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農林中金がペレットストーブ宮田中に寄贈
農林中央金庫関東業務部は19日、社会貢献活動の一環として宮田村宮田中学校にペレットストーブ1台を寄贈した。同校はさっそく図書館に設置。ぬくもりある炎が子どもたちの学習意欲も温める。
2004年度から農林中金は県内の公共施設にペレットストーブを寄贈しているが、主に北信が中心。15件目の宮田中が、南信地域では初めてとなった。
同校を訪れた竹内徳良関東業務部副部長は「間伐材の活用にもつながり、子どもたちの環境教育の一助になれば」とあいさつ。
新井洋一教育長は「子どもたちの生きた教材になる。大切に使わせて頂きます」と感謝した。
本年度宮田中を含め飯山市、飯綱町、信州新町に寄贈した4台は、いずれも宮田村の近藤鉄工社製が納入されている。 -
リンゴの木オーナー収穫祭
農家と栽培契約を結んでいるリンゴの木オーナーらの収穫祭が18日、中川村で開かれた。約200家族・1100人のオーナーらが関東や中京方面などからバスやマイカーで訪れ、色づいた実がたわわに実ったリンゴ園で「うわあ大きい」、「おいしそう」などと歓声を上げながら大きな実を次々にもぎ取った=写真。時折小雨の降る肌寒い天候となったが、オーナーらは収穫したリンゴを笑顔で段ボール箱に詰めながら「帰って食べるのが待ち遠しい」などと話し合っていた。丹精込めてリンゴを育てた園主らは「今年は天候がよかったせいか、色づきがよくて数も多い。評判が良くてうれしい」と話していた。
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宮田村のリンゴオーナー収獲祭、中京圏から約2千人
リンゴオーナーの収獲祭が17、18日に宮田村で行われている。中京圏などからオーナー家族約2千人が来村し、契約する村内約30の園地に分かれてもぎ取り体験を満喫。今年は病虫害や台風の影響も少なく作柄も良好で、真っ赤なたわわな実に歓声があがった。
駒ケ原の嶋田譲治さんの農園は約40家族を受け入れ。
宮田村は初めてという名古屋市港区の平松孝さん一家は6人で訪れ、子どもたちが楽しげに収獲した。
「買ってくるのではなく、成っているリンゴを子どもたちに見せたいと思って。1本の木を丸ごと収獲できるのも良いですね」と平松さんは話した。
村内のリンゴは昨年、カメムシ被害もあり不作傾向だったが、今年は天候などにも恵まれて数年ぶりの豊作に恵まれている。 -
上伊那のいちご園関係者が蜂(はち)供養
受粉作業でお世話になり、一生を終えたミツバチたちを供養しよう竏窒ニ、上伊那にあるいちご園9施設の生産者約20人と伊那市の養蜂(ようほう)家が16日、伊那市西箕輪の仲仙寺で蜂(はち)供養をした。
小松養蜂園(伊那市御園)の園主である小松実治さん(75)宅では、以前からこの蜂供養を行い、ハチへの感謝の気持ちを表してきた。そんな中10年ほど前からは、ハチの巣箱を提供している上伊那地区のいちご園生産者にも呼びかけ、一緒に蜂供養をしている。
いちご園では受粉を行うためにハチを利用しているが、1ハウスには1、2箱の巣箱が置かれ、約1万6千匹のミツバチが受粉作業を手助けする。上伊那地区で用いられるハチの数は通算300万匹にもおよぶという。
今年も12月から受粉が始まる伊那市西箕輪のみはらしいちご園の泉沢勝人組合長(65)は「ハチがいなかったらイチゴはならない。ハチのお陰でイチゴが生産できる」と話し、祭壇に置かれたハチの写真に焼香をしていた。 -
ごまプロジェクト試験結果検討会
市の新たな特産品を目指してゴマの栽培実証試験に5月から取り組んでいた駒ケ根市営農センター(会長・中原正純市長)は15日、試験結果の報告・検討会を東伊那の農林業体験施設「駒ケ根ふるさとの家」で開いた。JAなどの農業関係者と市職員ら約20人が参加し、結果の詳細な報告を聞いたほか、ごまの試食も行った=写真。
