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皆既月食 伊那でも観測
地球が太陽と月の間に入り、地球の影が月を欠けさせて見せる現象竏秩B28日夜、全国各地で約6年ぶりとなる皆既月食が観測された。地球の影にすっぽりと包まれた月は、普段の輝きとは違う赤銅色のにぶい光を放ち、見る者を驚かせた。
皆既月食は、午後7時ごろから約90分間の現象だった。伊那市の伊那東小学校校庭では、伊那天文ボランティアサークル「すばる星の会」(野口輝雄代表)が市民観察会を開催。最初の30分間は雲が邪魔をしたが、集まった約150人の親子連れらは、肉眼や望遠鏡で変容した月を眺めた。
野口代表は、地球の大気で屈折して入り込んだ、波長の長い赤色の一部の太陽光に照らされ、月が赤黒く見えたと説明。観察に訪れた、伊那東小4年の松沢卓磨君(9)は「初めて月食が見れてうれしかった。まさか赤く光るとは思わなかった」と目を輝かせていた。 -
炭と暮らす
里山に囲まれた伊那谷では、薪や炭を暮らしのさまざまな場面で利用してきた。薪や炭の材料を調達する里山を「薪炭林」(しんたんりん)と呼び、山と暮らしが密接な関わりを持っていた時代は、そう昔のことではない。
しかし、化石燃料の普及、生活スタイルの変化などにより、私たちの暮らしは山から少しずつ遠ざかり、今では、家庭の中で炭を利用する場面はほとんど見られなくなった。
一方で、化石燃料の燃焼によって大気中の二酸化炭素の濃度が上がり、地球温暖化を加速させていることが懸念される中で、燃料としての炭が注目されはじめている一面もある。炭の原料である木は、大気中の二酸化炭素を吸収して育ったものであり、炭を燃やすことで放出される二酸化炭素の量は、もともと大気中にあった量であるため、地球温暖化を加速することはない竏窒ニいう理由からだ。さらに、炭は、有限な化石燃料とは違い、木を育てることによって再生が可能な資源であることも、注目される点である。
今回の朝の学舎は、伊那市長谷で、炭焼きを中心とした自給自足の暮らしをしている伊東修さんを、長谷小学校4年生が訪ねた。焼いた炭を窯から運び出したり、次に焼く炭の材料を、力を合わせて窯に詰めたりする作業を通して、炭との暮らしを体感した。 -
小山明子さんの誕生日んパーティーに合わせて社交ダンスパーティーを開催
コヤマダンススタジオの代表、小山明子さんの誕生日を祝う社交ダンスパーティーが26日夜、伊那市の伊那商工会館であった。小山さんの生徒など約60人が集まり、祝福の思いを込めた社交ダンスを楽しんだ=写真。
小山さんが社交ダンスを教えるダンスサークルでつくる「舞フレンド」が毎年企画して開催しているもので、異なる団体で活動する仲間との交流を深める機会にもなっている。
メンバーから「体に気を付けていつまでんも若くいてほしい」といった言葉とともに花束が贈られ、小山さんは「みなさんとともに自然体でがんばっていきたい」と語った。
その後、参加者らは普段は別々に活動しているダンス仲間たちとともに社交ダンスを楽しんだ。 -
伊那三曲協会が邦楽子どものつどいを開催
伊那三曲協会による「第8回邦楽子どものつどい」が26日、伊那市の生涯学習センターであった。同協会で琴や尺八、三味線を習う園児から高校生まで45人が集まり、日ごろの練習の成果を披露した=写真。
幼い時から日本の音楽に親しんでもらおう竏窒ニ、始めた子どもだけの発表会は今年で8年目。個人演奏では、子どもたち一人ひとりが童謡や日本の曲などを演奏。今年の5月から稽古を始めたという4歳の女の子は、家族の前で練習を重ねるなどして今回の発表会に臨み、歌を口ずさみながら童謡「チューリップ」を演奏。観客の心を和ませていた。
また、「さくらの舞曲・荒城の月抄」では、19人の子どもたちが琴、三味線、尺八の合奏を披露し、会場を楽しませていた。 -
公共交通の路線再編の方向性を了承
「第5回伊那地域における新たな交通ネットワークシステム構築のための検討会」が28日、伊那市役所であった。市、交通事業者、公共交通機関利用者ら約20人が出席し、路線再編の内容を了承。今後、事業者と調整しながら実現できる方策を探る。
再編の方向性は前回(6月26日)、統合可能路線の整理・効率化、地域間バランスの調整、現行体系の踏襲など8つの柱を確認。
