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中沢地区文化祭
駒ケ根市の中沢地区文化祭が中沢公民館で20日まで開かれている。館内には書道、手芸、陶芸、絵画、生け花などの作品が数多く展示され、訪れた人は「こりゃ立派なもんだ」などと感心しながら一つ一つの作品をじっくりと眺めていた。
2階研修室では抹茶体験コーナーが設けられ、茶道教室「空木会」の会員らが着物姿で菓子と抹茶を振る舞った=写真。茶を味わった来場者は「ああ緊張した。でもうまかったな」などと笑いながら話し合っていた。
20日は午後1時から芸能発表会が開かれ、小学校合唱団や地元のグループによる歌やおどりなどが披露される。作品展示は午後3時まで。 -
町3区人権学習会
宮田村町3区の人権学習会は16日夜、村民会館で開いた。村公民館と同区分館の主催で、県女性総合センター元所長の建石教子さんが講師。男女共同参画をテーマに話し、約20人を前に日常の人間関係の大切さを説いた。
家庭の具体的な性差別の実例を出しながら、「男だから、女だからという意識ではなく、感謝の気持ちを言い合えるように」と建石さん。お互いに聞きあえる人間関係を築くことが大切とも話した。
村公民館は毎年4地区で、人権全般と男女共同参画の学習会を実施している。 -
4年ぶりの邦楽演奏会
伊那三曲協会(伊藤伶鵬会長)の「第8回邦楽演奏会窶披オ(こと)・三絃・尺八」が19日、伊那市生涯学習センターであった。協会員と門下生延べ240人が出演し、日ごろの成果を披露した。
演奏曲目は「花かげ変奏曲」「春の夜」「夕顔」など12。保育園児から一般までがステージに上がり、曲の解説を交えながら、しっとりと息の合った演奏を見せた。
四章で構成される「さとの四季」には、伊那西高校合唱クラブ約20人も出演。箏、十七絃、尺八の演奏に合わせ、美しい歌声を響かせた。
協会は箏・三味線・尺八の有資格者150人余で構成。演奏会は2年に1度の開催だが、諸行事と重なったことから今回は4年ぶりだった。演奏活動のほか、小中高校での指導、各種イベントへの出演など邦楽の普及に努めている。 -
宮田中で防犯訓練と護身術訓練
不審者侵入に対応する防犯訓練が18日、宮田村の宮田中学校であった。駒ケ根署員4人、伊南防犯女性部員2人の指導で、教職員23人、生徒306人が参加し、緊迫した訓練を行い、有事に備えた。 訓練は不審者が中庭から1階若草学級(井口昌一教諭)に侵入を想定。署員が扮した不審者に対し、井口教諭は冷静に対応する一方で、生徒を避難させ、ほかの教諭への連絡を指示。連絡を受けた教諭らが、非常ベルを鳴らし、警察に通報、生徒を体育館に避難させ、さすまたを持って、応援に駈け付けた。不審者に扮した署員は大声で威かくしたり、棒切れを振り回していたが、校舎の外に押し出され、取り押さえられて終了。侵入から、身柄拘束まで4分30秒だった。
引き続き、体育館で生徒を対象にした護身術講習会を実施。腕をつかまれた時、つかまれた腕を半円を描くように回して外す方法や、相手の腕にぶっつけるように勢いよく並行にする「ひじ寄せ」などのほか、両手でつかまれた時、抱きつかれた時の対処法を実習した。 -
はら美術で梅木草屯能面展
600年引き継がれてきた能面を今に伝える面打ち師・梅木草屯さん(80)の能面展が、23日まで伊那市旭町のはら美術で開かれている。喜怒哀楽を通して生きた人間の魂を打ち込んだ女面や男面など約50点が、訪れた人を圧倒している。
20日に県伊那文化会館である「伊那能」に合わせ、より関心を高めてもらうことを目的としたもの。
同じ種類でも宗家ごと微妙に面持ちは異なっており、面打ち師は、それを忠実に再現しながら技術を引き継いでいく。
同じ女系でも、女性の怨霊・恨みを芸術化した「般若」と、かわいらしさを表現した「小面」では訴えるものが全くことなり、人間の持つ感情が、表情をリアルにしている。
梅木さんは「生きた顔であるかどうか、何かを訴えかけているかどうかを感じてほしい」と話していた。
入場無料。 -
【南大東島再訪記】広がる子どもの交流〈上〉
