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再開の宮田高原で住民ボランティアが整備作業
宮田村は2年ぶりに営業再開の宮田高原を住民参加で整備しようと21日、ボランティアによる共同作業を現地で行った。約40人が参加。一昨年の豪雨災害以降、手の入っていなかった区域の下草刈りや枝打ちなどに汗を流しつつ、村の豊かな自然資源を再発見した。
参加者のなかには、家族連れや久しぶりに高原を訪れた村民も多く、なかには初めて来たという人の姿も。
ガス(霧)がかかり標高1650メートルの広大な景色を楽しむことは難しかったが、作業を進めながら「また夏に遊びに来たい」などの声も聞かれた。
同高原は夏から秋にかけてキャンプ場と牧場を開設するが、近年は利用客の減少や酪農離れによる放牧牛の頭打ちなど課題も。
一方で地元有志で研究が進む西山山麓の観光活性化では、欠かせない資源として改めて存在価値を見つめ直す気運も高まっている。
「多くの人に高原に関心を寄せてもらう良い機会になったのでは」と村産業建設課。
8月には西山山麓の遊歩道「こもれ陽の径」でも、住民ボランティアを募って整備作業を行う計画だ。 -
村農業委選、立候補説明会に8派
7月1日告示、同6日投票の宮田村農業委員選挙(定数8)の立候補予定者説明会が20日、村役場であった。定数と同じ8派が出席した。
地区別でみると、町区から2派、北割区、南割区、中越区、新田区、大田切区、大久保区から各1派。
届出書類事前審査は26日午前9時から役場であり、4月1日現在の基準を満たした選挙人名簿登録者数は768人。同選挙は無投票が続いている。 -
駒ケ根市松くい虫対策協議会
駒ケ根市松くい虫対策協議会が20日、市役所であった。昨年度の被害状況などを確認し、本年度も引き続き古損木の早期処理、樹種転換を進めるとともに松林監視体制の強化、市民への周知徹底を図る中で対策を講じていくことを確認した。
同市では07年度、2320平方メートル、全1892本の古損木の処理を実施。処理量は01年から比例的に増加している。
本年度は温暖な気候が続いた影響かすでに古損木が確認されており、すでに1444本の伐倒処理を実施。引き続き千本の処理を行う予定で、マツタケの特産地域となっている東伊那地域などの重点地区では、ラジコンヘリコプターや有人ヘリによる薬剤散布を行う。
市は「市の財政も圧迫しており、樹種転換にもそれなりの費用がかかるため、頭を抱える問題となっている。しかし、守るべき地域については樹幹注入をして守っていきたい」とした。 -
上伊那地域酪農協議会総会
「畜産・酪農対策実現に向けた危機突破特別決議」採択上伊那地域酪農協議会の第8回総会は18日、伊那市のJA上伊那本所で開いた。特別決議「畜産・酪農対策実現に向けた危機突破特別決議」を採択し、08年度事業計画などを承認した。
08年度は、3年ぶりに増産型の計画生産が実施され、長野県の割り当て数量は前年度実績102・5%の13万2242トン。
事業計画では、適正(コストに見合う)な乳価を目指した早期の乳価交渉の再開・価格転嫁実現を早急の課題とし、「安全・安心」の確保と乳質向上に向けた体制作りの必要性を掲げる。具体的活動は▽生乳の安全安心推進・乳質向上▽生乳計画生産▽酪農事業活性化-など。
08年4月1日現在の上伊那の酪農家戸数は98戸で前年より5戸減少。07年度の年間出荷乳量は2365万2849キロで06年度より126万4278キロ減少した。
任期満了に伴う役員改選は、正副協議会長全4人を留任した。任期は08縲・9年度。
07年度乳質改善共励会の表彰もあり、104戸参加のうち16戸を表彰した。審査基準は乳脂肪、無脂乳固形分、乳タンパクなど5項目で、90点以上が表彰対象となる。
表彰者は次の皆さん。