市内を走る路線の再編については▽市が運行する市街地の外回りと事業者が運行する内回りを「市街地東循環線」として統合。運賃の値上げを検討し、事業者の営業路線とする▽横山・ますみケ丘線、内の萱・城南町方面のバス路線は廃止し、試験的にデマンドタクシー(ワゴン車などを利用した乗合型タクシー)を導入する▽合併に伴う高遠縲恍キ谷を結ぶ周回コースを新設する竏窒ネどを示した。路線数の削減などがあるものの、サービス水準は現行レベルを維持、または向上できるようにした。
出席者から、ボランティア移送のボランティア要員確保の難しさ、生活路線バス運行の赤字経営の厳しさなどが挙がった。
次回(10月16日)、路線の便数や運行時間など具体的な運行計画案を示し、12月に承認。運行準備を整え、08年度に試行運行を開始する。次回以降、地域説明会が予定される。
また、観光客らを対象にした伊那竏猪リ曽連絡バスに関するアンケート結果(速報)を報告。連絡バスを「利用してみたい」「条件次第で利用してみたい」が半数近くを占め、観光期のニーズは高いとみている。 -
子ども向け雑穀料理教室を開催
栄養バランスの良い雑穀を子どもたちの食事にも取り入れてもらおう竏窒ニ26日、雑穀料理教室「雑穀でつくる子どものためのごはんとおやつ」が伊那市長谷の気の里ヘルスセンターであった。小学校入学前の子どもを持つ母親など11人が集まり、タカキビを使ったハンバーグとモチキビとリンゴのタルトに挑戦した。
条件の悪い農地の活用と雑穀の特産品化実現を目指す「雑穀プロジェクトin伊那」の一環として市とNPO法人の「南アルプス食と暮らしの研究舎」が催している料理教室で、今回が3回目。食育への関心の高まり、子どもたちののアトピー増加などを受け、今回は小さい子どもを持つ母親などに栄養バランスに優れた雑穀を知ってもらう目的で料理教室を企画。講師には穀菜・豆料理コーディネーターで現在道の駅南アルプスむらのレストラン「野のもの」の調理チーフである堀田麻衣子さん(30)を迎えた。
堀田さんはまず、雑穀にはタンパク質、ビタミン、ミネラルなどの微量栄養素がバランス良く含まれていることなどを紹介。炊き方や料理への応用方法を示し、「雑穀というと面倒なイメージもあるが、まとめて炊いてけばいつものおかずに使うこともできる」と説明した。
料理教室を企画した南アルプス食と暮らしの研究舎代表、吉田洋介さん(40)は「アトピーの子どもを持つお母さんなどに関心を持ってもらえれば」と話していた。
今後もさまざまな形で料理教室を開催していく予定。 -
宝船(ほうせん)がたかずやの里の子どもたちを焼肉に招待
伊那市天竜町の焼肉・韓国レストラン「宝船(ほうせん)」(金光三郎社長)は26日、伊那市富県の児童養護施設「たかずやの里」の子ども約40人を焼肉に招待した=写真。
全国焼肉協会の加盟店日ごろお世話になっている地域に恩返しを竏窒ニ、全国焼肉協会の「ヤキニクまつり」に合わせて行っている取り組みで13年目。焼肉の後は近くのカラオケ店でカラオケをするのが恒例となっており、この日を楽しみにする子どもたちも多いという。
子どもたちは、焼き具合をうかがいながら肉や野菜を次々に口へ運び、「おいしい」「こっちはまだ?」などと焼肉を楽しんだ。また、食べ終わった後は店の人たちに「ごちそう様でした」と感謝の気持ちを伝えていた。
金光社長は「BSE問題などがあって大変な時期もあったが、何とか乗り越えてくることができた。毎年楽しみにしてくれている子どもたちもいるので、今後も続けていきたい」と話していた。 -
秋葉街道入門講座
南アルプス自然体験ネットワークは24日夜、伊那市長谷の南アルプス村メルシーで、秋葉街道入門講座の初回を開いた。市内の約10人が参加し、時代の流れの中で忘れさられた古道について、関心を高めた。
信仰の道、交易路として伊那谷から静岡県秋葉神社へ通じる道として用いた同街道に関して学ぶ講座。初回は、06年2月、地域に眠る観光資源を活用しようと発足した、秋葉街道発掘調査隊の高坂英雄隊長(60)=同市長谷市野瀬=が講師を務めた。
高坂さんは、江戸時代の絵図をもとに、地元公民館や県立図書館などに残る資料と照らし合わせ、道筋を確認。長谷の非持縲恪a口地籍は湖底に水没しているため、代替ルートを紹介するなど街道のルートと周辺の史跡、景観などを解説した。
