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【記者室】外国語で読み聞かせ
南箕輪村であったイベント「おはなしドキドキぱーく」。催しの一つ「世界のおはなし会」はブラジル、イギリス、中国の絵本をその国の言語で読み聞かせ、それぞれの国のあいさつも覚える。村の外国語指導助手や村内に暮らす外国人が担当するため、ネイティブの発音で聞くことができ、興味深い企画だった▼絵本は日本語訳も読まれるが、外国語で読み聞かせを聞く機会がほとんどないので、とても面白い。全く理解できないポルトガル語や中国語も、絵を見ながら想像を膨らませる。絵本の新しい楽しみ方ができた▼正座して聞いていた男の子。身動きせず、じっと絵本を見つめていた。男の子の耳に、心に、外国語の読み聞かせはどのように届いたのだろう。(村上記者)
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7月豪雨による被害状況と対応
伊那建設事務所は26日、7月豪雨に伴う道路・河川の被害状況と対応を発表した。
今回の大雨で上伊那では、国道・県道の延べ17路線が通行止めとなり、26日現在でも5路線で通行止め個所がある。
橋脚が沈下した伊那市西春近沢渡の殿島橋は、8月4日までに近くの春近大橋の両側に歩道を設置して迂回路を確保。沈下した橋脚2基とその上部約60メートルは、30日までに撤去する。最終的には残った橋も撤去する。
伊那市高遠町の中山松倉線は、信州高遠青少年自然の家手前200メートルの地点で道路が決壊しているが、28日までに決壊個所の横へ幅4メートル、延長70メートルの仮設片側迂回路設置する。
辰野町の国道153号読本水は仮設道路が完成し、25日から通行止めを解除。国道361号線伊那木曽連絡道路の神谷地点の通行止めは、26日に解除した。
箕輪町の国道153号バイパスは、当初の予定より復旧工事が遅れており、31日までに相互通行ができるように整備を進める。 -
天竜ふるさとまつり8月26日に
第18回天竜ふるさとまつり(実行委員会主催)が8月26日に駒ケ根市の天竜川や天竜かっぱ広場などを会場に開催される。多くのチームが手造りのいかだで天竜川を下る呼び物の「かっぱのいかだ下り大会」のほか、演芸大会、花火大会、魚のつかみ取り大会などが多彩に催される。天竜かっぱ広場のふるさとコーナーでは地元の農産品や飲食の屋台が多数軒を並べる。
問い合わせは市役所東伊那支所(TEL83・4001)内の実行委員会事務局へ。 -
ながた自然公園利用中止続く
箕輪町のながた自然公園は、長雨による被害でテニスコート西の法面崩落やマレットゴルフ場の自然公園コースの出水などの被害を受け、利用できない状態が続いている。
利用できないのはキャビン、ツリーハウス、テントサイト、焼肉、アスレチック、マレットゴルフ場、テニスコート。
最も被害の大きいマレットゴルフ場自然公園コースは、一時は川のような状態になり、地面が崩れてトイレが落ちた。旧管理棟の小屋は地面の崩れが進行したため移動した。出水は現在も続いている。長田コースは大きな被害はないが、土砂が入り込んでいる。
公園を管理するみのわ振興公社は、危険個所にロープをはって立ち入り禁止措置をしたほか、水抜き作業などの対応をしている。
ながた荘、ながたの湯は通常通り営業している。 -
箕輪町松島北島地区の避難勧告解除
箕輪町は25日午前10時、天竜川堤防決壊により松島北島地区の一部に出していた避難勧告を解除した。これにより松島地区の避難はすべて解除になった。