試食用のごまは3種類。駒ケ根産(黒)と、比較用の鹿児島県喜界島産(白)、ミャンマー産(黒)が用意された。参加者は地元産のごまについて「思ったより香りが良い」「これならいけるかもしれないな」などと話し合い、将来の地域ブランドに手応えを感じている様子だった。
報告では駒ケ根市に適したゴマを探すため7種類のゴマを栽培して比較した結果や、収穫量などを調べるために種まきの時期や栽植密度などの条件を変えて栽培した結果が発表された。課題として3年連作で障害が出る可能性があることや、湿害に弱いことなども報告された。
プロジェクトは、市内のごま加工会社豊年屋が自社製品に地元産のゴマを使おうと、市に栽培を持ち掛けたことからスタートした。市営農センターは今後、市内の各営農組合を通じて農家に栽培を勧める一方で、希望者には栽培講習会を開いたり種子の配布をするなどしてゴマの普及に努めていく考え。 -
米粉おやきとともに地域の伝統を伝える
伊那市西箕輪
西箕輪米加工グループ「おやき」は、長野県を代表する郷土食の一つ。米の貴重な時代の代用食だった小麦粉で作った皮が主流だ。しかしこの上伊那では、昔から米粉を使ったおやきが作られてきたことを知っているだろうか竏秩B
「きっとこの地域はほかの地域に比べれば米がよく取れたのだと思う。それでも私らの小さい時は、米粉のおやきは恵比寿講のごちそうだった」。メンバーは懐かしむ。
◇ ◇
活動の発端となったのは西箕輪地区の農家女性でつくる生活改善グループ。当時からイベントに合わせておやきを作るなどしていたが、みはらしファームができたことをきっかけに集まった有志で米加工を始めた。
主力商品は地域の伝統食である米粉のおやきと五平もちだ。
「生活改善グループのころから『地域の味を継承したい』って思っていたから、やっぱりおやきと五平もちを作ろうってなってね」
程よい甘さの手づくりあんは米粉の皮との相性が良く、素朴な味。懐かしいね竏秩Bおやきを手にする客からはそんな声がもれる。
「おいしかったって声をかけてもらったり、手紙をもらったりするのはやっぱり嬉しいね」と笑顔を見せる。
◇ ◇
それでも、商品として販売できるようにするまでには試行錯誤があった。伝統的な作り方は生の皮にあんを包み、ゆでるというもの。しかし、これだと皮がすぐに固くなってしまい、ゆでている最中にあんが飛び散ることもあった。
商品として販売できる形にするにはどうしたらよいか竏秩B工夫を重ねる中で、皮を一度ゆで、それを練り直す方法に切り替えた。すると、皮が固くなりにくくなり、あんが出ることもなくなった。 -
東保育園児がリンゴ収獲体験
宮田村大久保区の藤川猛さん(67)は15日、東保育園の年少から年長までの園児約100人を自身のリンゴ農園に招き、収獲体験をさせた。「リンゴの美味しさを幼い頃から知ってほしい」と協力。大きな赤い実をもぎ取る子どもたちの笑顔が広がった。
「リンゴはみんな好きかな。どんどん食べてね」と藤川さん。もぎとりの方法を教えてもらった園児たちはさっそく、時期を迎えた「ふじ」を収獲した。
「いっぱいあるね」「どれにしよう」。美味しそうなリンゴを自分で選ぶ子どもたち。
一人3個も収獲し、持ってきたカバンの中に大切に入れた。
「今年初めてだったが、やってみて良かったねぇ。リンゴをたくさん食べてもらえれば」と藤川さんは目を細めていた。 -
公民館子育て学級、自ら植えたさつまいもを焼きイモに
宮田村公民館子育て学級は8日、焼きイモを新田区のふれあい広場周辺で楽しんだ。今年は参加親子が、自ら植えて育ったサツマイモ。格別な味に・スホクホク・ス笑顔が広がった。
同学級は今年度サツマイモの植え付けに挑戦。地域有志や村公民館「われら、かかし隊」の協力もあり、すくすくと育った。
この日は、一個づつ丁寧に新聞紙に包み焼きイモに。1時間ほどでホクホクに焼きあがり、紅葉広がる園内で味わった。
「おいしいね。買ってきたみたい」など歓声も。子どもたちもパクリとたいらげていた。 -
壮連と村理事者の懇談会
宮田村の若手農業者でつくる壮年連盟(木下祐二委員長)は9日、清水靖夫村長ら村理事者との懇談会をJA宮田支所で開いた。農業問題を含め村の課題などについて意見を交わした。
