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黒河内線・戸台線で土砂崩落
土砂崩落で通行止めとなっている伊那市長谷の市道・黒河内線の迂回路となっている市道戸台線で、29日朝、土砂崩落がありました。 復旧には時間が必要で2つの道路は、現在通行止めとなっています。 土砂崩落があったのは、市道戸台線の橋本山荘付近です。 土砂崩落を予防していたネットやコンクリート塀も崩れ、道路を塞いでいます。 21日に、市道黒河内線の戸台大橋から発電所手前で土砂崩落があり、通行止めになっています。 黒河内線は、現在は、土砂が除去されていますが、更に崩落する危険があります。 その迂回路として使用されていた戸台線ですが、29日未明、土砂崩落があったことが伊那市に報告されました。 現場では、地元の建設業者が、現場の確認作業を行っていました。 通行止めに関係するのは戸台集落の1戸1人です。 伊那市では、31日までには、通行できるよう作業を行いたいとしています。
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南ア北部遭対協 総会
南アルプスでの遭難防止や救助活動などを行っている南ア北部地区山岳遭難防止対策協会の定期総会が21日伊那市の長谷総合支所で開かれました。 総会では、新しい救助隊副隊長や班長に任命書が交付されました。 新たに副隊長に任命されたのは、市役所高遠長谷水道課の宮下健吾さんです。 宮下さんは、「二次遭難で家族を悲しませないよう訓練に精進し、チームワークを大切に活動していきたい。」と誓っていました。 平成25年度の南アルプス北部での山岳遭難件数は、6件で内救助隊が出動したのは3件でした。 愛知県と神奈川県の2人が亡くなっています。 会長をつとめる白鳥孝伊那市長は、「今年は山の日制定などで登山者が増えることが予想される。先人が残してくれた山を大切に、遭難事故防止対策に取り組んでもらいたい。」と出席者に呼びかけていました。
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伊那市西山でシカ捕獲数増加
伊那市の天竜川より西の地域で昨年度捕獲されたニホンジカは、31頭で、5頭だった前の年に比べて6倍に増えたことがわかりました。 23日市役所で開かれた伊那市有害鳥獣対策協議会で報告されました。 昨年度のニホンジカの捕獲量は、市全体で3,300頭とほぼ前年並みでした。 伊那地区は、308頭で、そのうち西春近や西箕輪地区の西山で捕獲されたのは、中央道沿いを中心に31頭でした。 伊那猟友会の牧田文男会長は、「西山でも一般の人がニホンジカの姿を見るようになってきている。北は辰野から、南は、竜東から川を渡って入ってきていて、間違いなく増えている。今年度は、くくり罠で、西山の捕獲を徹底的にやらなければならない」と話していました。 会長の白鳥孝市長も「ニホンジカが西山に広がっていて、ある日爆発的に被害が出ないか心配している」と述べました。 伊那市の昨年度の有害鳥獣による農作物被害は、213トン、2,900万円余りでした。
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南アルプス国立公園指定50周年記念特集⑩
伊那市長谷の長谷中学校に伝わる南アルプス太鼓。 4月25日に行われた南アルプス開山祭では、魂のこもった太鼓の音が山に響きました。 演奏したのは、長谷中学校の3年生です。 5月上旬、生徒達が練習に励んでいました。 太鼓が初めて披露されたのは、発足した昭和61年の長谷中学校文化祭「くろゆり祭」です。 当時の赤羽敬一校長が、地域に根差した教育を取り入れようと、南アルプス太鼓を始めました。 昭和61年の発足当時から生徒達に指導しているのは伊那市長谷市野瀬の宮下由紀夫さんです。 宮下さんは、30年続く長谷太鼓・創龍会の打頭を務めています。 宮下さんが作曲した「仙丈」は、南アルプスの仙丈ケ岳の雄大さをイメージして作られました。 28年間、長谷中学校に伝わる南アルプス太鼓。 毎年3年生が伝統を受け継ぎ、1年間を通して様々なイベントで披露しています。 その年によって掛け声や曲の雰囲気が異なります。 バチを構えた瞬間、生徒達の表情が変わりました。 先輩から代々受け継がれている長谷中学校の南アルプス太鼓。 長谷中学校ではこれからもその伝統を引き継ぎ、太鼓の音に思いを込めて南アルプスへ響かせます。
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南ア国立公園指定50周年記念特集⑨
