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風力発電事業は規模縮小
伊那市の入笠山縲恷ュ嶺高原への風力発電事業計画に対する「希少猛きん類等への影響評価検討会」の第4回会議が2日、市内高遠町であった。民間事業者が当初計画した延長11キロの範囲から7キロに規模を縮小する結論を出した。事業者は今後、事業として成り立つのかを含めて検討する。
前回(9月)、データが不足していた05年5月縲・7年6月の飛翔集積図、出現頻度図など総合的な資料を示した。イヌワシ、クマタカの繁殖が確認されており、計画地の一部が狩り場など高頻度利用域に入る。
委員から「バードストライク(渡り鳥が風車に衝突する事故)対策の実施で、風力発電と共存できるエリア」と評価する一方、「出現頻度からクマタカの行動エリアに入る。風力発電建設で狩り場となり、バードストライクが起きると推測する」と事業をやめるべきと主張する意見とに分かれた。
委員長の信州大学教育学部教授・中村浩志さんは、イヌワシやクマタカの高頻度利用域である南北3キロをはずした規模縮小案を提示。「猛きん類を考えると、風車は設置しないほうが良いに決まっているが、自然保護、人間生活から自然エネルギーを取り入れざるを得ない。社会的な要請」とした。
それでも委員の意見は分かれたが、規模縮小案は猛きん類への影響が比較的少ないと判断。同意を得た。
民間事業者・三峰川電力の酒井宗二社長は「今後、事業性、風車の本数や間隔など検討する。山間地の風力発電事業のモデルケースとしたい」と述べ、自治体に対して「説明して理解を得られるように努力する」とした。
検討会は06年6月、三峰川電力と丸紅が設置。委員5人が事業実施に伴う渡り鳥、希少猛きん類に関する影響評価を審議した。 -
みはらしまつり開催
伊那市西箕輪の農業公園「みはらしファーム」で3日、「秋は実りのみはらしまつり」があった。収穫したばかりの地元野菜や果物がずらりと並んだほか、もちつき大会やリンゴの皮むき競争などさまざまなイベントが催され、訪れた人たちを楽しませた。
「実りの秋」に合わせて毎年開催しているイベント。野菜が釣れる「みはらし釣り堀」や羽広荘の宿泊券などが当たる「福足しまつり抽選会」など、みはらしファームならではのイベントも盛りだくさんで、毎年多くの人でにぎわう。
今年も「みはらし」にちなんだ38・4メートルの長巻ずしづくりに挑戦。家族連れなど100人が一列に整列し、今年収穫したばかりの新米コシヒカリ24キロを敷きつめたのりと一緒に具材のキュウリ、干ぴょうを一斉に巻き込むと、長い巻きずしが出来上がり、拍手が上がった。
出来上がった巻きずしは参加者や来場者に配られ、子どもたちは「おいしい」と話しながら出来上がったばかりの巻きずしを口いっぱいにほうばっていた=写真。 -
明日葉の会がお花寿司作り
箕輪町内の一人暮らしの65歳以上を対象にした明日葉の会は29日、交流会を町保健センターで開き、参加者がお花寿司を作り皆で味わった。
一人暮らしの町民同士の情報交換や交流を目的に年3回開く。1回目はバスハイクで今回2回目。
地区別に3日間に分けて開き、この日は27人と民生委員6人が参加した。
お花寿司は「角ずし」と「空飛ぶトンボ」の2種類を、町のボランティアグループ「箕輪お花ずしの会」(原美代子代表)が作り方を教え、皆で作った。出来上がった太巻きを切り、きれいなトンボが現れると、参加者は拍手し「こんなお寿司ができてうれしい」と喜んでいた。
町食生活改善推進協議会が準備した汁物や煮物と一緒にお花寿司で昼食会を楽しんだ。 -
地域医療を学ぶ研究集会
昭和伊南総合病院(千葉茂俊院長)の産科が来年3月いっぱいで休止となる事態を受けて駒ケ根市職員労働組合(竹内啓剛執行委員長)は31日夜、自治研究集会「地域医療の現状と課題を学ぶ 危機的状況の地域医療を崩壊させないために」を市役所南庁舎で開いた。市職員のほか一般市民など約50人が集まり、千葉院長の説明を聞いて意見を述べ合った。
千葉院長は産科医師の全国的な不足や産科休止に至るまでの経緯について詳しく説明=写真。「すべての原因は医師不足。特に産科は激務や訴訟の多さからなり手がない状態だ。昭和病院では医師確保に全力を挙げているが、信大にも産科医師が足りない状況でどうにもならない」と切実な医師不足の現状を説明し、産科休止についての理解を求めた上で「上伊那の医療を守るためには医療人全員の協力が不可欠。今後は病院同士や地域の開業医との連携がどうしても必要になる」と訴えた。
