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天竜川漁協、養魚場5月閉鎖を村長に報告
宮田村新田区のニジマス養魚場の閉鎖について、運営する天竜川漁協の上條純敬組合長は13日、同村役場を訪れ、経過を清水靖夫村長に説明。5月で閉鎖すると伝えたが、閉鎖後の施設のあり方については具体的にふれなかった。養魚場の一部は村有地も含まれることから、本紙の取材に清水村長は「養魚場として土地の賃貸契約を交わしているもので、今後についてもその辺りを明確にして検討してほしい」とした。
村長との懇談を終え上條組合長は取材に「閉鎖することを報告した。後利用は白紙だが、施設を使いたい人がいれば賃借、売却でも募りたい考えもある。今後も村と相談していきたい」と話した。
養魚場の一部約9千平方メートルは村有地で、契約終了時には原状回復することが契約内容に盛り込まれているなど、閉鎖後の施設の存廃、あり方は課題となっている。
清水村長は「使用目的が変われば契約も変わり、明確にしなければならない」とし、漁協の対応を見守り調整を図っていく方針だ。 -
上伊那グリーンツーリズム研修会
上伊那におけるグリーンツーリズムのあり方を考えよう竏窒ニ12日、上伊那グリーンツーリズム研修会が伊那市駅前ビル「いなっせ」であった。農業体験や農家民泊などに取り組む農業者や行政関係者など約30人が参加。事例発表や講演会を通して、それぞれにできるグリーンツーリズムの方向性を模索した。上伊那農業改良普及センター主催。
事例発表では、先駆的に農家民泊などを提供してきた3人の実践者がそれぞれの取り組みを紹介=写真。
果樹栽培の傍ら、05年から中川村で農家民宿を始めた片桐たせ子さんは、農作物を育てることの大変さ知ってほしいなどの願いを込め、農家民泊やリンゴの収穫体験を提供してきた経緯を説明。「考えてみるよりとりあえず始めてみること」と語り、莫大な費用をかけて改築したり、難しい料理を出したりするのではなく、家の中を片付けたり地元ならではの料理を提供するなど、既存のもののよさを大切にすることで、だれでもその一歩を踏み出せることを示した。
講演会では地元の愛媛県の農山村などで農家民泊の推進を通じた地域振興に取り組んできた山村活性化事業コンサルの玉田隆さんが「心にゆとりとやすらぎを提供する農家・農村・農業体験と交流のあり方」をテーマに講演。自身の経験から「過疎・高齢化が進んでいても、一人ひとりが知恵を出し合って協力することで地域が元気になり、修復されていく」と語った。 -
林業講演会
ビジネスチャンスを秘めた林業再生の方向性を学ぼう竏窒ニ8日、富士通総研の梶山恵司主任研究員を迎えた林業講演会「林業再生50年目のビジネスチャンス」が伊那市の県伊那文化会館であった。林業関係者などが集まり、日本林業再生の方向性を模索した=写真。伊那谷流域林業活性化上伊那地区協議会など主催。
梶山氏は、外材の需要増に伴い国産材需要も動き始めている現状を説明。国産材のビジネスチャンスが高まっていることを示す一方、日本の製材工場の生産性は1960年代のまま推移してきた経過を指摘。「今後製材は外材が入りにくくなり、従来外材が使われていたところにも国産材が使われるようになるが、競争力のない国産材製材工場は淘汰されていく」と語った。
また、森林組合自体が企業経営能力を獲得し、民間事業体と連携しながら技術力、営業力を別々に貯える必要がある竏窒ニした。
最後に「日本で林業が成立しない理由は何もない。まさにこれからがチャンス。これだけ森林資源の豊富な地域で、がんばって林業を成立させてほしい」と来場者に呼びかけた。 -
富県女性農業者セミナーで我が家の自慢料理発表会
自慢の家庭料理や郷土料理を学び合おう竏窒ニ、伊那市富県のグリーンツーリズム推進委員会(中山徹夫委員長)による「我が家の自慢料理昼食会」が9日、JA上伊那富県支所であった。地元の女性農業者12人が多彩な家庭料理25品を披露。田舎ならではの「もてなし料理」を模索した=写真。
富県地区でのグリーンツーリズム事業の推進を目指す同委員会は2年前から、郷土料理レシピの共有化と農家民泊、農家レストランへの取り組みを目指す一環として、地区の女性農業者を対象とした郷土料理講習会を実施。上伊那農業改良普及センターなどの協力のもと、農村女性に外部からの人をもてなす郷土料理を学んでもらうとともに、それぞれの家で作られている家庭料理や郷土料理のレシピ化を図ってきた。
今回はその取り組みが一端修了することに伴い、各家庭のもてなし料理を持ち寄った試食会を企画した。
テーブルの上には「ゴボウのたたき風」「そばせんべい」「「ナガイモの白煮」など、さまざまな料理が並び、女性たちや委員会のメンバーなどが試食。冬の保存野菜を工夫して調理した料理なども多く、コウタケの入った炊き込み御飯が人気だった。
参加者は「ホテルのバイキングとはまったく違っておいしかった」「富県ならでは。一番おいしいところをいただいた」などと話していた。
今後は2年間の講習会で学んだ料理のレシピ集をまとめることも計画している。 -