【平山】「『春の小仙丈ケ岳に行こう!』ということでこもれび山荘管理人の竹元直亮さんと、スタッフの狩野俊一さんに案内してもらいます。宜しくお願いします。竹元さん。春の小仙丈ケ岳の魅力はどんなところですか?」 【竹元さん】「仙丈ケ岳は駒ヶ岳と比べると雪が多く残る山なので冬山ほど気象条件は悪くなく雪山が楽しめると思います。」 竹元さんは、学生時代に山岳会に所属していて豊富な経験を持ちます。 春の山は危険も伴うということで、初心者は上級者と一緒にいく必要があります。 今回は、私達初心者にペースを合わせてゆっくりしたペースで登山してくれました。 会話を楽しみながら歩くのが「ゆる山」の鉄則だそうです。 4合目から5合目の間に、第一の関門があります。 【竹元さん】「両側が落ちているこういうところを立地というんでけど、狭いので1回と止まって装備を確認してみてください」 恐る恐る立地を越えていきます。ちらりと横を見ると断崖絶壁。もしも踏み外せば命はありません。 【竹元さん】「落ち着いて。蹴りこみながら、一歩一歩作りながら歩いていく感じで」 4合目を抜けた辺りで視界が開け、東駒ヶ岳や栗沢山などが一望できました。 【平山】「なんだか嬉しいです。今日始めてこんな風に山の姿を見ることができて」 5合目を抜けてしばらく歩くと樹林帯が終わります。 森林限界まで来ると、一面銀世界となり、これまでと景色が一変しました。 小仙丈直下の急登と呼ばれる最後の難関です。 初心者にはまっすぐに切り立つ崖に見えます。 【平山】「これ本当に登るんですよね?壁みたい。大丈夫かな」 登り始め、後ろを振り返るとその急勾配に足がすくみます。 【狩野さん・竹元さん】「着きました」 【平山】「オー。小仙丈ケ岳。着きました。着きました。2,864メートルです!」 3人でハイタッチをして登頂を喜びました。 【平山】「すごい眺めだな~本当に。」 【竹元さん】「北岳、仙丈ケ岳のカール、中央アルプスも見えます。八ヶ岳も見えてます。」 【平山】「本当、初体験なんで、こんな景色見たことないですね。ちょっと感動しちゃうな~」 3人で記念に万歳しました。 【竹元さん】「南アルプス国立公園指定50周年おめでとうございます。バンザーイ」 【竹元さん・狩野さん・平山】「バンザーイ」 初体験の春山登山。自らの足であるき到着した小仙丈の山頂からは、山々が織り成す奇跡の眺望が広がっていました。
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南アルプス国立公園指定50周年記念特集⑦
手紙「先月の甲斐駒ヶ岳での当方会員の遭難事故に際しましては、ひとかたならぬお世話になりましてありがとうございます。 せっかくの連休にもかかわらず私共のために危険な救助活動に力を尽くしてくださいました。 突然のでき事に驚きと悲しみと不安でいっぱいだった私たちにとってどんなに心強く救われた思いがしたことか・・・ ご家族の手でご葬儀を終えられまして、私共もお別れをいたしました。 本人は、まだまだ大好きな山登りを続けていきたかったのだろうと思うと胸がいたむばかりです。 今後は、各自1人1人が万全の準備を怠ることなく安全登山を楽しむよう留意するつもりでおります。 南アルプス北部地区山岳遭難防止対策協会隊長 西村和美様」 登山者の遭難救助活動をしている南アルプス北部地区山岳遭難防止対策協会は、昭和37年1962年12月に旧長谷村の浦公民館で発足しました。 協会は、南アルプスの北部、鋸岳から塩見岳までが主な管轄エリア。 隊員は、80人で、市役所職員がその大半を占めています。 山岳遭難が発生した場合は、消防団と同様24時間365日出動を求められます。 おととし、創立50周年を迎えた協会は、南アルプスの歴史とともに歩んできました。 4代目隊長の西村さんは「一番の自慢は、二次遭難を出していないこと」と話します。 長谷溝口の西村和美さん69歳。 仕事は第一線を退き趣味の木工を楽しんでいます。 平成5年から隊長となり、今も現役で隊を指揮しています。 南ア北部を知り尽くし、守ってきました。自然と動物、酒と自由をこよなく愛する山男で、その気さくな人柄は、隊員から厚い信頼を受けています。 隊長就任以来の出動回数は70回以上。 救助活動には常に危険がつきまといます。 隊の発足当時から現在まで活動を見守ってきた長谷総合支所長の中山晶計さん。 隊員を山に送り出す家族にも寄り添いました。 中高年を中心とした登山ブーム、軽装備の登山者の増加、技術やモラルの低下で遭難事故も増加傾向にあります。 登山者には遭難者にはなるなと呼びかけ、二次遭難は出さない。 南アルプス北部遭難対策協会のプライドです。