北小河内の中村地区と久保南部竹の腰地区周辺の避難勧告は続いている。
中村地区と竹の腰地区の住民に対し午前8時、雨のため土砂災害の危険があるとして町が避難を呼びかけ、40世帯63人が北小河内公民館に避難した。中村地区の集落を通る町道は一時、5、6センチの水かさの土混じりの水が川のように流れたという。午前10時30分には帰宅を許可した。町保健福祉課は同日午後、中村地区に初めて消毒作業に入った。
町によると、19日未明に中村地区で発生した土石流は全長1300メートル、幅20メートル、3縲・万立法メートルの規模だったという。
土石流や崩落の被害があった上古田地区は25日午前10時現在、正全寺北の山の崩落危険個所は24日から変化はない。正全寺南の滝の沢は県が土のう積みを手配、上古田グラウンド北の山の田は県の手配で土のう積み作業をした。
これまでの町内の住宅被害(25日午後2時30分まとめ)は、一部損壊2件(中村地区)、床上浸水8件(中村地区)、床下浸水34件(北小河内、下古田、沢、富田、長岡、木下)の合計44件。このほか中村集会所が床上浸水、空家と工場兼住宅で床下浸水4件があった。 -
大芝高原まつりポスターなど図案表彰式
南箕輪村の第21回大芝高原まつりのポスター、うちわ、パンフレットの図案表彰式が24日、村民センターであった。唐木一直村長が一人ひとりに賞状と副賞を手渡した。
南箕輪中学校の美術わくわくクラブ員と希望者から18点の応募があり、6月の選考会でまつり実行委員長、顧問、実行委員会事務局の産業課長ら8人が選定し、最優秀賞3点、優秀賞4点、佳作11点を決めた。
唐木村長は、「大芝高原まつりを盛り上げてもらっている。すばらしい作品の応募をありがとう。今年は大芝高原音頭NEWヴァージョンができた。皆さんもぜひ参加してほしい」とあいさつした。
最優秀賞は全員が美術わくわくクラブ員の3年生。最優秀ポスター賞の的野真由美さん(14)は2年連続の受賞。「色が偏らないように工夫した。選ばれないと思っていたので意外だった」。最優秀うちわ賞の竹沢藍さん(14)は1年生の時にも同賞を受賞。「うれしかった。背景をいろいろ描きたかった。1年の時よりよくなったと思う」。最優秀パンフレット賞の北原麻衣さん(14)は初受賞。「最後なので選ばれてうれしかった。影をつけたり、お祭り、夏らしさ、大芝のシンボルを入れた」と話した。
ポスターとうちわは完成。ポスター200枚は村内の公共施設、飲食店、企業などに掲示。うちわ6千本は村内全戸に1本ずつ配る。パンフレットは今月末の完成予定。 -
伊那朗読の会が集い 平和の願いを語る
伊那市の朗読愛好者でつくる伊那公民館サークル「伊那朗読の会」(小林豊子会長)は22日夜、市内の飲食店・シャルマンで「平和を願う朗読の集い」と題した朗読会を開いた=写真。伊那市、箕輪町などから約30人の観客が集まり、「戦争と平和」をテーマとした朗読に耳を傾けた。
観客と共に戦争について考え、見直すことを目的とした年一回、5回目の集い。葉祥明の「アンネのバラ」、はまみつをの「白いマフラー」など、戦争に関する詩集や絵本などを会員10人が気持ちを込めて朗読した。
観客は考え深げに目を閉じ、語り部の話に集中した。「戦争のことについて考え、平和を祈りたい」などと感想を述べ、戦争を振り返りながら、お互いが平和について、話し合う姿も見られた。
伊那朗読の会は伊那公民館で、毎月第3木曜日の午後7時30分から例会を開く。入会などに関する問い合わせは、事務局コマ書店内(TEL78・4030)へ。 -
伊那の降雨量400ミリ超える