木下委員長は、生産者価格の下落、原油高などが農業経営を圧迫していると指摘。国の施策についても不安感を強く示し、担い手不足などの現状を訴えた。
人口1万人構想について聞かれた清水村長は、農地保護の観点も考慮に入れたうえで面的な宅地開発も行いたい意向を示し、理解を求めた。
農地管理の地図情報システムや旧養魚場問題、さらに村の財政見通しまで話題を広げ、懇親を深めた。 -
宮田村の果汁100%ジュース近く発売
今秋収獲した山ぶどうを配合した宮田村の特産品種ヤマソービニオンを用いた果汁100%ジュースが完成し今月中旬、同村新田区の本坊酒造信州工場売店のほか、周辺の取り扱い酒販店で発売を開始する。
同品種を醸造して12月に発売する新酒の赤ワインに先駆けての発売。ラベルは従来のものを一新し、ワインと同じ銘柄である「紫輝」を強く打ち出した。
濃厚な味わいが気軽に楽しめるが、毎年売りきれ必至の人気商品。価格は5百ミリリットル入りボトル1050円で1800本余りを出荷する。 -
伊那市農業委員会が農業施策に関する建議書を提出
伊那市農業委員会(北原孝治会長)は8日、農業施策に関する建議書を伊那市に提出した=写真。
要望事項は▽農地保全と有効利用▽担い手の育成と後継者対策▽有害鳥獣対策▽地産地消と食育竏窒フ4つ。
具体的には、認定農業者や集落営農組織の利用集積促進を目的とした基盤整備未実施地区の解消や、有害鳥対策、農地保全を目的とした緩衝帯の設置、捕獲した有害鳥獣の処理施設の充実などを求めている。また、国の新たな政策に伴ない各地区ごとに組織化した集落営農組織については、今後、4年以内に法人化することが求められているが、任意組織である現状を見ても、採算の取れる法人となるには厳しい状況にあり、情報提供やアドバイスを行うサポート体制の充実、集落営農組織が農業施設などの財産を所有した場合にかかる固定資産税などの免税措置の検討を求めた。
小坂樫男市長は「年々厳しくなる農業情勢の中、委員のみなさんも苦慮されていると思う。みなさんの要望にはなかなかお応えできないと思うが、農業者の意欲が失われないようにしていきたいと思う」と語った。 -
信大で14日から学生らの育てたシクラメンを販売
南箕輪村の信州大学農学部は14日から、学生らの育てたシクラメン、20種約2千鉢の販売を開始する。販売開始を前にハウスの中ではシクラメンが美しく咲きそろい、学生らが作業に追われている=写真。
同学部は教育実習の一環として学生らが生産している農産物を販売しており、シクラメンの販売は3年目。
今年は新たに、花や葉のフリンジが美しい「メルヘンミックス」や花びらの周囲に白い縁取りがある「パープルホワイトフリル」など5種類を加えたほか、従来の一般的な品種も栽培。品質は平年並みだが、花の数は例年よりも多めだという。
同学部のシクラメンは鉢に元肥を入れているのが特徴。水だけでも日持ちするため人気もあり、昨年も初回で540鉢が売れてしまったという。
シクラメンを育てている食料生産科学科の4年生、宇南山聡美さん(23)は「一つひとつ同じように見えても違うので、実際に見にきて、購入していただけたら」と話していた。
価格は花のサイズが小さいミニが千円、普通の大きさのものが1200円。販売日時は毎週水曜と木曜の午前9時縲恁゚後4時。期間はクリスマスまでだが、なくなり次第終了となる。
問い合わせは信州大学農学部(TEL77・1318)へ。 -
駒ケ根市農業委員会が建議
駒ケ根市農業委員会(清水千博会長)は6日、市役所を訪れ、中原正純市長に「市農林業施策に関する建議」を手渡した=写真。清水会長は「08年度予算編成に当たり、足腰の強い農林業の構築に向けて建議の内容を市の施策に反映させてほしい」と訴えた。1月限りでの退任を決めている中原市長は「新市長に引き継げるよう整理し、来年度予算に反映できるよう最善の努力をしたい」と述べた。
建議は(1)農業施策(2)農業環境施策(3)担い手の確保・育成(4)中山間地域における農業施策(5)林業施策竏窒フほか、国・県に対する要望などを盛り込んでいる。主な項目として▽地産地消の要望に応えられる販路拡大のための総合施設の設置▽特産品の開発・導入▽有害鳥獣対策の検討▽農村女性の活動支援竏窒ネどを挙げている。有害鳥獣対策について中原市長は「重点的に支援を検討している」と述べた。 -
