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記者と営業を募集
伊那毎日新聞社は社員を募集します。要項は次の通り。
【採用職種】(1)記者(2)営業(3)営業パート
【採用人員】(1)(2)(3)のいずれも若干名
【応募資格等】(1)(2)(3)のいずれも要自動車普通免許。(1)(3)はパソコンのできる人
【待遇】当社規定による
【応募方法】履歴書を伊那毎日新聞社人事係(〒396竏・021伊那市伊那3648)へ郵送。追って面接日を通知致します
【応募締切】
2007年3月31日
【問い合わせ】(1)は編集局 竹村(0265・72・4100)、(2)(3)は営業局 荻原・酒井(0265・72・4103)へお気軽にどうぞ -
雪割草220点を展示
伊那雪割草愛好会(久保田光紀会長、8人)の第7回雪割草展示会が10、11日、伊那市民会館で開かれている。伊那市を中心に南信地区の会員が丹精込めて育てた雪割草220点が並び、初日、多くの愛好者が詰めかけた。
雪割草は、葉が3つに割れているミスミソウ、丸い葉のスハマソウなどの総称。
昨年冬の温かさと氷点下になる寒さで、管理に苦労したそうで、久保田会長は「開花が早まると心配したが、色も形も良い」と話す。
花は紫、ピンク、赤、白など色とりどり。形も千重咲きや二段咲きなどさまざまで、会員が種を取って交配させて育てたオリジナルの鉢もある。また、シュンランや梅などを寄せ植えした鉢も。
愛好者を増やすため、雪割草を販売(価格は300円から)。「栽培は難しいと思われるが、病気や病害虫が割と少なく、育てやすい」という。
11日は午前9時縲恁゚後4時。 -
陸上第6回国体強化記録会
第6回国体強化記録会(2月24日、松本平広域公園陸上競技場)=男子の結果は既報。1位と上伊那関係分のみ)
◆女子
▽3000メートル1組=(1)森田遥(赤穂中)11分24秒67(5)山田咲織(同)12分09秒62
▽3000メートル2組=(1)亀山絵未(東海大三高)10分17秒47
▽4×1500メートル=(1)丸子実高A20分36秒67(2)駒ヶ根東中(篠田美樹、寺平雅博、北原成美、竹村知世)21分45秒03(3)赤穂中(森田遥、山田咲織、平賀愛美、加納寛子)22分17秒37)
▽4×800メートル1組=(1)腰越JSC11分37秒49(2)駒ヶ根中沢RC(春日ともえ、湯沢ほのか、赤羽美紅、伊東玲奈)11分50秒15
▽4×800メートル2組=(1)丸子実高10分00秒99(2)駒ヶ根東中(篠田美樹、北原成美、鈴木晴花、小池麻美)10分39秒38(6)伊那東部中(鈴木麗央奈、伊藤萌、山崎陽子、六波羅栞)11分47秒11
◆小学生男子
▽1000メートル1組=(1)
川俣隼也(原PCジュニア)3分04秒28(4)林優人(駒ヶ根中沢RC)3分16秒53(7)丸山修平(同)3分19秒32(8)春日千速(同)3分23秒54(11)蟹沢淳平(同)3分26秒91(17)大蔵孝明(同)3分36秒76
▽1000メートル2組=(1)笹沢大地(腰越JSC)3分32秒46(9)福沢弘樹(駒ヶ根中沢RC)3分54秒88)(12)鰍沢耕作(同)4分01秒16
◆小学生女子
▽1000メートル=(1)岸郁奈(腰越JSC)3分23秒06(2)湯沢ほのか(駒ヶ根中沢RC)3分27秒98(8)赤羽美紅(同)3分44秒90(13)春日ともえ(同)4分00秒05 -
陸上第6回国体強化記録会
第6回国体強化記録会(2月24日、松本平広域公園陸上競技場)=いずれも種目は男子。女子及び小学生の部は後報。1位以外は上伊那関係分=
▽3000メートル1組=(1)山田雄司(佐久長聖高)8分56秒80(10)田原直貴(赤穂中)9分37秒73(11)大蔵孝典(同)9分38秒12
▽3000メートル2組=(1)桃井聡(丸子実高)9分32秒73
▽3000メートル3組=(1)北原直哉(富士見高原中)10分25秒61
▽4×1500メートル1組=(1)東信中学選抜18分48秒45(2)伊那東部中(池上陽祐、大澤知真、小林賢人、北原浩士)20分24秒47(5)駒ヶ根東中C(野溝渉、大蔵孝治、下平庸介、竹村悠太)21分20秒08
▽4×1500メートル2組=(1)伊那松川中18分00秒85(県中学新)(2)駒ヶ根東中A(福沢潤一、小林純平、宮脇千博、久保田光)18分30秒55(5)駒ヶ根東中B(天野努、天野進、竹村亮作、寺澤尚之)20分17秒81
▽4×800メートル1組=(1)東北中9分54秒95(3)伊那東部中(大澤知真、畑竜平、池上陽祐、中山拓実)10分20秒31(5)駒ヶ根中沢RC(丸山修平、春日千速、蟹沢淳平、林優人)10分54秒01(9)駒ヶ根中沢RC(蟹沢耕作、福沢弘樹、久保田隼、大蔵孝明)12分01秒99
▽4×800メートル2組=(1)木曽高8分29秒39(3)駒ヶ根東中(米澤祥吾、小林純平、天野努、竹村亮作)9分28秒11 -
県議選上伊那郡区 小原勇氏後援会の事務所開き
県議選上伊那郡区(定数2)に出馬する小原勇氏(58)=宮田村、無所属=の後援会は11日夜、宮田村内で事務所開きをした。村内外から支持者約150人が集まった。
小原氏は「地域の思いを受け止め、県政に反映させたい。県政を後戻りさせてはならない」と訴えた。また、公共事業のあり方について「地域に密着し、必要なものはやっていくべきである」とした。
前林善一後援会長は「一日一日が勝負。上伊那南部だけでなく、上伊那の代表として送り出してほしい」と支援を求めた。
清水村長、宮田村・飯島町の各商工会長ら5人の激励の言葉に加え、小田切行雄元県議からも応援メッセージが届いた。
後援会組織は飯島町、中川村などで近く、支部を立ち上げる予定。
事務所は宮田村6276で、国道153号線の大原信号機南側付近。電話・ファクスともに85・5190。 -
「Beauty-美しきもの」が大鹿村大磧神社でクライマックスの半次の引退公演を撮影
飯島町在住の後藤俊夫監督(67)がメガホンを取る「Beauty-美しきもの」の現代の歌舞伎シーンの撮影が10、11日、大鹿村大河原の大磧神社舞台で行なわれた。
11日は主役の半路役を演じる片岡孝太郎さんや麻生久美子さんが出演したほか、遠くは長谷、高遠、箕輪町、近くは中川村、飯島町など上伊那各地から住民約500人がバスを仕立てて、大鹿入りし、観客役としてエキストラ出演。拍手をしたり、大向こうの声掛けをするなど、映画を盛り上げ、感動を共有した。
撮影シーンは戦傷で足が動かなくなった半次の引退公演、最後の舞台で万感の思いを込め、渾身の力を振り絞り、半次が舞うのは、雪夫が舞うはずだった「天竜恋飛沫」、映画のクライマックスシーン。