伊那市の定例記者会見が25日開かれ、小坂市長らが梅雨前線の影響による被害状況などを報告した。
小坂市長は「避難勧告や避難指示を出したが、幸い人身が1件もなかった。災害で感じたのは、避難所によってテレビやケーブルテレビがないところがあり、不安解消のため、避難者は情報がほしいだろうと思う」と述べた。反省材料に、災害場所を確認して指示を出す、国・県・市の役割を明確にするなどを挙げた。
また、自主的な避難で強制力のない避難勧告と、強制力がある避難指示の基準がなく、今後、住民に理解してもらう必要があるとした。
そのほか、土砂崩落のあった西春近沢渡柳沢、橋脚の一部が沈下した殿島橋、高遠町藤沢松倉など写真を示しながら現状を報告した。
避難勧告の対象者は3565世帯9900人、避難指示は2102世帯5412人だった。
浸水被害(24日現在)は、床上浸水が2、床下浸水が56、庭先のみ13。半数以上が山寺区だった。
農作物被害は調査中。
東春近にある伊那観測点(アメダス)の降水量は15縲・1日で416ミリ、15縲・4日で437ミリ。西春近は、これ以上降ったのではないかとみている。 -
休耕田でハスを栽培 茅原英男さん(69)
伊那市山寺区前橋町のJR飯田線沿いに広がる、休耕田のハスの花が見ごろを迎えている。白や赤、ピンク色の直径20センチの大輪の花が咲く、8・2アールの肥よくな土地。花の香り漂う田んぼには、メダカやトンボもいて、見物人が集まる、街中の憩いの場になっている。
「尖った錐(きり)のような芽を伸ばすと、蕾(つぼみ)を膨らませる。季節を感じて花を咲かせる生物の生命力に元気をもらう」
◇ ◇
ハスの栽培に興味を持ったのは、1996(平成8)年元旦のことだった。茨城県土浦市の友人が毎年、送ってくるレンコンに舌鼓を打ちながら決意した。早速、友人から取り寄せたレンコンの苗8株を自宅東側のほ場の一角へ植えた。
2年後には、水田の生産調整対策によりすべてを休耕田に。再び、友人から取り寄せた苗に園芸品種などを加え、全面に栽培し始めた。
ハスの地下茎はレンコン。その繁殖力は驚くほど旺盛で、1年で田一面に広がった。花茎は2メートル近くまで伸び人の背丈を越え、深緑色の葉は直径50センチと顔を覆う大きさ。季節になると次々と花が咲く様子は毎年、感動するという。 -
児童ら 工夫こらして作陶に夢中
伊那市の西箕輪公民館事業の陶芸教室が22日、同公民館であった。恒例事業に本年も多くの小学生らが集まり、それぞれ趣向を凝らした作品づくりに取り組んでいる。
小学校の週休2日制対策として、6年目を迎える。毎年定員20人のところ、参加者の応募が上回る人気の教室。本年は園児から70歳以上の高齢者までの25人が受講している。
この日は本年2回目。粘土を練って、紐(ひも)状にして皿などをつくる技法「ひも作り」を、同公民館サークルの陶芸クラブ代表で辰野西小学校教諭の野口輝雄さん(54)=西箕輪大萱=から学んだ。
野口さんから「粘土を乾かさずに素早く巻く」ことを知った受講生らは、頭の中のイメージを膨らませ、皿や花瓶づくりに夢中。西箕輪小5年生の原朱花ちゃんは表面が滑らかな皿を製作し「自分でつくった料理を乗せたい」と喜んだ。
陶芸教室は月平均2回で、11月までの全7回。同教室で手掛けた作品は10月に素焼きし、11月に本焼をする。次回9月9日は「タタラ作り」による皿物をつくる予定となっている。 -
上空から土砂崩落現場などを視察
伊那市で23日、自衛隊のヘリコプターによる上空からの土砂崩落現場などの視察があった。地域住民に避難勧告が出ている高遠町藤沢松倉地区で、新たな崩落個所は見つからなかった。