年末年始 魚類は全体的に1割弱高め
伊那市西春近の食品卸売会社、丸水長野県水伊那営業部で7日、年末年始の商品見本市があった。ガソリン高騰の影響が魚類にも顕著に表れ、全体的に1割弱高めとなる。
ガソリン高騰で、漁船にかかる費用も大きく、中には2割高のものもある。
天然ブリは、例年に比べて水温が高いため、北海道や青森県で大型サイズがまとまって水揚げされていない。今月末から来月にかけ、佐渡など日本海岸での水揚げに期待する状況で、価格はまだ未定。
人気のあるタラバガニはロシアを中心に不作で、高め。
見本市の特設会場にはサケ、ブリ、タコ、イカ、イクラ、数の子、伊達巻…と鮮魚、塩干、おせち材料など千点がそろった。
上伊那を中心に、中卸業者、小売業、一部料理店などの関係者が訪れ、価格を聞いたり、サンプル品を試食をしたりしながら品定めした。
年末年始の商品は、クリスマス商戦が終わった25日ごろから店頭に並び始める。 -
郷愁呼ぶ柿のれん
市田柿の産地、中川村で民家の軒先や簡易ハウスで、柿のれんが深まりゆく秋を告げている。
村内大草の安富広治さん(81)は4アールで20本を栽培、25日からへたが黄色になった物から収穫し、自動柿むき機で柿むきを始めた。
むいた柿はひもで吊るし、簡易ハウスで約2週間乾かし、ひもから外し、ほぞを切り、棚に並べて、しっかりと干して、こが吹くと出来上がり。
安富さんは「今年はなりも良く、大きさも手ごろ。値段の高いうちに出荷したい」と話していた。 -
育てた大豆で子どもたちの味噌完成
5年生の時に栽培した大豆を使って、半年以上かけて味噌に仕込んだ宮田村宮田小学校6年2組。30キロの大豆から90キロもの美味しい味噌が完成した。ただ栽培するだけでなく、昔ながらの加工を体験してきた子どもたち。苦労して得た素朴な味に、さまざまな想いをめぐらせた。
2月に仕込んでから9ヵ月。木とプラスチックの樽2種類に分けて熟成させておいた味噌と・ス対面・スし、「豆の香りがする」と歓声をあげた。
樽によって味噌の色が違うことに気付いた児童も。
栽培時から協力した酒井昌子さん=大田切区=は「木の樽は気温の変化に対応する。その辺りで色も違うんじゃないかな」と、子どもたちに話した。
さっそく取り出し、各自が家に持ち帰るため袋詰めに。
樽出しホヤホヤの味噌をキュウリにつけて試食もした。
「おいしい。豆の味だ」と、奥深い味わいに浸る姿も。
酒井さんと一緒に指導した有賀絹代さん=北割区=は「買ってくるのは簡単なこと。それだけに自分で作ってみるのは、良い体験になったはず」と目を細めた。
近く全校の給食食材としても提供。児童個々に味噌を使った料理を研究し、調理実習なども予定している。 -
JA上伊那のフォトコンテストで伊那市の北原はるみさんが最優秀賞
上伊那農業協同組合(JA上伊那)によるJA上伊那フォトコンテスト2007の審査会が5日、伊那市狐島の本所であった。今年のテーマ「上伊那の“農”と“暮らし”」を題材とした作品75点の中から、野沢菜を収穫する女性の表情をとらえた伊那市富県の北原はるみさん(50)の作品「70年間の思い 我家の味はここから」=写真=を最優秀賞に選んだ。
上伊那の農や人々の営みを題材とした写真を募るコンテストで12年目。今年は7月から10月末まで作品を募集したところ、41人から作品が寄せられ、県外からの応募もあった。
審査には、宮田村出身のプロカメラマン・唐木孝治さん(高森町)をはじめ、JA上伊那の役職員など20人が参加。撮り手の思いが伝わってくるかなどといった点から作品を選出した結果、透過する光で鮮やかに写し出された菜と、収穫する表情豊かな女性の姿が印象的な北原さんの作品が最優秀賞となった。
唐木審査委員長は「今年は全体的にレベルが高く、優劣つけ難い作品が多かった。コンテストのレベルも年々上がっているが、最優秀賞の作品は女性のしぐさもマッチしている」と講評した。