今後、4月下旬から最終の春ロケを行ない、クランクアップする。 -
県小水力利用推進協議会がシンポジウム
県小水力利用推進協議会(池田敏彦会長)は11日、伊那市で設立記念シンポジウムを開いた。地元を中心に、県内外から約120人が出席。地産地消エネルギーとして小水力発電の可能性を考えた。
水力発電は、自然の資源を利用できる、常時発電できるなどのメリットがあるものの、水利権の許認可、メンテナンス、設置費用などの問題点もある。
パネルディスカッションでは、池田会長ら4人のパネリストを迎え、水力発電のかかえる問題点について意見を交わした。
全国小水力利用推進協議会事務局長中島大さんは「日本はマーケットがないために、水力発電機を開発するメーカーが育たない」と指摘し、普及には農業用水路がポイントとした。
また「1キロワットで100万円の発電機が開発できれば、普及するのではないか」「メンテナンスで一番大変なのはごみが詰まること。頼りになるのは、発電機を使っている人。年間を通じ、水量やごみの変化を知ることで、技術開発につなげる」など意見が出た。
基調講演では、水辺空間の保全などを目的としたリバーフロント整備センター理事長竹村公太郎さんが「水車の21世紀の日本文明」と題し「日本には有り余る水資源がある。石油は枯渇する。今から小さなエネルギーで自立することを議論してほしい」と投げかけた。
シンポジウムに先立ち、伊那市や辰野町の小水力発電見学会もあった。
県小水力利用推進協議会は10日に設立。県は水力エネルギー潜在量が全国3位といい、自然エネルギーを活用した小水力発電の普及を図り、循環型社会の構築を目指す。
賛同する会員(個人、団体、賛助会員)を募っている。
問い合わせは、県小水力利用推進協議会(TEL026・217・8288)へ。 -
記者室
小学校低学年の頃は給食がなかった。昼になると「忘れました」と言って、校庭に飛び出していく友達が何人かいた。アルミの弁当のふたを取るとサツマイモが1つ、隠すように食べていた友も。昭和20年代終りの頃の話▼給食が始まり、パサパサコッペパンと脱脂粉乳、カロリー計算のみを優先した国籍不明の副食。内容は今の給食と比べ様もないが、皆が同じ物を食べられる幸せをしみじみと噛み締めた▼そんな時代に育ったから、昨今の給食費未納問題が理解できない。高級車に乗ったり、パチンコに行く金はあっても払わないという不心得者には厳しく対処を。一方、経済的理由で払えない家庭には十分に配慮し、子供達にとって、いつも楽しい給食である事を願う(大口国江)
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木曽観光連盟・スキー場への誘客キャンペーン
木曽観光連盟は3、4日、伊那市日影のベルシャイン伊那店1階広場で、冬季観光の柱である同地区のスキー場への誘客を目的としたインフォメーションコーナーを設置している。
権兵衛トンネル開通1周年記念企画で、伊那谷側では開通後初めてとなるスキー場のキャンペーン。木曽谷の5スキー場の共通一日リフト券や特産物を景品とした抽選会を主に、各スキー場のパンフレット配布などでPRしている。
同連盟の原隆事務局長は「開通後、1年間通して観光施設への入り込みは増えたが、一過性で終わらせないようにしたい。そのためにこういったPRを一つの方法として、木曽谷、伊那谷の人々が互いの土地のことをもっと知る必要がある」と話している。
景品抽選会などで木曽谷のスキー場への誘客を図る -
記者室
「嫁して3年子なきは去る」「女は子どもを産む道具」などと言われていた戦前ならともかく、現在の柳沢厚労相の発言「(女性は)産む機械、装置」に仰天「機械って言っちゃ申しわけないけど」と挟む所を見ると、口を滑らしたというわけでもなく本音のようだ▼「案ずるよりも産むが易し」ということわざがあるが、現実は今も昔もお産は命掛け。医療は発達しても、産科医不足で医療環境は悪い。少子化対策の旗降り役が女性を「産む機械」と見なしていたとは。さしずめ施策は「整備し、油でもさせばいい」なのか▼安倍内閣は政治と金の問題で既に足元ぐらぐら。厚労相の一言が追い討ち。有権者の半分以上は女性、夏の参院選、女性を怒らすと、どうなるかな(大口国江)
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交通ネットワーク検討会で住民アンケート結果を報告
「第2回伊那地域における新たな交通ネットワークシステム構築のための検討会」が30日、市役所であった。地域住民アンケート結果から、運転免許保有者の交通機関利用への転換は難しい結果となった。また、伊那竏猪リ曽間の連絡バスを「利用してみたい」は伊那25%、木曽48%と差が開いた。
検討会は▽新市発足に伴う旧市町村の生活交通のあり方▽権兵衛トンネルを利用した広域的な交通ネットワーク竏窒ネどを検討。交通の実態や公共交通機関に対するニーズを把握するため、2700世帯を対象に、アンケートを取った。有効票44・5%。
運転免許の保有率は80%を上回り、バスの利用頻度は「全くしない」が72%を占めた。「ある」と答えた利用者は年2縲・回が多く、月1回以上は3%未満だった。バスの利便性が良くなっても利用しない人は44%。
運転免許を持たないなど交通不便者の主目的地は医療機関が最も多く、交通手段は車での送迎、バス、タクシーなどだった。不便さが解消されれば、外出の機会が増える実態も明らかになった。
伊那竏猪リ曽間の連絡バス利用について、伊那は「全く利用する可能性がない」が34・3%で「ぜひ利用してみたい」「利用してみたい」を上回った。
石沢孝座長=信州大学教育学部教授=は「時間や料金設定、運行本数を検討すれば、JR木曽福島駅への利用など需要はあるのではないか」と話した。
2月上旬から、公共交通、観光交通、利用者らの現状や問題点をヒアリング調査する。
3月中旬に第3回の検討会を開く。結果を結果を踏まえ、新年度に新市の総合的な交通体系の基本方針をまとめる。
構成員は行政機関、バス・タクシーの交通事業者、高齢者クラブ代表など利用者ら20人。 -
県小水力利用推進協議会を設立へ
県小水力利用推進協議会が10日、立ち上がる。地球温暖化対策として、自然エネルギーを活用した小水力発電の普及を図り、循環型社会の構築を目指す。
05年、全国規模の小水力利用推進協議会が設立され、県単位で設立の動きが出始めている。県は全国3番目。
発起人の一人で、伊那谷自然エネルギー研究会の小沢陽一会長=伊那市=は「地球温暖化は待ったなしの問題で、新エネルギーを推進しなければならない。メンバー同士の情報ネットワーク機能を果たしながら、小水力を県内に普及させたい」と地域振興策につなげたいとする。
