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ボジョレー、今年も解禁
色も濃く、フルーティー11月の第3木曜日は、フランス・ブルゴーニュ地方のボジョレー地区でその年生産された新酒ワイン=ボジョレー・ヌーボーが世界的に発売解禁になる日。伊那市内のカフェ・カフカでも、解禁時間の17日午前0時を待って新酒を味わうワイン会があった。主催は伊那市日影の井田屋酒店。10人ほどのワイン好きが集まり、新酒の味を試した。
新酒は総じて、色が濃く、フルーティーで、さわやかな酸味のあり、コクもかなりある良い出来栄え。参加者は銘柄の違うワインを、次々と味わいながら、「去年はあまり出来が良くなかったが今年はおいしい」「歴史的な出来だった00年には及ばないが、比較的良い出来だった03年の水準は越えている」などと・ス通・スぶりを発揮していた。
毎年参加しているという20代の女性は「ボジョレーと出会ってからワインが好きになった。毎年この日になじみの顔と集まって飲むのが楽しみ」と話した。
ボジョレー・ヌーボーの風習が日本で流行し出したのは、バブル経済期。伊那でも、お祭り騒ぎを求めて、あちらこちらでボジョレーの飲む会が開かれた。だが、バブル経済の崩壊とともに退潮した。ワインが好きで、ゆっくり味を楽しもうという愛好家がじっくり楽しむようになった。 -
出張農業試験場開催
県農事試験場などは17日、環境に優しい農業技術の普及・問題解決を目的とした「出張農業試験場」を伊那市のJA南信会館で開いた。地元生産者や農業関係者などが集まり、減農薬・減科学肥料への取り組み事例を学んだり、今年度、上伊那で段階的に導入されている温湯種子消毒について意見交換した。
JA上伊那は、本年度南部で導入した温湯種子消毒の結果を報告。細菌病やバカ苗病の発生抑制は、従来の消毒と同じ効果が得られ、環境付加の低減にもつながる窶狽ニして、今後は北部、中部でも温湯種子消毒の機械導入を進め、06年度からは個人育苗にも対応しながら温湯種子消毒種モミの早期普及に務める方針を明かにした。
上伊那農業改良普及センターは、温湯種子消毒した種モミの保存技術実験の中間経過を報告。実際にモミを保存するのは冬期で、低温期に再実験する必要があるとしながらも、ファンで水分量を15%以下にしたモミが、4カ月後も90%以上の発芽率を確保できた経過を示した。 -
はら美術で梅木草屯能面展
600年引き継がれてきた能面を今に伝える面打ち師・梅木草屯さん(80)の能面展が、23日まで伊那市旭町のはら美術で開かれている。喜怒哀楽を通して生きた人間の魂を打ち込んだ女面や男面など約50点が、訪れた人を圧倒している。
20日に県伊那文化会館である「伊那能」に合わせ、より関心を高めてもらうことを目的としたもの。
同じ種類でも宗家ごと微妙に面持ちは異なっており、面打ち師は、それを忠実に再現しながら技術を引き継いでいく。
同じ女系でも、女性の怨霊・恨みを芸術化した「般若」と、かわいらしさを表現した「小面」では訴えるものが全くことなり、人間の持つ感情が、表情をリアルにしている。
梅木さんは「生きた顔であるかどうか、何かを訴えかけているかどうかを感じてほしい」と話していた。
入場無料。 -
【南大東島再訪記】広がる子どもの交流〈上〉
伊那への児童派遣、村予算に計上へ「今後も、信州・伊那と南大東島の小中学校の交流を継続していくために、村は来年度予算にその経費を計上する方向で検討しています」
水田の無い南大東島の島民に食べてもらおうと、伊那市の有志が作った「友好米」を持参した「伊那コメ娘」一行を前にして、照屋林明南大東村長は、こうあいさつした。3日の村役場へのコメの贈呈式。村長の背後には助役以下村役場の職員全員が並んでいた。
「あぁ、そんなところにまで話が進んできたんだなぁ……」。コメ娘代表の井地千代子さんはつぶやいた。
沖縄県の市町村には、第2次世界大戦で、講和条約が結ばれる前に米軍が行った土地の強制収用などの行為に対する保障として、対米請求権が認められている。基金が設けられ、その果実で市町村などへの事業補助が行われる。以前は、道路整備などのハード面に利用されてきたが、近年は子どもの交流や教育振興の事業に当てられることが多いという。
照屋村長は、その対米請求権事業の1つとして、来年の春か夏、島の子どもの代表を伊那市に派遣する計画があることを明らかにしたのだ。
「信州は、島とまったく自然環境が違う。島では体験できないことを体験し、そこで育つ子どもたちと交流することはとても大切な体験になると思う」。と照屋林伸同村教育長も語った。照屋さんも8月に伊那を訪問した1人。千畳敷カールで島の校歌を歌った時には、「自分自身も何か胸を張る気持ちになった」と笑う。