黒河内縲恷s野瀬地籍の街道は、木々の緑の中を通っていて「さわやかな風、小鳥のさえずりが心を癒す場所」などと説明。豊かな景観を地域おこしへつなげ、県内外からも関心を持ってもらえる観光ルートになれば竏窒ニした。
第2回講座の日程は未定。 -
ベル伊那 油絵画家ノブ・サチさんの個展
駒ヶ根市にアトリエを構える洋画家ノブ・サチさんの油絵展「夢の世界をのぞいてごらん」は23日、伊那市日影のベルシャイン伊那店2階文化ホールで始まった。地球、子供たち、夢、希望をテーマとした、優しい色合いの詩情豊かな作品が並ぶ。28日まで。
2年前に続き、3度目の展示で、SM縲・0号までの新作を中心とした約40点を展示販売。ピンクやオレンジ色などの心温まる色使いで、人間と動物、自然が共存した世界を描いている。
地中の世界を自分のイメージで表現した50号の大作「ピコットの森の一日」は、ウサギなどの動物が地中で楽しそうに楽器を演奏。「いつまでもいろいろな動物が住める地球であってほしい」との思いを込めたという。
午前10時縲恁゚後6時30分(最終日は午後4時)。会期中は作家が来場する。
ベルシャイン伊那店で3度目の個展を開くノブ・サチさん -
かんてんぱぱホールでパン粘土の花ルナ・フローラ展
ルナ・フローラ伊那狐島教室(佐藤峰子代表)による「パン粘土の花2007ルナ・フローラ展」が27日まで、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで開かれている。石けん粘土「ルナブランカ」や樹脂粘土などで作った四季折々の花や、フラワーケーキなど約100点が、訪れた人の目を楽しませている=写真。
開講2年目となる佐藤さんの教室による作品展は今回が初めて。パン粘土の楽しさを多くの人に知ってもらおう竏窒ニ企画した。
今回はバラを中心に、サクラ、シクラメンなどといった作品のほか、プレゼント用の花などを展示販売。色鮮やかな花々とともに会場には石けんの香りが漂い、来場者の心を和ませている。
佐藤さんは「四角の粘土から思い通りの形が作れ、本物よりも自分の好みの色が出せる。パンフラワーのかわいらしさなどを感じてもらえれば」話していた。 -
伊那市 「地域共生型福祉特区」の認定受ける
伊那市は、国の構造改革特別区域計画「地域共生型福祉特区」の認定などを受けた。高齢者のデイサービス、訪問介護などをする指定小規模多機能型居宅介護事業所で、障害者の生活介護事業サービスを受けることができる。
市社会福祉課によると、障害者自立支援法による福祉サービス体系が新たに変り、市内に一つの身体障害者療養施設「大萱の里」の受け皿が減少。法の規制が地域の現状に合わないため、介護保健法に基づく、指定小規模多機能型居宅介護事業所での受け入れができるように申請していた。
市はこれまでに、大萱の里以外の高齢者デイサービスなどをする市内5事業所でも生活介護事業ができるよう認め、受け皿を確保。今回の地域共生型福祉特区の認定により、障害者の生活介護事業サービスを受けられる施設は、6施設から7施設に増える。
また、市は国の地域再生計画「自然、歴史、文化等地域資源を活用した『人づくり』計画」の認定も受けた。支援事業「文化芸術による創造のまち」により、高遠町出身の伊沢修二が初代校長を務めた、東京音楽大学(現東京芸術大学)とのつながりを生かし、市民の音楽リーダーの養成を図り、人材を育てていく。
9月4日、東京都内で、いずれの認定書授与式がある。 -
第2回上伊那広域連合ごみ処理基本計画推進委員会
上伊那広域連合の新しいごみ処理中間処理施設の機種とごみの減量化などについて検討するごみ処理基本計画推進委員会(小沢陽一委員長)の2回目の会合が24日、伊那市内であった。今後の日程と現在のごみ排出実態や減量化に向けた各市町村の取り組みについて確認。一部の委員から検討事項に応じた専門部会の設置を求める声もあったが、それぞれの検討事項には関連性があるという理由から、現状では部会を設置せず、必要となった場合に改めて設置を検討することとなった。
今後の委員会スケジュールとしては、ごみの減量化、資源化の検討を進めながら処理対象物を検討。それに合った施設規模、機種を選定していく。
