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地域交通安全活動推進委員の委嘱状伝達式
交通安全啓発ボランティア「地域交通安全活動推進委員」の委嘱状伝達式が9日、伊那署であった。小嶋惣逸署長が県公安委員会から委嘱のあった同署管内の委員14人に対し、委嘱状を受け渡した=写真。
同委員は、地域のおける交通安全の意識向上を目的に、啓発活動に取り組む地域のリーダーに法律上の資格を有して委嘱するボランティア。具体的な活動として、街頭啓発運動や児童を対象とした交通安全教室への参加などで事故防止を呼び掛ける。
委員の任期は2年間。本年は同管内の伊那市から9人、箕輪町から3人、南箕輪村から2人の計14人(再任10人、新任4人)を委嘱した。
会長に再任(3期目)した、三沢清さん(70)=同市福島=は「地域の交通安全のみならず児童の登下校の安全も守っていきたい」と意気込みを述べた。
小嶋署長は、昨年、交通事故や死亡事故の件数が県内で減少したのに対し、管内では死亡事故が増加した状況を報告。「地域の交通安全にとってもこの2年間は重要な時期。皆さんの活躍に期待したい」と呼び掛けた。 -
伊那ビジネス専門学校で入学式
伊那市狐島の伊那ビジネス専門学校(三沢清美校長)は11日、07年度の入学式を同校で開いた。上伊那を中心に9人(情報経理学科8人、OAビジネス学科1人)が入学し、それぞれの学校生活をスタートした。
入学生代表で堀越悠香さん(18)=駒ヶ根市=が「本校の学生としての自覚と誇りを持って校則を守り学業に専念する」と宣誓。三沢校長は「なぜ学ぶのか自分自身で考え、を意識しながら勉学に励んで」と訓辞を述べた。
同校は、来年度から地域のニーズに答え情報経理学科に「パソコンエンジニア」「医療秘書」のいずれも2年制の新コースを設立する予定。パソコンエンジニアコースについては、本年度から試験的に内容を反映したカリキュラムを組んでいる。
また、学校施設内のバリアフリー化が済み、本年度は入学生9人のうち2人の障害者を受け入れてもいる。 -
県議選 伊那市区 向山氏一夜明けて
伊那市区は直前まで無投票になるのではないかと言われていたため、選挙戦が始まっても周囲からは『無投票じゃないの』という声が強く、危機感が伝わりにくかった。高遠、長谷は木下県議が先行しており、町場と村部という戦いでは厳しい戦いだった竏秩B今回選を振り返る。
田中県政と向き合った2期8年は戸惑いの部分も多く「知識や経験を活かしきれなかった反面、予測もしない勉強をさせてもらった」とし、「今回はそういうものを集約して取り組んでいきたい」と語る。
中でも、選挙戦で強く訴えてきた“均衡ある県土づくり”の実現に意欲を見せる。
「県そのものが中南信に身近な眼差しを向けるべき。これまでにも県庁機能のサブ的なものを中南信につくることを提案したり、特別委員会の中で検討した公共交通網の整備計画などを県に提出した。交通ビジョンは今後、経済団体にも呼びかけながら進めていきたい」
産業振興も重要な課題の一つに挙げる。
「多くの労働者が従事している中規模、小規模企業の対策に力を入れていくべき。中小企業の安定は雇用の安定、社会の安定につながる」とし、それぞれの地域に合った施策の構築を訴える。
福祉、子育て支援については、社会全体で支えていくような仕組みづくりを目指す。 「『地域にできることは地域で』が基本。これまでのような行政主導ではなく、地域から発信されたものを具体化し、県や国が支援していく体制が必要」
会派については「けじめとして今回の選挙はやらせてもらったが、これまでみたいに10も会派があっていいのかという問題がある。再編はするべき」とする。 -
白鳥に魅せられたアマチュア写真家
伊那市西春近
赤羽信一さん(61)今でも、シャッターを切る時は最初のころと変わらず良い緊張感が走るし、写真には写らないけど撮影している時に聞こえるハクチョウの羽音はたまらない竏秩B
一昨年から冬の間に安曇野へ降り立つハクチョウの姿を撮り続けている。2シーズンで五宝殿、狐島、犀川ダム湖などの周辺を20回以上訪れ、3千枚以上を撮影した。
「時間帯によってもハクチョウの見え方は違う。8時ころだと朝日に染まって少し赤みがかっているけど、10時位になると真っ青な空とは対象にハクチョウの羽は真っ白になる。青い空とのコトラストが、ハクチョウを一層美しくひきたててね」と笑顔を見せる。
◇ ◇
退職後の趣味に竏窒ニ写真を始めたのは3年前。最初の1年は独学でやっていたが、2年目の秋からは写真講座を受講。基礎技術の習得に努めながら風景写真などを撮影してきた。
