-
雑穀栽培に協力
長谷非持
春日孝徳さん(73)なんせ百姓が好きだもんで。それっきりえ竏秩B
一昨年から長谷地区で動き始めた「雑穀プロジェクト」。現在、同地域で活動するNPO法人「南アルプス食と暮らしの研究舎」を中心に、遊休農地の解消、地域の新たな産業創出などを目的として、雑穀の栽培方法や販売ルートの確立を模索している。その事業に、今年から地元農家として協力し始めた。
「去年から吉田さん(NPO代表)や信大の先生なんかが一緒になって、試験的に雑穀を作り始めて『そこそこいい』っていう話。今年は既存の農作業機械を使って機械化の試験もやるというし、ほんじゃあ一緒にやってみるかって」と語る。
◇ ◇
若いころは勤めながら米、花きなどを栽培していたが、花の価格が値下がりする中、退職後は米一本にした。 ともに生活する息子夫婦や孫も、農繁期には一緒になって農作業に取り組む。だから収穫は、家族みんなでその喜びを分かち合う瞬間。そんな農業が、何よりも好きだった。
一方で、高齢化に伴い地域農業の担い手は減少。野生動物による農作物被害の影響も受け、山間地を中心として遊休農地が増えている。今のところは何とか維持している農地も、高齢化のが進行する中、今後どうなるかは分からない。減反政策に米価の値下がりと、米作りを取り巻く状況は厳しさを増す。
農業をどうにかせんと竏秩Bそんな思いが強くなる一方だった。
そんな中、雑穀プロジェクトが動き始めた。雑穀そのものがいいことは分かっている。「見通しがつかない部分もあるが、何とか手助けして、成功させたい」。プロジェクトへの参加を決めた。 -
あぐりスクール駒ケ根校修了式
さまざまな体験学習を通じて農業と食への理解を深めてもらおうとJA上伊那が4月から9回にわたって開いてきた農業体験講座「あぐりスクール」駒ケ根校の修了式が22日、駒ケ根市のアイ・パルいなんで開かれた。駒ケ根市、伊那市、飯島町、中川村、宮田村の9小学校の2縲・年生児童約70人と保護者などが出席し、修了証を受け取った。
収穫を祝うもちつきを楽しんだ後、自分たちで育てたサツマイモやジャガイモ入りのけんちん汁とともに、きなこやクルミをまぶしたもちで昼食の宴を開いた。児童らは「せっかく育てたのに食べるのは何だかもったいない」などといいながらも、おいしそうに何回もお代わりを繰り返していた=写真。稲刈りで出た稲わらを使って、正月用のしめ飾りも作った。
同スクールは昨年伊那市で初めて開校して好評だったことから、今年は駒ケ根市でも開校。月1回ずつ開かれた9回の講座で田植えや稲刈り、リンゴやサツマイモの栽培作業などの農業体験のほか、川遊びや五平もちづくりなどにも挑戦した。JAは、来年度以降も続けていきたい竏窒ニ話している。 -
直播で雑草稲「赤米」の発生が増加
水田に直接もみをまく「直播(じかまき)栽培」は、労力軽減、低コスト化を目的として、県内各地で栽培規模を増やしている。中でも上伊那は、直播作付け面積が最も多く、本年度は239ヘクタール。県全体(440ヘクタール)の半分以上を占めている。そんな中、数年前から直播ほ場で雑草稲の「赤米(トウコン)」が発生するようになり、問題となっている。収穫した米に赤米が混入し、等級落ち、検査不合格となるケースもあり、現在県や関係機関が連携しながら研究、対策方法を模索しているが、赤米の発生したほ場では、当初目的としてきた低コスト化、労力軽減が相殺される現状にある。
「赤米」は、昔は全国的に栽培されていた品種。赤米に詳しい大場茂明さん(71)=中川村=によると「収量が少なく、品質が悪いなどの理由から、明治時代、大々的に栽培転換された。昭和40年代以降、田植え機による移殖栽培が普及したが、移殖栽培では普通の稲の生命力の方が強かったため、発生が抑制され、あまり問題とならなかった」。
長野県は農業者の高齢化、米価の下落などを受け、1990年ころから各地で直播の導入に着手。それと同時に、赤米の発生が徐々に顕著化してきた。
赤米は脱粒性のため、成熟すると自然に種子が水田に落下し、直播栽培の水田で同時発生するため、除草剤による防除が困難で、大場さんは「決定的な解決策がないのが現状」と話す。
