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雑穀フォーラム開催
農業者や一般の人たちに雑穀の栽培現場と生産、流通を知ってもらおう竏窒ニ、雑穀の生産、販売を通した地域おこしに取り組む「雑穀プロジェクト」は2日、「雑穀フォーラムin伊那」を伊那市長谷の気の里ヘルスセンター栃の木で開いた。高遠を中心としてアマランサス生産に取り組む伊那地域アマランサス研究会や、昨年から長谷で雑穀の栽培に取り組んでいる地元農家などから現状と課題、販売の展望などの報告があり、雑穀に関心を持つ生産者など約30人が耳を傾けた=写真。
同フォーラムは雑穀の生産者を増やし、安定した供給体制を確立する中で販路拡大を目指すために催したもの。第1部で「雑穀生産の魅力」を、第2部で「雑穀生産の現場から」をテーマに大学教授や生産者など6人が発表した。
そのうち第2部では、既存機械を活用したシコクビエの栽培に今年取り組んだ長谷の春日孝徳さんら3人が発表。春日さんらは今年、信州大学農学部の井上直人教授の協力のもと、イネの移植機によるシコクビエの移植、コンバインによる刈り取りを試験的に導入。一定の労力削減は図られたものの、コンバインで刈り取った実の乾燥が難しいこと、移植する種から苗に育てるまでが手間がかかることなどといった課題を今後クリアしていく必要があることを示した。
また、同プロジェクトの中心となって取り組んでおり、現在長谷の道の駅で雑穀を使った料理を提供するレストランを経営している吉田洋介さんは、雑穀の販売と流通について発表。
東京、大阪の健康志向レストランなどでは国産の雑穀を使いたいと考えているレストランも多いことから、潜在的な需要はあることを示す一方、安定供給体制の確立が課題であることを説明。
「栽培組合のようなものを立ち上げて、そこを中心とした供給をしていきたい」と今後の展望を語った。
また、直売所やネット販売なども、雑穀の流通ルートとなる媒体であることを示した。 -
孝行猿の家資料館 12月末に閉鎖へ
伊那市教育委員会は、長谷市野瀬にある「孝行猿の家資料館」を12月31日で閉鎖することにした。資料館は民家の一部にあり、所有者が生活を営む上で問題が生じていた。今後、長谷地区の別の場所に資料館を設ける方向で検討する。
民話「孝行猿」は、親を思う子猿の哀れな物語。明治から戦前にかけて修身の教科書に取り上げられた。85年、旧長谷村が発祥となった民家の一角に資料館を設置し、無料で公開している。
資料館と民家は別の入り口だが、生活している民家に来館者が入ってくることもあったという。
昨年、市文化財審議委員会内に小委員会を設け、資料館保存のあり方を検討。現地での保存が望ましいが、保存体制の難しさなどから、移転する余地もあるとした。10月下旬には、所有者の意向などを踏まえ、市史跡文化財から外した。
資料館には県内外から多くの人が訪れているため、市のホームページや資料館への看板設置などで閉鎖を周知。閉鎖後は見学などで敷地内に入らないよう理解を求めている。 -
県がウッドチップ利活用のデモンストーレーション
県は22日、間伐材の利用を促進するためウッドチップ利活用のデモンストレーションを、伊那市長谷ワラビ久保の県営林道で行った。建設業者や市町村関係者など約20人が参加し、県のウッドチップ用機材の運用を見守った。
間伐材などを切断し粉砕機に投入する「グラップルソー」と、投入された木材を長さ2・5センチ縲・5センチの大きさにチップ化する「木質系粉砕機」を実際に動かすと、参加者からは「すごい」「これはいい」など称賛の声があがった。
作られたウッドチップは、樹木の種子などとともに「ウッドチップ吹付機」によって、のり面に吹きつけられる。道路建設などにともないできる人工斜面ののり面を、緑化する効果があり、山の活性化につながる。
県では間伐材有効利用促進のために「グラップルソー」「木質系破砕機」「ウッドチップ吹付機」を1台ずつ購入しており、市町村には無償で貸し出しを行っている(運搬賃、燃料費などは借用者負担)。
問い合わせは、県林務部(TEL026・235・7266)へ。 -
気の里ほのぼの広場~健康と福祉を考えるつどい~
