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構造計算書偽造問題
県、再計算制度開始上伊那でもホテル2棟が耐震強度不足と指摘されている姉歯建築設計事務所の構造計算書偽造で、県は1日、構造計算審査における独自の再計算制度をスタートさせた。
現行の審査では、大規模建築物の構造計算がコンピューターで行われるようになって以降、建築基準法施工規則などにのっとった詳細な計算書が提出図書から省略され審査の対象外にされてきた。姉歯建築設計事務所はこの詳細な計算過程をプログラム操作で改ざんした。
スタートした新たな制度では、この詳細計算書を県独自に再計算する。そのために構造計算一貫プログラムを購入し配備し、必要な人員も再配置するとしている。
対象になる建築物は、県に申請書類が保存されている02年度以降の建築物約200件。民間の指定確認検査機関が建築確認をした建物も、建築主の意向を聞いて逐次実施。今後新築予定の建築物については、確認申請時に必要性を判断して、随時行う。
1日、県庁で塚田和雄住宅部長が記者会見して発表した。上伊那地方事務所には、まだプログラムなどは配備されていない。構造計算書偽造問題に対する都道府県レベルの対応としては先陣を切るものだが、プログラム購入費の捻出や人員配置などに関する困難を指摘する声もあり、一日も早い制度の実質化が求められる。 -
山浦義人氏、相談役も退任へ
ヤマウラ新役員人事案ヤマウラは25日、12月21日の株主総会に提出する新役員人事案を発表、現在取締役相談役の山浦義人氏が退任する予定であることが明らかになった。執行役員については現場を重視した新人の登用をはかる窶狽ニしている。
発表された役員の異動予定は次の通り。(敬称略)
■役員【退任】取締役相談役・山浦義人、監査役・木見尻康彦、【重任】代表取締役社長・山浦速夫、取締役副社長・山浦献幸、専務取締役・澤田英明、専務取締役・山浦恭民、専務取締役営業本部長・保科茂雄、常務取締役管理部長・中島光孝、【新任】監査役(選任予定)・大和達之
■執行役員【重任】専務執行役員営業本部副本部長・松沢勉、常務執行役員長野支店長・藤木公明、常務執行役員営業本部副本部長・澤戸史樹、執行役員首都圏事業部長兼東京支店長・川田昌伸、同技術本部長・小林寛勝、同エンジニアリング事業部長・山下良一、同土木技術部長・宮島始、同経営管理室部長・大多和禮隆、【新任】執行役員FC本部長・桜井豊、同諏訪支店長・伊藤優一 -
【南大東島再訪記】離島産業振興の苦難〈中〉
市場原理導入を前に模索続くサトウキビ生産「07年からサトウキビの価格決定に市場原理が導入される。補助金頼みではだめ。付加価値をどう高めるかが死活問題なんだよ」
島の産業課長濱里保之さんは、サトウキビ畑を走り抜ける車の中で語った。島唄のオピニオンリーダーで、島の宣伝で自ら先頭に立つ産業課長だ。8月の伊那のステージでも楽しい歌・しんみりした歌を披露した。
南大東島はサトウキビの島。1900(明治33)年、八丈島から島開拓の祖・玉置半衛門ら23人が上陸して以来、一貫して基幹生産物はサトウキビ。第2次大戦後の1946(昭和21)年まで、玉置商会窶箔圏m製糖窶泊蜩坙{精糖と、事業権こそ譲渡されたが、「製糖会社が経営する島」という日本でも類例のない社会制度が続けられていた。
そうした影響もあってか、製糖会社所有の土地が農家に分有されたあとも、一戸あたりの耕作面積が広く、現在でも、200余の農家の平均経営規模は8・2ヘクタールに及ぶ。これを背景に、ハーベスタという収穫機をはじめ大型機械を導入した、日本では類例のない一貫作業体系が確立している。
「他の離島のように、小規模経営で生産者が高齢化している窶狽ニいう問題は少ない。大規模経営だからこそ市場原理の導入の痛手が大きく、他の作物への転換も出来ない窶狽ニいう問題に直面している」のだという。
島では南大東産サトウキビの付加価値を高めるために、減農薬栽培の方法を研究し、主要な害虫であるハリガネムシに関しては、性フェロモンを撹乱して交尾をさせなくさせる方法を沖縄県で唯一全島規模で行っている。他の害虫についても駆除方法を研究中だ。
また、従来、サトウと糖蜜を製造する製糖工場しかなかったが、サトウキビを原料にしたラム酒を製造する工場も誘致し、利用方法の拡大も図ってきた。
だが、それでも「サトウキビの島」の「前途は多難だ」と濱里さんは言う。国の農業政策の転換の中で、農業に展望を見出せない「地方」の姿がここにもある。
「島唄を歌っているだけじゃいられないさ」。産業課長はつぶやいた。 -
審議会が新市の特別職の給料などを答申
伊那市・高遠町・長谷村合併協議会の特別職報酬等審議会(向山公人委員長、10人)は25日、白紙諮問があった市長をはじめとする常勤特別職の給料などを答申した。常勤特別職は県内の人口類似規模の安曇野市・塩尻市に準じ、非常勤特別職は現伊那市にとどめた。正副会長会に再諮問を申し入れた地域自治区長、地域自治区に置く地域協議会構成員は返答がなかったため、答申項目から外した。
向山委員長は「地域自治区長らの業務内容や権限が明確でない。委員の合意が得られず、項目から外した」と口頭で加え、協議会長である小坂市長に答申。
小坂市長は「不透明なところがあり、やむを得ない」とし「新市長が決まってから審議会を設けて決めていただく」と述べた。
地域自治区長は市長が任命するため、事務的には間に合うという。
答申は尊重し、12月1日に開く合併協議会で協議案として提案する。
審議会は県内19市を参考に、支給基準(月額)を市長92万8千円(現伊那市1万8千円減)、助役76万8千円(7千円減)、収入役68万1千円(9千円減)、教育長65万4千円(1万3千円減)とした。市議会議員は36万円(6千円減)、農業委員4万1100円。消防団員は区域が広がり、職責が増大する特殊性から、役職ごとに3市町村の最高額を採用した。
地域自治区長らの再諮問については、合併協正副会で話し合いの場を持ったが、意見がまとまらなかった。 -