◇80トン未満▽最優秀賞=田中正利◇80トン以上220トン未満▽最優秀賞=伊藤幸博▽優秀賞=小池純夫◇220トン以上▽最優秀賞=小池啓一▽優秀賞=酒井秀明、小野寺哲也、網野一雄、矢沢和夫、大槻昭雄、伊藤良夫、浦野隆、小沢敏雄、上田渡、伊藤正、桜井克成、宮本和夫 -
新規就農者激励会
上伊那地区新規就農促進連絡会議主催の新規就農者激励会・青年農業者交流会が19日、JA上伊那本所であった。07年6月以降の新規就農者は15人で、連絡会議の関係者らと情報交換し交流した。
Iターンも含め新規就農者は14組15人。果樹(リンゴ)、野菜、花き(アルストロメリア)、畜産など。
激励会では参加した6人が、現在の課題や今後の抱負などを語った。リンゴを栽培する箕輪町の高橋章浩さん、礼子さん夫妻は、「牧草地だった新植園は草刈りが大変で、なんとか効率化したい。より多くの方に食べていただけるよう、おいしいリンゴを作りたい」と話した。トマトとブロッコリーを作っている駒ヶ根市の柚木正雄さんは、「作業の効率化を図りたい。安心安全で、安定した収量を得られるよう努力したい」と語った。
上伊那農業改良普及センターの佐藤光吉所長は、「悩みを相談できる仲間作りをしてほしい。農業は命をはぐくむ作業。人類が生存する限り大変重要な産業。自ら志し取り組んでいただく。自分の描く農業経営の実現に向け一歩ずつ歩んでほしい」とあいさつ。上伊那農業委員会協議会、長野県農業士協会上伊那支部、PALネットながのなど5団体の代表が、それぞれ激励の言葉を贈った。
現在の研修生の状況は、里親研修生3組4人、JAインターン研修生3組4人、そのほかの研修生1人、新規就農実践塾受講生12組13人。 -
宮田小2年1組、スイカの受粉作業を体験
宮田村宮田小学校2年1組は17日、栽培に取り組んでいるスイカの受粉を体験した。今後の成長を占う大切な作業。雄花を雌花にすりあわせて交配させ「美味しいスイカになあれ」と・ス魔法・スをかけた。
南割区の小田切靖子さんの協力で、スイカ栽培に挑戦する同学級。4月末に植えた苗は順調に育ち、小さな実がみられるようにもなった。
「赤ちゃんスイカだ」と歓声をあげる子どもたち。
「美味しくなるには、しっかり花粉をつけないと」と小田切さんから話しを聞き、さっそく受粉作業に汗を流した。
雄花と雌花の見分け方も学び、「これで立派なスイカができるかな」と満面の笑顔。花や育った苗の様子を熱心に写生する姿もあった。 -
宮田小耐震改修の建具に村内産間伐材を
宮田村は県の森林づくり県民税(森林税)により創設された推進支援金を活用し、村有林の間伐材を用いて公共施設に備えつけるテーブルやイスを整備する。普通教室棟の耐震改修に着手する宮田小学校では、新装する戸棚にこの間伐材を活用。宮田中学校は生徒が授業で製作する「本立て」の材料に用いる。村内の木工業者から寄せられた提案を生かした取り組みで、多くの人に「村内産材」にふれてもらうなかで、森林を見直すきっかけにしていく考えだ。
「ふるさとの山の再生に森林税を有効に活用して」と、木工業を営む三浦敏夫さん(54)=南割区=が提案。
それも受けるなかで村は、子どもたちの手にふれる学校への活用や、多くの村民が利用する公共施設に設置しようと計画を練った。
事業費は59万3千円を予定し、テーブルやイスは役場、村民会館、小中学校に備えて住民に利用してもらう。
全ての材はヒノキを基本として、新田区の旧宮田養魚場近くの村有林で間伐。今月末にも事業を開始する。
同村は山林が深く搬出が困難なことから、切ったままで活用しない・ス切り捨て間伐・スも多いのが実情。
今後は宮田高原へむかう寺沢林道沿いなど比較的搬出が容易な場所は集積などを進め、間伐材の有効活用を進めていく。 -
「畜産農家の応援団になって」
JA上伊那が畜産物フェアーJA上伊那は14日、地元信州産畜産物の消費拡大運動で「畜産物フェアー」を南箕輪村の生産物直売所ファーマーズあじ縲怩ネで開いた。家畜飼料価格の高騰により県内の畜産・酪農家がかつてない経営危機に直面している実情を訴え、店内の特設コーナーで畜産物を紹介し、買い物客に消費拡大の協力を呼びかけた。
