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「公営特養みすず寮を守る会」が発足
上伊那福祉協会への経営移管の方針が示された伊那市の特別養護老人ホーム「みすず寮」の移管計画中止を求める「公営特養みすず寮を守る会」が24日、発足した。約100人が集まり、会長に県社会保障推進協議会の副会長などを務める小林幹彦さん(71)=伊那市狐島=を選出。小林さんは「社会保障までが市場原理の中に放り込まれてしまった。みすず寮は福祉サービスを必要としている人が必要なサービスを受けるためにできた。福祉のよりどころとなる施設を公的責任で残してほしい」と訴えた。
市町村財政の厳しさが増す中、伊那市と上伊那福祉協会は、市営で管理していた養護老人ホーム「みすず寮」と特別養護老人ホーム「みすず寮」の経営移管の検討を01年に開始。養護老人ホームは、今年の3月に上伊那福祉協会に経営移管され、特養についても06年度から検討を進める方針が示された。しかし今年9月、利用者や職員に対する説明がないまま移管に関する合意がなされ、本年度中の移管を思わせるような動きも進行。移管に伴うサービス低下や職員雇用の問題が議論されないまま、経営移管が成立してしまうことを懸念した市民有志が準備会をつくり、移管反対を訴える会の発足に動いてきた。
会の発足に当たり準備会では、移管計画の中止を求める署名活動を実施。設立総会までに約8千人の署名が集まった。今後さらに署名活動を続け、12月議会の前後に市に対して提出する。また、一般市民にも関心を深めてもらうための学習会なども開く予定。 -
南信州木の情報館で第1回クラフトin南信州
木や木工製品に関するさまざまな情報が集まる伊那市美篶下県の「南信州木の情報館」で25日、「第1回クラフトin南信州」と題したクラフト市があった。屋外会場には木工やガラス、陶芸などのブースや、農産物直売ブースが並んだほか、KOA森林塾の元塾長・保科孫恵さんによる講演会も催され、訪れた人を楽しませた=写真。
県伊那技術専門校のOBでつくる「南信州木の会」が今年9月にオープンした同館は、木に関する情報や木工家具などを一堂に集め、国産材の良さをアピールしたり職人を消費者をダイレクトにつなぐことを目的とした情報館。より多くの人にこの館を知ってもらおう竏窒ニ、今回初めてクラフト市を企画した。
体験コーナーでは、クリスマス用の木工クラフトやオリジナルリース作りを実施。おしるこやキムチ漬けの無料配布もあり、来場者は体を温めていた。
木の会の一人、木村深幸さんは「木の面白さや作ることの喜びを自分で体験できる機会。地元の木材を使っていることも知ってほしい」と、多くの来場を呼びかけていた。
クラフト市は26日の午前10時縲恁゚後3時にも開かれる。午前10時からは、信州大学農学部の竹田謙一助手が「山が荒れてクマとシカが異常出没?」をテーマに講演する。 -
高教組上伊那支部が教育基本法改正反対を訴えるチラシ配り
長野県高等学校教職員組合上伊那支部は24日、伊那市駅前ビル「いなっせ」周辺でチラシ配りを行い、今国会の最重点法案とされている教育基本法の改正法案の廃止を訴えた=写真。
野党の強い反発の中、与党の単独採決で衆院を通過した改正法案は今月17日に参院入り。野党の強い反発により一時審議がストップするなど、与野党の対立は深まっているが、今国会での成立を目指す与党は会期延長も視野に入れて動いている。
それに伴い、教育基本法を守ることを目的とする県内の団体などでつくる「教育基本法を活かす県民ネットワーク」は、23縲・6日、各地で改正法案反対を呼びかけるPR活動を実施。その一環として、同支部は駅前でのPRを行った。
この日は、8校から代表者約15人が参加。道行く人たちに改正法案反対を強く訴えた。田中聡書記長は「改正法案は憲法9条を改正するための足がかり。法案が通れば、国の考え方を教育で縛るようなことが可能となってしまう」と話していた。 -