伊那への児童派遣、村予算に計上へ「今後も、信州・伊那と南大東島の小中学校の交流を継続していくために、村は来年度予算にその経費を計上する方向で検討しています」
水田の無い南大東島の島民に食べてもらおうと、伊那市の有志が作った「友好米」を持参した「伊那コメ娘」一行を前にして、照屋林明南大東村長は、こうあいさつした。3日の村役場へのコメの贈呈式。村長の背後には助役以下村役場の職員全員が並んでいた。
「あぁ、そんなところにまで話が進んできたんだなぁ……」。コメ娘代表の井地千代子さんはつぶやいた。
沖縄県の市町村には、第2次世界大戦で、講和条約が結ばれる前に米軍が行った土地の強制収用などの行為に対する保障として、対米請求権が認められている。基金が設けられ、その果実で市町村などへの事業補助が行われる。以前は、道路整備などのハード面に利用されてきたが、近年は子どもの交流や教育振興の事業に当てられることが多いという。
照屋村長は、その対米請求権事業の1つとして、来年の春か夏、島の子どもの代表を伊那市に派遣する計画があることを明らかにしたのだ。
「信州は、島とまったく自然環境が違う。島では体験できないことを体験し、そこで育つ子どもたちと交流することはとても大切な体験になると思う」。と照屋林伸同村教育長も語った。照屋さんも8月に伊那を訪問した1人。千畳敷カールで島の校歌を歌った時には、「自分自身も何か胸を張る気持ちになった」と笑う。
南大東島はこれまで、100年前の島開拓の時に八丈島出身者が多かったことから、八丈島の小中学校と交流を深めてきた。それはそれで重要なのだが、環境的には似通った地域同士であり、山・川・稲・紅葉・雪・氷……等が見られる地域の子どもとの交流を求めていたのだという。
8月に伊那に来た子どもと久しぶりに話していると、すぐにその友だちが回りに集まり、「水は冷たいの?」「田んぼって足が沈んじゃうの?」「お祭りの音楽花火は毎年見られるの?」と話しかけてきた。「今度は僕たち行けるかなぁ?」。そのうちの一人が言った言葉が印象的だった。 -
奥入瀬渓谷など四季の風景美しく
箕輪町中曽根の洋画家向井敏一洋画個展が18日、伊那市生涯学習センター2階展示ギャラリーで始まった。青森県の奥入瀬渓谷など風景画52点が並ぶ。22日まで。
テーマは「山河の四季を描く」。作品のうち奥入瀬を題材にしたのは14点ほどで、新緑と紅葉の風景が描かれる。奥入瀬は「原始的な川といわれる。年間を通して水量が一定で、川辺に草と木が生えた風景」に引かれ、5・10月に現地へ行ったという。
そのほか、地元の仙丈ケ岳や西駒、冬の白馬連峰など四季折々の近作がそろう。サイズはF6縲・0号。
向井さん(58)は「筆を止めるときが完結ではなく、見ている人に何か伝わるものがあれば」と話している。
開館は午前10時縲恁゚後5時(最終日3時)。入場無料。 -
伊那市富県北福地・はらぺこ保育園
子どもには、里山の中で多くのことを感じながら育ってほしい。こんな保育園、あったらいいね窶煤B母親たちのそんな思いが詰まった「はらぺこ保育園」。森の中にある園舎での生活も、半年を経過した。四季の移ろいと共に、さまざまな表情を見せる里山からは、元気な園児13人の笑い声がいつも聞こえてくる。「先生、こんなもの見つけたよ」「お母さん、楽しいね」。子どもたちは感じたことを全身で表しながら、目を輝かせている。
◇ ◇
全てが手探りからのスタートだった。はらぺこは一方的に預かってもらう場所ではない。母親たちは、園を開始する前に「どんなことをしていきたいか」を保育士の小林成親さんと話し合った。
「命を生かすためのすべを学んでほしい」「『俺は子どものころさんざん山で遊んだぞ』と、言えるように育ってほしい」「何かを創り出す喜びを感じてほしい」、それぞれ表現は異なるが、全ての根幹には「豊かな自然と向き合う中で、健やかに育ってほしい」との願いがあった。作成した“やりたいことリスト”には、山遊び、草木染め、畑づくりなど、が挙がった。
そんな思いに支えられ、活動してきた子どもたちは、親が追いつけないほどのスピードで、自然から多くのものを吸収している。
◇ ◇
