-
建設リサイクル法に係る一斉パトロール
上伊那地方事務所は21日、建設リサイクル法に係る一斉パトロールで、伊那管内でリサイクル法に基づく対象の新築、解体工事現場18カ所を巡視した。
建設リサイクル法の内容の周知を図り、建設工事現場などにおける分別解体などの状況確認と無届事の工監視をすることで、建設リサイクル法の実行性をより高める目的で年2回実施。
上伊那地方事務所の建築課と環境課、解体工事業協会の7人が2班に分かれ、新築工事4カ所、解体工事14カ所を、標識の設置の有無、工事業者の登録状況、解体工事現場の分別解体の実施状況、再資源化の実施状況などを重点に調査した。
地方事務所によると、18カ所のうち工事業者登録はしているが建設業の許可票あるいは解体工事業登録票の未表示が1カ所あり、現場で標識設置を指導。このほかは特に問題なく、「リサイクル法はある程度普及していると思う」という。 -
美和レイクハイランド整備
伊那市は本年度、長谷の美和レイクハイランド整備として駐車場の舗装と芝生広場の芝張りに取り組む。着工は秋ごろ。
美和レイクハイランドは04年3月に策定した「地域に開かれたダム整備計画」で、美和湖の活用や周辺の環境整備の場に位置づけられる。美和ダム分派堰(せき)下流右岸の国道152号線沿いにあり、ヘリポートを兼ねた多目的グラウンド整備などを盛り込んでいる。
そのうち駐車場は面積1万平方メートルを舗装し、普通車約300台を収容。昨年から高遠城址公園の「さくら祭り」期間中、大型バスの専用駐車場に使っている。
芝生広場(面積1万平方メートル)は、湖上で楽しむモーターボートやカヌーなどの船着き場、キャンプ場として活用できるように詳細を詰めている。トイレ設置などは来年度以降に検討する。
また、美和レイクハイランド整備とは別に、地域振興策として美和湖ウォーキングロード(3キロ、5キロ、7キロの3コース)を設定。原案を作っている段階で、安全を確保した上で距離表示や案内看板を取り付ける。健康づくりと結びつけ、診療所受診者を含めて地域住民らに利用を促す。
本年度事業費は5千万円。過疎対策事業債などを活用する。
市長谷総合支所建設課は「水に親しみながら、公園的要素を持った場所として利用できるようにしたい」と話している。 -
教育委員、公平委員に辞令交付
教育委員、公平委員の任期満了に伴い、伊那市は20日付で教育委員に伊藤のり子さん(55)=高遠町藤沢=を任命、公平委員に黒田宣子さん(63)=坂下=を選任した。ともに再任。任期4年。21日、小坂樫男市長が市役所で辞令を交付した=写真。
伊藤さんは「未熟だが精いっぱい務める」、黒田さんは「あまり大きい問題がないことを祈りつつ精進したい」とそれぞれ述べた。
伊藤さんは中央大法学部通信教育課程卒。高遠町社会福祉協議会評議員、高遠町男女共同参画推進委員会長などを務めた。
黒田さんは愛知教育大教育学部卒。高遠北小教頭、西春近北小校長などを経て上伊那教育会理事、中部教職員会長などを務めた。 -
伊那市職員が300万円着服
2年間にわたって総額299万9232円の公金を着服していたとして伊那市は20日、同市長谷総合支所建設課の男性主事(30)を同日付で懲戒免職処分としたことを発表した。
市によると元主事は伊那市、国土交通省天竜川上流河川事務所など6団体でつくる実行委員会(委員長・小坂樫男市長)が毎年7月に運営しているイベント「三峰川サマーピクニック」の会計事務を06、07年度の2年間務めていた。同委員会の預金口座の通帳と印鑑の管理を実質的に一人で行っていた立場を悪用し、06年度9回、07年度32回、08年度1回の計42回にわたって、現金を不正に引き出したり口座に入金しないなどの手口で着服を繰り返していた。金は96縲・4年に購入した司法書士などの資格取得用教材の代金約400万円の返済に充てていたという。
2年間に2回あった会計検査は、パソコンを利用して資料を巧妙に改ざんするなどしてすり抜けてきたが、今年5月12日、事務局の交代に当たって行われた打ち合わせの中で、上司が通帳と帳簿の金額の食い違いに気付いて追求したところ着服を認めた。本人は「申し訳ないことをした」と反省しているといい、金は19日までに全額返済されたことから、市は刑事告訴はしない方針。
市は着服を防げなかった理由として▽通帳と印鑑を一人の職員が保管していた▽現金出納に当たって上司が決済していなかった▽事務作業を一人に任せていた竏窒ネど、管理体制に問題があったことを認めている。
小坂市長は「職員に対しては日ごろ綱紀粛正を言い、金の扱いは管理監督者が監督するよう言ってきたのに残念。二度と間違いがないよう対策を講じたい」と陳謝した。
主な関係者の処分(20日付)は次の通り。
▼市長=減給2カ月・10分の1▼長谷総合支所長=減給1カ月・10分の2▼副市長(統括)=減給1カ月・10分の1▼長谷総合支所建設課長=減給3カ月・10分の1▼元長谷総合支所次長=減給1カ月・10分の1▼同建設水道課長=同 -