飼料高騰の一方で、牛乳や牛肉、豚肉、たまごなどの消費は落ち込んでいるため、特設コーナーで地元信州産牛肉、たまご、牛乳、乳製品、加工品などの“こだわり商品”をPRし、販売した。
「深刻な状況が続けば、畜産農家は規模の縮小、あるいは経営をやめざるをえない」(JA上伊那畜産部会協議会)として、「畜産農家の応援団になって」と呼びかけるチラシと牛乳も買い物客に配った。 -
花の苗無料配布
市内花いっぱい運動の一環として、伊那市振興公社(白鳥孝理事長)は13日「夏を彩る花」の苗を市民に無料配布した。配布した苗は例年と同じサルビア、マリーゴールドのほか、今年加えたペチュニアの3種類。西町のウエストスポーツパーク管理センター前の会場には100人近くの人が行列をつくり、苗を手渡されると大切そうに袋や箱に入れて持ち帰った。
列の先頭に並んだ竹松利文さん(66)=富県北福地=は「30分前に並んだ。3年前からもらいに来ているが、毎年楽しみにしている。苗は庭に植えて大事に育てたい」と話した。
苗は振興公社の職員が種から育て、約千人分を用意した。配布は88年から毎年行われている。
配布は14日も午後1時からウエストスポーツパーク管理センター(旧市勤労者福祉センター)東側駐車場である。対象は伊那市民のみ。種類は13日と同様で、約500人分を用意するが、なくなり次第終了となる。問い合わせは同公社(TEL78・5010)へ。 -
遊休農地の荒廃防ぐ 牛4頭を放牧
農業者の高齢化などで生じた遊休農地の荒廃を防ごうと、伊那市高遠町藤沢荒町の本沢牧場3・5ヘクタールに10日、牛4頭を放した。住民有志でつくる「あすなろ会」(秋山靖樹会長、23人)が04年から取り組み、草刈りの手間が省けるなど効果が表れている。
放された牛は箕輪町、宮田村の酪農家から借り受けた4縲・1歳の雌。いずれもおなかに子どもがいて、健康な体作りを兼ね、足腰を鍛える。
牛の健康検査やダニの駆除などを済ませ、農地に放牧すると、歩き回ったり、草をはんだり。広々とした場所に移ったせいか、飛び跳ねる場面もあった。
牛が雑草を食べ、農地を歩き回ることで土を起こすことにつながり、シカなどの侵入もなくなったという。8月上旬には牧場内の1ヘクタール余へソバをまき、9月に収穫する予定。フキ畑もあり、地元の農産物直売所で販売したいと考えている。
秋山会長(70)は「田んぼを元の姿に戻したい。ただ後継者の育成が課題」と話した。
牛は出産時期を見ながら10月上旬ごろまで、標高850メートルの牧場で過ごす。
遊休農地に牛4頭を放牧
ソバを栽培
農業者の高齢化などで生じた遊休農地の荒廃を防ごうと、伊那市高遠町藤沢荒町の本沢牧場3・5ヘクタールに10日、牛4頭を放した。住民有志でつくる「あすなろ会」(秋山靖樹会長、23人)が04年から取り組み、草刈りの手間が省けるなど効果が表れている。
放された牛は箕輪町、宮田村の酪農家から借り受けた4縲・1歳の雌。いずれもおなかに子どもがいて、健康な体作りを兼ね、足腰を鍛える。
牛の健康検査やダニの駆除などを済ませ、農地に放牧すると、歩き回ったり、草をはんだり。広々とした場所に移ったせいか、飛び跳ねる場面もあった。
牛が雑草を食べ、農地を歩き回ることで土を起こすことにつながり、シカなどの侵入もなくなったという。8月上旬には牧場内の1ヘクタール余へソバをまき、9月に収穫する予定。フキ畑もあり、地元の農産物直売所で販売したいと考えている。
秋山会長(70)は「田んぼを元の姿に戻したい。ただ後継者の育成が課題」と話した。
牛は出産時期を見ながら10月上旬ごろまで、標高850メートルの牧場で過ごす。 -
上伊那農政対策委員会総会