はらぺこで変わるのはむしろ母親窶狽ニ話す人もいる。月に2、3度ある「保育当番」は、母親が保育をサポートする日。家庭との両立は大変な面もある。しかし、子どもの成長を間近で知ることができる貴重な時間、自分の子どもと同じくらい愛情を注げる園児たち、自分と子どもを十分理解し、相談に応じてくれる力強い母親仲間・保育士の協力は、悩みや不安さえも吹き飛ばしてくれる。保育・子育ての楽しさや喜びを教えてくれる「はらぺこ」のつながりは、貴重な財産。
◇ ◇
保育士・小林さんは、一人一人の園児と向き合うことを大切にしている。個人差はあれ、子どもは自分で道を発見し、前へ進む力を持っている。だから今の姿を受け入れて待つ。理屈で行動を制限することは簡単だが「どうしてか」を、自身の体験を通して学んでほしい。それは時間のかかることかもしれない。ただ、生きた経験から納得すれば、一生子どもの中に残る。
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母親たちは呼びかける。「小さい子どもと向き合えるのはほんのちょっと。ここはその時間をがっちりと向き合える。気軽に親子で遊びにきませんか」。
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はらぺこは来入児を募集中。入園体験も受け付けている。問い合せは、はらぺこ保育園(TEL76・3341)で平日午後2時縲恁゚後3時に受け付ける。それ以外の時間は(TEL090・1769・4427)伊藤さんへ。
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(伊藤愛子) -
森世紀工房「木の温もりにつつまれるキッチンライフ」展
県産材を利用した木製キッチン家具の肌触りを実感してほしい窶狽ニ、県内の建具職人などでつくる「森世紀工房」は16日から、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで「木の温もりにつつまれるキッチンライフ」と題した展示会を開いている。温かみのある信州産カラマツのダイニングテーブルやいすなど約150点が、来場者を楽しませている。
地域材の利用促進を通じて里山再生を目指す森世紀工房は、県産材の良さを伝える活動に県内外で取り組む。今回は伊那支部を中心とする17人の匠が、既製にはない、職人ならではのキッチン家具や小物を出展。実際に見て触れることで、良さを実感できる。
県内の山林の約半分を占めるカラマツは、腐りにくく、色・木目共に美しいのが特徴。キッチン周りにも適しているという。
伊那支部の有賀恵一幹事長は「木の使い心地、触り心地を直接感じてほしい」と話している。
入場無料。20日まで。 -
秋の叙勲で受章の3人喜びの報告
秋の叙勲で受章した駒ケ根市の麻野幸好さん(81)=旭日双光章、専門工事業振興功労=、高坂保さん(76)=瑞宝双光章、教育功労=、中坪敏郎さん(74)=旭日双光章、地方自治功労=の3人は16日、市役所に訪れ、中原市長に喜びの報告をした。
麻野さんは「勲章をいただいて初めて、重さを実感した。自分で自分をほめてやりたい心境」。高坂さんは「皇居に参内でき、天皇陛下からお言葉をいただき、家内ともども喜びでいっぱい」。中坪さんは「支援者や地域、議会の同僚、先輩などそれぞれのみなさんのお力添えでいただいた。この気持ちを大切にしたい」と、それぞれ感激の気持ちを伝えた。
中原市長は「産業、教育、地方自治とそれぞれの分野で叙勲の栄に浴されたことは市民にとっても大きな名誉であり、誇り」と祝福した。 -
はらぺこ保育園、たき火を使って竹パンづくり
“自然”とのふれあいから多くのことを学んでほしい窶狽ニ母親ら有志で立ち上げた、伊那市富県北福地の里山にある園舎で活動を続ける保育園「はらぺこ」の園児はこのほど、たき火を使ったパン焼きをした。子どもたちは竹に巻き付けたパンが焼きあがると、満面の笑顔で熱々のパンをほうばった。
たき火を使ってお祭りのようなことをしたい窶狽ニ、竹にパン生地を巻きつけて焼く「竹パンづくり」に挑戦。竹は敷地内の竹林から子どもたちが切り出し、生地は保護者に提供してもらった。