南大東島はこれまで、100年前の島開拓の時に八丈島出身者が多かったことから、八丈島の小中学校と交流を深めてきた。それはそれで重要なのだが、環境的には似通った地域同士であり、山・川・稲・紅葉・雪・氷……等が見られる地域の子どもとの交流を求めていたのだという。
8月に伊那に来た子どもと久しぶりに話していると、すぐにその友だちが回りに集まり、「水は冷たいの?」「田んぼって足が沈んじゃうの?」「お祭りの音楽花火は毎年見られるの?」と話しかけてきた。「今度は僕たち行けるかなぁ?」。そのうちの一人が言った言葉が印象的だった。 -
ハッチョウトンボ生息 広さ・数が全国最大規模
伊那市は18日、新山のハッチョウトンボ生息調査の結果を発表した。環境省の05年版レッドデータブックの準絶滅危ぐ種に選定されるモートンイトトンボなど27種類を確認。生息地の広さ、ハッチョウトンボ数は「全国最大規模」という。
調査は、日本蜻蛉(とんぼ)学会会長の枝重夫さん(73)=松本市=に依頼。5月から9月にかけ、月1回のペースで湿地を中心に調べた。
生息地は富県上新山の私有地0・7ヘクタール。ハッチョウトンボの発生数は5千匹と推定。そのほか、希少種であるルリボシヤンマ、ヒメアカネ、ネキトンボなど多くの種類を確認した。近くにあるゴルフ場脇の沢では、指標昆虫のムカシトンボや、ヒメクロサナエが見られた。
枝さんは▽湧水があり、1年中ひあがらない▽草丈が短く、日当たりがよい窶狽ネど「ハッチョウトンボの生息する条件が整っている」と説明。どこの池でも見られるクロイトトンボなど普通種が見られなかったことなどから「さらに5、6種は増えるのではないか」と話した。
市は引き続き、調査する方向で検討。
本年度は「トンボの楽園」保護事業として、地域住民の協力を得ながら生息地が踏み荒らされないように歩道などを整備する。
ハッチョウトンボは体長2センチほどで「世界で最も小さい」といわれ、5月下旬から8月中旬ごろまで見ることができる。県内の生息地は19カ所あるそうだ。 -
奥入瀬渓谷など四季の風景美しく
箕輪町中曽根の洋画家向井敏一洋画個展が18日、伊那市生涯学習センター2階展示ギャラリーで始まった。青森県の奥入瀬渓谷など風景画52点が並ぶ。22日まで。
テーマは「山河の四季を描く」。作品のうち奥入瀬を題材にしたのは14点ほどで、新緑と紅葉の風景が描かれる。奥入瀬は「原始的な川といわれる。年間を通して水量が一定で、川辺に草と木が生えた風景」に引かれ、5・10月に現地へ行ったという。
そのほか、地元の仙丈ケ岳や西駒、冬の白馬連峰など四季折々の近作がそろう。サイズはF6縲・0号。
向井さん(58)は「筆を止めるときが完結ではなく、見ている人に何か伝わるものがあれば」と話している。
開館は午前10時縲恁゚後5時(最終日3時)。入場無料。 -
伊那市富県北福地・はらぺこ保育園
子どもには、里山の中で多くのことを感じながら育ってほしい。こんな保育園、あったらいいね窶煤B母親たちのそんな思いが詰まった「はらぺこ保育園」。森の中にある園舎での生活も、半年を経過した。四季の移ろいと共に、さまざまな表情を見せる里山からは、元気な園児13人の笑い声がいつも聞こえてくる。「先生、こんなもの見つけたよ」「お母さん、楽しいね」。子どもたちは感じたことを全身で表しながら、目を輝かせている。
◇ ◇
全てが手探りからのスタートだった。はらぺこは一方的に預かってもらう場所ではない。母親たちは、園を開始する前に「どんなことをしていきたいか」を保育士の小林成親さんと話し合った。
「命を生かすためのすべを学んでほしい」「『俺は子どものころさんざん山で遊んだぞ』と、言えるように育ってほしい」「何かを創り出す喜びを感じてほしい」、それぞれ表現は異なるが、全ての根幹には「豊かな自然と向き合う中で、健やかに育ってほしい」との願いがあった。作成した“やりたいことリスト”には、山遊び、草木染め、畑づくりなど、が挙がった。
そんな思いに支えられ、活動してきた子どもたちは、親が追いつけないほどのスピードで、自然から多くのものを吸収している。
◇ ◇
はらぺこで変わるのはむしろ母親窶狽ニ話す人もいる。月に2、3度ある「保育当番」は、母親が保育をサポートする日。家庭との両立は大変な面もある。しかし、子どもの成長を間近で知ることができる貴重な時間、自分の子どもと同じくらい愛情を注げる園児たち、自分と子どもを十分理解し、相談に応じてくれる力強い母親仲間・保育士の協力は、悩みや不安さえも吹き飛ばしてくれる。保育・子育ての楽しさや喜びを教えてくれる「はらぺこ」のつながりは、貴重な財産。
◇ ◇
保育士・小林さんは、一人一人の園児と向き合うことを大切にしている。個人差はあれ、子どもは自分で道を発見し、前へ進む力を持っている。だから今の姿を受け入れて待つ。理屈で行動を制限することは簡単だが「どうしてか」を、自身の体験を通して学んでほしい。それは時間のかかることかもしれない。ただ、生きた経験から納得すれば、一生子どもの中に残る。
