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伊那市長谷のNPOと信大農学部が雑穀収穫
ミレット(雑穀)を復活・普及させ、中山間地の地域活性化を狙う伊那市長谷のNPO法人「南アルプス食と暮らしの研究舎」と信州大学農学部食料生産科学科の井上直人教授の研究室は11日、長谷の田んぼで栽培してきたキビやヒエ、アワなど6品目20種を収穫した。
雑穀の栽培は「ミレット復活事業」の一環で、同地に適当な品種を調査し、普及を目指す。来年度以降は栽培面積を除々に拡大していくとともに、研究舎では品種の特性に合った料理の開発、提供も考えている。
両者は昨年12月から取り組み、全国各地で栽培されているさまざまな品種を集めて、大学の苗場には種。6月に長谷の約5アールの田んぼに苗を移植し、手を加えたのは2度の草刈りのみで、無農薬で育てた。この日は、会員や学生ら約20人が作業にあたり、種類ごとに実の部分だけを刈った。
雑穀は栄養価が高いことから井上教授は「長寿社会の現在、健康面からニーズがあり、都会では白米より高値で取り引きされている」と話し「山村の農家が主体的に栽培していければ、地域振興にもつながる」と期待していた。 -
人気上昇ペレットストーブ
県補助、原油高も追い風に原油高や県の補助制度新設などで、木質ペレットストーブの人気が高まっている。製造販売する宮田村の近藤鉄工(近藤満社長)は、昨年の出荷台数の2倍にあたる300台の生産を見込んでおり、本格的な冬の到来を控えてフル操業の状態。県外からの問い合わせも多く、対応に追われている。
県は近藤鉄工やヨウホク(駒ケ根市)など3社のペレットストーブ3機種を「信州型」と認定。購入する個人や事業者に10万円を補助し、100件の枠に11日現在で45件の申し込みが来ている。
また、市町村への補助制度も設けたほか、県施設や県立高校に新たに100台の導入も予定している。
積極的な普及策の追い風になっているのが、最近の原油高。「割高だったペレットだが、灯油などの値上がりで価格差もなくなった。環境にやさしい面も受けている」と県の担当者は説明する。
近藤鉄工は3年前の初年度は35台の出荷だったが、順調に生産台数を伸ばしてきた。
同社のホームページはストーブを全面に取り扱い、遠くは広島、山口などからも問い合わせが寄せられる。
「コスト面が有利になってきたこともあるが、環境にやさしいことや火の見えるストーブの暖かみも人気が高まっている理由」と同社の・ス木重由総括担当。
全てが職人の手作りのため月産50台ほどだが、今月から来月にかけて生産の最盛期を迎える。 -
おいしい芋焼酎に
原料のサツマイモ収獲上伊那の酒販店などが地域の協力も得て企画する、地元産サツマイモを原料にした芋焼酎づくり。宮田村では9日に、イモの収獲作業を行った。春先から生産を手がけた農事グループ「駒原ファーム」のメンバーら約10人が、「おいしい焼酎になれば」と思いを馳せつつ額(ひたい)に汗した。
全8市町村でそれぞれ賛同者を募り取り組んでいるが、宮田村では「駒原ファーム」が町三区の休耕田28アールを使って栽培。
取り寄せた「黄金千金(こがねせんがん)」の種を苗におこし、5月に植えた。
この日は、ファームのメンバーに加え、住民の有志も参加。トラクターで畑をかき、大きく実ったイモを手作業で次々と掘り起こした。
焼酎用のイモ栽培は同ファームにとって初めての経験で、当初は試行錯誤の連続だったが、宮嶋正明代表は「1年やってみて様子も分かった。生産調整した休耕田の活用になり、地域おこしにも役立てれば」と期待を寄せた。
宮田村分の収獲量は約5トン。既に箕輪町などでも収獲を行っているが、飯田市の喜久水酒造で醸造し、12月には産地別など9種類の焼酎として販売される予定だ。 -
みはらしファームゴボウオーナー収穫
実りの秋を迎え、伊那市西箕輪の農業公園みはらしファームで8日、ゴボウオーナーの収穫作業があった=写真。6家族が集まり、春先にまいたゴボウを次々と収穫。その感触を楽しんだ。
