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グリーンファームでキノコの入荷始まる
伊那市ますみヶ丘の産直市場グリーンファーム(小林史麿代表)に、早くも秋の味覚"キノコ"が入荷した=写真。
12日は、チチタケ10パック、コウタケ10パック、ハナビラタケ4パックが店頭に並んだ。
いため物やホイル焼きと相性がよいチチタケは、お盆の前後に発生する夏のキノコで、例年この時期に入荷する。
コウタケも、夏から秋が季節のキノコで、一度乾燥させてから調理すると、独特の香りが楽しめるため、人気が高い。この日も午前中に売りきれてしまった。
ハナビラタケが、この時期見られるのは珍しいという。マツタケと似た香りがあり、希少性が高いため「幻のキノコ」として珍重されてきた。体の免疫力を高めるβグルカンが大量に含まれているとして、現在注目されている健康食材でもある。 -
8月から伊那に赴任した県国際交流員
ジョアン・ゴーリーさん(22)「せっかくここに来たんだから、伊那や信州をすみずみまで体験して回りたいです」
流暢(りゅうちょう)な日本語で話す。透き通るような美しい青い眼だ。
県の国際交流員。各種イベントや語学指導を通じて地域における国際交流の促進を図る。多文化理解講座・その国の言葉で読む世界の絵本・世界の家庭料理など盛りだくさんの活動だ。
8月3日から伊那に。前任のブライアン・ロー氏に代わり、上伊那地方事務所を拠点に活動する。任期は1縲・年がめどで、まだ確定していない。
「着いた早々いろいろなことを体験させてもらったんですよ」
6日の伊那踊りでは合庁連のしんがりをハッピを着て歩いた。「踊り方がまったくわからないのに、引っ張り出されて、見ようみまねで体を動かしながら歩いただけですよ」と笑う。
名物ローメンも食した。「味にクセがある」けれど、「美味しかった」という。馬刺しも食べた。「母国では馬は食べ物ではないんですよ。だから、もうビックリ仰天。でも味はオッケー。好きになりそうです」と話す。
母国はニュージーランド。南島の40万人都市クライストチャーチ市に生まれて育った。日本人の留学生も多い環境で、15歳から日本語を学習。00年に愛知県岡崎市に留学し、英語学習の手伝いなどをした。03年には大学の交換プログラムで埼玉県越谷市の文教大学に1年間留学。「景色も、食べ物も、人柄も、日本が大好きなんです」という。
岡崎市や越谷市に比べて伊那市は「のんびりした感じ」。ニュージーランドものんびりしたところだが、それ以上の感覚を覚えるそうだ。「街がこじんまりとしていてかわいい。それにきれい。家族で経営している商店が多いみたいで、とてもフレンドリー」と印象を語る。
市内の官舎から通うが、最初、道がわからずうろうろしていると、通りすがりの人があれこれと道を教えてくれた。そんなことにいたく感激している。
県職員として働くわけだが、仕事の上では、時間に正確に仕事をすることと、上下関係がはっきりしていることに驚いているという。特に上下の関係で「日本語まで変わること」。
「英語では少し変るだけなんですけど、日本語の敬語は言い方まで大きく変わるでしょ。留学していた時には学生だったからあまり気にしなかったけど、今度は仕事ですからね。相手に失礼なことはできないですしね」
こんなところからじつは国際交流・異文化体験は始まるのかもしれない。
「やれることは何でもやってみたい」というジョアン。ニュージーランド育ちの若い視点で、伊那谷の人々にも「新しい発見」をもたらしてくれることだろう。 -
大施餓鬼(だいせがき)会
先祖の霊が帰るといわれるお盆を前に駒ケ根市の安楽寺で11日、恒例の大施餓鬼(だいせがき)会が営まれた。市内全域の檀家から約300人が本堂に集まり、僧侶の読経が響く中「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えながら手を合わせて焼香し、先祖の霊を慰めた=写真。法要を終えた参加者らは僧侶らがまいた散華(さんか)と呼ばれる仏の絵を描いた札や塔婆、小旗などをそれぞれ大切そうに抱えて家路についた。