園児は生地を細長く伸ばし、竹に巻き付けた後、たき火の回りでくるくると生地をあぶった。火の間近で棒を回さなければならないので、その熱さに悪戦苦闘。顔を真っ赤にしながら辛抱強く生地を焼いた。しかし、苦労して焼き上げたパンは格別の様子で、ちょっと焦げた部分も「おいしい」と言って残さず食べた。
普段から火を使うことも多い園児たちは、実体験を通して扱い方を学んでいる。下の子が、上の子のやり方を見て学ぶことも多いという。
現在、来年度入園児を募集中。関心のある人は見学もできる。
問い合せは同園(TEL76・3341)平日午後2時縲恁゚後3時受け付け。それ以外の時間は(TEL090・1769・4427)伊藤さんへ。 -
赤穂中美術館で授業
15日、駒ケ根市の赤穂中学校3年生16人が美術の選択授業を同市の高原美術館で行った。生徒らは学芸員の解説で館内の展示作品の鑑賞をした後、それぞれ「秋」をテーマに抽象画作品の制作に取り組み、描き上げた作品を互いに発表して副館長の松井君子さんの講評を受けた=写真。
生徒らは画用紙に向かってしばらく考え込んで構想を固めると、思い思いの秋のイメージを色と形で表現しようと懸命に絵筆を動かした。30分で仕上げなければならないとあって忙しい制作となったが、時間内に全員が作品を仕上げた。
描き上げたばかりの絵を手にした生徒らは自らの作品について「落ち葉をイメージしました」「夏が終わった寂しさや落ち着きを表現しました」などと説明。松井副館長はそれぞれの作品について「デリケートな秋のイメージが良く表現されている」「音楽を感じさせるとても良くできた作品」などと丁寧に講評を加えた。 -
中沢小で炭出し
駒ケ根市の中沢小学校で同校PTAらがこの夏から製作に取り組み、10月に完成した新・炭焼き窯での第1回の炭焼きが無事に終わり16日、児童らが焼き上がった炭を窯から取り出した。
狭い窯口から1人ずつ中に入った児童らは真っ黒に焼き上がった炭を一つ一つ丁寧につかんでは箕(み)に入れ、いっぱいになるとうれしそうに持ち出していた=写真。焼き上がった炭はその場で早速ダンボール箱に詰められ、PTAや市民らに販売される。新しい窯の製作の指導に当たった宮下秀春さん(71)は「窯の癖がつかめない1回目としてはかなり良い炭だ」と上々の出来に満足そうな表情を見せていた。
新しい窯は内部の奥行き2メートル、最大幅1・6メートル、高さ1・5メートル。周囲は土と耐火レンガで固め、外壁にはヒノキの丸太を使うなど、小学校には珍しい本格的な造り。同校の炭焼きは総合的な学習の時間などを利用して児童らが毎年行なっている。炭を売った収益金は卒業記念品や図書「炭焼き文庫」の購入などに充てられる。 -
宮田小でAET授業
宮田村の宮田小学校で16日、赤穂高校で英語指導助手(AET)を務めるイアン・フリーマンさん(21)が英語授業を行なった。希望があった1年から6年までの4学級で行ない、子どもたちはイアンさんと交流を深めながら英語の楽しさにふれた。
1年4組では、イアンさんが動物の絵を描いて、子どもたちが英語で答えるゲーム感覚で授業が進んだ。
象や魚、ヘビや、ウサギ・・・。イアンさんの描く可愛らしいイラストに子どもたちは夢中になり「エレファント」「フィッシュ」などと元気に回答。
見事に正解した子どもたちは人気アニメ「となりのトトロ」のスタンプをもらい大喜びしていた。
イアンさんは「日本語はとっても難しい」と話し、母国イギリスについても紹介。
授業が終わると、みんなで「SeeYou(また会いましょう)」と別れを惜しみ、イアンさんは握手攻め。短い時間だったが、心の交流もあった。
授業のほか6年3組で昼食を一緒にとり、交流クラブとふれあう時間もあった。 -
上伊那社会教育関係者懇談会
上伊那市町村教育委員会連絡協議会などは15日、伊那市駅前ビル「いなっせ」で上伊那社会教育関係者懇談会を開いた。市町村の社会教育担当者ら約120人が参加。さまざまな分野で活動する人の事例発表などを通して、地域ぐるみで子育て支援に取り組む重要性を認識した。
社会教育への理解を深めることが目的。「地域における『子ども』『親』『子育て』について語り合おう」と、シンポジウムや分科会をした。