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高遠・長谷総合支所長 交代へ
伊那市は、任期満了に伴う高遠町地区と長谷地区の総合支所長の人事異動を今日内示しました。 高遠町地区の新しい総合支所長には、高遠町総合支所産業振興課主査の広瀬源司さん。 長谷地区の新しい総合支所長には、伊那市観光協会の観光プロモーター池上直彦さんが就任します。 合併後の平成20年5月23日以来、高遠町総合支所長をつとめてきた伊藤俊規さんと長谷総合支所長の中山晶計さんは、任期満了となる22日で退任します。 新しい総合支所長の任期は、23日から平成28年3月31日までとなっています。
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南アルプス エコパーク登録へ
文部科学省は、ユネスコの国際諮問機関が南アルプスのエコパーク登録を勧告したと15日発表しました。 文部科学省内にあるユネスコの国内委員会が去年9月に南アルプスのエコパーク登録を申請していました。 エコパークは、生態系の保全と持続可能な自然と人間社会の共生を目的としてユネスコが登録しています。 現在、117か国、621の地域が登録されていて、日本では、志賀高原や屋久島など5か所です。 南アルプスは、長野、山梨、静岡3つの県の10市町村にまたがり、面積は、30万ヘクタールです。 エコパーク正式登録は、6月にスウェーデンで開かれるユネスコの理事会で審議され、正式決定される見通しです。
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南アルプス国立公園指定50周年記念特集⑤
「1億年のロマン 戸台の化石」 伊那市長谷戸台。 ここにあるのが化石です。 今からおよそ1億2,000万年前の白亜紀の化石を数多く産出しています。 海抜1,000メートル以上の戸台で、海の生物の化石が発見される…長い年月と地球の偉大さを感じます。 北村健治さん71歳。 「戸台の化石」保存会の会長で、戸台のアンモナイトの発見者です。 北村さんは「叩けば簡単に割れる。光っているものは全て化石、小さすぎて全てを判別することは困難」と話します。 続けて「地層の沈下速度は一定、きれいな面を作って沈下していく、これを層理という。一緒にアンモナイトやサンカクガイなども沈下している、戸台の化石は空洞がなく潰れている、そのため層理面を探せば化石は出てくる。」と話していました。 これまでに戸台で発掘された化石は5,720標本を数えます。 これら全ては、戸台の化石保存会により、伊那市の長谷公民館、戸台の化石資料室に展示・保管されています。 北村さんによると「化石というとアンモナイトに注目が集まるが、戸台の化石を有名にしたのは実はサンカクガイ、サンカクガイの化石は日本の中でも2~3番目の古さで発見されている」ということです。 保存会では毎年学習会も開き、太古のロマンを子どもたちに伝えています。
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南アルプス国立公園指定50周年記念特集③
南アルプス開拓の父。竹澤長衛。 1889年明治22年に黒河内村。今の伊那市長谷戸台に生まれました。 狩猟と山案内を生業とし、南アルプスを誰もが安心して登れる山にしたいと登山道を整備し山小屋を建てました。 1958年昭和33年。 69歳でその生涯に幕を閉じるまで登山者の安全と山の開拓に尽力した功績は今も語り継がれています。 今から59年前の1955年、昭和30年に長衛とともに山に登りクマ撃ちに出かけたことがある、矢沢章一さんと、建石繁明さん。 矢澤さんはクマ撃ちの撮影のために同行。 長衛たちとは別に登山をしていた建石さんは長衛小屋に一泊。 翌朝仙丈に向かいましたが大雪のため引き返したところ長衛や矢澤さんたちといきあい長衛に怒鳴られたといいます。 そして建石さんも加わりクマ撃ちに出かけ途中一休みしたときの写真。 左から長衛の息子昭一。長衛。そして27歳のときの矢澤さんと21歳のときの建石さん。 この時クマは見つからず代わりにカモシカを見つけ射止めました。 矢澤さんの話ではこの時、長衛はカモシカの睾丸を切り取りそのまま食べてしまったということです。 今のように林道バスが走っていなかった当時は長谷戸台の赤河原から山頂を目指しました。 赤河原沿いの山を登った自宅跡近くに「長衛ここに眠る」と刻まれた碑が建立されています。 娘の五十嵐睦子さんは亡き父を思い、よくここを訪れます。 五十嵐さんは「父長衛には生前とても可愛がってもらった。偉大な父だったと今でも思う」と話していました。 長衛が亡くなってから6年後の1964年昭和39年に国立公園に指定された南アルプス。 その豊かな自然にひかれ毎年多くの登山者が訪れます。 長衛は生前「おれが死んだら仙丈の方へ向けて埋めろ。いつもここから山を見守っている」と遺言しその生涯を閉じたといいます。