施餓鬼は地獄で苦しむ餓鬼に施しをするための法要だが、人への思いやりや先祖ヘの感謝の気持ちを忘れないよう、お盆に合わせたこの時期に行われることが多い。 -
三峰川を知るためのサイクリング・ツアー
サイクリングをしながら暮らしを支える三峰川を知ろう窶狽ニ12日、三峰川みらい会議は「三峰川サイクリングツアー」を開いた。
アレチウリ駆除や自然学校など、三峰川に関する活動に取り組んできた同グループだが「原点に戻り水について学ぼう」と、流域住民や夏休み中の小学生などを対象に、ツアーを企画。約20人が集まった。
コースは伊那市役所からスタートし、三峰川沿いを上流、高遠方面に向かって進むもの。途中、流入河川の水質検査も行った。
pHや透明度などの調査には、子どもたちも挑戦。意外にも上流の方が透明度が低い結果となったのは、前日に降った雨の影響だという。
今回は雨のため、予定の半分しか回れなかったが、普段あまり見る機会がない三峰川に触れた子どもたちは、その面白さを再発見したようだった。
三峰川みらい会議は、来年も8月初旬に同ツアーをしたいとしている。 -
上伊那農業高校お花市大盛況
南箕輪村の上伊那農業高校の恒例お花市が12日、JR伊那北駅前といなっせ広場であった。生徒が心を込めて育てた新鮮な花を買い求めようと長蛇の列ができる盛況で、販売開始から1時間足らずで600束を完売した。
花は、農業クラブの農林委員会を主体に、農林専門委員が協力し全校で育てた。早く咲き始めた花は事前に収穫して冷蔵庫保存し、残りは11日に収穫。赤、紫、白のアスター、オミナエシ、小菊、シマガヤ、ガマの穂などの入った立派な花束を作って準備した。
今年は整理券配布をやめ先着順に販売。朝早くから列ができ、500円の花500束と300円の花100束の合計600束を完売した。
伊那市春日町の主婦らは、「毎年来ています。切りたての花を持ってきてくれるからお盆中ずっと持つのでとてもいい」「すごい人で帰ろうかと思ったけど、手に入ってうれしかった」と笑顔で生徒から花束を受け取っていた。 -
いろいろ物作り体験会「身近なもので草木染め」
南箕輪村公民館主催のいろいろ物作り体験会「身近なもので草木染め」が12日、館内であった。小学生から大人まで5人がヒメジョオンなどの草木染めに挑戦した。
家庭の台所で手軽にできる染物を体験しようと、日本手芸協会トールペイント認定教室プリムローズを開いている大洞かずよさんが指導。ヒメジョオンとタマネギの皮の2種類で木綿の布を染めた。
参加者は、絞り模様に染め上げるため、持ってきた布を何カ所かつまんで輪ゴムでしっかりと縛った。
染色は、ヒメジョオンなどをホウロウ鍋で煮だし、同浴染という方法で鍋にミョウバンを入れ、染まりやすいように牛乳に浸した布を入れて15分くらい煮たあと、1時間ほどそのまま冷ました。
染色液が冷えたところで布を水洗い。ヒメジョオンは薄い黄色、タマネギの皮は鮮やかな山吹色に染まった。「模様はどうなったかな」とワクワクしながら各自の布の輪ゴムを解くと、白く丸い模様が浮き上がり、「わあ、きれい」「すてき、すてき」と皆感激した様子だった。
南箕輪小学校4年の北原怜奈さんは妹の佑奈さん(2年)、祖母と参加。「手芸が好きで、草木染めが楽しそうと思って来た。きれいにできた」と喜んでいた。
染色液が冷めるまでの約1時間は、即席トールペイント教室で、小さいハート型の木にヒマワリを描いてストラップ作りも楽しんだ。 -
天竜川浸水への防災対策住民説明会
南箕輪村は11日夜、北殿区下段地区の住民を対象に、天竜川浸水への防災対策住民説明会を北殿公民館で開き、天竜川の「特別警戒水位」や避難対策を説明した。
水防法の改正により7月1日から、北殿水位観測所に避難などの目安になる水位「特別警戒水位」(7・10メートル)が設定されたことにより、村が避難対策を示した。対象は、天竜川上流河川事務所が天竜川浸水想定区域とする北殿区内のバイパス東側、天竜川との間に住居を構える区民。
特別警戒水位に達した時点で村が「避難準備指示」。住民は避難準備をし、北殿区自主防災会は非難援助希望者と連絡を取り、人員を確保。浸水が予想される時点で村が「非難勧告」を出し、住民は北殿公民館に避難、自主防災会は避難援助希望者宅へ向かう。