シンポジウムは、公民館、学校、市役所、地域の社会団体で社会教育に携わる4人が子育てのあり方を提言。
伊那市西箕輪の公民館長・城取茂美さんは「今の子どもは、自分でできることも親に頼ってしまうため、昔は家庭で学べたことを学べていない」と報告。今年初めて取り組んだ小学生の通学合宿で、台所に立つ楽しさを実感した子どもの例などを挙げ「何でも親がする」ことを考え直す必要がある窶狽ニした。
駒ケ根市赤穂中学校の学校カウンセラー有賀和枝さんは、人間関係を楽しむ余裕のない子どもの現状や、不安を抱く親から、子どもが受ける影響の大きさを説明。「家庭を地域の中でサポートし、子どものよりどころを家庭以外にもつくってあげることで、立ち直りのチャンスが何度でもあることを伝えていくことが大切」とした。 -
宮田村中央保育園の七五三
宮田村中央保育園の園児125人は15日、七五三を祝い、近くの姫宮神社を参拝した。千とせ飴もなめて、夢や希望を祈った。
保育士が「健康で長生きできるようにってお祈りするのが七五三なんだよ」と説明。園児は神妙な面持ちで手をあわせた。
「僕はもっと強くなれますようにってお願いしたんだ」と男の子。お待ちかねの千とせ飴に全員大喜びで、伝統の行事に親しんでいた。 -
才能教育研究会バイオリン指導者
青木千枝子さんスズキ・メソードで知られる故鈴木鎮一さん(世界的バイオリン奏者・指導者)の教えをどうしても受けたくて高校卒業後、松本市内に下宿して師事。幼いころからの念願をかなえた。
「鈴木先生は大声を出したり、厳しくしかるようなことは決してなかった。温かく見守りながら上達を待っているような、思っていた通りの優しい人でした」
3年間、研究生として直接鈴木さんの教えを受けた後、各地で指導者として活躍。現在自宅と伊那市で保育園児から高校生まで約20人を指導している。
「先生に教わったのは、ただ音楽を教えるだけでなく、愛情を育てる窶狽ニいうことでした。音楽を通じて慈愛に満ちた深い人間性を養うことが大切なんです」
◇ ◇
駒ケ根市福岡に教会が運営する保育園があった。ここに入園したことがその後の人生を決めることになる。園ではスズキ・メソードの理念に感銘を受けた牧師夫妻がわざわざ講師を呼び寄せ、園児らにバイオリンを教えていた。
「バイオリンは10丁くらいあったかな。園児が交代で練習し、施設などに慰問に行って弾いたりしていました。園では子どもたちの弾くバイオリンの音が聞こえ、昼寝の時間にも静かなクラシック音楽が流れていた窶煤B温かくて夢のような素晴らしい保育園でした」
卒園後も両親に頼んでバイオリンを弾き続けたが、一時バイオリンをやめようと思ったこともある。中学生の時、バスケットボール部に入部し、家に帰って来てもくたくたに疲れ切っていてバイオリンの練習ができない状態が続いたことから「両方は無理だと思い、先生に『やめさせてください』と言ったんです。でも1カ月後に『やっぱり続けたい』窶煤Bバイオリンのない生活はもう考えられなくなっていたんですね」。バスケットもやめることなくずっと続けた。
◇ ◇
「バイオリンは簡単な楽器ではありません。それだけに、毎日練習することで忍耐力や集中力、計画性が養われるんです。生徒が家で練習してきたかどうか、曲を弾かなくても調弦の段階で分かりますよ。毎日弾かないと楽器は鳴ってくれませんからね」
「物心ついたころから大好きだった音楽の道を歩くことができて本当に恵まれていると思います。でもそれ以上に、音楽を通じて子どもたちの教育にかかわっていられることに本当に幸せを感じているんです」
(白鳥文男) -
人権・男女共同参画講演会
箕輪町教育委員会主催の人権・男女共同参画講演会は12日、木下公民館であった。伊那市西箕輪公民館の城取茂美館長が替え歌などを交えて講演し、町民85人が熱心に聞いた。女性団体連絡協議会、パートナーシップみのわ共催。
演題は「ちょっと耳をかたむけて-これからのわたしとあなたさがし-」。城取館長は、「愛の心、やさしさをじわりじわりと世の中に広めたい」と語った。