ヘリには小坂市長をはじめ、消防や広報担当者らが搭乗。土砂流出があった西春近の前沢川、橋脚が一部落下した殿島橋、松倉地区などを約1時間かけて回った。
中央道下を横切って流れる前沢川は、中央道から上流約1キロにわたり、川沿いに細く土石流や流木があった。中央道で土石流を食い止めたことで、西春近柳沢地区への被害が大きくならなかった様子を確認した。
そのほか、犬田切川上流などでも小規模な崩落があった。長谷に被害はなかった。
小坂市長は「総体的に見て西春近の被害が甚大である。早急に対応しなければ、また崩れてしまう」と話した。
視察は、自衛隊の災害地における対策の一環。避難勧告などに役立ててもらうねらいで、上伊那3市町であった。 -
おはなしドキドキぱーくINみなみみのわ
南箕輪村の村民センターで23日、おはなしドキドキぱーくINみなみみのわがあった。子どもや親子が大勢訪れ、マジックショーを見たり、たくさんの絵本やお話にふれた。県教育委員会、県立長野図書館、南箕輪村教育委員会、村図書館などの主催。
「魔法使いアキット パフォーマンスショー」は、SBC「Uパレード」にレギュラー出演している橋本アキットさんが、最高7個までのボールでジャグリングをしたり、子どもを風船で作った剣などで剣士に変身させたり、マジックを披露するなど会場を楽しませた。魔法を教えるマジック講習会もあった。
「世界のおはなし会」は外国語で絵本を読み聞かせた。ポルトガル語は「赤いさる」、英語は「ガンピーさんのふなあそび」、中国語は「紅いカニ」。親子は、外国語で読まれるお話にじっと耳を傾けていた。
暗い部屋で「こわーいおはなし会」を聞いたり、インドネシアや南アフリカなど「世界のあそび」も体験。「おはなしパケット号」で1200冊もの絵本を自由に読むなどして楽しんだ。 -
北小河内久保南部竹の腰地区住民に避難勧告
箕輪町は24日午前7時、雨により土砂災害の危険があるとして、新たに北小河内久保南部竹の腰地区に避難勧告を出した。8世帯29人。午前10時、復旧作業をしていた中村地区と竹の腰地区の住民に避難を呼びかけ、南小河内公民館に避難した。午後3時、南小河内公民館を閉鎖し、北小河内公民館のみ開設している。
上古田地区では23日午後7時から24日午前8時まで、長雨による地盤の緩みから送水管が破損する恐れがあるため、町が給水を止めた。対象は237世帯785人。町は水の汲み置きなどの協力を求めたほか仮給水所を設置。上古田水源とは別の箕輪ダムからの水源を引く対応で、実際に給水が止まった世帯は少なかったという。 -
第22回斉藤杯争奪囲碁大会
日本棋院上伊那支部は23日、第22回斉藤杯争奪囲碁大会を伊那市のサンライフ伊那で開いた。
年5回ある大会の1回。先着32人による斉藤杯のトーナメント戦と、変則リーグ戦による一般碁会で、小学2年生から一般までの39人が対局した。
結果は次の通り(敬称略)。
◇斉藤杯トーナメント戦=(1)北村俊郎8段(2)寺田昭一5段(3)辻耀4段(伊那東部中2年)(4)井坪光夫初段◇Aクラス(3段以上)=(1)福沢秀伸5段(2)熊谷悦朗4段(3)梁取孝雄7段◇Bクラス(2段以下)=(1)渡部光彦2段(2)山崎洸5段(南箕輪小6年)(3)荒井保美2段 -
【記者室】豪雨竏樗ス省と教訓残せ