信大でニセアカシアシンポジウム
南箕輪村の信州大学農学部で7日、「外来種ニセアカシアシンポジウム」があった。約100人が集まり、生態や駆除などに関する研究者ら9人の研究発表に耳を傾けた。
同学部の学生・斉藤冬起さんは「洪水後におけるニセアカシアの稚苗発芽と根萌芽の定着経過」をテーマに発表=写真。昨年7月の豪雨災害により従来の植生が破壊された三峰川流域において、稚苗発芽と根萌芽の定着過程、分布拡大の様子を調べた。
斉藤さんは、地質にかかわらず、ヤナギやイタチハギなどと比べてニセアカシアの発芽個体数割合が多く、種子発芽については集中分布していることを説明。発芽のほとんどは種子発芽が多いことから、種子発芽が分布拡大の主な要因ではないかと考察した。
そのほかにも、ニセアカシアの管理をめぐる現状や刈り払いによる駆除効果などについての発表があった。 -
鹿肉を使った名物丼がデビュー
「くせのない品のいい味」「初めてなのに懐かしい味」-。中川村の望岳荘「いろり」で8日、鹿(しか)肉丼(名称未定)の試食会があった。村理事者や村議ら関係者約50人が試食し、意見、感想を出し合った。出された意見をもとにさらに研究し、4月3日から「いろり」で発売する。
鹿肉丼は村内の女性グループ朝ちゃん倶楽部(富永朝和代表)が村の特産品開発の一環として取り組んだ。食材は全て中川産にこだわり、試行錯誤を重ね、満足いく味をつくり上げた。
鹿肉は有害鳥獣駆除で捕獲した鹿のロース部分などを1晩日本ハチミツに漬け込み、リンゴやキーウィーなど果物をすりこみ、柔らかく煮こんだ。ご飯の上にダイコンと山芋の千切りを乗せ、肉の上に菜の花やクレソンなど季節の野菜のお浸し、半熟卵をトッピングした。讃岐うどんと煮物、漬け物をセットした。
代表の富永さんは「駆除した鹿の有効活用が図られる。鹿肉はくせがなく、だれでも食べられる」と話している。
参加者の感想は「鹿肉は脂身がなく、ヘルシー。野菜も多く、女性向きでは」。「肉は固い部分があった」「さっぱりして、鹿肉でないようだ」と概ね好評だった。
ちなみに鹿肉丼(味噌汁、漬物付き)780円、鹿肉丼と讃岐うどん(小)セット980円、讃岐うどんと鹿肉丼(小)セット780円、山菜・野菜天ぷら盛り合わせ500円-など -
学校給食を育てる会の有志、3年目の味噌づくりに夢ふくらむ
宮田村小中学校の給食食材に農産物を提供している村内農家のグループ「学校給食を育てる会」の女性有志が7日、3年目を迎える味噌の仕込みを行なった。将来的には手作りした味噌を給食に納入したい考えもあり、昔ながらの製法を継承して、さらに夢をふくらませている。
かつては多くの村内農家が自家製味噌を仕込んだというが、今や既製品を買ってくるのが当たり前。
「こんな時代だからこそ手作りの良さを継承し、子どもたちに食べさせたい」と取り組みは始まった。
今季は味噌の原料となる大豆栽培にも挑戦し、古米を使った麹(こうじ)も自家製。この日の仕込みでは煮たてた豆をつぶし、冷ましてから麹を根気良く混ぜた。
手間ひまのかかる長時間の作業だったが、参加した6人は終始和やか。「笑顔も一緒に仕込んだから、秋にはおいしい味噌が食べれるよ」と冗談も交わしつつ、せっせと体を動かした。
宮田小5年2組に大豆栽培と味噌づくりの指導も行なうなど、着実に活動の輪は広がっているが、メンバーの有賀絹代さん=北割区=は「技術をもっと身につけ、給食に納入できるよう準備、研究を進めたい」と話した。 -
集落営農「なかわり」が設立総会
駒ケ根市中割区の農業者でつくる集落営農組織「集落営農なかわり」の設立総会が4日、中割担い手センターであった=写真。関係者約60人が出席し、規約や07年度事業計画、予算案、役員などを承認した。北村信之組合長は「農政の変化で米価が下落し、農家のやる気を無くすことは中割にとって大問題。組織力や組合の必要性を痛感した」と設立趣旨に触れながらあいさつ。
同組合は現組合員数57人。5年後の12年をめどに法人化し、作付け面積を現在の40・3ヘクタールから74・4ヘクタールに、年間生産量も米216トン、大豆0・4トンから、米318トン、大麦23トン、大豆0・4トン、雑穀10トンに増加する計画。
役員は次のみなさん(敬称略)
▽組合長=北村信之▽同副=山本富男▽理事=山本吉彦、駒場勲▽農地部長=山本吉彦▽機械利用部長=山本和男▽会計=山本富男▽監事=倉田裕夫、竹内豊 -
グリーンファームでラン展
250種、1500鉢が並ぶ「ラン展」が11日まで、伊那市ますみヶ丘のグリーンファーム産直市場(小林史麿代表)で開かれている。色鮮やかなランの数々が、訪れた人の目を楽しませている=写真。
ラン展は6年目。今年は特に原種を抱負にそろえた。目玉は黄色の花をつけるクリサトキサムで、初心者にも育てやすいデンドロビュームやギンギアナナムなどが人気。日本ミツバチが寄ってくるという「金陵辺」は、県外から買い求めに来る人もいるという。
値段は一般的なラン展と比べて破格となっており、初日から多くのラン愛好家が会場に足を運んでいる。
花の担当者は「お客さんに喜んでもらうことをモットーに安く提供している。来てびっくりして、喜んでもらえれば」と話していた。