今年、ゴボウづくりに参加したのは9家族。上伊那在住者が中心だが、遠くは下諏訪町などからの参加者もおり、リピーターが多いという。
園主の西村勇一さんから、春先の天候不順や梅雨の長雨の影響で、今年のゴボウは成長が遅れ気味であることなどの説明を受けた後、掘り起こしに挑戦。ゴボウは約1メートル近くまでに成長していたが、側面を少しだけ掘り起こすと、子どもの力でも抜けるようになり、するっと抜けたゴボウを見て「抜けた」と笑顔を見せていた。
11月にはナガイモの収穫も行う。 -
実りの秋に歓声
かかし隊、稲刈りに力あわせ農作物の栽培を通じて季節の行事も味わう宮田村公民館の親子学級「われら、かかし隊」は7日、稲刈りを行った。鎌を使って手作業で収獲。心地良い汗を流し、実りの秋を喜んだ。
同隊は町3区の休耕地を借りて野菜などを栽培。水田もつくり、春に植えた稲も立派に成長した。
黄金色に垂れた稲穂に、子どもたちはニッコニコ。町3区の川手友幸さん、加藤政義さん、大田切区の田中一男さんらの指導で、親子一緒に力をあわせ収獲した。
昔ながらに、はざかけして乾燥。脱穀してもち米にし、来月の収獲祭で味わう。
作業後は、十五夜の郷土食「オカラコ」で昼食。地元に伝わる風習も体験し、秋の一日を満喫した。 -
山ぶどうワイン仕込み式
宮田村の特産品・山ぶどうワインの仕込み式が6日、醸造する新田区の本坊酒造信州工場で開かれた。村内農家14戸が栽培する山ぶどうは今季も豊作で、糖度、酸味とも最高の状態。同工場も新たな製法を取り入れ、さらに美味しいワインとして12月には新酒を発売する。
式には山ぶどう栽培組合や村、農協など関係者約20人が出席。茎を取り除く破砕機(はさいき)に、収獲したばかりの山ぶどう500キロを次々と投入した。
312本で始まったワイン醸造も8年目を迎え、今年は25トンほどの収量で1万8千本近い生産を予定。現段階では新酒の「紫輝」と、「駒ケ原」を共通銘柄にした熟成、樽熟成、甘口と4種類の発売を計画している。
そのうち当初から生産を続けている12月発売の「紫輝」は、ボジョレ・ヌーボーにも使われる製法を一部に導入。
茎などを取り除かず房のままタンクに投入して自然発酵させる方法で、今まで通りの茎を取り除く一般的な製法で醸造するワインに一部調合する。
「新酒にあったフルーティーな仕上がりが期待できる」と、同工場長の藤野公宏さんは話す。
高品質を証明する県の原産地呼称管理制度に3年連続で認定されている山ぶどうワイン。生産者のたゆまぬ努力で良質なワインが完成する。 -
入笠牧場で下牧始まる
伊那市高遠町の入笠牧場で5日、牛の下牧が始まった。4カ月間伸び伸びと過ごした牛たちは広大な草地との別れを惜しむように下山した。
放牧は丈夫な乳牛の育成や種付け、酪農家の労力軽減が狙い。今季は南信地方の酪農家42軒から希望を受け、ホルスタインや黒毛和種162頭を放した。
降雨日が少なく高温が続いた影響で牧草の伸びが悪い上、鹿に食べられたことで乾草を与えて補ったため、「健康状態が良くない牛も見受けられた」。例年、下牧時には平均40縲・0キロ体重が増えるという。
JA上伊那職員や酪農家など関係者約50人が作業。妊娠鑑定や体重測定、駆虫剤の投与などをして下牧させた。初日は約70頭で、2日かけて全頭を下ろす。 -
みはらしファームでフジの台木に懐かしいリンゴ3種類が実る
懐かしのリンゴはどんな味?竏秩Bフジの台木に昔懐かしい「国光」など3品種を接ぎ木したリンゴの木に今年、4種類のリンゴが一斉に実った=写真。接ぎ木は2000年から始めたが、実がなったのは初めて。担当者は「今年はどんな味かをみることができる」と笑顔を見せる。
「国光」は、約20年前まで上伊那で良く食べられていた品種。しかし、甘味の強いフジが台頭するにつれて徐々に作られなくなり、今では木そのものもなくなってしまったという。
そんな思い出の味をもう一度食べてみたい竏窒ニ、同公園事務所の職員らが思いたち、上伊那農業改良普及センターに依頼して2000年に国光を接ぎ木。その後、03年までに「大国光」「東光」など、いずれも現代では見かけなくなった品種を接木したが、花が咲いたことはなかった。