箕輪町まちづくり住民提案事業補助金
本年度の箕輪町の「まちづくり住民提案事業補助金」の交付事業が20日、決定した。新規6件、継続5件の11件の事業に町が総額107万8千円の補助金を交付。町では、同補助金の2次募集を5月26日から6月13日まで行なう。
今年で3回目となる同事業は、住民と行政がともによきパートナーとして連携、協働し、地域の課題解決や住みやすいまちづくりを進めていくことを目的としている。補助金は原則10万円以内で2年間に限り継続事業を認める。
5月1、13、19日に開いた審査委員会では(1)公益性(2)独創性(3)発展性(4)実現性(5)独立性竏窒フ5つの審査基準に照らして応募のあった事業を検討。
20日に丸山亮審査委員長と関嘉重副審査委員長が箕輪町役場を訪れ審査結果を平沢豊満町長に報告した。同日町長が最終決定をし、補助金の交付が決まった。
丸山委員長は「ただ遊ぶとか何かするというだけでなく教育的な部分が入っているものもある。こういうものがどんどんでてきてくれるとありがたい」と話していた。
今回補助金交付が決定した事業は次の通り(カッコ内は団体名と補助金額)
新規
◇生活習慣病改善運動事業「メタボに注意しよう」(劇団「メタボ」、10万円)=保育園・小学校などでの寸劇開催◇親子で楽しむ絵本作家の講演会を聞く(おはなし応援団、12万3千円)=絵本作家の講演会開催。イベントなどでの寸劇開催◇花ずし体験(箕輪お花ずしの会、10万円)=花ずし体験会の開催◇独居老人、母子家庭支援プロジェクト(上伊那建労箕輪分会、10万円)=独居老人、母子家庭の住宅など修繕◇天竜護岸に花を植え、町民の憩いの場を作る(天竜フラワープロジェクト、10万円)=天竜川護岸を活用し花を植え、環境美化を図る◇俺たちの荒廃農地の活用事業(福与の農地を守る会、10万円)=遊休荒廃農地を活用した地域の活性化
継続
◇ハンドメイドタウンみのわ親子ふれあい事業(ぷち・どぅ Club、10万円)=ハンドメイドフェスタの開催◇文化面でのまちづくり企画(辰巳クラブ、10万円)=各種講演会・音楽芸術鑑賞会の開催◇手筒花火による地域の活性化、子育て支援(みのわ手筒会、10万円)=各種行事における手筒花火打ち上げ。保安技術講習会の実施など◇「どっこいしょ」運動事業(がんばる会、5万5千円)=遊休農地を活用した環境づくり◇集落玄関環境美化事業(長岡花の会、10万円)=集落南北入口に花などを植え集落入口の環境美化を図る -
伊那市議会臨時会
伊那市議会は20日、臨時会を開き、上伊那広域連合が過大徴収した介護保険料の清算処理のための08年度市介護保険特別会計の専決処分など11議案を原案通り承認、同意、可決して閉会した。
08年度の補正予算では、市国民健康保険直営診療所特別会計の07年度決算不足額(見込み)として2858万円を、市老人保健医療特別会計の07年度決算不足額(見込み)として4500万円をそれぞれ追加した。
任期満了に伴う教育委員、公平委員、人権擁護委員の人事案に同意した。
人事は次の通り。
▼教育委員=伊藤のり子(55)=高遠町藤沢・再任▼公平委員=黒田宣子(63)=伊那坂下・再任▼人権擁護委員=市ノ羽茂則(68)=長谷黒河内・再任、安井かほる(64)=高遠町西高遠・再任、竹中嘉文(66)=手良下手良・新任、橋爪トミ代(63)=西春近沢渡・新任 -
町介護保険特別会計補正予算案可決
箕輪町議会は19日、臨時議会を開き、介護保険料の過誤徴収分の還付に伴う町介護保険特別会計補正予算案を可決した。歳入歳出予算の総額にそれぞれ90万2千円を追加する。
上伊那8市町村では、上伊那情報センターで介護保険料の共同処理を実施していたが、税制改正に伴う保険料算定システムの改修の際、情報センター職員と市町村担当者の連携ミスから一部対象者の緩和措置を見逃し、2年間にわたって過誤徴収していた。
箕輪町では06年度に98人、07年度に146人で延べ244人から、約156万7千円(最大2万1850円)の過誤徴収があった。
町では今月中に全額を返済する。 -
中田島住宅団地、売れ行き不振で
中川村土地開発公社が分譲中の中田島住宅団地は一層の販売促進を図るため、販売価格を平均32%の大幅値下げを行った。
同団地は04年、22区画を販売開始したが、現在、個人への販売は2区画のみ、5区画は村が若者専用住宅を建設した。
売れ残った15区画は区画ごとに再検討し、区画に見合った価格を再設定するとともに、下水道加入料金を販売価格に含めた。
ちなみに販売価格は334万円(99・34坪)縲・74万7千円(116・9坪)。
同団地は国道153号沿いに位置し、村役場まで3・6キロ、片桐保育園・中川西小学校まで1・6キロと交通の便がいい。
