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悪質商法にだまされないために
伊那市の消費生活講座が22日、市役所であった。市民約70人が集まり、悪質商法にだまされないための講演などを聞いた。市・市消費者の会主催。
あいさつに立った原静江会長は「悪質商法が後を絶たない。被害を受けないために、最新情報を得て対応を考えてほしい」と呼びかけた。
講演では、県飯田消費生活センター所長の久保田篤さんが「『帰ってください』が大事な言葉」と題し、事例を交えながら振り込め詐欺などの対処法、実習を含めた訪問販売や電話でのしつこい勧誘の断り方を紹介。
久保田さんは「悪質商法は知っていても、自分のこととなると気づかない」とだれにでも起こりうる犯罪被害とし、自衛手段に▽家族の交通事故などを装った電話は、本人に確認するなど1人で判断しない▽不審なはがきは無視する窶狽ネどを挙げた。
また、講演に先立ち、消費者の会が催眠商法防止の朗読劇を披露した。
飯田消費生活センターの04年度相談件数は約8900件で、うち伊那市は747件。架空請求や「オレオレ詐欺」が多いという。 -
伊那市手良で山林火災 枯れ草など焼く
23日午後3時32分ころ、伊那市手良八ツ手の市道脇の山林で、下草・枯れ草など約150平方メートルを焼失する火災が発生し、同4時04分に鎮火。人畜への被害はなかった。
伊那消防署は「空気が乾燥しやすい季節なので火の扱いには気をつけてほしい」と呼びかけている。 -
【南大東島再訪記】離島産業振興の苦難〈上〉
青パパイアの販路拡大へ「これがパパイア試験農場です。5種類の違った品種のパパイアを植え、何が適しているか研究を始めたところです」
南大東島青パパイア生産組合の平安山正治さんは、島を訪ねた一行を自分の農場へ案内した。
試験農場には、未熟果を野菜のようにして食べるのに向いた品種のほか、完熟させてフルーツとして食べるのに向いた甘味の多い品種などが整然と植えられ、成長の過程が記録されている。
島の青パパイアを、はるか1000キロ離れた伊那市産直市場グリーンファームで販売しはじめてから、すでに2年。住民同士の交流の広がりとともに、伊那での青パパイアの消費は拡大し、島からの出荷量も大幅に伸びた。だが、まだまだ島の主要な作物と呼べるような状況ではない。より付加価値の高い生産物を求めて模索の道は続いている。
平安山さんによれば(1)生の青パパイアの販路拡大、(2)消化酵素を大量に含む青パパイアの加工食品化、(3)良質な完熟フルーツパパイアの生産と販売窶狽ネどが島のパパイア生産の課題だという。
ここでも、南大東島が置かれた地理的条件が大きな関門だ。同島は、パパイア栽培には最も適した環境で、無農薬で良質のものが採れるが、沖縄本島や八重山諸島に比べれば流通の条件が悪く、それをクリアできるブランドイメージを作り出すことが急務。
伊那市周辺では、市民レベルの交流の進展もあり、「青パパイア」といえば南大東島の代名詞のようになっているが、販路を他の地域に拡大するとなると同じようなわけには行かない。南大東産として差異化を計らなければならない。
流通の不利な条件をクリアするには、島で加工して付加価値を高めることが有効な手立てだが、青パパイアの加工食品化の前例はきわめて少なく、どのような加工ができるのかを模索しているのが現状だという。パパイアの成分や、それがどのように役に立つかの機能性の分析も始まったばかりだ。
民間交流の中から伊那で需要が広がり、島で生産が広がった青パパイア。だがそれは、いかにブランド化し、市場競争力を高くするかという、じつは、現在日本中の農村が抱えている問題と同じ問題に直面している。 -
本場のキムチを習う
伊那市の伊那北地域活性化センター「きたっせ」で21日、キムチ作り講習会があった。山寺区の住民ら約50人が参加し、韓国出身者から本場のキムチを習った。