しかし、今年の春はすべての枝の花が開花。担当者は「昨年の秋、根の回りを掘り起こして肥料を上げた。それが刺激となって、今年は花が咲いたのでは」と話す。
現在は、約60個近い実がなっており、徐々に色付き始めている。大きさはやや小ぶり。収穫適期を迎え次第、試食会をする予定。 -
りんどう、仏花から喜びのシーンにも似合う花に
高原の空のように青く、水のように涼しげな「青」、ブライダルにも似合う華やかな「ピンク」-。県花リンドウのりんと咲く、清楚で日本的な姿にひかれ、そのリンドウを仏花から脱皮させ、洋花にもマッチする華やかな花に改良、50種類余を品種登録した瀬戸尭穂さん、日本一のリンドウ育種家である。
花の色はブルー、ピンク、パステル、ホワイト系。筒咲きから花弁が外反転するもの。豪華な3倍体、アレンジしやすいスプレー咲きなど、リンドウのイメージを一新、多彩な花を次々と世に送り出した。 -
出産モォー大丈夫
林道崩落の宮田高原で下牧何とか下界で出産できます‐。7月豪雨による林道崩落で寸断状態にあった宮田村の宮田高原で3日、放牧していた牛9頭の下牧作業があった。出産を今月中に控える牛もいたため、急ピッチで林道を仮復旧。関係者の努力の甲斐もあって健康状態はいずれの牛も良好で、車に揺られて元気に下山した。
豪雨で宮田高原に通じる寺沢林道は各所で寸断。起点から6・5キロ地点では、道が10メートル以上にわたって跡形もなく崩れ、仮復旧も手間取った。
2日の段階でも道は開いておらず、関係者はヤキモキ。それでも悪天候の中、作業を続けて何とか間に合わせた。
豪雨以後の2カ月間は、村職員が交替で高原に入り、牧場を管理。牛の健康面に気を配り、大きな問題などはなかった。
出産を控える12歳の黒毛和牛も、胎児ともに健康状態は良好。この日、下牧作業に参加した獣医や畜産関係者は「あと1週間ほどで生まれそう」と話し、運搬車に乗せた。
他のホルスタイン8頭も体重が数十キロほど増加。豪雨の影響を感じさせなかった。
林道崩落でキャンプ場の今季営業を休止するなど被害が大きかった標高1650メートルの同高原は、里より一足早く長い冬を迎える。 -
良質なワイン期待大
宮田村特産「山ぶどう」収穫始まるワインに加工する宮田村の特産品「山ぶどう(ヤマソービニヨン)」の収獲が、3日朝から始まった。昨年に比べ1週間ほど遅いが、糖度も日増しに高くなっており、房の成り具合も上々。「今年も美味しいワインができそう」と、栽培農家は・ス実りの秋・スに期待をふくらませている。
14戸の栽培農家のトップをきって、駒ケ原にある秋山泰久さんの畑で収獲が開始。県外からも収獲したいと仲間が訪れ、にぎやかに作業初日を迎えた。
今年は病害もほとんどなく、7月豪雨など夏の日照不足で心配された糖度も、秋の深まりとともに順調に上がってきた。
「ぶどうの木は5年で大人になる。宮田のほ場では7年ほどを迎えており、一番脂の乗った成熟期。渋みもでてきて、より本格的なワインが期待できる」と秋山さんは話す。
今年は過去最高の出来だった昨年を若干上回る25トンから30トンの収量を予定。栽培組合の春日伊平組合長も「ここに来て寒暖の差も加わり、良質なぶどうに仕上がった」と胸を張った。
村内の本坊酒造で仕込むワイン「紫輝」と「駒ケ原」の2銘柄は、県の原産地呼称管理制度の認定を受けるなど、業界内でも高い評価。最も早い新酒は12月に発売する。 -
雨の中、スイセン1万球を植え付け
駒ケ根市の北割2区光前寺参道で1日、スイセンの植え付け作業があった。北割2区農政組合(清水丈明組合長)や中山間地域農業協定(小原俊文代表)、育成会など園児から高齢者まで160人が参加、小雨の中、「花の咲くのを楽しみに」1万球を植え付けた。
びくやつるはし、トンガなどを持って集まった参加者は、4班に分かれ、参道周辺の田の畦に植え穴を開け、5センチ間隔で、黄色のラッパスイセンとアイスフォーリスの2種類の球根を植え付けた。
不安定な土手の上とあって、参加者は足元に注意を払いながら、作業を進めた。