村は「価格引き下げにより、若年層の住宅建設希望者のニーズにも充分こたえることができる価格帯となった。日当たり、風通しもいい、自然に恵まれた中田島にマイホームを」と呼び掛けている。 詳細は村土地開発公社((TEL88・3001)
) -
【記者室】新宿区長、森を楽しむ
伊那市と環境保全協定を結んだ東京都新宿区がプログラムの一環として伊那市の山林内に「新宿の森」をつくり、区民が樹木の手入れをしたり子どもたちが森林体験を楽しんだりする構想がある。
具体計画策定のため、区長が伊那の山林を調査、視察に訪れた。言っては悪いが、視察というより散策を楽しんでいるようにも見えた。花を眺めたり、タラの芽を摘んだり、ブランコに乗ってはしゃいだり竏秩Bだが決して文句をつけているのではない。
計画が実現すれば、都会の子どもたちにとって自然を肌で感じる貴重な場になるだろう。区長と同じように彼らが楽しめる森にしてやってほしいのだ。頭の固いお役人がいじくり回してつまらないものにしてしまわないよう願う。(白鳥文男) -
新宿区長ますみケ丘平地林視察
2月に伊那市と地球環境保全協定を結んだ東京都新宿区の中山弘子区長と環境清掃部の部課長ら7人は17日、実施計画策定の参考にしようと伊那市のますみケ丘平地林を訪れ、現地視察と森林整備体験をした。小坂樫男市長が先頭に立って林を案内し、中山区長らは枝打ちなどを体験した=写真。
協定は、新宿区内で排出される二酸化炭素(CO2)を相殺するため、区と区民が伊那市の森林で間伐などの整備や環境学習、森林体験などを行う竏窒ネどとするもの。期間は12年度までの5年間。09年度の事業着手を目指す区は、市と協議しながら今年秋ごろまでに実施計画の骨子を策定したいとしている。市はプログラムの支援をするとともに、住民同士の交流を図っていきたい考え。
区は本年度、試行的なプログラムとして、ますみケ丘平地林内の一部約4千平方メートルを仮称「新宿の森」とし、早ければ今年夏にも区の子どもたちを対象にした自然体験教室を開きたいとしている。
小坂市長は「都会の人たちに森の素晴らしさを体験してほしい。これをきっかけに交流が深まればいいね」、中山区長は「本当の自然を実際に見て触れることができ、今後の交流のイメージが膨らんだ。具体的な計画づくりを急ぎたい」と話した。 -
南箕輪村議会臨時議会
南箕輪村議会臨時議会は16日開き、専決処分1件と補正予算案3件の計4議案を原案通り可決した。村が改築を予定する大芝の農産物加工販売施設「味工房」の建設工事費用約3500万円増などを一般会計補正予算に計上した。
味工房の建設工事費用増額は、実施設計による変更点があったため。当初一室兼用を考えていた包装・充てん室を保健所から食品衛生法令に基づき、加工品目ごと置くよう指導を受けたため、床面積増加による約2千万円などを盛り込んだ。
このほか、主な変更点は、同工事に伴う電気・機械設備の増加など約800万円、60台分のアスファルト舗装駐車場スペースの確保など約700万円。
村介護保険事業特別会計補正予算では、上伊那8市町村で介護保険料の過誤徴収があった問題にかんし、村の還付額99万4千円をそれぞれ歳入歳出に追加した。村の保険料還付対象者数は96人、73世帯。還付は5月中に終了する予定となっている。 -
「ふるさといいじま納税」ふるさと納税
飯島町は「ふるさと納税(ふるさといいじま応援寄付金)」を6月中に受付を開始する。16日、町議会全員協議会で、使途やメニューなどをまとめ、説明した。町は6月定例会に町税条例、基金条例の1部改正を提案する考え。
「ふるさと納税」はふるさとに貢献、応援したいという思いを地方自治体への寄付を通じて、寄付額の一定限度額を住民税から控除及び所得税の還付対象になる。
飯島町は「ふるさといいじま応援寄付金」と名付け、使途は08年に基金を創設、09年以降施策に活用する。
活用メニューは「自然豊かな町の景観、環境と森林の保全に(環境支援)」「子育て支援と教育の充実に(子育て、教育支援)」「地域医療の充実など、誰もが健康で暮らすことができるまちづくりに(福祉、医療支援)」「町長の選定施策(おまかせ)」の4メニューを予定。
多くの人に町への寄付を呼びかけるため、ホームページや広報紙に掲載するほか、町民各自が親せき、知人にPRする-とした。 -
災害応援協定関係者会議
伊那市は14日、地震などの大災害が発生した際に物資の提供や施設の利用、被災者救護などに協力する「災害時応援協定」を結んでいる25団体の代表者らとの打ち合わせ会議を市役所で開いた。関係者約70人が出席。緊急連絡先や対応の内容などについて市の担当者と確認し合った。出席者は名刺を交換したり、夜間の連絡先の一覧表を見せ合ったりして万一の災害発生に備えた=写真。
防災についての情報提供として、県危機管理部危機管理防災課上伊那駐在の伊藤秀雄防災対策推進員が「地域の防災対策」について話した。伊藤さんは東海地震の起こる確率の高さなどのデータを示した上で「災害発生時にパニックに陥らないためには、事前の危機管理が大切」と呼び掛けた。