7年連続で自殺者が年間3万人を超える自殺大国日本について、「心のきずなのつながった先生、家族、友、同僚はいなかったのか。一人ひとりが利己主義的になっているように思えてならない。人に対するやさしさ、思いやりがもっと世の中に広まってくれるといい」と話した。
家庭崩壊が進む現状に触れ、家庭の大切さを指摘。「お金をかけて教育しているからいい子に育つのではない。今はあまりにもお金に頼りすぎている」とし、子どもの心に響くことに▽親子一緒に苦労し共に労働する▽忙しい台所仕事をしながら口ずさむ母の歌▽父との会話や働く姿に接する-ことを挙げた。
町女性団体連絡協議会による寸劇「住みたいね こんな街に」の上演もあった。 -
明日歌定期演奏会
混声合唱団「明日歌」(新井克太郎団長)は12日夜、第22回定期演奏会を駒ケ根市文化会館で開いた。ライトを浴びてステージに立った約30人の団員らは常任指揮者の唐沢史比古さん作詞・作曲による組曲『御柱祭の情景』のほか、ミュージカル『ライオンキング』やポップスの数々など、十数曲を披露した=写真。
満員の聴衆はホールに響く豊かで迫力ある歌声に酔いしれ、1曲ごとに大きな拍手を送っていた。
明日歌は05年全日本合唱コンクール県大会で金賞、中部支部大会で銀賞を受賞している。 -
スタインウェイを奏でる
箕輪町文化センターで13日、ピアノコンサート「スタインウェイを奏でる時間(とき)パート2」があった。上伊那のほか、松本市、茅野市、千曲市などから19組23人が出演した。
コンサートは、センターが所有する高級グランドピアノ「スタインウェイ」を希望者に弾いてもらおうと町教育委員会が企画。
出演者は中学生、主婦、ピアノ講師などさまざまで、ベートーベンの「エリーゼのために」、シューベルトの「即興曲第4番」、ショパンの「革命のエチュード」などを選曲した。
「演奏することをピアノと一緒に楽しみたい」「これからもいろいろな曲に挑戦して、ピアノの世界を広げてみたい」と自己紹介し、独奏や連弾で会場内に「スタインウェイ」の音色を響かせた。
ピアノが好きで、暇があれば弾いているという主婦の手塚貢さん=松島=は2回目の出演。「鍵盤が少し重いが、音に響きがある」と話していた。 -
親子で古代のロマン探して
長谷村の「戸台の化石保存会」(伊東耕平会長)は13日、恒例の化石学習会を開いた。上伊那を中心に親子連れなど約50人が集まり、標高1100メートル以上ある収集場所で、アンモナイトなどの化石を見つけては胸を躍らせた。
化石収集、研究、保護を通じて自然保全の重要性を学ぶ目的で、毎年3回の開催。今回は58回目。
戸台層は中生代白亜紀(約1億4400万窶・500万年前)の地層。比較的浅い海底で堆積した地層が、長い間の地殻変動で押しつぶされ隆起したといわれる。
参加者は、地面に広がる破砕された「黒色泥岩」をハンマーで軽くたたき割り、貝やシダ植物のほか、生物がなでた跡が残る「生痕化石」などを発見。「見つけた」とよろこんでは、会員に分析を頼んでいた。
初参加の唐木学さん(38)=伊那市小沢=は「友人と化石採集に戸台を訪れたことがあったが、場所が分からず断念した思い出がある。30年ぶりの夢が叶いうれしさもひとしお」と化石を発見して満足していた。
副会長で研究者の北村健治さん(63)は「化石採集にかぎらず、子どもたちには様々な体験を通じて好奇心を養い、観察力のある大人に育ってほしい」と話していた。
採取した化石は持ち返らず、村公民館に増築中の収蔵庫に保管する。 -
東小収穫祭でもちつき
総合的学習の一環として米づくりをした中川村の中川東小学校5年生は12日、親子で新米でもちをついて収穫祭をした。
親子約110人が参加。小春日和の校庭にシートを敷き、保育園や家から持ち寄ったうす7基を並べ、もち米20キロを蒸し、代わる代わるきねを振るってつきあげ、きなこやあんこもちに調理した。
もちがつきあがる頃には、保護者が準備した豚汁も煮え、「ご一緒に、いただきます」。子どもたちは、1年間の作業を振り返りながら、自分たちが育てた新米の味をかみ締めた。
5年生は4アールの田に5月、モチヒカリを手植えで田植え。9月末、手で稲を刈り、はざ干しした。千歯や足踏み式脱穀機、とおみを使い、昭和20年代の脱穀も体験し、150キロを収穫した。