協議会では、産学官の連携を持ち、小水力の利用にかかわる調査研究、情報収集、利用の啓発活動などの事業を展開する。
県内で小水力に取り組む伊那市、須坂市、小諸市などのグループのメンバーを中心に、30人ほどで設立するが、今後、賛同する会員(個人、団体、賛助会員)を募っていく。
自然エネルギーは、太陽光、バイオマス、風力などあるが、水力は効率が良く、既存の用水路を活用することができる。市内では長谷など3カ所に小水力発電機を取り付け、街路灯に活用している。
マイクロ発電機の購入には100万円ほどがかかるため「伊那谷ブランド」として200ワットで20万円程度の試作品を開発したいと考えている。
設立総会は10日、長野市で開催。11日午後1時半から、伊那市役所1階多目的ホールでシンポジウムがある。
シンポジウムは、水辺空間の保全などを目的としたリバーフロント整備センター理事長竹村公太郎さんの基調講演「水車の21世紀の日本文明」、パネルディスカッション「地産地消のエネルギー竏衷ャ水力の可能性について」。
参加費は無料。資料代は800円(希望者)。
シンポジウムに先立ち、伊那市や辰野町で小水力発電の見学会もある。
問い合わせは、小沢さん(TEL72・2921)へ。 -
愛知県でヒマワリ咲く
夏と勘違いしたのかね竏秩B伊那市御園の養蜂家・小松実治さんが17日、ハチを増やすために出張所を構えている愛知県田原市馬草地区の菜の花畑で、ヒマワリが咲いているのを発見し、写真に収めた=写真。
ハチは寒いと活動しなくなり、女王バチも冬期は卵を産まない。しかし、暖かな場所に連れて行くと営巣活動を始めるため、小松さんの所では冬期でも暖かい渥美半島へ約1万匹のハチを運び、約3万匹までに増殖する。
渥美半島では例年2から3月にかけて菜の花が咲き始めるが、今年はそれより早く開花。また、前年に種を落としたと思われるヒマワリが所々で咲いているという。
小松さんは「あちらでは昨年の10月下旬から菜の花が咲いており。この冬はいつもより暖かく、普段なら伊那にいる間は活動しないハチが、少し暖くなっただけで外へ出て行く。結局夕方になると寒くて帰ってこれなくなってしまうが。暖冬異変は生き物にとっても大変」と話していた。 -
信州伊那アルプス街道推進協議会を設立
日本風景街道「信州伊那アルプス街道推進協議会」の設立総会が24日、伊那市内であった。二つのアルプスに抱かれた風景を再認識し、先人の遺志を継承していく活動を展開する。
組織は、景観形成や花作りに取り組む団体、商工観光関係など26団体。代表に、はびろ農業公園管理組合運営協議会議長の有賀正喜さんを選んだ。
有賀代表は「官民が協働し、アルプス街道が全国に知れ渡るよう活動を進めていきたい」とあいさつした。
本年度事業として、構成団体の活動を紹介するガイドブックの作成、「道」をテーマとした講演会・研究会の開催などに取り組む。
活動エリアは、国道361号・国道152号(権兵衛街道、杖突街道、秋葉街道)の直線距離で東西40キロ。活動方針に▽361号とその周辺から見える中央・南アルプスの風景を守る▽街道の歴史や四季折々の自然を歩いて楽しむ散策ルートを整備する▽食や健康による都市と地域の交流のまちづくりを促進する竏窒ネどを挙げる。
国土交通省の「日本風景街道戦略会議」は5月ごろ、美しい街道づくりを支援する仕組みなどを発表する。推進協は支援ルート登録を目指す。 -
塩尻河川敷男女焼死体事件 民事訴訟で他殺立証
塩尻市の奈良井川河川敷で02年10月、男女2人の焼死体が見つかった事件で、亡くなった会社員酒井宏樹さん=当時(24)=の両親(伊那市西春近)が生命保険会社に、保険金の支払いを求めた訴訟の判決が23日、地裁飯田支部であった。被告側の「死亡は自殺によるもので支払い義務はない」との主張に対し、松田浩養裁判長は、死亡保険金約3500万円を支払うことを命じた。遺族は息子が他殺されたことを民事訴訟で立証した。
02年10月12日夜、宏樹さんの乗用車が燃え、車内で宏樹さん、車外で交際相手の女性=当時(24)=の遺体が見つかった。塩尻署は捜査本部を設置せず、事件、自殺の両面で捜査し、宏樹さんの「無理心中」との見方を強めていた。
殺人事件として遺族は、県警に捜査本部設置を求める行政訴訟を起こすも04年6月に却下された。他殺であることを認めてもらうため、宏樹さんが02年1月に母親・倫子さん(51)を受取人として加入した保険会社を相手に03年12月、提訴していた。
判決文によると、裁判官は「宏樹の死は他殺であると認められる」とした。原告弁護人の長谷川洋二弁護士は、殺害直前に撮られたと思われる、2人が仲むつましく写った写真が判決の要因に触れた竏窒ニ主張。「写真からは(自殺するような)険悪な要素はまったくない」とした。
倫子さんは「最初から宏樹がそんなことをする子ではないことを分かっていた。ありがたい判決をいただき今は感無量。宏樹は亡くなってしまったがこれからは、息子の分まで頑張って生きたい」と涙をこぼして話した。
父親の覚さん(53)は「最終判断機関の裁判所が他殺であることを認めた。宏樹にかけられた無理心中という汚名を晴らすことができ、親として最低限度のことを息子にしてやれた気持ち」と感想。しかし、殺人を犯した犯人は捕まっていない竏窒ニし、県警には捜査本部を設置してきっちりと捜査してほしいことを伝える考えだ。 -
三峰川行政地域懇談会
第7回三峰川行政地域懇談会(三峰川みらい会議主催)が21日、伊那市役所であった。三峰川流域の行政や関係機関、信州大学農学部などから53人が出席。三峰川の各分野の専門性を持った「達人」の掘り起こし・養成など、出された意見を活動指針に反映する。
ワークショップ(WS)は「地域づくり」「川づくり」「人づくり」を基本に、川の環境や防災、イベント、三峰川と桜など6つのテーマに分かれ、参加者が意見交換した。
「達人」の養成は、歴史をつづる三峰川、水や石など素材を生かして楽しむ三峰川として身近に感じてもらえるよう、07年に退職した人などを引き込みながら、イベントを組むことを提案。
また、昨年7月の豪雨災害から「河川内の立木が下流域に流れ、恐ろしさを感じた。大木になる前に、切ることが必要」とボランティアと協働で作業を進めたり、伐採木を産業として活用したりする意見も出た。
三峰川みらい会議の織井秀夫代表は「災害の記憶は、今やらなければ継承できない。次世代に向かい、素材を生かし、地域づくりをしていくには人づくりが大切と思う」と話した。
WSに先立ち、信州大学農学部大学院生伊藤晃さんの三峰川の河床経年変動についての研究発表もあった。 -
【記者室】伝統文化を引き継ぐ難しさ