参加者は「知らないうちにこんなことになってしまってショック」、「何とかしてほしい」などと話し合っていた。 -
南箕輪村消防委員会
南箕輪村消防委員会は31日、村役場で開き、村内に配備する自動車ポンプの台数を現行通り3台とし、老朽化に伴い更新の要望が出ている北殿の車両について、地元区の分担金を15%とする委員会の方針を決めた。村消防団の各分団の定員改正案も了承した。
自動車ポンプは現在、田畑、北殿、大泉に配備している。05年に田畑が更新。北殿は92年購入車両で区から村に対し新車両購入の要望がある。
村の消防機械器具等整備事業分担金徴収規則では地元の分担金を30%と定めている。田畑の更新時は国の補助制度があり地元分担金は15%だったが、現在は制度が廃止されている。協議の結果、区の公平性の観点から分担金を15%とすることを決めた。
村は委員会の決定に基づき規則を改正し、自動車ポンプ購入費用を来年度予算に盛り込む予定。
村消防団の各分団の定員については、全体の定員230人は変更せず、各分団の定員数を第1分団を削減、残り4分団を増員する分団長会の改正案を了承した。
防災無線のデジタル化については、1年間かけて検討する研究委員会を来年度に立ち上げる村の提案を了承した。 -
08年度高校入学志願者第1回予定数調査の結果を公表
伊那北普通科3.1倍、箕輪進修募集人員達せず県教育委員会は1日、10月16日に実施した08年度の高校入学志願者第1回予定数調査の結果を公表した。それによると、08年度の上伊那の公立高校志願予定者数は前期1012人、後期1482人。募集人員は11月6日の教育委員会定例会で決定するため今のところ未定だが、07年度の入学募集定員と08年度入学者前期選抜募集枠(9月11日発表)から、算出した仮の募集人員で志願者倍率を見ると、前期で伊那北普通科の3・1倍、後期で伊那北の理数科の8倍が最も高くなっている。一方、高校改革プランに伴ない08年度から開始となる多部制・単位制高校「箕輪進修高校(仮称)」は、普通科、工業科のいずれも募集人員に達していない。
調査は前期、後期それぞれで志望校1校を調べ、前期は公立のみ、後期は私立、高専、県外志願、未定なども含んでいる。
依然として普通科志望が強く、予定者の約6割が普通科を志願している前期では、伊那北3・1倍、伊那弥生ヶ丘の2・8倍、赤穂の2・5倍と続いている。また、後期でも約7割が普通科を志願している。
箕輪工業高校と上伊那農業高校定時制を統合して08年度から開始する「箕輪進修高校(仮称)」については、現段階では募集定員が空欄となっているが、「多部制・単位制」という新しい形態への警戒感からか前期、後期とも志願予定数が募集人員に達していない。 -
伊那市で病後児保育、休日保育はじまる
伊那市は1日、病後の回復期にあり、集団保育が困難な状態にある園児を一時的に預かる「病後児保育」を開始した。現在の登録者は28人。市によると、仕事を長期間休むことが出来ない家庭の申し込みなどが多いという。
育児と就労の両立支援と子どもの健全育成を目的として取り組む病後児保育は、入院などの必要はないが、安静にしていなければならない状況に子どもがあり、仕事などの都合で保護者が対応できない場合、利用することができるサービス。保育園に在籍する満1歳以上の園児が対象で、利用は事前登録制となっている。
今回の開始に合わせ、同保育を実施する西箕輪診療所内に特別保育室を設置。対応は子育て支援課の保育士が担う。保育時間は午前8時縲恁゚後6時(土日、祝日を除く)。利用料は無料から1時間千円まで。
同じくこの日開始となった「休日保育」にも11人が登録。こちらは仕事など、やむを得ない理由で日曜日や祝日に休みが取れない家庭に対し、休日の保育を提供するサービスで、市内保育園に在籍する園児が対象。上の原保育園で実施していく。
また、申請があった場合、本当にその家庭がこのサービスを必要としているかを厳正に審査し、保護者の責任放棄などにつながらないよう努めていく。
保育時間は午前7時半縲恁゚後7時。1時間の利用料は1歳児500円、2歳児400円、3歳児以上300円となっているが、休日保育を利用する前後1週間の平日に児童が振り替えの休日を取得できた場合は保育料を徴収しない。 -