◇ ◇
母親たちは呼びかける。「小さい子どもと向き合えるのはほんのちょっと。ここはその時間をがっちりと向き合える。気軽に親子で遊びにきませんか」。
◇ ◇
はらぺこは来入児を募集中。入園体験も受け付けている。問い合せは、はらぺこ保育園(TEL76・3341)で平日午後2時縲恁゚後3時に受け付ける。それ以外の時間は(TEL090・1769・4427)伊藤さんへ。
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(伊藤愛子) -
無許可で風俗営業 飲食店経営者送致
伊那署は17日、無許可で風俗営業をしていた疑いで、伊那市上の原在住の飲食店経営・野澤浩平容疑者(27)を、風俗営業等の規制及び業務の適性化等に関する法律違反で、長野地方検察庁伊那支部に送致した。
調べによると、野澤容疑者は伊那市内の飲食店「C窶薄コ(しいむすめ)」の営業許可を受けず、さらに、16歳の少女に接待させていた疑い。 -
まちづくり大賞の入賞団体・個人を表彰
地域ボランティアの花いっぱい運動を顕彰する伊那市の「まちづくり大賞」の表彰式が15日、市役所であった。
小坂市長が努力賞以上の入賞団体・個人に表彰状などを手渡し、花づくりを通した美化運動の継続を呼びかけた。
最優秀賞に選ばれた「東松福寿会」(手良野口)の矢沢善秋さんは「自分たちのすむ地域を明るくしようと花づくりをしている。権兵衛トンネル開通や合併を控え、新伊那市のイメージアップのために一層努力したい」と述べた。
「まちづくり大賞」は97年度から始まり、今回は過去最高の23団体・個人から応募があった。「東松福寿会」は東松入り口の道路延長250メートルにスイセン、松笠菊、マリーゴールドなど5種類を植えて管理している活動が認められた。
入賞団体・個人の写真は21日まで、市役所1階市民ホールに展示されている。 -
【南大東島再訪記】「平成のコメの道」〈下〉
「おいしいコメがいつも届けば……」友好米を届けるコメ娘の一行には、じつは心配事が1つだけあった。伊那のコメで喜んでもらいたいけれど、島でコメを扱う商店の営業に影響を与えないだろうか?窶狽ニいうことだった。
南大東島は沖縄本島から東に約400キロ。周囲20・6キロの島に1380人が住む。島の59・7%を占める農地はそのほとんどがサトウキビで、あとは青パパイアやジャガイモ。水田はまったくない。
島民はもちろんコメを主食にしているが、当然全量、島外から、農協その他の流通ルートを通じて持ち込まれている。
コメを使う商店は、与儀商店・大盛商店・ケンちゃんストアーなど3件ほどあり、銘柄的には新潟県魚沼産コシヒカリから秋田こまち、ひとめぼれなど数種並ぶが、もっとも安価の秋田こまちでも5キロ2140円と、輸送費などの関係で伊那では考えられない値段がついている。
さらに、高温の地であることから保管などにも苦心しており、各商店がどれほど努力しても、どうしても鮮度的に落ちてしまう。新米も入らないわけではないが量的に少ない。島民のほとんどが「もっとおいしいコメを食べたい」と望んでいるという。
こうした地に、「川下り米」として有名で、食味もよい伊那市東春近の新米コシヒカリを、経費相当の原価で持ち込むのだから、島のコメ屋に少なからぬ影響が出るのではないか窶狽ニ危惧したのだ。
だが、取りこし苦労だった。米屋の1つ与儀商店の田仲留美子さんは8月に伊那を訪れた1人でもあり、交流をさらに深めようと、友好米のおにぎり作りや申込みの集約に率先してあたってくれた。
それどころか「伊那に行った時から、こんなおいしいコメがいつも届けば、島の人はきっと喜ぶと思っていた」と、今後継続して、伊那で取れたコメを島に直送し・販売する窓口を引き受けてくれる方向で、話し合いを続けることを約束したのだった。ほかの米屋さんも歓迎してくれた。
こうして、人々の友好の中から、伊那の特産品であるコメを直接流通させる、経済的な交流の試みが新たに始まろうとしているのだ。(毛賀沢明宏)
※「平成のコメの道」は本号で終わり。次回からは「動き始めた子どもの交流」が始まります。 -
ハッピーテール、野良猫手術支援基金設置
保健所に収容される犬猫の保護・里親探しに取り組む民間団体「ハッピーテール」は、野良猫の不妊手術を助成する「ノラ猫手術支援基金」を設立した。対象は野良猫に餌やりをする上伊那在住者。処分される割合が高い「野良子猫」を減らすための新たな試み。