ある時、撮影先で知り合った安曇野の写真家が地元を案内してくれるというので、初めて安曇野を訪れた。その日は快晴。冷たい空気の中、青く澄みわたった空を背景に常念岳が悠々とそびえていた。ちょうどその時、数羽のハクチョウが常念岳の上を舞った。
「すかさずカメラを構えたんだけど、その時はうまくシャッターを切ることができなかった。『これは絶対ものにしなければならない』って思った」
ハクチョウに魅せられた瞬間だった。 ◇ ◇
現地へ足を運ぶ回数が増えるにつれて顔見知りの仲間も増え、さまざまな撮影技法を教えてもらった。
目下の課題は、ハクチョウが飛び立つ瞬間の躍動感やスピード感を表現するため、できるだけ遅いシャッタースピードで撮影すること。
「今シーズンは1500枚ほど撮影したが、『そこそこ』と思えたのは3枚ほど。今年は13分の1秒まで挑戦したが、うまくいかなくてね」
一方、ふとした瞬間に偶然の面白い一枚の撮影に成功することもある。飛び立とうとするハクチョウに別のハクチョウがおじきをしている作品「頭が高い控えおろー」は、今年初めての応募した公募展で見事入選した。
「自分の理想とする部分と比べたらまだまだ。最初は知らないことばかりだったけど、いろんな人に親切に教えてもらって助かったし、つながりもできて良かった。とにかく8分の1まで到達したい。ユーモアのあるハクチョウの姿も撮影していけたら」
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現在伊那市の「ペアーレ伊那」で赤羽さんが2シーズンで撮り貯めた作品の展示をしている。21日まで。 -
伊那食品工業で新入社員歓迎会
伊那食品工業(本社・伊那市、井上修社長)は9日夕方、同市西春近の「かんてんぱぱくぬぎの杜」のホールで、新入社員の歓迎会を開いた。新入社員26人を先輩社員約350人で囲み、歓談を楽しみながら親ぼくを深めた。
新入社員は、自分の名前入りのたすきを背負って参加した。自己紹介では自分の特技を披露する社員もいて、空手着やソフトボールのユニホーム姿で登場し、会場を盛り上げた。その元気のよさに周りの社員らも今後を期待した。
井上社長は「今、世の中は流れとして、一人ひとりの自立を求める時代となった。皆さんもそれぞれが徹底的に勉強し、その部署で期待される、自立した社員に一日も早くなってほしい。新しい息吹が会社を活性化させることを期待する」とあいさつした。
新入社員26人の内訳は、大学・大学院卒16人、短大卒1人、高卒9人。3月下旬から2週間の集合研修を終え、今後は各部署への一部配属が始まる。
また、同社は本年、パートから正社員への昇格で12人を採用した。
ステージ上で個性的な自己紹介をする新入社員ら -
県議選 伊那市区 分析
告示日直前に急きょ選挙戦に突入することが確定した伊那市区(定数2)では、厚い地盤を持ち、今回から伊那市区に加わった高遠、長谷地区でも精力的に支持者を固めてきた現職の木下茂人氏(71)=無所属、美篶=と向山公人氏(64)=政信会、西町=が新人の井口純代氏(51)=あおぞら、福島=を引き離して再選を果たした。
4選を果たした木下氏は地盤とする農業関係の支持者からの票を確実に集め、農協などからの協力も受けた。 また、高遠、長谷地区にも早くから入り、地域間格差の解消や農業振興への取り組みを積極的にアピール。農業従事者が多く、地元である美篶地区との地縁が深い両地区で有利な戦いを進め、前回選ではわずが数百票の差しかなかった向山氏を約1700票引き離し、トップ当選の座を守った。
3選を果たした向山氏は、商業者の多い町部などで支持を固め、企業回りも積極的に展開。均衡ある県土づくりや産業振興などを訴え、地盤とする商工関係から票を集めた。また、推薦を受けた自民党や公明党の支持者票も確保した。
高遠、長谷地区でも早くからあいさつ回りなどを行い、町部などの支持を集めたが、木下氏には一歩及ばなかった。
告示直前の出馬表明で現職2人に挑んだ井口氏は、浮動票の掘り起こしと村井県政に支持寄りの立場をとる現職の批判票の取り込みを狙って短期決戦を展開。大型公共事業に積極的な村井県政の是非を問う一方、福祉、医療、子育てなどへの取り組みを訴えた。組織や党の力に頼らない独自選挙で、現職の批判票や共産党支持者の票を集めたが、投票率の低下を受け、十分な浮動票を巻き込むことができなかった。 -
県議選 伊那市区 木下茂人氏当選の弁