姉歯事務所構造計算書偽造、上伊那にも
2つのホテル営業休止へ虚偽の構造計算で問題になっている千葉県市川市の姉歯建築事務所が、伊那市の「ホテルセンピア」と駒ヶ根市の「プレモントホテル」の構造計算にも関わっていた問題で、県建築管理課は25日、関係書類を再調査した結果、構造計算書が改ざんされたことを確認。両ホテルとも大きな地震を想定した耐震性に問題があると発表した。
これを受け、両ホテルを経営するオオハシグループ(本社・飯田市)は、両ホテルの営業を休止することにした(休止開始期日などは未定)。
耐震性確保の方法の検討や、施工者・設計者の建築基準法違反などの調査についてはこれから行う。
構造計算書や構造図には明らかな改ざんの形は見られなかったが、設計段階の数値をコンピューターの構造計算プログラムに入力して再度計算したところ、建築確認時の計算数値との不一致や、適正な計算方法を用いていないことが判明したという。
伊那市のセンピアは、8階建て109部屋で2000年4月開業。駒ヶ根市のプレモントは8階建て120部屋で01年12月開業。いずれも23日自己破産を申告した熊本県の木村建設が設計・施工した。構造計算を姉歯建築設計事務所が行った。
建築確認はセンピアが99年度、プレモントが01年度に、ともに上伊那地方事務所で行われた。上伊那地方事務所には、建築確認当時も、現在も、再調査で使用した構造計算プログラム(国が認定したもの)はない。
オオハシグループの中島憲治代表は本社の取材に「県の発表があいまいで、何をどうすれば良いか分からないこともあるが、お客さんの安全が第一。すみやかに営業休止の措置をとりたい」「姉歯事務所とは一面識もない。木村建設が構造計算を依頼したのだと思う」と話した。 -
信州そば品評会で2社が受賞
05年の信州そば品評会で、高遠町の木曽屋が作る「絵島八割蕎麦」が、第1部(そば粉配合率70%以上の乾そばの部)で農林水産省総合食料局長賞に輝いた。箕輪町の沢製麺が作る「八割そば」も同部門の県知事賞を受賞した。
県工業技術総合センター食品技術部門が行うもので48回目。
ほかに、そば粉40%以上70%未満の乾そば部門や半生そば、生そばなどの5つの部門があり、全体で29工場から217点が出品された。
出品物の展示と表彰式は25日。長野市鶴賀のメルパルク長野で午後1時から。 -
市田柿の風景を守る宮田村出身の写真家
唐木孝治さん(53)農家の軒下に干し柿がズラリと並ぶ風景は伊那谷の初冬の風物詩だった。上伊那では余り見かけなくなったが、干し柿を作る「柿すだれ」という言葉を聞けば、下伊那郡高森町を思い出す人も多いことだろう。
だが、この「市田柿の里」からも、柿すだれが姿を消している。
「市田柿は今も高森町の特産品です。しかし、柿すだれは一ヵ所もなくなってしまった。あの風景を守ろうと、訴えているんです」
宮田村出身の写真家。高森町在住だが、今も宮田村にスタジオ写瑠を構える。柿すだれの写真を撮り歩くうち、「この風景は守るべき貴重な財産だ」と思ったという。
会の設立は6年前。当時はまだ、柿すだれがあった。だが、衛生上の観点から「寒冷紗(かんれいしゃ)」と呼ばれる虫除け・陽射し除け用の網状の薄い布がかけられ、柿すだれを隠していた。
「1日でも良いから、寒冷紗をはずして、オレンジ色に輝く柿すだれの風景を蘇らせよう。それを子どもの目に焼き付けよう窶狽ニいうのが最初の趣旨だったんですよ」
ところが、事態は好転しなかった。それどころか、県や農業団体が「干し柿生産における衛生管理の徹底」を指導したこともあり、干し柿を軒下に吊るすこと自体がなくなってしまったのだ。
11月13日に会が主催した市田柿の風景を見るウォーキングのイベントでも、柿すだれは1カ所。松源寺という禅寺の鐘楼に、自家用の柿を特別に吊下げてもらって、かろうじて「風景」を守っている状況だ。
もちろん、生産者側にも事情がないわけではない。現在、市田柿を生産・出荷する農家は、倉庫など家屋の中に柿を吊るし、極力外気に当てないようにして干し柿を作っている。「ごみが混ざっていた」「カビが生えていた」などのクレームに対応していくためには、生産工程で徹底した衛生管理を行っていることを示さなければならない。外気にさらして作るのでは「不衛生」のそしりを免れないというわけだ。
「安全・衛生上の配慮は重要ですよ。しかし、伝統的な風景には、その地域の伝統的な食と生活が凝縮されている。それを途絶えさせてしまうのは、地域にとって貴重な財産を失うことになる」
高森町で干し柿作りが始まったのは、飯田城主が奨励したとか伊勢神宮の焼き柿が伝わったとか諸説あるが、天竜川から沸きあがる濃い川霧が、干し柿を包む白い粉(ブドウ糖)を吹かせるのに良い影響を与えるそうで、そうした気象条件がこの地の特産品=市田柿を生み出したことは間違いない。長い歴史の中で、人々はそれを知り、営々と柿すだれを吊るしてきたのだろう。
「風景を守ることは地域を守ることそのもののはず。これからも頑張って、いつの日かたくさんの柿すだれを復活させたいと思っているんですよ」
最後をそう結んだ。
(毛賀沢明宏) -
第5回水墨画県展
第5回水墨画県展が24日、伊那市の県伊那文化会館で始まった。オープニングから200人を超える人が集まり、幅広い題材を描いた水墨画の世界をたん能している。
会場を移動して開く公募展で、伊那市での開催は初。応募者は画歴5、6年から30年くらいまでとさまざま。10号以上30号未満で、色をつけず墨だけで描くという規定があり、例年並の260点余の応募の中から入賞、入選作品、特別出品作品約200点を展示している。
画風は風景、山水、建物、人物など幅広く、洋風な題材もある。高遠町の高遠城址公園、駒ヶ根市の光前寺鐘楼など地元を描いた作品もある。「全体のレベルが上がってきている。テーマや表現もバラエティに富み、見応えがある」という。