青少年の健全育成願いトーテムポール制作
宮田村の住民有志でつくる「芽ぶきの会」(細田悦子代表)は今年も、地域みんなで子どもたちを育むシンボルにしようと、トーテムポールの制作に励んでいる。
同会は昨年も制作し、村民会館前の広場に設置。各地区の公園などに設け、シンボルとして広めようと、今年も2月にヒノキを伐採した。
乾燥させた後、9月から本格的に制作を開始。想いを寄せながら仕上げている。
制作途中だが活動を多くの人に知ってもらおうと、3、4日の文化祭に展示も予定している。 -
小田切さんが普賢菩薩を完成
ほほ笑み地蔵や民話をテーマにした人間味のある作品で親しまれている伊那市西春近の木彫家、小田切恵子さんはこのほど、一刀彫「普賢菩薩」を完成させた=写真。
高さ20センチ、諏訪形の諏訪社の境内にあったケヤキの古木の根元の部分を用いた。
ハスのつぼみをくわえ、優しく愛くるしい瞳の小象の上に、小田切さん独特のほほ笑みを浮べた普賢菩薩像が乗っかっている。
普賢菩薩を彫ったのは初めて、国宝級の仏像や気に入った仏像の写真を参考にした。ゾウは「ダンボ」をイメージし、インターネットで動物園のゾウを検索したり、本の挿絵からもヒントを得たという。
5年前、東京銀座で開いた個展で世話になったコマツの小坂敬社長に感謝の気持ちを込め、小坂社長の守護神である「普賢菩薩」を贈ることにしたとか。
制作を思い立ってから仏教関係の本を10冊余を読み漁り、普賢菩薩について学び、彫り進める中で、「自ら善業を積み、それによって得た功徳を全ての生きとし生けるものに恵もうと努める、慈悲と回向の菩薩行に行きついた」という。
「私が初めて彫った普賢菩薩を見て、小坂社長さんがにこっとしてくれればうれしい」と話していた。 -
健康と福祉を考える集い「寄り合いの庭」
伊那市の西箕輪社会福祉協議会主催の健康と福祉を考える集い「第12回寄り合いの庭」が28日、西箕輪公民館であった。認知症防止の講演会や展示、出店でにぎわった。
メタボ撃退クイズ、アロママッサージ体験、介護保険情報や栄養食品の展示のほか、煎茶サービス、子どもたちによる抹茶サービス、伊那養護学校の作品展示と製品販売、バザー、西箕輪中学校吹奏楽部の演奏などがあった。
講演会は、公民館活動の「西箕輪脳イキイキ講座」の生みの親でもある浜松早期認知症研究所代表で金子クリニック院長の金子満雄さんが、「地域ぐるみでボケ防止」を話した。 -
上伊那地域「信州縦断キッズスポーツキャラバン」
箕輪町で柳沢運動プログラムなど親子で伊那教育事務所主催の上伊那地域「信州縦断キッズスポーツキャラバン」は27日、箕輪町内の小学1・2年生と保護者を対象に箕輪中部小学校体育館で開いた。91人が参加し、柳沢運動プログラムや親子遊びで楽しく体を動かした。
柳沢秋孝松本短大教授の柳沢運動プログラムと、親子元気アップ体操などを通して、遊びや体を動かすことの魅力を伝え、健康な心の発達と体力運動能力の向上をねらう事業で今年が3年目。上伊那地域の開催は2年目で、本年度は駒ヶ根市、伊那市、箕輪町を対象に開いた。
柳沢運動プログラムは運動保育士が指導。子どもの体力作りに必要な支持力、懸垂力、跳躍力を鍛えるように考えられたプログラムの中から、片足くまさんで鈴をつけたひもを音をさせないように通り越したり、跳び箱や側転にも取り組んだ。保護者も一緒に挑戦し親子で楽しんだ。
ダンスエクササイズ「アイーダアイダ」や親子元気アップ体操などは伊那教育事務所の小林高志さんが指導した。小林さんは、「体力づくりやコミュニケーションになる。家でも親子で遊んでほしい」と話した。 -
箕輪手話サークルきのこ会
箕輪町で活動する箕輪手話サークル(工藤美由貴会長)は28日、「きのこ会」を箕輪ダム下の公園で開いた。静岡市の手話サークルも参加し、秋の味覚を堪能しながら交流を深めた。
恒例の「きのこ会」で、サークル会員と地域で暮らすろうあ者の29人が参加。交流している静岡市清水区手話サークル「たつの子会」からも7人が訪れた。
会員の一人が毎年地元の山でキノコを調達しているが、希望者も一緒に山に入りキノコ採りも楽しんだ。
料理の主役はマツタケご飯、きのこ汁。秋空の下、36人が輪になって香り豊かなキノコ料理を満喫し、手話で自己紹介したり、レクリエーションをして楽しく過ごした。 -
箕輪町郷土博物館の松の木でハトが子育て
箕輪町郷土博物館の黒松に、ハトが巣を作り子育てをしている。