講師は、市内で飲食店を経営するキム・ミーヒーさん。ハクサイの塩づけや、ショウガ、ニンニク、アミの塩辛、粉唐辛子などを入れたキムチの素の作り方などを指導した。キムさんは「砂糖を入れると、辛さがまろやかになる」などアドバイス。
参加者は、地元で育て、塩づけした韓国ハクサイにキムチの素を塗りこみ、出来上がりを楽しみにした。
講習会は「きたっせ」の利用促進につなげようと、きたっせ活性化委員会、伊那北地域活性化推進委員会が開いたもの。今後もダイコンの漬け物、高齢者を対象にした料理などを企画している。 -
新山の湧水路に木製えん堤を設ける
伊那市富県上新山の湧(ゆう)水路に23日、土砂流出を防ぐ木製えん堤を設けた。大雨の際、土砂や流木をえん堤で留め、木の間から水が流れる仕組み。昨年に続いて2カ所目。
昨年まで、大雨が降ると、農業用水路に土砂がたまり、年に数回の井ざらいが必要だった。セメントを使わないえん堤を作ろうと昨年11月、木製のえん堤を設けたところ、効果があったため、下流1カ所に加えた。さらに、一帯はザゼンソウの群生地として知られ、保護・育成も図る。事業費は60万円(うち30万円コモンズ支援金)。
作業には、新山土地改良区と新山山野草等保護育成委員会のメンバーら約40人が当たった。
えん堤は、カラマツを中心とした地元産の間伐材を使用。長さ2メートルに切りそろえた間伐材250縲・60本を川幅5メートル、深さ2メートルのU字型の湧水路に一段ずつ積み上げ、針金で固定しながら高さ1・5メートルの土留めを築いた。
土地改の山崎美治理事長は「水路に土砂がたまってどうしようもなかった。木製のえん堤ができて、かなり解消された」と話した。 -
あるしん信大前支店 三沢栄さんの油絵展
南箕輪南原のアルプス中央信用金庫信大前支店(鈴木文博支店長)で12月中旬まで、伊那市西箕輪梨ノ木の主婦・三沢栄さん(58)の油絵展が開かれている=写真。本年二科展に入選した作品「花の詩」をはじめとする8点を展示している。
信大前支店では、毎月1回のペースで地域の芸術家や趣味を持った人の作品を展示。三沢さんは3回目で、毎年展示している。
作品は黄色を基調とした独特の彩色で、花を中心に果物などの静物画を出品。「花の詩」は50号の大作で、画面いっぱいに力強く、晩夏のカンナの花を描いている。
三沢さんは1992(平成4)年に県暴力追放県民ポスター入選後、上野の森美術館「自然を描く展」(東京)に入選など数々の受賞を果している。 -
レントライフ淺川会長著「不動産業崩壊」
Amazonで全国199位不動産賃貸管理のレントライフ(本社・伊那市)の淺川透会長の著作=「不動産業崩壊」(10月1日ビジネス社刊)が、インターネットを通じた書籍販売の大手Amazonで上位199位にランキングされた(11月18日)。
同ランキングは、1時間ごとに更新されるもので、全国的な書籍の売れ行き状況=注目度を計る目安として信頼度が高い。現在、書籍の出版数は、1ヵ月に数万点とも言われており、199位は、かなりのベストセラーになる。
18日には出版元のビジネス社名で日本経済新聞の全国版1面に書籍広告が出されており、その影響もあったとみられる。だが、その後も600位台で推移しており、ビジネス社では「不動産業関連のビジネス書としてはかなりの売れ行き」と話している。
不動産・建設不況が続く中で、街の不動産屋と建設屋が賃貸管理という新しいビジネスフィールドに進む必要性を体験を交えて明らかにした書。伊那の飲み屋街の話なども随所に織り込まれ、歯に衣着せぬ業界批判などもある。
全国賃貸新聞、週刊住宅新聞など全国の業界紙が新書紹介で扱っており、今後も反響が広がりそう。読者からも「同感だ」「不動産屋の将来像が見えた気がする」などの声が寄せられているという。
著者の淺川さんは「最初は八重洲ブックセンターで買ったというような方から、手紙がポツポツと来ていた。ここに来て反響が大きく、驚いています」と話している。