伊那市長谷で25日、「第1回気の里ほのぼの広場縲恁注Nと福祉を考えるつどい縲怐vが気の里ヘルスセンター栃の木であった。長谷地区の住民らが健康体験コーナーやステージ発表などを楽しんだ。
健康まつりと、社会福祉協議会のふれあい広場を一緒にし、健康と福祉を考える催しとして実行委員会を組織して初開催した。長谷総合支所保健福祉課、伊那市社協、長谷支所の後援。
レクリエーションでは、レクリエーションインストラクターの佐藤ふみ子さん=伊那市=を講師に、住民約50人が歌に合わせて隣の人の肩をたたいたり、背中をさすりあうなど体を動かした。簡単そうな動きでも左右が反対になってしまうなどの間違いに笑いが絶えず、皆で楽しんでいた。
ステージでは、長谷中学校3年生の南アルプス太鼓、長谷小学校5年生や長谷中音楽部の合唱、保存会と中学生によるざんざ節の発表があった。体力測定、おやつのフードモデル展示、鍼灸体験、福祉バザーなどの各コーナーもにぎわった。 -
戸草ダム建設予定地視察 高遠町、長谷の対策協
伊那市三峰川総合開発事業対策協議会の高遠町、長谷の両地域対策協議会は21日、三峰川上流に設ける戸草ダム建設予定地などを現地視察した。協議会委員ら約50人が集まり、事業に取り組む国土交通省三峰川総合開発工事事務所(長谷)の説明で計画の概要などを確認した。
伊那市三峰川総合開発事業対策協議会の地域対策協議会として11月上旬に発足した高遠町地域対策協議会の企画。本格着手が遅れている戸草ダムに対し、委員の関心を高めるため長谷地域協議会と合同で現地視察した。
三峰川総合開発工事事務所は、工事が遅れている現状などを報告。03年度の事業評価監視委員会で戸草ダム建設は今後、「天竜川流域委員会」の審議結果を踏まえて対応することになっている竏窒ネどと説明した。
戸草ダム建設予定地を視察する委員ら -
伊那消防組合議会 通信指令システム更新を可決
伊那市、辰野町、箕輪町、南箕輪村でつくる伊那消防組合(組合長・小坂樫男伊那市長)の組合議会臨時会が19日、市役所議場であった。物品の取得として、伊那消防署の通信指令システムの更新購入に関する1議案を原案通り可決した。
1991年から導入した通信指令システムが老朽化したため更新する。新システムは、災害情報を入力すると同時に音声合成装置で地図情報を記載した出動指令書で出動隊に指令を出すことが可能。指令するまでの時間短縮が期待できる。
富士通ゼネラル情報通信ネットワーク営業部(神奈川県川崎市)から7千297万5千円で取得。来年3月21日の納入を予定する。 -
循環型エネルギーを取り入れるきっかけに
伊那市長谷の道の駅南アルプスむらで17日、「第2回薪(まき)とペレットあったかフェア」が始まった。まき作りに欠かせないチェーンソー講習やまき・ペレットストーブの展示・販売などを展開。灯油の価格高騰などで、住民の関心が高いという。18日まで。
市内を拠点に、間伐材の利活用やまき・ペレットの普及活動などに取り組む「薪の会」(山野勉理事長)が05年に続き、家庭に循環型エネルギーを取り入れるきっかけ作りになればと企画した。
初日は寒い1日で、会場に設けたまきストーブにまきをくべ、来場者が暖を取った。
長谷地域のまきストーブ導入率は13%と他地域に比べて高い。アンケート結果によると、導入の決め手は「環境を考えた」「山を持っているから」よりも「火の温かさにひかれた」が最も多かった。
発熱量は、ペレットが灯油のおよそ半分。発熱量を同じにした場合、価格からみて、ほぼ同じという。まきは、ペレットより発熱量は低いが、自分で間伐材などを調達すれば安くなる。
中山和文副理事長は「まきやペレットの地産地消で経済効果がある」と話す。
18日は、林業従事者をパネラーに迎え、森を語る座談会などがある。午前10時縲恁゚後4時半。 -
南ア林道バス 利用者は4万4700人余
伊那市営南アルプス林道バスの今シーズンの営業が終了し、利用状況がまとまった。利用者数は4万4787人で、03年から減少傾向が続いている。昨年に比べて2454人の減で、南アルプス林道管理室は紅葉時期が遅れたことが要因とみている。