上伊那農政対策委員会(委員長・宮下 勝義JA上伊那代表理事組合長)の第12回総会は10日、JA上伊那本所で開き、08年度の事業計画案などのほか、「WTO農業交渉に関する特別決議」案と「畜産・酪農対策における特別決議」案を承認した。
計画では、08年度農政活動事業に、国内農業を守るため「WTO農業交渉」などに対する取り組み、認定農業者ら意欲ある経営体の所得確保に向けた支援、農畜産物の消費拡大運動と地産地消、農業の多面的機能を守る農地・水・環境保全向上対策、食農教育、GAP(農業生産工程管理手法)の取り組みなどを掲げる。
予算は収入、支出の総額それぞれ約1757万円。08年度の賦課金は1戸当たり前年度より100円引下げの600円に決めた。
宮下委員長は、「将来にわたって農業を継続、維持発展するため、再生産が可能な所得確保に取り組まねばならない。08年度も諸要求の実現のため幅広い農政対策に取り組みたい」とあいさつした。 -
梅狩り、梅もぎ体験販売
箕輪町南部営農組合は8日、同町木下の組合所有の梅園で梅狩り、梅もぎ体験販売会を開いた。梅漬けやジャムなどにしようと町内外から多くの人が訪れ、たわわに実った梅の実をもぎ取って持ち帰った。料金は1キロ300円の格安とあって、持ち帰る量は平均で約5縲・キロ。中には17キロ持ち帰った人もいたという。
同町松島の女性(56)は「梅漬けにする梅を取ろうと来た。良い実がたくさんあってうれしい」と話した。
面積約20アールの梅園内には竜峡小梅の木が20本ある。園を管理する同組合の担当者は「今年もかなり良い出来だ」としている。 -
里山「団地化」で整備促進
所有者ごとでは間伐などの手入れが行き届かない私有林を団地化することにより里山の整備促進を図ろうと、伊那市富県北福地の山林所有者約30人は上伊那森林組合との間伐協定締結に向けた準備作業に取り組んでいる。
対象となる森林は北福地の里山約16ヘクタール。地権者らは間伐などの整備作業を上伊那森林組合に委託し、同組合は作業一切を無料で請け負う代わり、間伐した木材の売却益などを得る。間伐にかかった経費のうち90%が県の里山整備事業の補助対象となる。間伐作業には今年秋ごろに着手する見通し。
県林業経営者協会の会長も務めた橋爪庄一さん(77)が発起人となって団地化を呼び掛けたことにより、昨年から地権者が集まって数回の協議を重ねた結果、今年5月にほぼ合意に至った。山林の図面作成には信州大農学部の学生も協力した。
8日は地権者約15人が北福地集落センターに集まり、地図で大まかな区分の確認をした後、実際に山に入って土地の境界を画定した。山林内には目印が何もないため、地権者らは林道や沢筋、稜線などを手がかりに現在地を地図と照合。境界を確認すると、目印の赤いテープを立ち木に結び付けた。地権者らは「山にはほとんど来ないから荒れ放題だ」などとため息をつき「間伐でもっと明るい山になってくれればいいな」などと話し合っていた。 -
大泉営農組合 営農講習会
南箕輪村の大泉営農組合(唐沢君人組合長、約160軒)は10日夜、大泉西部地区館で営農講習会を開いた。村産業課の松沢良行農政係長らを招き、集落営農の法人化について勉強。地域の水田を守りながら、後継者を育てる方法などについて考えた。
「集落営農法人化で何をめざすのか?縲恟W落の将来を水田とともに縲怐vと題した講習会に約30人が出席。村集落営農組織「まっくんファーム」に入る形での法人化を目指している同組合は、年一度の講習会で本年度、集落営農について勉強した。
松沢農政係長は、農業法人の種類などについて説明。「地域の中で最適な法人をみつけていく必要があり、自分たちの土地で生まれた作物をいかに売って、組織を維持するのかが大切。後継者たちに、愛着を持ってもらうことも組織の育成につながる」とした。
松沢農政係長の話に耳を傾ける組合員ら -
富県さつき会展示会