みなさん一人ひとりが票を掘り起こしてくれて、その積み重ねが結果につながった。みなさんの信任をたまわったからには公約を実行し、期待にこたえたい。豊かさを実感できる県政を進めていきたい。
短期決戦だった。最初は低調だったが、中盤から支援が盛りあがり、確かな手ごたえを感じることができた。感謝している。
村井知事誕生にかかわった一人としての責任もあり、本当の県の改革を知事とともに進めたい。知事とはべったりではなく、是々非々で取り組みたい。 -
県議選 木下茂人氏 当選から一夜明けて
4期連続でトップ当選。「団体も会社もあるわけではないが、一人ひとりが力を積み上げてくれた。本当にありがたいこと」。強力な選対組織は今回も健在だった。農業関係の支持も相変わらず厚く、当選後は「農業を理解している県議として頑張って」などの祝辞が多く寄せられた。
投票率が前回を大きく下回ったことについて「当初、無投票になるかもしれないと考えた人もかなりいたのかなあ。突然選挙になったので、波瀾が少なかった部分があった」「前回は知事に対してどう考えるかということが有権者の一番の関心事で、県政の大きな流れの中での対立がポイントだった。知事選を経て、県全体の方向性、大きな流れができたということで、県民に安心感があったのかな」と分析する。
選挙戦を通じて有権者が何を求めているのかを肌で感じた。
「山間地を回ってみて、このままではいけないと感じた。農業振興、若者定住、観光資源活用など、総合的な対策が必要だ。行政だけではできない。みなで考えないと」
「南信は均衡ある政治を求める声が多い。幹線道路も南信は未整備。国道153号のバイパスなど、構想(計画)のあるところは急がないと。今のペースでは40年かかってしまう。国の支援も得て」
議会改革については「田中前知事の時代からかなり進められたと思っている。情報の透明度も高まったし、改革すべきことは改革してきているが、県民にしてみると、これでいいということはないのだろう」と認識する。
今回選は「無所属」で立候補。今後の所属会派について有権者の関心が集まる。「(所属の緑のフォーラムは)4人残って無所属は私だけ。3人は自民党。会派の再編は選挙前からみな思っていたが、選挙が済まないとそれもできない。自分の考えはまだ申し上げる段階ではない」として、さっそく会派で相談するため9日夕に長野市へ。4期目のリーダーシップも強く求められることになりそうだ。 -
県議選 伊那市区
木下茂人氏の支持者らは8日午後8時ころから、美篶上大島の地域コミュニティセンターに集まり始め、開票開始の午後9時には約250人で広間が埋まった。
大型テレビで開票速報を見守る支持者らの顔に不安の色は見られない。
開票開始からわずか数分後、ケーブルテレビの女子アナが木下氏の「当選確実」を告げた。
会場に歓声と拍手が渦巻いた。
駆けつけた小坂市長らは「組織固めがすばらしかった。とりわけ合併した東部(高遠町・長谷)では圧倒的勝利と聞いている」などと祝福した。 -
県議選 伊那市区 3候補が各地で最後の演説
投票日を翌日にひかえ7日、伊那市内では立候補者3人が市内各地で最後の思いを訴えた。
木下氏は地元の美篶地区などで遊説を行い、夕方から旧伊那市と高遠町町内で市街地で遊説行進を敢行。
村井県政に対しては「本当の意味での改革を進めるステージとなったが、まだまだ超えていかなければならないハードルがある。私も新県政の誕生に携わった一人として車の両輪となってがんばっていきたい」と語った。
政策面では南北格差、都市と農村部の格差解消、経済の活性化による県財政の安定などを挙げ「伊那市の議員として伊那市のみなさんの考えを県政に反映させ、豊かさを感じられる郷土作りに取り組みたい」と訴えた。 -
はらぺこ保育園で入園式
伊那市富県の自由保育園「はらぺこ保育園」で7日、入園式があった。青空の下、同園の園児と保護者など集まり、歌を歌ったり手作りのペンダントをプレゼント。新しく迎える8人の園児とその家族を温かく迎えた。
里山の中にある園舎で野外活動を中心とした保育をしよう竏窒ニ母親ら有志が立ち上げた同園は今年で3年目。伊那市や駒ヶ根市からの入園希望者が多かった今年は、今まででも最も多く園児が入園した。
同園で2年目、3年目を迎える先輩園児たちは、同園の歌を大きな声で披露。また、新入園児一人ひとりの名前を呼んで手つなぎ遊びの輪に誘うなどした。
林美紀代表は「はらぺこのお兄さん、お姉さんはみなさんが来てくれるのをずっと待っていたので嬉しい。今年も山へ行ったり川へ行ったりしていっぱい遊びましょう」と新入園児に呼びかけた。