26日は水墨画実技教室が小ホールである。講師は長野県水墨画協会長代行の下平瑞雲さん。午前10時縲・1時半、午後2時縲・時半の2回。申し込み不要。
展覧は27日まで。午前9時縲恁゚後5時。最終日は午後3時まで。入場無料。 -
窪田孟恒絵絣(かすり)展
アンズの木の染料で染め上げた素朴で温かみのある窪田孟恒さんの絵絣(かすり)展が27日まで、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで開かれている。つむぎや生糸で織られたタペストリーや壁絵など約50点が、訪れた人を楽しませている。
絵絣は織られた布に絵を描くのでなく、描く絵を想定しながら糸を染め上げて模様を描く。作為的な線でなく“かすりの足”と言われる優しいラインが魅力。窪田さんはそんな絵絣に魅せられてグラフィックデザイナーから転職した。
藍(あい)でつくる絣絵は有名だが、自分だけの色彩を模索し、故郷・千曲市の木でもあるアンズの木の染料に出合った。
染める回数や媒染などによって橙、こげ茶など、色彩はさまざまに変化するが、温かみがあるアンズの染料は、絣の美しさを引きたてる。
窪田さんは「絣は自分の思いが及ばない美しさを表現してくれる」と話していた。
入場無料。午前9時縲恁゚後6時。 -
経営所得安定対策等大綱
関東農政局が説明会関東農政局長野農政事務所が主催する「経営所得安定対策等大綱」についての説明会が24日、伊那市狐島のJA南信であり、市町村・農業委員会・土地改良区・JA・県の機関などから300人が集まった。県内では18日の長野県民文化会館に次いで2回目。
同大綱は、3月に閣議決定された新たな「食料・農業・農村基本計画」に基き、(1)品目横断的経営安定対策、(2)米政策改革推進対策、(3)農地・水・環境保全向上対策窶狽フ具体的方針として農水省が決めた。
(1)の品目横断的経営安定対策の骨格は、複数の作物の組合せで営農されている水田作・畑作に、従来のように品種別ではなく、農業の担い手の経営全体に着目して財政支援をするというもの。対象となる担い手を、・ス認定農業者、・ス集落営農組織、・ス特定農業団体(またはこれと同様の用件を満たす組織)にしぼった。諸外国との生産条件の格差是正のために直接支払をすると同時に、販売収入の変動が経営に大きな影響を及ぼす場合には積立金からの補填をする。
(2)の米政策改革推進対策は、(1)の品目横断的経営安定対策が導入されることになったことを踏まえ、02年12月に政府が決めた米政策改革大綱に基く施策との整合性を取るためのもの。担い手と認定された農業生産者に、担い手経営安定対策ならびに稲作所得基盤確保対策として支払っていた支援を、品目横断的経営安定対策に一本化した。
一方、担い手に認定されていない生産者を対象にした産地づくり対策も引き続き実施するとした。
(3)は地域における農地・水・環境の保全や、農業者ぐるみの先進的な営農活動を支援するもの。
農業に関わる国の施策が次々と打ち出されており、その整合性をとるための説明が多義にわたり複雑だが、水稲を軸にした営農活動への財政的支援の問題であることから、参加者は、終始真剣に説明に聞き入っていた。 -
伊南行政組合消防本部が救急技術訓練
伊南行政組合消防本部は22日、飯島町体育館と駐車場で、職員ら45人が参加し、救急技術訓練を行い、レベルアップを図った。
職員が被災者(模擬患者)に扮し、交通事故現場や自殺、運動中に倒れる、大地震発生でけが人多数など、救急現場を5ステーションを設けた。3人1組の救急隊が各ステーションを10分づつラリー方式で救急処置を行った。
交通事故現場では、救急車で到着した隊員らは安全確認した後、、車両の下から、慎重にけが人を引き出し、意識や呼吸、出血などの確認のほか、視診、触診し、固定して救急車に収容した。その間6分かかった。
大地震発生現場では、混乱する現場の状況を再現、建物の外に避難誘導したり、けが人には的確に処置をした。 -
三峰川みらいフォーラム
「第7回三峰川みらいフォーラム窶狽なたは三峰川の河川環境をどう考えますか」(三峰川みらい会議)が23日、伊那市役所であった。三峰川流域の住民ら70人余が活動レポートや意見交換などを通し、河川環境を考えた。
フォーラムは、三峰川の河川整備計画策定から8年を経過し、見直し作業が進む中で、河原の樹木伐採など今後の川づくりを話し合おうと企画。
活動レポートで、7団体が三峰川に生息する鳥の報告、三峰川堤防の桜の手入れや三峰川から取水し、富県や東春近を潤す「伝兵衛井筋」調査などの取り組みを紹介した。
意見交換では、活動レポートをもとに▽三峰川と子どもたちのかかわり▽河川整備窶狽ノついて意見を出し合った。
参加者から「伝兵衛井筋や霞堤防は、生活を支えた歴史的な遺産。価値を見直すことが大切」「子どもたちが川で遊ぶために、河原の雑木林を退治して寄りつける環境を作ってほしい」などが挙がった。また、伝兵衛井筋を調べる新山小学校5年生は鞠ケ鼻に埋まる〃まぼろしのトンネル〃を探し当てることができず、参加者が「新伊那市誕生記念イベントのアイデアを募集しているため、学術的に調べてもらったらどうか」と提案した。
また、三峰川を題材にした写生大会の表彰式もあった。
アレチウリ駆除や源流探検などの活動を展開する三峰川みらい会議の織井秀夫代表は「地域の力を借りた三峰川づくりをして、次世代に引き継ぎたい」と話した。 -
多部制・単位制高校の配置
具体的な校名を挙げて編整備案を示した第11回委員会は、多部制・単位制配置によりじる地域間不平等を改めて認識させた。
第3通学区は平等に「各地域が削減校1校を検討する」として合意した。しかし、1校設置を検討している多部制・単位制高校は、新設1校として枠を設けているため、誘致した場合、その地域の1校減は実質的には帳消しになる。
多部制・単位制高校誘致に意欲を見せたのは上伊那と下伊那。
上伊那は箕輪工業の廃止のかわりに多部制・単位制への転換を提案。検討段階にもかかわらず、制度、カリキュラム、地域内の定時制高校の今後のあり方など、かなり詳細まで議論を進めている。