ボランティアの積極的な活動で不妊手術の浸透もあり、2000年ころから伊那保健所に収容される犬猫は減少。98年度は287匹だった猫の処分数も、昨年度は106匹となった。しかし猫の場合、収容に対する処分割合が約8割と圧倒的に高い。「捨て猫」「野良が産んだ子猫」など、返還先のない子猫がほとんどを占め、その多くは処分される。昨年度は収容された79匹のうち、71匹が処分された。犬は迷い犬が買主に返還されるケースが多く、処分割合は約3割。
ボランティア団体も、多数の子猫を受け入れられる体制はなく、現状打開策を模索していた。
子猫が多い原因の一つは野良が野良を生む悪循環があること。野良に餌やりをする人も多いが「飼ってはいない」という意識から、不妊手術を施す人は少ない。そのためハッピーテールは「餌を与えている人にも一応の責任を負ってもらおう」と、手術費を一部負担してもらう代わりに、1回につき3千円を助成する今回の基金を設立した。
事務局の柴崎真弓さんは「餌をあげることは否定しない。『猫がかわいそう』と手術を否定する人もいるが、トラブルが発生すれば猫も住みにくくなってしまう。共存していくために、手術は必要」と訴える。
また一般に対しては、基金への協力も求めている。
助成・基金に関する申し込み・問い合せはハッピーテール事務局(TEL090・2671・4270)東野さんへ。 -
森世紀工房「木の温もりにつつまれるキッチンライフ」展
県産材を利用した木製キッチン家具の肌触りを実感してほしい窶狽ニ、県内の建具職人などでつくる「森世紀工房」は16日から、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで「木の温もりにつつまれるキッチンライフ」と題した展示会を開いている。温かみのある信州産カラマツのダイニングテーブルやいすなど約150点が、来場者を楽しませている。
地域材の利用促進を通じて里山再生を目指す森世紀工房は、県産材の良さを伝える活動に県内外で取り組む。今回は伊那支部を中心とする17人の匠が、既製にはない、職人ならではのキッチン家具や小物を出展。実際に見て触れることで、良さを実感できる。
県内の山林の約半分を占めるカラマツは、腐りにくく、色・木目共に美しいのが特徴。キッチン周りにも適しているという。
伊那支部の有賀恵一幹事長は「木の使い心地、触り心地を直接感じてほしい」と話している。
入場無料。20日まで。 -
はらぺこ保育園、たき火を使って竹パンづくり
“自然”とのふれあいから多くのことを学んでほしい窶狽ニ母親ら有志で立ち上げた、伊那市富県北福地の里山にある園舎で活動を続ける保育園「はらぺこ」の園児はこのほど、たき火を使ったパン焼きをした。子どもたちは竹に巻き付けたパンが焼きあがると、満面の笑顔で熱々のパンをほうばった。
たき火を使ってお祭りのようなことをしたい窶狽ニ、竹にパン生地を巻きつけて焼く「竹パンづくり」に挑戦。竹は敷地内の竹林から子どもたちが切り出し、生地は保護者に提供してもらった。
園児は生地を細長く伸ばし、竹に巻き付けた後、たき火の回りでくるくると生地をあぶった。火の間近で棒を回さなければならないので、その熱さに悪戦苦闘。顔を真っ赤にしながら辛抱強く生地を焼いた。しかし、苦労して焼き上げたパンは格別の様子で、ちょっと焦げた部分も「おいしい」と言って残さず食べた。
普段から火を使うことも多い園児たちは、実体験を通して扱い方を学んでいる。下の子が、上の子のやり方を見て学ぶことも多いという。
現在、来年度入園児を募集中。関心のある人は見学もできる。
問い合せは同園(TEL76・3341)平日午後2時縲恁゚後3時受け付け。それ以外の時間は(TEL090・1769・4427)伊藤さんへ。 -
伊那食品工業、06年度カレンダー完成
伊那谷と木曽谷の自然がつくる鮮やかな12カ月をとらえた伊那食品工業の06年度カレンダー「伊那・木曽谷の四季」がこのほど、完成した。
伊那谷の素朴な美しさを多くの人に知ってほしい窶狽ニ始めたカレンダーは14年目。掲載写真は全て塚越寛会長(68)が撮影した作品で、自然がつくりだす一瞬の表情をとらえたものや、見落としがちな何気ない美しさをとらえた作品が並ぶ。
例年好評で、当初3万部から始めた発行部数も、今年は8万5千部に。郷里を離れ、都心で活躍する著名人なども使用しているという。
これまでは上伊那にこだわってカレンダーを製作してきたが、権兵衛トンネルの開通に伴い今年は、木曽谷の作品も2枚使った。塚越会長は「木曽は名前は売れているが実態を知る人は少ない。それを売り出すことは意義がある」と話す。
カレンダーは関係者などに配布するほか、伊那食品工業各ショップでも1部300円で購入できる。 -
【南大東島再訪記】「平成のコメの道」〈中〉
「私たちが草を取った田んぼで採れたんですね」「おいしい伊那のコメを存分に味わってください。末長く交流を続けましょう」
4日南大東村役場で行われた友好米贈呈式では、伊那市の経済部長・伊藤量平さんのメッセージが代読された。