伊那市富県の盆栽愛好者らでつくる「富県さつき会」(橋爪謙司会長、5人)は第4回サツキ展を富県北福地の北和田集会所前の地域コミュニティセンター「ひなたぼっこ」で8日まで開いている。会員が丹精込めて育てたサツキ約50鉢を展示して、訪れた人の目を楽しませている。樹高は約30センチのものから1メートルを超える大きなものまでさまざまな種類があり、それぞれ赤やピンク、白などの花を多彩に咲かせて美しさを競っている。
橋爪会長は「昨年は残念ながら霜にやられて開催できなかったが、今年は大きい花がよく咲いてくれてよかった。サツキは手入れが大変だが、見てくれる人たちが『きれいだね』と言ってくれるのがうれしい」と話している。
入場無料。午前9時縲恁゚後6時。 -
栗の里、体制づくり本格化
飯島町営農組合が推進する「栗の里づくり」は、農林水産省の広域連携アグリビジネス支援事業採択を受け、本年度中に栗加工場を建設する。栗の植栽も目標の20ヘクタールがほぼ終了し、初収穫が見込まれるなど、体制づくりが本格化する。
町は、遊休農地、耕作放棄地が増加し、高齢化による梨、リンゴ園の廃園が目立つ中、岐阜県恵那市の「栗の菓工房」から具体的提案もあり、町ぐるみで「栗の栽培」に取り組み、売れる農産物・競争力のある栗の産地化を推進する。
栗の植栽は七久保地区を中心に、05年度始まり、08年3月までに15ヘクタール、残る5ヘクタールも本年度中に完了し、秋には初収穫ができる。
栗の加工・直売施設は、七久保の道の駅花の里いいじまの北側、約6千平方メートルの敷地に約千平方メートルの施設を建設する。7月に造成、9月ころ着工し、来年3月完成、4月操業を予定する。 -
宮田高原牧場2年ぶり再開
一昨年7月の豪雨災害の影響で閉鎖を余儀なくされた宮田村宮田高原牧場は5日、2年ぶりに再開して8頭の牛が入牧した。標高1650メートルの高原に広がる7・5ヘクタールの涼しい牧草地に、夏場の4カ月間放牧する。頭数は閉鎖前を下回り、飼育農家減少などで将来的な見通しも厳しいが、運営する村の産業建設課は「高原の環境維持や観光面でも牧場は欠かせない」と存続したい意向を示す。
「牧草の状態を心配したが大丈夫。元気に育ってもらえれば」と村農政係の担当者。
8頭の牛はいずれも2歳までの子牛で、駒ケ根市と箕輪町の飼育農家5戸が託したもの。うち7頭はメスで、成長して乳牛となる。
約70年の歴史を誇る同牧場はかつて、村内農家の牛も含め30頭以上の放牧があったというが、近年は頭打ち。3年前は16頭、閉鎖前の2年前は9頭にまで減った。
採算ベースにするには20頭ほどを確保しないと難しく、存廃の論議対象にもあがる。
平沢正典村産業建設課長は「放牧だけを考えると厳しいが、高原全体の観光もとらえて考えたい。のどかな牧歌的な雰囲気は残したいのだが」と話す。
一昨年の豪雨で、唯一通じる寺沢林道の崩落により閉鎖が続いた宮田高原。7月からはキャンプ場も本格オープンし、災害を乗り越えて新たなシーズンが始まった。 -
宮田中生徒が、学校のシンボル梅を収獲
宮田村宮田中学校は5日、校内に植えてある52本の梅の収獲を行った。学級ごとに、日ごろから管理するそれぞれの木に分かれて作業。代々の先輩が受け継いできた伝統も感じながら、大地の恵みに歓声が沸いた。
同校のシンボル・ス梅並木・ス。1975(昭和50)年に、当時の生徒たちが5カ月の準備を経て竜峡小梅を中心に植樹した。
以来、各学級と緑化委員会が丹精込めて育てあげ、毎年6月には収獲の喜びを味わっている。
この日も、生徒たちが緑に輝く小梅を丁寧にもぎ取り。昨年よりも20キロ多い293・3キロを収獲した。
校内では収獲量の予想クイズを行うなど、別の楽しみも盛り込んでにぎやかに。
梅は学校の給食に使うほか、一部は販売。地域のお世話になった人たちにも配る。 -
宮田村農業委員選挙7月1日告示、同6日投開票で
宮田村選挙管理委員会は4日、村農業委員選挙の日程を7月1日告示、同6日投開票と決めた。
委員定数は12人でそのうち団体と議会推薦を除く選挙による定数は8人。前回3年前は定数削減したが、今回変更はない。