会議は、殿島橋の橋げたが流されるなど伊那市にも大きな被害をもたらした06年7月豪雨の反省を今後の対応に生かそうと昨年5月に第1回を開いた。団体の代表者や市の担当者が異動で交代する場合もあることから、市は毎年この時期に開くことにしている。 -
町議会で昭和伊南病院視察、研修
飯島町議会は15日、議会全員協議会を駒ケ根市の昭和伊南病院で開き、新設の人工透析センター、健診センターを視察したり、患者が少なく閑散とした待合室を見て回った後、千葉茂俊名誉医院長の講話で、昭和伊南病院の現状に危機感を高め、地域医療の課題と今後の方向に理解を深めた。
この中で、千葉名誉医院長は医師不足の直接の要因について「新医師臨床研修制度により、自分で研修病院を選べるようになったため、都会や大病院、施設が良い病院に集中し、格差社会が医療現場にも及んだ」とし、ほかに、80歳以上の医師の引退、女子医学生の増加、病院勤務医の過労、開業ブーム-などを挙げた。
また、「国、県が推進する拠点病院への医師の集約化、重点化は正しいのか。それ以外の地域、病院は切り捨てられ、医療格差を増長させている。上伊那では伊那中央病院に集約し、昭和伊南病院と辰野病院を切り捨てられる」と厳しい口調で指摘した。
また「政府の医療費削減のため病院を半減させる施策に、飲み込まれないように努力する必要がある」とし、生き残りの方向性に▽健診センター、透析センターの充実▽内科と外科の連携で内視鏡を充実、発展▽消化器病センターの発足▽脳神経外科を中心とした救命救急センターの充実▽地元開業医との連携推進-などを挙げた。
最後に「勤務医、開業医を問わず全ての医師の協力で地域医療を守りたい。患者中心の医療、患者の満足度アップで地域住民が支援してくれる病院づくりを目指したい」と結んだ。
議員からは「院内助産院はできないか」「医師確保に向けた補助金は」などの質問があった。 -
昭和伊南病院でも開業医による夜間救急外来一次診療を7月から開始
伊南行政組合(杉本幸治組合長)は7月から、駒ケ根市の昭和伊南病院に勤務する医師の負担軽減対策として、上伊那医師会の協力のもと、同病院における夜間救急外来の一次診療を地元の開業医が担う取り組みを開始する。協力するのは上伊那医師会に所属する伊南地区の開業医で、週3回、午後5時から午後10時までの間、昭和伊南病院の救急外来へ入る。杉本組合長は14日、伊南行政組合議会でその旨を報告し「かねてから話し合いを進めてきたが、実現の目途が立った。協力に感謝したい」と語った。
上伊那では昨年7月、伊那市の伊那中央病院で地元開業医が夜間診療に協力する取り組みが始まっており、昭和伊南でも地元医師との協議を重ねていた。今月8日に上伊那医師会の南部ブロックの了承を得られ、協定を結ぶことになった。
今後は協力してくれる開業医にアンケートを取る中で勤務体制を構築する。協力医師は非常勤対応となり、伊南行政組合の一般会計から報酬を支払う。
現在昭和伊南病院の夜間救急外来の一次診療に訪れる患者数は1日平均10人前後だという。 -
駒ケ根市が本年度、市民による行政評価を実施
駒ケ根市は本年度、市の事業の妥当性を判断し、次年度以降の改革、改善を図る「行政評価」において、市民による外部評価を導入する。上伊那でも行政評価に取り組んでいる市町村は多いが、すべて市職員による内部評価。全国でも先進地では市民による評価を導入している例もあるが、上伊那8市町村では初めての試みとなる。こうした取り組みを通して、より市民の声に沿った事業展開を図りたいと考えている。
現在駒ケ根市では、年間約300の事業を展開している。行政評価は事業ごと実施しており、これまでは300事業のうち約100事業を選定し、市職員が評価する形をとってきた。
今回市民に行政評価を行ってもらうのは、選定した100事業のうちの20縲・0事業。メンバーは15人程度を想定。「行政評価市民委員会」(仮称)を発足させ、過去に市民会議などに参加した経験がある人や市の行財政に精通した市民などに加わってもらうほか、公募委員も募る。
本年の委員は07年度事業を評価。年内に結論を出してもらい、市はその評価を09年度事業に反映していく。 -
本年度の市政モニター会議はじまる
年間を通して駒ケ根市政に提言などをしていく市政モニター会議が14日、市役所などであった。本年度のモニター9人が集まり、昨年開所した地域自立支援施設「きらら」などを視察=写真。その後、本年度の市の主要事業の説明を受け、杉本幸治市長と市政について懇談した。
市民の声を反映した市政運営をしていくことを目的とする市政モニターは、一般から公募したモニターに年間を通じて市政に関する意見を寄せてもらう。
会議に先立ち、モニターたちは市内3施設を見学。その後、杉本市長が委嘱状を手渡し、「駒ケ根市も協働のまちづくりということで取り組んでおり、いろんな形で提言をしていただきたい。みなさんの声を、一つでも二つでも市政に反映していきたい」と語った。