現在は直接手で赤米を除去したり、出芽した赤米を耕起や代かきで埋没させる方法などで対応する研究を進めているが、あまりに発生が多い場合には一度移殖栽培に切り替え、発生を抑制することも必要となる。
上伊那での今年の収穫分は、上伊那農業協同組合(JA上伊那)が保有する玄米の色彩選別機で赤米を取り除くなどして対応。また、上伊那農業改良普及センターは、具体的な対策や赤米の発生しやすい場所などを示した「防除対策マニュアル」を作成中で、コンバインなどに付いた赤米の種子がほかのほ場に広がらないよう、農家らに促すようにしたいとしている。 -
ナンテン出荷最盛期
中川村の特産品、ナンテン(南天)の出荷が最盛期を迎えた。23日までに、美里、南陽、渡場地区から数千本がJAを通じて、関東、関西に出荷される。
ナンテンは「難転」に通じ、枝物は正月の縁起物として生花や門松に、実ナンテン(房)は仏花として用いられる。
南斜面の畑(4アール)でナンテンを栽培する寺沢長五さん(85)=南陽=は「今年は花もよく咲き、実付きもいい。栽培に手間がかからず、軽作業で高齢者向き」と話していた。 -
宮田特産赤ワインと地元食材で新たな魅力を
宮田村で特産の山ぶどうワインを活用し、新たな食の魅力をつくりだそうと20日、地元産食材を使った料理の試食会が同村新田区の本坊酒造で開かれた。ワイン生産の関係者でつくる「山ぶどうの里づくり推進会議」が主催し、村の観光に関わる約30人が参加。山ぶどうワインにあう地元キノコを使った惣菜や、ワイン自体を調味料に用いた肉料理など独創的な8品を食べくらべた。今後はこのレシピも取り入れながら、ワインと料理の組み合わせで村への誘客につなげたい考えだ。
現在県内4市町村で地産地消の料理開発に携わる茅野市のフランス料理店エスポワールの藤木徳彦シェフ(36)が全面的に協力。村内産の食材を主に用いて調理した創作フレンチを会場で発表した。
特産ワイン「紫輝」を傾けながら、さっそく試食する参加者。
村内産のシメジ、エノキを具にしたパイや本坊酒造のウィスキーにニジマスとサラダを漬けこんだマリネなどに舌鼓を打ち「こんな食べ方もあるんだ。ワインとよくあう」と声があがった。
信州牛を「紫輝」で煮込んだ料理は「柔らかくて絶品」と好評。村内産キウイフルーツと「紫輝」をあわせたソースを信州地鶏にからめた料理もあった。
「宮田には良い食材があり、何といってもワインがある。地産地消の原点はうまい酒と料理。今ある食文化に新たなテイストを入れると、若い人など新たな客層にも受けるはず」と藤木シェフ。
参加した宮田観光ホテルの関係者は「一般の客を呼んでディナー形式でやってみたい」と意欲をみせていた。 -
直売加工施設検討など専門部会新たに、農業農村支援センター
宮田村農業農村支援センター(会長・清水靖夫村長)は18日夜、全体委員会を開き、6つの委員会で構成する専門部会を新たに設け構成を決めた。また、地代、作付けなどをコンピューターで一括管理する「地図情報システム」は年度内にもデータ整理を終えて本格稼動する見通しであると事務局が説明した。
昨年、地代の見直しにより改定した標準小作料については、10アールあたり7000円で据え置いた。
長年の懸案だった地図情報システムは、納入業者の経営破たんの関係から遅れていたが、新たな事業継承先のめども立ちデータ処理など進めている。役場と農協支所の2カ所に端末を設け農地の有効活用や流動化を図る。
専門部会は基本構想、資源循環、直売・加工施設、果樹、機械・労働、ブロックローテーションの6つの検討委員会を設け農業農村の活性化を模索する。
席上、認定農業者の承認もあり、施設園芸のRIN(林義人取締役)を個人から法人申請に切り替えて承認した。同村内の認定農業者はこれで、法人3、個人16となった。 -
農事組合法人「北の原」収穫祭
昨年9月に発足した駒ケ根市で最初の農事組合法人「北の原」(小原恒敏代表理事)は18日、初の収穫祭を市内のアイ・パルいなんで開いた。会員など約40人が出席し、1年間の苦労を語り合いながら収穫を祝った。小原代表理事はあいさつで「取り組んだ大麦、米、ネギの収穫も無事終わった。その間、一つの事故もなかったことに感謝する。反省しながらまた事業を積み重ねていきたい。来年も元気で作業しよう」と呼び掛けた=写真。