島民に伊那のコメを食べてもらおうと、「友好田」を発案したのが伊藤さんだった。「島に水田がないのなら、作って送ってやればいいね」。3月に島を訪ねた伊那市民が市役所に報告に訪れた折の一言が引きがねになった。
話を伝え聞いた地主の細田清登さんからすぐに田んぼ貸与の申し出があり、3月の訪問団の一員で自らコメを作る唐沢健さんや畠忠弘さんが耕作の先頭に立った。一人で2度島を訪ねたことがある飯塚眞佐志さんも加わった。6月12日に東春近で行われた田植えにはボランティアで30人もが集まり、南の島に送る稲の苗を植えた……。こうしてできた友好米だった。
「自分たちでコメを作ってそれを島に送ってくれるなんて、今までまったく経験のないことなんですよ。みんな本当に喜んでいます」島の仲田建匠助役は話した。
8月に伊那を訪問し、田の草取りを経験した島唄の「ボロジノ娘」や大東太鼓「碧(あおい)会」の子どもは、口々に「本当にあの田んぼ取れたおコメなの?」「まだ、膝の上くらいまでしか育ってなかったのに、あれからどうやって稲が伸びたんですか?」などと盛んに質問してきた。
集まってくるほかの子どもに「泥がさぁ、ビチャーってつくんだ」「ズブズブって足が沈んでいくんだ」窶狽ネどと、8月に初めて経験した田んぼの感触を彼らが話すと、「俺も行きたい」「田植えをしてみたい」との声が沸きあがった。
4日夜あった歓迎会の場で、「じつは伊那で田植えに集まった人の中には田植え初体験の人が何人もいた」「稲刈り前に田んぼに水がないのを見た非農家の人が、これはマズイと勝手に水を入れて、農家の人に怒られたこともあった」などと裏話を話すと、笑いともに「へぇ縲怐A伊那でも稲づくり未経験の人がいるのか」という驚きの声も上がった。
(毛賀沢明宏) -
上戸区ゴルフクラブ社協へ寄贈
伊那市上戸区住民や出身者でつくる「上戸区ゴルフ同好会」(原俊文会長)は15日、過去6年間のチャリティーコンペ10回分の積み立て金7万円を、地域の福祉に役立ててもらおう窶狽ニ市社会福祉協議会に寄付した。
会員は20代から70代までの会員約40人。地域への感謝の意味を込めて99年にチャリティーコンペを始めた。第1回は収益金をそのまま寄付したが、それ以降の収益金はすべて積み立ててきた。昨年、無事に10回目のコンペができたことから、10回までの収益金をまとめて寄付することにした。
社協の御子柴龍一会長は「尊いお金を集め、善意の心を表してくれたことはありがたい。寄付は基金として積み立て、来春合併した後、有効利用できるよう検討していきたい」と感謝の言葉を述べた。 -
大地の恵み美しく
伊那市中央区の洋画家・奥村憲さん(64)の絵画展は12月5日まで、同市の中部電力伊那営業所ギャラリーで開いている。「大地のめぐみ」をテーマに、野菜や果物などを水彩とパステルで描いた新作25点を並べている。入場無料。
愛知県岡崎市生まれの奥村さんは、退職後の00年に横浜市から伊那市へ転居。画歴は41年で、伊那谷の四季折々の風景を中心に油絵で描いている。作品は高遠さくらホテルロビー展や市民美術展などに出品。同営業所での個展は6回目となる。
今回は題材の形や色の美しさを表現するため、優しい色彩のパステルなどを使用した。カボチャ、ナス、パプリカなどは、すべて自家栽培した野菜。ブロッコリーの絵はお気に入りで「早朝収穫したみずみずしさ」を表現したという。
奥村さんは「楽しく、気軽に見てもらえれば」と来場を呼びかけている。
休館は土・日曜日、祝祭日。開館は午前8時30分縲恁゚後5時10分。 -
上伊那社会教育関係者懇談会
上伊那市町村教育委員会連絡協議会などは15日、伊那市駅前ビル「いなっせ」で上伊那社会教育関係者懇談会を開いた。市町村の社会教育担当者ら約120人が参加。さまざまな分野で活動する人の事例発表などを通して、地域ぐるみで子育て支援に取り組む重要性を認識した。
社会教育への理解を深めることが目的。「地域における『子ども』『親』『子育て』について語り合おう」と、シンポジウムや分科会をした。
シンポジウムは、公民館、学校、市役所、地域の社会団体で社会教育に携わる4人が子育てのあり方を提言。
伊那市西箕輪の公民館長・城取茂美さんは「今の子どもは、自分でできることも親に頼ってしまうため、昔は家庭で学べたことを学べていない」と報告。今年初めて取り組んだ小学生の通学合宿で、台所に立つ楽しさを実感した子どもの例などを挙げ「何でも親がする」ことを考え直す必要がある窶狽ニした。
駒ケ根市赤穂中学校の学校カウンセラー有賀和枝さんは、人間関係を楽しむ余裕のない子どもの現状や、不安を抱く親から、子どもが受ける影響の大きさを説明。「家庭を地域の中でサポートし、子どものよりどころを家庭以外にもつくってあげることで、立ち直りのチャンスが何度でもあることを伝えていくことが大切」とした。 -