清水組合長は「光前寺のしだれ桜とともに、参道のスイセンが花の名所として有名になり、観光客も増えている」。小原代表は「今年は8アールに菜の花を作付けした。来春はスイセンと菜の花ではすばらしい景観になるのでは」と期待した。 -
わくわくカミーちゃん農園
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JA上伊那の「わくわくカミーちゃん農園」が1日、飯島町、中川村であった。
郡内から32組94人の親子が参加し、ブドウや二十世紀の収穫体験、果実選果場の見学し、地元の農産物に理解を深め、農業の大切さを実感した。
JA上伊那片桐駐車場に集合した参加者は、西原ぶどう園に移動、甘みが乗ったブドウ(ピオーネ)を味見をした後、レインカットのほ場で大きく黒く熟した房を2房ずつ切り取った。
祖母と2人で参加した、駒ケ根市の太田早紀ちゃん(小3)は「甘くておいしい。大きな房が採れた」と大喜び。
この後、一行は七久保の梨園に向かい、黄色に完熟した二十世紀梨のもぎ取りを体験した。
飯島選果場では「ふるさとの味いいじま」の会員の指導でカボチャのおやきづくり、新米で好きな具を入れて、おにぎりを握り、食欲の秋をたん能した。 -
カリン、マルメロの選果始まる
箕輪町の上伊那農業協同組合箕輪選果場で30日、町の特産・カリンとマルメロの選果が始まった=写真。選果作業はこの日と10月5日の2日間を予定しており、今年は5縲・トンの出荷を見込んでいる。
この日は、生産者など総勢40人が、加工用として県外の市場や諏訪地域に出荷するマルメロを仕分けにあたった。今年は7月の豪雨と低温の影響でやや小ぶりなものが多くなったが、収穫量としては平年並みだという。
古くからの栽培を行い、県内でも有数のマルメロ出荷地域となっている箕輪町だが、3年前、町内のマルメロに病気が蔓延。その年、翌年と十分な収穫が確保できなかったことなども影響し、生産者数が減少した。また今年からは、ポジティブ・リスト制度の施行により、病気の発生に対して十分な措置をとれない事態が生じるなど、厳しい局面もあった。しかし、生産者側の働きかけにより、来年度からは状況改善がなされる運びになり、生産者の一人は「安定した形で生産できるようになるのでは」と期待をにじませていた。 -
マスの燻製づくり始まる
宮田村新田区の燻製(くんせい)工房「スモークウッドくるみ」で、特産のニジマスの燻製づくりが始まった。来春まで1000匹ほどをさばいて手作りし、村内外で販売する。
農業を営む平沢秋人さん、明子さん夫妻が工房を経営。マスの燻製をつくり始めて10年ほどになるが、チーズの燻製とともに特産品として人気が高い。
1匹づつ三枚におろして、小骨を取り除く。ウィスキー樽を再利用したスモーカーでいぶすが、ひとつの工程が完了するまでに4日間と、気の遠くなる地道な作業の連続だ。
農作業の合間をぬって忙しい毎日だが「またこの季節が来たんだなって毎年思う」と平沢さん。
燻製に良く合う村特産の山ぶどうワインも仕込みの時期を控えており、村内は収獲の秋に沸いている。
問い合わせは平沢さん(090・9359・7757)まで。 -
200万本のコスモス咲き始め、飯島の秋を彩る
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飯島町上の原の約4ヘクタール、200万本のコスモス畑では、新品種の八重が見ごろを迎え、大きく華やか花を重たげに秋風に揺らしている。
主力の秋咲きの大輪や黄花コスモス、イエロークリムソンキャンパスは、ちらほら咲きはじめた。
コスモスまつりは14、15日、ミニコンサートやもちつき、コスモスカルチャー、摘み取りなど予定する。 -
農事組合法人「北の原」設立総会
より効率的な組織を目指して駒ケ根市の北の原営農組合(小原恒敏組合長)が5年かけて準備してきた農事組合法人「北の原」が29日、発足した。会員など約60人が出席して設立総会が駒ケ根市のアイ・パルいなんで開かれ、定款、規約、事業計画、収支計画書、役員などが承認された。初代組合長には営農組合組合長で発起人代表の小原恒敏さんが選出された。小原さんはあいさつで「農地管理のためだけでなく、一定の収入を確保できる農業を目指さなければ法人化の意味はない」と述べた=写真。