北の原は11月の県農業協同組合中央大会で、法人化に向けての取り組みが優秀だったとして表彰を受けている。 -
上伊那地区野生鳥獣保護管理対策協議会が伊那市長谷地区で一斉捕獲
上伊那地区野生鳥獣保護管理対策協議会は15日、伊那市長谷地区の三峰川上流でニホンジカの一斉捕獲を実施した。上伊那猟友会会員185人の協力のもと、73頭を捕獲。前回伊那市高遠町の入笠牧場で捕獲した頭数と合わせ、約100頭を捕獲したことになるが、現在のところ、目標捕獲頭数である200頭の約半分ほどに留まる。
今後は中川村でも上伊那猟友会の協力のもと、一斉捕獲を行う。 -
JA上伊那あぐりスクール伊那校の修了式
上伊那農業協同組合(JA上伊那)が小学生への食農教育の一環として実施している「あぐりスクール伊那校」の修了式が15日、伊那市狐島の本所であった。修了式に合わせて行われた最後の授業には、今年の4月から米や野菜作りに取り組んできた小学生80人とその保護者らが集まり、しめ飾り作りやもち付きを体験した=写真。 正月を間近にひかえた最後の授業では、昔ながらの伝統文化に触れてもらおう竏窒ニ、しめ飾り作りともちつきを企画。飯島町在住の佐々木恒雄さん(75)を講師に迎え、子どもたちが収穫した稲わらをつかって親子でしめ飾りづくりに挑戦。しめ飾りを自宅で作る人も少ない中、子どもと一緒に参加した保護者も悪戦苦闘しながら、わらの綯い方を教わっていた。
4月からあぐりスクールに参加してきた久保村美公さん(12)=東春近=は「農業は初めてだったけど、いろいろな作物を作ったりできて楽しかった」と語った。また、ともに参加した母親の利子さん(42)は「家ではほとんど機械でやってしまうため、野菜が育っていく姿を見ることができないが、作物が育つ姿を見ることができて良かった」と話していた。
修了式では、児童全員に修了証書が授与された。 -
家畜用飼料稲、生産に向けた体制づくり検討へ
主食用米需要が減少する中、米の生産規模維持を目的として上伊那水田農業推進協議会は来年度、転作扱いとなる家畜の飼料用に生産した稲に、上伊那全域のとも補償から補てん金を拠出する体制づくりができないかを検討していく。現在上伊那では、生産調整のために生産した加工用米に対し、上伊那全域のとも補償制度で価格補てんを行い、加工用米でも主食用米と同等程度の価格になるようにしている。こうした体制を家畜飼料用稲についても整え、水田面積の維持と畜産飼料の自給率向上につなげたいと考えている。
家畜用飼料稲の生産には、国の助成制度もあり、県内でも転作の一環として取り組んでいる市町村もある。上伊那でも駒ヶ根市の一部でこうした取り組みを行っている。
一方、輸入飼料の高騰により、畜産農家の間では自給飼料へのニーズが顕著化。酪農が盛んな上伊那でも、飼料用稲の潜在的な需要があると見込まれる。
しかし、飼料用稲の栽培は助成を受けても主食用米より価格落ちするのが現状で、地域的に普及させるのが難しい。そのため、こうした飼料用稲の生産に対しても加工用米のようなとも補償が構築できないか模索し、転作田の核となる土地利用作物の可能性を検討する。
上伊那地方事務所によると、県内でも飼料用稲に対し、とも補償制度を用いている地域はないという。
まずは、同協議会で対象となる水稲生産農家の意向を確認するほか、上伊那農業協同組合(JA上伊那)が中心となって飼料を利用する畜産農家の調整を図っていく。 -
上伊那水田農業推進協議会で08年産米の市町村別生産数量目標決定
県や市町村、農業団体などでつくる上伊那水田農業推進協議会が14日、伊那市内であり、08年産米の市町村別生産数量目標を決定した=表。県の協議会から上伊那地区に配分された08年度産米の生産目標数量は3万523トンに基づき、上伊那8市町村の当初数量目標を配分。しかし、上伊那としては今年の生産実績、3万1770トンの生産規模を維持する方針で、県の当初数量目標との間に生じる差量1247トンについては、加工用米などの非主食用米や地域間調整で対応していく。