子ども会議で環境問題を考える
伊那市の第19回川シンポジウム「環境子ども会議」(実行委員会主催、伊那毎日新聞社など後援)が25日、市役所であった。小学生ら約40人が参加。環境保全活動の報告や「環境子ども議会」などを通じ、環境を守っていくためにどうしたらいいかを考えた。
子ども議会は議場で開かれ、小学生代表12人が風力発電事業、砂防ダムの必要性、クマ出没にかかわる森林整備などの考え方を質問。
伊那小6年智組の宮島裕太君は、入笠山周辺に計画されている風力発電事業について「伊那谷の風景は貴重な財産。施設ができると、景色が壊され、山の動物たちは住みかを追われるかもしれない」と尋ねた。
小坂市長は「賛否両論あり、市議会でそれぞれ陳情を受けている。12月定例会で結論が出ると思う。地球環境にやさしいエネルギーとして有効であるが、景観、音、動物への影響など検討しなければならない。議会や市民の意見を聞き、決定していきたい」と答えた。
そのあと、参加者全員で▽電気や水を無駄づかいしない▽身近な生き物を大切にする竏窒ネど4点を誓った。
また、桜の治療に当たる伊那小6年勇組、カヌー遊びや土石流調査に取り組む伊那小6年智組が写真などを交え、活動を報告した。 -
ガールスカウトが伊那公園の花壇で植え替え作業
ガールスカウト長野第26団(木部則子団委員長)は23日、伊那市の伊那公園にある花壇で、来年の春に向けた植え替え作業をした。小学3年生以下のスカウトや保護者など約40人が参加。チューリップの球根約300個を、一つひとつ植え付けた=写真。
伊那公園内にある2つの花壇を管理している長野第26団は毎年、春はチューリップ、秋はサルビアやマリーゴールドが咲くように花壇づくりをしている。主な作業は、小学1縲・年生までが所属するブラウニー部門が担当しており、今回はブラウニーの7人に加え、小学生未満でつくるテンダー部門の2人も参加した。
今年は、鮮やかな花壇になるように竏窒ニ、赤やピンク、黄色や紫など、さまざまな色の球根を準備。花期を終えた秋の花を花壇から取り除き、新しい肥料を入れた後、球根を等間隔で並べた。スカウトらは「ここはこれくらい土をかければいいかな」などと加減しながら土をかけ、作業に励んでいた。 -
権兵衛トンネルを活用した農産物交流
木曽の特産品「赤カブ」を伊那の人にも知ってもらおう竏窒ニ23日、「木曽の赤かぶフェアin伊那」が、伊那市ますみヶ丘のグリーンファーム産直市場であった。訪れた人たちは、木曽地域でしか生産されていない4種類の赤カブと漬物などの味を確かめた=写真。
フェアを開催したのは木曽の赤かぶの種の継承と特産品の開発を目的として発足した「木曽赤かぶネット」のメンバー。同グループは、。権兵衛トンネルの開通に伴い、伊那側から働きかけがあり、初めて伊那地域でイベントを開くことを決めた。
この日は、ダムに沈んだ旧三岳村黒瀬地区で栽培されていた幻の赤カブ「三岳黒瀬かぶ」をはじめ、王滝かぶ、開田かぶ、細島かぶが登場。各地区で引き継がれてきた4種類は、形だけでなく辛味、肉質も違っている。45年前にダムで途絶えた黒瀬地区の赤カブだが、1軒の農家が種を引き継いでいたため、県や地元女性グループが協力して、復活にこぎ着けた。春先になっても辛味が抜けないことに定評がある。
木曽赤かぶネットの西尾礼子さん(66)は「多くのお客さんがカブは1種類だと思っていたみたいで、これだけの種類を見ると驚く。互いの地域にない農産物や特産品を通して交流も進んでいけば」と話していた。
トンネルの開通後は、伊那側からも木曽で作っていない農産物を販売するため、木曽の道の駅を訪れる生産者が出てきているという。 -
伊那市・赤木公民館で初文化祭 女性団体が主催
伊那市西春近の赤木地区で初の文化祭が25日、赤木公民館であった。地区の女性団体3団体が立ち上げた企画で、区と公民館が後援。木彫や盆栽、絵画などに取り組む地域住民の作品を並べ、それぞれの個性を来場者と共に眺めた=写真。