ごみ排出量の現状については、燃やせるごみが全体の約65パーセント、資源ごみが約25パーセントと大きな割合を占めていることを説明。また、家庭から出る燃やせるごみの約40パーセントは台所などから出る生ごみで、事務局は「減量化のためにはこうしたごみの減量化を考えるのが効果的ではないか」とした。 次回はごみの減量化、資源化に向けた具体的な対策を模索するほか、処理対象物の検討を始める。 -
かんてんぱぱホールでホームクラブ御子柴教室のニットソーイング展
駒ヶ根市のホームクラブ御子柴教室(御子柴直美代表)による作品展「お気に入りの一着」展が26日まで、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで開かれている。ニット生地で作った夏の洋服を中心とした作品約120点が、訪れた人の目を楽しませている=写真。
御子柴さんの教室受講者による作品展は2回目。前回は冬の装いを中心とした作品展だったため、今回は季節を変えて開催することにした。
御子柴さんの教室では「普段着をおしゃれに」をコンセプトとした作品づくりを展開しているが、今回は染色やステンシルなどとのアレンジを加えた作品も多く、受講者それぞれのオリジナルの一着が会場に並んでいる。
御子柴さんは「今は洋裁をされる機会も少なくなってしまったが、初めての人でも気軽にできるため、楽しさにはまる人も多い。少しでも興味がある人は、ぜひやってみてほしい」と話していた。
入場無料。午前9時半縲恁゚後6時(最終日は午後4時まで)。
また、会期中は随時ニットソーイングの体験教室も行っている(半袖Tシャツ1枚で1050円)。 -
みはらしの湯で天体写真展
西箕輪在住の野口輝雄さん(56)による天体写真展が31日まで、伊那市西箕輪の日帰り温泉施設「みはらしの湯」で開かれている。野口さんが過去10年にわたって撮影した彗星や月食などの天文写真約20点が、訪れた入浴客の目を楽しませている=写真。
市内の小学校に勤務する傍ら、伊那天文ボランティアサークル「すばるの会」の代表などを務め、上伊那から見える夜空の天体写真を撮影し続けている野口さん。昨年はシュワスマン・ワハマン第3周期彗星の撮影にも成功しており、今回はその写真も展示している。そのほかにもオリオン大星雲や獅子座流星群、アンドロメダ銀河などをとらえた天文写真が並んでおり、幻想的な世界が見る人の心をひき付けている。
野口さんは「上伊那は夜空が暗く、天体写真を撮影するには優れている。そんな環境をいつまでも守っていくことが私たちの責務ではないでしょうか」としている。 -
上の原保育園で地区社協と一緒にカレーパーティー
伊那市の上の原保育園(木下りつ古園長)の年長園児約60人が23日、上の原地区の社会福祉協議会(尾名高茂人会長)のお年寄りら12人を招いてカレーパーティーをした=写真。
開設3年目となる同園は昨年まで、園の畑がなかった。しかし今年は地区の協力があって、園の近くに畑を借りることができ、地区社協のメンバーとともにジャガイモやサツマイモを育ててきた。
そのジャガイモを7月末に収穫。お世話になった地域の人たちを招き、カレーパーティーを開くこととなった。
カレーの調理は年長園児らが担当。春にはジャム用のイチゴを包丁を使って切ったが、カレーの具材となるジャガイモやニンジンはイチゴよりも堅く、悪銭苦闘。パーティーに招いたお年寄りらの協力を得ながら、みんなでカレーを作り上げた。
その後、出来上がったカレーを試食。園児たちは「自分たちで作ったから余計おいしいよね」と語りかけるお年寄りの言葉にうなずきながら、自分たちで作ったカレーを口いっぱいにほうばっていた。 -
ししカレー・しし丼を一緒に
伊那市役所の食堂「アザレア」は24日、イノシシ肉を使った「ししカレー」と「しし丼」が一度に味わえるミニセットを試験的に提供した。客の反応を見て、定番メニューに取り入れていきたいという。
カレーは毎週火曜日、丼は毎週金曜日に登場するメニューで、利用客の「どちらも食べたい」という強い要望にこたえた。2つのメニューで一人前の量。20食分を用意したが、次々と注文が入り、好評だった。600円。
男性の一人は「同じシシ肉料理だが、それぞれにおいしい。丼のシシの脂がうまい。量もちょうどいい」と平らげた。