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南アルプス国立公園指定50周年記念特集②
藤井利衣子さん42歳。 去年9月、南アルプスジオパークを推進する専門臨時職員として採用されました。 宮城県仙台市出身の藤井さんは、13年にわたり大学で学び、全国各地で教員や会社勤め、ジオパーク関係の仕事などを経験した異色の経歴の持ち主。 去年まで鳥取県立博物館付属山陰海岸学習館職員として約2年半、山陰海岸ジオパークにかかわっていました。 藤井さんがジオパークに興味を持ったきっかけが大学時代の講義でした。 藤井さんが働く伊那市役所の世界自然遺産登録推進室。ジオパークとは地球の成り立ちや大地のでき方を知ることが出来る場所をいいます。平成20年12月に伊那市の一部を含む中央構造線エリアが日本ジオパークに認定されました。 藤井さんは各種イベントの企画、運営、ジオガイドの活動調整や育成など、南アルプスジオパークに関する仕事に携わっています。 今年3月には、藤井さんが中心となって企画した親子で楽しめるイベントが開かれました。 ジオパークについて感心をもってもらおうとアンモナイトの化石で型をとるストラップづくりや鹿肉を使ったシカケバブづくりなどのコーナーが設けられ大盛況でした。 また、4月からは南アルプスを授業に取り入れた教育プログラムが長谷中学校を皮切りにはじまりました。 講師は、藤井さんが務め、生徒たちにジオパークや南アルプスの成り立ちについて解説しました。 藤井さんは、名古屋に住む夫と離れて市内で単身生活をしています。 藤井さんが趣味としているのが手芸。ジオパークのオリジナルカーディガンを作りました。 休日には、もうひとつの趣味でもあるランニングを楽しんでいます。南アルプスを眺めながら走るのが爽快と話す藤井さん。 伊那での暮らしも半年が過ぎました。 今年9月には、伊那市で日本ジオパーク南アルプス大会が開かれます。 藤井さんは地元をはじめ全国各地の人たちにジオパークの魅力を伝えて行きたいと話します。
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村全協 大芝観光企画推進員
南箕輪村は大芝高原のイベントの企画や運営などに携わる大芝観光企画推進員を新たに配置します。 これは12日村役場で開かれた村議会全員協議会で報告されたものです。 村ではこれまでに、大芝高原のイベントの企画・運営に携わる専門の職員の必要性を求められていました。 職員は、臨時職員で産業課商工観光係として1人で、雇用期間は6月9日から来年3月末までだということです。 主な職務は、大芝高原関連イベントの企画・運営や、観光PR、農商工連携などで、村観光協会設立に向けた準備も行います。
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南アルプス国立公園指定50周年記念特集①
「本当に好きでなければ来ませんよ、千葉から。でも本当にここの良さを知ってきているので、それをみなさんに分かってもらいたいというのもありますね。素敵でしょって思う」 南アルプス林道バスの営業所がある伊那市長谷黒河内に住む志村千恵子さん。 山登りが趣味の志村さんは、これまでに仙丈に80回以上登るなど手つかずの原生林が多く残る南アルプスが特に好きで、夫の裕幸さんと2人、11年前に千葉県千葉市から総世帯10戸の黒川集落に越してきました。 得意としている菓子づくりや料理の腕前を活かし、一昨年平成24年3月に自宅を改装しコーヒーとワッフルの店「木楽茶屋」をオープンさせました。 店内には、南アルプスに関する写真が飾られています。 山を眺めなるだけでなく山と共に生きていくことが夢だった志村さん夫妻は、4人の子どもを育て上げた後、この生活を始めました。 しかし、去年10月。毎年訪れているという仙丈ケ岳と北岳の間にある両俣小屋に向かう途中、夫の裕幸さんが突然倒れ帰らぬ人となってしまいました。 「あそこでなんで主人が突然倒れなくてはいけなかったのかって未だに理由が分からない。検死の時もどこも悪くないし立ち止まった時が亡くなった時。穏やかな顔をしているんですよね。主人が1番好きな場所で亡くなったということになるんですよね。 やっぱりこうやって涙が浮かんできてしまうんですけど、まだ気持ち的にはすっきりしてないので。