作品を通じて隣近所の人を理解し、地区のつながりを強めようと開いた文化祭。中学生男子から91歳の女性までの約80人が一人数点ずつ出品した、計200点以上の力作が会場を埋め尽した。
ステンドランプ、絵手紙、水墨画、ちぎり絵、レザークラフトなど幅広いジャンルの作品ばかり。中には中学生が1枚の紙を切らずに百回以上折り重ねて作った折り紙などもあった。
田中節区長は「地域活性化のベースになる企画。女性の皆さんの地域興しの意識の高さに関心した」と感想。女性団体の関係者の小平久子さん(69)は「皆さんが喜んでくれてうれしい。今後も継続していきたい」と話していた。 -
県文で第13回美鈴工房パッチワークキルト作品展
南箕輪村、伊那市、箕輪町、辰野町にある美鈴工房キルト教室(磯千恵子代表)で学ぶ受講者による「パッチワークキルト作品展」が26日まで、伊那市の県伊那文化会館で開かれている。大作のタペストリーや日常生活の中で使えるバッグなど約100点が、訪れた人を楽しませている=写真。
1年半置きに開く作品展で13回目。受講者が1年ほどかけて準備してきた2メートル近い大作が多数並んでいる。家族が着古した古着やタンスの中で眠っていた着物を使った作品も多く、細部までしっかりとキルティングされた作品の数々を、食い入るように観察する人もいた。
磯代表は「どれも人の手が作った作品。ぜひ、多くの人に挑戦してもらいたい」と話していた。
午前10時縲恁゚後5時(最終日は午後4時まで)。入場無料。
25、26日は、屋外での生地の即売会やバッグ講習会なども催される予定。即売会は午前11時縲恁゚後2時。講習会は25日が午後1時から、26日が午前10時から。 -
上伊那小中学校自立学級・自立学校児童生徒作品展
第33回上伊那小中学校自立学級・自立学校児童生徒作品展は23日、伊那市の市駅前ビルいなっせ2階ギャラリーで始まった。上伊那の小中学校と伊那養護学校の46校の生徒・児童約400人が図画工作、習字など260点を出品している=写真。27日まで。
子どもたちの表現活動の発表の場として設けた展示会で、地域住民に障害者に対する理解を深めてもらうなどの目的。関係者によると、この作品展を励みに、制作に取り組む児童・生徒らは多いという。
折り紙のパンダやゾウなどの動物、厚紙のビルや電車で「みんなの町」を作った共同制作品、野菜や紙粘土で表現した恐竜の模型などを出展。それぞれが楽しみながら制作した様子がうかがえる、個性豊かな展示に来場者の足が止まっている。
午前10時縲恁゚後5時(最終日は午後2時)。 -
伊那ビジネス専門学校 来春新コーススタート
伊那市狐島の伊那ビジネス専門学校(三澤清美校長)は22日夕方、パソコンの高度な操作技術などを習得する新コース「パソコンエンジニア」を来年4月から設けることを発表した。同コースは、高度な技術を持った人材を求める、地域企業が増えたことへ対応するために設置した。
従来のワード、エクセルなどのアプリケーションソフトの習得のほか、パソコン本体のネットワークプログラムの設定、情報システムの開発サポートなどの基礎知識を2ヵ年で学習。一般教養、マナー、簿記などもカリキュラムに組まれている。
就職に向け、「初級システムアドミニストレータ」「MOS検定(マイクロソフト認定技術資格)」など、専門的な資格習得の支援もする。
伊那ビジネス専門学校では、新コース設置のほか、来年度新入生の募集に向け、特待生制度を設けたり、校内のバリアフリー化をするなど、地域に愛される学校づくりに取り組んでいる。
入学希望などの問い合わせは、同専門学校(TEL76・2260)へ。
新入生募集を呼び掛ける新コース「パソコンエンジニア」の担当講師 -
伊那小5年剛組 通り町商店街に草木染めのれん
伊那市の通り町商店街の活性化に向けて活動する、伊那小学校5年剛組(大沼聡教諭、31人)は、同商店街に草木染めした手作りのれんを飾った。黄色や紫色の優しい色合いに染まったのれんを見て、買い物客らも和んでいる。飾り付けは12月中旬まで。