情報伝達は、村は防災無線ほか広報車により周知。北殿区長と自主防災会長へ電話連絡する。区長と会長は各組長らへ連絡し、組では連絡網などで周知する。連絡網は今後早急に整備する。
災害時に一人で、または家族の介助だけでは避難できない人が、自主防災組織の協力を得てスムーズに避難するため、災害時要援護者の登録も開始する。
9月4日の防災訓練主会場は北殿区で、大雨による天竜川からの浸水対応訓練を実施。避難対策に基づき情報伝達、避難者の確認などをする。 -
宮田小でアスベスト含有の可能性があるロックウールが露出
宮田村の宮田小学校の校舎内の一部で、アスベストが含まれている可能性があるロックウールが露出していることが12日までに分かった。村教育委員会は、アスベストが含まれているか成分の分析など対応を検討する。
露出しているのは、児童玄関入口から続く階段の天井部分。1階から2階まで吹きつけて固めてあり、「現状で飛散する可能性は少ない」(村教委)とみている。
また、一部の教室の天井も同様の固めた状態で露出している。
ロックウールは人工素材だが1980年頃までに施工したものについては、アスベストが含まれている可能性がある。宮田小は80年に改築しており、使われたロックウールにアスベストが含まれているかどうか分かっていない。
村は全ての公共施設でアスベストの使用調査を実施したが、文化会館、老人福祉センターで密閉された状態でロックウールが使われていることが分かった。 -
みはらしの湯でますみヶ丘平地林のチョウなどを展示
伊那市西箕輪の日帰り温泉施設「みはらしの湯」は、1階ロビーで市が保全・調査活動を進めているますみヶ丘平地林に生息するチョウや植物の標本を展示している=写真。
国チョウのオオムラサキなど、多様な動植物が生息する約70ヘクタールの平地林には、85科260種の植物と、8科59種のチョウが生息しているという。
子どもたちに、地元の豊かな生態系を改めて知ってもらおう窶狽ニ、夏休みに合わせて、市が04年にまとめた同地区のチョウの標本や動植物を展示。合わせて、地域に生息するクマやリスなどの生活の様子を納めた写真なども展示している。
8月末まで。 -
錦町を愛する会が夏祭りを企画
伊那市荒井区錦町の住民有志でつくる「錦町を愛する会」(木下昭治会長、11人)は15日、図書館前の広場で夏祭りを開く。
5年ほど前に常会主催の夏祭りが途絶え、飲み会の席で夏祭りの話が持ち上がった。「子どもたちに楽しい思い出を残してやろう」と急きょ、組織を立ち上げ、祭りを企画した。
当日はフリーマーケット、ヨーヨー、ビール、ジュース、花、野菜などの夜店が並ぶ。時間は午後6時から9時まで。
メンバーの一人、木下洋一郎さんは「以前は盆踊りもあってにぎやかだった。地域住民の交流も兼ね、みんなで盛り上げてもらいたい」と来場を呼びかけている。 -
水しぶき・歓声大きく 海洋スポーツ満喫
高遠町の高遠湖にある「B&G海洋センター」が11日、無料開放された。12日までの2日間のみで、カヌーやヨットなどの海洋スポーツを多くの人に親しんでもらおうと計画。お盆間近だけに毎年、帰省客らでにぎわいをみせている。
通常は予約制で、1時間ごとに料金設定がされているが、この機会には好きなときに、好きな分だけ楽しむことができる。インストラクターの指導で、カヌーやミニヨット、手こぎボートも体験できるとあって人気だ。
千葉県から実家の伊那市に帰省してきたという、青嶋こずえさん(45)ひかるさん(12)親子は、約1時間にわたってカヌーなどを体験。「臨場感あふれて、おもしろい」と楽しんでいた。 -
人口定住対策・小原の集合型町営住宅起工
高遠町が小原地区に建設する、集合型町営住宅ハイツ小原南F棟の起工式が11日あり、関係者約20人が出席して、工事の安全を祈願した。
集合型は人口定住対策の一環として、95年から99年にかけて、瀬戸にA、B棟を、小原南にC、D、E棟を建設。6棟目となるF棟は、プライバシーの確保や日当たりの良さを考慮し、C棟北側に隣接して建てる。