■「不動産業崩壊窶矧Xの不動産屋と建設屋でつくる新しいビジネス」ビジネス社刊、210頁1470円(税込) -
小出3区で高齢者と子どもの交流会
昔の知識や伝統の技術をお年寄りから子どもに伝えてもらおう窶狽ニ20日、伊那市西春近の小出3区集落センターで、地区の高齢者と子どもの交流会があった。子どもたちは、おはぎ作り、そば打ちの方法を教わったり、あやとり、折り紙など、昔ながらの遊びをお年寄りと共に楽しんだ。
2年目の交流で地域の社会福祉協議会(下沢貞春会長)が主催。核家族化の進行が懸念される現代、この地区はお年寄りと同居する世帯が比較的多い。しかし、日々の生活の忙しさから、お年寄りの知恵や技術を学ぶ機会は少なく、交流を図りながら、知識を伝承してもらおうと始まった。
高齢者7人、小学生約40人が集まり、低学年はおはぎ作り、高学年はそば打ちに挑戦。子どもたちは、あんの包み方、そば粉のこね方などを教わることを通して地域の伝統文化に触れ、交流を楽しんでいた。 -
大きく実ったリンゴを収穫
伊那市の東春近小学校の4年生を対象にした恒例の「りんご体験学習」が21日、東春近田原の伊藤一路(78)さん、豊子(74)さん夫婦のリンゴ園であった。2クラス、合計54人の児童は、5月に摘果作業したリンゴを収穫し皆で喜んだ。
園内にあるリンゴの木(品種=ふじ)の約50本から120キロほどを収穫。10月の雨と、その後の陽気ですくすくと成長し丸々と大きくたわわ。児童らは両手で丁寧に摘み、約1時間で作業を終了させた。
2学期始めに東京に転校した安斉瑠納ちゃんは「最初から最後までリンゴを責任を持って育てたかった」と、休校日のこの日、実家へ帰郷。久しぶりに合う旧友らと一緒に収穫を祝い、「台風の影響で少ししかないかと心配したが、いっぱいあってよかった」と満足していた。
伊藤一路さんは「作業の過程を体験し農家の苦労を感じてほしい。作物を育てることで人への思いやりもはぐくんでくれれば」と話した。
4年生は今後、活動写真などを取り入れた学習のまとめをする。来年2月は、伊藤さん夫婦を招いて、リンゴ料理で持て成し、学習発表会をする予定だ。 -
全国番組コンクールで伊那市有線が最優秀賞
伊那市有線放送農業協同組合は、05年度有線放送番組コンクール(日本農村情報システム協会主催)の企画番組の部で最優秀賞に輝いた。4年ぶり2度目。広告コンクールも優賞だった。
企画番組の部の作品は「今日の一冊-人の心を大切に」。おかあさんにうそをついた女の子を主人公にした絵本「うそ、ついちゃった。」を取り上げ、著者の大沢美己さん=東春近=の朗読に、読者や市少年相談室相談員などのインタビューを交ぜた。
県代表として全国審査に出品。「構成が工夫され、ぐいぐいと番組に引き込まれる。子どもへのやさしいまなざしを持つ作者の思いが伝わり、感銘を受けた」と評価され、満場一致で最優秀賞に決まった。
制作を担当した放送課の唐沢英恵さん(25)は「先輩のアドバイスを受けながら何度も構成を練り直した」と苦労を語り「一つの言葉の大切さを知った」とふだんの番組作りの励みになったようだ。
作品は年内中に放送する予定。
広告コンクールは、市民音楽祭や企業のPRなどを5分間にまとめたもので、優賞5点の中に入った。 -
レディーバード発足10周年記念
伊那市主催の女性海外研修の参加者でつくる「レディーバード」(野沢伊代子会長、53人)は21日、発足10周年を記念した昼食会「スローフードを学ぼう」を市生涯学習センターで開いた。メンバー20人が参加。小坂市長らを招待し、研修を振り返った。
昨年度、イタリアで郷土料理を守るスローフードを体験したメンバーがいたことから、参加者はイタリアの一般家庭で食べられるパルジャーナ・チーズのリゾット、キノコとベーコンのスパゲティー、サラダの3品を作った。
タマネギなど地元産を使った料理を味わいながら歓談。
参加者は、研修時の感想のほか「帰国後、市政に関心を持つようになった」と話した。