通り町一丁目を中心とした約100メートル間に26枚を飾った。家庭科の授業で作った幅80センチ、長さ90センチののれんを、マリーゴールドの花やタマネギの皮などで草木染め。自分たちで染め方を調べ、地元の呉服店の協力で作業を進めた。
剛組は、4年生の時から総合学習でさまざまな取り組みを始めた。これまでに、花のプランターや手作り木製ベンチなどを設置したり、地域住民にアンケート調査をしたりして活性化を目指してきた。
商店街の店主らは「剛組の取り組みに感謝している。お客さんも興味を持って見てくれている。子どもたちの思いがうれしい」と話している。 -
まちじゅう美術館表彰式
伊那市内の保育園児を対象にした「第5回まちじゅう美術館」(伊那商工会議所・商業連合協議会主催)の表彰式が23日、商工会館であった。市内49店舗で12月25日まで、応募作品691点を飾っている。
「まちじゅう竏秩vは、商店街に園児の絵を飾る取り組み。「わたしの好きなお店」「わたしの家族」をテーマに、高遠町・長谷を含む32保育園・幼稚園の年長児が伸び伸びと書いた作品が集まった。
式で、会頭賞5点、副会頭賞10点、部会長賞20点の入賞者を一人ずつ表彰。
向山公人会頭は「権兵衛トンネル開通で、木曽の人にも見てもらえるのではないかと思う」とあいさつし、元気なまちづくりへの参加を呼びかけた。
応募作品は飲食店、理・美容店、衣料品店などのウインドーや店内に飾られ、歩道からも見ることができる。園児が絵のある店に行くと、メダルなどがプレゼントされる。 -
上新山に木製えん堤を設置
伊那市富県上新山の湧(ゆう)水路に23日、木製えん堤1基を設けた。04年度から数えて3基目で、土砂流出の防止などを図る。
えん堤は大雨の際、土砂や流木を留め、木の間から水が流れる仕組み。以前は大雨が降ると、農業用水路に土砂がたまり、いざらいに労力を使っていたが、木製のえん堤を設けたところ、9割の土砂をせき止める効果があったという。周辺はザゼンソウやミズバショウの群生地で、保護・育成も兼ねている。事業費は65万円(うちコモンズ支援金約23万円)。
作業には、新山土地改良区や新山山野草等保護育成委員会のメンバー、県・市職員約40人が参加。
えん堤は、昨年のえん堤から下流約10メートルに設置。カラマツやヒノキ、クリなど地元産(民有林)の間伐材を使い、長さ2メートルに切りそろえた間伐材を川幅4メートルのU字型の湧水路に一段ずつ積み上げた。針金で固定し、高さ2・5メートルの土留めを築いた。
地域住民は「一帯を散策できる環境になれば」と期待した。
また、ハッチョウトンボが生息する「トンボの楽園」周辺の草刈りもした。 -
かんてんぱぱで第11回書晋会展
第11回書晋会が26日まで、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで開かれている。作風も流派も異なる多彩な作品約50点が、訪れた人の目を楽しませている=写真。
上伊那書道協会に所属する伊那市在住者14人の作品展。今年は一人が3縲・点の作品を出品しており、大作の中には展覧会に出したものなどもある。作者の顔が分かるよう、作品の横には顔写真を添えた。
李白や杜甫の漢詩や、井上井月の句などを扱った作品から、あまりなじみのない人でも親しめるような柔らかな作品までさまざま。額装や軸装だけでなく、扇子や木片に書いた作品もある。
出展者の一人、泉石心さんは「それぞれがスタイル持ち、弟子に教えるレベルの書道家。流派を超えたさまざまな作品が楽しめる作品展」と話していた。
入場無料。午前9時半縲恁゚後5時(最終日は午後4時まで)。 -
風景画家・奥村憲さん クレパスで描くアルプス
伊那市中央区の風景画家、奥村憲さん(65)の個展は12月5日まで、同市の中部電力伊那営業所ギャラリーで開いている。「クレパスで描く2つのアルプス・伊那路の四季」をテーマにクレパス画26点を並べている=写真。