懇談では「これまで市に対してさまざまな団体が提言をしてきているが、その結果がどうなったのか分からない。これまでの提言をもう一度見直してほしい」「駒ケ根には二つのアルプスの見えるまちというキャッチフレーズがあるが、普段からこうした山々が見えるのはすごく大切なこと。便利なことも大切だが、人が気持ち良く歩けるまちづくりにぜひ力を入れてほしい」などといった意見が出た。 -
伊那市正副議会議長をめぐる駆け引き
伊那市議会の議長選挙には3縲・人が立候補するとみられていたが、ふたを開けてみれば2人のみ。最大会派の会長、中村威夫氏が難なく当選を果たした。
現在の会派は▽政和会(中村威夫会長、7人)▽新政クラブ(伊藤泰雄会長、6人)▽平成クラブ(馬場秀則会長、6人)▽日本共産党(柳川広美団長、3人)▽公明党(前田久子団長、2人)▽市民会議(新井良二会長、2人)竏窒フ6会派。
議長選に向けては、所属人数上位の3会派を中心に各会派の間で水面下での駆け引きが繰り広げられてきた。当選回数や年齢、会派の人数の多少などの要素が複雑に入り組んで誰が出馬するかの調整は難航し、結論は投票の直前までもつれ込んだようだ。
最も早くから意欲を見せていたのは平成クラブの馬場氏といわれるが、会派内でも同氏を推すことに反対する声が上がるなど、意思統一を図り切れなかったもよう。
政和会会長の中村氏と新政クラブ会長の伊藤氏はそれぞれの会派の後押しを受け、満を持して議長レースに名乗りを上げたが、両会派はともに保守系で政策や主張に似た部分も多いことから、戦いの過熱が対立にエスカレートすることを心配する声も一部にあった。戦いに勝ち抜いて首尾よく議長の座を得たとしても、万一しこりが尾を引くことがあっては今後の議会運営に支障が生ずる竏窒ニする思惑がはたらいた結果、議長と副議長の席を両氏で分け合う案に落ち着くことで最終的に双方が納得したものと思われる。
共産党も他会派からの得票を望めないのは承知の上で正副議長に各1人を立候補させたが、予想通りの結果に終わった。
上伊那の中核都市である伊那市の議長はさまざまな場面で市の顔となる重要な職責だけに、その責任は相当に重い。合併から2年がたち、さらなる発展が望まれるこれからの数年間。将来に向けての新たな課題も見えてきた時期だけに、両氏の政治手腕に大きな期待がかかる。
(白鳥文男) -
伊那市議会議長に中村威夫氏
伊那市議会は13日、臨時議会を開き、2年の申し合わせ任期満了に伴う正副議長選挙を行った。投票により、議長に中村威夫氏(73)=無所属・荒井、副議長に伊藤泰雄氏(60)=無所属・東春近=が当選した。
議長に立候補したのは中村氏と前沢啓子氏(58)=共産党・西箕輪=の2人。得票数は投票総数26票のうち中村氏23票、前沢氏3票だった。
副議長に立候補したのは伊藤氏と飯島光豊氏(56)=共産党・東春近=の2人。得票数は伊藤氏21票、飯島氏5票だった。
立候補者は本会議の間に開かれた全員協議会で一人10分の制限時間内に所信表明演説をし、それぞれの主張や政策などをアピールした。中村氏は▽議会活性化特別委員会(仮称)を設置し、一般質問の対面化と一問一答方式の導入を検討▽議会の広報公聴活動充実▽先例にとらわれない議会運営竏窒ネどを公約に挙げた。
中村威夫(73)無所属。土地家屋調査士。旧伊那市議会議員2期。上伊那農高卒。荒井
伊藤泰雄氏(60)無所属。会社員。旧伊那市議会議員3期。上伊那農高卒。東春近
常任委員会などの構成も決めた。
委員会構成は次の通り。
◇総務委員会▽委員長=飯島尚幸▽副委員長=飯島進▽委員=前沢啓子、伊藤明由、伊藤泰雄、馬場秀則、北原幸彦、三沢岩視◇社会委員会▽委員長=黒河内浩▽副委員長=平岩国幸▽委員=春日晋治、小平恒夫、柴満喜夫、中村威夫、柳川広美、佐藤八十一、小林信◇経済建設委員会▽委員長=新井良二▽副委員長=飯島光豊▽委員=竹中則子、中山彰博、野々田高芳、前田久子、矢野隆良、下島省吾、原浩◇議会運営委員会▽委員長=小平恒夫▽副委員長=柳川広美▽委員=平岩国幸、春日晋治、黒河内浩、柴満喜夫、伊藤明由、野々田高芳、飯島尚幸 -
伊那市総合計画審議会第8回
09縲・8年度の伊那市の市政運営の指針となる市総合計画【基本計画】案について検討する市総合計画審議会(下島省吾委員長、23人)は12日、第8回会議を市役所で開いた。全6章のうち、前回会議で審議した第2章「だれもがいきいきと働き産業が育つまちづくり」について、委員の意見を反映した修正案が示された。農業経営基盤の強化と地域の活性化についての項目の中に「市農業振興センターの充実」を追加するなど、計13カ所を修正した。
第3章「自然や景観を守り生かすまちづくり」について意見を交わしたほか、第4章「健康で安心して暮らせるまちづくり」について市の担当者から説明を聞いた。