県水田農業推進協議会から上伊那地域に配分された08年の当初数量目標は、今年より1・5%多い3万523トン。上伊那水田農業進行協議会はこの当初目標から自家消費分(1万6418トン)などを除く産地意向枠(1万4105トン)を算出し、県の算定ルールをベースとした上伊那独自の算定ルールにより、各市町村に当初生産目標を配分した。
08年当初数量目標に基づく各市町村の当初目標は▽伊那市1万3001トン▽駒ヶ根市5255トン▽辰野町1767トン▽箕輪町2581トン▽飯島町3198トン▽南箕輪村1697トン▽中川村1523トン▽宮田村1501トン竏秩B
しかし、加工用米や地域間調整などに取り組むことで、昨年の生産実績を維持する方針。また、これまで加工用米の出荷契約は特定の市町村に集積してきたが、08年度産からは各市町村に割り振り、契約する方針で今後調整を図る。 -
花ろまん31冬の鉢花シンビジュームとシクラメン
飯島町七久保の道の駅「花の里いいじま」で11月23日縲・5日、鉢花展示即売会が開かれ、町内の生産者7軒(シンビジューム2、シクラメン5)が丹精込めて咲かせた鉢花を並べた。伊那谷最大規模の展示即売会で、3日間にシンビジューム262鉢、シクラメンは817鉢売り上げるという盛況ぶりだった。今回は7軒の生産者のうち、シンビジュームの小林洋蘭園(小林千晃園主、岩間)、伊藤洋蘭園(伊藤長一郎園主、岩間)とシクラメンの宮崎園芸(宮崎健治園主、上の原)、星野園芸(星野寿充園主、上の原)を訪ね、今年の人気品種、1押しの花をお聞きした(大口国江)
(1)
##(中見出し)
アーチタイプが人気、小林洋蘭
ピンクの直立系を中心に数10種類、開花株は1万7000鉢を栽培、ピンク系中輪の「エレガントピンク」「ハレルヤ」「ピンクペチュエル」など桜色、大輪の白花「シークレットラブ」など。
「特に今年力を入れているのがアーチタイプ、一気に曲げると折れてしまうので、じょじょに曲げる、手間は2倍掛かる」とか。
品種は輪数が多く、曲げやすい「ピンクペチュエル(ピンク)」「ベビードール(白)」「アクアカナ‐リーラス(緑)」、「ベスパ(黄)」など。
##(中見出し)
ピンク系が人気 伊藤洋蘭
開花株1万8千鉢を栽培。ほとんどが中、大輪系で、ピンク系が8割、黄色が1割、緑、白、赤が合わせて1割程度、直立系が9割以上。
「人気があるのはピンク系の『愛子さま』、濃いピンクの『福娘』。純白の新品種『恋の予感』も注目されている」。
##(中見出し)
個体差が大きい、センダラビットとストレートピアスが注目 宮崎園芸
ガーデンシクラメンから贈答用の大鉢まで7万鉢を栽培している。「今年はセンダラビットとストレートピアスが注目されている。センダラビットは個体差が大きく、バリエーションが豊か。鉢によっても、同じ株でも全く異なる花が咲き、自分だけの花が楽しめるのが魅力。ストレートピアスも縁のピンクの出方に個体差がある」と話す。
##(中見出し)
珍しいストライブハーレーカインとストレートピアスが人気 星野園芸
5号鉢1万、6号鉢5千の合わせて、1万5千鉢を栽培。
「縦縞のま珍しい花、ストライブハーレーカインや、色鮮やかな新品種のストレートピアスが注目されている。シクラメンらしい赤の単色も評判がいい」。
# -
大芝水耕生産組合、イチゴの出荷開始
クリスマスを前に南箕輪村の大芝水耕生産組合(武村淳一組合長)は、イチゴの出荷を開始した=写真。
イチゴ栽培は8年目。現在ハウス8棟を使って酸味の少ない「章姫(あきひめ)」を栽培しており、南箕輪村の「ファーマーズあじ縲怩ネ」ほか、地元の直売所へ出荷。大芝全体では1日200パックほど出荷している。
原油価格高騰の中、糖度を上げるには冬の寒さ対策が必須。その点では苦労も多い年だが、武村組合長は「その分寒暖差もあるので、糖度ものっている」と話す。また、同組合ではより甘味を強くするために摘果を行い、1本の木になる果樹の量を少なくしている。
また、今年は地元の要望を受けて1月からイチゴ狩り体験を一部で実施する計画もしている。6月までに約32トンを出荷する予定だ。 -
かかし隊今季の締めにそば打ち体験
農産物の栽培を通じてさまざまな体験をする宮田村公民館の親子講座「われら、かかし隊」は8日夜、年越しのそば打ち体験をした。もちろん自分たちで育てたそばを用いて挑戦。今年度最後の講座をにぎやかに締めくくった。