林道バスは4月25日から戸台口縲怏フ宿間で、6月15日から北沢峠までの全線で運行を開始。11月4日までの運行日数は昨年より11日間短い194日だった。
9月の台風9号の影響で、57災以来の災害に見舞われ、5・5日間の運休となったが、9月末までの実績は昨年に比べて2千人上回った。しかし、10月の紅葉シーズンに、ツアー客が減少するなど昨年の4分の1にとどまった。
今後、行楽シーズンの獲得策、中学生登山の受け入れ(1校100人まで)、春山の北沢峠までの運行などを検討する。
来春以降は、台風による路肩の決壊個所などの災害復旧工事を予定している。
南アは登山、高山植物などが楽しめ、林道バスによって標高3000メートル級の懐まで入ることができる。南ア林道管理室によると、中高年の登山ブームで、技量がなく、体力に見合った計画を立てずに無謀な登山をする人が目立った。そういう利用者とどう向き合っていくのかも課題という。 -
長谷図書室新しく開館 記念催しで読み聞かせなど
伊那市の長谷公民館図書室がリニューアルオープンし、11日、同図書室でオープン記念イベント「おはなし広場」があった。本館と分館の図書、利用者情報を一元化する新システムの導入について、集まった地元住民に知らせた。
市立伊那図書館、高遠町図書館と各分館を連携させる「図書館システム」の導入により、市立図書館全体の約36万冊の本、情報資料を活用できる。システム導入で図書室をリニューアルし、児童図書を中心に蔵書を4千から8千冊に増加し、開館時間を延長した。
記念イベントは、親子連れ約40人が集まり、地元の読み聞かせボランティアサークルの長谷文庫が手遊びや歌などを楽しんだ。関係者は今後、子どもたちを対象とした読み聞かせイベントなど、これまでなかった図書室の催しを定期開催していく考え。
開館時間は、平日午前9時縲恁゚後5時。土曜日は午前10時縲恁゚後4時の利用となる。 -
食の感謝祭にぎわう
伊那市長谷の道の駅「南アルプスむら」で10日、第2回食の感謝祭(実行委員会主催)があった。地元産農産物の販売、長谷の特産品にしたいと考える「ヤーコン」や雑穀料理の試食などを展開。道の駅をPRし、利用者に日ごろの感謝の気持ちを込めた。
試食は、ヤーコンのきんぴらとシコクビエのシチューを用意。
ヤーコンはキク科の作物で、動脈硬化など発症の一因である活性酸素を除去するポリフェノールが含まれているという。食用にする塊根は歯ごたえが良く、甘味がある。手間がかからずに栽培できるそうで、訪れた人にヤーコンの特徴やヤーコンレシピなどを紹介した。
農産物販売ではダイコン、ゴボウ、ハクサイ、ブロッコリー、ジャガイモ、リンゴ、柿などが並び、主婦らの人気を集めた。 -
戸草ダム建設 事業促進を三峰総に要望
本格着手が遅れている伊那市長谷の戸草ダム建設事業に関し、市三峰川総合開発事業対策協議会(会長・小坂樫男伊那市長、16人)は8日、同事業を取り組む、国土交通省三峰川総合開発工事事務所(長谷)の竹田正彦所長に事業促進を求める要望書を提出した。
要望書は、ダム建設を含む三峰川総合開発事業の一つで、事業を先行した「美和ダム再開発事業」が一通り終わったとし、「水源地域住民らの悲願であった戸草ダムの本格的着手」を願う内容。国が位置付ける天竜川河川整備基本方針および河川整備計画にダム建設を組み入れること竏窒ネどを具体的に上げた。
小坂会長は「地元も協力態勢にあり、用地買収もほぼ終えている。地元の大きな要望として戸草ダムは治水の面で必要」と要望。竹田所長は「今日の要望を踏まえた準備を進めたい」とした。 -
映画「Beauty」の完成記念イベント
伊那市出身の後藤俊夫監督がメガホンを取った長編劇映画「Beauty(ビューティー)竏窒、つくしいもの」の完成記念イベントが4日、長谷の文化伝承施設「中尾座」であった。市無形文化財に指定される中尾歌舞伎の秋季公演や公開対談「地芝居の魅力と継承」を展開した。
中尾歌舞伎保存会による公演は「義経千本桜 鮨(すし)屋の段」。源平合戦に敗れた平家の大将平惟盛をかくまった鮨屋を舞台に、親子関係などを描いた悲話。笑いもあれば、勘当された権太が父に短刀で刺され、自分のおろかさを悔やみながら死んでいくなど涙を誘う場面も。
詰めかけた観客約200人は迫真の演技に見入り、おひねりを投げたり、盛んに拍手を送った。