疲労回復に効果のあるビタミンB1が多く含まれるシシ肉料理で、食堂は「シシ肉を地元産で安心して違和感なく食べられるよう、伊那の名物的なものになれば」と話した。
7月、試験的に出したローメンとソースかつどんのミニセットは毎週水曜日に提供している。 -
柄山祐希さん 野草スケッチ原画展
伊那市の伊那公民館の野草講座講師を務める、柄山祐希さん(82)=同市中央区=の野草スケッチ原画展は31日まで、同公民館ロビーで開いている。同講座OBの会「われもこうの会」の賛助作品を含む29点を飾っている。
墨入れによる植物スケッチ原画は、彩色11点、無彩色12点、俳句誌「みすず」に投稿した原画に随筆を添付した作品は9点を出品した。学術的な観察記録を中心とした原画で、柄山さんにとって初めての展示会となった。
1950年代からの彩色作品「メヒシバ」「アブラススキ」、2000年代作品「オオバコ」「キンミズヒキ」など市内でスケッチした原画を展示。観察力、植物調査における専門的なスケッチ力が見る人の足を止めている。
柄山さんは野草講座の講師を20年余務め、現在も継続。野草スケッチ、随筆は野草講座の観察資料として長年用いられているという。 -
みはらしの湯で奥村憲さんのクレヨン・クレパス画展
伊那市西箕輪の日帰り温泉施設「みはらしの湯」の展示ロビーで31日まで、伊那市在住の奥村憲さんによる「クレヨン・クレパス画展竏鋳・宦E南アルプスの四季を描く」が開かれている=写真。
奥村さんは愛知県出身。公募団体「白日会」で油絵を中心とした制作活動を40年以上続けてきた。7年前、横浜から伊那へと移り住んでからはクレヨンやクレパスを使ったスケッチ制作にも精力的に取り組み、四季の移ろいや中央アルプス、南アルプスを望む情景などを描いてきた。
今回は二つのアルプスを望む四季の風景のほか、田園風景などを描いた作品17点を展示。クレヨンやクレパスが持つ独特な柔らかさが、雄大かつのどかに広がるこの地域の山や自然の雰囲気までを映し出している。
奥村さんは「夏休みの時期、子ども連れの家族や里帰りして温泉を訪れた人たちに二つのアルプスの四季をパノラマに描いたクレヨン、クレパスの世界を楽しんでいただければ」としている。
みはらしの湯の営業時間は午前10時縲恁゚後9時半。 -
伊那市と信州大学農学部との交流会
伊那市と信州大学農学部との交流会は23日、南箕輪村の信大農学部キャンパスであった。市の理事者や市議、信大の教授など約100人が参加。官学連携の取り組みとして進めているプロジェクトや新規連携課題について話し合った=写真。
毎年の懇談で今回が13回目。今年は市議も参加した。
懇談では、遊休農地の解消と特産品開発などを目的とする地域ブランドワインの開発プロジェクトや、有害鳥獣駆除プロジェクトなどといった現在進行中の連携課題について話し合ったほか、農学部側からは地元自治体と連携しながら地域ニーズに合った人材創出拠点の整備を図ることを目的とする「地域再生人材創出ユニット形成事業」の提案もあった。
唐沢豊学部長は「法人化し3年目となるが、運営経費の削減、人件費の抑制と厳しい状況にある。民間との共同研究をしながら成果を上げていきたい」とした。
また、懇談後は農学部の60周年記念として設けた食と緑の科学資料館などを見学した。 -
那須屋興産が伊那まつりの収益を伊那市に寄付
伊那市の産業廃棄物収集運搬などに取り組む那須屋興産(池上幸平社長)が22日、8月5日の伊那まつりで得た収益金の一部と従業員からの寄付金、合計5万円を伊那市に寄付した=写真。
5年ほど前から伊那まつりの伊那まつりの「遊ingビレッジ」に出店している同社では、今年のまつりにも金魚すくいとヨーヨー釣りの出店を出店した。結果、3万5千円の収益があったため、それに社員から募金1万5千円を加えて、同社がISO14001の環境方針として掲げる「21世紀の子どもたちのために美しい地球を残そう」に取り組んでもらうため、子育て支援事業に宛てて寄付をすることに決めた。
池上社長は「子どもたちに美しい環境を残してほしい」と話していた。 -
07年度電話応対コンクール伊那・駒ヶ根地区大会が開催