教育委員会の小池孝さんが指導。一連の作業の流れを見た後に、親子が取り組んだ。
どろんこ遊びに夢中になるように、そばをじっくり練る姿も。「お餅をつくるみたい」「早く食べたいなぁ」など話しながら、のしたり切ったり予想以上に手際良く進めた。
ゆであがりを舌鼓。ほのかに広がる豊かな香りと食感を楽しみながら、2年目を迎えた今季の講座を振り返っていた。
同公民館では来年度もかかし隊の継続を予定している。 -
クリスマスローズ、夏を乗り越え旅立ち
宮田村で夏から初冬まで育ったキンポウゲ科の「クリスマスローズ」が、開花前の出荷の季節を迎えて次々と大阪の花き業者に引き取られている。
クリスマスローズは暑さに弱く、そのため冷涼な信州に業者が着目。苗になるまで大阪で育ち、夏を越して冬の季節を迎える出荷前に再び大阪へ戻る。
大原区で花きを栽培する林義人さん(36)が業者からの委託を受け、4年前から伊那市長谷で、2年前からは宮田村でも夏の管理に携わる。
10月下旬から大阪へ戻す作業が始まり、約3万鉢の・ス里帰り・スもほぼ終了。
英国ではクリスマスに花が咲くためにその名が付いたというが、日本では1月から3月に開花。さまざまな色の花をつけ人気も高いという。 -
県産材利用促進を要望
県内産の木材を小中学校の校舎などに使ってもらおうと、木材の生産企業や団体などでつくる県県産材振興対策協議会(斉藤敏会長)は5日、県内13市町村の教育委員会を訪問し「学校などの木造化、内装、外構などの木質化を積極的に検討し、県産材の利用促進を」などとする要望書を提出した。駒ケ根市には県木材協同組合連合会の伊藤久明専務理事など4人が訪れ、中原稲雄教育長に要望書と関係資料を手渡した=写真。伊藤専務理事らは「木材は良好な温度、湿度環境の形成に良いほか、情緒の安定や疲労の減少などの効果もある。生産は認証を受けた工場で行うので品質確保も万全だ」などと木造の利点を説明した上で、ぜひ利用を竏窒ニ訴えた。中原教育長は「趣旨はよく分かった」として、検討する意向を示した。
要望は小中学校などの新築、改築を計画している自治体を選んで行われ、上伊那ではほかに箕輪町に対して提出された。 -
伊那有機栽培研究会会長
伊那市東春近下殿島
鳥原 實(まこと)さん(76)おれはこれ以外、ほかのことができるわけではないし、値段(米価)が下がったからといっておいそれとやめられない。メンバーで集まった時も、「こういう時だからこそ正念場だ」ってよく話しているんだよ竏秩B
減農薬、無化学肥料栽培に取り組み始めたのは10年ほど前。年々米価が下落していく中、「売れる米作り」の必要性を強く感じていた時だった。しかし、おいしい米でなければ売れるはずもない。一念発起し、なるべく除草剤を使用しない、有機肥料を用いた栽培方法を模索し始めた。
まずは6ヘクタールのうち、30アールからのスタート。
有機肥料の研究、販売に取り組む業者に指導を仰ぎながら、土壌分析をした結果、それまで使用していた化学肥料や除草剤などの影響で、土壌は強い酸性を示した。そのため、1年目は土壌改良に重点を置いた。アルカリ性の石灰を入れ、苦土肥料も用いた。また、肥料もカキの殻や大豆かす、魚かす、米ぬかなどの有機物を原料としたものに変えた。
最初の1年はあまり変化が無かったが、2年、3年と年を重ねるごと、土壌は変化。それとともに米の甘味や粘り、歯ごたえも格段に良くなっていくことを実感した。
「食味を上げるのが一番難しいが、指導を仰いだり、自分なりに研究したりする中で、(水分やたんぱく質、アミロースなどの数値から食味を計る)食味計でも、80以上が出るようになった。こういう数値が出ると嬉しい」と笑顔を見せる。
その後、ほかのほ場でも減農薬、無化学肥料栽培を拡大。同じ思いで有機栽培を研究してきた仲間と伊那有機栽培研究会を立ち上げ、同様の方法で米作りに取り組んできた。
「作ることも大切だが、これからの百姓は売ることも考えなければならない。しかし、売ることは作ることより難しい。だから研究会では、どこに売るべきか、どうやって売るべきかなども話し合う。仲間がいることは力強い」と語る。