公開対談で、後藤監督は、農村歌舞伎を取り上げた理由について「伊那谷は伝統芸能の宝庫。先人から受け継いできた魂に魅力を感じた」と語り、地元住民の体験を基に構成したことを紹介。「映画の中で、戦争の古傷が痛み、役者が足を引きずりながら舞台で必死に踊るシーンがある。本当の美しいものとは何か。友情をテーマに込めた」と話した。
中尾歌舞伎を継承する立場から、西村篝保存会長は会員確保の難しさに触れ「仕事を持ちながらのけいこで、好きでないとできない。我こそはと思う人は参加してほしい」と呼びかけた。
また、市教育委員会の松田泰俊委員長は「伝統芸能には痛快さ、舞台と観客との一体感など魅力がある。地域に大きなエネルギーを与えるもので、自分の生き方を考える機会にもなる」と継承の必要性を挙げた。
そのほか、まわり舞台や奈落底など舞台裏見学会、大見得講習会などもあった。
中尾歌舞伎は江戸時代から続き、一時、戦争で自然消滅したが、86年に復活。例年、春と秋に定期公演を開いている。 -
長谷地区高齢者クラブ 健康づくり講演会
伊那市の長谷地区高齢者クラブ(大出達雄クラブ長・485人)は28日、気の里ヘルスセンター「栃の木」で健康づくり講演会「心の手入れ・体の手入れ」を開いた。クラブ員約40人が集まり、早稲田大学の石井康智教授から膝や腰、肩の痛みを和らげる手入れ法を学んだ=写真。
同クラブの健康づくり事業の一環として講演会を行った。講師の石井教授は10年余り長谷地区の高齢者の健康づくりに関与していて、今夏は同地区の高齢者を対象に日常生活に関したアンケートをしていて、その結果説明もあった。
講演では、体の手入れの仕方を身に付けるための実習を行った。膝の手入れでは、仰向けに寝て、足を投げ出した状態で膝裏をマッサージ、指圧、さするなどした。手入れ後は実際に歩いてみて、足が軽くなったり、腰が緩んだのを実感した。
石井教授は「心身ともに快適な暮らしを過すために、まずは足腰強化から始めて」。「高齢者だから『体は変らない』のではなく『生きている間は変る』のです」と参加者に呼びかけた。 -
恒例のトリムバレーリーグ戦 長谷中学校で開幕
伊那市の長谷公民館が健康増進などのために開く、トリムバレーボールリーグ戦が29日夜、長谷中学校体育館で開幕した。10年ほど続く行事で、本年は8チームが11月26日までの5日間の日程でプレーを楽しむ。
長谷地区在住者や在勤者を対象に小学4年生から60歳代までの約50人が参加した。チームは家族や友人などのグループで構成していて、長谷総合支所で働く旧伊那市、高遠町在住の職員も出場している。
それぞれのチームが声をかけ合いながら息の合った連携を見せたり、互いに見合ってしまいボールを落としたりしながら日ごろのストレス解消、健康づくりを目的に気持ちのよい汗を流している。
長谷中学校体育館でトリムバレーボールリーグ戦開幕 -
楠洲流聖楠会東部吟詠会 35周年記念大会
伊那市の高遠町、長谷地区の愛好者でつくる楠洲流聖楠会東部吟詠会の35周年記念大会が28日、同市の高遠町総合福祉センター「やますそ」であった。吟や舞などの約50プログラムを繰り広げ、会の節目を祝った=写真。
東部吟詠会は上伊那にある5吟詠会の一つで、いち早く35周年を迎えた。大会は会員74人のほか、各吟詠会からの来賓が集まり盛大に開催。それぞれがステージに立ち、自慢ののどを披露し合った。
記念大会として舞台では、NHK大河ドラマ「風林火山」の放送にちなんで、井上靖の小説を題材とした吟に加え、ナレーションとスライドを使った構成吟も発表した。
東部吟詠会の伊東英洲会長は「吟のきずなで結ばれた会員とともに今後も生涯学習として取り組み、若い人たちに引き継いでいきたい」と話していた。 -
温泉施設爆発火災を想定 伊那消防組合合同訓練
伊那、高遠、辰野、箕輪消防署でつくる伊那消防組合の07年度救急救助集団災害訓練が30日、辰野町の荒神山ウォーターパークなどであった。温泉施設で爆発火災が発生し、逃げ遅れた利用者がいるとの想定で、各署が連携を取りながら訓練した。