下伊那は「3、4年前から多部制・単位制への要望があった」として松川への多部制・単位制誘致を提案。「上下伊那を対象として多部制・単位制の設置を考えては」という提案もあった。
統合による1校減を示した諏訪の委員も「多部制・単位制を置いた場合、クラス数のバランスなどを具体的に示してもらわなければ地域も納得いかない」と発言している。 -
高校改革プラン推進委員会(11)
第3通学区高校改革プラン推進委員会(池上昭雄委員長)第11回委員会が23日、伊那市駅前ビル「いなっせ」であった。前回以降、各地域の再編整備案を検討してきた小委員会が結果を報告。上伊那は「箕輪工業高校の全日制・定時制を廃止し、多部制・単位制への転換」という案を示し、諏訪も具体名で再編整備案を提示した。下伊那は、2つの候補案を示唆。次回、正式な案を示すことを約束した。
上伊那は、箕工を削減対象とした理由を▼上伊那内外にある志願者が多い工業高校との競合▼近隣普通科との競合▼多部制・単位制が設置されれば定時制廃止の影響も少ない▼全学科廃止の影響が比較的小さい窶狽ニし、地域の受け入れや魅力ある高校づくりに配慮したこと強調した。また「全日制・定時制教員間に連携があり、多部制・単位制への転換もしやすい」「上伊那・諏訪の中心にある」として多部制・単位制への転換も提案。
諏訪は1市町1校存続、地域校への配慮、職業校の配置バランスなどから、岡谷南高校と岡谷東高校の統合案を示した。
具体案掲示に強い反発を見せた下伊那だが、他地域の圧力に押され(1)3校ある専門高校の1校減(2)松川高校の廃止窶狽フ2案を提示。また「地域内に多部制・単位制を受け入れたい」というこだわりも見せた。下伊那は次回、具体案を委員会に示す。
委員会は次回、各案を考慮しながら全体の再編整備を検討する。 -
【南大東島再訪記】離島産業振興の苦難〈上〉
青パパイアの販路拡大へ「これがパパイア試験農場です。5種類の違った品種のパパイアを植え、何が適しているか研究を始めたところです」
南大東島青パパイア生産組合の平安山正治さんは、島を訪ねた一行を自分の農場へ案内した。
試験農場には、未熟果を野菜のようにして食べるのに向いた品種のほか、完熟させてフルーツとして食べるのに向いた甘味の多い品種などが整然と植えられ、成長の過程が記録されている。
島の青パパイアを、はるか1000キロ離れた伊那市産直市場グリーンファームで販売しはじめてから、すでに2年。住民同士の交流の広がりとともに、伊那での青パパイアの消費は拡大し、島からの出荷量も大幅に伸びた。だが、まだまだ島の主要な作物と呼べるような状況ではない。より付加価値の高い生産物を求めて模索の道は続いている。
平安山さんによれば(1)生の青パパイアの販路拡大、(2)消化酵素を大量に含む青パパイアの加工食品化、(3)良質な完熟フルーツパパイアの生産と販売窶狽ネどが島のパパイア生産の課題だという。
ここでも、南大東島が置かれた地理的条件が大きな関門だ。同島は、パパイア栽培には最も適した環境で、無農薬で良質のものが採れるが、沖縄本島や八重山諸島に比べれば流通の条件が悪く、それをクリアできるブランドイメージを作り出すことが急務。
伊那市周辺では、市民レベルの交流の進展もあり、「青パパイア」といえば南大東島の代名詞のようになっているが、販路を他の地域に拡大するとなると同じようなわけには行かない。南大東産として差異化を計らなければならない。
流通の不利な条件をクリアするには、島で加工して付加価値を高めることが有効な手立てだが、青パパイアの加工食品化の前例はきわめて少なく、どのような加工ができるのかを模索しているのが現状だという。パパイアの成分や、それがどのように役に立つかの機能性の分析も始まったばかりだ。
民間交流の中から伊那で需要が広がり、島で生産が広がった青パパイア。だがそれは、いかにブランド化し、市場競争力を高くするかという、じつは、現在日本中の農村が抱えている問題と同じ問題に直面している。 -
【南大東島再訪記】広がる子どもの交流〈下〉
子どもたち自身が求める交流の形を「試合が少ないから、小学生はなかなか出られないんだ」
島の野球チームに参加する田仲慎吾君(小6)は、少しはにかんでそう話した。
8月に伊那を訪ねた際、伊那の高校球児の応援団を自認するラーメン屋原点の酒井夫妻から「甲子園で会おう!」とバットとグローブをプレゼントされた少年。9月に酒井夫妻のもとに「あのバットでヒットを2本打った」というメモ書きの手紙が届いていた。
「その後」を聞いたときの答えだ。
島にチームは1つしかない。紅白戦はできるが、試合は本島か他所の島にいかなけばできない。チーム内で年少の小学生には、なかなか出場機会が回ってこないのだという。
「柔道の強い子はいるの?」と聞いて来た子もいる。「伊那で太鼓を叩く子どもに会いたいな」「島唄みたいのことやっている小学生はいないの?」……少し打ち解けると矢継ぎ早の質問攻めにあった。島の子どもたちは他所の地域の子どもとの接点を求めている。
「どういう交流の形が適当か、これから伊那の人と相談して行きたいです。ただ、大人が決めるのではなく、子どもたち同士が話し合い、どんなことをやりたいか、どんなことができるかを考えていけるような形が望ましいですね」。仲田建匠助役は話した。
3月・8月・そして今回と、島の子供たちを見ていて気付いた。彼らは、何か行動する時には必ず一まとまりになり、年長のリーダーが全体をしっかり統率して動く。島の大人たちは意識して、そのように子どもを育てているようにも見えた。
「伊那で花火を見に行く時に、みんな家族でまとまって歩いていたでしょ。島では、子どもは子ども、大人は大人で歩く。ちがうんだなぁって思いましたよ」。8月に伊那を訪れた島のお母さんの一人はそう話した。
自然環境も、生活風習も、子どもたち自身の関係も、かなり異なる南大東島と伊那の子どもたち。彼らは今後どのような交流を作り出し、どのような実りを作り出していくのだろうか?