敷地内の樹木のせん定をしていた町職員が見つけた。3本の黒松が隣り合って植わっているため枝や松葉に隠れて地上からは見えにくいが、ヒナは体長10センチほどで、2羽が仲良く顔をそろえて巣の中から外を眺めている。
日本野鳥の会会員の原一彦さんによると、ハトはヒナにピジョンミルクを与えて育てるため、種類に限らず通年繁殖が可能だという。
敷地内の松の木にハトの巣を見つけたのは今回が初めて。町職員は「巣立つまで見守ります」と、松のせん定作業はしばらくお預けとなった。 -
恒例のトリムバレーリーグ戦 長谷中学校で開幕
伊那市の長谷公民館が健康増進などのために開く、トリムバレーボールリーグ戦が29日夜、長谷中学校体育館で開幕した。10年ほど続く行事で、本年は8チームが11月26日までの5日間の日程でプレーを楽しむ。
長谷地区在住者や在勤者を対象に小学4年生から60歳代までの約50人が参加した。チームは家族や友人などのグループで構成していて、長谷総合支所で働く旧伊那市、高遠町在住の職員も出場している。
それぞれのチームが声をかけ合いながら息の合った連携を見せたり、互いに見合ってしまいボールを落としたりしながら日ごろのストレス解消、健康づくりを目的に気持ちのよい汗を流している。
長谷中学校体育館でトリムバレーボールリーグ戦開幕 -
認知症を考える講座
認知症への理解を深めてもらおうと駒ケ根市は31日、一般市民を対象にした「認知症を知る講座 基礎編」の第1回講座を市役所南庁舎で開いた。約50人が集まり、諏訪市の県介護センター所長丸山直道さんによる講義「認知症高齢者の正しい理解と私たちの役割 大切な一人ひとり」を聴いた=写真。「88歳になる母がアルツハイマー性認知症。誰にとっても人ごとではない」という丸山さんは認知症の現状や原因などについて説明した上で、認知症の人への対応について「介護する側からされる側に立場が変わったつもりで考え、かけがえのない一人の人間として接する気持ちが大切だ」と訴えた。
講座は11月15日にも開かれ「認知症支援劇」や「認知症の方への接し方」などの講習が同会場で行われる。 -
いきいきフォーラム
「第12回あなたとわたしのいきいきフォーラム 男女共同参画社会づくりに向けて」が30日夜、駒ケ根市の市文化会館で開かれた。駒ケ根市男女共同参画推進市民会議、女性団体連絡会、区長会などの会員らでつくる実行委員会と市教育委員会の主催。市民約120人が参加し、家族カウンセラー、エッセイストの宮本まき子さんによる講演「男と女の人間学」を聴いた。
宮本さんはニート、学級崩壊、いじめ、ストーカーなど現代日本社会にはびこる問題点について「私たち団塊の世代が家庭づくりと子育てを失敗したことが大きな要因のひとつ」とした上で「60歳代はこれからの10年間で孫育てをして社会を立て直していく義務がある。そば打ちをしている場合ではない」などとユーモアを交えて語り掛けた=写真。 -
上伊那の松くい虫被害、さらに北上
県や市町村、関係機関でつくる上伊那地方松くい虫防除対策協議会が31日、伊那市の県伊那合同庁舎であり、従来上伊那最北端として確認されてきた伊那市美篶の下川手区より約500メートル北上した伊那市中央区と、約700メートル北上した伊那市荒井区川北町で、新たに松くい虫被害が確認されたことを報告した。
荒井区は今年6月に、中央区は今年9月に確認。また、伊那市美篶若宮区にも松くい虫被害と思われる枯損木があり、現在鑑定を依頼している。今回の確認で最北端となった荒井区川北町の被害場所は、今のところ松くい虫被害が確認されていない南箕輪村との境目に当たる。
松くい虫対策事業予算としては、当初予算632万円に加え、新たに特別会計補正として80万円を計上する見込み。松くい虫被害の拡大に伴い、対策費用として同協議会が各市町村から負担した後、各市町村の対策費用として支給してきた「市町村負担金」の額が年々増加傾向にあることから、来年度からはその合計額上限を500万円までとし、それぞれの市町村で不足が生じた場合については、独自負担していく方針となった。
現在上伊那の市町村は、松くい虫対策費用の約7割を国庫補助で、残る3割については市町村負担金で賄っている。本年度見込まれる市町村負担金の合計額は450万円は、最も少なかった2004年の3倍にもおよぶ。
今回の報告事項は、来年1月の協議会で諮られる。 -
循環型社会形成推進功労者表彰で伊那市消費者の会と信州ウェイストが県知事表彰