営業時間は午前8時縲恁゚後7時。 -
熟成タイプの山ぶどうワイン「信州駒ケ原2006」12日発売開始
高品質を証明する県の原産地呼称管理制度の認定を4年連続で受けた宮田村特産の山ぶどうワイン「信州駒ケ原2006」が12日、いよいよ発売を開始する。3カ月間タンクに寝かせたことにより、認定を同じく受けた新酒「紫輝」と比べ、より熟成した深い味わいに。昨年よりも2600本余り多い9100本を全国出荷する。
「寝かすことによって、渋み、香りなどの落ち着きが増す。まとまりのある味に仕上がった」と醸造元の本坊酒造信州工場=同村新田区=の藤野公宏工場長。
収獲したての原料の良さを生かした軽い口当たりの「紫輝」との違いも楽しめ、藤野さんは「和食にもあう。家庭で気軽に味わってもらえたら」と話す。
ワインは村内13戸の農家が育てた山ぶどうの交配種ヤマソービニオンを仕込み、収獲から2か月ほどで新酒「紫輝」、熟成を深め翌年の春に「駒ケ原」を毎年解禁している。
県はこの山ぶどうワイン2銘柄を含めた県の原産地呼称管理制度認定品を国際食品飲料展(フーデックスジャパン、13日縲・6日千葉幕張メッセ)に出展。飲料食品の関係者が一堂に集まる会場で試飲やPRも行なう。
関係者の注目も高まっており、同工場でも地元を含め積極的に販路拡大を図る考えだ。
「駒ケ原」は720ミリリットル入り1本1900円。問い合わせは同工場85・4633へ。 -
「集落営農北割・上穂」設立
駒ケ根市の北割一・二区と上穂町区の農業者114人でつくる集落営農組織「集落営農北割・上穂」の設立総会が3日夜、市内のアイ・パルいなんで開かれた。関係者約50人が出席し、規約、07年度事業計画・予算案、役員などを承認した。金田伊佐男組合長は「役員一同研究、検討して組織づくりの準備を進めてきた。関係者の努力と協力に感謝する」とあいさつした=写真。
同組織は5年後の12年をめどに法人化し、作付け面積を現在の66ヘクタールから167ヘクタールに、年間生産量も現在の米351トン、大豆1・4トンから米550トン、大麦13トン、大豆1・4トンに増加する計画。
市内での集落営農組織設立は4番目で、3月末までには全10組織が設立の予定。
役員は次の皆さん。
▽組合長=金田伊佐男▽副組合長=宮沢辰夫、清水丈明▽理事=野々村良彦、池戸功、山田唯人、榎本保雄、久保村宗平、小平操▽監事=吉沢正敏、小平修一 -
信州もみじ湖くらぶがブドウの木の剪(せん)定作業
箕輪町の住民有志でつくる信州もみじ湖夢くらぶ(根橋英夫代表)ブドウ部会は4日、ワインオーナー用のブドウ園で木の剪(せん)定をした=写真。
農業を通じて元気の出る地域をつくろうとさまざまな取り組みをしている同クラブは、輸入したブドウではなく、地元の安全なブドウで作るワインを提供しよう竏窒ニ4年前からワインオーナー制に取り組むための準備をしてきた。シャルドネ、メルローを中心に6品種を栽培。昨年から今年にかけて木を増やしているため、栽培面積は約30アールとなる。ワイン作りは今年から本格的に取り組む予定で、オーナーには1年寝かせたワインを今年の秋から届ける。
年々ブドウの収穫量は増えているほか、同地域はブドウの糖度を決める昼と夜の寒暖差もあるため、糖度20%以上の質の良いブドウが実るようになってきているという。
栽培指導に当たる柴寿さんは「遅霜には気をつけなければならないが、花が咲く時期が早まれば糖度が乗る期間も長くなる。想像以上に良い木が育ってきている」と話していた。
今年の収穫作業にはワインオーナーにも参加してもらうことなどを計画している。
ワインオーナーは現在も募集している。
申し込み・問い合わせは信州もみじ湖くらぶ(TEL79・0744)根橋さんへ。 -
橋場みどりさん(56)飯島町山久
「りんごプロジェクトは『やろう』というみんなの気持ちが結集した活動。受賞はみなさんの協力のたまもの」-。
「パキスタン・ムルフン村りんごで村おこしプロジェクト」の積極的な活動が認められ、先ごろ、福岡国際会議場で開かれたソロプチミスト日本財団年次大会の席上で、社会ボランティア賞を受賞した。全国で4人のみ。
橋場さんは10年前、「外国に行かなくても、外国の話が聞ける。向こうの習慣、食も楽しめるのでは」と不純な動機で、赤穂公民館の日本語教室にボランティアで参加した。
この中で、外国人の賃金不払い問題に直面し「外国人支援は個人の力では限界がある、組織力が必要」と01年110人の仲間と「飯島町国際協力会」を立ち上げた。
「りんごプロジェクト」とのかかわりは、知人で大使館関係者の近藤陽子さんから「パキスタンムルフン村のリンゴ研修生を受け入れてもらえないか」との要請を受け「商品価値のないリンゴしか栽培できない村人のために、経済的な支援をしてあげたい」という気持ちが高まった。
問題は2000万円の資金の捻出だった。
青年海外協力隊の草の根事業を導入できないかと、同所に相談したが、「今まで交流の無かった所への支援は難しい」という返事だった。「それならば交流すればいい」と、03年ムルフン村に長男と2人で出掛けた。「教室数も不足し、1冊の教科書を3人で見ていた。まるで戦前の日本のように貧しいが、人々の温かさを感じた」という。