電話応対のスキルを競う「07年度電話応対コンクール伊那・駒ヶ根地区大会」(日本電信電話ユーザー協会主催)が22日、伊那市西春近のかんてんぱぱホールであった。伊那、駒ヶ根地区にある9事業所から27人が出場。的確かつ迅速な応対で模擬応対者からのクレームを処理したトヨタUグループの有賀加奈子さん(22)=伊那市西春近=が、優勝した。
同大会は電話応対のレベル向上などを目的として毎年開催している。今年の競技内容は昨年に続いて「クレーム処理」を想定。各選手は制限時間3分の中で模擬対応者と電話で応対し、それを審査員が声の大きさ、手際、丁寧な応対、好感度などいくつかのポイントで総合的に採点する。
今年は伊那市役所からも4人が出場し、一人が準優勝となる好成績を納めた。
優勝した有賀さんは「クレーム対応となると相手の気持ちを考えて応対しなければならないし、相手の顔も見えないので難しかった。相手の気持ちを逆なですることは絶対にないように心がけた。信越では優勝目指して頑張りたい」と話していた。
上位3人は10月に長野市で開く信越大会に出場する。
入賞者は次のみなさん。
◇優勝=有賀加奈子(トヨタUグループ)
◇準優勝=宮下威暁(伊那市役所)
◇第3位=宮井美保子(伊那食品工業)
◇優良賞=春日志穂(ルビコン)角剛彦(トヨタUグループ)林まゆみ(八十二銀行伊那支店) -
仲仙寺「仁王門」改築に向け 金剛力士像引越し
伊那市西箕輪の天台宗「仲仙寺」の仁王門の全面改築に伴い、22日、同門に安置する県宝・木造金剛力士像2体を一時、民間業者の倉庫に保管するための運搬作業があった。その際、像がまとった裙(もすそ)に描かれたボタンの花柄=写真=が発見されたほか、高さ約2メートル50センチの巨像を支える台座部分の仕組みなどが明らかになり、檀家らを驚かせた。
ボタンの絵柄は、2体の背面から見つかった。彩色が施されたのは100縲・50年前。像正面は、直射日光や風雨の影響で風化が進んでいるのに対し、背部は壁を背にしていたため、ボタンの白色や赤い肌色が鮮明に残っていることに驚きの声がわいた。
仁王像を固定した台座は、縦55センチ、横150センチ、高さ35センチの松の大木。それぞれの足の芯を台座に埋め込み、くさびで止めていることが分かった。「以前から、あの巨体をどうやって支えていたのか興味のあったこと」と檀家たちも目を輝かせて作業を見守った。
2体は、室町時代の1501(文亀元)年に、雲慶法印の10代目の弟子になる康忠法眼が製作。向かって右側が密迹金剛、左側は那羅延金剛。05年、「全体の調和、均衡が取れ、堂々としている」として、県宝の認定を受けた。 -
自分たちで作った安心・安全野菜を地元の直売所で販売
伊那市手良
あいの会自分たちで作った野菜を地元の手良直売所で地域の人たちに提供している。メンバーは70代を中心に50代縲・0代の女性15人。昔ながらのやり方で、化学肥料などはなるべく用いない安心・安全な野菜作りを心がけている。
「私は草取り好きだよ」「私も。きれいになるのはうれしいから」「女衆の方が根気があるからね」
何でも言い合える仲の良さと元気な笑顔は、直売所を始めた20年前から変わらない。
直売所が開く金曜日には、その日の朝に収穫した新鮮な旬の野菜が店頭を彩る。また、会の畑ではジャガイモや盆花などを育てており、盆前の8月中旬は大忙しとなる。
「今年はとっても盆花がきれいに咲いて、みんなも『きれいだね』って言って買ってくれたからうれしかったねえ」と笑顔を見せる。
◇ ◇
野菜を作っている家なら食べきれない野菜や、少し傷ついて出荷できない野菜があるもの。そんな野菜をただ捨ててしまうのはもったいない竏窒ニ、手良区で農業を営む女性たちが集まり、直売所を始めた。
まずは手良支所の近くに直売所を設置。決められた日に収穫できた野菜を出すようにし、価格も100円を基本に、高くてもせいぜい300円とした。
次第に「ぼつぼつカボチャも出るかな」と話しながら近所のおばあさんたちが足を運んでくれるようになり、時には列ができることもあった。
野菜づくりは長年やっていたが、消費者とじかにかかわるのは初めての経験。「おいしかった」と言いながら訪れてくれる客の姿を見られるのはうれしかった。
「(野菜が)売れるのもうれしいけど、『おいしかったよ』と言ってくれるとなおうれしいねえ」と話す。
◇ ◇