でもこの景色が好きで来たのに何をやっているんだって言われているような気もするし」 20年以上にわたり南アルプスに登り続けてきた志村さん。 自身の豊富な登山経験と山での夫の死を通し、近年軽装で3千メートル級の山に挑戦する登山者が増えていることに警鐘を鳴らします。 「お父さんもいつも言っていたんですけど、人がいっぱい来てくれるのはいいんですけど南アルプスは南アルプスなので山に登るんだってことも含めて簡単に行けるところではないんだっていうこと、事故が起きてからでは遅いのでね」 最愛の夫の死を半年たった今でもなかなか受け入れられないと話す志村さん。 それでも、夫と2人で始めた今の生活を続けていく決意です。 「毎日この景色を眺めて暮らすことがお父さんの夢だったわけですから、それを私が続けていかなくてはいけないので。本当は2人で見ていたい景色だったんですけどね。1人になってしまったが山も登り続けるし店もやり続けたい」 都会での生活を捨て山で生きると決めた志村さん夫妻。大好きな南アルプスのふもとでお気に入りの景色を眺めます。
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満光寺で1ヶ月遅れの花祭り
お釈迦様が生まれたとされる4月8日から1ヶ月遅れの8日、誕生を祝う花祭りが、伊那市高遠町の満光寺で行なわれました。 この花祭りは、高遠町と長谷にある26のお寺で組織する東部仏教会が毎年開いています。 高遠第1・第4、長谷保育園の園児も花祭りに参加し、お釈迦様に手をあわせていました。
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~春の叙勲~ 旭日双光章 宮下市蔵さん
伊那市長谷の宮下市蔵さん、81歳。 旧長谷村の収入役、助役を経て平成7年に村長に就任。 旧伊那市、高遠町との合併を決断し、最後の村長を務めました。 合併後は初代長谷地域自治区長を務め、55年にわたり地方自治に尽力しました。 旧長谷村職員時代には、のちの高齢化社会を見据えて特別養護老人ホーム栃の木荘・現在のサンハート美和を誘致し、初代施設長となりました。 南アルプス北部地区山岳遭難防止対策協会の初代救助隊長を15年ほど務め、山を大切にしていました。 宮下さんは、「これからは誇りを持って自分たちの地域づくりをしていくという機運を作り、住民参加の地域づくりをしてもらいたい」と話しています。
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桜シリーズ⑳ 伊那市長谷 玄立寺の桜
放送エリア内の桜をお伝えする桜シリーズ。 1日は伊那市長谷の玄立寺の桜です。 長谷、非持山公民館隣りの玄立寺では、7本のシダレザクラが現在見頃です。 寺の総代によりますと、この桜は、去年亡くなった前の住職が山梨県の身延山から移植し大切に育てていたものだということです。 玄立寺のシダレザクラの見頃はあと3日ほどだということです。
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ジオパーク南ア大会に向け 推進チーム2回目会合
月に開かれる日本ジオパーク南アルプス大会に向け、伊那地域の関係団体がさまざまなイベントを企画する伊那地域推進チームの2回目の会議が、23日、伊那市創造館で開かれました。 この日は、伊那市の職員のほか、商工団体、旅行業者など、40人ほどが参加しました。 日本ジオパーク南アルプス大会は、9月27日から30日まで、伊那市内を会場に予定されています。 期間中に、様々なイベントを同時開催し、全国から訪れる関係者をもてなすほか、開催までにも年間を通じたイベントで機運を盛り上げようと、会議のメンバーが内容について企画しています。 この日は、展示・セッショングループ、食・まちなかグループ、ツアー・イベントグループの3つに分かれて検討を行いました。 食・まちなかグループには信州大学の学生も参加していて、「スタンプラリーやウォークラリーのほか、写真コンテストなどを行いたい」と提案していました。 その他、ジビエ・雑穀・昆虫食を提供できないかといった意見もありました。 展示・セッショングループでは、伊那弥生ヶ丘高校から、関心のある生徒を募り、学んだことの発表を行うほか、子供向けの体験講座を企画・実施したいといった提案もありました。 会議では、それぞれの団体からの提案を元に、具体的に何が実施できるかを検討していくということです。
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南アルプス 開山祭