設立時の組合員はJA上伊那を含む73人。水稲、麦、ネギを18ヘクタールで栽培し、07年度の売上高3355万円、経常利益515万円を見込んでいる。
役員は次の皆さん。
▽代表理事・組合長=小原恒敏▽副組合長・麦作部長=中坪博和▽会計=河合龍夫▽機械部長=小澤浩▽稲作部長=大宮昇▽葱作部長・推進員=小澤章二▽推進員=戸枝庸悟▽青年部長=大宮雅登▽監事=藤木清一、松崎正志 -
駒ケ根市家族経営協定調印式
駒ケ根市の農業従事者らでつくる家族経営協定友の会「ゆずり葉の会」は27日、新たに協定を結ぶ1家族(村沢邦雄さん・房子さん夫妻と長男の博さん=市場割)の調印式を市役所で開いた。急な都合で出席できなくなった夫妻に代わって博さんが3部の協定書に調印した=写真。調印を終えた博さんは約20人の会員を前に「協定を結ぶに当たっていろいろな点で仕事を見直したが、決めた通りにやるのはなかなか難しいと思う。しかし家族で協力して頑張っていきたい」と決意を語り、大きな拍手を受けた。村沢さんはアルストロメリアやユリなどの栽培をハウス35アール、露地50アールで行っている。同会の会員は32世帯となった。
家族経営協定は、農業の後継者不足に歯止めをかけ、農業への取り組み意欲の増進を図るなどの理由により、労働報酬などについて家族内で結ぶ協定。 -
改選後、初の農業委員会総会
中川村の農業委員会
は27日、役場で改選後初の総会を開いた=写真。委員長に大島澄男さん(61、2期目)=小和田=、職務代理に竹沢久美子さん(58、議会推薦)を選んだ。
大島さんと竹沢さんはそれぞれ「農業の知識も浅く、未熟ですが、みなさんの協力で、元気の出る農業を進めたい」とあいさつした。
この後、事務局から農業委員の報酬、担当地区、会議規則などの説明を受けた。 -
県最古、最大の慈梨(ツーリー)たわわに
1912年(明治45年)に中国から渡来し、県内外で栽培されたが、戦後、ほとんど切られてしまった中国梨「慈梨(ツーリー)」-。飯島町本郷の桃沢晴香園(桃沢匡行園主)では、幻の梨、慈梨の巨木が今年も収穫の季節を迎えている。
樹齢80年余、幹周2・2メートル、枝張は南北15・5メートル、東西15・7メートルと県最古で最大の巨木。全国的に見ても、これほどの巨木は極まれ。1個500グラム前後の大きな実を千個余り実らせている。
実は短びん型で、肉質は粗いが香りがよいのが特徴。未熟果は渋味があるが、完熟すると甘みと酸味のバランスがよく食味がいい。
先代の桃沢匡勝さんが25年に約20本定植し、東京市場に千ケースを出荷しシェア7割を占めたが、戦後、売れなくなり、同園も1本を残し、全て切り、樹種転換した。
桃沢さんは「花は品がよく、最高にきれい。実はなんともいえないいい香りがする」と話す。 -
上農生が地元林業士からチェーンソーを使った間伐方法を学ぶ
上伊那農業高校緑地工学科2年生34人が27日、伊那市小沢川上流にある演習林でチェーンソーによるカラマツの間伐実習をした。生徒らは、初めてのチェーンソーを地元林業士の指導を受けながら操作した=写真。
国が林業後継者の育成を目的として本年度新たに始めた事業の一環。上伊那農業高校では普段生徒が体験することがないチェーンソーによる間伐を要望し、県や上伊那林業士会などの協力を得て、取り組みが実現した。
生徒は3、4人ずつで8班に分散。チェーンソーの使い方や注意点を学び、丸太の切断などでチェーンソーに慣れてから実際の伐倒に挑戦した。
初めての体験に緊張した面持ちを見せたが、木が倒れる瞬間には「おー」と歓声を挙げていた。
作業に参加した有賀卓馬君(16)は「のこぎりとなたで間伐をしたことはあるが、チェーンソーを使ったのは初めてで緊張した。倒れた木が、別の木に引っかからないようにできたらもっと良かった」と話していた。
実習は28日も行う。 -
マツブサ収穫始まる
箕輪町の特産品「まつぶさワイン」の原料マツブサの収穫が25日、箕輪町まつぶさ会の会員の畑で始まった。