◇ ◇ -
寺沢林道が復旧
昨年7月豪雨の影響で通行不能になっていた宮田村の宮田高原に通じる寺沢林道が、先月末で復旧した。そのまま冬の通行止めになるため、開通は来春となる。
豪雨で3カ所の大規模崩落があり、総事業費は約1億円。二季続けて宮田高原が閉鎖になるなど影響が出た。 -
雑穀フォーラム開催
農業者や一般の人たちに雑穀の栽培現場と生産、流通を知ってもらおう竏窒ニ、雑穀の生産、販売を通した地域おこしに取り組む「雑穀プロジェクト」は2日、「雑穀フォーラムin伊那」を伊那市長谷の気の里ヘルスセンター栃の木で開いた。高遠を中心としてアマランサス生産に取り組む伊那地域アマランサス研究会や、昨年から長谷で雑穀の栽培に取り組んでいる地元農家などから現状と課題、販売の展望などの報告があり、雑穀に関心を持つ生産者など約30人が耳を傾けた=写真。
同フォーラムは雑穀の生産者を増やし、安定した供給体制を確立する中で販路拡大を目指すために催したもの。第1部で「雑穀生産の魅力」を、第2部で「雑穀生産の現場から」をテーマに大学教授や生産者など6人が発表した。
そのうち第2部では、既存機械を活用したシコクビエの栽培に今年取り組んだ長谷の春日孝徳さんら3人が発表。春日さんらは今年、信州大学農学部の井上直人教授の協力のもと、イネの移植機によるシコクビエの移植、コンバインによる刈り取りを試験的に導入。一定の労力削減は図られたものの、コンバインで刈り取った実の乾燥が難しいこと、移植する種から苗に育てるまでが手間がかかることなどといった課題を今後クリアしていく必要があることを示した。
また、同プロジェクトの中心となって取り組んでおり、現在長谷の道の駅で雑穀を使った料理を提供するレストランを経営している吉田洋介さんは、雑穀の販売と流通について発表。
東京、大阪の健康志向レストランなどでは国産の雑穀を使いたいと考えているレストランも多いことから、潜在的な需要はあることを示す一方、安定供給体制の確立が課題であることを説明。
「栽培組合のようなものを立ち上げて、そこを中心とした供給をしていきたい」と今後の展望を語った。
また、直売所やネット販売なども、雑穀の流通ルートとなる媒体であることを示した。 -
山ぶどうワインまつり
宮田村の山ぶどうワインまつりは2日、新田区の本坊酒造信州工場で開いた。村特産ヤマソービニオン種を収獲から2カ月で仕込んだ赤ワイン「紫輝」を解禁。会場では今年初めてジャズの演奏も行い、訪れた約500人は出来たての味と香りを抜群の雰囲気に包まれながら堪能した。
生産者や村などでつくる「山ぶどうの里づくり推進会議」が開き、70リットルのワインと、同じくヤマソービニオンでつくったジュースの無料試飲を用意。村内関係者が多彩な軽食も販売し、訪れた人たちは心ゆくまで本年産のワインを味わった。
心地良いジャズを聞きながらグラスを傾ける姿も。紫輝をはじめワインを愛好しているという駒ケ根市の春日秀夫さんは「酸味のバランスが良い印象。年々まとまりがあるワインに仕上がってきていますね」と話した。
13戸がヤマソービニオンを栽培し、ワイン醸造は9年目。近年は県の原産地呼称管理制度に認定されるなど高い評価を受けている。
会場で日本ソムリエ協会の高野豊さんは「甘さと酸味と渋味のバランスが非常にいい。赤ワインとしてかなりの完成度」と、本年産についても太鼓判を押して講評した。
「紫輝」は720ミリリットル入りビン1本1900円。約6500本を生産し、上伊那を中心にした酒販店などで取り扱っている。問い合わせは本坊酒造信州工場85・4633、村役場産業建設課85・5864へ。 -
農業委員会が建議、農産加工所の早期設置も盛りこみ
宮田村農業委員会(小田切信樹会長)は3日、担い手対策など未来に展望が持てる持続的な農業基盤の整備確立を求め、建議書を清水靖夫村長に提出した。従来に引き続いて農産物加工所設置の早期実現も内容に盛りこみ、村長は「交流ができる場所は必要」と一定の理解を示した。
村役場を訪れ、清水村長に文書で建議した小田切会長は、口頭でも加工所早期設置に理解を求めた。
清水村長は、住民参加で検討が始まっている西山山麓の観光活性の課題と抱き合わせて考えていく意向を示した。