県による07年度循環型社会形成推進功労者の表彰式がこのほど、長野市内であり、対象5者のうち、上伊那からはごみの減量化、資源化に向けた活動に取り組む伊那市消費者の会(会員38人、向山八千子代表)と、廃プラスチックのリサイクルに取り組む産業廃棄物処理業社、信州ウェイスト(本社・西春近、小林孝行社長)が県知事表彰を受けた。
取り組みは廃棄物の適正処理や資源化推進などに率先して取り組み、顕著な実績を上げている功労者を表彰するもので、▽事業者▽個人・グループ・学校▽その他竏窒フ3部門でそれぞれ功労者を選出する。
今回、個人・グループ・学校の部門で表彰を受けた伊那市消費者の会は、廃油でつくる石けん、生ごみぼかしづくりなどに長年取り組んでいるほか、リフォーム講習会などを開催して、ごみの減量化、資源化への意識を一般の人にも広げる活動を展開している。
向山代表は「先輩方が取り組んできた30年の歴史の積み上げがここにきて報われ、ありがたい。ごく当たり前のことをしているにもかかわらず、認められたのは嬉しい」と喜びを語る。
また、事業者部門で表彰を受けた信州ウェイストは、高度な再資源化設備を新設し、産業廃棄物の分別を徹底。資源となる廃プラスチックなどのリサイクルを実現していることなどが、高く評価された。 -
花ろまん28菊
厚物の小さな爪のような花弁500縲・00枚が中心の1点に向かって寸分の狂いもなく組まれ、盛り上がっていく様は、息詰るような緊張感さえ覚える。菊は芸術品であり、作る人はアーティスト。今回は駒ケ根市の菊づくり名人、菊の造形で話題を提供する井口晴人さん(76)=小町屋=、大掛りな細工物で菊を見せる北沢嘉夫さん(74)=吉瀬=、千輪菊と菊すだれの片桐義明さん(69)=吉瀬=の3人にスポットを当てた。それぞれ見ごろを迎え、11月中旬頃まで、3人の自宅前の菊花壇は市内外から菊見客で昼間も夜もにぎわう。(大口国江)
##(中見だし)
今年のテーマは「仙丈ケ岳」だるま、福助、ドーム菊と多彩、井口晴人さん
菊づくり40年、大菊の3本立盆養から菊づくりを始め、ロープウエーが開通した74年に菊でロープウエーを作り、電動でゴンドラを動かせて話題を呼んだ。以来、毎年テーマを決め、菊の造形づくりに励む。今年は赤、白、黄色など7種類の懸がい用の菊、150本で「仙丈ケ岳」を創作。高さ3メートル、延長6メートル、頂は白菊で冠雪を中腹は黄色、赤、エンジ色の菊で紅葉を表現した。
また、総務大臣賞を受賞したこともある懸がいも圧巻、ボリウムのある花を咲かせている。
このほか、わい化剤でコンパクトに仕立てただるま、福助が約50鉢、自然と丸くなるドーム菊などが名脇役として、菊の造形を引き立てている。
「菊は構想通り、自分の思うように動いてくれる。菊は本当の友だち」と話す。
##(見出し(2))
過去最大級の細工物「吉瀬田切大橋(仮称)」と西駒ケ岳、仙丈ケ岳を作る、北沢嘉夫さん
菊づくり40年余の北沢さんは、今年は全容を現した「吉瀬田切大橋(仮称)」に挑戦。高さ3メートル幅5メートル5種類20鉢を使った。早々と、菊でくす玉も作り、しゅん工を祝うという手回しの良さ。欄干は夜になると電飾で華やかに彩られるとか。
また、白菊で冠雪を、赤や黄色で中腹の紅葉を表現した西駒ケ岳、仙丈ケ岳も圧巻、ほかに懸がい、木付け、盆栽づくりもある。 「今年は開花がそろわず、出来映えは今1つ」とか。
##(中見だし)
千輪菊と懸がい、盆栽づくりにも挑戦、片桐義明さん
菊づくり12年目、千輪菊づくりは7年目。冬至芽を育て、摘芯し、側枝を出させ、9月に枠組し,全体の形を整えた。約500個余の花をつけた。白と黄色のほか、上部に黄色を接ぎ木した2色づくりも試作した。
今年始めて手掛けた盆栽づくりは「吉瀬のしだれ桜」を表現した。片桐さんオリジナルの菊すだれも健在、延長は20メートルに及ぶ。
長男の秀樹・由美夫妻の特設花壇もあり、ハートやかさなど若い感性が目を引いている。
「開花は遅れ気味だったが、花色は例年になく濃く、鮮やか」と話している。 -
第35回記念大会「マジックショー奇術を楽しむ日曜日」
伊那マジッククラブは28日、第35回記念大会「マジックショー奇術を楽しむ日曜日」を伊那市駅前ビル「いなっせ」ホールで開いた。会場を埋めた子どもも大人も食い入るようにステージを見つめ、マジックが成功するたびに大きな拍手を送って楽しんだ。