しかし、年月を重ねる中で直売所を訪れてくれていたお年寄りたちは高齢化し、来られなくなってしまった。若い母親らに利用してもらいたいという思いもあるが、若い女性は働いている場合が多く、「仕事帰りにスーパーに立ち寄ってまとめ買い」がパターン化しており、直売所利用にはつながっていない。
また、若い世代は曲がったキュウリや少し虫が食べたようなキャベツを好まないことも分かった。
「今の若いお母さんたちは少し曲がっていたり、虫が食っていたりすると買っていってくれないね。虫が食べている方がよっぽど安全なのにねえ」ともらす。
◇ ◇
昨年からは、地元の手良保育園の園児たちが食べる保育園給食に野菜の配給を始めた。毎日のメニューに合わせてさまざまな野菜を少量ずつ集めるのは骨の折れる作業だが、安心・安全な野菜を地元の子どもたちに食べてもらおう竏窒ニ頑張っている。
「『おいしかった』っていってもらえると励みになるね。この前は『特にカボチャは全然違う』って好評だった」「若いお母さんたちにも、少しぐらい曲がったり虫が食ったりしていても、安全・安心だし、おいしいんだってことを知ってもらえたら」 -
JA上伊那富県支所が「えがお見守り隊」ステッカーを公用車に貼付
富県地区児童の登下校時の安全確保を目的とする「えがお見守り隊」の活動に参加する上伊那農業協同組合(JA上伊那)富県支所に21日、公用車に張り付けるステッカーが届けられた。
「えがお見守り隊」は富県小学校、同PTA、地区育成会などが中心となって一昨年に発足したボランティア組織。昨年から本格的な活動を開始し、現在約25人のボランティアが「えがお見守り隊」と書かれた赤いステッカーを自家用車などに張って登下校時の児童らを見守っている。
富県支所は、登下校途中などの子どもが危険に遭遇した場合の緊急避難場所となる「子どもを守る安全の家」になっているが、今後は富県地区を巡回する公用車4台に同ステッカーを張り、児童の安全確保に一層貢献しようと考えた。
この日ステッカーを届けた中村一育成会長は「実際に子どもを思う気持ちからボランティアとして参加してもらえることはうれしいしありがたい」と話していた。 -
商店街の1店逸品運動
伊那商工会議所は本年度、商店街の「1店逸品運動」支援事業を盛った。各店を広く情報発信することで、商店街の活性化を図る。
「1店逸品運動」は魅力ある個店づくりを目指し、独自のサービスや商品を提供し、消費者にアピールするもので、全国各地で展開されている。
山寺縲恊シ町の商店主らでつくる商店街活性化イベント委員会が中心となり、検討に入った。
「逸品」のとらえ方について、個店の売りとするのか、他と比べて特化したものとするのか、考えを統一するため、まず「1店逸品運動」に成功した商店街の事例を学ぶ予定。
取り組み範囲やパンフレットなど情報発信の方法も、これからの検討課題。
伊那商議所では年度中に情報発信の形を整えたいとしている。 -
伊那市西箕輪の唐沢紀志子さん宅でサギソウ70鉢が見ごろ
伊那市西箕輪の唐沢紀志子さん(67)宅で「サギソウ」を植えた70鉢が見ごろを迎えている=写真。
シラサギが飛ぶ姿に似ていることからその名を持つ「サギソウ」はラン科の夏の山野草。唐沢さんがサギソウを育て始めたのは10年以上前。南箕輪村恩徳寺の当時の住職から鉢を譲り受けたことをきっかけに、サギソウを育て始め、毎年増えた分を鉢分けし、今では70鉢までになった。
今年は例年に比べ1週間ほど花の時期は遅めだが、しかし鉢数は過去最高。冬越しや土の入れ替えなどが大変な作業となるが、唐沢さんは「花が好きで育てきた。かわいいので、きれいに咲くと苦労も忘れて嬉しくなる」と話す。
花の見ごろは1週間ほどだという。 -
第3回伊那市新ごみ中間処理施設用地選定委員会で「立地を回避する地域」の条件を決定
第3回伊那市新ごみ中間処理施設用地選定委員会(伊藤精晤会長)が20日、伊那市役所であり、環境などへの配慮から、施設建設の候補地からあらかじめ除外する地域の条件を決定した。
この日事務局は、県の環境アセスメントの技術指針マニュアルを参考に設定した「立地を回避すべき地域」の条件を掲示。