来年1月末に完成を予定し、12月初旬から入居者を募集する。
伊東義人町長あいさつで「入居者も目的に合うよう、若者に入ってもらい、さらに町の活性化にもつながれば」と期待した。
F棟は、鉄筋コンクリートの三階建て。延床面積は約600平方メートル。2LDKで9世帯。建設費は1億円余。 -
箕輪町交通少年団研修視察
箕輪町交通少年団は5日、研修視察で飯田市の日本道路公団中部支社飯田管理事務所、高速道路交通警察隊飯田分駐隊などを訪れ、交通関連施設に理解を深め、交通安全の意識を新たにした。
町内小学校5、6年生の団員58人が、町のバスに乗って参加。中津川インターから伊北インターまで管轄する道路公団の事務所では、恵那山トンネルの施設制御室などを見学。白バイやパトカー、トンネル内で照明の清掃などに使う道路公団のリフト車にも乗った。リフト車の荷台は高さ5mまで上げることができ、子どもたちは高くても大喜びで荷台に乗っていた。
通常はなかなか見学できない施設での研修で、積極的に体験したり、質問するなどして楽しく学んだほか、恵那峡ワンダーランドでも遊んだ。 -
伊那市で打ち水大作戦
地球温暖化防止の一環として、環境省などが後援する「打ち水大作戦2005」が10日、伊那市役所正面玄関付近であった。温度計で測定したところ、打ち水直後に1・5度下がった。
午前中に雨が降ったものの、昼には石だたみが乾き、予定通りに取り組んだ。市職員105人に加え、来庁者8人も参加。
市役所南側の地下水「せせらぎ水路」から水をくみ、市職員らがバケツに入った水をまんべんなく手でまいた。
午前11時55分の外気温は32・5度。打ち水直後に下がったが、午後零時5分以降は元に戻った。体感は「ちょっと涼しくなった気がする」。
昨年に続いて2回目で、市役所民生部生活環境課は「打ち水を通じて、自分のできる温暖化防止を意識する機会になれば」と地域住民の啓もうにつながることを期待した。
高遠町、長谷村でも予定していたが、雨でアスファルトがぬれていたため、中止とした。 -
知事が箕輪町のリンドウ業者視察
箕輪町中箕輪のリンドウ生産業者、スカイブルー・セト(瀬戸堯穂代表)を10日、田中知事が訪問した。
この日田中知事は、県内の躍進企業や先進的農業者などを訪問。さまざまな意見を今後の政策運営に反映させたいとしている。
瀬戸さんは、リンドウの育種から苗・切花の生産まで一貫して取り組む県内でも進んだ生産者で、育種技術にも優れており、これまでに60種類のリンドウを品種登録している。また、瀬戸さんの開発した「ホワイトベル」と「夢ハイジ3号」は、10年に一度オランダで開かれる園芸見本市「フロリアード」で金賞を受賞している。
田中知事は、切花の加工所や育種ほ場を見学。気候や地理的条件はリンドウに適しているのか窶狽ネどを質問したり、瀬戸さんの開発した品種の多さに改めて驚いた様子で「県内だけでなく県外にも長野県のリンドウを宣伝していきたい」と話していた。 -
伊那広域シルバー人材センター箕輪地区
樹皮絵サークル仕事だけでなく趣味を生かして互いの交流を図ろうと、伊那広域シルバー人材センター箕輪地区は、会員がサークルを作って楽しく活動している。3年前、カラオケサークルが発足。今年3月には、より活発な会員活動を願い、新たに樹皮絵、手芸、マレットゴルフの三つのサークルが出来た。伊那広域シルバー人材センターの中で一度に三つものサークルが立ち上がり活動しているのは箕輪地区だけという。
その中の一つ、「樹皮絵サークル」は会員14人。樹皮絵は、色紙などに樹皮とコケをはって絵を描く木の皮の張り絵のような作品。主に山水風景を題材にしている。皆、初心者で、第1・第3金曜日の月2回、箕輪町産業会館に集まり、趣味で樹皮絵に親しんでいる大槻長司さん=上古田=の指導を受ける。
1作品目は、皆が同じ題材に挑戦。「樹皮の選び方、張り付け方、絵の具を使った色付けなど難しい」。要領がつかめるまで苦戦しながらも、約2カ月半かけてそれぞれの作品を完成させた。
「先生の見本を見て頭に描いたものを樹皮を張って表現する。でも失敗を繰り返し、いい絵になっていない」と代表の伊藤昇さん。「慣れれば慣れるほど、絵に心を寄せるようになればなるほど、難しくなる」という。