「残雪の中央アルプス」「経ヶ岳・黒の稜線」「桜咲く頃・南アルプスを臨む」などの伊那谷の雄大な風景を描いた作品を出品。奥村さんは両アルプスの魅力を「朝夕の光、四季によって変化する山は描き所が多い」と話す。
今回は、クレヨンとパステルを素地とした日本の描画材「クレパス」を使用。油絵具のように「重ね塗り」「混色」「盛り上げ」などのさまざまな技法で表現できる楽しさを展示会で伝えている。
愛知県岡崎市生まれの奥村さんは、01年に神奈川県から転居。画歴は42年で、伊那谷の四季折々の風景を中心に油絵で描いている。同ギャラリーでの個展は8回目。
奥村さんは「クレパスの世界を楽しんでもらいたい。手軽に描けるけれど奥深いクレパス画を、子どものころの気持ちになって描いていただけたら」と来場を呼び掛けている。
土・日曜日、祝日は休館日。午前8時30分縲恁゚後5時10分。 -
合併後の上下水道料金 2回調整で11年度に統一
伊那市の上水道運営審議会が22日、市役所であった。市は、合併に伴う上・下水道料金を2回の調整で、11年度から統一する考えを示した。
合併協議で、料金は当面、旧市町村のまま引き継ぎ、合併後6年目から統一することになっている。
毎年度の変更は、住民の混乱を招く可能性があるとし、08年度、11年度の2回で調整する。料金は旧伊那市を基準に設定し、旧伊那市との差額を2分の1ずつ詰める。今後の収入状況などで設定額が変わることもある。
水道料金(一般家庭の2カ月分平均)は3684縲・253円で旧伊那市が高く、下水道使用料は4600縲・486円で旧高遠町(公共・農集排)が高い。
料金体系は、07年度の市議会12月定例会までに決定する。
また、下水道事業は07年度を目標に、公営企業法を適用。▽下水道事業の経営状態が明確に把握できる▽独立採算制の徹底で、職員の意識改革が促進される竏窒ネどの効果があるとした。
審議会は受益者代表ら20人で構成され、委員長に福沢良一さんを選んだ。
市側から、上・下水道の経営状況や上下水道料金の調整などについて説明を受けた。
滞納額は上下水道で1億9600万円。5縲・1月に122件の給水を停止した。 -
晩秋の紅葉の中に咲く山野草
暦の上では雪が降り始めるとされる「小雪」の23日、伊那市西春近のかんてんぱぱガーデンでは咲き残ったホトトギスを囲むようにカエデやモミジ、ツツジなどが紅葉し、晩秋の寒空を彩っている=写真。
小鳥のホトトギスの胸の斑紋と似た模様を持つことからその名が付いたとされる「ホトトギス」は、ユリ科の山野草。花の開花時期は9月下旬縲・0月中旬とされているが、10月に温かな日が続いた影響からか、11月下旬となったこの時期までわずかな咲き残りがあった。 -
かんてんぱぱで南信州の工芸作家展vol.3
伊那市西春近のかんてんぱぱホールで22日から、飯田・下伊那を中心として活躍する8人のクラフト作家による「南信州の工芸作家展vol・3」が開かれている。木工や陶芸、ガラスクラフトなど多彩な約800点が、訪れた人の目を楽しませている=写真。
普段は別々に活動しているさまざまな分野の作家が年に一度開く合同展で3年目。幅広い人にさまざまな作品を見てもらおう竏窒ニ、下伊那よりも県内の各地区から訪れやすい上伊那地区での開催をしており、毎年多くの来場者でにぎわいを見せている。
今年は、器や皿、壁掛けなどといった日常生活雑貨から、染め織りのスカーフやトンボ玉のアクセサリーなど、身近で楽しめるクラフト作品を一堂に展示販売。それぞれの作家が取り組むクラフトの違いも楽しめる。
入場無料。午前10時縲恁゚後5時半(最終日は午後3時まで)。26日まで。 -
第12回新「三峰川講座」
進徳館教育を学ぶ国土交通省三峰川総合開発工事事務所主催の第12回新「三峰川講座」は19日、伊那市のいなっせであった。前高遠町教育長の中原長昭さんが進徳館教育について講演し、「進徳館の学びの心を、教育の危機から脱し活力ある教育再生の源にしたい」と語った。