入賞者は10日のJA上伊那まつりで表彰するほか、当日は応募全作品を本所に展示する。入賞作品は来年1月のJA上伊那の広報誌に掲載する。
入賞者は次のみなさん。
◇最優秀賞=北原はるみ(伊那市)
◇優秀賞=小林紀一(飯島町)ドリチュラー・ブライアン(飯島町)
◇佳作=井口真吾(駒ケ根市)久保村由人(伊那市)宮沢信(中川村)
◇入選=野溝文武(伊那市)平沢善博(宮田村)原鳳兵(飯島町)向山世男(箕輪町)
◇努力賞=酒井芳郎(箕輪町) -
宮田小3年2組が収獲祭、大地の恵みに働く意味感じつつ
トマトを栽培し市販ジュース用として出荷も体験した宮田村宮田小学校3年2組は2日、収獲祭「ありがとうトマトの会」を開いた。自分たちの手で育てたトマトを調理し、ミートソーススパゲッティとジュースに。世話になった地域の人も招いて会食し、農家の苦労と大地の恵みに感謝した。
大手飲料メーカーが市販するトマトジュースの原料用として生産し、ただ単に栽培するだけでなく、厳しい品質管理も味わった同学級。
夏の出荷終了後は、トマトを使った料理にも挑戦。家庭などでも各自つくってみながら、この日はジュースとミートソースを手料理した。
口のなかに甘酸っぱい香りが広がる濃厚なジュース。ひき肉、にんにくなどを混ぜてミートソースも上質な味に仕上がり、みんなで舌鼓を打った。
「僕たちは今まで普通に食べていたけど、農家の人たちは本当に大変なんだと感じた」と池田拓郎君が学級を代表して作文も発表。
出荷して収入も得たが、労力や資材原料などを考えると、いかに農家の人たちが努力しているか考えを広げた子どもたち。
数字では計り知れない働くことの意義、大切さも垣間見ながら、今後もこの体験を生かして学習を進めていく。 -
伊那谷うまいもん市開催
上下伊那の郷土料理や農産加工品が一堂につどう「伊那谷うまいもん市」が3、4日、伊那市のアピタ伊那店の1階で開かれている。おやきや漬け物、地元の新鮮な野菜で作ったジャムや食の安心・安全を考えたお菓子などがずらりと並び、訪れた人たちを楽しませている=写真。
同イベントは特色あるふるさと産品の研究や農産加工品の販売に取り組む女性グループでつくる「のうさん味ネット上伊那」によるもので、それぞれの農産加工品を紹介したり互いに情報交換するとともに、消費者の声を直接聞く機会としている。また、昨年に続き、下伊那で活動する南信州特産加工開発連合会も協力し、「小池手づくり農産加工所」(喬木村)、「農産加工所ふるた」(飯田市)が参加。上伊那でも、昨年は出店していなかった「さっちゃんの漬け物」(南箕輪村)と「食の安全支援隊」(中川村)が出店した。
「食の安全支援隊」は普段、薬剤、抗生物質などを一切与えずに放し飼いで地鶏を育て、その肉や卵などを販売しているが、今回はその卵を使ったシフォンケーキやプリンなどを販売。家族連れなどの人気を集めていた。
山崎美代子代表は「今は添加物の入らないものを求める消費者も多い。消費者もしっかりと考えながら、食の安心・安全に取り組んでいただければ」と話していた。
4日の開催時間は午前9時縲恁゚後6時。500円以上の購入者には米や参加団体の農産加工品が当たる宝もちづかみもできる。 -
リンゴの巨木、今年もたわわに
駒ケ根市中沢吉瀬の片桐義明さんの果樹園ではふじリンゴの巨木も今年もたわわに実った。
樹高4・5メートル、枝張りは東西、南北約15メートル、幹の直径は55センチとまれに見る巨木。
戦後まもなく、リンゴが病人食、貴重品であった頃、約3メートルの紅玉の苗木を宮田村の親せきからもらい受け、リヤカーで運んで、植栽した。その後、「ふじ」を接ぎ木し、今では1本で、600キロほど収穫できるとか。
片桐さんは「木が古いため、味は特別いいように思う」と話す。 -
駒ケ根秋香会菊花まつり
駒ケ根秋香会(本間秋男会長)は第47回菊花まつりを4日まで駒ケ根市の三和森クラブ広場で開いている。3本立、ダルマ、福助、懸崖、盆栽、特作花壇など、会員らが丹精込めた作品約800点が展示されている=写真。3日には野だての茶も振る舞われる。入場無料。