豪雨による災害で犠牲になった方々に心から哀悼の意を表したい。自然の猛威が過ぎ去ってみるとまるでうそのような平穏さだ。被害に遭った人にすれば、何事もなかったかのように動き始めた世の中と、以前と違ってしまった自分の暮らしの対比が一段とつらく悲しく感じられるのではないか▼この数日間というもの、国や県、各市町村の防災関係者らの苦労は大変なものだったろう。特に災害現場で対応に当たった多くの消防団員の働きは目立たないが大きかった。一息ついて英気を養ってもらいたい▼だが反省と教訓は残さなければならない。被害が起きるにはそれ相応の原因があるはずだ。今回経験した不安と緊張の気持ちを忘れず災害の予防に力を注いでほしい。(白鳥記者)
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KOMA夏!第4話「祭りだよ!全員集合」
駒ケ根市の夏を彩るKOMA夏!第4話&ゆかたまつり「祭りだよ!全員集合」は22日、市内中心商店街を舞台に開かれた。一般市民らによる20チーム・総勢約700人によるダンスパレードが歩行者天国となった広小路など中心商店街を舞台に華やかに繰り広げられたほか、光前寺の霊犬早太郎伝説から生まれた地元のヒーロー「スピード太郎」と敵役「ヒッヒー」の楽しいショーなどが多彩に催された=写真。
ダンスパレードではテーマソング『GO OVER』のリズムに乗せて各チームがそれぞれ趣向を凝らした振付やコスチュームのダンスを披露。沿道を埋めた市民は手拍子を取りながら個性あふれる踊りを楽しんでいた。
銀座通りやすずらん通りには多くの屋台が軒を並べ、繰り出した家族連れなどで夜遅くまでにぎわった。 -
花いっぱい推進協がサルビアなど植える
南箕輪村花いっぱい推進協議会は22日朝、大芝高原周辺の花壇でサルビアとマリーゴールドの苗を植える作業に精を出した。
みちくさの会、老人クラブ、商工会女性部・青年部、郵便局、信州大学農学部の学生、村の互助会などから約70人が参加した。広域農道沿い、屋内運動場駐車場近く、愛の鐘の3カ所の花壇で作業した。
花苗は上伊那農業高校の生徒が育てた赤色のサルビア3千本、マリーゴールド2千本。広域農道沿いの花壇には、穴を掘る、苗を配る、植えるなど作業を分担し、3列で道路側にサルビアを2列、残り1列にマリーゴールドを並べ、花が咲くのを楽しみに丁寧に植えた。 -
かんてんぱぱで笑顔を届ける絵手紙展
伊那市西春近のかんてんぱぱホールで22日から、ゆう絵画教室(坂本勇代表)の「笑顔を届ける絵手紙展」が開かれている。日常の出来事などをテーマとした163人の1080点が、訪れた人たちを楽しませている=写真。
これまでも、各教室ごと作品展をしてきたが、教室開始10年を迎え、箕輪町から駒ヶ根市にある16教室の合同展を決めた。これほど大規模なものは初めて。
受講者は40縲・0代の主婦が中心で、公民館で講師を務めるベテランから、はじめて半年の初心者までさまざま。はがきだけでなく、巻紙やカレンダー、扇面など身近なものに描いた作品が一堂に並んでいる。
テーマには、季節の訪れや孫の愛らしさなどを取り入れており、それぞれの思い入れが感じられる。
坂本さんは「一人ひとりの個性も出てきた。手紙としてだけではなく、こんな楽しみ方もあるんだということを見てほしい」と話していた。
入場無料。午前9時縲恁゚後6時(最終日は午後5時)。30日まで。 -
北小河内中村地区
住民とボランティアが土砂の除去作業土石流災害のあった箕輪町北小河内中村地区で22日、ボランティア約250人が住民と共に土砂などの除去作業に取り組んだ。
ボランティアは、北小河内区民200人余と、県が災害支援のため派遣した県職員40人。竹の腰グラウンドの200メートル手前までしか重機が入れず、生活道路約500メートルの間で作業した。