小坂市長は、研修後の継続した取り組みに感謝し、応募が少ない現状に「海外での経験を地域で生かしてもらえれば」と述べた。
研修は95年にスタートし、環境や福祉、食などをテーマに、ドイツやカナダ、韓国などを訪問。帰国後、参加者は福祉施設でのボランティア、アレチウリ駆除、外国人との交流などに取り組んでいる。 -
山室写真倶楽部作品展 27日まで
上伊那の30窶・0代の写真愛好者9人でつくるサークル「山室写真倶楽部」の作品展は27日まで、伊那市荒井区錦町の市立図書館展示ホールで開いている。「風」をテーマにメンバーがそれぞれの思いで取り組んできた力作が並んでいる=写真。入場無料。
デジタルカメラや銀塩(フィルム)カメラで撮影した、合計53点を出品。南アルプスの林道に咲く、ホテイラン、シナノコザクラ、コミセマカタバミなどの花や、躍動感が伝わってくる祭の参加者、木の上で子育てをするサギの家族など、メンバーそれぞれの視点で写した作品は、見る人の目を楽しませている。
同サークルは発足4年目。同市立図書館で毎年、春と秋の2回、写真展を開いている。
月曜日は休館日。午前10時から午後7時まで。 -
ガールスカウト花壇の植え替え
春、美しい花々が再び見られるように窶狽ニ、ガールスカウト長野26団は20日、伊那市の伊那公園にある団の花壇に、チューリップの球根やパンジーの苗を植えた。
公園内2カ所にある花壇は、春にはチューリップとパンジー、夏から秋にかけてはサルビア、マリーゴールドを植え替え、訪れる人たちの目を楽しませている。
花壇管理は年長園児縲恟ャ学校低学年の団員の役割で、年間を通して植え替えや水やりをしている。
生き物を育てることを通して「命の大切さ」を学んでく意味もあり、その入り口となる活動でもある。
子どもたちは、チューリップの原産地や植え方について学び、今年春に掘り起こしたものと買い足したもの合計450個の球根を丁寧に埋め、どんな花が咲くかを想像しながら、楽しく作業に取り組んでいた。 -
【南大東島再訪記】広がる子どもの交流〈下〉
子どもたち自身が求める交流の形を「試合が少ないから、小学生はなかなか出られないんだ」
島の野球チームに参加する田仲慎吾君(小6)は、少しはにかんでそう話した。
8月に伊那を訪ねた際、伊那の高校球児の応援団を自認するラーメン屋原点の酒井夫妻から「甲子園で会おう!」とバットとグローブをプレゼントされた少年。9月に酒井夫妻のもとに「あのバットでヒットを2本打った」というメモ書きの手紙が届いていた。
「その後」を聞いたときの答えだ。
島にチームは1つしかない。紅白戦はできるが、試合は本島か他所の島にいかなけばできない。チーム内で年少の小学生には、なかなか出場機会が回ってこないのだという。
「柔道の強い子はいるの?」と聞いて来た子もいる。「伊那で太鼓を叩く子どもに会いたいな」「島唄みたいのことやっている小学生はいないの?」……少し打ち解けると矢継ぎ早の質問攻めにあった。島の子どもたちは他所の地域の子どもとの接点を求めている。
「どういう交流の形が適当か、これから伊那の人と相談して行きたいです。ただ、大人が決めるのではなく、子どもたち同士が話し合い、どんなことをやりたいか、どんなことができるかを考えていけるような形が望ましいですね」。仲田建匠助役は話した。
3月・8月・そして今回と、島の子供たちを見ていて気付いた。彼らは、何か行動する時には必ず一まとまりになり、年長のリーダーが全体をしっかり統率して動く。島の大人たちは意識して、そのように子どもを育てているようにも見えた。
「伊那で花火を見に行く時に、みんな家族でまとまって歩いていたでしょ。島では、子どもは子ども、大人は大人で歩く。ちがうんだなぁって思いましたよ」。8月に伊那を訪れた島のお母さんの一人はそう話した。
自然環境も、生活風習も、子どもたち自身の関係も、かなり異なる南大東島と伊那の子どもたち。彼らは今後どのような交流を作り出し、どのような実りを作り出していくのだろうか?