(毛賀沢明宏)
※「広がる子どもの交流」は終わり。次回から「離島産業振興の苦難」が始まります。 -
【記者室】感情伝達
感情伝達に大きく影響するのは声の調子と表情だという。ヘルスカウンセリングスキルを学ぶ上伊那歯科医師会の講習会での話。言葉が伝えるのはわずか7%。「言葉だけでは真意は伝わらない。何を言うかではなくどう言うかのほうが伝わる」という▼「よく話を聞き、笑顔で朗らかに接することが大事」とのアドバイスは、医療従事者に限らず、すべての人にいえることだろう。南箕輪村の職員接遇研修でも、明るく笑顔で感じのよい話し方の説明があった▼メンタルの個人的な状態は視線や声の調子、表情、態度などに反映され、これは悩みや人間関係の悪化を作り出す要因にもなるという。よい人間関係を作るためにも話し方、接し方の心がけが大切と実感した。(村上記者)
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花の道杯小学生バレー大会
上伊那小学生バレーボール連盟は20日、第14回花の道小学生バレーボール交流大会を飯島体育館など町内7会場で開いた。中南信各地から男子14チーム、女子61チームが出場し、熱戦を通じて互いに交流を深めた。
上位チームは次の通り。
◇男子(1)辰野クラブB(2)みのわアタッカーズB(3)穂高キッズバレークラブ、松本ヴェガフェニックス
◇女子▽Aブロック(1)山形JVC・A(2)伊賀良クラブA▽Bブロック(1)みのわアタッカーズB(2)下諏訪かじの葉クラブA▽Cブロック(1)安曇野松川A(2)駒ケ根すずらん▽Dブロック(1)辰野クラブB(2)マーヴェラス鎌田A▽Eブロック(1)小井川クラブ(2)マーヴェラス鎌田B -
レントライフ淺川会長著「不動産業崩壊」
Amazonで全国199位不動産賃貸管理のレントライフ(本社・伊那市)の淺川透会長の著作=「不動産業崩壊」(10月1日ビジネス社刊)が、インターネットを通じた書籍販売の大手Amazonで上位199位にランキングされた(11月18日)。
同ランキングは、1時間ごとに更新されるもので、全国的な書籍の売れ行き状況=注目度を計る目安として信頼度が高い。現在、書籍の出版数は、1ヵ月に数万点とも言われており、199位は、かなりのベストセラーになる。
18日には出版元のビジネス社名で日本経済新聞の全国版1面に書籍広告が出されており、その影響もあったとみられる。だが、その後も600位台で推移しており、ビジネス社では「不動産業関連のビジネス書としてはかなりの売れ行き」と話している。
不動産・建設不況が続く中で、街の不動産屋と建設屋が賃貸管理という新しいビジネスフィールドに進む必要性を体験を交えて明らかにした書。伊那の飲み屋街の話なども随所に織り込まれ、歯に衣着せぬ業界批判などもある。
全国賃貸新聞、週刊住宅新聞など全国の業界紙が新書紹介で扱っており、今後も反響が広がりそう。読者からも「同感だ」「不動産屋の将来像が見えた気がする」などの声が寄せられているという。
著者の淺川さんは「最初は八重洲ブックセンターで買ったというような方から、手紙がポツポツと来ていた。ここに来て反響が大きく、驚いています」と話している。
■「不動産業崩壊窶矧Xの不動産屋と建設屋でつくる新しいビジネス」ビジネス社刊、210頁1470円(税込) -
【南大東島再訪記】広がる子どもの交流〈中〉
伊那西小の太鼓の話に大歓声「このビデオの中には、伊那西小の運動会でやられた南大東をイメージしたダンスや、大東太鼓に負けるなと音楽会で初めてやった太鼓の演奏のシーンがはいっています」
南大東島に伊那のコメを届けた一行の一人斧研つね子さんは、そう言って、伊那西小から託されたビデオを同島の小学生に手渡した。友好米の給食を食べる会の席上だった。
「2年生がね、島の太鼓を聞いて、かっこいいから自分たちもやろうと、初めて挑戦したんですよ」
説明に、島の子どもは「すごい!」「俺たち、やるじゃん」などと言って歓声を上げて喜んだ。
「それでね、2年生は13人いるんだけど、1人は体が不自由で車椅子に乗っているの。でも、その子も一緒に演奏したいって、頭でシンバルを演奏して頑張っています。そこもちゃんと見てあげて」
思いがけない言葉に、島の子どもは水を打ったように静かになり、目を丸くして聞き入った。
「そういう子も一緒の学校に行っているんだね」「その子も一緒に演奏しているってすごいことだよね」……
一緒に給食を食べていた中学生からささやき声が聞こえた。誰からともなく静かに拍手が広がった。
3月に島を訪れた伊那市教育委員の伊藤晴夫さんが、土産にもらったサトウキビを届けたことなどをきっかけにして、伊那西小では学校を挙げて島の子どもとの交流をはかってきた。各学年ごとに、西小を紹介するプレゼントを作り、手紙と一緒に送ったのは初夏のことだった。
「コメ作りのこととか、昆虫の話とか、子どもは大いに興味を持って手紙を読んでいました」と宮城盛夫同島小中学校長は話す。
その後島の小学校から返事が着き、8月に島民が伊那を訪ねた際にも、伊那西小を見学し、何人かの子どもたちが一緒に飯盒すいさんを楽しんだ。