島・ス山林塾企業組合
「山の神」で1年を感謝山仕事を求めてIターンした人を中心に作る島・ス山林塾企業組合(中村豊代表理事)が18日、伊那市横山の鳩吹公園そばの作業小屋で、1年の安全を感謝する「山の神」を開いた。
全員で神棚に向かい、顧問の島・ス洋路元信大教授が1年間の感謝の言葉を述べ、全員で2礼2拍手1礼した。その後、それぞれ持ち寄った食材で鍋などを楽しんだ。
もともとは、山から里に降りていた田の神を山に送る「十日夜(とうかんや)」という神事で、旧暦10月10日に行われていた。間伐や山道整備などの仕事があり、期日を調整した。
同企業組合は、島・スさんを師事して山仕事をはじめた人で作るもので、現在組合員は9人。全員が県外出身者で、Iターン後、県のグリーンマスターなどの資格をとり、植林・下草刈り・間伐・枝打ち・伐採などの山仕事を請け負って遂行している。
島・スさんは「山の神への感謝と自分たちのへのごほうびのためのささやかな催し物です。最初はまったくの素人だったが、今は、立派な山仕事をするようになり、今後が楽しみです」と話した。 -
きたっせでチャリティー歌謡ショー開催予告
伊那市旭町のカラオケ喫茶「ニューつむぎ」は20日、辰野町出身の演歌歌手・大和田健さんや、地元有志らが出演する「チャリティー歌謡ショー」を伊那北地域活性化センター「きたっせ」で開く。観覧は無料で、多くの人への来場を呼びかけている。
今年3月の開店以来、多くの人が来店してくれたことへの感謝を込めて企画。店主・丹羽貴士さんの知り合いの大和田さんに出演を依頼。舞台で歌を披露してくれる地元有志も募集し、約30人が集まった。
また、歌謡ショーはチャリティー企画でもあり、観覧は無料だが、歌を披露する人から参加費を徴収し、収益を市の福祉関係団体などに寄付する。
丹羽さんは、盲目の演歌歌手・藤代ゆきさんとの出会いを通じて「ハンディを持つ人たちにも頑張ってほしい」とさまざまな活動をしている。9月には、市内老人ホームで藤代さんの慰問歌謡ショーを企画した。この取り組みもその一環で、当日も来場者の賛同が得られれば、募金をしたいとしている。
丹羽さんは「一人でも多くの人に楽しんでほしい」と来場を呼びかけていた。
ショーは午後1時から。
問い合せはつむぎ(TEL78・8800)へ。 -
伊那食品工業、児童の安全対策用防犯ブザーを伊那市へ寄贈
伊那食品工業の塚越寛会長は15日、伊那市役所を訪れ、児童の安全対策を目的とした防犯ブザー1500個を伊那市に寄贈した。塚越会長は「子どもへの変な犯罪が増えており、役立ててもらえれば」と語った。
小学生の登下校時の安全対策として市は、小学校1、2年生へ防犯ベル配布しているが、3年生以上の児童への配布は未だ実施していない。そのため今回は、市内の小学3、4年生、約1300人分の防犯ベルを寄贈。
小坂樫男市長と塚越氏は「町の汚さと犯罪発生率は比例する。まずは街をきれいにすることが大切」などと、まちづくりのあり方なども語り合った。
伊那工場事業所防犯協会の会長でもある塚越会長。「企業として利益の一部を還元できれば」と話していた。 -
農業委員会が市長に建議書渡す
伊那市農業委員会(平沢信助会長)は15日、市役所を訪れ、小坂市長に市の農業施策と国・県への要請9項目をまとめた建議書を手渡した。
遊休農地対策や集落営農の組織が進んでいないなど問題が山積している状況にあり、建議書で▽遊休農地対策として作物の苗・種代を支援する▽有害鳥獣駆除(カラス)は南箕輪村との体制を組む▽集落営農の組織化を推進するため、小規模農家や兼業農家に参画することの必要性を指導する窶狽ネど農業施策を求めた。国・県への要請事項は、07年産から導入される経営安定対策大綱にかかわり、最低所得保障を設けるなど生産意欲が減退しない対策などを挙げた。
平沢会長は「遊休荒廃地の積極的な展開を図っていかなければならない。産業としての農業が継続できるよう、各施策を取り入れてほしい」と述べた。
小坂市長は、来年3月に合併を控えていることから「高遠町・長谷村を考慮し、検討したい」と答えた。また、集落営農の拡大、地域ブランドの確立などの必要性を挙げ「市の農業が発展するような施策を見つけ出していきたい」とした。 -
【南大東島再訪記】「平成のコメの道」〈上〉
「新米の香り、うれしい」伊那谷産コシヒカリは、水田のない南大東島で大好評だった。
島に到着した4日、同島小中学校に友好米を贈呈した一行(代表井地千代子さんら4人)は、児童・生徒と給食を共にした。事前に送っておいた友好米を使ったメニューだ。交流のきっかけになった青パパイアの料理もテーブルに並んだ。
「甘い」「かめばかむほど味が出る」「おいしい」窶博q供たちは歓声を上げて伊那の米を食べた。小学校教頭の盛正也さんは「いつもは米飯を口にしない1年生の男児がお代りまでした」と驚いた。「調理師が新米を炊いたことがなく、水加減で苦労した。ちょっと固かったかしら」と、栄養職員・松田優子さんは笑った。