(毛賀沢明宏)
※「広がる子どもの交流」は終わり。次回から「離島産業振興の苦難」が始まります。 -
県伊那合同庁舎でアスベスト工事24日から
伊那市の県伊那合同庁舎は24日から、庁舎内で使用されているアスベストの除去工事を開始する。
工事個所はボイラー室など全16カ所。いずれも人の出入りする場所でないことから、庁舎への立ち入りには直接に影響しないが、暖房などが一時的に利用できなくなる。工事は2月10日完了を予定している。 -
かんてんぱぱで力田駿さん、一氷さんの陶二人展
伝統的な手法「粉引き」で印象的な作品を手がける陶芸作家・力田駿さん(46)一氷さん(46)夫妻の二人展が27日まで、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで開かれている。季節の植物を描いた大皿やカップ、独特な形をした花器など約500点が、訪れた人の目を楽しませている。
現在中川村在住。これまで合作や駿さん単独の作品を発表する機会が多かったが、一氷さんの単独作品も徐々に増えてきたため、初めて二人展を開いた。
ザクロやタデ、ハギなど秋の草花を描いた一氷さんの作品は、モチーフに集めた“ひび”が作品に奥行きを出し、素朴な温かさが感じられる。一方、直線で丸みを作り上げる独特のフォルムが特徴の駿さんの作品は、シンプルさの表現された細やかな“ひび”が、その印象を引きたてている。
一氷さんは「粉引きは、器に入れたものを美しく見せ、手に吸いつくような質感が魅力。それぞれの個性を味わってほしい」と話している。
入場無料。27日まで。 -
西春近商工祭
伊那市西春近商工会館で20日、第8回西春近商工会があった。天気に恵まれた会場は多くの地域住民でにぎわい、商工会女性部のうどんや石狩鍋、伊那西高校吹奏楽部の演奏などが会場をわかせた。
地域の活性化や交流を目的として西春近商工会(野溝和男会長)が例年開くもので、西春近公民館の文化祭JA上伊那西春近支所の支所祭も同時開催する。
それぞれで祭りをしていた時もあったが、3つが一角に集中していたため、同じ時期にするようになった。
訪れる人が楽しめるように窶狽ニ例年と異なるイベントも企画。「名前は知っているが、見たことがない」という声があり今年は、箕輪町の「古田人形」の公演を企画。
恒例のうどんや石狩鍋なども人気で、多くの人がその味を楽しんでいた。 -
伊那市でエイズ予防・性教育講演会
伊那市役所で20日、「エイズ予防・性教育講演会」があった。在日ブラジル人や市の保健員など約70人が集まり子どもへの性教育のあり方やエイズとの向き合い方を学んだ。
市内には多くの日系ブラジル人が在住しているが、エイズ予防や性教育について学ぶ機会は少ない。家庭を持ち、子育て中の母親なども多くいるため市は、ポルトガル語に日本語の同時通訳を付けた講演会を昨年から始めた。
昨年同様、HIV感染者のジョゼ・アラウージョ・リマ・フィーリョさんの講演があり、市内のブラジル人学校に勤める心理カウンセラー小田ダニエル・定男さんが、子どもへの性の伝え方などを話した。
子どもは発達段階に応じ、いろんな形で性を認識し、関心を示すが、モラル的側面から家庭や学校は、性的行動をタブー視し、抑圧する傾向にある。しかし、そうした接し方は子どもに「性は恥ずかしいもの」と認識させ、将来成長しても性と向き合えなくしてしまう。露出など、社会的に認められていない行動はきちんと教える必要はあるが、“性”はありのままを話し合うべき窶狽ニし、異質さばかりが強調されがちな同性愛なども、歴史的宗教感などの中で築かれた価値観だと指摘した。 -
きたっせでカラオケショー開催
伊那市の伊那北地域活性化センター「きたっせ」で20日、伊那市旭町のカラオケ喫茶「ニューつむぎ」(丹羽貴士店主)の主催するチャリティーカラオケショーがあった。辰野町出身の演歌歌手・大和田健さんや地元住民らが、自慢の歌声を披露し、訪れた人を楽しませた。
利用者への日ごろの感謝を込めて、店主の丹羽さんが企画。約70人が来場した。歌を披露する地元住民は24人集まり、天童よしみや五木ひろしなど、それぞれ得意とする歌手の曲目を披露。プロ並みの歌声で、観客を沸かせる人もいた。