その後はもちつきを行い、新しい1年のスタートを喜んだ。 -
ペアーレ伊那で立石さん、赤羽さんの写真展
伊那市の社会保険健康センター「ペアーレ伊那」で21日まで、城南町の建石繁明さん(72)と西春近の赤羽信一さん(61)による写真展が開かれている。
同施設で講座を開く建石さんは今回「春よ来い早く来い」と題して今年の2月から3月にかけて撮影した花々の写真20点を展示。
地元で撮影した作品が中心だが、早咲きとして知られる伊豆地域のカワズザクラとメジロの姿をとらえた作品なども並んでいる。
3月初旬に咲く「セツブンソウ」は、辰野町で撮影した作品。花びらのようなガクを持り、白い花が咲いているように見えるセツブンソウだが、本来のガクの枚数は5枚。しかし今回の撮影では、7枚のものや14枚のものもあり、建石さんは「25年近く撮影してきたが新たな発見」と話す。
そのほかにもフクジュソウやザゼンソウ、オオイヌノフグリなどといった早春の花々のさまざまな表情をとらえた作品が並んでいる。 -
地域食材を使った料理の小冊子「いなレピ」作る
伊那商工会議所は、地域食材を使った料理の小冊子「いなレピ(伊那のレシピ)」=A5判、12ページ=を1千部作った。
本年度、地産地消による地域経済活性化事業として、地元産の野菜やキノコ、ダチョウ肉、雑穀アマランサスなどを使い、新特産品づくりに取り組んだ。
地域食材のブランド化を目指して「地産地消セミナー」を開き、講師2人から提案のあった料理8品をカラー写真入りで紹介。地元産ブロッコリーなどを具にした「野菜を味わうホワイトソースグラタン」、くしに刺したダチョウ肉や里芋などを火に通し、たれをつけて食べる「みそフォンデュ」など材料、分量、作り方が載る。
また、会報「いな」(毎月発行)に掲載した伊那名物ローメン、ソースかつどん、シメジ入りギョーザなども加えた。
事業報告を兼ねた食開発のミニ情報誌で、広く知ってもらおうと伊那商議所窓口で希望者に無料配布する。
問い合わせは、伊那商議所経営支援課(TEL72・7000)へ。 -
伊那谷新酒祭り 桜さかなに飲み比べ
桜と地酒を楽しむ恒例のイベント「伊那谷新酒祭り」は7日、伊那市西町の春日城址(し)公園であった。5回目の今回は、飯田市の蔵元・喜久水が新規参加で地元9醸造会社の酒を飲み比べ。県内外から集まった参加者は、咲き始めたばかりの公園の桜を見ながら新酒の喉ごしを味わった。
西町商店街の有志で結成した「ルネッサンス西町の会」(向山等会長、56人)が主催する地域おこしイベント。会場には地元酒造会社9社(日本酒8社、地ビール1社)の20銘柄以上の新酒が集まり、それぞれの酒を関係者らが紹介した。
初回以来の参加となった20代の女性2人(上伊那在住)は「どこのお店の酒もおいしいものばかり。久しぶりに来れたので気合を入れてすべての銘柄に挑戦したい」とほろ酔い気分で楽しんだ。
商品券の当たる恒例の利き酒コンテストや、来場した先着120人に地酒(300ミリ)をプレゼントなどもあり会場は大盛り上がり。向山会長は「天気は悪いものの期待通りに桜が花を咲かせてくれた。来場者が多く来てくれたのでやっている方もうれしい」と話した。
同会は5月中旬、「西町の公園」である春日城址公園の美化活動を目的としたツツジの木の植樹を予定している。 -
登喜和冷凍食品 打ち上げ花火で追悼
登喜和冷凍食品(本社・伊那市、登内英雄社長)は6日夜、同市高遠町の「高遠さくらホテル」で、3月中旬に死去した登内武男会長の追悼の意を込めた打ち上げ花火を上げた。約80人の社員が出席し、高遠ダムの湖畔沿いから大輪の花を咲かせた花火を見ながら偲んだ。
恒例となっている花見会の打ち上げ花火に合わせ、故人を追悼した。例年に比べ約2倍となる、3号玉20発、4号玉の水中花火2発など計27発を用意した。
登内社長は「高遠の桜を見ながら交流し、社員それぞれの気持ちを確認し合えた。親ぼくを深めている様子を会長も空から見て喜んでくれていると思う。会社一筋の人でしたから」と話した。 -
文化勲章・人気作家版画展 ベル伊那10日まで
文化勲章作家らの版画を集めた展示即売会「文化勲章・人気作家版画展」は10日まで、伊那市日影のベルシャイン伊那店2階文化ホールで開いている=写真。
文化勲章作家の東山魁夷の「朝静」「山嶺湧雲」、棟方志功の「桃太郎図」、小倉遊亀の「山百合」など約50点を一同にそろえた企画。
今や人気作家として有名な千住博や、海外で注目を集めている浜口陽三、長谷川潔の作品も並ぶ。
午前10時縲恁゚後6時(最終日は午後4時)。 -
県議選 伊那市区 終盤情勢