堀内守教諭は「子どもたちは初めての体験を、結構楽しんでいた」と話していた。 -
アエラトーロコンサート「月の雫花の影」
伊那を中心に活動する音楽グループ、アエラトーロは11日夜、駒ケ根高原美術館で、アコースティックコンサート「月の雫(しずく) 花の影」を開いた。約130人の聴衆は、ソプラノのソロ、二重唱、ピアノとフルートの二重奏、2台ピアノと変化に富んだ演奏、ユーモアたっぷりの案内人、曲目ごとに衣装を替えるなど、サービス精神おう盛なコンサートを聴いて、見て楽しんだ。
出演はソプラノの浦野純子さん(伊那市)、ソプラノ・ピアノの日下部かおりさん(岐阜県)、フルートの松浦美恵子さん(伊那市)、ピアノの畔上恭子さん(山の内町)。案内人は個性派俳優の扇谷敏さん。
真紅の打ち掛け姿で登場した浦野さんが「ある晴れた日に」とオペラ「蝶々夫人」を歌ってオープニング。日下部さんと浦野さんが二重唱を響かせたプッチーニの「ラ・ポエーム」と続いた。
透明で涼しやかな松浦さんのフルートの音色、寄りそう畔上さんのピアノ、二重奏の魅力を伝えた「プレリュードとスケルツォ」。 出演者全員によるアソドレギュニオソの「明日」で、余韻を残して、コンサートの幕は下りた。 -
三峰川写生大会入賞者
23日に表彰式三峰川みらい会議エンジョイチーム(木下茂人代表)主催の第6回写生大会(4月17日開催)の入賞者表彰式が23日、伊那市役所の多目的ホールである。午後2時30分から。
保育園児から大人まで90余人が参加。その中から7つの賞に子どもと大人1人づつ、合計14人が入賞した。
入賞者は次の通り。
【三峰川みらい会議賞】飯島朱莉(東春近小4)、中山節子(高遠町西高遠)【伊那市教育委員会賞】高山美香(美篶小5)、田中準造(伊那市狐島)【伊那毎日新聞社賞】伊藤さえ(美篶小2)、波田野ミツ(伊那市美原)【信濃毎日新聞社賞】飯島梨琴(東春近小2)、吉澤巻雄(伊那市美篶)【長野日報賞】伊藤黄(美篶小5)、小田切秀巳(伊那市美篶)【JA上伊那賞】六波羅將太(東部中1)、清水京子(伊那市伊那部)【ベルシャイン賞】吉田明弘(東部中1)、小木曽春江(宮田村) -
伊那愛石会の展示
伊那愛石会(中村章会長、約20人)の第45回水石展が12、13日、伊那市の坂下公会堂で開かれている。天竜川水系の石だけを集めたのが特徴。「一般水石の部」「テーマ石の部」に、駒ケ根市縲恍C野町の会員17人が51点を持ち寄った。
今回のテーマは「まだら石」。連山や孤峰を思わせる「山形石」、石の表面にくぼみがある「水たまり石」、上部が段上になっている「段石」など会員が1点ずつ出品した。
色、形、模様など同じものは一つもなく、来場者は用意された水石の種類や鑑賞の方法などを記したチラシを参考に、興味深げに見入っていた。
中村会長は「水石は手を加えない自然の美術品」と魅力を語り「石の種類が多いことで知られる三峰川の石がほとんどある。こういう石もあるのかと知ってもらいたい」と話す。
会場では会員が集めた石を販売している。
13日は午前9時縲恁゚後3時。 -
高校改革プランを考える上伊那学習会開催
高校改革プランの課題を認識し、地域の声をプランに反映することを目的とした「高校改革プランを考える上伊那学習会」(上伊那高校PTA連絡協議会主催)が11日夜、伊那市民会館であった。教員、保護者など約300人余が集まり、生徒受容率や定時制高校の現状、多部制・単位制などについて、さまざまな提案をした。
県教育委員会や第3通学区高校改革プラン推進委員2人も参加。池上昭雄推進委員長は▼旧通学区が1校ずつ再編整備を進める▼阿智、阿南、高遠、富士見は地域校として存続させる▼多部制・単位制高校、総合学科高校を1校ずつ配置する窶狽ニしたこれまでの経過を説明。
参加者からは、経済的理由や不登校経験者が通う現在の定時制高校生徒が、多部制・単位制高校を受け入れるのか窶狽^問視する声があった一方で、「多部制・単位制は条件を整えて整備すればメリットがある」とする意見もあり、県内で例のない多部制・単位制への認識差がうかがえた。