個々の住宅敷地内に入り込んだ土砂をスコップ、くわ、バケツなどでボランティアが道路までかき出したり、水路にたまった土砂を引き上げ、町建設業協会の重機でトラックに積んで北小河内神社脇に運び出した。布団や畳、屋内や庭のごみなどは空き地に運んで分別した。
被災した施主を心配してかけつけた工務店も、急ぎ社員や外注業者を集め20人余が土砂除去作業に協力した。
区役員は、「土砂で家に入れない人もいた。土砂があるだけでも滅入ってしまう。ボランティアの協力で少しでも元の生活に戻れるようになれば」と話した。
住民の男性(67)は、「日にちと時間の感覚がなくなってしまった。今は、開き直って後のことは考えないようにしている。避難所で食事のお世話をしてもらって、区の方も手伝ってくれて申し訳ない」と話していた。
北小河内公民館では18世帯54人が避難生活を続けている。23日は、町消防団第6分団が作業する。 -
伊那市高遠町藤沢 御堂垣外に避難指示解除 松倉は避難勧告に切り替え
伊那市は22日午後1時、高遠町藤沢の御堂垣外地区(91世帯225人)に出していた避難指示を解除した。松倉地区(40世帯117人)は避難勧告に切り替え、避難場所を藤沢多目的集会施設から松倉生活センターに変更した。
県は松倉川上流に土石流感知センサーを設置する方向。国交省は上流部に照明車2台・衛生通信車を配備して映像で監視し、消防団・行政などが現場に詰めている。今後、雨の降り方、監視の状態を見ながら、必要な対応策をとる。
午前中、信州大学農学部森林化学科の北原曜教授らが松倉川沿いの危険個所2カ所を調査。
崩落が懸念される下流部に問題は見られなかったが、松倉地区から1・1キロほど離れた上流部では、松倉川の斜面を数百メートル上がったところに、クラック(割れ)が2本あった。クラックは長さ50縲・0メートル、最大落差2メートルで、地盤がずり落ちた感じという。
北原教授は、川のこう配が緩く、広いたい積地があるため、それほど大きな被害は発生しないと予測するが、大雨で崩れる危険性はあるとした。
松倉地区でも松倉川の水面から高さ10メートル以下は危険だが、高台にあるところは問題ないという。
22日現在で、避難勧告が出ているのは松倉地区のほか、高遠駅付近の2世帯4人。 -
床上・床下浸水住宅の消毒始まる
箕輪町は22日、床上・床下浸水被害のあった住宅に、病原菌などへの対応のため消毒作業をした。
浸水被害のあった家屋は、赤痢などの感染病の発生を防ぐため、消毒が必要になる。山から流れた水は、山中には動物の死骸などがあり病原菌の心配があるという。
区を通しての取りまとめと、町広報の呼びかけで申し込みがあったのは19件。
町保健福祉課職員が下古田地区から作業を開始。住宅の周りに噴霧器で消毒液を散布し、その上から石灰をまいた。沢、長岡、木下、富田地区でも作業した。 -
中央道、杖突峠など通行止め解除
梅雨前線の影響で、一部区間で通行止めとなっていた中央自動車道、長野自動車道が22日午前6時半、解除された。一部で車線の規制があるため、注意を促している。また、国道152号(杖突峠)は解除になっているが、雨量によって規制がかかる。
上伊那の交通情報は次の通り。
【通行止め】
◇国道▽153号(辰野宮所)▽152号(分杭峠)
◇県道▽中山松倉線▽車屋大久保線▽高遠芝平線(宮下縲恍C尾)▽伊那駒ケ岳線(ねずみ平のバス停縲恣烽フ萱バス停)
◇市町村道▽沢渡北丘線(西春近郵便局西側)▽稲持大松河原線▽三峰川線▽黒河内線▽女沢線▽棚沢川南線(伊那北保育園北側)▽吹上大泉新田河原線(清水工業前)▽白沢9号(小出三区集落センター前)
◇橋▽殿島橋▽小屋敷橋
【JR飯田線】