その思いを持ち帰り、会員に相談すると「いいんじゃないの」と快諾された。会員の中には果樹農家で、発展途上国の人に技術提供したいという人も居て、順調に受入準備が進んだ。
04年7月5日、カリームウッラー・ハーンさん、シャラファット・アリ・ハーンさん、アムシャット・アリさんの3人が来日、東京での日本語研修を経て、8月に飯島町へ。3人は「これがリンゴ」と大きさにびっくり。 町内に1軒借りて、共同生活し、3軒の農家に通い、葉摘みや玉回し、消毒、収穫作業を体験した。選果場で選果、出荷作業、ジュースなど加工も実習した。
冬場はせん定作業、春になり、花が咲き、摘果作業になった。摘果は1花そうに、1つを残し、残りをすべて摘果する、思いきりの良さが必要。「研修生は『こんなに取ってしまっていいのか』と思ったと思う。横で見ていると、農家のすごい技術に感動した。農家にとっても、指導することで、刺激を受け、技術の見なおしもできたのでは」。
6月、リンゴがピンポン玉大に肥大するころになると、研修生は1年が経過し、帰国の時期になった。
受入農家は12時間一緒に暮らし、情も移り、「もっと教えてやりたかった」と名残を惜しんだ。
1年後の昨年8月、「海を越えた自分たちの技術が現地でどうように普及されているか」の確認のために、受入農家の佐々木登さん、北原かづ子さんらとムルフン村に再び訪れた。「日本とパキスタンでは気候も土壌も違う。日本の技術をパキスタンに適した技術に応用してほしい。2年、3年後、成果がしっかり見えるようになってから、もう1度行きたい」と話した。夫と長男の3人暮らし。 -
家族経営協定締結者調印式
箕輪町で4組箕輪町で1日、農業経営の環境づくりのため家族員が役割と責任を明確化する「家族経営協定」の締結者調印式が町役場であり、新規の4組が協定を結んだ。
家族経営協定は96年に始まった。農業経営の近代化を進め、魅力ある職業にするため、経営従事者が互いを経営パートナーと認め合い、各自の意欲や能力を発揮できる環境作りを目的とする。協定は家族ごとの実情に応じた役割や責任を明記する。
箕輪町長、町農業委員会長、町農業者年金協議会長、上伊那農業改良普及センター長が立会い、家族ごとに協定書に調印した。
平沢町長は、「新たな気持ちでの出発点。農業は人間として生きるベースになる最も重要な仕事。町の活性化のためにも皆様のお力が必要。家族で協力いただき、すばらしい経営ができるよう頑張って」とあいさつした。那須千元農業委員会長は、「箕輪町の農業自給率は67%で厳しい状況。町の農業のため地域や町のリーダーとして大いに頑張ってほしい」と話した。
締結者を代表して柴一吉さん=木下=は、「協定の締結を機に地域農業の活性化のため担い手となって一生懸命頑張りたい」と決意を述べた。
締結者は、今回の4組を含め上伊那で221組、町内は15組になった。 -
花狩り
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飯島町七久保の道の駅のアルストロメリアのハウスは上伊那では唯一、常時花狩りができる施設だが、花狩りのPRには余り積極的でないように感ずる。手間がかかり、踏み荒らされ株が傷むという課題もあるが、1年中花狩りができる利点を生かし、観光会社に花狩りツアーの売り込みはできないだろうか▼女性の会合で「メリアの花狩りができるよ」と話すと、目を輝かせて「どこで」「行きたい」と興味津々。花は見るのもいいが、花狩りはもっといい▼花の季節には観桜ツアーバスが続々と上伊那入りする、バスごと花狩りに誘導出来ないだろうか。手始めに桜の千人塚公園や与田切公園に花狩り案内板を設置すれば、道順も良く、多くの花狩り客が見込めるのでは(大口国江) -
南箕輪生産森林組合総会
南箕輪生産森林組合(1213人、原旭一組合長)は25日、第40回通常総会を村民センターで開き、830人(委任状含む)が出席して06年度事業報告、07年度事業計画、役員報酬などを承認した。
06年度事業は、蔵鹿山の下草刈り、梅雨前線災害後の蔵鹿山の作業道巡視、蔵鹿山の作業道補修と補修工事設計。
07年度事業計画は梅雨前線災害時に発生した蔵鹿山作業道の復旧、作業道の路側の藪切り、下刈り作業。役員報酬は20人分の年間総額27万2千円。組合員の負担金は1口5円。 -
養魚場閉鎖方針に村長存続模索の意向明らかに
天竜川漁協が宮田村新田区の宮田養魚場を閉鎖する方針を示したことに対し27日、同村の清水靖夫村長は「本当に閉鎖するならば、村としても活かせる方向を考えたい」と観光資源などとして何らかの形で存続を探りたい意向を明らかにした。村にとって半世紀続いた養魚場はシンボルでもあり、関係者や住民も唐突な閉鎖の一報を聞いて困惑している。
宮田村に対して事前に同漁協からの説明は一切なく27日朝、後藤治也組合長を役場に呼び出して、清水村長、小林助役らが経過説明を聞いた。
取材に対し清水村長は「最終決議は今後開く総代会と聞いている。漁協の検討を見守りたい」とコメント。