大規模災害に対し、組合各署が通常の出動態勢では対処できない救急・救助活動を効率的に行う目的で年1回ある合同訓練。想定付与により現場本部指揮が命令を出し、各出場隊が状況に応じて活動する「ロールプレイング方式」を02年から取り入れている。
訓練は組合職員約90人、消防車6台、救急車4台が出動し、施設内での模擬消火や人命検索などを展開。施設外に運び出された負傷者は、緊急度に応じて、搬送や治療の優先順位を決められ、救急車でそれぞれの病院に搬送された。
閉会式では優先順位の選別で情報が錯そうし、作業が滞ったことを反省。組合消防本部の早川正行消防長は「失敗をこのままにしておかず、各署に持ち返り反省し、来年の訓練に生かしてほしい」と話した。 -
南アルプスの水と戸草ダムを語る研究集会
上伊那の住民団体「明るい県政を進める会」(桜井伝一郎代表)は23日、伊那市長谷の生涯学習センター入野谷で「南アルプスの水と戸草ダムを語る」と題した研究集会を開き、三峰川上流に建設を予定する同ダムの早期本格着工を望む地域住民の活動を支援するため、ダムの必要性の認識を高めた。
幹部会員ら約40人が三峰川の美和ダム上流約10キロにある建設予定地を見学。その後、三峰川流域などを研究対象とする北沢秋司信州大学名誉教授、戸草ダム建設に取り組む竹田正彦国土交通省三峰川総合開発事務所長、建設推進を訴えてきた元長谷村長の宮下市蔵長谷総合支所長の3人を講師に招き見識を高めた。
北沢名誉教授は、ダムの必要性について「天竜川水系の治水計画に必要」と主張。「建設への期待は天竜川下流域での高水流量を緩和することにある。美和ダムの洪水調整容量に加え、上流部に戸草ダムが完成すれば、その容量はこれまでの2・6倍にアップする」とした。
しかし、戸草ダムは01年を完成期限に準備工事が進められてきが、河川法の改正や「脱ダム宣言」による県の利水事業の撤退などにより、本格着工が遅れている。同事務所は利水事業を除いたダム建設の計画見直しが必要とし、また、03年度の事業評価監視委員会で戸草ダム建設は「天竜川流域委員会」の審議結果を踏まえて対応することになった竏窒ニ現状を説明した。
宮下総合支所長は「土地を手放した人々のためにも、本格的建設に向けて必要性を叫び、地道に活動を展開し、戸草ダムができるまでの道を作っていかねば」と地元の思いを訴えた。
桜井代表は「三峰川の水の今後の利用方法を考え、30年、40年後の命を守っていかねばならない。戸草ダムの必要性を村井県知事に訴えていきたい」とした。
建設予定地を見学する参加者たち -
長谷公民館で「ミュージックベル教室」開講
伊那市の長谷公民館の小学生を対象とした講座「ミュージックベル教室」が16日夜、始まった。初回は地元の小学1縲・年生の男女10人が同公民館に集まり、ミュージックベルの演奏方法を学んだ。子どもたちは11月10日、公民館の文化祭で学習成果を発表する。
ここ5年ほど続く人気の講座で、本年は11人が受講を希望。半数がリピーターで、「今年も挑戦したい」と意気込んでいる。長谷非持でピアノ教室を開く池上英子さんが講師を務め、全4回の教室で文化祭の発表曲2曲を練習する。
初回の講座は、「ちょうちょ」と発表曲の一つである「大きな古時計」を演奏した。ミュージックベルは「ベル一つひとつがピアノのけん盤一つひとつと同じ」(池上さん)。児童たちは、互いに気持ちを合わせ、協力しながら一つのメロディーを奏でていった。
最初は「ド」「レ」「ミ」「ファ」「ソ」の5つのパートだけで演奏できる「ちょうちょ」に挑戦。一つひとつの音をつなげて一曲を完成させると、子どもたちは歓声をあげた。しかし、パート数が増え、難しくなる発表曲の「大きな古時計」では、何度も楽譜とにらめっこしていた。
文化祭の発表に向けて練習する「ミュージックベル教室」の受講生たち -
市議会まちづくり特別委員会と市商工会が懇談
伊那市議会まちづくり特別委員会(馬場秀則委員長、8人)は15日夜、市商工会高遠町・長谷のメンバーを対象にした懇談会を高遠町商工会館で開いた。正副議長を含めた議員10人、商工会員約30人が集まり、「地域の活力あるまちづくりについて」をテーマに意見を交わした。