31日には開会式が同会場で開かれた。赤穂南小学校5年1組の児童ら約30人が太鼓の演奏を勇壮に披露し、まつりに花を添えた。本間会長は「菊花展も歴史を重ねて47回目。皆さんの協力に感謝する」とあいさつした。
菊花展入賞者は次の皆さん。
▽県知事賞=飯塚礼子▽駒ケ根市長賞=北原・ス一▽同市議会議長賞=松崎和男▽駒ケ根商工会議所会頭賞=飯塚礼子▽駒ケ根市教育長賞=北原康平▽全菊連会長賞=飯塚礼子▽町部自治会長賞=大木島富雄▽秋香会会長賞=北原康平▽伊那毎日新聞社賞=田中勝美▽信濃毎日新聞社賞=大木島富雄▽中日新聞社賞=北原康平▽読売新聞社賞=塩澤春夫▽長野日報社賞=北原康平▽大中屋賞=中西利幸▽長生社賞=唐沢雅雄羽場一雄▽秋香会賞=小原文男▽池上賞=松崎和男▽しらかば賞=北原・ス一▽米沢賞=北原康平▽克水賞=唐沢雅雄▽MANABU賞=本間秋男▽サンケイ技研賞=塩澤春夫▽新世紀賞=松崎和男▽有賀芳郎賞=飯塚礼子▽ビーナイン賞=北原・ス一 -
上伊那地区野生鳥獣保護管理対策協議会が広域連携に向けた組織改編
県や市町村、猟友会などでつくる上伊那地区野生鳥獣保護管理対策協議会が31日、伊那市の県伊那合同庁舎であった。情報を共有する中で広域連携を図り、実効性のある農林業被害対策を打ち出していくことを目的として組織改編を行ったほか、本年度のニホンジカの個体数調整加減目標を1240頭とした。
同協議会は従来、ニホンジカなど特定鳥獣3種の被害対策を検討していた。しかし、拡大する農林業被害を軽減するためには、その他の鳥獣を含めた被害対策の必要性を認識。そこで、協議会の目的を「野生鳥獣に関する保護管理を適正かつ効果的に実施すること」とし、それぞれの被害情報を共有しながら広域的な連携を図っていくよう、規約を改定。また、従来のメンバーに上伊那地方事務所長、信州大学農学部教員、県の農業、環境、商工観光関係担当者を新たに加え、宮坂正巳上伊那地方事務所長を会長とした。
ニホンジカについては、猟友会の協力を得て上伊那地区独自で実施している大量捕獲を本年度も12月から1月にかけて実施。高遠三義(伊那市高遠町)、三峰川上流(伊那市長谷)、小渋ダム周辺(中川村)の各鳥獣保護区で3回行い、合計200頭の捕獲を目指す。 -
宮田小5、6組がとうふ工房見学
宮田村宮田小学校特別支援学級5、6組の児童8人は29日、豆腐製品を生産販売している町三区の「宮田とうふ工房」を訪れ社会見学した。地元産の大豆を用いて安全安心を心がけている製造現場にふれ、食の大切さも含め地域の豊かさについて幅広く学んだ。
減反政策とからめて宮田村の農業を学習する同学級。村内に大豆畑があることに気付いた児童は「どうしてあるんだろう」と疑問をふくらませた。
調査していくと、村内に豆腐を作っている工場があることを知り、さっそく見学させてもらうことに。
次々とつくられる豆腐に目を凝らす子どもたち。おからを利用したドーナツの製造現場にもふれ、毎日休まず早朝から作り続ける苦労も肌で感じた。
豆腐をつくるようになったきっかけや製品がどこまで出荷されているかなど、質問する場面も。
同工房総務の赤羽幸男さんは「今年で11年目ですが、その以前に宮田村には豆腐屋さんがなかった。皆さんに安心して食べてもらおうと、地元の大豆を使おうと始まったんです」と答えた。
豆腐やドーナツの試食もあり「豆の味がすごいする」と歓声も。
今後、この豆腐を使って調理実習も計画しており、学習は広がりをみせている。 -
かかし隊が昔ながらに脱穀
農産物の栽培を通じてさまざまな挑戦をする宮田村公民館の親子体験講座「われら、かかし隊」は28日、先日収穫した稲を今は珍しくなった足踏み機を用いて脱穀した。約30人の親子が昔ながらの農作業で汗を流し、貴重な体験に笑顔がこぼれた。
中越区の小田切武人さんが懐かしい足踏み脱穀機を提供して持ち込み、かかし隊を支える川手友幸さん=駒ケ原=、加藤政義さん=河原町=、田中一男さん=大田切区=が親子に指南した。
最初は二の足を踏んでいた子どももいたが、やってみるとその楽しさに歓声も。農家の苦労にも想いを馳せながら、6月から行った稲作体験を締めくくった。 -