現在は2作品目に挑戦している。制作に取りかかってすでに3回目。皆とても熱心で、部屋には指導する大槻さんの声しか聞こえないほどだ。
「今まで木の皮に関心はなかったけど、樹皮絵を初めてから注意して見るようになった」「木の皮を拾うのが楽しくなった。これは山に使える、これは岩になる-と関心を持つようになった」
「この辺には樹皮は落ちてないよ。全部、私たちが拾っちゃったから」と笑うほど、これまで見過ごしていた樹皮に自然と目がいくようになり、「うんと興味が出た」という。
シルバー人材センターに登録する同じ仲間であっても、日ごろは職場が違う。そのため、年1回の総会など顔を合わせる機会は限られている。しかし、サークル活動によって新しい交流が広がっている。
「趣味を一つでも二つでも持つことは、心の広さが違ってくる。共に生き、支え合い、助け合うのが本来の姿。シルバーに行ってサークルで仲間を作り、新しいことを覚える。こういうサークルを本当に大事にしていきたい」と願いながら、作品づくりに打ち込んでいる。 -
南大東島訪問団 伊那踊りに熱狂
南大東島からの訪問団は6日、伊那踊りの連に飛び入り参加。持ち前のリズム感で、ダンシング・オン・ザ・ロードなどをその場で覚え、伊那市民とともに踊りに熱狂した。
6日は、お祭り広場での屋外コンサートと通り町での島物産即売会を開催したが、ちょうど空き時間に始まった伊那おどりに、島唄グループの「ボロジノ娘」と大東太鼓の「碧会」の小中学生は興味津々。
実行委員の1人である春日晋治市議会議員が仲介して、急きょ、西春近の連への飛び入り参加が決まった。沖縄の民族衣装をまとった「ボロジノ娘」ろそろいのジャージ姿の「碧会」が連の待機場所まで出向くと、唐木孝之西春近公民館長の司会で即席の対面式。唐木館長が「突然ですが素晴らしいお客さんが一緒に踊ってくれることになりました」と紹介すると、西春近北小の連の子どもが、島の子どもを大きな拍手で迎え入れた。
島の子どもは伊那踊りはまったく見たことがなく、最初の内こそどのように踊るか戸惑い気味だったが、回りを見ながら、「いなっせ」角あたりにつくまでにみようみまねで習得。笑顔いっぱい、歓声を上げながら踊った。
連の中で南大東島ののぼりも打ち振られ、沿道の見物客らは「あれが南大東島から来た衆かね。うまいもんだね」などと話していた。 -
お祭り広場、南大東島の太鼓に熱狂
南大東島訪問団は6日、小沢川沿いのお祭り広場浪漫横丁屋台村ステージで2回にわたり島唄と太鼓のコンサートを行い、聴衆を熱狂の海に誘い込んだ。県道をはさんだ通り町の空き店舗で開かれた島特産品の物産展も大賑わい。「南大東島にきて下さい」という島の人の声が響いた。
コンサートでは、島伝統の大東太鼓「碧(あおい)会」が大活躍。独特の早いテンポの演奏で、踊りを終え帰路につこうとする人々を引き止め、いつしかステージ回りは黒山の人だかり。小中学生の団員が入れかわり立かわり独自のたたき方を披露する場面では、その迫力に「ウォー」という鳴り止まぬ拍手が会場を包んだ。
島唄の「ボロジノ娘」や歌う島役場産業課長・濱里保之も好評で、濱里のコミカルなステージでは歌に合わせて「はまちゃん、はまちゃん」のコールも。大きなおひねりも飛んで濱里を驚かせた。島では芸を賞賛する意味をこめ舞台に紙に包んだ金銭を投げる「おひねり」の風習がなく、濱里は「何が飛んできたのかビックリした」と笑っていた。
ステージには伊那市消防音楽隊も飛び入りの友情出演をし。濱里とともに「涙そうそう」「信濃の国」を演奏して交流を深めた。
一方、島の物産展も大好評で、青パパイアやその加工品、海産物加工品、サトウキビを利用して05年から作られはじめた島特産のラム酒も、本土ではじめて販売され、多くの伊那の人で賑わった。島訪問団を訪ねて、島の出身者や島を訪ねたことのある人々も東京や関西地方からも集まった。
お祭り広場でのコンサートや物産展の開催には、伊那市通り町商店街が協力し、力を合わせて伊那まつりを盛り上げた。 -
夏休み親と子の押し花教室