米価の低下や石油価格の上昇など農家を直撃する各種問題についても懇談。苦しい農家の事情にふれ、清水村長は「お互いに知恵をだしあっていきたい」と話した。 -
上伊那猟友会が県の「信州ジビエ衛生管理マニュアル」に関して県へ要請
上伊那猟友会(竹入正一会長)は12月末までに、県が9月に示した野生鳥獣の食肉処理、販売に関する指針「信州ジビエ衛生管理マニュアル」に対し、一定の条件のもと、猟友会員にも狩猟肉の解体を認めてもらうことなどを県へ要請する。
県では急増したニホンジカの適正な保護管理対策を目的としてニホンジカの個体数調整を進める一方、狩猟肉を食肉として有効活用する方法を模索。そこで、衛生的に野生肉を食肉として用いるための指針「信州ジビエ衛生管理ガイドライン」を策定。野生肉の解体処理に関する衛生管理マニュアルを示した。
しかし、同マニュアルは狩猟肉の解体従事者を食肉処理業者に限定し、解体場所も処理施設内のみとなっている(自家用消費は除く)ため、狩猟者が狩猟肉を食用として業者に販売しようとする場合、従来のように射撃後、すぐにその場で解体することはできない。さらに、マニュアルでは品質劣化を避けるために処理施設への速やかな搬入を促しているが、山中で仕留めた獲物を処理施設までに運ぶにはそれなりの時間を要する。長時間内臓をそのままにしておけば肉質が劣化するため、実際に狩猟肉を持ち込んだとしても、買い取り対象とならない可能性も高い。
これを受けて同会では、県のマニュアルに沿って衛生的に解体処理することを条件に、猟友会員にも狩猟肉の解体を認めてもらい、内臓、皮の処理までを屋外で行えるよう要望したいと考えている。
1日の一斉捕獲では、県のマニュアルに沿って実際に屋外での解体処理を実施=写真。この様子を写したビデオテープも県に提出する。
竹入会長は「今のままでは双方にとって不利益。一定の条件のもとであれば、ここまでやっていいという方針を示してもらえれば」と話していた。 -
上伊那地区野生鳥獣保護管理対策協議会が入笠山で一斉捕獲
上伊那地区野生鳥獣保護管理対策協議会は1日、急激な増加に伴い植生などに深刻な被害を与えているニホンジカの一斉捕獲を伊那市高遠町の入笠山牧場で実施した。上伊那猟友会(竹入正一会長)の会員213人が捕獲隊として協力。ニホンジカ32頭を捕獲した。
ニホンジカの個体数調整を目的とする一斉捕獲は今年で4回目。
この日は、早朝から猟友会員や信州大学農学部の教授や学生などが入笠山牧場を訪れた。
捕獲されたニホンジカが集まり始めると、信州大学農学部の教授らが検体を開始。動物生態機構学などが専門の大島浩二教授は「詳しく調査しなければ分からないが、イネ科などの草を食べていると思う」と、ニホンジカが牧場の牧草を食べている可能性が高いことを示した。
一斉捕獲は伊那市長谷と中川村でも行う予定で、全体で200頭を捕獲することを目標としている。
また、今回は県が野生肉を食用に用いるために示す「衛生管理マニュアル」に沿った解体も行った。 -
大田切営農組合収獲祭
宮田村大田切営農組合(田中賢一組合長、80戸)は23日、収獲祭を同集落センターで開いた。地元の女性や壮年連盟が協力して打ったそばなどが振る舞われ、秋の味覚に舌鼓を打ちながら天の恵みに感謝した。
打ちたてのそばは格別の味に。酒も酌み交わし、和やかな雰囲気で豊作を祝った。
同組合は村内の営農組織の草分け的存在。田中組合長は「担い手不足など個人で対応できない課題も増えている。より一層、集落、そして村全体のつながりも深めていかなければ」と話していた。 -
南割営農組合手づくり収獲祭
宮田村南割営農組合(小田切政男組合長)は23日、「手づくり収獲祭」を同集落センターで開いた。地元産の農産物をふんだんに使い、数々の料理でにぎやかに。約100戸の組合員が豊作を喜んだ。
おでんに豚汁、そしてそば。みんなでとれた野菜などを持参して調理。天の恵みにもたらされた「ごちそう」がテーブルに並んだ。
餅つきなどもあり、子どもたちも一緒に楽しく。3年目を迎えた収獲祭だが、地域がひとつになって実りの秋を満喫した。 -
県がウッドチップ利活用のデモンストーレーション