養魚場の一部(約9千平方メートル)は村有地で契約終了時には原状回復が契約で交わされているが、清水村長は「養魚場は村民の親しみある施設。漁協がダメだからといって、いきなり砂をかぶせて終わらせるわけにはいかない」と答えた。
清水村政は養魚場も含め一体の西山山麓を観光エリアとして活性化させようと、立ちあがったばかり。
それだけに今回の問題は大きな痛手とも言えるが、清水村長は「素晴らしい環境だからこそ養魚場でありえた。もし閉鎖となったとしても、村民の知恵と手法を考えながら何かできるはず」と話す。
養魚場から買い取ったマスを燻製にし、村の特産品として仕上げた「スモークウッドくるみ」の平沢秋人さんも心境は複雑。
「宮田村の燻製としてようやく消費者にも認められてきたが、養魚場がなくなれば当然燻製も終わり。しかし、やり方によっては(養魚場が)生き残る道はあると思うのだが」と話した。
一般村民にとっても養魚場は遠足の目的地や学習の生きた教材として訪れた人も多く、想い入れは強い。ある男性は「施設を取り壊すにも莫大な費用が必要なはず。今いる魚はどうなるのか」と話していた。 -
伊那市農業委員40人が決まる
伊那市農業委員会委員選挙が25日告示され、無投票で40人が決まった。3月5日、市役所で当選証書付与式がある。
農業委員は合併特例として、旧市町村の委員48人(市議会など選任除く)が1年間、在任。選挙は合併後、初めてで、任期は10年3月30日までの3年間。
委員は次の通り。
▽伊那・定数6=城倉松夫(70)中央、平沢良人(59)上新田、小松孝七(63)山寺、御子柴貞(68)荒井、平沢睦弘(69)野底、唐沢正(62)小沢
▽富県3=小牧亮久(66)貝沼、六波羅兵衛(71)北新、田畑和一(65)北福地
▽美篶・手良6=登内良一(68)八手、北原孝治(66)上大島、白鳥公雄(65)上川手、酒井敏明(67)中坪、梅垣義男(63)笠原、那須野要助(66)野口
▽東春近3=織井健(67)榛原、田中哲雄(62)下殿島、唐沢国光(64)中組
▽西箕輪3=山中正宏(62)中条、白鳥健一(65)大泉新田、西村猛(57)羽広
▽西春近3=酒井保彦(70)諏訪形、辰野哲洋(63)小出三区、有賀芳雄(64)小出島
▽高遠町・長谷16=北原利保(63)非持山、広瀬兼友(63)鍛冶村、春日幸一(67)羽場、前田茂(66)引持、保科鈴夫(75)御堂垣外、市ノ羽茂則(66)黒河内、北原多喜男(72)台殿、北原彦郎(71)原、高嶋末吉(68)黒沢、宮下市雄(59)市野瀬、伊藤忠彦(67)新井、羽場政光(62)溝口、北原清志(65)弥勒、中村精(60)中尾、竹内政宏(51)小原中、中山好祝(60)非持 -
南箕輪村行者にんにく研究会会長
南箕輪村田畑
小林幸雄さん(73)その名の通りニンニクのような香りを放ち、独特なうまみが止みつきになる行者ニンニクは、草木が芽吹く3月縲・月に楽しめる山の味覚。この山の幸を栽培し、仲間とともに特産品化に向けた開発と研究に取り組んでいる。
「行者ニンニクは和えも、てんぷらにしても餃子の具にしてもおいしい。しょうゆ漬けはまろやかで味が良く、温かいご飯にも合う。知らない人も多いが『食べてみてこんなに美味しいんだ』と言ってくれる」
◇ ◇
行者ニンニクとの出会いは、その存在を知る人が少なかった30年以上前。山歩き仲間に教えてもらい、「自分も欲しい」と木曽地域の山奥へ入り、一面に自生した行者ニンニクを発見した。
「当時は山に入る人も少なかったし、誰も知らなかったから、そんな光景も目にすることができた」と語る。
しかし年を重ねるに連れ、山に入る人が増加。山は次第に荒れ始め、一面に生えた行者ニンニクを見ることもなくなった。自分たちのせいで山が荒れてしまった。ただ採るだけでなく、何とか増やすことができないだろうか竏秩Bそんな思いから行者ニンニクの栽培を試みるようになった。
◇ ◇
しかし、もともと山のものである行者ニンニクの栽培方法を知る人がいるわけもない。試しにそのままの種をまいてみたが、芽が出ることはなかった。山の環境に近い状態にしてあげれば芽が出るだろうか竏窒ニ、種を冷蔵庫に入れてみたり山の中腹に置いてみたりしたが、やっぱり芽は出ない。失敗だけを何年も重ねた。
そんなある年、妻の孝子さんが「農業は毎年1年生なのだがら、失敗だったらしょうがない。ネギ科の仲間だから種を水の中に入れといてみたら」と提案。それもそうだ竏窒ニ、3日ほど水に浸した種をまき、しばらくおいてみたところ、育苗箱の中で白い芽がでびっしりと顔をのぞかせていた。
「まあず、幾年もかかったんだに。『こりゃあいけるぞ』と思えた時は嬉しかったね」と笑う。
しかし、その後も試行錯誤は続く。発芽した芽をそのまま植えると小さすぎて成長しない。2年ほどは育苗箱の中で育てなければならないことを知った。虫はつかないため農薬は使用しないで栽培できるという利点もあったが、根を食べてしまうヨトウムシには注意しなければならない。収穫できるようになるまでには7、8年を要することも分かり、きちんと収穫できるようになった時には10年が経過していた。
◇ ◇