地域校については、北澤英昭PTA連絡協議会長が「交通面のみの理由で地域校を存続させるのは疑問。むしろ中高一環教育で対応できるのでは」と指摘。ディスカッションに参加した藤本功推進委員も賛同を示し「答申にこうした考えを盛り込めるよう働きかけたい」とした。
工業高校がなくなることへの懸念や、生徒受容率の改善などを求める提案もあがり、北澤会長は「早期に結論を出すのではなく、地域の声をしっかり取り入れ、本当の意味で魅力ある高校を考えてほしい」とまとめた。
パネルディスカッション -
箕輪中1年生が福祉体験
箕輪町の箕輪中学校1年生は10日、車いすや高齢者擬似体験などの福祉体験学習をした。3学期に計画するお年寄りを招く交流会に向け、お年寄りへの接し方などを学び役立てようと熱心に取り組んだ。
体験学習は7クラスを2日間に分け、今回が1日目。車いす、アイマスク、高齢者擬似体験に生徒の希望で分かれた。
車いす体験は、講師の町社会福祉協議会職員が「足が不自由で歩くことが困難な人が足の代わりに使う道具。車いすに乗って移動することがどんなことなのか、心で、体で感じてほしい」と、扱い方や乗り方を指導。動かすときは前後左右の安全確認をする、車いすを押す人は必ず曲がる、止まるなどの声かけをする-と教えた。
体育館に、マットでぬかるみ、三角コーンで狭い曲がり道、縄で砂利道を想定したコースを設置。一人ずつ自走を体験した後、3人1組で乗る、介助、記録の役割をしながらコースを移動し、高さ約20センチの段差の乗り降りも体験した。
生徒は、「マットの上は進みにくくて難しい。腕が疲れる」「高い段差を介助するのはちょっと難しい。車いすの人は大変だと思う」と話していた。 -
小中学生・技術家庭科の成果一堂
「上伊那創造ものづくりフェア」が12、13日、伊那市荒井区通り町のニシザワデパート4階催事場で開いている=写真。小中学校、伊那養護学校の児童・生徒が技術家庭科の授業や夏休みの課題で製作したエプロンや木製の椅子など約130点を出品している。県技術・家庭科教育研究会などの主催。
地域の人たちに学校の授業成果を披露する場で2回目。クッション、ブラウス、トートバックなどの被服や、ペンギン、コアラの形をした木製パズルなどのほか、総合学習で取り組んだ作品も並んでいる。
作品には製作した本人の説明や感想が添えられていて、なかには「自分の愛用していたトレーナーをクッションに」など、製作秘話も書かれている。
中学校教諭の一人は「技術家庭科の授業時間が減らされているなか、教育のなかで『ものづくり』が重要なことだと、子どもたちの作品を通じて一般の人にも知ってもらいたい」と話している。
午前10時縲恁゚後5時(最終日は午後3時)。入場無料。 -
06年度高校入試募集定員決定
県教育委員会は10日、06年度の県立高校の生徒募集定員を決定し、私立高校の募集定員も合わせて発表した。
第1回入学志願者予定数調査の結果や、旧通学区ごとの中学校卒業見込者数の増減、過年度卒業者数などを考慮した結果、上伊那地域の募集は全日制・定時制ともに05年度と変わらなかった。
第3通学区内は、諏訪二葉高校岡谷南高校、岡谷工業高校の学級数が1学級ずつ減ることになった。
県全体の卒業見込者数は2万1967人で、前年比566人の減となる。 -
竜北保育所でさつま汁づくり
伊那市の竜北保育所(青木多津子所長)で10日、収穫したサツマイモを使った「さつま汁会」があった。園児たちは鍋の周りで完成を待ちわび、みその良い香りとサツマイモの甘味を味わった。
育てたサツマイモを使った「焼きいも大会」や「さつま汁会」は、市内の各保育所の恒例行事。イモは園児104人が1本ずつそれぞれの家庭に持ち帰り、残りを調理する。15日は焼きいも大会もする予定。
事前に収穫したサツマイモは、前日に年少園児が洗い、当日、年中・年長園児が皮むきと刻む作業を分担した。大きさも形もさまざまなイモと共に、ニンジンやダイコンなども一緒に煮込んだ。最後にみそを入れると、おいしそうな香りが園庭いっぱいに漂った。
完成した鍋の中身をのぞきこんだ園児は「ワー」「いいにおいがする」と、目を輝かせた。
汁は隣の小鳩園にもおすそ分けし、お昼と共に味わった。