こうした交流の中で、伊那西小の子どもたちは島やそこに住む人々の生活のイメージをふくらませ、創作ダンスや太鼓など新たな試みをはじめた。そして西小からのメッセージは、いままた、南大東の子どもたちに新しい何かを伝えた。
「ねぇ、おばちゃん。南大東小学校のこと、西小にまた伝えてね」。斧研さんらは、いつまでも子どもたちに取り囲まれていた。
(毛賀沢明宏) -
【南大東島再訪記】広がる子どもの交流〈上〉
伊那への児童派遣、村予算に計上へ「今後も、信州・伊那と南大東島の小中学校の交流を継続していくために、村は来年度予算にその経費を計上する方向で検討しています」
水田の無い南大東島の島民に食べてもらおうと、伊那市の有志が作った「友好米」を持参した「伊那コメ娘」一行を前にして、照屋林明南大東村長は、こうあいさつした。3日の村役場へのコメの贈呈式。村長の背後には助役以下村役場の職員全員が並んでいた。
「あぁ、そんなところにまで話が進んできたんだなぁ……」。コメ娘代表の井地千代子さんはつぶやいた。
沖縄県の市町村には、第2次世界大戦で、講和条約が結ばれる前に米軍が行った土地の強制収用などの行為に対する保障として、対米請求権が認められている。基金が設けられ、その果実で市町村などへの事業補助が行われる。以前は、道路整備などのハード面に利用されてきたが、近年は子どもの交流や教育振興の事業に当てられることが多いという。
照屋村長は、その対米請求権事業の1つとして、来年の春か夏、島の子どもの代表を伊那市に派遣する計画があることを明らかにしたのだ。
「信州は、島とまったく自然環境が違う。島では体験できないことを体験し、そこで育つ子どもたちと交流することはとても大切な体験になると思う」。と照屋林伸同村教育長も語った。照屋さんも8月に伊那を訪問した1人。千畳敷カールで島の校歌を歌った時には、「自分自身も何か胸を張る気持ちになった」と笑う。
南大東島はこれまで、100年前の島開拓の時に八丈島出身者が多かったことから、八丈島の小中学校と交流を深めてきた。それはそれで重要なのだが、環境的には似通った地域同士であり、山・川・稲・紅葉・雪・氷……等が見られる地域の子どもとの交流を求めていたのだという。
8月に伊那に来た子どもと久しぶりに話していると、すぐにその友だちが回りに集まり、「水は冷たいの?」「田んぼって足が沈んじゃうの?」「お祭りの音楽花火は毎年見られるの?」と話しかけてきた。「今度は僕たち行けるかなぁ?」。そのうちの一人が言った言葉が印象的だった。 -
【南大東島再訪記】「平成のコメの道」〈下〉
「おいしいコメがいつも届けば……」友好米を届けるコメ娘の一行には、じつは心配事が1つだけあった。伊那のコメで喜んでもらいたいけれど、島でコメを扱う商店の営業に影響を与えないだろうか?窶狽ニいうことだった。
南大東島は沖縄本島から東に約400キロ。周囲20・6キロの島に1380人が住む。島の59・7%を占める農地はそのほとんどがサトウキビで、あとは青パパイアやジャガイモ。水田はまったくない。
島民はもちろんコメを主食にしているが、当然全量、島外から、農協その他の流通ルートを通じて持ち込まれている。
コメを使う商店は、与儀商店・大盛商店・ケンちゃんストアーなど3件ほどあり、銘柄的には新潟県魚沼産コシヒカリから秋田こまち、ひとめぼれなど数種並ぶが、もっとも安価の秋田こまちでも5キロ2140円と、輸送費などの関係で伊那では考えられない値段がついている。
さらに、高温の地であることから保管などにも苦心しており、各商店がどれほど努力しても、どうしても鮮度的に落ちてしまう。新米も入らないわけではないが量的に少ない。島民のほとんどが「もっとおいしいコメを食べたい」と望んでいるという。
こうした地に、「川下り米」として有名で、食味もよい伊那市東春近の新米コシヒカリを、経費相当の原価で持ち込むのだから、島のコメ屋に少なからぬ影響が出るのではないか窶狽ニ危惧したのだ。
だが、取りこし苦労だった。米屋の1つ与儀商店の田仲留美子さんは8月に伊那を訪れた1人でもあり、交流をさらに深めようと、友好米のおにぎり作りや申込みの集約に率先してあたってくれた。
それどころか「伊那に行った時から、こんなおいしいコメがいつも届けば、島の人はきっと喜ぶと思っていた」と、今後継続して、伊那で取れたコメを島に直送し・販売する窓口を引き受けてくれる方向で、話し合いを続けることを約束したのだった。ほかの米屋さんも歓迎してくれた。
こうして、人々の友好の中から、伊那の特産品であるコメを直接流通させる、経済的な交流の試みが新たに始まろうとしているのだ。(毛賀沢明宏)
※「平成のコメの道」は本号で終わり。次回からは「動き始めた子どもの交流」が始まります。 -
【南大東島再訪記】「平成のコメの道」〈中〉
「私たちが草を取った田んぼで採れたんですね」「おいしい伊那のコメを存分に味わってください。末長く交流を続けましょう」
4日南大東村役場で行われた友好米贈呈式では、伊那市の経済部長・伊藤量平さんのメッセージが代読された。