現在は約1・5アールで栽培し、直売所へ出荷したり、しょうゆ漬けに加工して販売するまでになっている。発芽から出荷までの時間がかかることなど、まだまだ課題は多いが、村の特産品にしたいという思いは強い。
「これからは若芽を販売していけないか研究していきたいと考えている。他地域でも研究会が発足するなど、上伊那でも行者ニンニクへの注目は高まりつつある。村の特産品として恥ずかしくないような特産品となるよう、努力しているよ」 -
給食再現「ジャガイモスープ」、地産地消の取り組み知って
宮田村公民館のもちっこ大会は24日開き、安全安心な地産地消の学校給食に取り組む関係者が、実際に村内の学校給食に出ている「ジャガイモスープ」を約130人の来場者に振る舞った。給食から遠ざかっている父親、母親世代の参加者からは「安全で美味しい給食に配慮してくれていることが分かった」と、普段子どもたちが食べている同じメニューを口にした。
もちっこ大会は杵と臼で昔ながらに餅つきし、参加者全員で会食するのが恒例。
毎年多くの親子が参加することもあり、3年前から地産地消の取り組みを知ってもらおうと、給食に食材提供する学校給食を育てる会と村給食調理員が協力して、けんちん汁の提供を始めた。
今回は初めて学校給食のメニューを忠実に再現。育てる会が提供したジャガイモ、ニンジン、シメジ、白菜などを使い、調理員が200食分を用意した。
つきたてお餅とともに、さっそく参加者が舌鼓。野菜ふんだんで、体の芯からポッカポカと温まるスープに「おいしい」とおかわりする姿もあった。
「今は外国産のものも多いが、地元食材と聞いて安心します」とある母親。
給食調理員の石川康恵さんは「その土地で取れた新鮮な野菜をと取り組んでいる。生産者の皆さんの想い含めて多くの人に知ってもらう機会になれば」と話していた。 -
駒ケ根市林政協議会
駒ケ根市林政協議会は20日、市役所南庁舎で会議を開き、07年度の松くい虫防除対策事業や森林整備事業、クマなどの有害鳥獣駆除の概要などについて市担当者の説明を聞いた。委員14人のうち10人が出席。代表者に中原正純市長から委嘱状が手渡された=写真。任期は09年1月31日までの2年間。会長には木材・製材業代表の菅沼盛和さんが、副会長には市林業青年会議会長の吉澤利文さんがいずれも引き続き選出された。
松くい虫被害については02年度以降、年々被害が拡大し、06年度は枯損木の処理本数が1500本に及ぶことなどが報告された。 -
若手農業者が意欲持って研修会、村農業者クラブ、
宮田村の30、40代の若手農業者を中心に構成する「村農業者クラブ」は20日夜、会員の交流を兼ねて研修会を開いた。15人ほどが参加し、新規就農の研修受け入れや高付加価値のある生産などに積極的に取り組む農家の生の声を聞きながら学習。同クラブは近年、親睦的な意味合いが強かったが、意見や情報を交換して切磋たく磨していこうと企画した。
同クラブは先祖から譲り受けた土地を守りつつさらなる発展に尽力したり、転職して就農した人も多く、意欲ある若手農業者がメンバーに名前を連ねる。
しかし、近年は年に1回の親睦会が中心となっており、連携を深めて農業の活性化を探ろうと、研修会を設けた。
駒ケ根市でイチゴを栽培し、新規就農希望者の研修受け入れにも積極的な神野幸洋さんと、上伊那農業改良普及センターの石原貞治所長を招き研修。
今後の農政について話しを聞く一方で、担い手育成に協力しながら付加価値の高いイチゴを生産する神野さんの取り組みに耳を傾けた。
研修受け入れの苦労から、流通出荷の方法など質問も多岐に。杉山栄司会長は「これを契機に、情報交換や勉強会などが定期的に開いていければ」と、一層の連携強化に期待を寄せた。 -
第4回上伊那ファーマーズの集い
地域農業を支える農業者らが一堂に会する「第4回明日に翔け!上伊那ファーマーズの集い」が16日、伊那市の県伊那文化会館であった。農業功績者表彰や地域の特色ある事例発表などがあり、上伊那の農業発展に向けた意欲を高めた。上伊那地方事務所など主催。
地域農業の振興を目指す取り組み。今回は、各方面で活躍する地域農業者4人の事例発表に加え、特産品や加工食品などの開発・販売に取り組む「キースタッフ」(本社・東京都)の代表・鳥巣研二氏による講演を企画。
事例発表に臨んだ飯島町の農事組合法人「いつわ」の林英彦さんは、農事組合法人の取り組みを紹介しながら、「自立できる地域づくり」について講演。担い手に関しては、Iターン者の受け入れも各地で進んでいるが、「地域づくりを担っていくことをしっかり認識してもらうことこそが大切」と指摘。「今こそ地域づくり、担い手づくりをともにがんばっていこう」と呼びかけた。
また、南箕輪村の行者ニンニク栽培の事例や新規就農でリンゴ栽培を始めた若手農業者の発表、地粉を使ったパン作りに取り組む女性グループの発表もあり、さまざまな取り組みへの理解を深めた。
表彰は次のみなさん。
◇農業功績者表彰▼個人=白鳥廣明(伊那市)伊藤一好(伊那市)塩沢紀雄(駒ヶ根市)倉田久造(駒ヶ根市)林英彦(飯島町)小林春人(南箕輪村)▼団体=上平出営農組合(辰野町)美里ソバの会(中川村)農事組合法人ひかり(宮田村)