伝統文化を引き継いでいくことが、いかに難しいことか。小正月などに各地域で獅子舞があった。いくつかの保存会員らは、担い手不足が深刻と口にした。夜勤や交代制など仕事の都合で、けいこに参加できないなどを理由に挙げる▼「仕方なく参加している」という若者の言葉にショックを受けたが、それだけ地域のつながりや伝統文化への関心が薄れきたのかとも思う。活気づく組織はコミュニケーションを取る場として幅広い年齢層が集う。各戸を回ることも担い手確保につながっている要因という▼地域の宝を守るため、保存会立ち上げに向けて動き出すところがある。保存会発足で安どするのではなく、継続させるためのてだても考えなければ、いずれ行き詰まる。(湯沢康江)
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きょうは大寒
20日は二十四節気「大寒」で、最も寒さが厳しくなる時期。
19日の伊那の最低気温は氷点下3・6度だったが、一日中、晴れた穏やかな天候で、道行く人も「いつもより上着が一枚少なくて済む」と話した。
日の当たる場所では今月初旬に降った雪がすっかり解け、フキノトウが顔を出す。
長野気象台の1カ月予報によると、平年に比べて気温が高く、くもりや雪の日が少ない。昨年1月の平均最低気温は氷点下4度。冷え込む日はあるが、2、3度ほど高めになるそうだ。 -
投機の対象
300年前、ヨーロッパの人々を狂わせた羽のような、炎のような模様のパロット系チューリップ。ミステリアスな花の歴史に引かれ、花屋をはしごして探したが見つけることは出来なかった。栽培農家に聞くと、球根が高く需要が少なく、採算が取れないからとか▼当時、美しさ故に投機の対象になり、1球が豪邸と交換され、多くの人がチューリップ投機で破産の憂き目に遭ったという。今でもその子孫の球根は一般的な種類の10倍から20倍はする▼最近のニュースで絵画のレンタルを巡る詐欺事件が発覚した。花でも絵でも、美しい物は「きれいだなあ」と愛で、鑑賞するのが無難。古今東西を問わず、金もうけの材料にしようとすると、ろくなことにはならないようだ(大口国江)
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【記者室】旬のものは旬に
自宅の軒下にずらりと並んだ凍み大根や凍りもち…。近年では、作る家庭が少なくなったという。温かい日差しを受けながら、年配者が作業を進める▼「昔はいろりの回りで、夜なべ仕事にしたもんだ」「紙が貴重で、もちをくるむときは書き終えた帳面を使った」と思い出話が次々と出てくる。保存することができ、重宝がられる食材。「昔の人の知恵だねぇ」。近くの農産物直売所に出すと、すぐに売り切れてしまうそうだ▼スーパーマーケットなどへ行けば、一年中、野菜が買える時代。便利なのだが、それが当たり前になると、だんだん季節感がにぶる。旬のものは旬に食べる。栄養価も高く、体にも良い。それが1番。(湯沢康江)
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地球の会が結成竏駐・M地球議定書竏窒フ策定に向けて動き出す
市民レベルから温暖化防止に働きかけよう竏窒ニ13日、南信地区の市民有志による「地球の会」が発足した=写真。「身近で簡単、すぐに効果が見える」をキーワードに、気負いせずに誰もが取り組めるエコ活動を実践・模索。それを一般市民へと普及することを通じて、個人レベルでの環境問題意識を高めていきたいと考えている。
当初メンバーは上下伊那を中心とする10人で、木工職人、農業者、学生、NPO関係者など。07年度末までには具体的活動を目標をまとめた「南信地球議定書」を策定し、批准した個人に実践してもらおうと考えており、会員は議定書の目標策定に向けて、勉強会や具体的なエコ活動を実践していくが▽自分たちやその家族の間で実践する「勝手にサマータイム」▽二酸化炭素を減らすことに役立つ植物を植える竏窒ネど、身近でできることを中心としている。
また、個人で実践する目標も一つだけ設定し、年度末に成果を報告し合う。
寺平秀行代表は「今までこうした問題に関心の無かった人に関心を持ってもらうことが今年最大の目標。徐々に活動の輪を広げていきたい」と語った。
第1回勉強会は2月ころを予定している。
会に関する問い合わせは地球の会(TEL70・5728)寺平代表へ。 -
南ア世界自然遺産登録へ
南アルプス世界自然遺産登録に向け、29日、長野県連絡協議会を立ち上げる。12日、伊那市役所で設立準備会=写真=があり、「自然遺産」で進めていくことを確認した。
運動は静岡県、山梨県、長野県の10市町村で展開。長野県は飯田市、伊那市、富士見町、下伊那郡大鹿村の4市町村で、伊那市が取りまとめ役を務める。
準備会には、県内4市町村の首長、議長、担当課長ら約20人が出席。
世界遺産やこれまでの経緯など説明を受け、連絡協の規約、事業案、経費負担などを協議した。
小坂市長は「登録までの道のりは長いと思うが、運動の過程が重要。諏訪、上・下伊那など巻き込みながら、運動を展開したい」と述べ、南アを見直すきっかけになることに期待した。
2月末には、3県の関係市町村で推進協議会を立ち上げる予定。
南アは、標高3、000メートル級の高山が連なり、日本を代表する山岳景観を有する。ニホンカモシカやライチョウなど30種類以上が確認されている。キタダケソウなど植物も多数存在するが、シカの食害が深刻になっている。 -
記者室
さしたる議論もなく防衛庁が省に昇格したかと思えば、本筋の議論をそっちのけでいじめ問題に目がいっている間に成立した教育基本法改正。列国の非難も物ともせず核を手離さない北朝鮮、早晩日本でも核武装論議が出て来るのでは。加えて改憲が参院選の争点とする首相の年頭会見。今年はいずれの方向に猪突猛進するのやら▼という話を戦争体験者にした所「自分たちが戦争に駆り出された時代と違い、今はなんでも言える時代。個人主義で国が命令しても動かないから大丈夫」と言う▼正月はどのチャンネルを回してもお笑いとバラエティー番組の氾濫。うるさいほどのおしゃべりはできても、いざという時、まともな意見が言える人がどれほどいるだろうか(大口国江)
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村井知事に聞く(下)
竏注mZの問題で教育委員会がだいぶもめているようだが、それについてはどうか。
村井知事 高校の問題は教育委員会の話だが、知事の立場としては、それぞれの地域の生徒さんの将来に関わることだから、安心できる体制を整えていただきたい。