会員の中で最も栽培面積が広い山口勇夫さんは、約100本のマツブサを育てている。今年は実そのものはいい状態だが、春先の寒さが影響し、花は咲いたが実が色づくころに房ごと落ちてしまったり、房の実と実の間があいてしまうなど、収量は少ないという。
会全体の収穫量は、不作だった昨年より多いが450キロの見込みで、山口さんの畑で300キロを見込んでいる。収穫は10月2日にもある。 -
キノコどっさりと
ようやく朝晩が涼しくなり、駒ケ根市東伊那はキノコの季節を迎えた。現在はコムソウ(ズボウ、ショウゲンジ)を中心に、マツタケ、カラマツタケなどが採れている。
地物のキノコ料理で有名な東伊那大久保のしぶき荘(赤羽芳春社長)では、23日から出始め、毎日、持ち山や東伊那財産区の競り山を回ってキノコ採り。
25日は1カ所だけで、コムソウ約15キロ、150グラムの特大を含むマツタケ4本のほか、カラマツダケ、イクチなどを採取した。
キノコ採り歴30年余の赤羽昭二会長は「今年のキノコはしっかりしており、品質がいい。キノコ陽気に恵まれ、これから除々に収穫量が増えそうだ」と笑顔。
ちなみに同店のキノコずくし料理は4千円から、マツタケのフルコースは8千円から。 -
信大農学部でAFC祭
南箕輪村の信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学研究センター(AFC)のAFC祭が23日、AFC構内ステーション農場などであった。家族連れなど多くの人が訪れ、ブドウ、リンゴの収穫体験や、農産物販売などを楽しんだ。
地域住民にAFCの取り組みを知ってもらうことを目的として始まった取り組みで5年目。今年は、これまで行っていたブドウ狩りに加え、リンゴとプルーンのもぎ取り体験を企画。県内で取れたキャベツを始めとする農産物や、これから季節を迎えるシクラメンの販売は、地元客を中心とする多くの人で朝からにぎわいを見せた。
演習林では、林内を散策する体験イベントなどを開催。また、体験コーナーでは、昨年好評だったそば打ち体験や蜜ろうキャンドルづくり、丸太切り競争など、さまざまな企画を催し、訪れた人たちを楽しませていた。 -
上伊那のいも焼酎原料 箕輪町を皮切りにイモ掘り
いも焼酎の原料となるイモ掘りが23日、上伊那地区では箕輪町を皮切りにはじまった=写真。本年度は、上伊那産のサツマイモを使った焼酎「伊那八峰(仮称)」の販売を同地区の酒販売店有志が計画しているため、イモの出来上がりに注目が集まっている。
本年度から販売に向け、全8市町内で生産者組合員やボランティアらが焼酎の原料「黄金千貫」などの苗を植えた。総収穫数量は推定200トン。その一部で、各市町村産の焼酎、合計約1万6千本(1本720ミリリットル)を「喜久水酒造」(飯田市)が製造する。12月上旬発売予定。
町では昨年に比べて約20倍となる7万本の苗を町内10個所のほ場、計約5ヘクタールへ植えた。上伊那の中では植付けが最も早かったため、この日は木下のほ場で、町焼酎いも生産組合員と、町内の酒販売店5店舗5人の計15人がイモ掘り作業をした。
本年は低温、日照不足などで収穫量は少ない見込みだが、柴正人同組合長は「生産者と販売者が気持ちを一つにして、安定した販売を目指したい」と意気込む。酒販売関係者も「生産者が大切に育てたものを精一杯努力して販売していきたい」と話していた。 -
南箕輪村で上伊那の行者ニンニクについて話し合う交流会
行者ニンニクを普及させる方法を考えよう竏窒ニ南箕輪村行者にんにく研究会(小林幸雄会長)は22日、上伊那地域の行者ニンニクについて話し合う交流会をフォレスト大芝で開いた。上下伊那から、行者ニンニクの生産者など約30人が参加。行者ニンニクを使ったサプリメントの製造・販売で成功している北海道バイオインダストリーの代表取締役・佐渡広樹さんを迎え、今後、取り組むべき課題について考えた=写真。
臭いの強さから、日常的に食べることを倦厭されている一方、体に及ぼす健康効果が高いという行者ニンニクの特性を分析し、臭気を消すことのできるカプセル型のサプリメントという販売方法をあみだした佐渡さん.