◇農業功績者感謝状贈呈=小池政一(伊那市)有賀肇(伊那市)柴正人(箕輪町)上久保健一(中川村)
◇農業名人▼軍鶏(しゃも)名人=林儀太郎(辰野町)▼行者ニンニク名人=小林幸雄(南箕輪村) -
JAが給食の食材提供
JA上伊那駒ケ根支所(春日一衛支所長)は食育事業の一環として2月中に管内の全小中学校に給食の食材を提供する。トップを切って駒ケ根市の赤穂小学校と赤穂中学校にシメジ、ネギ、鶏卵などを提供。13日に理事らが同校を訪れ、提供した食材を使った給食を児童、生徒らとともに食べた。
給食の時間に合わせて赤穂小学校3年1組の教室を訪れた井上利雄理事は児童らに・ス地産地消・スの文字を示し「今は遠くから来る食材もたくさんあるが、地元で生産された品はやはりおいしいし、体のためにも良い。よく味わって食べてください」と呼び掛けた。この日のメニューは煮物、卵スープ、イチゴなどで、井上理事は児童らと談笑しながら給食を味わっていた=写真。
JAの取り組みは昨年に続き2年目。 -
担い手が意欲持てる体制整備を、果樹振興計画策定
宮田村農業農村支援センターの果樹専門部は新たな果樹振興の地域計画を策定した。計画の実施期間は今後5年間。果樹作業支援グループの育成などに着手し、担い手が意欲を持てる体制整備を進める。
せん定や棚つけなど各農家の作業は膨大。繁忙期には人出が必要となるが、これまでは個人的なつながりで親戚や友人、地域の人などに協力を頼むしかなかった。
支援グループはそれを組織的に補完するもの。具体的な育成計画はこれからだが、労働軽減、高齢農家の経営維持にもつながると取り組む考えだ。
また、果樹専作農家の規模拡大についても支援。園地の計画的な集約などを進め、生産量の維持確保に努める。
支援充実などにより若手経営者のやる気も引き出し、担い手の育成も。認定農業者の果樹農家数を現在の3戸から2010年度までには20戸に増やす目標も立てた。 -
上伊那農業協同組合(JA上伊那)が08年度中に37の支所を12の総合支所に統合
上伊那農業協同組合(JA上伊那)は08年度、事業見直しの一環として現在管内にある37支所を12の総合支所に統合する。
現在JA上伊那では、各地区を統括する基幹支所を辰野、箕輪、駒ヶ根、東部、伊那(本所が基幹支所機能を兼ねている)の5カ所、それより小規模な支所を29カ所、支所出張所を4カ所に設置しており、各業務は縦割り運営している。
しかし、より効率的な運営を図る目的で各支所に権限を委譲し、支所内の横のつながりを強化した新体制へ移行することを決断。08年4月実施を目指し、実施計画を打ち出した。それに伴い、08年度は支所体制を再編。管内12カ所に設置する総合支所は、各機能を充実させるために一定の規模を持たせるほか、総合支所から離れてしまう12地区には、窓口的な役割を担う拠点支所を各総合支所の下部組織として設置する。そのほかにも各支所の渉外担当職員を増員し、定期的な巡回をすることで遠隔地の住民のサービス充実にも努めていく。
支所体制の見直しについては、2縲・月に各地区の組合員を対象とした説明会を開き、5月の総代会で提案する。 -
森の勉強会 県産材利用促進に向けて
総合建設業のフォレストコーポレーション(本社・伊那市西春近、小沢仁社長)は12日、南箕輪村の村民センターで、「森の勉強会」(伊那毎日新聞社など後援)を開いた。一般住民ら約400人が集まり、県産材利用の重要性や利用を促進できない課題について考えた。
「信州の木で信州の家をつくろう」と題してパネルディスカッションがあり、小沢社長と県林務部信州の木活用課長の河合博さん、「山造り舎」を主宰する川島潤一さん、都築木材副社長の都築寛明さん、菅沼木材専務の菅沼久さんが意見を交わした=写真。
同社は川島さん、都築さん、菅沼さんら製材や建築などの地元業者らで「信州の家は信州の木で『工房信州の家』づくり」を結成。同グループの県産材を利用した住宅建設の取り組み、県産材の循環流通システム構築のための仮題を話し合った。
県によると、第2次大戦後の大規模な植栽で成熟を迎えた木があるのも関わらず、人の手が入っていない状況が多い。山の整備作業に携わる川島さんは「自分の山の境界線を把握している人は少なく、地主の意識は低い」とし、山を持っていても木材の価値に無関心で、市場のメカニズムと孤立したところで山を持っている人がいることが分かった。
菅沼さんは「個人が持ち込む木は、仕分けがされていないため市場で買ったほうがリスクが少ない」。都築さんは「安定した供給がある外材を使ってきた経過があり、内地材を積極的に取り扱ってこれなかった現状がある」と地産地消の状況が止まっている現状を解説した。
河合さんは「国産材が未成熟だった時に外材でまかなってきたが、今や国産材も成熟してきた。問題は買い手がいても売り手がいないこと。今後は売り手をコーディネートするための制度づくりに力を」と話した。
小沢社長は「地元の人たちと理念を持って仕事に取り組んでいきたい。これからは山地主さんともネットワークを構築し、夢のある仕事を広げていきたい」と訴えた。