しかし、少子化は避けがたい現実。長野県平均では、一人あたりの高校生の費用というのは91万6600円かかって、そのうち4万1300円が県の負担で、75万7千円が、国から来る地方交付税など。11万8千円が父兄の負担と、こんな割合になっている。ところが、これが2クラスという学校になると、一人あたりの単価が197万円かかる。これから91万円差し引くと、106万円ほど、県の負担が上乗せされる。これは全部まるまる県が出さなくてはだめ。そればかりではない。高等学校に行くと、理科一つとっても、物理、化学、生物、地学と分類が出てきて、教師に専門性がある。俺は生物はうんと好きだけど、物理はちょいと苦手だという先生もいるという世界になるから、小さい学校だったら、物理の不得意な教師に物理までやらせるようなことになりかねない。これはやっぱりワンセットそろえられるには、適正規模が必要。私はそういう意味では高校再編に関する基本的な県教育委員会の考え方というのは、基本的には正しいと思っている。進め方に問題があったのだと思う。
竏窒竄驍フなら一斉に進めるべきであって、一つの高校の同窓会など、学校周辺の声に甘んずることなく、やるときは平等にやるべきとの声もあるが、その点はどうか。
村井知事 一つのご意見だと思う。ただやはり、高等学校は地域でそれなりの存在感があるから、それをめぐって、いろんな議論がある。そこのところをあまり無視するわけにはいかない、ということではないか。私はもう一つ、県議会が(昨年)6月に条例改正して、県議会の同意を得るということにしてしまわれたので、そういう意味で民意、反対が多いと県議会の皆様方にしてみると、あれだけ地元で反対と言っている以上、賛成できないなという話になってしまう。それは避けがたい現実。そういう意味で、あの条例改正が本当に適切な条例改正だったかという問題は、議会の問題だから、私が言ってはいけないことなのかもしれないが、筋論から言うならば、教育委員会の、教育の政治的中立性という観点からするならば、若干問題のある点ではないかと。
竏酎コ井県政として初めての通年予算となる19年度予算案の特色と重点事業は(基金残高や県債発行額など財政見通しも含めて)。
村井知事 平成19年度当初予算については、極めて厳しい予算編成になるものと考えている。予算や重点事業については、2月定例会に向けて検討しているところであり、その具体的な内容については今は申し上げる段階にはないが、県の果たすべき役割を踏まえ、全ての事業の再検討・再構築を通じ徹底した支出削減と歳入確保に努めていかなければならないと考えている。一方で、県債残高を増やさぬよう元金償還の範囲内において起債を行い、重要な財源の一つである県債を有効に活用しながら、経済再生のための産業活性化、防災や福祉・医療など安全・安心のための施策、道路など必要な社会資本の整備、未来を担う人づくりなどに重点的に取り組み、明るく活力ある長野県づくりを進めてまいりたい。併せて、国庫補助金の有効活用にも最大限の努力を図って参りたい。
竏秩u市町村が主役の輝く県政」の具体化のため、19年度に力を入れる点は(権限移譲のスケジュールや作業手順も含めて)
村井知事 権限の移譲については、市町村や地域住民の意向を尊重し、市町村が自らの責任で主体的に施策を展開していくために必要と判断された権限を移譲していくことが大切と考えている。「ボイス81」などの機会を通じ、市町村長をはじめとする市町村の皆様のご意見を伺いながら権限移譲のあり方についても検討を進めてまいりたい。
竏駐・k格差をどう是正するか。
村井知事 住民に最も身近な基礎自治体である市町村への権限移譲とともに、併せて県の現地機関の自立性を高めていくこと等により、それぞれの市町村において地域のことは地域で解決し、地域住民の要望に沿った行政サービスを提供できる体制づくりが進めば、県庁が長野市にあるなどの理由により、とりわけ中南信の皆様にとって県政が身近に感じられないといったような問題は徐々に解消していくものと考えている。一方で、交通基盤の整備など個別の問題に関しては、地域における必要性、重要性、緊急性などを勘案してその優先度を判断しつつ事業を進めているところでありますが、今後予定している「中期総合計画」の策定に際しては、行政サービスにおける地域格差の解消という観点も踏まえつつ行ってまいりたい。 -
村井知事に聞く(上)
伊那毎日新聞社などが加盟する長野県新聞協会は、当選後初の新年を迎えた村井仁知事にあらためて県政の方針や課題などを聞いた。(2回に分けて掲載)
竏鋳m事として初めての新年を迎えた心境と今年の抱負は。
村井仁知事 昨年、思いもかけないことだったが、6月の末に要請を受けて知事選に立候補し、告示まで20日間という短い期間の選挙だったが、県民のご信任を得ることができた。知事に就任して初めての正月を迎え、あらためて責任の重さに身の引き締まる思い。昨年は豪雨災害などもあり、必ずしも長野県にとって明るいことばかりではなかったが、今年はどうか平和で良い年になってほしい。
私自身は田中県政の中で、採るべきものは採る、改めるべきは改めるということで、後退しない長野県政ということをモットーに進めてきた。11月に機構改革の人事をしたが、あれでもなお、もう少しいろいろ考えなくてはならないことがある。4月の年度始めに若干、懸案だった組織を整備したい。
それから何といっても大きな課題は、年末に向けて5カ年の中期計画をきっちり整備したいと思っている。中期計画と称してコモンズによる信州ルネッサンス計画というのができたが、あまりにも抽象的で、やはり行政はある時間軸を明確にして、どういうことをやるんだということをはっきりとお示しすることが必要。私は選挙のときに、マニフェストのようなものを作らないのはなぜだと、随分お叱りを受けたが、あのときは、私がやりたいことはたくさん具体的にあったが、それを体系的に整理して、実現の可能性まで十分に吟味して提示するほどには、実態を知らない。そういう立場の人間が無責任にいろいろ言ってはいけない。できもしないことを並べるにすぎない。私は実状を知るためのさまざまな事はお約束した。それがボイス81であり、車座集会も小泉内閣のタウンミーティングと一緒で、非常にいいことだと思ったから、こういうのはやると申したが、具体的なことは言わなかった。やはり、組織的に県庁組織のすべての力を結集して作成するのが、計画の本来の姿なのではないのか。そういう意味では年末までに5カ年計画を長野県の中期計画としてきちんと作りたい。そこではいついつまでに何をするということまで含めて、かっちりしたものをやりたい。これがある意味では今年の一番の作業だろう。