島民に伊那のコメを食べてもらおうと、「友好田」を発案したのが伊藤さんだった。「島に水田がないのなら、作って送ってやればいいね」。3月に島を訪ねた伊那市民が市役所に報告に訪れた折の一言が引きがねになった。
話を伝え聞いた地主の細田清登さんからすぐに田んぼ貸与の申し出があり、3月の訪問団の一員で自らコメを作る唐沢健さんや畠忠弘さんが耕作の先頭に立った。一人で2度島を訪ねたことがある飯塚眞佐志さんも加わった。6月12日に東春近で行われた田植えにはボランティアで30人もが集まり、南の島に送る稲の苗を植えた……。こうしてできた友好米だった。
「自分たちでコメを作ってそれを島に送ってくれるなんて、今までまったく経験のないことなんですよ。みんな本当に喜んでいます」島の仲田建匠助役は話した。
8月に伊那を訪問し、田の草取りを経験した島唄の「ボロジノ娘」や大東太鼓「碧(あおい)会」の子どもは、口々に「本当にあの田んぼ取れたおコメなの?」「まだ、膝の上くらいまでしか育ってなかったのに、あれからどうやって稲が伸びたんですか?」などと盛んに質問してきた。
集まってくるほかの子どもに「泥がさぁ、ビチャーってつくんだ」「ズブズブって足が沈んでいくんだ」窶狽ネどと、8月に初めて経験した田んぼの感触を彼らが話すと、「俺も行きたい」「田植えをしてみたい」との声が沸きあがった。
4日夜あった歓迎会の場で、「じつは伊那で田植えに集まった人の中には田植え初体験の人が何人もいた」「稲刈り前に田んぼに水がないのを見た非農家の人が、これはマズイと勝手に水を入れて、農家の人に怒られたこともあった」などと裏話を話すと、笑いともに「へぇ縲怐A伊那でも稲づくり未経験の人がいるのか」という驚きの声も上がった。
(毛賀沢明宏) -
11都県で209件
7月に茅野市内の給油所から販売用のタイヤを盗んだ疑いで起訴された、山梨県笛吹市石和町東高橋の無職・須田実被告(29)と、双子の弟の同町広瀬の無職・須田昇被告(29)の余罪捜査が終了し、伊那署は4日までに、合計9回の追送致を終えた。
調べによると両被告は、03年3月から逮捕されるまでの間、長野、山梨など関東・中部地方11都県で、209件の犯行を実施し、被害総額は約8800万円(約4300本)。伊那署管内では伊那市、箕輪町のタイヤ専門店やガソリンスタンドで約5件(被害額=約650万円、被害本数=約450本)の被害があった。 -
県の組織再編案の懇談会
伊那合同庁舎で15日、県の組織再編についての懇談会があった。県側が06年度に予定している組織再編案を説明し、集まった地域住民ら約100人に理解を求めた。
組織再編案の目的は▽1つの窓口で、さまざまなサービスが利用できる▽地域の課題を地域で解決する▽専門的な情報を提供する窶煤B地方事務所、保健所、建設事務所を再編し、地域本部を置いて現地機関を統括する。
県からは沢田祐介副知事、青山篤司出納長らが出席。県の組織再編案の概要、02年に報告された県議会行政改革調査特別委員会の調査内容などを説明し、参加者と意見交換した。
土地改良関係は、地方事務所土地改良課から地域振興事務所環境森林チームへ再編されるが、参加者は「農政から切り離すものではない」と批判。青山出納長は「土地の持ち方を考えたとき、環境保全を考慮して農業を考える。行政としての支援は変わらない」と答えた。
そのほか、地域課題のとらえ方、商工会・商工会議所と地域振興事務所の役割、実施時期などに質疑があった。
冒頭、沢田副知事は「住みやすく便利なまちづくりに理解してほしい」と述べた。
組織再編案は、県議会9月定例会で継続審査となっている。 -
【南大東島再訪記】「平成のコメの道」〈上〉
「新米の香り、うれしい」伊那谷産コシヒカリは、水田のない南大東島で大好評だった。
島に到着した4日、同島小中学校に友好米を贈呈した一行(代表井地千代子さんら4人)は、児童・生徒と給食を共にした。事前に送っておいた友好米を使ったメニューだ。交流のきっかけになった青パパイアの料理もテーブルに並んだ。
「甘い」「かめばかむほど味が出る」「おいしい」窶博q供たちは歓声を上げて伊那の米を食べた。小学校教頭の盛正也さんは「いつもは米飯を口にしない1年生の男児がお代りまでした」と驚いた。「調理師が新米を炊いたことがなく、水加減で苦労した。ちょっと固かったかしら」と、栄養職員・松田優子さんは笑った。
5日は、島の陸上競技大会(島民運動会)。島民有志とともに朝から握ったおにぎりは400個。島民は列を作った。「数が足りないだろうから」と遠慮して取りに来ない地区の席におにぎりを運ぶと、沖縄独特の指笛や拍手の大歓迎。鳴り止まぬ拍子が手拍子に代わり、「コメ娘」の一人・北原弘美さんが島民に手を引かれて島の踊りを踊る一幕も。
気温30度近くの屋外で、陽射しを逃れて木陰に座った高齢者のグループは、「これが新米の香りなんですね。食べる機会が少ないので本当にうれしい」と深々と頭を下げた。
伊那の市民が、地主の細田清登さんが無償で貸してくれた田んぼで作った米は、精米で約19俵の収穫があった。田植え時期が遅かったがまずまずの出来栄えだった。このうち6俵を島の小中学校や役場、幼稚園、老人ホームに贈呈した。残り13俵は苗や肥料の代金、郵送費などの経費に相当する原価で、島民の希望者に譲った。