高遠藩の藩校である進徳館の歴史、教育方式、進徳館図書、高遠藩学の祖・阪本天山らについて紹介。進徳館教育の学問の内容は儒学中心で、実学を教育の目標にし、文武両道の教育をしたこと、自分で学び考える習慣をつけるよう勤めたこと、日常の生活習慣を正しくすることが学問をするための基礎としたことなどを説明した。
旧高遠町が95年に「進徳館の日」を創設し、進徳館教育の継承発展に努め、小・中学校、高遠高校でも教育理念を「学則得」「高遠の学」の継承発展に置き実践していることも紹介した。
中原さんは、「教育のあり方を抜本的に問い直し検討しなければ、今日の教育の危機は乗り越えられない状況。進徳館の学びの心を体して、新しい教育の創造に向かって努力しなければならない。教育改革を皆でやっていこうとする一助になれば幸い」と話した。 -
三峰総 「川下り米」の味検証
国土交通省・三峰川総合開発工事事務所(竹田正彦所長)は20日、伊那市長谷にある美和ダムの堆積(たいせき)土で育てた「川下り米」の味を検証するため、長谷保育園の園児たちを対象に試食会を同園で開いた=写真。園児たちの反応を見て所員らは、土の新たな利活用の可能性に手応えを感じた様子だった。
三峰総は、ダムの機能を維持するため大量の堆積土を掘削し、ほ場整備などに活用してきた。ミネラルを豊富に含んだ同土は、家畜飼料、育苗土などの活用研究、野菜への適用性などの検証もしている。
園児たちは、堆積土を20パーセント混ぜた土壌で育てた米と、混ぜていない土壌で育てた米をおにぎりにして食べ比べた。年長児16人にアンケートしたところ、14人が「川下り米」の方がおいしいとの結果が出た。
三峰総では、18日に「道の駅・南アルプスむら」であったイベントでも試食会を開き約200人にアンケート。7割以上が「甘い」などの感想で「川下り米」に票を入れたという。
関係者は「厄介ものの土を使ってもらえる受け皿があることが分かった。アンケートを分析し、堆積土の今後の活用方法を検討していきたい」と話している。 -
伊那公民館分館対抗マレット 70人参加・初の交流
第1回伊那公民館分館対抗マレットゴルフ大会は21日、伊那市西箕輪の「マレットパークはびろ」で開いた。同公民館管内の13分館から約70人が参加し、1チーム6人の合計打数を競った=写真。伊那公民館(武田登館長)主催。
マレットゴルフ大会の開催を要望する地区民の声に応えるために企画した交流会。管内の伊那、伊那部、福島地区の40縲・0歳代の男女が分館ごとにチームを構成し、36ホール、パー144のコースをプレーした。
武田館長は「上位入賞を目指すと共に交流と親ぼくを図ってほしい」とあいさつ。参加者らは和気あいあいとした雰囲気の中で、時折「入れー!」などの気合を込めながら会場に快音を響かせた。
結果は次の通り。
【団体の部】
(1)西町752(2)狐島791(3)境796
【個人の部】
(1)佐藤美知(西町)114(2)橋本政春(日影)115(3)暮石茂男(狐島)119(4)林雄次(西町)119(5)小林岩夫(同)119(6)中村良一郎(境)120 -
伊那消防署 化学防護服導入
伊那消防署は、化学薬剤や毒物・劇物などがかかわる事故に対応するため、化学防護服2着を購入した。取り扱いを学ぶため15日の導入以後、署員全員が順次、装着訓練を実施して有事に備えている。
伊那市などの4市町村でつくる伊那消防組合内で箕輪町に続き2番目の導入となった。防護服は、耐炎性のあるゴム素材などの4層構造で、重さは約8キロ、価格は2着で約147万円。
着用する時は、空気ボンベ、空気呼吸器(計約10キロ)を装着し、その上から着る。2人の補助員が手伝って装着し、遅くても約5分を要する。
活動隊員の生命の安全のため、空気感染を防ぐ構造。自分の吐き出す息で防護服内は、常に空気が充満している状態を保ち、余分な空気だけが排出できる仕組みになっている。
装着訓練を終えた署員は「鋭利なものに引っ掻け、破れる危険性がある。空気ボンベから送られる空気も限りがあるので、活動時は慎重に、迅速な行動を心掛けたい」と話していた。