それから2番目は、長野県庁に昨年9月1日に入り、一番まいったのは、皆さん知事が言うことに非常に注目なさる。就任したときのあいさつで、知事の顔色なんか見るなと、県民の目線を常に意識して、本当の県民益になるようなサービスを皆さんにやってほしいと申し上げたが、依然として知事の顔色を見る雰囲気は消えていない。9月以来4カ月経っても、いろんな機会に申し上げているが、そういう状態がまだ変わらない。非常に残念。各部局が部局の組織の権限というものを十分に生かして、なすべきことをきちんとやってほしい。このことは本庁の部局もそうだが、県の出先機関、地方事務所をはじめとする各機関も、それぞれの地域の実情を直に一番よく分かっているのは、市町村と連携とって一番よく分かっているのは、そういう地方事務所であり、建設事務所であり、保健所なのだから、そこで完結する話はどんどんやってほしい。そういう意味で、ぜひそれぞれの職員が、自分の職責というものを大事にして、いきいきと仕事をしていくような、そういう県組織になってほしいと、これが私の2つ目のお願い。
それから3つ目は、将来の長野県を見据えて、いま自分たちは何をしなくてはならないかという議論を、県庁職員がまず率先して、市町村職員や民間の皆様、あるいは学会の皆様と、いろんな形で接触を深めて、広範な論議をしていただきたい。要するに自由闊達な論議をありとあらゆるレベルでやってほしいというのが私の願い。それを通じて初めて、県庁組織というものが、お高くとまってすましている県庁組織ではなくて、本当に県民の県庁組織になっていく。81の輝く自立した市町村が主役の長野県づくりのためのサービスをする、そういう県政になっていくと思っています。
竏抽e地から道路整備などで多くの陳情・要望が寄せられている。厳しい財政状況の中で、財源をどう確保し、地域の願いに応えていくか。また、優先順位を決める際の観点は。
村井知事 地域から要望の寄せられた個所については「必要性」「重要性」「緊急性」「効率性」など様々な観点から客観的な評価を行い、実施個所を決めていきたい。
竏窒烽、少し具体的に
村井知事 別の切り口で言うなら、例えば、しかかり中、工事途中で止まってしまったというようなものは、早くやった方が良いのではないか。ただ、道路で具体的にそういうのがあるかというと…。地域で反対が起きてしまってにっちもさっちも行かないというような、これはしょうがない。反対が多いから。
竏駐c中知事が中止した事業が各地にある。そういうのはどうするか。
村井知事 調べてみたら、田中知事が明確に中止した事業に、道路はあまりない。
竏苧痰ヲば飯田の方には、飯田から伊賀良に行く大きな橋があるが、それもやめちゃった。
竏酎コ井知事 それは、田中知事がやめちゃったということになっているんだが、県の土木部の主張としては、やっぱり、緊急性が認められないからやめることにしたんだという、説明になってしまっている。私は道路について、田中知事が明らかに中止したものを、全部さらってもってこいと言って出させた。そしたら出てこない。しかし、おっしゃるように、あれは確かに田中さんがやめさせたはずだという。思い当たることが私の選挙区内にもあった。それはどうなんだと言ったら、いや、用地買収がうまくいかなくて進められなかったなんて言われた。具体の話になると、そういう話になって、結果的にないという話になってしまう。ただ、おっしゃる通り、実際、地元には知事がダメと言ったからダメだということになっている。その手の話で、地元でやれるような環境が出来ていて、県が勝手に止めたようなものは、最優先にやりたい。例え話としては、こっちから道路の整備ができてきた、あっちからも道路の整備ができてきた、橋げたも出来た。橋脚が出来たところで止まったというようなやつがある。そういうのは上部工だけやれば良いわけだから、投資効率という点から言うと、過去に投資した分が皆、無駄になっているわけだから、そういう意味では、それをぜひやりたい。そういうのを優先的に片づけたい。それがやはり過去の投資を生かしていく一番の方法ではないかと。
竏窒オかし、県の財政から見ると、6年間のものを一挙にという訳にはいかない。そうすると選択がなかなか難しくなるのではないか。
村井知事 それは、自ずから順序出てくるのではないか。
竏註謔ルど、あらゆる機会をとらえて、将来のことを議論してほしいという話だったが、田中県政になって、あらゆる団体の懇親会に県の職員は出てはいけないということだった。そこら辺は…
村井知事 あれは絶対おかしい。県の職員と市町村の職員が、実務レベルでいろいろな相談をしないというのは、非常にまずい。会費制でやるのは官官接待でも何でもない。会費制であったら大いにやってほしい。私も市町村長方と会費でやらせていただく。
(つづく) -
定年を前に起業を決意
伊那商工会議所内の上伊那地域チャレンジ起業相談室は、専任のコーディネーターが新しく事業を始めようとする人や、小規模事業者の経営革新を進める上で悩みや疑問などの相談に応じている。
過去3年間の相談者数をみると、04年度が234人、05年度が155人、06年度(昨年11月末)が74人で、開業者数はそれぞれ25人、19人、12人となっている。本年度も前年度並みを見込む。
年代別では30縲・0代が大半を占め、60代は5人。
業種はサービス業、飲食業が多く、卸小売業、製造業、建設業と続く。美容師など自分の経験を生かして独立する、「飲食店をやってみたい」と開業を目指すケースが目立つという。
上伊那で起業を決断した3人を紹介する。
伊那市に住む会社員の50代男性は10月ごろを目途に、技術コンサルタントの活動を始める。事業の目的に、アイデアで社会貢献することを掲げる。それは「金もうけは、人のつながりではないか」と考えているからだ。
約30年間、製造業で機械加工、製品開発、ラインの自動化の経験を積んだ。電気主任技術者3種を取得し、機械に関する知識を体得した。
商品開発で困っている企業、自動化や省力化で困っている企業をターゲットに、自分のアイデアで付加価値を生み、具体的な商品開発などを手がけていく。まだ具体的な方向は見えていないが、ごみを流しても発電できるような水力発電など環境に配慮したものや、弱者といわれる人たちに役立つものなどを考え、大手企業が入り込まないすき間をねらう。
これまでいくつかのアイデア商品を開発したが、なかなか売れなかった。売れない原因は「ニーズがないところには売れない」だった。売るには、消費者の気持ちを捉える商品を作ること。そうすることで、人の役に立とうと、20代から考えていた独立を決めた。
製造業の現場を見ている中で、団塊世代の退職に伴う「技術の継承」を危ぐする。指導しても、経験で積んだ指先感覚の技術は伝えきれない。
パソコンばかりを頼り、先輩の技を盗むことをしなくなった若者。機械が故障しても把握が出来ない。技術者の技術力が落ちていることを感じている。
「技術力は、韓国や台湾に一部抜かれている。これから、ますます国際間競争が激しくなり、独創的な商品や加工技術が必要になってくる」