ロープ脱出、人体交換、人体切断などのマジックを鮮やかに披露し、会場からは歓声と拍手が起きた。マジックを見せながら演じる寸劇「珍食堂」「魔法病院」も観客を楽しませた。
特別出演で南京玉すだれ仙助流宗家で日本奇術協会理事の芝辻たかしさんによる南京玉すだれもあり、会場の客2人がステージで玉すだれを教わり一緒に披露する場面もあった。
同クラブは72年にマジック愛好家が集まり発足。現在の会員は17人。伊那公民館で毎月2回の例会で練習している。06年には伊那市表彰で善行功労賞を受賞した。 -
元県の景観サポーターたちの写真展
県の景観サポーターとして活動した上伊那の9人による写真展「私の気に入った風景」は11月2日まで、伊那市の中部電力伊那営業所ギャラリーで開いている=写真。メンバー一人4点ほどずつの約30点を出品し、伊那谷の自然のすばらしさを伝えようとしている。
県の景観サポーター制度は06年6月で終わったが写真展は続けたい竏窒ニ有志たちが昨年に続き3回目の作品展を企画。現在はグループとしての活動回数は減っているが、一人ひとりそれぞれで撮った作品を展示した。
同メンバーは「良い風景を見て歩こう」をテーマにそれぞれが感動した被写体を撮影。南アルプスの初雪やかやぶき民家、晩秋の入笠牧場、箕輪町の赤ソバの畑竏窒ネどを並べ、景観保全を呼びかけている。
土、日曜日は休館。午前8時30分縲恁゚後5時10分。 -
【クラフト作家 松本卓さん】
何もないところから原型を起こし、型取りをしてオリジナル作品を製作する。作品のメーンは照明器具。素材は木材や樹脂で、独創的な飛行船やロケット型が多い。
「飛行船はもともと好きだった。その飛行船が暗い夜空を飛んでいて、明々と電気がついていたらきれいだろうな竏窒ニ思ったのが制作を思い立った始まり」
作品を見ると簡単な形に思えるが「この紡錘型にたどり着くまでが苦労だった。いろいろと試行錯誤を重ねてね。これだ竏窒ニいうアイデアをひねり出すのが一番大変なんです」。
ユーモラスなペンギンのフィギュア。ポリウレタン樹脂製で、1つ作るのに約1カ月かかる。
「2本足で立っているから人間っぽくて擬人化しやすい。面白くて遊びで作っているうちに数が増えて、気がつけばこんなに…という感じですね」
全国各地で開くクラフト展に必ず買いに来る固定ファンもいる。中には1人で10個もまとめ買いする人もいるほどの人気だ。客層は20縲・0歳代が中心。男女はあまり関係ない。
「見た瞬間に笑ってもらえるような感じを心掛けている。もっとリアルにしようと思えばできるが、やりすぎるとユーモラスなイメージが薄れてしまう。どこまでデフォルメするかが難しいところです」
さまざまなポーズが笑いを誘うペンギンたちだが「アイデアは日常生活の中で自然と浮かんでくる」という。
◇ ◇
兵庫県生まれ。子どものころはプラモデル作りに夢中だった。幼心に「将来は自分で何か物を作って生活できたら」と漠然と考えていたという。だが、その夢はいつか心の奥深くにしまい込まれ、大人になるまで忘れられたままだった。
大学卒業後、住宅メーカーに就職して営業の仕事をしていたが、自分の人生はこのままででいいのか、と思えてきた。
「働く中で本当にやりたいことを思い出した。昔の夢がまた見えてきたような気がしたんです」
好きな物作りで生きていこうと意を決して退職。松本市の技術専門校で木工を学んだ後、三郷村の家具製造業に職を得て職人として働いた。
個人的な趣味として照明器具を作り始めたのはその数年後。たまたま手に取った本で、ある照明作家の作品を見て感心した。
「照明は本来周りを照らす道具ですが、そういう実用的なイメージでなく、造形としてすごく面白いと思った。照明という概念にとらわれない面白さに感動しました」
本に紹介されていた作り方を見て自分でも作ってみた。同じころ、ペンギンのフィギュアも制作を開始。作品は欲しいという人にプレゼントしていたが、口コミで評判が広がってだんだんと注文が増えてきた。
「最初は小遣い稼ぎぐらいのつもりだった」が、これこそが本当にやりたいことだと気がつき、家具店を退職して工房を起こした。
◇ ◇
作品は小売店に卸していた時もあったが、経費が思ったよりも大きく、売り上げをめぐってのトラブルもあってやめることにした。
「注文に追われて、じっくり作ることができなくなったことも大きい。これからは一品物というか、自分の思った物をストレートに作っていきたい。温めているアイデアもあるし、どんな作品に仕上がるか、自分でも楽しみです」