地盤の固い現職の木下茂人氏(71)=無所属、美篶=と向山公人氏(64)=政信会、西町=を告示日直前に立候補した新人・井口純代氏(51)=あおぞら、福島=が追い上げる伊那市区(定数2)。現職2人はそれぞれトップ当選を目指して最後の追い込みに励んでおり、最後まで攻めの姿勢を崩さない構えだ。一方の新人候補は「しがらみのない選挙」を訴え、現職の批判票や田中前知事の政策支持者票などの取り込みを狙い、現職2人に迫る。
木下陣営は5日夜、後援会女性部による総決起集会を地元の上大島で開催。約300人が集まる中、最後まで電話作戦や声かけに取り組む姿勢を再度確認。士気を高めた。
遊説、個人演説会を通して市内全域で支持を訴えてきた木下氏。今回の選挙戦の鍵をにぎる高遠、長谷地区では、選挙戦前からもう一人の現職・向山氏と肩を並べて活動を展開。農村部は木下氏、町部は向山氏という傾向で支持者が固まってきている。また、今回選は投票率が下がるとする声も多いが、そうなった場合、もともとの支持基盤が厚い木下氏が優勢になるとも予想される。投票日前日の6日は伊那市街で遊説行進を行い、最後の支持を訴える。
向山氏も市内全域での遊説、個人演説を展開。また、地盤とする商工関係組織を通じて支持者拡大を図っている。「今度こそ圧勝を」と向山陣営でもトップ当選を今回選の目標に掲げている。支持者の多い町部の投票率が下がれば不利に働く可能性もあるが、スポーツ関係者からの支持も厚い向山氏の場合、若い世代の浮動票を呼び込みやすい。また、推薦を受ける公明党の支持者票の確保も図る。投票日前日は伊那市内での街中遊説行進に加え、高遠町の市街地でも遊説行進を行う。
党派や団体の支持を得ず、市民活動などの個人的なつながりで今回選を戦ってきた井口氏も、連日の遊説で市内を駆け巡っている。 告示直前に出馬表明した井口氏は時間的制約の中今回の選挙戦に臨んできたが、匿名での応援メッセージが届いたりミニ集会や個人演説をしてほしいという要望が寄せられており、関係者の一人は「徐々に支持は広まっている実感はある」とする。また、現職の批判票や田中県政の支持者票だけでなく、自主投票としている共産党支持者の票も井口氏に集まると見込まれる。 -
矢野弥生さん「ワイプラザ」で書道展
上伊那の書道家でつくる伊水会の会員、矢野弥生さん(69)=伊那市日影=の書道展は30日まで、同市西町の伊那バス観光「ワイプラザ」で開いている。古希の祝いを迎える矢野さんは、今までの集大成の意味を込め、これまでの秀作などを並べた。
作品は、書道芸術院展、県展などで入賞した作品など計11点を出品。書体は、漢字とかなを混ぜた「調和体」や造型、線、墨色、余白などの美しさを評価する「前衛」などさまざま。前衛作品の「飛による」は、今にも字が飛び立とうとしているかのように表現したという。
「中学校のころから習字が好きだった」という矢野さんは、高校2年生の時、県展で初入選。就職してからも仕事の合間を見ては書道を続け、24年ほど前に伊水会へ入会し、指導者の千葉耕風代表に師事する。
矢野さんは「千葉先生や周りの仲間たちに励まされてここまでやってくることができた。筆が持てるうちは精進していきたい」と、これからの意気込みを語る。
「素直に感じてもらえれば」と来場を呼び掛ける矢野さん -
県伊那文化会館
「信州から宇宙を見よう!-県内の宇宙スポットと天体写真展-」伊那市の県伊那文化会館は、「信州から宇宙を見よう!-県内の宇宙スポットと天体写真展-」を美術展示ホールで開いている。
県内の天文・宇宙関連施設の特色を知ってもらうと同時に、宇宙のさまざまな表情を写した写真を見て天文や宇宙に関心を持ってほしい-と企画した。
観測所、天文台、プラネタリウムなど宇宙・天文関連施設24カ所のパネルを展示。佐久市にある「佐久市子ども未来館」と「佐久市天体観測施設うすだドーム」が06年11月から07年2月にかけて開いた企画展の展示パネルを借り、新たに3施設を加えた。施設の写真と場所、解説員の名前や写真、コメントなどを紹介している。各施設のパンフレットも自由に持ち帰りできるよう用意している。
地元アマチュア天文写真家らが撮影した天体写真は彗星、流星群、惑星、星雲・星団、銀河など37点ある。
同館所有の反射望遠鏡、木曽観測所の105センチシュミット望遠鏡の写真と模型なども展示している。
会期は19日まで。午前10時縲恁゚後5時、月曜休館。入場無料。 -
伊那バス 大型5台を新車に更新