今のところ、技術者は個々の企業での「点」でしかない。インターネットなどを通じた横のつながりを持ち、情報交換の場、悩み解決の場で交流を図る形を作り、全国へ、世界へと輪を広げる。
一つのコンセプトに対し、技術者が技術を持ち寄り、お互いの得意分野を生かしながら、一つの製品を作り出す。
「アイデアは無限。日本の製造業を少しでも元気にする手助けをしたい」と夢を大きく膨らませる。
◇ ◇
伊那市高遠町片倉の守屋豊さん(54)は、高遠そばの店「ますや」オープンに向けて準備中だ。
高遠そばは、辛味大根、焼きみそ、刻みネギを合わせた「からつゆ」で食べる地域食。家庭で食べられているが、なかなか店では食べることが出来ない。「素朴で豪快な高遠そば」を売りに、自ら粉をひき、打った「二八そば」「あらびき十割」を提供する。ゆでたてを味わってほしいと1人前を2回に分けて出したり、客にからつゆのみそをといてもらったりと工夫を凝らす。
いずれはソバの栽培から始め、そばを作って、粉をひいて、打つのが理想。
「子どものころから、おふくろが打つそばが好きだった。食べる専門だった」と言うが、10年ほど前、北信のそば屋で食べたそばがおいしく、いつか店を持とうと独立を考えた。踏ん切りがつかずにいたが、企業も厳しい状況。どうせ始めるなら体力、気力があるうちにと決意した。25年間、勤務した総合小売業を退職し、一昨年5月、東京の専門学校へ通い、そば打ちの基本を学んだ。
店では、そば以外にも、長いもを使ったとろろなど地域食も用意。できるだけ地元産の食材を使いたいと考え、地域の活性化にひと役買う。
前の職場で、魚をさばいたり、総菜を作ったりし、販売や買い付けなども経験した。調理師免許が開業に役立つことになった。
店は、桜の名所で知られる高遠城址公園へと続くループ橋の下。客の顔が見えるように、18席を配置する。
「客とのコミュニケーションを取りながら、和気あいあいとした雰囲気のある店に」と抱負を語る。
すでにホームページ(massya.com)を開設。高遠そばの由来、開業に至る経過、そばをひく石うすの電動化への挑戦、お品書き、そば屋を食べ歩いたそば巡りなどを紹介し、反響を呼んでいる。
店の完成は2月下旬。4月上旬に本格オープンする。
「立地がいいわけではない。厳しい戦いになるでしょう」と話しながら、自分の可能性を探る。
◇ ◇
駒ケ根市福岡の西村希予子さん(58)は昨年10月初旬、癒(いや)し空間「愛」をオープン。「心も体もいやしたい」と客に満足してもらえる店を目指す。
野口医学研究所認定のリンパセラピーアドバイザー。リンパセラピーとは、リンパの流れに沿って圧を加えながら、肌をなでることで、リンパの流れを促進し、体にたまった老廃物を出し、心と体を自然状態に戻すもの。
特別養護老人ホームに勤務していたが、肩こりや腰のはりがあり、年を重ねるごとに体に疲れが残るようになった。定年を前に、一昨年3月に退職した。
その後、傾聴療法士、介護予防運動指導員などの資格を取得。
自らも肩こりを経験しているだけに、介護者も健康であってほしいと「心も体もいやしてあげられる場を」と起業を決意した。しかし、若くないこと、仕事として成り立つのかという不安があった。
そんなとき、伊那商工会議所・上伊那地域チャレンジ起業相談室が主催する「創業塾」を知った。顧客満足度やマーケティングなどを学び、背中を押されるように開業に踏み切った。
自宅の一部を改修し、温石ベッドを置き、利用者の体をマッサージする。利用者の話にも、ゆっくりと耳を傾ける。
店には「足が冷たい」「腰痛がある」「肩が凝る」など若者から中高年まで幅広い年齢層の女性が訪れる。利用者から「起きるとき、腰に気をつけていたが、スムーズになった」「手先の冷たさが解消された」など寄せられた喜びの言葉を励みに、前に向かって歩み始めた。
◇ ◇
小規模事業者を取り巻く経営環境は厳しく、開業率よりも廃業率が上回る状況。創業を実現できるように支援し、新規開業の促進、地域雇用の創出などを図ろうと、郡内で創業者を対象にしたセミナーが開かれている。
上伊那地域チャレンジ起業相談室などが昨年9縲・0月に開催した「創業塾」には伊那市、駒ケ根市を中心に、30縲・0代の19人が受講。女性が6割を占めた。
異業種の集まりであるものの「創業」という同じ目的に向かい、悩みや夢を語り合い、モチベーションアップにつながった様子。「情報共有できる仲間と出会い、刺激を受けた」「客とのコミュニケーション手段や税金の知識を知ることができた」など効果を上げている。
「24時間、自分のために時間が費やせる。やりがいのあることかなと思う」「リスクがあっても、悔いのないように生きたい」。新たな挑戦が始まった。 -
頼られる熟練の腕
伊那市西箕輪の精密加工「フロンティア」(菊池睦昭社長)は6年前から、60歳を超えたベテランの技術者を採用している。「雇う」ではなく「協力してもらう」という考え方を持つ。
少子化などに伴い、企業もますます厳しくなる中、日本経済を支えてきた人の技術を継承していかなければと考えた。ベテランは即戦力。「小さいとこは、そういう人たちに協力してもらって強くなれるんだよね。時代についていくには、ベテランの知恵に現代の技術をプラスすること」と話す。
従業員の年齢は20縲・0代とバランスよく構成される。そのうち60代は4人。
地元の大手精密メーカーで腕を磨いてきた技術者たちが働く。ベテランは、新しいことに直面しても、今までの体験を通して身につけた技術を応用できる力があるという。「人生でも、仕事でも、経験者にはかなわない。定年だと言ってねかせてしまうのは、社会の損失」。頼られれば意欲も出る。
64歳の丸山伸之さんは、定年を超えてからの採用に「今までの経験を生かせることは幸せ。働ける場があることはありがたい」と仕事にやりがいを感じている。中山重喜さん(65)も「同じ年代がそろっているため、働きやすい職場環境」と言う。
「いいものを作りたい」という現場の思いは同じで、ベテランは若者から「パソコンを教えてもらおう」、若者はベテランから「知らない技術を覚えたい」と互いのギャップを埋め、コミュニケーションを図る環境が整っている。歯車が合うことで、企業にも活気が生まれる。
松沢秀充さん(66)らは「工業高校や訓練校を出ても、図面の見方、工具や機械の基礎など現場での知識は薄い」と指摘する。同じことを何度も聞きに来るなど自分たちの時代と比べ「覚える」ことが劣ると感じる。
若者には、自分たちの姿から仕事に対する心構えを学んでほしいと思っている。
同社の定年は60歳。しかし、次の定年は従業員が自らで決める。
生き生きと働くには、健康が第一。体調管理は、それぞれに任せているが「病院に行きたい」と言えば、そちらを優先する。そのため、全従業員に理解してもらうことが重要となる。