勉強会の前半では、森の再生活動や文筆活動で有名なC・W・ニコルさんとフリーパーソナリティーの武田徹さんが、信州の森について語り合った。 -
本数制限してより高い満足度に、リンゴオーナー
中京圏の約500家族と契約を結ぶ宮田村のリンゴオーナー制度の反省会は10日夜開き、昨年の不作を受けて、今年は安全を期すために受け入れ本数を減らすと確認。同村内のリンゴはオーナーの評判も良く、期待が高いだけに、品質維持に向けた対応となった。
昨年はカメムシや凍霜害、大雨の後の干ばつなどで作柄不良で収獲量も減少。オーナーからは厳しい声も寄せられた。
その一方でオーナー110人が答えたアンケート調査で、80人は「味がいいから宮田村のリンゴオーナーに参加している」と回答。
改めて期待度の高さが伺える結果となった。
オーナー募集の仲介を担うめいきん生協(名古屋市)の川瀬春雄さんは「希望本数が多く、今までは無理もあった。収獲の段階で不満にならないよう、今年は本数を制限し、希望を上回れば他の場所を紹介するなど対応していく」と説明する。
栽培者ら関係者が集まった反省会では、現状を説明し、昨年645本の受け入れを今年は571本にまで減らすと確認。
さらに天候の安定などを考え、毎年2週に分散していた収獲祭は11月17、18日に集中開催し、契約会も例年より遅い7月29日に行なうことを決定した。
いずれもオーナー側の立場で、より満喫してもらおうと配慮した。 -
リンゴオーナー、本数制限してより高い満足度に
中京圏の約500家族と契約を結ぶ宮田村のリンゴオーナー制度の反省会は10日夜開き、昨年の不作を受けて、今年は安全を期すために受け入れ本数を減らすと確認。同村内のリンゴはオーナーの評判も良く、期待が高いだけに、品質維持に向けた対応となった。
昨年はカメムシや凍霜害、大雨の後の干ばつなどで作柄不良で収獲量も減少。オーナーからは厳しい声も寄せられた。
その一方でオーナー110人が答えたアンケート調査で、80人は「味がいいから宮田村のリンゴオーナーに参加している」と回答。
改めて期待度の高さが伺える結果となった。
オーナー募集の仲介を担うめいきん生協(名古屋市)の川瀬春雄さんは「希望本数が多く、今までは無理もあった。収獲の段階で不満にならないよう、今年は本数を制限し、希望を上回れば他の場所を紹介するなど対応していく」と説明する。
栽培者ら関係者が集まった反省会では、現状を説明し、昨年645本の受け入れを今年は571本にまで減らすと確認。
さらに天候の安定などを考え、毎年2週に分散していた収獲祭は11月17、18日に集中開催し、契約会も例年より遅い7月29日に行なうことを決定した。
いずれもオーナー側の立場で、より満喫してもらおうと配慮した。 -
Iターン就農の夫と二人三脚、宮田村南割区 杉山久美さん
「リンゴ栽培をやりたい」と大阪からIターンで宮田村へ就農した夫、栄司さんとの出会いは新聞記事。いつかは仕事で独立しようと色々な情報を集めていた時「同世代の人がこんなに頑張っているんだ」と励まされた。夢を実現させようと前向きな姿に自分を重ね、昨年秋にめでたく結婚。自分の目標を温め続けながら「今は栄司さんの力になることが一番かな」と微笑む。
高遠町(現伊那市高遠町)出身。大学卒業後、駒ケ根市や下伊那郡上村(現飯田市)で保健師として務めた。
「田舎で歩き回る保健師さんになりたいと思って。そう・スコトー先生・スみたいな」。遠山谷と呼ばれ、村民みんなが狭い峡谷に家族のように寄り添って暮らす上村での生活は充実していた。
その一方で、いつかは独立したいという夢も。保健婦の仕事のかたわら、イモづくりに取り組んだり、愛知県までパンを習いに行ったり、情報収集にも余念がなかった。
「これって決めたらコツコツ積み上げて、夢に向って行動するタイプなんです」。
将来のためにと新聞もスクラップしていたが、そこに飛び込んできたのが脱サラして新規就農した栄司さんの姿だった。
「新聞を見て、私もこんなことをやっているよって、どうしても彼に伝えたくなっちゃって」。記事の中には番地などまで彼の詳しい住所は書いてなかったが、村と地区を頼りにさっそく手紙を送った。
手紙は無事に彼のもとへ。それからメールや手紙でのやりとりが始まった。
ある時、リンゴのパンをつくる機会が。頭に浮かんだのが栄司さんのこと。「リンゴつくっているんだから、おすそわけに行ってみよう」と。
初めて直接対面したが、さらに意気投合。リンゴ園を見せてもらい、一晩語り合った。
「農業とか関係なく、やりたいと思っていることを実現させていることに強く惹かれました」。
誰もがホッとするような場所を提供したり、仕事がしたいと想い抱く自分自身の夢。しかし、それを実現させるにもタイミングがあると感じている。
結婚前の昨年春からリンゴ栽培を手伝い始めた。「今は彼が納得いくリンゴをつくるために、穏やかな気持ちで取り組めるように協力したいと思って。2人だからこそのリンゴができたらイイな」。
子どもはたくさん欲しいと、夫婦の声が揃う。「思っていることは必ず実現できる」と、今は2人3脚で大地と向き合う日々だ。