丹羽さんは「多くの人に来場してもらい、ありがたい」とイベント成功を喜んでいた。
チャリティー収益金は市内の福祉関係施設などに寄付する予定。 -
避難所マニュアルまとまる
伊那市の避難所マニュアルの検討結果がまとまった。避難所開設の流れ、避難勧告などの発令基準、避難所運営体制などを記した。市は、避難所一覧を付け、年内中に区・町内会へ冊子を配布する。
避難所マニュアルは地震、風水害を想定し▽避難所の開設▽避難所の運営▽避難所の閉鎖窶狽フ3章で構成。昨年10月の台風23号の際、避難所運営などに混乱があったことから、避難所のかぎ所有者の把握のほか、避難者らで組織する運営委員会の避難所運営体制づくり、避難所の状況を報告する災害本部への連絡などを明文化した。
また、様式集として避難所となる建物被災状況チェックシートなどをつけた。
これまで地域防災計画に避難所の項目はあったが、初めてのマニュアルを作った。
区長会長、市役所関係課職員ら13人で構成する作成委員会が6縲・0月にかけて検討し、マニュアルの検証を含めてまとめた。
21日、作成委員会の中村孝夫委員長ら2人が市役所を訪れ、小坂市長に検討結果を報告。
中村委員長は、マニュアルが自主防災会で生かされるように要請し「避難所の中に土砂崩れなど危険区域に指定される可能性がある。安全を確保してほしい」と加えた。
小坂市長は「作成しただけでなく、絶えず訓練をしていく必要がある」と述べた。
市では冊子=A4判、80ページ=のほか、ダイジェスト版も作る計画。 -
東春近少年柔道大会2005
伊那市の市武道館で19日、東春近少年柔道大会2005があった。春富地区(東春近、西春近、富県)から小中学生18人が参加し、日ごろの練習の成果を披露した。東春近公民館と東春近柔道教室の主催。
男女混合の小学生1・2年、小学生3・4年、小学生6年、中学生の4部門に分かれ、それぞれが総当り戦を展開。参加者は自分の背丈を越える選手と対戦しても、おそれず正面からぶつかり力を試していた。
女子選手が男子を相手に、背負い投げで一本勝ちする試合もあり、会場にかけつけた保護者からは、大きな歓声がわいていた。
東春近柔道教室は、同公民館の分館・田原公民館で10年ほど前から始まった。本年は週1回の練習で少年少女らが技術を磨いている。
保護者会の西村新介会長(47)=東春近田原=は「柔道を通じて粘り強さ、人を敬う心などを学んでくれれば」と話す。
結果は次の通り(上位3位まで)。
【小学1・2年の部】
(1)鈴木実(2)鈴木祐輔(3)伊藤壮瑠
【小学3・4年の部】
(1)松沢勝治(2)酒井貴幸(3)伊藤航平
【小学6年の部】
(1)田中壮渡(2)西村洋慶、竹沢幸紀、伊藤匠(3)原寿々子、平沢幸紀
【中学生の部】
(1)稲村立吉(2)松島弘晃 -
【記者室】観光客を受け入れる準備は
伊那市出身のジャーナリスト河野実さん著の「愛と死をみつめて」。63年に発刊され、ベストセラーになり、一大ブームを巻き起こした。河野さんと、軟骨肉腫と闘いながら21歳の若さで亡くなった大島みち子さんの手紙をまとめた実録。これまで描かれていなかった新事実を加え、来年2月、42年ぶりにテレビ放送される▼河野さんをサポートする市内の関係者は、放映で「信州伊那はどこか」が話題になるのではないかと予想。まちの活性化のため、観光客の受け入れ体制の必要性を挙げる▼来年は、伊那谷と木曽谷を結ぶ権兵衛トンネルの開通や、市町村合併を控えている。滞在型観光を目指し、花を飾るなどの取り組みがされているが、市全体の迎え入れ準備はどうか。(湯沢記者)
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えびす講
商売の神・えびす様をまつり、商売繁盛を祈願する恒例の「えびす講」が20日、伊那市西町の恵比寿神社であった。
地域で昔から奉納してきた「おやき」の屋台などが並び、宝投げや福引きもあり、多くの人でにぎわいをみせた。