第3章について参加者からは「幹線道路も大事だが生活道路、特に通学路の整備を優先すべき」「市営住宅は郊外にあることが多いが、高齢者にとって買い物や医院通いなどに便利な街中に置く研究をしてはどうか」などの意見が出た。
市長への答申は7月の見込み。基本計画案は市役所1階の行政情報コーナー、高遠町総合支所、長谷総合支所などで閲覧できるほか、市のホームページでも公開されている。 -
中川村片桐警察官駐在所主任、大森和広巡査部長
3月末片桐警察官駐在所に着任した。1カ月余が経過し「駐在所勤務は5年振り。アルプスはきれい、花も多く、いい所に来た。地元の『中央そばの会』の皆さんが花見に呼んでいただき、地域住民が駐在所をいかに大切に思ってくれているかがよくわかった。地区の役員さんとも顔なじみになり、気さくでつきやいやすい土地柄」と印象を。
旧丸子町に生れ、地元の高校を卒業後、警察官を志し、1年間の研修を終え、岡谷署田中町交番へ。「毎日が勉強で、社会人になっても、勉強しなければいけないのか」と思ったとか。
その後、長野中央署に移り、交番、警ら隊、留置所管理係にもした。警ら隊はパトカーに乗り、取締やパトロールを行い、結構忙しかったとか。留置所管理係では「留置人の世話をする中で、犯罪者の気持ち、心理が勉強になった」。
駒ケ根署勤務を経て、飯田署の天竜村へ。「温暖で県内では桜が1番先に咲き、のどかな村だったが、自販機荒らしや学校荒らし、建設作業事務所荒らしなどの犯罪もあった」と振り返る。
片桐駐在所に着任して「片桐地区は国道153号が通り、交通量も多い。村道の通学路などは歩道整備も進み、安全意識が高いことが伺える。それでも、最近、牧ケ原トンネルの北側で、スピートの出しすぎで単独事故が発生した。シートベルトの着用率もよいが、たまに未着用が見られる。すぐそこまでだからと言って、未着用で取締にあうて、1点減点になる。1点をおろそかにしていると、そのうち免停になってしまう」と注意を呼びかける。
また「中川は高齢者世帯が多い。くれぐれも振り込め詐欺の被害にあわないように、気をつけてほしい。相手はプロ、口がうまい。最近、無料で粗大ごみを処理してくれると持ち掛け、後で高額の処理代金を請求された事例があった。何かあったら相談に来て」と呼びかけている。(大口国江) -
高齢者・障害者交流施設「ぽっかぽかの家」 オープン
南箕輪村が障害者生きがいセンター隣りに建設していた高齢者・障害者交流施設「ぽっかぽかの家」が完成し、10日、唐木一直村長や村社会福祉協会、請負業者ら関係者40人が集まり、施設のオープニングセレモニーを開いた。
式典で唐木村長は「この施設は高齢者、障害者の交流の拠点。この施設を中心にすべての村民のみなさんが交流し、この村に住んで良かったと思えるようにしたい」。運営を受託した村社協の堀深志会長は「誰もが気軽に利用できるよう、みなさんで作る福祉のより所にしたい」とあいさつした。
「ぽっかぽかの家」は国の07年度地域介護・福祉空間整備等交付金を受け、生きがいセンター南側に増築した施設で木造平屋建て、床面積約134平方メートル。交流室を中心に畳スペースのあるサロンや相談室などを配置。総工費約3200万円。
施設名称は「心と心の交流の場所として相応しい」とし、公募で中島貴子さん(65)=同村神子柴=の作品に決まった。
オープニングセレモニーであいさつする唐木村長 -
天竜川激特災害現地視察
天竜川上流部で観測史上最大の雨量を記録した06年7月豪雨から2年竏秩B災害を再び繰り返さないよう国土交通省と県は、辰野町から伊那市にかけての天竜川流域約20キロを河川激甚災害対策特別緊急事業の対象に指定し、5年計画で整備を進めている。
流域の伊那市、辰野町、箕輪町、南箕輪村は10日、工事の進ちょく状況を見ようと上伊那の5カ所を訪れて視察を行った。各市町村長や担当者、地元住民などが参加し▽辰野町の同善渕▽箕輪町の伊那路橋▽南箕輪村の新天竜橋▽伊那市の棚沢川合流点▽同・殿島橋竏窒フ整備状況を確認した。
護岸が決壊した辰野町の同善渕では天竜川上流河川事務所の伊藤仁志所長が昨年完成した護岸工事について説明。参加した宮下一郎衆議院議員らも満足そうにうなずきながら説明を聞いた=写真。地元住民からも「安心して暮らせる」と感謝の言葉が聞かれた。
改修工事は1秒当たりの放流量が30立方メートル増の430立方メートルになっても対応できるよう、河道掘削、築堤、根継ぎ、根固工、橋補強などを実施するもの。07年度末時点で約43%が完成していて、08年度末までに約67%が終了する見通し。
上伊那では伊那市で殿島橋の橋げたが流され、箕輪町松島で堤防が決壊したほか、各地で護岸が流されたり崩れたりするなどの被害が出た。 -
第2期南箕輪村むらづくり委員会 活動スタート