5日は、島の陸上競技大会(島民運動会)。島民有志とともに朝から握ったおにぎりは400個。島民は列を作った。「数が足りないだろうから」と遠慮して取りに来ない地区の席におにぎりを運ぶと、沖縄独特の指笛や拍手の大歓迎。鳴り止まぬ拍子が手拍子に代わり、「コメ娘」の一人・北原弘美さんが島民に手を引かれて島の踊りを踊る一幕も。
気温30度近くの屋外で、陽射しを逃れて木陰に座った高齢者のグループは、「これが新米の香りなんですね。食べる機会が少ないので本当にうれしい」と深々と頭を下げた。
伊那の市民が、地主の細田清登さんが無償で貸してくれた田んぼで作った米は、精米で約19俵の収穫があった。田植え時期が遅かったがまずまずの出来栄えだった。このうち6俵を島の小中学校や役場、幼稚園、老人ホームに贈呈した。残り13俵は苗や肥料の代金、郵送費などの経費に相当する原価で、島民の希望者に譲った。
友好米の話を聞いた伊那市富県の埋橋一さんから、栽培した米を市価の半値以下で譲る提案もあり、あわせて希望者を募った。埋橋さんは04年度長野県の原産地呼称管理制度で認定された、県内で8軒のうちの一人だ。
島民は、その場で次々と申込書に記入。1日だけで合計1200キロに及んだ。
「コメ娘」の斧研つね子さんは「送れば良いかと思ったけど、やっぱり持ってきて良かった」と話した。もう一人の「コメ娘」倉科照子さんも「島の人の笑顔を見たら、いろいろな苦労も吹き飛んだ」と笑った。
(毛賀沢明宏) -
いなっせで食育イベント開催
偏食が増加する中、もう一度食べることの意義を考え直してもらおう窶狽ニ12日、県栄養士会は伊那市駅前ビル「いなっせ」で食育イベント「食べるってなあに!」を開いた。
県内各地区で開くイベントで、伊那地区では初めて。野菜についてもっと知ってもらおう」と、地元上伊那の野菜を使った「参加型食育実践広場」と「栄養相談」をした。野菜に含まれる食物繊維量や収穫時期を学べるブースや、リンゴの皮むき競争、野菜スタンプなど、直接生の野菜に触れることのできるブースがあり、訪れた親子などは、一緒になって野菜の持つさまざまな側面に触れた。
また、料理研究家・坂本廣子さんの基調講演や、地元で食育活動に力を注いでいる生産者や給食担当者などによるシンポジウムもあった。食と子どもの関係を現場の視点から発表するなどして、食べることの意味をもう一度考えることを訴えた。 -
伊那市、遊休農地を利用したヤマブドウを使って地域ブランドワイン生産を検討
遊休農地の問題を解消すると共に、地域ブランド産品を確立しよう窶狽ニ伊那市は、市内30ヘクタールの荒廃農地を活用してヤマブドウを生産し、それを使った地域ブランドワインの商品化を検討していることを14日、明らかにした。現地を環境調査し、適しているか確認でき次第、具体的生産に移りたいとしている。調査費は来年度予算に計上する予定。
案は官学連携協定を結ぶ信州大学農学部との交流会で示した。
知名度のある地域ブランド産品の開発と遊休農地問題は市の課題であり、双方を結び付ける形で地域ブランドワインの商品化案が浮上。「遊休農地の環境は、ヤマブドウづくりに一番適しているのではないか」と、ワインを選んだ。
市は、ブドウの生産から商品化まで、多方面での大学側の協力を要請。
唐澤豊学部長は「生産コストが下げられなければ、付加価値の高い農産物の生産が必要。そうした面で協力していけるのでは」と前向きな意向を示した。
地元産畜産物を使った「チーズ」「ダチョウ肉のつまみ」など、ワインとセット販売できる加工産品の開発も検討しており、ワインをきっかけに、さまざまな産品のブランド化を図りたいとしている。 -
園児の絵画をまちじゅうに
伊那商工会議所と商業連合協議会は14日、伊那商工会館で「第4回まちじゅう美術館」の審査をした。主催者役員、洋画家須沢重雄さんの9人が審査に当たり、入賞作品35点を選んだ。
まちじゅう美術館は、商店街に市内の保育所・幼稚園年長児から募集した絵を飾る取り組み。「わたしの好きなお店」「わたしの家族」をテーマに集め、今回は26保育所・幼稚園から576点の応募があった。
「おもちゃ」「ケーキ」「花」の店を題材にした作品が目立ったほか、家族で食卓を囲んだり、釣りをしたりするほのぼのとした場面がクレヨンや絵の具、折り紙などを使って描かれた。
表彰式は26日、伊那商工会館で開く。
応募作品は12月4日縲恬・N1月10日、市内の商店街に展示する。
入賞者は次の通り(敬称略)。
▽会頭賞(5人)=さくらざわなおや(竜南)しばもえこ(伊那東)よしはらそう(東春近中央)カン(大萱)つちだきんたろう(西春近北)