宝投げは、特に多くの人が集まった。ミカンや景品などが投げられると、大人も子どもも懸命に手を伸ばし、宝をつかみ取っていた。 -
【南大東島再訪記】広がる子どもの交流〈中〉
伊那西小の太鼓の話に大歓声「このビデオの中には、伊那西小の運動会でやられた南大東をイメージしたダンスや、大東太鼓に負けるなと音楽会で初めてやった太鼓の演奏のシーンがはいっています」
南大東島に伊那のコメを届けた一行の一人斧研つね子さんは、そう言って、伊那西小から託されたビデオを同島の小学生に手渡した。友好米の給食を食べる会の席上だった。
「2年生がね、島の太鼓を聞いて、かっこいいから自分たちもやろうと、初めて挑戦したんですよ」
説明に、島の子どもは「すごい!」「俺たち、やるじゃん」などと言って歓声を上げて喜んだ。
「それでね、2年生は13人いるんだけど、1人は体が不自由で車椅子に乗っているの。でも、その子も一緒に演奏したいって、頭でシンバルを演奏して頑張っています。そこもちゃんと見てあげて」
思いがけない言葉に、島の子どもは水を打ったように静かになり、目を丸くして聞き入った。
「そういう子も一緒の学校に行っているんだね」「その子も一緒に演奏しているってすごいことだよね」……
一緒に給食を食べていた中学生からささやき声が聞こえた。誰からともなく静かに拍手が広がった。
3月に島を訪れた伊那市教育委員の伊藤晴夫さんが、土産にもらったサトウキビを届けたことなどをきっかけにして、伊那西小では学校を挙げて島の子どもとの交流をはかってきた。各学年ごとに、西小を紹介するプレゼントを作り、手紙と一緒に送ったのは初夏のことだった。
「コメ作りのこととか、昆虫の話とか、子どもは大いに興味を持って手紙を読んでいました」と宮城盛夫同島小中学校長は話す。
その後島の小学校から返事が着き、8月に島民が伊那を訪ねた際にも、伊那西小を見学し、何人かの子どもたちが一緒に飯盒すいさんを楽しんだ。
こうした交流の中で、伊那西小の子どもたちは島やそこに住む人々の生活のイメージをふくらませ、創作ダンスや太鼓など新たな試みをはじめた。そして西小からのメッセージは、いままた、南大東の子どもたちに新しい何かを伝えた。
「ねぇ、おばちゃん。南大東小学校のこと、西小にまた伝えてね」。斧研さんらは、いつまでも子どもたちに取り囲まれていた。
(毛賀沢明宏) -
いなっせにクリスマスツリーが登場
伊那市の駅前再開発ビル「いなっせ」正面玄関に19日夜、巨大クリスマスツリーが登場した。
ツリーは、高さ5メートルのモミの木。小坂市長から譲り受け、いなっせ管理組合が昨年に続いて設置した。電球1300個のほか、ベルなどの飾りを取り付けた。
点灯式で、伊那東・伊那北小学校児童約60人が「ジングルベル」「きよしこの夜」のクリスマスソング2曲を歌い、盛り上げた。
松沢一男理事長は「いなっせがオープンして2周年を迎えた。楽しいクリスマスになるよう、まちに出かけて」と呼びかけた。
ツリーは12月25日まで飾る。点灯は午後4縲・1時。 -
ベルシャイン伊那で「油絵二人展」 22日まで
北安曇郡松川村にアトリエを構える洋画家の相島謙次郎さん(68)と、妻のあいしまたかこさん(67)の展示即売会「油絵二人展」は22日まで、伊那市日影のベルシャイン伊那店2階文化ホールで開いている=写真。
作品は、油彩と水彩で、それぞれが20余点づつの計48点を出品している。「美しい信州」をテーマに、地元の安曇野の風景を中心に、白馬連峰、浅間山、八ヶ岳などの四季折々の自然を表現。上伊那をモチーフにした作品「菜の花と仙丈ケ岳」もある。
2人は1990年から合同展示を始め、長野市や東京を中心に活動。同ホールは4回目で、隔年で開いている。
相島さんは「絵の中で色んなイメージを広げてもらい、自然の美しさを楽しんでもらえれば」と来場を呼びかけている。
午前10時縲恁゚後6時(最終日は午後4時) -
一人暮らしの老人家庭を訪問
伊那消防署は市消防団員と地域の民生委員とともに、11月1日窶・0日までの期間中、管内の一人暮しの老人(65歳以上)家庭の訪問調査を実施。19日は女性団員も参加し、火器使用器具や家具類の転倒防止の有無の点検、消火器の使用方法指導などを通じて、災害弱者の老人に火災予防を呼びかけた。