箕輪町の秦益子さんが主宰する「アートフラワーみのわ」は6日、恒例の夏休み親と子の押し花教室を町文化センターで開いた。子どもたちはきれいな押し花をたくさん使って作品づくりに熱中した。
作品は、子どもでも簡単に楽しく作れるうちわとレースクロス。秦さんや会員がパンジー、千鳥草、アジサイ、コスモスなどの押し花を持ちより、指導した。
参加した親子25人は、好きな花や葉を選んでうちわやレースの上に並べ、花束のようにしたり、チョウチョウを作ったり、思い思いにデザインしてオリジナルを作り上げた。
おばあさんが押し花を習っているという上古田の植田修平君(箕輪西小4年)、涼太君(同2年)、恭輔君(年少)の3兄弟は、お母さんと一緒に参加。一人ひとりこだわって花を並べ、うちわを完成させた。修平君は「思ったよりうまくできた。学校の夏休みの工作で持っていくけど、記念品として大事にとっておく」と話していた。 -
大芝の湯でチェーンソーアート作品展
南箕輪村の大芝の湯は、チェーンソーアート作品を展示している。チェーンソーで見事に彫刻した作品に関心が集まっている。
作品は、下伊那郡松川町で工房コロボックルを営む米山孝昭さんが制作した。
6月下旬、NHK総合テレビ全国放送の番組「お元気ですか日本列島」の1コーナーが大芝高原で生中継され、米山さんが番組内でチェーンソーアートの制作を披露した。これが縁で作品を展示することになった。
チェーンソーだけで流木や丸太を彫刻し作り上げた作品は、ペガサス、馬、ウサギ、リス、カメ、シカ、フクロウなど16点。
「チェーンソーは林業で木を切る道具としか思われていないが、作品は仕上がりの段階まで高度なチェーンソーテクニックで制作したもの」だという。
作品は大芝の湯受付前と廊下に展示。今月末まで飾るという。 -
かれんにサギ草咲く
南箕輪村内の寺でサギ草が咲き始めた。真っ白いかれんな花が風に揺れ、涼しさを運んでいる。
30年以上も育て続けているサギ草。今年は2500本以上もある。4月初旬から約1カ月かかって球根を一つずつ水苔(ごけ)に包んで植え、これまで洞に置いて液肥を与えるなど管理してきた。草丈は20センチから25センチほどに成長し花が咲き始めたので、本堂の周りなどに鉢を並べ直した。
毎年、サギ草を楽しみに見に訪れる人もいる。寺では、「去年より丈がそろっている。お盆ころに見ごろになるのでは」と話している。 -
自然の中で自主性磨く
高遠町のNPO法人「自然学校ふる里あったかとお」は城址公園内の高遠閣を拠点に、7月31日から13日まで13泊14日の日程で、「子ども長期自然体験村」をしている。自然の中での生活体験や共同生活を通して、感性や自主性をはぐくむ。
6年目で、県内をはじめ、東京都や埼玉県、愛知県などから21人の小中学生が参加した。大学生らのボランティアスタッフも入れ替わりで20人余ほどが携わっている。
野外炊飯や自然探索、運動会をしたり、竹馬や弓矢などの竹細工にも挑戦。そば打ちやカヌー、民泊を体験するなど、地元との交流も楽しんでいる。
9日は、長崎に原爆が投下された日。スタッフが「ここで楽しく過ごせている幸せをかみ締め、戦争のない平和な世の中を築きあげていってほしい」と子どもたちに訴え、黙とうを捧げた。
昼食はスタッフが流しそうめんを計画。経験したことがないという子どもがほとんどで、「いつもと一味違っておいしい」と喜び、空腹を満たした。
スタッフの村田喜直さん(24)は「実体験をすることで、達成感や悔しさを感じ、最初に比べて、考え方や行動に少しずつ変化がありますよ」と子どもたちの成長に目を細めていた。 -
戸台の化石保存会学習会
長谷村戸台の化石保存に取り組む「戸台の化石」保存会(伊東耕平会長)の化石学習会が7日あった=写真。村内を中心に親子連れなど約40人が参加し、標高1000メートル以上の収集場所でアンモナイトなど、1億年前の化石を見つけ、古代ロマンに胸を躍らせた。
小中学生や父母が、戸台の化石の収集、研究、保護を通じて自然保全の重要さを学習し、親ぼくを深める、年間3回の恒例(57回)。
収集場所は区有林の斜面。地面に広がる破砕された泥岩をハンマーで軽くたたき、中からアンモナイト、貝類、植物のほか、生物がなでた跡が残る「生痕化石」などを発見した。