南アルプスの今シーズンの無事を祈願する安全祈願祭と開山祭が25日、伊那市長谷の南アルプス林道「歌宿」で行われました。 この日は、市や山岳関係者らおよそ30人が出席しました。 伊那市は、春山シーズンの幕開けを山岳愛好者にPRしようと、2年前から標高1680メートルの歌宿で式典を行っています。 式で酒井茂副市長は「全国各地の登山愛好者に愛されてきた南アルプス。多くの情報を発信して盛り上げていきたい」と挨拶しました。 開山祭では、長谷中学校の3年生による力強い南アルプス太鼓が披露されました。 南アルプスは今年で国立公園指定50周年を迎え、5月24日に市内で記念式典が開かれることになっています。
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南ア林道バス 運行開始
南アルプスの開山祭にあわせて、伊那市営林道バスの運行が始まりました。 初日の25日、バスを利用した登山客は、20人でした。 南アルプス林道バス営業所では、テープカットが行われ、運行開始を祝いました。 林道バスは、25日から6月14日までは、標高1,680メートルの歌宿までの運行で、15日からは2,032メートルの北沢峠までとなります。 運行本数は、1日4便で、運賃は、片道830円です。 戸台大橋を越えると林道は、傾斜を増していき、車窓からは、南アルプスの大自然を眺めることができます。 出発から35分で、標高1,680メートルの歌宿に到着しました。 昨シーズンの南アルプス林道バスの利用者は、平成17年以来8年ぶりに5万人台を突破し、5万561人でした。
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南ア50周年に向け合唱曲「讃歌-長谷」披露
伊那市長谷小学校の児童は5月24日の南アルプス国立公園指定50周年記念式典に合わせて作られた合唱曲「讃歌-長谷」を23日市の関係者に披露しました。 讃歌-長谷は、南アルプス国立公園指定50周年を記念し、今年の3月に作られた合唱曲です。 長谷小学校の音楽専科の小口稔子(としこ)教諭が作詞と作曲をしました。 これまでは、学年毎に練習を行ってきましたが、全校で合わせて歌ったのは今日が初めてという事です。 小口教諭は「子供達に、長谷の自然や歴史、災害での教訓などを後世に伝え、地域の愛唱歌となってほしいと」と話していました。 歌は1番と2番があり1番は長谷の自然や風景を、2番では、四季の移ろいを表しています。 小口教諭は、本番までに高音と低音のバランスを調整したいと話していました。 長谷小学校の児童が出演する、南アルプス国立公園指定50周年記念式典は来月24日伊那市の伊那文化会館で開かれる事になっています。
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桜シリーズ⑬ 美和湖の桜
放送エリア内の桜をお伝えする桜シリーズ。 22日は、伊那市長谷の美和湖周辺の桜です。 伊那市長谷の美和湖周辺にはコヒガンザクラやソメイヨシノが植えらています。 コヒガンザクラは散り始めていますがソメイヨシノは今、満開です。 美和ダム管理支所によりますと桜は25日頃まで楽しめるということです。
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長谷中学校南アルプスジオパークについて学ぶ
南アルプスの世界自然遺産登録を目指すジオパーク協議会が今年度から実施する、南アルプスを授業に取り入れた教育プログラムの第1弾が18日、地元伊那市長谷の長谷中学校で開かれました。 これは、地域の子ども達の郷土教育に南アルプスの授業を取り入れようと今年度からジオパーク協議会が開くものです。 講座は、総合学習の時間で、恵まれた自然との関わり方を考えるきっかけにしようと開かれたもので、今日は全校生徒32人が講座を聞きました。 講師は、伊那市世界自然遺産登録推進室の藤井利衣子さんが務めました。 藤井さんは、ジオパークや南アルプスのつくりについて話しました。 「人々の暮らしや歴史、動植物などは、地形に大きく関わっている。その関係を知りながら楽しく学習してほしい」と話しました。 講座の最後には、生徒が1人ずつ中央構造線を構成する層を記入してつくりを学びました。 長谷中学校では、今年度総合学習で3つのコースに分かれて長谷地域について学びます。 そのうちの1つ、ジオパークについて学ぶ「自然探索コース」では、パンフレットや案内看板などの制作を検討しているということです。
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こもれび山荘(旧長衛荘) 小屋開け