(1)自然環境を保全すべき地域(2)生活環境の保全を図るべき地域(3)防災面で望ましくない地域竏窒フ3つを大枠に、▽自然公園地域▽鳥獣保護区▽水道水源保全地区(県指定)▽砂防指定地▽河川区域・河川保全区域▽土砂災害警戒区域竏窒ネど14項目のいずれかに該当する場合に、建設地対象から除外する。県のマニュアルは保安林もあらかじめ対象から除外しているが、保安林自体さまざまな種類があり、必要性が低いものについては保安林の解除をすることもできるため、今回は候補地に保安林が含まれていた場合に再度検討し、建設の是非を判断していく。また、委員から提案があった「教育・福祉施設・病院周辺」「集合住宅地域」「すでに廃棄物関連施設がある周辺地域」などは、具体的な基準を決めにくいという理由から、候補地の適正を評価する段階で評価項目の中に盛り込み、適宜に判断していくこととなった。そのほかでは、県のマニュアルには含まれていないが、防災面で望ましくない地域に「活断層の真上」という項目を追加した。
次回は候補地を評価するための項目設定を行うほか、伊那市や上伊那広域がこれまでに検討してきた候補地と、地元から働きかけのあった候補地、約12カ所が示される。 -
ガールスカウト長野第26団が和歌山県支部第10団と交流
伊那市、南箕輪村の小学生から高校生まででつくるガールスカウト長野第26団(木部則子団委員長)が18日、伊那市の国立信州高遠青少年自然の家を訪れている和歌山県支部第10団(平井侑子団委員長)と交流をした=写真。
和歌山県支部第10団が高遠青少年自然の家を訪れるのは2回目。前回訪れたのは冬だったため、夏の訪問は初めて。保育園の年長園児から高校生まで30人が16日から泊まり同施設に込んでいる。
今回は、地元のガールスカウトとの交流を通してこの地域に対する理解を更に深めよう竏窒ニ、長野第26団に話を持ちかけ、交流会が実現した。
双方のスカウトらは、初めに自己紹介や簡単なゲームをした後、「お国自慢」と題してそれぞれの地域のことを紹介。伊那まつりのドラゴン踊りを披露した26団に対し、10団は江戸時代に世界で初めて麻酔を使った乳がん手術を行った和歌山県を代表する外科医、華岡青洲をペープサートで紹介し、交流を深めるとともにそれぞれの地域への思いをはせていた。 -
三峰川釣り天国開催
昔の姿を取り戻した三峰川に親しんでもらおう竏窒ニ18日、小中学生を対象とした「第2回三峰川釣り天国」が伊那市の三峰川青島河原であった。約100人の小中学生が集まり、ニジマス300匹を放流した川で釣りに挑戦。夏の暑さを忘れて川に親しんだ。
市民団体の三峰川みらい会議(織井秀夫代表)が昨年から始めた小中学生を対象とした釣り教室。昨年12月から県営高遠ダムの維持放流が始まり、水の減少していた三峰川も本来の姿を取り戻しつつあるということで、子どもたちにも昔のようにもっと川と親しんでもらうおうと水生生物調査と同時開催した。 開始の合図とともに子どもたちはえさのついた針を一斉に川の中へ投入。しかし、午後になり水温が上がった影響で魚がえさを食べなくなっており、なかなか魚は釣れず、周囲の大人も「もっと竿をあげなきゃ」などとアドバイスしていた。
その後、連れ残った魚を使ってつかみ取り体験も行われた。
織井代表は「子どもたちにはこうした取り組みを通じて自然というものに対して敏感になってほしい」と話していた。
釣り天国は26日もある。 -
仲仙寺「仁王門」 全面改築へ起工式
伊那市西箕輪羽広の天台宗「仲仙寺」の県宝・木造金剛力士像を安置している仁王門の起工式が20日、同所であった。老朽化に伴う1世紀ぶりの新築工事。総代会を中心に組織する建設委員会(鈴木伸一郎委員長)ら約40人が集まり、本年12月末の完成を祈願した。
金剛力士像は室町時代の主流仏師の作で、05年に県宝の指定を受けた。仁王門は明治初期の建立と推定され、これまでにも改修が繰り返されたが、雨漏りや直射日光、風雨による同像への影響を心配し、昨年春の総代会で新改築を決定した。
新しい門は木造の本格的な一層式楼(ろう)門。銅板ぶき屋根の入母屋作りで、規模はこれまでとほぼ同じの幅7メートル、奥行3・5メートル、高さ7・3メートルほど。門と参道の石段などを現在地から南側へ2・4メートル移動する。事業費は、檀家450戸を中心とした寄付で約4千万円。
県宝の金剛力士像は専門家によって仲仙寺から運び出され、保管される。着工は8月末になる予定。師田香雪住職は「新しい仁王門を完成させ、先輩方が約500年間守ってきた金剛力士像をこれからも守り続けていきたい」と話している。