この日は17人いる女性団員のうち3人が参加し、市内の美篶、日影、西春近の3班に分かれ約50世帯の老人家庭を訪問。女性団員は、周りに頼れる家族はいるか、地域住民との関わりがあるか、最近の体調はどうか窶狽ネどと質問して老人を気遣っていた。
点検調査を受けた美篶中県の男性(83)は「外出するときはコタツのコンセントを抜くなど注意していたが、今日の点検で学んだことを役立てていきたい」と話していた。
女性消防団員の訪問は20日、市内の若宮、東春近でもある。
伊那消防署管内の一人暮しの老人家庭は、伊那市に1285世帯、南箕輪村に105世帯ある。 -
アピタ伊那で小学生防犯写生大会作品展 21日まで
伊那市のアピタ伊那店2階で21日まで、第25回小学生防犯写生大会作品展が開かれている=写真。「低学年の部」と「高学年の部」の、金、銀、銅賞と佳作の入選作品16点が並び、防犯活動に一役買っている。伊那地区防犯協会の主催。
10月1日、伊那地区の小学生を対象に写生大会を実施。同月24日、伊那消防署で、伊那警察署長、小学校美術教諭、伊那地区防犯協会長らによる審査があり、参加者約50人から入選作品を選出した。
ポンプ車、救急車、パトカーなどを水彩絵具や鉛筆、クレヨンなどで写生。はしご車が人気で、画面からはみ出さんばかりの大きさで描いたり、車両の外装部をち密に描写したり、風景に力を入れたり窶狽ニ、児童一人ひとりの個性豊かな作品が並ぶ。
作品展はベルシャイン伊那店2階(22窶・9日)、伊那市役所1階市民ホール(30日窶・2月7日)でもある。 -
環境保全セミナー
県環境保全協会伊那支部(塚越寛支部長)はこのほど、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで環境保全セミナーを開いた。日本エネルギー経済研究所総合戦略ユニットの中島敬史さんの「エネルギー情勢と環境保全」と題した講話に、会員ら約130人が耳を傾けた=写真。
セミナーは環境に対する啓もうを目的に毎年開催。今回は中部電力伊那営業所の共催で開き、同営業所の元島勝美さんが「ヒートポンプによるエネルギー効率利用」と題した事例紹介もあった。
中島さんは石油の無機起源説を状況証拠を交えながら説明。「この説が正しければ、石油は上部マントル付近で現在も生成中で世界の大規模油田は枯渇(こかつ)しない。油田は中東に限らず、世界の深部断層付近に分布すると見られる」と語った。
糸魚川窶柏テ岡と中央構造線が重なる伊那市についても、油田出現の可能性あり窶狽ニし、「地表や河川に油の染み出しがあれば、未来への大きな発見になるかも」と周囲を盛り上げた。
また、二酸化炭素と水で合成石油が生成可能とし、「二酸化炭素で将来は油をつくることができれば、地球環境の保全にも貢献できる」と訴えた。
塚越支部長は「最近はエネルギー問題に大変な関心が集まっている。石油は有限であるのが前提になっているが、中島さんの説が正しいのなら、ある種の希望を持った企業の選択もできそう」とあいさつした。 -
館内ぎっしり力作披露
伊那市の西箕輪公民館(城取茂美公民館長)で19、20日、文化祭が開かれている。地域の小中学校、伊那養護学校や、公民館クラブ・サークルが絵画、書、陶芸、絵手紙など約900点を出品し、見る人の目を楽しませている。
本年は児童、生徒からの出品数も充実し、公民館活動に籐工芸サークルも加わったことで、例年より100点ほど多く展示。地元出身の重盛国広さんの大正から平成までの故郷、日本、世界の移り変わりを記録した、写真の資料展もある。
2年目となる公民館サークルの「伝統文化こども生け花茶道教室」は生け花の展示と、期間中は無料サービスの茶席を設けている。月に2回の教室で学んできた成果を児童たちが披露している。
城取館長は「出品数が多いと予想し、一人2点までに制限したのにも関わらず、出品者数が増えて公民館にぎっしり作品が集まった。文化に対する地域住民の関心が高まっていて嬉しい」と話している。