立候補予定者説明会は20日午後7時から。26日に届出書類の事前審査を行う。
4月1日現在の基準を満たした選挙人名簿登録者数は768人。同選挙は無投票が続いている。 -
国際クレマチス協会がクレマチス切り花農家を視察
世界のクレマチス愛好家でつくる国際クレマチス協会の一行60人が4日、飯島町田切のクレマチス切り花専業農家・渋谷宗一さんのハウスを視察した。
一行は米国や英国、ドイツ、スイス、ノルウェーなど9カ国から参加。2日に来日し、クレマチスの鉢花生産者、土岐市の春日井園芸センターを見学した後、来町した。
一行を迎え、渋谷さんは「今、一番花が切り終わり、二番花を切り始めている。切り花はつぼみのうちに出荷するので、満開の花は見られない」と説明。
参加者は3カ所のハウスに分かれ、渋谷さんの案内でゆっくりと見て回った。
ハウスでは、つぼ形の紅色、紫色、反りかえりがキュートな新品種、「ケイコ」と名付られたオリジナル品種が咲き始め、参加者はカメラやビデオを向けたり、渋谷さんに「消毒は何を使うか」「一番好きな花は」「大輪系は栽培しないのか」などと質問したり、お茶を飲みながら、クレマチス談義に花を咲かせた。
英国から参加したケンさん、フィアナさんは「欧州とは異なる仕立方で参考になった」「育種が興味深かった」と感想を話した。
一行は、伊那市のかんてんぱぱガーデンで昼食を取り、名古屋に向かった。 -
宮田小2年4組がサツマイモ栽培
宮田村宮田小学校2年4組は今年度、村内農家の協力も得ながらサツマイモの栽培に取り組んでいる。村学校給食を育てる会の後藤寛さんの指導で苗を植え、成長に期待を寄せた。
苗植えするために、石拾いをして土を耕すなど準備してきた子どもたち。
この日は、保温や雑草対策の効果がある「マルチ」と呼ばれる黒いビニールシートを土のうえにかぶせ、作業を進めた。
前日降った土の感触に「やわらかい」と歓声も。「結構大変だ」と言いながらも、大地を踏みしめて心地良い汗を流していた。 -
新規就農者激励会
箕輪町のながた荘で28日、今年から町内で新しくリンゴ栽培を始めた高橋章浩さん(35)、礼子さん(37)夫妻の激励会があった。平沢豊満箕輪町長をはじめ、JAや地元の農業委員ら関係者約20人が夫妻を激励した。
東京都出身の章浩さんは大学卒業後、銀行員、スキーインストラクターを経て、公園緑地管理財団に入社。群馬県でリンゴの摘果作業のアルバイトをしたことをきっかけに、リンゴ栽培を志し、「どうせならリンゴが盛んな長野で」ということで長野県へ。佐久市で果樹栽培を学び、JAを通じて箕輪町でリンゴ栽培を始めた。
大出にある1・8ヘクタールの果樹園にはシナノスイート、シナノゴールド、シナノドルチェ、ふじ、つがる、ジョナゴールドの6種類を栽培。そのうち60アールはリンゴ栽培者から受け継いだもの。
章浩さんは「前の方の管理がしっかりとしているので、実のふくらみや成長がいい。私が引き受けたことで虫や病気がでないよう気をつけたい」と話していた。
残りの1・2ヘクタールは遊休農地で、新しくリンゴの苗を植えた。
章浩さんは「おいしくて健康にいいリンゴをつくっていけたらと思う」、礼子さんは「リンゴで酵母をおこし、それを使ってパンを焼いてみたい」とそれぞれ夢を語った。
今は摘果作業の最中。夫婦での共同作業は「日頃話さなかったことも、リンゴ園の中で話したり、夫婦の会話も増え楽しくやっている」とのこと。 -
ワイン生産の一端にふれて、セミナー参加者栽培体験
宮田村の住民が参加する「ワインセミナー」はこのほど、村内産赤ワインの原料となる山ぶどう(ヤマソービニオン)の栽培体験を村内駒ケ原の農場で行なった。余分な芽を摘み取り、日当たりを良くする「芽かき」の作業に汗を流し、美味しいワインができる過程の一端にふれた。
村内産の赤ワインを知ってもらい、文化として地域に広めようと始まったセミナーの2回目。