参加者は、足場の悪い斜面ながら作業に夢中。あちらこちらから「何か見つけた」「これなに」などの声が聞かれ、会員が説明していた。
採取した化石は標本にして、持ち返らず同会で保存する。
息子たちと一緒に参加した松尾みゆきさん(32)=長谷村杉島=は「子供にせがまれて参加したが、化石現場にいくのは初めて」と、そうそうからアンモナイトの化石を発見。長男のイサキ君(7つ)も母親に負けまいと一生懸命探していた。 -
宮田高原にアスレチック遊具を手作りで
宮田村商工会青年部はこのほど、宮田高原にアスレチック遊具を整備した。村の補助で材料を購入し、手作りしたもの。夏休みで高原を訪れた子どもたちの人気を集めており「苦労はあったが、作って良かった」と喜んでいる。
昨年から高原の活性化に取り組み、都会の家族が参加するキャンプを企画。子どもの遊び場が欲しいと、遊具の設置も計画した。
5月から毎週末、高原に集まって作業。建設、土木関係の仕事に就く部員らが指導し、高原内の間伐材なども再利用した。
丸太を組み上げるなど本格的。中心となって作業した青年部ふるさと創造委員会の春日真一委員長は「最初は安易に考えていたが、いざやってみると大変だった」と振り返る。
夏休み直前にようやく、冒険心満載の遊具が完成。高原を訪れた人たちが自由に利用している。
笑顔で遊ぶ子どもの姿に「涙がでるほどうれしい」と青年部員。「せっかく宮田村にはこんなに良い高原がある。みんなで一緒になって活性化を考えたい」と話していた。 -
みはらしファームでラベンダー刈り取り
伊那市西箕輪の農業公園みはらしファームは8日、見ごろを終えた約200株のラベンダーの、刈り取り作業をした。
01年から株分けしたりしながら徐々に数を増やしてきたラベンダーは、6、7月には、園内各所で咲き、優しい薄紫色の花と穏やかな香りが、訪れる人々を楽しませている。
鑑賞用のほか、みはらしの湯で「ラベンダー風呂」にするなど、業務用にも一部利用している。
香りが一番強い時期は、咲き始めだが「できる限り来園者に花を楽しんでもらうおう」と、毎年花の終わりに合わせて摘み取っている。
花は乾燥させ、9月からみはらしの湯で利用する予定だという。 -
「農産物資源有効活用の方法研究しよう」
「南大東島の特色ある豊かな農産物を有効活用するお手伝いはできないか。一緒に方法を研究させていただきたい」
8日、伊那市のかんてんぱぱホールで開催された南大東島伊那訪問団の歓迎レセプションで、塚越寛伊那食品工業会長が、同島で採れるサトウキビなどの農作物を同社の食品製造に活用する意志があることを表明した。
塚越会長は「3月に島を訪ねた伊那の人から『島の子どもたちは山を見たことがない、流れる川を見たことがない』と聞いて驚き、そんな島の人々を伊那に招いて山や川を見せてあげようという趣旨に共感した。今日のレセプションは全額当社が負担させていただきます」とした上で、「遠く離れた両地域だが、わが社がお手伝いすることが島の発展にもつながり、伊那との交流の拡大につながるのなら、是非とも協力させてほしい」と述べた。
この提案について訪問団団長の仲田建匠南大東村助役は「とても魅力のある提案でうれしく思う。島に持ち帰り、何をどのように利用できるか、そのために行政的にはどんなことが問題になるか、伊那食品工業さんとも連絡をとりながら調査研究を進めたい」と本紙に述べた。
青パパイアの縁で始まった伊那と南大東島との民間主導交流を、新たな段階に進める具体的な経済交流の提案で、レセプションに参加した人々からは大きな拍手と歓声が沸いた。 -
市長先頭に、伊那踊りで歓迎
4日に伊那市に到着し、連日コンサート・物産販売などで島を紹介する一方、中ア・ロープウエーや美和ダムなどを視察した南大東島伊那谷訪問団を歓迎するレセプションが8日、伊那市のかんてんぱぱホールで開催された。相互のスピーチで交流拡大の意志が確認されたほか、小坂樫男市長自ら、参加者全員の伊那節踊りの先頭に立つなどして、歓迎の意志を示した。