県は22日、間伐材の利用を促進するためウッドチップ利活用のデモンストレーションを、伊那市長谷ワラビ久保の県営林道で行った。建設業者や市町村関係者など約20人が参加し、県のウッドチップ用機材の運用を見守った。
間伐材などを切断し粉砕機に投入する「グラップルソー」と、投入された木材を長さ2・5センチ縲・5センチの大きさにチップ化する「木質系粉砕機」を実際に動かすと、参加者からは「すごい」「これはいい」など称賛の声があがった。
作られたウッドチップは、樹木の種子などとともに「ウッドチップ吹付機」によって、のり面に吹きつけられる。道路建設などにともないできる人工斜面ののり面を、緑化する効果があり、山の活性化につながる。
県では間伐材有効利用促進のために「グラップルソー」「木質系破砕機」「ウッドチップ吹付機」を1台ずつ購入しており、市町村には無償で貸し出しを行っている(運搬賃、燃料費などは借用者負担)。
問い合わせは、県林務部(TEL026・235・7266)へ。 -
「長~いナガイモ」駒ケ根市民チャンピオンに
駒ケ根市の何でもナンバーワンを登録する市民チャンピオンに27日、小町谷の石材業西尾常治さん(70)方の畑で取れたナガイモが長さ1メートル29センチで初めて認定された=写真。西尾さんは「ナガイモの収穫作業をしている時『これはかなり長いぞ』と思ったので、折らないように慎重に掘り出した。今年はどこもナガイモの出来がよくないと聞いていたので、なおうれしい」と話している。
西尾さんのチャンピオン登録は過去3件の「ジャンボナガイモ栽培の人」に続いて4件目。 -
かたつむりで「秋の収穫の集い」にぎやかに
中川村葛島のフルーツ島田屋・直売所かたつむりは25日、「秋の収穫祭」を行ない、りんごオーナーを中心に、県内外から多くの家族連れが来場、真っ赤に色づいたふじリンゴを収穫したり、もぎたてを丸かじりするなど、食欲の秋、収穫の秋を満喫した。
この日は小春日和、来場者には初冬の伊那谷の景色を眺めながら、マツタケご飯や熱々の豚汁、手作りケーキに舌鼓を打っていた。
また、越冬野菜や果物、鉢花などが販売され、1袋、2袋と買い求めていた。 -
JA宮田支所農業祭
JA上伊那宮田支所は24、25日、農業祭を同所で開いた。旬の農産物を豊富に揃えたほか、生活班の発表や宝投げなど、多彩なイベントでにぎわった。
壮連などが新鮮な野菜を販売。米消費拡大コーナーでは、もち米の枡売りなどで、地元のおいしい米をアピールしている。
軽食の屋台村のほか、農産物品評会、組合員有志や子どもたちの各種作品展も開催。
宝投げや恒例の集落対抗腹巻き送り競争、生活班の踊りやダンス発表もあった。 -
伊那有機栽培研究会が県の原産地呼称制度の認定米に認定
伊那市内の農業者ら8人でつくる伊那有機栽培研究会(鳥原実会長)が減農薬無化学肥料で栽培したコシヒカリ「上納米」が、県の原産地呼称制度の認定米に認定された。鳥原会長は「3年ばかり認定にならないできたので、今年こそはと頑張ってきた。今後は地元の人たちにも食べてもらえるよう、販売ルートを作っていきたい」と喜びを語る。
同制度は、より品質の高い農産物や農産品を提供する中で消費者にその生産情報を開示し、信頼を得ながら地域振興を図ることを目的とする。米の場合▽農薬使用の制限▽化学肥料の制限▽玄米での農産物検査が1等であること竏窒ネどの基準が設けられている。その基準に適合すると認定された米のみ、販売時に「長野県原産地呼称管理委員会認定」と記すラベルを張ることができる。
有機栽培を目指すメンバーでつくる研究会は、除草のための農薬は1回に制限、カキの殻や大豆かす、魚かすなどを配合した有機物肥料による栽培に取り組む。こうして栽培した米は、甘味が強く、適度な粘りもあるため、歯ごたえが良い米になるという。
過去に制度の認定を受けたことはあったが、ここ数年は認定を受けていなかった。
今回は中央アルプスを水系とする西春近地区の水田で生産した宮下文勝さん(64)の米が認定を受けた。
現在は関東、関西方面に約3千キロを出荷している。今後は地域に販売していくことを模索していく。
問い合わせは伊那有機栽培研究会(TEL78・0560)鳥原さんへ。