南アルプスの北沢峠にある山小屋「長衛荘」は、今シーズンから「北沢峠 こもれび山荘」に名称を変えて営業します。 25日からの営業を前に今シーズンの小屋開けが、今日行われました。 南アルプス林道は、標高1680メートルの歌宿辺りになるとまだ雪が深く残っています。 17日は、こもれび山荘の管理人、竹元 直亮さんとスタッフ、6人が、今シーズンの小屋開けのため、北沢峠に向かいました。 途中までは、伊那市の南アルプス林道バスの管理者が除雪作業を済ませていて、自動車で移動することができました。 25日に、歌宿までの林道バスが開通するのを前に、除雪作業も急ピッチで進められていました。 除雪は、17日、こもれび山荘手前の大平山荘の下あたりまで進んでいました。そこからは徒歩で、こもれび山荘まで向かいました。 スコップなどの除雪道具を持って、30分ほどの道のりを歩きました。 今年は、雪が多く降ったことから例年よりも、4~5日早く、営業準備のために小屋開けを行いました。 小屋は雪に埋もれていました。 スタッフたちは早速スコップで除雪を行っていました。 これから、連日、小屋周辺の雪を取り除き、小屋の中を清掃するなどして、25日から営業できるように作業を進めます。 25日の営業開始日から既に予約が入っているということです。 今年は南アルプスが国立公園に指定されて50周年の節目の年で、ジオパーク全国大会が予定されている事から、多くの登山客が訪れることが予想されます。 こもれび山荘では、小屋独自のイベントを開くとともに、新しい料理メニューなどを開発して、登山客を出迎えたいとしています。
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南ア ジオパーク サポーター制度導入へ
世界自然遺産登録を目指す、南アルプス中央構造線エリア、ジオパーク協議会の総会が16日、伊那市創造館で開かれ、今年度の事業計画案などについて話し合いが行われました。 協議会は南アルプスに接する市町村や関係機関などで組織され、この日はおよそ30人が参加しました。 平成26年度の事業計画には、今年度初めて、サポーター制度の導入と、学校教育カリキュラムに合わせたプログラム作成が加わりました。 サポーター制度は、おもてなしの質の向上に繋げようと、飲食業者や宿泊業者などが、伊那市を訪れた観光客などに、最低限の情報を提供し魅力を伝えるものです。 協議会では今後、ホテルや旅館などから参加者を募集して、簡易講座を開き、サポーター認定をして行く考えです。 他に、地域の子どもたちの、郷土教育に南アルプスの授業を取り入れるため、教育のプログラムを作成するほか、修学旅行生などのツアーに組み込むことで、魅力を伝えていく考えです。 協議会は、「サポーターについては、今年9月に予定されている、日本ジオパーク南アルプス大会に間に合わせたい」と話していました。
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中尾歌舞伎春季定期公演中止に
中尾歌舞伎保存会は、4月29日に予定していた春季定期公演を中止にすることを10日決定しました。 中尾歌舞伎の稽古と発表の場所となっている伊那市長谷の中尾座です。 4月29日の春季定期公演もここで行われる予定でした。 保存会では、指導者の西村清典さんの死去により、春季定期公演の実施について検討を重ね、実施する方向で進めていました。 しかし、会の大きな柱で指導者だった西村さん急逝の影響は大きく、本番までに仕上げられないとの判断からやむなく中止を決断しました。 保存会では、11月の秋季定期公演で、西村さんが亡くなるまで指導に携わり春の公演で予定していた演目「一谷嫩軍記 熊谷陣屋の段」を披露する予定です。
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「南アルプス戸台口」 名称について市長に建議書提出
南アルプス北部の登山口の名称を検討してきた伊那市の長谷地域自治区地域協議会は、名称を「南アルプス戸台口」とし、バス停の名称の変更などを求める建議書を、10日、白鳥孝市長に提出しました。 この日は、西村美里会長と中山和文副会長が伊那市役所を訪れ、白鳥市長に建議書を手渡しました。 名称を検討してきた長谷地域協議会では、長谷の三峰川橋付近から仙流荘周辺エリアの名称を「南アルプス戸台口」としました。 市長への要望は▽混乱を防ぐため、三峰川橋のバス停の名称を「戸台口」から「三峰川橋」などに変更するか廃止する事▽林道バス営業所の停留所名を「南アルプス戸台口」とする事▽伊那市が発行するパンフレットや看板に明記する事などです。 白鳥市長は、「昔からの名称を活かし全国に発信できる良い名前だと思う」と話していました。 協議会では、今回の建議内容について来月上旬までに文書で回答して欲しいと白鳥市長に求めています。