島民を伊那祭りに招く実行委員会の小林史麿委員長は「3月に島を訪ねた時の私たちの感動は、いまや大きな感動と交流のうねりとなって広がっている」とあいさつ。
訪問団団長の仲田建匠南大東村助役は「心温まる歓迎に感動している。子どもたちの交流や、経済的な交流など、これからも末永くお付き合いして行きたい」と答えた。
小坂樫男伊那市長はあいさつで、青パパイアの通じた交流のきっかけを作った伊那市在住の井地千代子さんと、元長野NEC勤務で現在島で青パパイアを生産する平安山正治さんを演壇に招き、自らインタビュアーの役を務めながら「なぜ交流が始まった」を解説。「このような心温まる交流をこれからも広げていこう」と呼びかけたのち、伊那節振興協会が歌う伊那節に合わせて踊りの先頭に立ち、会場の全員がそれに合わせて踊った。
このほか、塚越寛伊那食品工業会長のスピーチ、田中康夫長野県知事のビデオメッセージ、田山重晴県農政課長のスピーチ、伊那節振興協会の演奏などもあった。
島側からは、照屋林伸教育長や垣花恵忠商工会副会長などがスピーチ。役場の産業課長で歌手の濱里保之さんや、プロ歌手の内里美香さんが美しい島唄を披露した。
最後は、牛越徹上伊那地方事務所長らの音頭で乾杯したあと、南大東島の人々に教わりながら、参加者全員で島伝統のカチャーシー踊り。塚越会長、田山農政部長、牛越地方事務所長なども、初めての琉球踊りを楽しんだ。
こうして伊那谷最後の夜を過ごした島訪問団は、9日朝、南大東に向け帰路につき、午後全員無事に帰島した。 -
信州大学農学部でオープンキャンパス
講義や学生生活を事前に見学し、進学後の不安を解消して入試に臨んでもらおう窶狽ニ6日、南箕輪村の信州大学農学部で、オープンキャンパスがあり、県内外の高校生など約260人が、模擬講義を受け、受験相談などをした。
少子化が進み、入学者の確保は、すべての大学の課題であり、信州大学も例外でない。
そこで農学部は、昨年までの参加者から要望が多かった模擬講義・実験を導入。より実際に近いイメージをつかんでもらうと共に、農学部が取り組む「フィールドに根ざした食と緑を科学する」を、より身近に感じてもらう狙いがある。
各学科ごと模擬講義・実験を準備。食料生産学科は「タマネギのDNAをとりだしてみよう」と、見学者にも作業に参加してもらい、実験をした。
参加者たちは「どの学部が自分の学びたい農学により近いか」などを改めて確認した様子だった。 -
県内外の子どもたち自然と暮らす9日間
高遠町の国立信州高遠少年自然の家(高岡道久所長)で、4日から12日まで8泊9日の日程で「長期野外生活体験」があり、県内をはじめ関東、東海地方などの40人余の子どもたちが、テントを設営して、自炊生活を送っている。
自然探索や料理、伝承遊びなどの体験を通して、道徳心や生きる力を養う。小学5年生から高校生までが対象で、年齢の枠を越えた人間関係も築く。
五平もち、おやき、そば作りなどで食文化を学び、竹細工、木工、自然観察などのプログラムを体験。植物探索では、アカツメ草やヨモギ、ヤマブドウ、アザミの葉などを採集し、講師による指導で、資料を見ながら食用とそうでないものに識別。食べられる野草は天ぷらにして味わった。
活発に取り組んでいた飯村諒君(13)=山梨県=は「自炊生活がおもしろい。失敗も経験したが、自分自身を磨けるから参加してよかった。テレビを見ているより、ずっと楽しい生活」と話していた。 -
箕輪町警部交番連絡協議会が夏季支援物資贈る
箕輪町警部交番連絡協議会(小林紀玄会長)は8日、交番に恒例の夏季支援物資を贈った。
同協議会は毎年夏と冬の年2回、署員への感謝の気持ちを込め、支援物資を届けている。
今回は、飲料や栄養ドリンク、カップめんなど5万円強の物資を届け、小林会長は「日ごろ安心して生活できるよう昼夜を問わず勤務いただき感謝している。お盆を間近に控え、交通事故や事件が一つでも少なくなるようお願いしたい」とあいさつした。
倉田千明所長は、「7月末までの町の犯罪件数は約170件で昨年並のペース。犯罪は少ないほうがいい。夜も西箕輪から箕輪まで一生懸命パトロールしている。たくさん支援いただき、署員も励みになる。お力添えに感謝する」と喜んだ。