◇伊那新町縲怏ェ谷間運休 -
パステル画・油絵サークル「楽画喜の会」作品展
洋画家の坂本勇さん(61)=伊那市美篶=が講師を務めるパステル画、油絵サークル「楽画喜(らくがき)の会の展示会は25日まで、同市駅前ビルいなっせ2階ギャラリーで開いている=写真。心を和ませる優しい色合いのパステル画が多く並び、来場者の注目を集めている。
坂本さんが駒ヶ根市縲恂・輪町の16カ所で開く絵画教室の中で、パステル画、油絵を専攻する受講生でつくる集まり。展示は、いなっせでは初めてとなり、今回で6回目を迎える。
講師を含めた14人が、一人3縲・点の合計54点を出品。鮮やかな赤色が映える紅葉や、画面いっぱいのヒマワリの花などの風景、静物画がある。
それぞれ自分のテーマを追求した作品ばかりで、受講生が「一生懸命に描いた深みのある絵が集まる」(坂本さん)。「おのおのが楽しく描いている様子を思い浮かべて見てもらえれば」と来場を呼び掛けている。
本年は坂本さんが絵画教室を始めて10周年記念の年。伊那市西春近のかんてんぱぱホールでは絵画教室内の絵手紙の作品展が22縲・0日、同時開催している。
入場無料。午前9時縲恁゚後6時(最終日は午後4時)。 -
久しぶりの晴れ間 市民プールに水しぶき
梅雨前線が南海上へ下がり、強い日差しが戻った22日、伊那市民プールに子どもたちの笑顔が帰っていき=写真。子ども連れの親子など314人が久しぶりの晴れ間を見て、プールに足を運んだ。
市民プールは梅雨前線などの影響で16竏・9日、21日を閉場し、20日は営業したが、利用者はいなかった。
この日は最高気温27・4度と平年並みの気温。利用者はボールや大きな浮き輪を使って水遊びをする児童らの姿が広がった。
伊那市上新田の30代主婦は長女(10)、二女(8)を連れてプール遊び。「外に出れなかったので開放感を感じている。天竜川の増水で水の怖さを知りつつも、プールは良い学習の場になる」と我が子の笑顔に目を細めた。
飯田測候所によると、今後も早々には晴れ間は臨めそうにない。 -
駒ケ根市内の金融機関浴衣姿で応対
窓口で涼しげな浴衣姿の女性が応対竏秩B駒ケ根商工会議所の呼び掛けに応じて21日、駒ケ根市内の主な金融機関の各店舗で女性職員が浴衣で業務に当たった。
アルプス中央信用金庫赤穂東支店では5人の女性従業員がそれぞれ浴衣を着て接客=写真。「普段着慣れないのでちょっと窮屈。少し動きづらいが業務への影響はない」と笑顔で話した。
訪れた客は「夏らしくていいね」「華やかで店内が明るくなったようだ」と笑顔を見せていた。 -
ネパール交流市民の会総会
ネパールとの交流を通じて友好を深めようとする駒ケ根市民らでつくる「ネパール交流市民の会」(塩原順四郎会長)は20日、第8回総会を駒ケ根駅前ビル・アルパで開いた。会員ら約30人が出席し、ポカラ市からの中学生受け入れや駒ケ根市民のポカラ市訪問などの計画を承認した。
計画によると▽ポカラ市の中学生5人と校長など計8人の訪問団を8月24日から29日にかけて市に受け入れ、ホームステイ、体験交流、学校訪問、市内観光などをしてもらう▽秋までに駒ケ根市民20縲・5人の訪問団を結成し、11月11日縲・9日にかけてポカラ市を訪れる竏秩B
塩原会長は「混乱していたネパールの情勢も平穏を取り戻しつつあり、中断していた交流が再びできるようになった。今年はポカラ市との友好都市協定締結5年目の節目の年。記念イベントに積極的にかかわっていきたい」とあいさつした=写真。
名誉会長の中原正純市長は「市民に呼び掛けて秋にもポカラ市を訪問したい。私自身もできれば参加し、さらに友好関係を深めたい」と述べた。 -