伊那バス(本社・伊那市、藤沢秀敬社長)は5日、本社で、約10年ほど使用した旧車両との入れ替えで購入した、新車両5台のための入魂式を開いた。藤沢社長をはじめ、社員ら約45人が出席し、安全を祈った。
購入した車両は、観光バス(460馬力)3台、高速バス(380馬力)2台の計5台の大型バス。環境性能を考慮した車両で、新長期排出ガス規制に適合したエンジンを採用したのが特徴だという。
新車両は、4月中旬から運用する予定となっている。
また、同社では、ドライバーの安全運転、経済的な運転の向上を目指すため、2月から大型バス全62台にデジタル式運行記録計を設置。同機器により、車両の走行距離・時間や最高・平均速度のほか、急発進・加速などの運転手の走行情報が収集できるという。
入魂式で新車両5台の安全を祈願(伊那バス本社) -
かんてんぱぱで第19回上伊那工芸展
上伊那工芸会による第19回上伊那工芸展が8日まで、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで開かれている。さまざまな工芸に携わる28作家による工芸品約40点と小作品約300点が、訪れた人の目を楽しませている=写真。
上伊那工芸会は上伊那地域の工芸レベル向上を目的として25年ほど前に発足したもので、年を重ねるごとに会員が増え、日展に出品するなどといったレベルの高い会員も多く在籍するようになった。幅広い分野の作家が派閥などにかかわらず集まっている同会のような取り組みは、県内でも珍しいという。
作品展は1年おきに開催。陶磁、染色、木芸、人形など、さまざまな工芸で作られた多彩な作品を一度に見ることができるだけでなく、作家それぞれの技法や個性の違いも楽しむことができる。
彫鍛金作家の木下五郎さんは「工芸は生活に密着したものを芸術の域まで高めた日本独特の文化。興味がある人はぜひ参加してほし」と話していた。
入場無料。午前9時縲恁゚後5時(最終日は午後4時まで)。 -
公営特養みすず寮を守る会が「伊那市くらしといのちを守る会」に拡大改組
伊那市の特別養護老人ホーム「みすず寮」の経営移管が完了したことに伴い同施設の経営移管反対を訴えてきた「公営特養みすず寮を守る会」(原弘代表)は31日、報告集会を開き、同会を拡大改組した「伊那市くらしといのちを守る会」を新たに発足した=写真。
同会では、行政の責任として公営特養の存続を求める署名活動や住民監査請求などを行ってきたが、市の3月議会でみすず寮の移管に関する2議案が可決され、30日の調印式をもって上伊那福祉協会への経営移管が正式に完了した。
一連の状況に関する報告を行った後、竹松成就副会長は「みすず寮の移管は完了してしまったが、今後も福祉行政をチェックし、弱いものを守る会として発展させていきたい」と拡大改組を提案。参加者からも同意を得た。
新しい会の活動としては、行革大綱に基づき進められようとしているさまざまな背策について考え、市の公的責任の所在を追求していきたいとしている。
当面の間はみすず寮を守る会の役員が新しい会の役員を務める。 -
県議選 伊那市区 各陣営の参謀に聞く
県議選伊那市区(定数2)の各派参謀に戦況、予想などを聞いた。
設問=(1)今回の選挙の特徴(争点も含め)(2)投票率の予想(3)その根拠(4)投票率の影響(5)当落ライン(6)激戦地(7)地盤(8)有権者に最もアピールしていること(9)有権者の反応(10)ひとこと
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桜前線足早に
地元では早咲きと知られる桜の名所、伊那市の西春近公民館南児童公園のコヒガンザクラが満開になっている。夜は地元有志が設置したぼんぼりに光がともり幻想的な風景をつくっている=写真。
樹齢80年ほどの古木2本など計8本が公園を囲む。花の色は淡いピンク色で枝は木の下に立った人を包み込むように垂れている。近くの子ども連れの家族が日中は訪れ、間近で花を見ながら遊具で遊んでいる。
今年は前年より2日早い3月28日の咲きはじめ。ここ数日の気温上昇で花は一気に満開となった。公民館内にある支所の女性職員は「今年は早くから満開となった。毎日がお花見のようでワクワクする」と心躍らせていた。
ライトアップは、観桜期中の午後6時縲恣ッ9時30分。 -
県伊那文化会館学芸員
伊那市
林 誠さん(46)「展覧会で実物を見るのが本当にいい。良質の展覧会を提供し続ける責任がある」
伊那市の県伊那文化会館で、学芸員として美術展示の企画、貸し会場の管理などをしている。