▽副会頭賞(10人)=まつざきゆきね(伊那西部)いとうさやか(上の原)なかむらさき(伊那)たばたななか(富県南部)うずはしあんな(富県北部)からさわれいき(西箕輪北部)くらたるな(美篶中央)いとうまいか(竜東)おばたさとし(大萱)からさわケント(伊那緑ケ丘)
▽部会長賞(20人)=やまずみはるな(上の原)ふくざわかづき、もりやほさな(以上天使)いのうえしんご、こじまくるみ(以上伊那北)なかやまささら(伊那東)みさわとうこ(東春近中央)ほうじょうつかさ(東春近南部)てらさわこずえ(西箕輪南部)たかぎとうい(美篶西部)からさわようこ(竜東)いとうのりあき、くまがいさえ(以上竜西)いとうりょうえい(美篶東部)かとうやひろ(竜北)なかじまゆき、からさわゆりあ(西春近南)かないゆうと(西春近中央)ろくはらなるみ(新山)とのうちじゅん(手良) -
青島で集落祭
伊那市美篶の青島農家組合(堀内利男組合長、58戸)は13日、青島公民館などで第20回青島集落祭を開いた。多くの区民が参加し、ミニ運動会を楽しんだり、地元産の米を使った五平もちを味わったりした。
ミニ運動会は公民館東側の遊園地で開き「満水リレー」など4種目を展開。「運が良けりャ」は長さの違うひもを引いて順番につなげ、最終的に「川下り米」「白毛もち」など青島で栽培される米名が記された米俵を引く競技。「農」を取り入れた競技に、組合員以外も一緒に楽しんだ。
終了後は、ダイコンやゴボウ、ニンジンなど野菜たっぷりの豚汁などを食べ、親ぼくを深めた。
公民館前には、組合員が作った「青島のねぎ美人」を展示。目と鼻にナス、口にトマトなどを使ったユーモアあるネギのかかしで、JA上伊那美篶手良支所祭の「農の生け花」で優秀賞を取った。「全部、野菜で出来てるんだ」と来場者の目を引きつけた。 -
伊那北高の弓道部創設・柴韓治郎さん
伊那市の伊那北高校弓道部を創設した柴韓治郎さん(95)=同市山寺区=の長寿を祝う会が13日、市内の料理屋「越後屋」であった。有志の呼びかけで集まった約30人の門下生らは、恩師を囲み健康な姿を喜んだ。弓道部同窓会も初めてで、旧友らが久ぶりの交流も深めた。
体育教師だった柴さんは、在勤中の1962(昭和37)年の10月、生徒らの要望で部活動をけん引。3カ月分の給料で道具を買いそろえ部を発足した。当時は射場がなく、近くの常円寺にあった市営弓道場で練習したという。翌年夏には団体で全国大会出場を決めるなど、上伊那でも常勝校に導いた。
学校の応援歌「天竜河畔」に振り付けした、通称「柴韓体操」も考案し、校内で知らない生徒がいないほどの有名教師だったという。
柴さんは、教え子らの前で10分以上にもおよぶスピーチで、健康な姿を披露。「懐かしいメンバーがそろいありがたく思う。今後もよろしくお願いします」と感謝の気持ちを述べていた。
呼びかけで集まったのは、顧問を勤めた16年間の門下生。遠くは和歌山県から駆け付けた人もいた。150人以上に通知したところ、7割から返事があり、そのほとんどに柴さんに寄せるメッセージが書き添えられていたという。 -
三峰川写生大会入賞者
23日に表彰式三峰川みらい会議エンジョイチーム(木下茂人代表)主催の第6回写生大会(4月17日開催)の入賞者表彰式が23日、伊那市役所の多目的ホールである。午後2時30分から。
保育園児から大人まで90余人が参加。その中から7つの賞に子どもと大人1人づつ、合計14人が入賞した。
入賞者は次の通り。
【三峰川みらい会議賞】飯島朱莉(東春近小4)、中山節子(高遠町西高遠)【伊那市教育委員会賞】高山美香(美篶小5)、田中準造(伊那市狐島)【伊那毎日新聞社賞】伊藤さえ(美篶小2)、波田野ミツ(伊那市美原)【信濃毎日新聞社賞】飯島梨琴(東春近小2)、吉澤巻雄(伊那市美篶)【長野日報賞】伊藤黄(美篶小5)、小田切秀巳(伊那市美篶)【JA上伊那賞】六波羅將太(東部中1)、清水京子(伊那市伊那部)【ベルシャイン賞】吉田明弘(東部中1)、小木曽春江(宮田村) -
身近な渓流魚を知って
伊那市役所1階ロビーで12日、渓流魚を展示した水槽の除幕式があった。天竜川や三峰川にすむ魚を知ってもらおうと常設する。
魚はイワナ、ウグイ、オイカワ、ニジマスなど8種類で、天竜川漁業協同組合などの協力を得て確保。それぞれ体長やえさなど生態を写真付きで解説している。
市は今後、種類を増やし、充実させていく。
この取り組みは全国モニターボート競走施行者協議会の助成などを受け、酸素を送り込むポンプや浄化装置などがついた水槽を購入(45万円)。水槽は高さ45センチ・幅90センチ・奥行き45センチを2個、高さ45センチ・幅120センチ・奥行き45センチを1個。
第18回川シンポジウム「環境子ども会議」に合わせ、小中学生代表者らが除幕した。
世話は市生活環境課職員が担当。「川で遊ぶ機会が少なくなった子どもたちに、身近な魚を見てもらいたい」と話す。