装着の手順を確認し合う署員ら(伊那消防署) -
伊那地区戦没者追悼式
伊那地区戦没者追悼式が20日、伊那市の福祉まちづくりセンターであった。遺族や関係者ら約30人が参列し、日清戦争から太平洋戦争までの戦没者と、満蒙開拓団として満州に赴き、命を落とした564人に花をたむけた。伊那地区社会福祉協議会主催。
最初に1分間の黙とうをした後、伊那地区社会福祉協議会の田中保会長は「ここに迎えた魂は、過去の戦いで帰らざる人になった人や、満蒙開拓に加わり、志半ばで亡くなった方々。現代の日本の経済発展は、尊い犠牲のたまものであることを決して忘れてはならない。後世に伝えていきたい」とあいさつ。
その後、参列者が一人ひとり霊前に進み、戦争で命を落とした親族などを思いながら手を合わせた。 -
信州大学森林科学科の学生が製材の現場を見学
信州大学農学部森林科学科の学生約30人がこのほど、国産材の製材などを行っている信州国産材開発協同組合を訪れ、製材現場の実情について学んだ。
例年行っている材鑑実習の一環で、この日は、丸太から材をつくる製材、乾燥、加工までの一連の流れや、種類ごと微妙に異なる断面の違いなどを見学。
学生の一人は「狂いが生じないように行う乾燥などは初めて見学した」と話し、関心を深めていた。
その後、玉田隆理事長が木材市場の現状や同組合のこれまでの取り組みについて説明。「これまでは安い外国の輸入材が大量に入ってきていたが、原油価格の上昇とともに輸入材の価格も上がり始めており、安い木材が大量に入ってくる時代は終わったといっていい。その分地域の資源を活かす必要があり、製材の過程でもそれを生かす仕組み作りが大切」と語った。 -
伊那西高校で公開講座
伊那市の伊那西高校で18日、公開講座があった。地域住民など約100人が参加し、それぞれが関心のある分野について学んだ。
地域の生涯学習の一端を担うことを目的として始まった取り組みで4年目。姉妹校の飯田女子短期大学などからも講師を迎え、日常生活で使える内容などを充実させている。今年は健康、パソコン、編みもの、体操などの7講座を開講した。
飯田女子短期大学の平山恵美子助教授は、「あなたの健康問題竏註謔クは自分の身体を知ろう竏秩vと題して、メタボリックシンドロームと高血圧、高脂血症などとの関係を解説。その後、参加者自身に血圧や血糖値を測定してもらい、適性数値との比較をした=写真。
25日は伊那西高校卒業生で現在はNHKのテレビ体操でアシスタントなどをしている有賀暁子さんによる「正しいラジオ体操!!竏註g体にうれしいその効果竏秩vや、歎異抄について学ぶ「歎異抄のこころ4」を開講する。午後2時縲恁゚後3時半。受講無料。
問い合わせは伊那西高校(TEL72・4091)へ。 -
三洋グラビア人事
三洋グラビア(本社・伊那市)は21日、臨時株主総会を開き、新役員を選任した。
営業、生産、管理、経理、経営企画の責任体制を拡充、各工場の製造部長級には執行役員制を導入し、責任と権限を強化した。
同社では「新体制により、顧客ニーズに従来以上に俊敏に対応できる生産体制を構築し、さらなる飛躍を図る」としている。
新役員は次の通り。
▽代表取締役会長=原章▽代表取締役社長兼営業本部長=原敬明▽常務取締役兼生産本部長=和久田佳秀▽常務取締役兼管理本部長=矢野和雄▽常務取締役兼経理本部長=原貴子▽取締役経営企画室長=鈴木弘男▽取締役営業部長=中村秀人▽執行役員第一製造部長=有賀達彦▽執行役員第二製造部長=薮原芳信▽執行役員第二製造部長=田畑義幸▽執行役員第三製造部長=小松道雄 -
自殺予告メール 臨時職員を懲戒免職
伊那市内の小学校に自殺予告メールを送った市教育委員会の女性臨時職員が逮捕されたことを受け、市教委は19日、市役所で記者会見を開いた。
北原教育長は「いじめ、自殺が続いている今、社会を騒がせる事件を引き起こしたことは痛恨の極み。いじめ問題で真剣に思い悩み、苦しんでいる子どもたちや、いじめ撲滅に向けて取り組んでいる人の心を踏みにじる行為で、許し難い」と述べ、陳謝した。