農村ネットワークいなの「地産地消セミナー」で米粉のおやきづくりに挑戦
伊那市内で活動する農村女性グループでつくる「農村ネットワークいな」(溝上かつ子代表)の「地産地消セミナー」が30日、伊那市駅前ビル「いなっせ」であった。一般参加者約20人が集まる中、上伊那地域の郷土食である米粉を使ったおやきづくりに挑戦した=写真。
現在「農村ネットワークいな」には、農産物の加工、販売に携わる「西箕輪米加工グループ」と花き、野菜などの直売所を運営する「あいの会」が所属しており、安心・安全な食の提供、地元食材を使った郷土食の伝承などといった取り組みをしている。
今回は11月を前に、昔から恵比寿講の時に地元で作られてきた郷土食、米粉を使ったおやきづくりに挑戦。熱湯で米粉を練って皮を作り、小豆入りの丸いおやきをフライパンで焼き上げたほか、あんこの煮方やうるち米ともち米でつくる黒豆ご飯の作り方なども伝授した。
この日参加した原田とみ子さん(58)=美篶=は「小麦粉でナスのおやきなどを作ってはいたが、米粉のおやきは初めて。思ったより簡単。孫とも約束しているので中の具材をいろいろ変えて作ってみたい」と語った。
また、溝上代表は「恵比寿講という伝統行事のことを学ぶとともに、それに合わせて自分たちでも簡単におやきが作れるんだということを知ってもらえれば」と話していた。
12月には赤飯、五目おこわのふかし方をテーマとした第2回セミナーを予定している。 -
ソバ収獲昔ながらに手作業で宮田小6年2組
宮田村宮田小学校6年2組は29日、学校近くの畑で育てたソバを収獲した。昔ながらに脱穀まで手作業。実りの秋を肌で味わいながら、今後はソバを用いて多彩な挑戦をしようと、アイデアをふくらませている。
村農業委員会の協力を受け、昨年の大豆栽培から続く体験学習。子どもたちは7月に種まきし、草刈りなど定期的に管理してきた。
この日は、実が落ちないよう赤身も帯びたソバの茎を丁寧に刈り取り、木の棒でたたいて脱穀。根気の要る作業だったが、仲間と一緒に黙々と励んだ。
粉に挽いてそば打ちなどを計画するが、「そばでポップコーンを作れるみたい」「そばでクレープにも挑戦したい」「そばがらで枕も」とアイデアは次々と浮かんでいる。 -
健康な里山目指し 西春近でセミナー
伊那市の西春近自治協議会や区長会などは28日、同地区小出3区の白沢沢周辺山林で災害に強く、獣害を減らすための山づくりを考える「里山セミナー」を開いた。地域住民ら約60人が参加し、信州大学農学部(南箕輪村)の研究者と一緒に山林を歩きながら現状を把握し、「健康な山」をつくるための助言を受けた。
昨年7月の豪雨災害を契機に手が入らず荒れてる里山に目を向けるためのセミナーで3回目。これまでに被災地の前沢川を見学していて、この日は信大田園環境工学研究会の木村和弘教授(農山村環境学)ら4人が講師を務め、土石流危険渓流の白沢沢の砂防ダム建設地と市有林の犬田切林道沿いの2カ所を現地見学した。
砂防ダム建設地では山地環境保全学専門の岡野哲郎教授が現存する森林を利用した災害対策などを説明。「間伐などの木材の質を上げるための林業の仕事が対策につながる」とし、地面の日当たりを良くすることで周囲に下草などが生え、土砂流出を抑えることができると話した。
そのほか、獣害対策としてイノシシやサルなどが住みやすいやぶを里山には作らないことなどの助言があった。
現場では樹種や所有者を記した図面を配布。木村教授は「現地でただ森林を眺めるだけでなく、防災マップなどさまざまな図面を重ね合わせ、一つの視点だけでなく里山づくりを考える必要がある」などと指摘した。
西春近自治協議会の橋爪俊夫会長は「長い目で見た山づくりを考えていきたい」とし、来年もセミナーを実施する予定。次回は間伐材の有効利用の方法について学びたいと考えている。 -
信大で11月2日に国際シンポジウム「持続的農業と環境:アジアネットワーク」開催
南箕輪村の信州大学農学部は11月2日、国際シンポジウム2007「持続的農業と環境:アジアネットワーク」を開催する。