山ぶどう栽培組合の春日伊平さんが指導。参加者は農家の苦労を肌で感じながら、ぶどうの成長に願いを込めた。
「このような体験を通じて、ワインを愛してくれればありがたい。私たち栽培農家も一緒に仲間になって、文化として広げていけたら」と春日さんは話していた。
セミナーは村公民館と村産業建設課の共催で4月から始まっているが、次回6月は試飲も入れながら農業全般を学習。農場体験は秋の収獲時にも予定している。 -
小梅の出荷最盛期
中川村田島のJA上伊那中川梅選果場で小梅の選果、出荷作業が最盛期を迎えている。
梅は小梅の代表品種「竜峡小梅」と赤い実の「吉村」。選別機でLから6Lに分け、10キロずつ箱詰めされ、名古屋市などに向けて出荷される。
小梅の出荷ピークは9日ころまで。26日までに伊南地区の農家が123トン(うち加工用93トン)を出荷する。L縲・L級は漬物用として加工工場に、3L以上が青果として、店頭に並ぶ。
隣接のたじまファームでも取れ立てを販売している。
また、今年初めて、選果作業の省力化を図るため、加工用の一部は選果せず、集果ネット(20キロ入り)のまま販売する。
JA上伊那果実課の井上博志課長は「今年は加工用が1キロ215円で、昨年に比べて30円上がり、農家の手取りが増える。収穫量も品質もいい」と話している。 -
入笠牧場で放牧始まる
JA上伊那が管理運営する伊那市高遠町の入笠牧場で28日、牛の放牧が始まった。上伊那、南信州、諏訪の畜産農家35戸が飼育するホルスタイン種と和牛のメス牛150頭が、10月上旬まで牧場で過ごす。
放牧するのは生後6カ月以上の牛で、飼料代と畜産農家の労力軽減、牛の足腰を丈夫にする目的。農家戸数の減少などにより頭数は昨年より減少しているが、初日は上伊那郡内の50頭を受け入れた。
体重測定や健康チェック、駆虫薬接種をして放すと、牛たちは広い牧場でのんびりと草をはむなどしていた。放牧は29日もある。
上伊那では、宮田村の宮田高原牧場でも放牧する。 -
JA上伊那総代会
理事5人削減上伊那農業協働組合(宮下勝義代表理事組合長)の第12回通常総代会は27日、JA上伊那本所で開き、理事定数の削減や08年度事業計画、「WTO農業交渉に関する特別決議」などを承認した。
役員の定数は、現行の理事39人を5人削減して34人、監事9人は2人削減で7人にする。常勤の理事は現行5人から1人削減し4人とする。定数の変更は、09年5月の通常総代会の時から適用する。
07年度事業報告では、事業総利益は86億7235万円で前年度より3億2千万円減少。事業管理費は86億7055万円で前年より1億8千万円削減した。当期剰余金1億9910万円、当期未処分剰余金4億37万円。
08年度事業は、事業総利益が85億4922万円で前年実績より1億2313万円減少の計画。営農事業の販売高計画額は野菜と花きを除いて米穀、きのこ、畜産、果実など前年対比100%を下回り、合計では前年対比98%の158億1496万円。 -
農業生産法人「株式会社JA菜園」設立決定
今後の畑作農業の振興を図る地域のモデル経営体として、上伊那農業協同組合が出資する農業生産法人「株式会社JA菜園」が設立する。JA上伊那本所で27日開いた第12回通常総代会で、設立と2千万円の出資を決めた。
遊休農地の解消など上伊那地域の広大な畑地帯の農業振興のため、JA上伊那の子会社として新たに設立。JA上伊那と伊那市農業振興センターで昨年12月ころから設立準備をしてきた。
JA上伊那の常務が代表取締役社長に就任し、実際に農作業に従事する2人が取締役となる。出資金総額2010万円のうちJA上伊那が2千万円、残り10万円を取締役2人が個人出資する。従業員は今後採用する。
事業は農畜産物生産販売が中心。西箕輪地区の吹上と羽広に約6・65ヘクタールの農地を賃貸借し、アスパラ、白ネギ、トマト、ブロッコリー、ヤマゴボウの5種類を中心に栽培する。