大雨によるイベントなどへの影響 - 駒ケ根市
駒ケ根市では大雨による被害は少なかったが、被災した近隣市町村への配慮から22日開催の夏祭り「KOMA夏! &ゆかたまつり」での市長ら公職関係者のあいさつなどを自粛する。
23日開催予定の市民総合体育大会は全種目とも予定通りの時間、会場で実施できる見通し。
市内で開催予定だった次のイベントが中止になった。
▽19日=第36回上伊那郡市献血推進大会(市文化会館)▽20日=建設事業関係功労者表彰式(天竜川上流河川事務所)▽21日=駒ケ根市竜東地区農業集落排水施設しゅん工式▽22日=水生生物観察会(おもしろかっぱ館)▽23日=第53回上伊那郡市母子寡婦福祉大会(市文化会館) -
避難所住民みはらしの湯へ
19日までの大雨で西春近北小学校、西春近南小学校で避難所生活を続けていた住民らが21日、西箕輪の日帰り温泉施設「みはらしの湯」で入浴をした。
県は20日、被災者救援のために各地へ「避難所お助けコンシェルジュ」を派遣した。その時、現地で入浴を希望する声があったため、県が市へ相談。県が送迎バスを出し、市が入浴チケットを提供する形で、20日夕方から入浴サービスを提供し始めた。
20日から21日午後までに約25人が利用。避難所生活を余儀なくされているお年よりなどは「良いお風呂でよかった」などと話しながら帰っていくという。
みはらしの湯の唐澤壽男支配人は「地域の人が困っている時。少しでも協力できれば」と話していた。 -
伊那建設事務所が通行止め道路と復旧見通し、迂回方法を発表
伊那建設事務所は21日、現在交通止めとなっている道路の個所とその復旧見通し、迂回方法と現在の対応策を発表した。
大雨に伴う災害などの影響で全面通行止めとなっている国道は3カ所。
横川川の洗掘で通行止めとなっている辰野町読本水の国道153号は、流れの激しい川側に1トン土嚢を積み、山側は砕石で埋めたてるなどして暫定道路を来週中に復旧する。
木曽側の土砂崩落のため通行止めとなっている国道361号伊那木曽連絡道路は、22日午前8時から県道蛯名奈良井線を使って国道19号奈良井へ通行可能とし、松本方面との交通路を確保する。
松倉川沿いの2カ所で土砂崩落があった国道152号伊那市高遠町御堂垣外(杖突峠)は、通行止め解除の見込みは未定だが、諏訪辰野線有賀峠で普通車に限り片側交互通行が可能となっているため、普通車の人はこの路線での迂回が可能となっている。
通行止めの影響で各地で渋滞が発生しているが、県では県外から入ってくる車に早い段階で迂回を促したり、上伊那の交通情報をラジオで流すなどして事態緩和に努めている。 -
箕輪町・上古田で斜面崩落など大雨災害依然
箕輪町では21日も、山や土手の崩落などの情報が役場に入っている。
上古田グラウンド西の山では、斜面が崩落した。土砂や、なぎ倒された木々が流され、下流の休耕田が土砂に埋まった。
崩落した斜面は、西部箕輪土地改良区の畑地かんがい用水用ため池の西。山に入った地元住民が20日に発見し、区長に連絡した。斜面が大きく崩れ、木が何十本と倒れたほか、沢が深くえぐれている。発見した住民は「本当にびっくり。このまま被害が止まってくれればいいけど」と話していた。
箕輪町は21日午前9時、松島の北島地区以外の地域に出ていた避難勧告を解除。午後5時、北島地区の避難指示を避難勧告に切り替えた。北小河内中村地区は避難勧告が続いている。
国道153号線バイパス(松島交差点から熊野坂下交差点)は午前9時に全面通行止めを解除し、約200メートル区間の片側交互通行になった。