世界人口が66億人を超え、さらに増加する中、化石燃料の大量消費、森林の消失などに伴なう温暖化、異常気象などが地球規模で発生し大きな変化を引き起こしている。これらの人口を養う食料の確保と、それと調和した農業の確立は緊急の課題であるため、今回は「農業と環境の調和をめざして」をテーマにかかげ、各国の農業事情について学ぶほか、今後の研究活動や人材教育などの面で協力し合う「アジアネットワーク」の構築を目指す内容とした。
「アジアにおける農業と生物資源」をテーマとする第1部では、東南アジア文相機構(インドネシア)のスロノ博士がインドネシアにおける生物多様性からみる「潜在的機能性食品としての微生物および薬草」について、フィリピン大学のモンサルッド博士がフィリピンにおける事例から「持続的作物生産への微生物開発利用」を発表。また、尚志大学(韓国)の郭泰淳教授は「韓国におけるイネ遺伝資源の重要性とイネの育種と栽培の現状について」、バングラデシュ農業大学のコンドカル教授は「バングラデシュにおける動物多様性保護のための生物工学的アプローチ」について言及する。
「アジアにおける農業と環境負荷」がテーマの第2部では、中国華南熱帯農業大学の楊重法教授が熱帯水田におけるメタン発生から「イネ栽培が大気に与える影響」をテーマに発表。信州大学の萩原素之教授は持続的で環境に優しい農業を目的とした「水稲栽培におけるリン酸施肥の減量」について発表する。また、チェンマイ大学(タイ)のスラムシリ准教授はタイ北部河川流域における研究開発の動向から「農薬使用と環境負荷の低減に向けて」と題して発表するほか、河南農業大学の楊喜田教授は「中国の景観劣化に対する森林の復元および自生植物とその多様性の回復」について言及する。
午前9時縲恁゚後5時(第1部は午前9時15分縲恁゚後12時半、第2部は午後1時半縲恁゚後4時45分)。当日の講演は英語で行われるが、日本語の通訳がつく。
問い合わせは信州大学農学部学務係(TEL77・1313)へ。 -
農作業する祖父の姿を作品に、宮田小6年唐澤君が全国優秀賞
農業で働く家族をテーマに約1200人の子どもたちから応募があった「第12回さなえ全国図画コンクール」で、宮田村宮田小学校6年の唐澤健太君(12)=河原町=が最優秀含め5点のみの優秀賞に見事輝いた。大好きな祖父が田植えしている様子を描いた力作。唐澤君の弟で同小3年の諒太君、同学年の橋爪優君も地区特別賞を受けた。
農業機械大手の井関農機が主催するコンクール。
健太くんの作品「じいちゃん毎年おいしいお米をありがとう」は地区審査を通過し、475点に絞られた全国審査でも最優秀に次ぐ高い評価を得た。
少年野球で忙しくなかなか農作業に立ち会えなかったが、いつも美味しいお米をつくってくれる祖父へ感謝の気持ちをこめて作品に。田んぼの色なども特に気を配って仕上げた。
「絵を書くのは微妙」と話し、今までに大きなコンクールの入選もないが、祖父を思いやるやさしさが全国に認められる作品となった。 -
信州花の里いいじまコスモス祭りが
伊那谷最大規模、200万本が咲く飯島町上の原のコスモス畑で20、21日、信州花の里いいじまコスモス祭りが開かれ、ミニコンサートや花の摘み取り、テント村などでにぎわっている。町・観光協会などでつくる実行委員会主催。
秋咲き大輪系を中心に、黄花、真紅など多彩な花が咲く4ヘクタールのほ場では、来場者は5本、10本と好みの花を摘み取ったり、駐車場特設ステージで繰り広げられる駒ケ根アルプホルンや飯島小学校合唱部、フルートアンサンブルなどの演奏に耳を傾け、餅つきを楽しみ、花の中でのどかな時を過ごしていた。
また、リンゴやナシ、野菜、花など農産物、五平もち、おやき、おこわなどの農産加工品が並ぶテント村では、1点2点と飯島町の特産品を買い求めていた。
21日もテント村で直売、飲食コーナー、駒ケ根アルプホルン、セントラル愛知交響楽団、飯島中学校吹奏楽部などの演奏のほか、県町村会主催の信州縦断元気なふるさと収穫祭めぐりもある。
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