友好米の話を聞いた伊那市富県の埋橋一さんから、栽培した米を市価の半値以下で譲る提案もあり、あわせて希望者を募った。埋橋さんは04年度長野県の原産地呼称管理制度で認定された、県内で8軒のうちの一人だ。
島民は、その場で次々と申込書に記入。1日だけで合計1200キロに及んだ。
「コメ娘」の斧研つね子さんは「送れば良いかと思ったけど、やっぱり持ってきて良かった」と話した。もう一人の「コメ娘」倉科照子さんも「島の人の笑顔を見たら、いろいろな苦労も吹き飛んだ」と笑った。
(毛賀沢明宏) -
橋爪まんぷさん世相刺す2点出品
日本漫画家会議が主催する作品展「第29回くまんばち展-戦後60年-」(14-20日、東京新宿)に、伊那市境南の漫画家・橋爪まんぷさん(65)が一コマ漫画を出品。参加回数は会員になる以前から数えて10回以上となる。
作品は現在の政治を揶揄(やゆ)する内容で、憲法9条改正に伴い、温かい防空ずきんをかぶった親子が自衛軍の戦闘機におびえる姿を描いた「60年後復活のウォーム・ビズ」と、今回の衆院選結果を定食のメニュー〝半人前〟〝(小泉)チルドレンランチ〟に例えた「永田町定食」の2点。
作品展は一コマ漫画を基本とし、オダシゲさんをはじめとする会員36人が約80点を出品。「くまんばち」のように〝チクリ〟と世相を刺した漫画が集まるという。
まんぷさんは「時代を反映した一コマ漫画を見て楽しんでもらえれば。(上京する)ついでがあったら寄ってみては」と来場を呼びかけている。
会場は東京都新宿区新宿の花園画廊(新宿オミビル10階)。開場は午前11時~午後7時(最終日は午後5時まで)。問い合わせは、(TEL03・3232・3633)へ。 -
県組織、どう変える?
青山出納長参加で懇談会県の組織再編について県民との意見交換をする懇談会が15日、県伊那合同庁舎である。午前10時縲・2時。県側からは青山篤司出納長らが出席する。
県は、縦割り型組織の弊害を除去し、各種地方機関の迅速かつ的確な事業遂行を進めるとして06年度に県組織の再編を予定している。再編案では、現在の各地方事務所の管轄区域ごとに地域本部を設置し、その長に各機関を横断的に統括する権限を与えるとともに、現在の地方事務所・保健所・建設事務所などを再編してより専門化・効率化するとしている。
再編案は、9月県会に提案されたが、「市町村への権限委譲が不十分」「再編する理由が不明」などの意見が出され、継続審議扱いになった。これを受けて県は、県民から直接意見を聞くとして各地で懇談会を開いている。上伊那は、諏訪・長野・木曽・飯田に続いて5回目。
事前申込みは必要なく、誰でも参加できる。再編案は県のホームページなどで見ることができる。 -
KOA匠の里(飯田市)
育った雑木林で収穫祭KOA(本社・伊那市、向山孝一社長)は12日、飯田市桐林の生産拠点「匠の里」で下伊那収穫祭を開いた。92年の開設の際に、社員らで植えたコナラやクヌギなどは立派に成長し、黄色や紅に色づいた雑木林に囲まれて、取引き先や地元住民・社員の家族などが秋の日を楽しんだ。
3日に箕輪町のKOAパインパークであった収穫祭とともに11回目。KOA社員が日頃の感謝の意を込めてさまざまなアトラクションなどを行うもので、下伊那感謝祭ならではの社員が育てた米や野菜の青空市のほか、海鮮焼・やきそば・やきとり。五平餅などの屋台が並んだ。
オープニングでは、KOAが作る抵抗器が、田舎の生活にどのような影響を与えたかを描いた寸劇もあった。
実行委員長の元島敏夫業務グループマネージャーは「11回目ということで、新たな気持ちで再スタートしようという思いを込めた。抵抗器にからめた寸劇も、過去にKOAの果たした役割を確認し、未来に向けて新しい挑戦をしようという意図」と話した。
向山社長は「桐林は、かつてギフチョウが生息する雑木林だった。飯田市の造成で伐採されてしまったので、社員で植えた。下草にギフチョウのエサになるカンアオイやカタクリも植えた。そういう林の中での感謝祭は、ここ独特の温かみがある」と話した。 -
信大食堂、きのこあんかけご飯で日本型食生活の推進PR
提供する食事を通して日本型食生活を見直してもらい、県産の米や野菜の美味しさを実感してもらおう窶狽ニ11日、南箕輪村の信州大学農学部の食堂で、長野県産の米とキノコを使ったメニューが出された。
「ごはん食推進活動支援事業」の認可を受けた県生活協同組合連合会の取り組みで、利用者の食生活改善意識の啓発や地域農産物の消費拡大が目的。11月11日の「長野県きのこの日」に合わせて同会食堂部会に加盟する県内8食堂であった。協賛するJA全農長野から、ブナシメジとエノキダケの提供を受け、メニューを各食堂で考案した。
信州大学生協は11月、すべての食堂の米を長野県産の「秋田小町」に切り替えた。今回はその米とキノコで「豚鳥きのこ丼」と「きのこ汁」を50食準備。
売れ行きは好調で、学生たちは、次々にきのこ丼を注文し、味を楽しんでいた。