(白鳥文男)
作品は各地のクラフト展やイベントなどで販売中。希望者にはウェブサイト(http://ameblo.jp/airship1192)を通じての販売もする -
温泉施設爆発火災を想定 伊那消防組合合同訓練
伊那、高遠、辰野、箕輪消防署でつくる伊那消防組合の07年度救急救助集団災害訓練が30日、辰野町の荒神山ウォーターパークなどであった。温泉施設で爆発火災が発生し、逃げ遅れた利用者がいるとの想定で、各署が連携を取りながら訓練した。
大規模災害に対し、組合各署が通常の出動態勢では対処できない救急・救助活動を効率的に行う目的で年1回ある合同訓練。想定付与により現場本部指揮が命令を出し、各出場隊が状況に応じて活動する「ロールプレイング方式」を02年から取り入れている。
訓練は組合職員約90人、消防車6台、救急車4台が出動し、施設内での模擬消火や人命検索などを展開。施設外に運び出された負傷者は、緊急度に応じて、搬送や治療の優先順位を決められ、救急車でそれぞれの病院に搬送された。
閉会式では優先順位の選別で情報が錯そうし、作業が滞ったことを反省。組合消防本部の早川正行消防長は「失敗をこのままにしておかず、各署に持ち返り反省し、来年の訓練に生かしてほしい」と話した。 -
伊那の規格外、廃果リンゴを使ったスイーツビール「アップルシナモンエール」、11月1日から市内で販売開始
伊那市内で生産されたリンゴのうち、傷がつくなどして規格外や廃果となったリンゴを有効活用したスイーツビール「アップルシナモンエール」(発泡酒)が11月1日から、関東地域や長野県内、原料の地元である伊那市内などで冬季限定発売となる。アップルパイを思わせる甘い香りと風味が特徴。後味にはビールの苦味も楽しめる。同ビールを開発したサンクトガーレン(本社・神奈川県厚木市)の岩本伸久社長(45)は「新しいタイプのビール。食事やデザートと合わせたり、飲む温度を変えて香を楽しむなど、工夫して楽しんでいただければ」と語る。
大手との市場競争の中、同社では地ビールを中心とした商品開発に取り組んでいる。今年のバレンタインに発売したチョコの香りがするスイーツビールがヒットしたことをきっかけに、女性向け市場があることを知り、今回リンゴを使ったビールの開発に着手することになった。そんな中、生産されるリンゴのうち3分の1は規格外、廃果となっている現状を知り、これを有効活用しようと考え、厚木市役所を通じてリンゴ生産の盛んな伊那市の紹介を受けた。
ビールにはリンゴのほかにもカラメル麦芽を多めに使い、甘く香ばしい風味を引き出した。また、リンゴを引き立てるシナモンの香りも加えている。色は焼きリンゴを思わせる琥珀色。4千本を醸造した今年は、11、12月の限定販売となる。
価格は1本330ミリリットルで450円(税込み)。上伊那ではニシザワショッパーズの信大前店、双葉店、高遠食彩館、福岡食彩館で販売しているほか、伊那市観光の宿泊施設(羽広荘、高遠桜ホテル、仙流荘、入野谷)の食堂で提供する。
問い合わせはサンクトガーレン(TEL046・224・2317)へ。 -
【記者室】ハロウィーン 楽しみながら国際理解を
駒ケ根市に青年海外協力隊訓練所があることから14年前に始まった協力隊週間のメーン・イベント「こまがね国際広場」が今年も開催された。世界の民俗文化を紹介するブースや料理を味わうコーナーのほか音楽を楽しむステージもあり、多くの家族連れなどが訪れた▼ほとんどの来場者の目的は楽しむことだろうが、主催者の本当の意図はといえば、まずは興味を持ってもらい、これをきっかけにいずれは世界の国々の厳しい現実を知ってほしい竏窒ニいうことだろう▼明日はハロウィーン。毎年の行事として日本でも一部で定着しつつある。子どもが無邪気に楽しむのは大いに結構ではあるが、その由来や意味を教えてやることが正しい国際理解への一歩になるはずだ。(白鳥文男)
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ログプランター講座
駒ケ根市は28日、今年度第2回の駒ケ根自然楽校「ログプランター講座」を同市東伊那の農林業体験施設「駒ケ根ふるさとの家」で開いた。市民ら約20人が参加し、丸太をチェーンソーで加工するプランターといす作りに挑戦した。