種をまいても食用となるまでに最低6年はかかる行者ニンニクの性質から、生の製品だけでは絶対的に採算が合わず「地域興し程度にはなっても、出荷できるまでになるのは難しい」と説明。「行者ニンニクはただ漠然と栽培していても意味が無い。強み、弱みを明確にし、どう売り出していけばよいかを地域の実情にあった形で考えてほしい」と語り、商品化に向けた最終目標を持つことの重要性を示した。また、サプリメント会社と提携し、一次加工した製品を出荷するなど方法なども提案した。 -
マコモタケ初出荷
駒ケ根市東伊那の農事組合法人ふるさと夢農場は21日、特産のマコモタケを今年初めて出荷した。生産者数人が東伊那のやまんた直売所に集まり、収穫したマコモタケの皮をむいたり端を包丁で切ったりしたほか、計量や袋詰めをするなどの作業に追われた=写真。
マコモタケは東アジア原産のイネ科多年草。たけのことアスパラの中間くらいの軟らかさで、癖のない甘味が特徴。あくもほとんどないとあって近年消費者の人気が高まり、直売所の店頭では毎年品切れ状態になるという。気候の影響で収穫は昨年より約2週間遅れというが、生育状況は良好。10月いっぱいはやまんた直売所などで販売される見込み。
東伊那では3年前から地域の特産品にしようと栽培に着手。現在約80アールで栽培されている。 -
ビオトープで子どもたちが魚や昆虫採集
宮田村の自然を呼び戻す会(加藤一彦会長)は17日、自然に親しんでもらおうと、同村南割区のビオトープを開放。親子連れら多くの人たちで賑わい、メダカやフナ、水生昆虫などを自由に採集した。
最初はおそるおそる泥に入った子どもたちだが、魚影を追いかけ歓声も。息を潜めて網ですくったりした。
ミズカマキリにゲンゴロウ、ヤゴにタガメと、豊かな湧き水に育まれた環境は生態系も多彩。
加藤会長は「こんな田舎でも、気軽にふれられる自然が少なくなった。少しでも生命力の素晴らしさなど、感じてもらえれば」と、子どもたちの喜ぶ姿に目を細めた。
このビオトープは、会員が8年ほど前に整備。今後も自由に開放しており、魚や水生昆虫など自由に採集できる。 -
赤そばが見ごろ
中川村田島の転作田約2ヘクタールに作付けされた赤そばが見ごろを迎え、現地では初の「赤そば花まつり」が開かれ、近隣や関西、中京方面からのツア客でにぎわっている。
花まつりは10月中旬まで、期間中はテント市を開催、中川村の農産物や農産加工品などを販売している。
まつりは民話伝説の里、早太郎温泉郷感謝祭の一環として、駒ケ根市の早太郎温泉記念事業実行委員会が開いた。
赤そばは信大の氏家暉男元教授とタカノが共同で品種改良した高嶺ルビー。真紅の花を楽しむだけでなく、そばの味も良い。
問い合わせ・駒ケ根市観光案内所(TEL81・7700) -
【記者室】休耕田と農地改革
ふと田んぼに目を向けるとたわわに実った稲穂が重く頭を垂れている。数カ月間にわたった農家の苦労が報われる稲刈りの時期だ。だが見渡す限りの黄金色竏窒ニはいかず、あちこちに穴が開いたような休耕田が目立つ▼約60年前、貧農の救済のため、政府が全国の地主から農地を強制的に安価で買い上げて小作農に譲渡する農地改革が実施された。自分の土地を得た農民は喜び勇んで働き、米の生産高は飛躍的に高まったが…▼時代の流れの中で消費者の米離れが進み、米が大量に余り始めたことから農家は一転して減反を強いられることになった。金をかけて効率化を進めたあげく、せっかく手にした農地の多くをあたら休耕田にせざるを得ないとはまったく皮肉な話だ。(白鳥記者)