ブロッコリー、白ネギなどは今年から収穫し、全量を市場出荷する。今後、生産拡大も検討するという。
JA出資の法人は全国に184法人、長野県内には5法人ある。 -
A・コープ福岡店
経営改善へ上伊那農業協同組合は、A・コープレギュラー店舗のうち、経営が「大変厳しい状況」にある駒ヶ根市の福岡店など4店舗の経営改善方針を決めた。福岡店は、08年8月末の経営状況をみて収支均衡がはかれない場合、経営委託店舗として受託者を探し、受託者がいない場合は09年2月末で閉店する方針を定めた。
JA上伊那によると福岡店は、「伊南バイパス開通で交通の流れが変わり人が通過してしまうため利用客が減少した」。A・コープ愛用運動で、「安全、安心、新鮮な品質の良い食材を販売するA・コープ」の利用を呼びかけているが、経営状況が悪く早急な改善が必要になっている。
改善方針は今年3月、駒ヶ根地区集落懇談会で説明済みで、27日の通常総代会で改善方針を含む08年度事業計画が決定した。
改善対象の残り3店舗のうち辰野店、みのわ店は収支が改善しない場合に経営委託化を検討、辰野町小野地区たのめ店は経営委託化で改善を目指す。 -
地元の女性たちでつくる「菜々ちゃん倶楽部」が、地域の食材を使った手料理レストランをシルクミュージアム内にオープン
中央アルプスを望む高台で地元の食材を使った温かな家庭料理はいかが?竏秩B
駒ケ根市東伊那の女性たちでつくる「菜々ちゃん倶楽部」(会員15人、福沢高子代表)が24日、同地区にあるシルクミュージアム館内に、地域食材を使ったバイキングレストランをオープンした=写真。レストランではその季節に採れる地域の食材を使い、郷土食や家庭料理などを提供。地元の食文化を発信するとともに、地元への誘客を図り、地域の活性化を目指す。福沢代表(67)=東伊那=は「ここは景色も良いので、ぜひ訪れていただき、すべての料理を味わってもらいたい」と語った。
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レストランが開店するのはおよそ3年ぶり。経営難を理由に経営者が撤退。やむを得ずレストランは閉鎖されていた。そんな中、これまで同施設の直売所でおやきや五平もちを販売してきた同クラブが「地域のために」と、レストランを経営することになった。
初日のこの日は、おやきや五平もちをはじめ、アスパラやフキなどといった旬の食材を使った料理約40品を準備。開店と同時に予約客などがぞくぞくと入店し、さまざまな料理を楽しんだ。
伊那市から訪れた竹村清光さん(74)、宏朋さん(74)夫妻は「ここには初めて来たが、料理はどれも素朴でおいしい。今度は家族を連れて一緒にきたい」と話していた。
バイキングの時間は午前11時時縲恁゚後2時半(午前10時縲恁゚前11時は単品のみ)。中学生以上1260円、70歳以上1050円、小学生840円、3歳以上530円。
問い合わせはシルクミュージアム(TEL82・8381)へ。 -
かかし隊が田植え、親子仲良く・スどろんこ・スに
親子一緒に農産物の栽培を通じてさまざまな体験をする宮田村公民館「われら、かかし隊」は24日、田植えをした。・スどろんこ・スになって汗を流し、秋の収獲に想いを馳せた。
3年目を迎える同隊は、町三区斎藤診療所横の耕地に水田を設け、今年もコメづくりに挑戦。
川手友幸さん=町三区=、田中一男さん=大田切区=らの指導で、さっそく親子で水田に入った。
ヌルッとした泥の感触に、戸惑い気味の子どもたちも。しかし、徐々に時間が経つにつれて作業にも慣れ、せっせと稲を植えていた。
愛娘の凛ちゃん(3)と参加した大原区の保科ひとみさんは「なかなか家族でこのような体験をする機会もないですからね」と、昔ながらの作業を子どもや仲間と一緒に楽しんでいた。
植えた稲はコシヒカリともち米。水田の横ではジャガイモやニンジンなども育てており、今後秋にかけて交流を深めながら土に親しんでいく。