「南箕輪村むらづくり委員会」は8日夜、村役場で開き、第2期委員会のスタートを切った。村第4次総合計画の実践に向けて公募、識見者(区推薦、村長指名)で組織した、今期の委員30人を唐木一直村長が任命。委員会長には前同委員会長で団体職員の唐沢俊男さん(65)=大泉=を互選した。
同委員会は、自立に向けた村づくりについて考える場として、2004年に第1期委員会を組織、07年7月には村第4次総合計画の「実践に向けたむらづくり提案」を示し、第1期の役割を完了。第2期委員会は計画の実践に向け、住民主体の村づくりを目指すため竏窒ネど、それぞれの部会に分かれ話し合っていく。委員任期は08年5月8日縲・1年5月7日。
部会は(1)新たなコミュニティー組織づくりの検討(2)行政評価(外部評価)(3)村第4次総合計画の検証・後期基本計画の検討竏窒フ3つがあり、30日にある次回の委員会で、委員の部会構成を会長が指名し、部会長などを決める。以降の会議は各部会ごと、月1、2回行っていく予定だ。
あいさつで唐木村長は「協働・共助の村づくりへ機運が高まるよう、少しでも住みやすい村になるよう活発な意見を」。唐沢会長は「村がどうやって元気を出していくのか、どう自立していくのか、みなさんの力を借りて決めていきたい」と話した。
今期から設けた村長指名の学生枠(任期1年)には信州大学農学部3年の村上貴昭さん(20)を指名。広島県生まれで、同村に住み始めて2年目の村上さんは「村についてまだまだ勉強不足だが、学生にしかできないこともあると思う。若い風を吹き込むことができれば」と意気込んでいる。
委員に任命する唐木村長
村総合計画の実践に向けて取り組みを始めた「むらづくり委員会」 -
大田切の県単農道26日に開通
宮田村大田切地区で建設中だった県単農道は26日に竣工開通式を行い、供用を開始する。総延長2キロ余りで、伊那谷の南北の基幹道路である国道153号と広域農道を接続。貴重な動植物保護を理由に一部区間が中止となるなど7年の歳月を要したが、駒ケ根市に隣接する同村南部の・ス動脈・スにと期待される。
2001年に着工し、県を事業主体に約13億円かけて整備。太田切川に沿って村南部を東西にまたぐ。
事業をめぐっては広域農道西側の331メートル区間が動植物保護で中止となり、03年には財政難を理由に全線の2車線確保が見直される事態にも直面。
しかし、地元や村が根気強く県に再考を促し、中止区間以外はほぼ全線2車線に復活した。
開通式は午前10時半からを予定している。 -
地域づくり支援29事業を認定
宮田村は地域づくり支援事業の一次分の審査を行い、申請があった29事業すべてを認定した。道路修繕や安全対策、環境美化など住民の手による地域整備を補助していこうと始まった同事業は今年度で5年目を迎えたが、村総務課は「積極的に拡大が図られており、さらに一歩進めた地域づくりに発展すれば」と期待を寄せている。
村は本年度も同事業に260万円を予算化。一次分の交付申請で既に167万4千円に達した。
「環境整備から道路管理、防災安全面にまで広がりをみせている」と同課。事業を通じて住民の地域づくりに関する意識も高まっているとも分析する。
今回の認定分をみても、大久保区が地域にある井水の関連施設を史跡として整備しようと考えるなど、内容は多岐に及ぶ。
花壇整備を除いて最大3年間が補助の期限となるが、「本来の地域づくりに新しい発想も盛り込まれ始めている」(同課)格好だ。
20日まで二次募集。問い合わせは村総務課85・3181まで。一次分の認定団体は次の通り。
【新規】区有林整備等に関する有志の会=里山の環境保全▽町一区=交通安全対策、自主防災組織充実▽北割区=道路と側溝整備▽大田切区=公園遊具の点検改修▽大久保区=自主防災組織の充実▽大久保区=丸山井の史跡整備【継続】「おおはら」を発行する会=地域情報紙発行▽町二区=自主防災組織充実と環境美化▽南割区=道路の安全確保【街並みづくり事業(花壇整備)】花と緑のある街角づくり会、大久保区ふれあい花壇ボランティア、おおはら花の会、米松会、三班辰巳会、里宮花の会、新田区、いきいきサロン、大田切曙会、北割寿会、つつじが丘景観委員会、北割5班婦人部、一輪の会、町三区、河原町通り景観委員会、三一会、仲町モール商店会、新田5班、つつじが丘区、大原区 -
美篶きらめき館しゅん工式
伊那市美篶に、美篶支所・公民館・伊那図書館美篶分館の機能を併せ持つ「美篶きらめき館」が完成し6日、しゅん工式があった。美篶公民館支所の老朽化に伴う移転新築で、関係者約100人が集い祝った。
美篶公民館支所は1962年に建設し、77年に増改築したが老朽化していた。98年に建設委員会を発足。06年8月に建設位置を決定し07年2月から設計開始。同年7月に建設着工し08年3月にしゅん工した。
式で小坂樫男市長は、「美篶地区の行政、文化の中心地になる。高遠・長谷地区からも旧伊那町からもご利用があると思う。きらめき館を地域の文化活動、行政の中心として、皆さんのよりどころとして大事に使っていただき、皆さんに愛され末永く続くことを願う」と式辞を述べた。