「定年を過ぎても、ひと花咲かせてほしい」(菊池社長)。ベテランのチャレンジ精神を若者へと受け継ぐ。 -
2007年
団塊の世代が大量引退へ企業の情報化を担うなど、戦後日本経済の中で大きな役割を果たしてきた・ス団塊の世代・スが大量に定年を迎える2007年。この世代が蓄積してきた技術・技能の継承、社会保障への影響などが国内の大きな関心事となっている。上伊那では団塊世代の大量引退をどのように受け止めているのか。競争社会にもまれながら戦後日本の新たな価値観を生み出してきた世代をねぎらい、雇用延長や起業などの新たな展開を応援する施策にも期待がかかる。
職人制度や「社内の学校」
第2次世界大戦直後の1947年から49年のベビーブームに生まれた・ス団塊の世代・ス。中でも人数が最も多いとされる1947年生まれが、07年には60歳の定年を迎える。
団塊世代の定年退職は2010年まで続き、それに伴うさまざまな不安・課題が国内では数年前から「2007年問題」として取り上げられてきた。特に、企業のIT基幹系システムを構築し、さらに運用などに携わってきた世代が一斉に会社を辞めることで、企業現場固有のマニュアル化しづらい技術・技能の継承が途絶え、基幹システムの維持が困難になるのではないか、と危惧されている。
上伊那の主要企業でははたしてどうか。07年の定年退職者数がここ数年の平均の3倍以上に達する企業もいくつかあるが、いずれも、基幹システムについては、構築時期のずれや団塊世代の人数規模などの関係で大きな不安はなく、技術・技能の継承面全般についても、「影響はある」としながらも混乱や戸惑いはないようだ。
特に、職人的な作業や機械化困難な作業の多い企業で危機感が強いとされているが、上伊那の各企業の技術・技能伝承が比較的円滑に進んでいる背景には各社の・ス職人制度・スあるいはそれに準ずるシステムの導入が功を奏している例があることも見落とせない。
6年前から・ス職人制度・スを導入している製造業大手のKOA(本社・伊那市)は、卓越した「技」を対象に経営陣が・ス職人・スを認定。専門技術・技能を磨いて伝承することが社員の「働きがい」にもつながっている。人事担当者は「人事制度の一環で、特別、団塊の世代を意識したわけではない」とした上で、その効果を認める。
エンジニアリング部門なども抱える建設業の大手ヤマウラ(本社・駒ヶ根市)は、社内にいる「現代の名工」や県溶接コンクール優勝者などが「先生」になり、新人を指導する「社内の学校づくり」に4、5年前から取り組み、技能の伝承教育に成果を上げている。
65歳定年時代
多くが再雇用で対応
高年齢者雇用安定法改正で06年4月から雇用延長が企業に義務づけられ・ス60歳定年・スから・ス65歳定年・スへと段階的に移行していく動きが、技術継承に対する不安を緩和しているとも考えられる。
改正高年齢者雇用安定法では、現在定年を65歳未満に設定している企業は(1)定年を65歳まで引き上げる(2)65歳までの「継続雇用制度」を導入する(3)定年制を廃止する竏窒フいずれかを実施することを義務づけている。(2)の継続雇用制度には「勤務延長制度」と「再雇用制度」があり、上伊那の多くの企業は「再雇用」を選択。定年退職の社員が望めば、社内評価基準に照らし合わせて「嘱託社員」か「契約社員」として再雇用する。
新規採用を手控えて雇用延長したり、55歳以上の給与体系を見なおす中で生涯賃金が増えるように工夫する例も見られる。
数年前のリストラ(早期退職)の影響で団塊世代の07年退職が極端に少なくなった製造業大手もある。ライン作業者を中心に約100人が会社を去り、そのうち50代は20人前後いた。わずかな07年退職者は再雇用する方向だ。
一方、社員二十数人の規模で業績を上げている精密加工のフロンティア(本社・伊那市)は早くから、定年過ぎのベテラン技術者を雇用している。かつて地元大手メーカーで腕を磨いた経験があるような技術者たちだ。菊地睦昭社長は言う。「小規模会社こそ、そういう人たちに助けてもらって強くなれる。頭がぼけるか、体が動かなくなるまではしっかり働いて、技術と精神を残していってほしい」 -
50代・60代へ熱いラブコール
・ス団塊の世代・スが60歳の定年を迎えることによる大量退職が07年から始まる。まだまだ元気に働ける熟練技術(技能)者の継続雇用や新天地(別会社)での採用など、上伊那の経済活動を停滞させないための各種取り組みに期待がかかる。一方、定年を目前にして一念発起、起業を決意したパワフルな50代もいる。自治体や商工会議所なども・ス大量引退・スの「負」のイメージを「正」に変えるべく、ようやく施策を展開し始めた。
【商議所・自治体の対応】
伊那商工会議所は創業支援事業として04年に「創業塾」を開設。起業のためのアドバイスなど、年間30時間の講座を展開している。受講者は団塊世代に限らないが、伊藤正専務理事代行は「熟練者の技術や技能を埋もれさせたくない」と応援する。
これまでに、旅行業、飲食業、製造業などの起業例がある。今年も何人かが、50代からの再出発に挑戦する。
一方、過疎化などに悩む自治体も、団塊世代の受け入れ(U・I・Jターン)で地域を活性化しようとの動きを見せ始めた。
伊那市の庁内若手チームは「高遠大学」や「メールマガジン配信」などの各種施策をまとめて昨年12月に市へ提案した。
「高遠大学」は、全国的にも知名度の高い「高遠」の名を使い、団塊世代に人気があるそば打ち、陶芸、農業などを体験、学習してもらう企画。「まず一回、市にお金を落としてくれる。伊那市のすばらしさに触れ、将来的に移住につながれば」と期待する。
メールマガジンの配信も、市の様々な情報を送ることで将来の移住や帰郷につなげる。
同チームは「自治体による団塊世代の争奪戦という状況。伊那市は他市町村に遅れをとっている」として、提案が採用されることを期待。
市は提言を関係部課で検討し、近く方向性を打ち出す。 -
話題の騒音おばさんに
話題の騒音おばさんに控訴審判決が下った。未決拘留日数を差引くと3カ月もすれば出てこられるとか。反省の色なく近隣住民にとって、出所後が脅威。持家では簡単に引っ越すわけにも行かず、人間関係のストレスはいかばかりか。家庭事情には同情の余地はあるが、それを差引いても余りある罵詈雑言、騒音のすさまじさはリング上のボクサーも顔負けのエキサイトぶり▼仕事上色々な人に会うが、他人の思惑や常識など一切お構いなし。自分が正義、自分が法律という、極まれに騒音おばさんタイプの人にも。そんな時はひたすら逃げる▼今年も多くのいい人と出会い、助けられ、仕事をさせていただいた。心から感謝。来年も人に恵まれ、のどかに暮らしたいと思う(大口国江)