会員から「桜のブランドがあっても、観光客は桜を見て帰ってしまう。町文化センター付近に、町の駅となるような大型バスの駐車場、物産品の販売、桜シアター、そばむらなどを集め、花見時期だけでなく、観光客が滞在できるようにしてほしい」と観光センター建設を望む声が挙がった。合わせて、街中に燈籠(とうろう)祭で使う山車の展示スペースの確保も出た。
そのほか、三峰川右岸道路の建設、商店街の歩道改修、駐車場代の助成など、住民の生活を支える商店街として、また通年を通し、滞在できる観光の町としての地域づくりを要望。
馬場委員長は「協働のまちづくりを進めるために、夢を語りながら、住民がやる気を出すきっかけになれば」と話した。
商店街や地域の活性化の調査・研究の内容は来年3月の市議会定例会で議長に報告する。 -
ソフトバレーボールのはせくらぶ スポレク5位
伊那市長谷地区を中心としたソフトバレーボール愛好者でつくるクラブ「はせくらぶ」が9月下旬に青森県であった、第20回全国スポーツ・レクリエーション祭(スポレク)ソフトバレーボール大会で5位入賞を果した。15日、監督と選手6人が市役所を訪れ、小坂樫男市長に結果を報告した=写真。
スポレクは40、50歳代の男女各1人ずつ計4人1組で競技し、はせくらぶは、5月の県予選で優勝し、全国代表54チームが集まる本大会に初出場。大会では予選リーグ、順位別リーグをそれぞれ無敗で勝ち抜き、1位ブロックの決勝トーナメントへ進んだ。6チームによるトーナメントは初戦で敗退したが、セット率で5位入賞となった。
監督の新井良太さん(48)=長谷中尾=は「全国大会5位入賞はクラブ始まって以来の快挙」。決勝トーナメント初戦は、この大会優勝の「小松ひまわり」(愛媛県)に対し、セットカウント1竏・で惜敗したことを報告し、メンバーは「落としたら負けのラリー合戦となり、関係者からの注目も高かった」と熱戦ぶりを伝えた。
クラブ長で出場選手の中山芳一さん(54)=長谷溝口=は「これからも全国のいろいろなチームを見本に練習を重ねて頑張っていきたい」と意気込みを語った。
大会に出場したのは次のみなさん。
▽選手=中村和利(主将)、高坂武、春日孝二、中山芳一、中山初美、中村千里、木下利恵、伊藤月美▽監督=新井良太 -
新しいざんざ節の曲名「ダンシングNewザンザ」に決定
第24回南アルプスふるさと祭りが14日、伊那市の長谷総合グラウンドであり、若者向けに考案した新しいざんざ節の曲名が「ダンシングNewザンザ」に決定したことを発表した。発表に合わせて、振り付けを担当した境じゅんこさん(長野市)の率いるダンスグループが新しい踊りを披露。訪れた人の目を楽しませた。
ふるさと祭り検討委員会では、若い人でも踊りアップテンポなざんざ節を竏窒ニ昨年2月から検討を重ねていたが、今年8月、その新しい振り付けを完成させ、曲名は一般から公募していた。28通の応募が寄せられたが、市内に住む宮下三律雄さんが考案した「ダンシングNewザンザ」を新しい曲のイメージにも合っているという理由で新たな振り付けの曲名に選んだ。
また、会場では現在学校で新しい振り付けを練習しているという長谷小学校の3年生も舞台の下で踊りを披露。来場者を驚かせた。
児童らは「難しいけど楽しい」と話していた。 -
長谷黒河内で子どもみこし復活
まつり行事を復活し、地域の元気を取り戻そう竏窒ニ伊那市長谷黒河内地区で13日、同地区にある「八幡社」の祭りに合わせて30年以上行われていなかった子どもみこしが復活した。地区内の保育園児から小学生まで約10人が参加。昔ながらのたるみこしを担ぎながら「わっしょい」と元気の良い掛け声を出し、地域住民を楽しませた=写真。
黒川内は70戸ほどの小さな集落。一昔前までは地区の神社「八幡社」の祭りに合わせて祭り行事を行っていたが、過疎化、少子化の影響や合併前の旧長谷村で村内全体を対象とした大きな祭りをするようになったことなどもあり、祭り行事は次第に行われなくなっていた。
しかし今回同地区では、地域活性化を目的として子どもみこしと宵の祭り演芸を復活。子どもみこしが地区内3つの集落を順番に訪れると、地域住民も笑顔を見せ、活気があふれた。
市ノ羽晧区長(64)は「地域は過疎化で大変だと言われるが、それで元気を失ってしまうのではなく、元気な地域を作っていきたい」と話していた。 -