チェーンソーを持つのは初めて竏窒ニいう参加者もあり、作業にかかる前には講師から機械の安全な取り扱い方について詳しい説明を受けた。素材の丸太は林道などで伐採したヒノキの不要木で、直径は約20縲・0センチ。参加者は丸太を約50センチの長さに切った後、中をくり抜く作業にかかったがチェーンソーの扱いに四苦八苦。仲間同士で助け合いながら慎重に作業を進めた。慣れるに従って道具の扱い方も徐々に上達し、全体の形を整えて見事に完成。「苦労したが、思ったよりもうまくできた」と満足そうに持ち帰っていた。
講座は一昨年春の第1回以降、春と秋の年2回開かれ、今回が6回目。 -
こまがね国際広場
駒ケ根市の駒ケ根青年海外協力隊との1週間にわたる共同イベント「第14回協力隊週間2007inこまがね」(実行委員会主催)最終日の28日、駒ケ根駅前の広小路と銀座通りなどで「みなこい地球市民 こまがね国際広場」が開かれた。歩行者天国となった通りには協力隊OG、OBのほか、訓練所の候補者らが運営する世界各国の民芸品販売の露店や地域の文化などを紹介するブースがずらりと軒を連ね、特設ステージでは世界の音楽やダンスなどがにぎやかに披露された。会場には多くの親子連れなどが詰め掛け、世界の料理の食べ歩きのほかスタンプラリーなどを楽しんだ。
一番人気は世界の国旗を顔に描くフェイスペイントのコーナー。多くの子どもたちが列をつくり、カラフルな国旗の中から好きなデザインを選んで頬や手などに筆でペイントしてもらった=写真。駅前ビル・アルパでは、世界の遊びや言葉に親しむコーナーが設けられ、訪れた来場者は訓練所の外国人語学講師らの案内でさまざまな異国文化を楽しんだ。 -
中島さん2連覇 地蜂の巣コンテスト
上伊那を中心とした地蜂(クロスズメバチ)愛好者が育てた巣の重さを競うコンテストが28日、伊那市西箕輪のみはらしファームであった。本年は31人が出品し、岡谷市川岸の中島義昭さん(60)が2年連続優勝を果した。巣の重さは4・97キロだった。
地蜂とのかかわりを楽しみながら蜂資源の増殖を図るため1997年に発足した伊那市地蜂愛好会(小木曽大吉会長、会員約100人)の主催。地蜂コンテストは10回目となり、本年も会員らが丹精込めて育てた巣が出そろった。
小木曽会長は「今年の夏は暑すぎて蜂にとっても過しにくかった。そんな中でも会員らはよく頑張って育てたと思う」と話していた。
入賞したのは次のみなさん。
(1)中島義昭(岡谷市)4・97キロ(2)安藤佳宣(原村)4・705キロ(3)宮下忠士(駒ヶ根市)4・28キロ(4)藤森政美(下諏訪町)4・01キロ(5)小木曽大吉(伊那市)3・78(6)小坂樫男(伊那市)3・73キロ
2年連続優勝を果した中島さん -
第5回もみじ湖夢まつり
第5回もみじ湖夢まつりが28日、箕輪ダムイベント広場であった。さわやかに晴れ渡った広場には家族連れらが多く集まり、紅葉を眺めながらイベントを楽しんだ。実行委員会(信州もみじ湖夢くらぶ)主催。
畜産などで利用する約300キロの飼料用ロールを転がす第4回ロール転がし大会は22チームが参加。4人1組で25メートルの直線コースを往復し速さを競った。前半の快走とは裏腹に後半は力尽きて順位争いから脱落したり、ロールがコースを外れて斜めに進んでしまうチームもあり、会場を沸かせた。
結果は1位長岡区、2位南小河内公民館、3位あたまでっかち、4位のらっこ。優勝チームには1人10キロずつの米が贈られた。
来場者には搾りたて牛乳や、きのこ汁が振舞われ、爆笑ライブショー、みのわ太鼓演奏、ダンス発表などのステージ、ゲームや乗馬体験などを楽しんでいた。 -
道の駅「花の里いいじま」100万人達成
飯島町七久保の広域農道沿いにある道の駅「花の里いいじま」(駅長・高坂宗昭町長)は2002年8月オープン以来の利用者(レジ通過者)が今月20日に100万人を超えたとして28日、記念セレモニーを開いた。高坂駅長など関係者約20人が出席し、くす玉を割って記録達成を祝った=写真。高坂駅長はあいさつで「最初の50万人達成までに2年10カ月かかったが、その後の50万人には2年4カ月しかかからず、約半年短い。加速度的に利用者が増えていることになる。今後も150万人、200万人達成に向け、多くの人に愛され、利用してもらえるよう、関係者一同努めていきたい」と述べた。
セレモニーには地元の信州飯島お陣屋太鼓が登場し、景気の良い音を響かせた。祝いのもちつきが行われ、つき上がったもちが利用者らに無料で振る舞われた。