祭りに、華を添えること18年目。新たなメンバーも加わり、老若男女問わず村内の踊り好き50人以上が今年も参加する。
軽快なステップ、指さばきに磨きをかけようと、練習初日にも関わらずハード。何度も繰り返し踊った。
小中学生から60、70代と年齢層も多彩。村内企業で働く外国人企業研修生も踊りたいと参加するなど、例年以上の盛りあがりもみせている。
小木曽広子副連長らは「関心を持ってくれてうれしい。みんなで楽しく踊りたい」と話す。
「みこしだけでなく、もっとみんなが参加できる祇園祭にしたい」と当時の村商工会有志が阿波踊りに着目。
踊りを地域活性にも役立てている東京・高円寺まで足を運び、レクチャーを受けたのがきっかけになった。
以来、激しさの中にも繊細さがある阿波踊りは祇園祭の華。今年の祭りにも高円寺から30人ほど招く予定で、夕方から中心商店街を2時間ほど練り歩く。
新たなメンバーも募集中。練習は毎週水曜日に村武道館で行い、祭り近くは土曜日も。問い合わせは小木曽さん85・2609まで。