伊那消防組合議会臨時会 通信指令システム更新を可決
伊那市、辰野町、箕輪町、南箕輪村でつくる伊那消防組合(組合長・小坂樫男伊那市長)の組合議会臨時会が9日、市役所議場であり、予算案件1件を原案通り可決した。議案は伊那消防署の通信指令システムの更新購入に伴う歳出予算の増額で、7800万円を追加し、歳入歳出予算の総額をそれぞれ12億3600万円(前年同期比3%増)の補正とした。
通信指令システムは、119番受信装置、出動指令装置を主体に同消防署の通信室に導入され16年間にわたり、管内(伊那市、南箕輪村)の防災の対応業務に役立ててきた。しかし、装置の耐用年数が経過し、昨年度から故障が相次いでいたためシステムの更新が必要となった。
新システムは、119番通報を受信した通信員が場所や種別などの災害情報を入力すると、情報の確定と同時に音声合成装置で庁内指令と地図情報を記載した出動指令書により、出動隊に指令を出すことが可能。これまでは、受信後に出動指令書を制作していたため、指令するまでの時間短縮が期待できる。
そのほかの特徴としては、指令電送装置により、Eメールで消防職員、安心安全情報ネットワーク利用者らに災害情報を送ることができる。また、システムの更新により、署所端末装置を高遠消防署に設置(補正予算に含む)し、伊那消防署からの予告指令、指令放送、災害地点地図などを受けられるようになる。
システムの切り替えは今年度中を見込んでいる。 -
入笠山~鹿嶺高原トレッキング大会
伊那市で7日、「入笠山縲恷ュ嶺高原トレッキング大会」(南アルプス自然体験ネットワーク主催)があった。地元を中心に、県内外から9縲・3歳の121人が参加。標高1800メートル台の林間コース約11キロをそれぞれ自分のペースで歩いた。
昨年までの南ア林道ウォーキングに切り替え、地域の自然に触れ、観光振興を図ろうと初めてトレッキングを企画。
高座岩、半対峠、湿原など6カ所のチェックポイントを設定し、各自が休憩を挟んだり、キノコを採ったりして楽しみながらゴールを目指した。
アップダウンの激しいコースではなかったが、半対峠過ぎの急な上りには息が上がり、時折、足を休める参加者も。
コース途中では伊那市の町並みや南アルプスなどを望み、心身をリフレッシュし、気持ちの良い汗を流した。
最高齢の男性(83)=市内坂下区=は2年ほど前から毎日5キロをウォーキング。「83歳の記念に挑戦した。コースはきつかったが、気持ちよく歩けた」と完歩に感激していた。
3時間半縲・時間ほどで全員が完歩。
手作りの豚汁を食べ、おなかを満たした。
来年以降の開催について、自然体験ネットワークは参加者のアンケート結果を見て検討する。 -
長谷の伊那里診療所 11月から休止
伊那市長谷市野瀬にある伊那里診療所が11月から休止となる。男性医師(78)が体調を崩し、8月10日から休診していた。「医師の回復を待って再開したい」(長谷総合支所)としている。
診療所は市野瀬、中尾、杉島などの地域住民が利用。1日平均の受診者は10人前後。
患者は往診も含め、美和診療所の医師(2人体制)が対応している。
患者の交通手段を確保するため、福祉バスを美和診療所竏宙ノ那里診療所間に伸ばした。
男性医師が務めていた上伊那福祉協会の特別養護老人ホーム「サンハート美和」(長谷非持)の嘱託医は、美和診療所医師が当たっているが、今後については検討する。
1カ月半ほど休診しているが、諸経費がかかるため、休止の形を取る。
男性医師から診療所閉鎖の提案もあったそうだが、宮下市蔵長谷総合支所長は「当面、休止とし、回復を待ちたい」と伝えたという。
28日夜の長谷地域協議会で明らかになった。地元住民にも説明した。 -
グリーン経済シンポジウム
環境負荷の少ない持続可能な社会を作ることを目指すNPO法人「環境文明21」(事務局・東京都)は22日、伊那市長谷の中尾座で「グリーン経済シンポジウムin伊那」を開いた。メンバーや地域住民ら約50人が集まり、日本の食料自給率を上げるためにはどうしたら良いかなど意見を交わした。
環境文明21は、地球環境にやさしい社会を作るため「食べる」「働く」「買う」などの視点から「グリーン経済を成り立たせる10の提言」をまとめている。長谷での稲刈りエコツアーに合わせ、シンポジウムを企画した。