児童のケアとして、臨時職員がいた小学校に20日から、学校カウンセラーを派遣。19日夜には、保護者に説明した。
市教委は、臨時職員が容疑を認めていることから、19日付で懲戒免職とした。
関係職員の処分について、北原教育長は「私どもも何らかの責めを負わなければならないと自覚している」とした。
今後、いたずら行為が起きないよう生徒指導や職員研修などのほか、職員採用に細心の注意を図る。 -
新市の総合的な交通体系の構築
「第1回伊那地域における新たな交通ネットワークシステム構築のための検討会」が20日、市役所であった。利用者ニーズを把握しながら、本年度中に新市の総合的な交通体系の基本方針をまとめる。
検討会は、観光客の誘致や地域振興などの観点から▽新市発足に伴う旧市町村の生活交通のあり方▽権兵衛トンネルを利用した広域的な交通ネットワーク▽地域の観光資源を生かすための公共交通のあり方竏窒ネど木曽地域を含めて検討。国土交通省の「公共交通活性化総合プログラム」を導入し、具体的な運行計画を練る。
構成員は行政機関、バス・タクシーの交通事業者、高齢者クラブ代表など利用者ら20人で、座長は信州大学教育学部教授の石沢孝さんが務める。
12月、市内2700世帯(無作為抽出)を対象に、交通行動の実態や公共交通に対するニーズなどのアンケートを取るほか、観光交通機関の現状や問題点を調査。
それらの結果を踏まえ、基本方針をまとめ、07年度に運行計画や事業収支などを検討し、必要に応じて一部試験運行する。効果を検証しながら、09年度の本格運行に向ける。
小坂市長は「交通面で1億円近い財政負担をしているが、それに見あった効果が表れていない。伊那市を中心に、どう新たなネットワークを構築するか意見をいただきたい」とあいさつ。
構成員は、合併前のまま引き継いでいる公共交通の現状や今後のスケジュールなどについて説明を受けた。 -
「霞堤」をテーマに、三峰川フォーラム
「第7回三峰川フォーラム」(三峰川みらい会議主催)が19日、伊那市役所であった。地域住民ら約60人が出席。「霞堤(かすみてい)」をテーマに、先人が水害から生活を守るために築いた霞堤の歴史をどう次世代に受け継いでいくのかを考えた。
「霞堤」は、堤防の一部を切り離し、下流側の堤防を水田などに向けて斜めに伸ばした治水工法で、氾濫水を速やかに本流へ戻し、被害を拡大しないなどの機能を持つ。三峰川には、右岸に8カ所、左岸に3カ所ある。
フォーラムは、霞堤などでの現地学習会のほか、座談会「霞堤の歴史と未来」、信州大学人文学部教授笹本正治さんの基調講演「日本人が抱いた水と堤防への意識」があった。
座談会では、パネリストに地元住民、文化財保護、教育などの関係者7人を迎えた。
「霞堤の機能などを知らない市民が多い」とし、伊那市文化財審議委員会の春日博人委員長は「霞堤」を市文化財に指定する方向で動いているとした。「霞堤の効果は災害対応だけでみてしまうが、自然と人間とのかかわりを伝えていくことが大切」など意見が出た。
また、ナイスロードでなく、霞堤街道と呼ぶ提案も。
霞堤沿いに住宅が建ち始める現状に「水があふれたとき、逆流する恐れがある。用地の規制や関係機関の連携が必要ではないか」と指摘もあった。
フォーラムに先立ち、第7回三峰川写生大会の入賞者を表彰した。 -
伊那緑ヶ丘幼稚園文化祭
伊那市の伊那緑ヶ丘幼稚園は19日、文化祭で園児の絵画や粘土作品などを展示発表した。
「なんとびっくり展」は、遠足や園外活動を描いた絵、流木で作ったパトカーやトラックなどのおもちゃ、木の実の動物、川で拾った石に絵を描いた動物園、つるを編んだかご、豆をかんでいる顔の粘土作品など、感性豊かな子どもたちの自由な作品を展示した。
50周年を迎えた園の歩みを写真で紹介するコーナーは、1957年の第1期生の運動会をはじめ入園式、卒業式などの写真もあり、懐かしそうに眺める保護者もいた。
バザーや食堂、売店などもあり、園児や兄弟、保護者らでにぎわった。