東京で生まれ、9歳から高校卒業までを栃木県小山市で過ごした。美術が好きで高校までは絵を描き、大学では西洋美術史を専攻。学芸員の資格を取った。卒業後は民間企業で営業をしていたが、長野県職員の学芸員募集を人づてに聞き88年、採用されて長野の地にやってきた。
長野県信濃美術館に3カ月間席を置き、建設中だった伊那文化会館に異動になった。「前例が無いところからのスタート」。美術展示ホールの環境設定に1年半を費やした。
それまで、上下伊那ゆかりの作家を美術展覧会として鑑賞することが無く、中村不折、須山計一の展覧会を企画。これが実質的な仕事の出発点となる。
3年後に信濃美術館に配属され10数年。04年4月、再び伊那文化会館に戻った。
県庁所在地と違い人口規模や交通の便など難しい面もあるが、「地域に密着して文化に光を当て、広く紹介し知ってもらうことが主眼。独特の文化風土を持ったこの土地ならではの良さ」という。
「この地は美術作家が多く出ている。地元に知名度が無くてもレベルが高い作家が多い」。作家を発掘、検証する企画に取り組んできた。「期待しないで来たけど、こんなすごい人がいたんだね-という感想が返ってくるのが醍醐味。してやったりですね」。
展覧会は、素材が限られる上に所蔵品がなく100%借り物。低予算で学芸員は1人。「大変制約は大きい。その中で最高のパフォーマンスをするには、創意工夫をしないといけない。それが逆に楽しいとも言えますね」。企画内容もさることながら、地域の人と直に接することが大変重要-と、自らポスターの掲示をお願いして商店も歩く。
会場準備は、与えられた作品が本来持っている魅力を最大限発揮させる展示方法を常に意識する。「特別な演出をすることではない。作品を見ても駄目。耳で聞かないと駄目」。光を強くしてくれ、隣と仲が悪いから離して-と、作品の声が聞こえてくるという。作品の良さを殺さず、最後は鑑賞する客の立場で作為的な状況を与えないように展示する。
「展示のプロとしては、いい展覧会、いい照明だったでは駄目。いい作品だったと返ってくるのが目指すところ。主役は作品ですから」
展示ホールは開館から19年経った今もきれいな状態が保たれ、壁の張替えはしていない。「利用者がきれいに使ってくれていることに尽きる。発表者の意識が高い」。貸し会場の管理者として、信頼関係を得て気持ちよく使ってもらうためのサポートも大切にしている。
4日に始まった「信州から宇宙を見よう!-県内の宇宙スポットと天体写真展-」。今回は音響担当職員と協力し、本格的な機材を入れて展示会場に音楽を流す“ささやかな提案”をしている。
「複合施設の特徴を生かさないと新鮮味を失ってしまう」。専門職員が同じ屋根の下にいるメリットを生かし、施設と人材がうまくクロスオーバーする企画をしていくことが今後の課題だという。(村上裕子) -
子育て支援センター充実 伊那市
伊那市は3日、旧富県北部保育園と高遠町図書館2階・視聴覚室の計2個所へ、新たに「子育て支援センター」を開所した。富県は老朽化の進む東春近の施設からの移転で、高遠町は新設。この日、高遠町のセンターでは、早くも子ども連れの親子約10組が訪れ、遊具などで楽しんだ。
子育て支援センターは、小学校入学前の子どもと、その親を対象とした親子の触れ合いの場として約10年前に開設。高遠町地区からのニーズに答えてセンターを増所したことにより、現在市内に4個所ある。
各施設には特徴があり、今回開所した富県は、旧保育園の施設利用により園庭の砂場やプールが利用できる。高遠は図書館がある施設へ開設したため、親子の読み聞かせを楽しむことができるという。
市子育て支援課によると、センターの利用状況は年々増加の傾向。06年度の2月までの累計利用者延べ人数は、前年度比2172人増の2万1040人だった。
各センターでは、月一回の子育て講座で、保育士や栄養士などによる運動遊びや絵本の読み聞かせなども実施している。
各センターの開設時間は次の通り。
▽富県・竜南=月曜日縲恚燉j日、午前9時縲恁゚後4時▽上の原=毎日、午前9時縲恁゚後4時(土・日曜日、祝日は午後3時まで)▽高遠=毎週火・金曜日、午前9時30分縲恁゚後12時30分
表札を掲げる小坂樫男市長と利用者ら(高遠町図書館) -
人権啓発「人形」配布 伊那市の新入学児童へ
伊那市政策推進課人権男女共同参画係は本年度、人権啓発活動として、市内の全15小学校に入学の新入児童へ人権人形を配布している。入学式のある4縲・日、それぞれの学校で人形を児童らに受け渡しPRしている。
同係によると、活動は法務局がつくる「伊那地域人権啓発活動ネットワーク協議会」の事業の一環。活動範囲は協議会を組織する上伊那地域で、本年度は重点的に同市で展開する。人形配布は同市への委託事業で、本年初めての取り組みだという。