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パレードで山火事予防
山火事予防を呼びかけるパレードが今日、伊那市などで行われました。 9日は、県や市町村職員8人が伊那合同庁舎前を出発し、伊那市から辰野町までをまわり火災予防を呼びかけました。 啓発活動は、空気が乾燥し山火事が発生しやすい毎年この時期に行われているものです。 上伊那管内では去年、6件の山火事が発生していて、合わせて2.75ヘクタールを焼きました。 これはおととしと比べ6倍の焼失面積となっています。 今年は2件の火災被害が出ています。 上伊那地方事務所の青木一男所長は「これから農作業などで土手焼きや焚き火をする機会が増えるので、意識を高めてもらえるよう呼び掛けたい」と話していました。 啓発活動は、あすも行われ、駒ヶ根市から中川村までをまわるということです。
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上伊那一斉に入学式
上伊那8市町村の全ての小学校と中学校で4日入学式が行われ、小学校では1,750人、中学校では1,870人が新たなスタートを切りました。 このうち箕輪町の箕輪西小学校には、13人が入学しました。 入学式で、新一年生は、在校生や保護者の拍手に迎えられて入場しました。 松島ゆかり校長は、「箕輪西小の自慢は、あいさつと仲良し。あいさつは魔法の言葉でみんなと仲よくなれます」と話しました。 このあと児童会長の唐澤依織里さんが「学校にははじめてのことがたくさんあります。わからないことがあったらいつでも聞いてください」と新入生たちに呼びかけていました。 新1年生たちは、保育園で練習してきた歌を元気に歌い、学校生活をスタートさせていました。 式の後、教室では、担任から名前を呼ばれると元気に返事をしていました。 担任からは、交通事故にあわないよう気をつけることや規則正しい生活のリズムを習慣づけるよう話がありました。 4日は、上伊那8市町村全ての小学校と中学校で入学式が行われ、小学校には1,750人が、中学校には、1,870人が入学しました。
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西村清典さん 葬儀
伊那市長谷の中尾歌舞伎保存会の指導者で、25日に95歳で亡くなった西村清典さんの葬儀が28日行われました。 伊那市高遠町小原のグレース虹のホール高遠で行われた葬儀には、親族をはじめ、中尾歌舞伎保存会の関係者などが訪れ、西村さんの冥福を祈っていました。 西村さんは、昭和61年に太平洋戦争で途切れていた中尾歌舞伎が復活して以来、30年にわたり演技指導に携わってきました。 保存会メンバーからは、尊敬と親しみを込めて師匠と呼ばれていました。 得意な演目は、台詞などすべて記憶していて、自筆の台本で指導していました。 保存会発足から今年2月まで、60本の全ての公演で役者の指導を行ってきました。 27日は、出棺を終えると西村さんを乗せた霊柩車が中尾歌舞伎の公演と稽古の舞台となっている中尾座に止まりました。 28日の葬儀で、弔辞を述べた保存会会長の西村寿会長。 師匠に別れの言葉を送り、力強く保存会の今後の活躍を誓っていました。 4月29日には、春季定期公演が予定されています。
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JR飯田線 活性化を
リニア中央新幹線とのアクセスや観光資源としての活用も見込まれるJR飯田線の活性化に取り組んでいこうと、JR飯田線活性化期成同盟会が28日発足しました。 28日駒ヶ根市のアイ・パルいなんで開かれた設立総会には、上伊那地域や飯田下伊那地域の市町村や県、経済団体の関係者などが参加しました。 JR飯田線活性化期成同盟会は、リニア中央新幹線のアクセス路線としてや伊那谷を縦断する貴重な観光資源としての活用も見込まれる飯田線の活性化に取り組んでいこうと、沿線自治体や商工会議所が発起人となりました。 設立総会で、会長には、白鳥孝伊那市長が選任されました。 白鳥市長は、「リニアが通るチャンスを活かしたい。2つのアルプスがある伊那谷を走る魅力を存分に活かして地域一丸となって取り組みたい。」とあいさつしました。 期成同盟会では来年度フォーラムやシンポジウムの開催、国やJR東海への要請活動、利便性向上に関する調査・研究、電車通勤の促進などの事業を行います。