美篶公民館支所建設委員長の赤羽要さんは、「年を取るごとにきらめきを増し、名前に恥じない施設になることを心から願う」とあいさつした。
きらめき館は、蔵書約2万冊の図書館、冬は床暖房になるプレイルーム、講堂、研修室、実習室、会議室などがある。 -
シンクライアント導入進む
個々のパソコン端末がハードディスクなどの記憶媒体を持たず、データの処理や管理は中央コンピューターともいえるサーバーが一括して受け持つ「シンクライアント・システム」を導入する動きが上伊那の各市町村で進んでいる。すでに導入、稼動しているのは辰野町(06年)箕輪町、宮田村(共に07年)の3町村。7月1日には伊那市が本庁舎の一部で稼動を開始する。市が管理するパソコンは約千台だが、本年度は880万円をかけて200台を入れ替え、今後3年間で全数を更新する計画。
残る駒ケ根市、飯島町、南箕輪村、中川村もそれぞれ導入に向けて研究、検討を始めていて、いずれも時期は未定だが早い所は09年度中にも導入したい考えだ。
同システムの利点は情報が個々の端末ではなくサーバーに保存されるため、機器の持ち出しや盗難などによるデータ流出の可能性がほとんどないこと。さらに、どの端末からも同じ情報にアクセスできることからパソコンの共有化ができ、保有台数を減らす効果もある。伊那市の担当者は「パソコンは現在職員1人につきほぼ1台を配備している状態だが、将来的には台数を7、8割にまで削減できるのではないか」としている。
導入当初の費用がかさむことが難点だが、セキュリティ強化に加え、台数減や管理業務の軽減などによるコスト減少が見込めることから、導入は今後ますます加速しそうだ。 -
駒ケ根警察署大草駐在所主任、笠松大二巡査部長
3月下旬、大草駐在所に着任、1カ月を経て「自然が豊かないい所に来たというのが第1印象。役場や消防署などあいさつ回りをしたが、親切で、住み良さそうだ。隣組の皆さんも良くしてくれる。道で会えば、向こうから声を掛けてくれて、本当にうれしい」
岡谷市生まれ、大学卒業後、民間企業に就職したが、親の希望もあり、長野県に戻り、警察官に応募。松代警察学校で半年間研修した後、初任地の木曽警察署で交番勤務に「やること、成すこと、何もかも初体験。だだ仕事をこなすだけだった」。木曽警察署は当時迂回路なしの1本道だった国道19号を抱え、ひとたび正面衝突などの大事故が発生すると、事故処理に時間がかかった。
定期便のトラック運転手は事情がわかっており、理解してもらえたが、行楽客はイライラし、不満をぶつ掛けられたこともあったとか。「もう1本迂回路があれば、いいのにと思った」
この後、長野中央警察署に、善光寺の門前、城山交番に勤務した。「昼間は参拝者でにぎわい、すりや遺失物も多く、落し物もどっさり届いたが、夜はにぎわいは権堂に移り、静かで助かった」。
豊科、穂高交番勤務に続き、駒ケ根署の駅前交番へ。保育園児と小学生の子どもを伴っての赴任で、送り迎えなどでほかの父兄と交流があり、住民の輪の中に入りなじめた。 高遠の藤沢駐在所時代に、観桜期に中学のグランドに駐車できないことがあり、車列が駐在所までつながったことも。高遠城址内の交番にも勤務「ピンクがかった色は見事だった」高遠町には4年勤務し、4シーズン、天下第1の桜を楽しんだ。
この後、飯田市上郷に住んで高森町駐在所に通った。「高森町は飯田市のベッドタウンで人口が増加し、振興住宅地が増え、人間関係が希薄で事件、事故が多かった」と振り返る。
「大草は桑原や小渋ダムと奥が深い。歩いて道を覚え、村内の地理をしっかりと頭に入れたい。巡回連絡で家庭訪問し、村民と顔なじみになり、地域になじんで仕事をしたい」。(大口国江) -
ごんべえ号運行開始1カ月
権兵衛トンネルを経由して伊那市と木曽町を結ぶ連絡バス「ごんべえ号」が4月1日に試験運行を開始してから1カ月竏秩B伊那市がまとめた4月の集計によると、利用者総数は544人で、平均利用者数は一日当たり18・1人、一便当たり2・27人だった。市の担当者は「思ったよりも伸びていない。利用者が増えるよう、関係者と相談しながらダイヤ改正なども含めて利便性を図っていきたい」としている。
バスは伊那市の伊那バス本社前と木曽町の県立木曽病院を約1時間15分で結ぶ。運行本数は一日8本。初日の4月1日こそ計100人が利用したが、2日11人、3日6人と減少。その後も高遠城址公園の花見などが要因とみられる増減はあるものの、おおむね横ばい状態が続いている。 全240便のうち、一便当たりの利用者数が最も多かったのは29日午前8時56分木曽発3便の33人。次いで1日の同便と午前6時55分伊那発2便が同数の22人だった。利用者数が二けた台に乗ったのはほか4便と合わせて計7便のみで、ほとんどの便は一けた。ゼロだった便も81あり、全体の約3分の一を占めている。