人形は「まもる君」「あゆみちゃん」の2種類があり、新入児一人当たり一体が行き渡るよう本年度入学予定の688人分を用意。9センチほどの大きさでキーホルダーになっている。「子どもの人権110番」などの相談窓口の電話番号を記したタグも付いている。
関係者は「命の大切さや他人を思いやる心を育てるため、小さいうちから人権に意識を持ってもらいたい」と話している。 -
小中学・高校で入学式
上伊那小中学校、高校で4日、07年度入学式が始まった。新入生らは緊張した面持ちで式に臨み、上級生らとの新しい学校生活をスタートした。
伊那東小(山本一夫校長)には、126人(男子59人、女子67人)が入学。在校生や保護者らが拍手で出迎える中、期待と不安の気持ちを交錯させながら式場へ入場した。
山本校長は「校舎の周りの桜の木も皆さんの入学を祝うように咲き出した。自分から元気よくあいさつし、友だちをたくさんつくって」と話した。
新入児童らは、校長や来賓の問い掛け一つひとつに対し、「はい!」と元気な返事。先輩らの「皆さんと私たちは今日から友だち」との迎えの言葉に歌声で答えた。
入学式のピークは5日。 -
県議選 伊那市区 まちの声
村井県政に対して「是々非々」とする現職2人と「どちらかといえば支持しない」とする新人一人が選挙戦を繰り広げている伊那市区だが、村井県政のこの半年について有権者は「分からない」と大半が答えており、具体的な変化を感じられないというのが現状のようだ。 しかし、「県民の声を聞いてくれる分良い」(長谷黒河内・農業・男性・71)「田中県政に比べて一方的でない」(長谷溝口・自営業・61歳)などといった点を評価する人も多く、今後への期待も込めて「支持」「どちらかといえば支持」と回答する人が多い。
公共事業に対する姿勢については見方が分かれる。「賛成。これまでの6年は何の取り組みもなく、停滞していたが、これからは災害対策などもやってほしい」(西箕輪・農業・女性・77歳)、「知事が代わるたびに動きがあることはどうかと思うが、地元の人が望んでいて県民益となるなら仕方がない」(伊那部・調理師・男性・30歳)と支持する声もあるが「よくは分からないが、箱物ばかりつくろうとしている気がする」(公務員・女性・25歳)など、現状ではその効果を計りかねている有権者も多い。
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投票する候補については、旧伊那市区の有権者と今回から伊那市区に加わった高遠、長谷地区の有権者の間には、今回選に寄せる思いに違いがあるようだ。
旧伊那市区の場合「田舎なので地域的なつながりで決めた。普段から付き合いのある人」(西春近・会社員・男性・50歳)、「政治に前向きで、実行力のある人」(西箕輪・女性・農業・77)など、地縁的なつながりを重視したり候補者の姿勢に共鳴して投票する候補を決める有権者がほとんど。
高遠、長谷地区でも新しい候補者をしっかりと見極めて投票しようとする有権者もいるが、「選ぶ候補がいないので自分の関係する人に入れざるを得ない」(西高遠・女性・自営業・50代)など、見ず知らずの候補者に票を投じることに不満を感じる有権者もいる。
現職2人は両地区で早くからあいさつ回りを始め、磐石な基盤づくりに励んできたが、両地区では「本当に自分たちの地域のことを考えてくれるのだろうか」と一歩離れたところから懐疑的に今回の候補者を見ている有権者もいる。また「もっと底辺の気持ち、意見をくみ取ってほしい。本当なら地元から出てくれる人がいれば」(西高遠・自営業・男性・58)と、地域の実情に精通した地元候補を求める声は根強い。 -
西春近北保育園で入園式
伊那市内の保育園で3日、入園式があり、3月31日をもって西春近中央保育園と統合した西春近北保育園(牧野美智子園長)でも103人の園児が新しい園舎でのスタートを切った。
同園には本年度、中央保育園に在籍していた園児も含めて新たに21人が入園した。
もともと西春近北には園歌がなかったが、西春近中央には1990年度の保護者2人によって作詞、作曲された園歌があったため、「西春近中央保育園」という言葉を「西春近北保育園」と置き換えて新しい園の園歌とし、新たに「虹の丘保育園」という愛称を設ける。
入園式では新しい園歌をお披露目。また、牧野園長は「先生と一緒に散歩をしたり鬼ごっこをして、体も心も大きくなりましょう」と園児らに語りかけた。