パネルディスカッションには、地元の山岳写真家らパネリスト4人を迎えた。
提言を受け、環境文明21共同代表の加藤三郎さんは「地球温暖化による異変に危機感を持っている。食料自給率の低さは、命の基盤が危うくなっている状況」と提起。
下伊那地方事務所長の田山重晴さんは「自給率を高めることと地産地消は密接に関係している」と伝統の食生活を伝えることの重要性を挙げた。
伊那市副市長の白鳥孝さんは、後継者不足で農業・林業の技術が途切れてしまうことを懸念した。
参加者から「自給率を40%から60縲・0%に上げるのは大変」との意見に、加納さんは「今の政策のままでは不可能と思う」とし、食生活のあり方を見直すきっかけになることを願った。 -
秋の全国交通安全運動始まる
「高齢者の交通事故防止」を運動の重点とした、秋の全国交通安全運動が21日、全国一斉に始まった。30日までの10日間、飲酒運転の根絶、夕暮れ時と夜間の歩行中・自転車乗用中の交通事故防止などを重点に、住民の交通安全意識の高揚を図っていく。
初日は、伊那警察署、上伊那地方事務所、伊那交通安全協会など約70人が伊那市下新田の市役所前の道路、環状南線で啓発チラシなどを信号待ちのドライバーに配布した=写真。参加者たちは「秋の交通安全週間です。お気をつけて」などと事故防止を呼び掛けた。
本年の伊那署管内の交通事故数(20日現在)は、377件で前年と比べて13件の増加、けが人は476人で同比20人の増となっている。死者は1人で4人減っている。 -
南ア林道バス きょう運行再開
台風9号の影響を受け、全面通行止めとなっていた南アルプス林道の復旧工事が終了し、市営南ア林道バスが12日午前8時、北沢峠行きの便で運行を再開する。
林道に崩れた土砂を重機で取り除いた。一部、路肩が崩れている個所もあるが、幅員が広いため、ロープを張って通行できるように対応した。 -
ソフトバレーボール「はせくらぶ」 全国スポレクへ
伊那市の長谷地区を中心としたソフトバレーボール愛好者でつくるクラブ「はせくらぶ」は県代表として、22竏・5日、青森県黒石市である第20回全国スポーツ・レクリエーション祭ソフトバレーボール大会に出場する。
「はせくらぶ」は、本年5月にあった全国都道府県ソフトバレーボールフェスティバル県予選のスポレクの部(40、50歳代の男女各1人ずつ計4人で構成)に参加。県内19チームが集まる中、予選ブロック、決勝トーナメントを勝ち抜き優勝し、本大会初出場を決めた。
8日夜、長谷中学校体育館で団結式があり、出場選手が意気込みを語った。
選手たちを激励に訪れた、宮下市蔵長谷総合支所長は「これまでの練習成果が全国大会にまで足を伸ばせるチームワークをつくった。大会では実力を発揮してほしい」。主将の中村和利さん(51)は「スポレクはみんなが目標とする花形の大会。最後まで諦めない粘りのバレーを見せ、大会を楽しんできたい」と述べた。
出場する選手は次のみなさん。
▽選手=中村和利(主将)、高坂武、春日孝二、中山芳一、中山初美、中村千里、木下利恵、伊藤月美▽監督=新井良太
全国スポレク祭ソフトバレーボール大会に出場する「はせくらぶ」のメンバー -
南ア林道バス運休
台風9号の影響を受け、伊那市長谷の南アルプス林道バスが全線にわたって運行を休止している。7日現在で復旧の見通しは立っていない。紅葉シーズンを控え、南ア林道管理室は遅くも1カ月以内に復旧させたいとしている。
林道バスは、三峰橋付近の戸台口竏猪k沢峠間の延長22・6キロ。
6日午後2時から、降雨による事前規制(連続雨量100ミリ以上、時間雨量25ミリ以上)で戸台大橋竏猪k沢峠間が全面通行止めとなった。その後、所々で大小の土砂崩れなどが発生。高さ4メートルと大規模な個所もあり、通行できない。
南ア林道バス営業所には、利用者から運行にかかわる問い合わせが相次いでいる。
山小屋の市営長衛荘もしばらくの間、営業を休止する。
国土交通省の水文水質観測所情報によると、市内長谷黒河内にある北沢雨量観測所の1時間雨量が最も多かったのは6日午後10時の51ミリだった。
南ア林道バスの利用者は6日現在で、2万8369人。