-
甲乙つけ難し、みやだの・ス名物丼・ス
食べくらべに長蛇の列、至極の一杯あなたの味覚で宮田村商工祭は1日開き、村商工会青年部が村民からアイデアやレシピを募って開発に取り組む「名物丼」の食べくらべ試食会があった。食後のアンケート投票を基に村の新たな名物が年末には決まるとあって、会場には長蛇の列。村ならではの丼誕生に期待を高め、吟味した。
整理券配布開始40分ほど前から熱心な人たちが列をつくり始め、200人ほどが丼を食べてみたいと並んだ。
先着100人までのため、惜しくも涙を飲む人も。残念がる姿もあったが、青年部員扮するどんぶりレンジャーが登場し、会場全体を盛り上げた。
試食したのは公募作品169点の中から厳選した2品。鶏モモ肉にしみこむ山ぶどうワインが絶妙の「鶏の山ぶどう酒煮丼」と、シメジやゴボウと豚肉が味わい深くマッチした「地ビール丼」で、いずれも村の名酒を使っているのが特徴だ。
一番乗りした村内南割区の川手敏子さん(48)は「私たちの意見も反映されると聞いて、絶対に食べたいと思って来た。両方とも美味しくて迷ってしまう。決まったら応援します」と話した。
試食した人たちは味や見た目などアンケートに答え、好みの一品に投票。青年部は結果を基に12月の歳末慈善パーティーで・ス至極・スの名物丼を発表する。
公募段階から予想を上回る反響が続いたが、前林裕一部長は「ぜひとも期待に添える丼にしたい」と話した。 -
商工会旅行事業部・ス旅サロン・ス開業
旅行業に参入、観光による地域振興に一役旅行代理業の県認可を受けた宮田村商工会は2日、旅行事業部(愛称・旅サロン)を開業した。商工会の旅行業参入は「全国でも初めて」(同事業部)とみられ、将来的には村への誘客、観光活性も目指す。開業記念として企画した日帰りツアーが発売開始直後に完売。競争激しい旅行業界だが、地元と密着、連携しながら観光資源を掘り起こそうと、新たな業態に寄せる関係者の期待は大きい。
全国展開の旅行会社トップツアーと代理店契約を結び、旅行の企画、販売、手配など各種旅行代理業務を取り扱う。
開業記念として格安料金で企画した新潟・寺泊への鮮魚買い物ツアーは、受付開始5分で定員40人分が完売。パスポート付きの東京ディズニーリゾート日帰りツアーも破格の8800円(大人)で提供し、申し込みが相次いでいる。
いずれも採算面を度外視した「記念の特別料金」(同事業部)による企画。今後は業界の激しい競争と向き合うことにもなるが、それ以上に村の観光活性につなげたいという関係者の想いは強い。
開業式典で前林善一商工会長は「宮田へ誘客しようと立ち上げた事業。みんなで一緒になり売り出していきたい」とあいさつした。
宮田村は駒ケ岳や高原などの観光資源を抱えるが、施設なども限られ、観光客にとって通過点になりがち。
トップツアー伊那支店の松澤秀人支店長は「松川町や飯田市では都会の子どもたちの体験教育旅行も盛ん。簡単にはいかないが、宮田への誘客にもお手伝いできれば」と話す。
営業時間は午前10時から午後7時(土曜日は午後5時終了)で日、祝祭日休業。問い合わせは旅サロン85・2299まで。 -
マスの燻製づくり始まる
宮田村新田区の燻製(くんせい)工房「スモークウッドくるみ」で、特産のニジマスの燻製づくりが始まった。来春まで1000匹ほどをさばいて手作りし、村内外で販売する。
農業を営む平沢秋人さん、明子さん夫妻が工房を経営。マスの燻製をつくり始めて10年ほどになるが、チーズの燻製とともに特産品として人気が高い。
1匹づつ三枚におろして、小骨を取り除く。ウィスキー樽を再利用したスモーカーでいぶすが、ひとつの工程が完了するまでに4日間と、気の遠くなる地道な作業の連続だ。
農作業の合間をぬって忙しい毎日だが「またこの季節が来たんだなって毎年思う」と平沢さん。
燻製に良く合う村特産の山ぶどうワインも仕込みの時期を控えており、村内は収獲の秋に沸いている。
問い合わせは平沢さん(090・9359・7757)まで。 -
チビッコ元気に熱戦
サッカー・チャイルドカップ宮田村のサッカークラブチーム「トップストーン」は30、1日、第7回チャイルドカップを村中央グラウンドで開いている。園児から小学2年生までの低学年の大会で、初の県外からの参加も含め33クラブ・66チームが出場。チビッコたちが熱戦を繰り広げた。
実戦経験を幼いころから積んでもらおうと始まった同カップ。現在は増えつつある低学年大会の草分け的存在だ。
上伊那だけでなく県内各地から参加があり、今年は初めて岐阜県中津川市と愛知県田原市の3クラブも仲間に加わった。
30日は小学生1年生と保育園の2クラスを実施。大人顔負けのサイドチェンジや巧みなドリブルもあり、勝負する楽しさを存分に味わっていた。1日は午前9時40分試合開始で2年生が戦う。 -
福祉ふれあいまつり、交流の輪広げて
子どもたちも協力参加宮田村の第12回福祉ふれあいまつり(実行委員会主催)は30日、村民会館で開いた。多くの村民がボランティアで運営を支えあい交流。子どもたちの協力参加も目立った。
園児から高齢者、健常者に障害者と1300人ほどが参加。ステージ発表や福祉に関する各種コーナーも設置され、関心を深めた。
村内の園児、小中学生もまつりを盛りたて、開会式では小、中学校の吹奏楽が演奏。園児の歌や踊りなどもあった。
宮田中ボランティアサービス委員会の生徒たちは、バザーや豚汁、おにぎりの無料配布など会場の運営にも協力。
仁科智弘実行委員長は「肩肘張らず、誰もがふれあうことが福祉の原点。今日のように、色々な立場の人に参加してもらうことが大切と思う」と話した。 -
しんでん6連覇、女子バレーリーグ戦に歴史
12チームが半年にわたって熱戦を展開した宮田村女子バレーボール会(小田切千恵子会長)のリーグ戦が28日、村農業者体育館で閉幕した。新田区の「しんでん」が全勝優勝で6連覇を達成。22季目を迎えるリーグ戦に、また新たな歴史をつくった。
3年連続で全勝優勝の「しんでん」。30代、40代が主力となり、家事や仕事などやり繰りしながら偉業を達成した。
「チームワークの良さが勝因。楽しむところから、パワーが出る」と平澤美登里主将は話した。
今季は1チーム減ったが、高いレベルでの好試合が続出。10月5日からは短期のトーナメント戦で、再び熱い戦いを繰り広げる。
リーグ戦最終順位は次の通り。
(1)しんでん(2)ツーオー(3)若葉(4)ミューズ(5)里宮(6)みなみ(7)大田切(8)駒ケ原(9)美北(10)河原町(11)ひまわり(12)エアロール -
赤ちゃんとお話しましょ、ベビーサイン体験
赤ちゃんとお話しよう‐。宮田村住民福祉課は28日、まだ上手に話すまでに育っていない乳児と簡単な手話やジェスチャーでコミュニケーションを図る「ベビーサイン」の体験教室を開いた。南信では初の開催となり、村内外37組の親子が参加。子育ての新たな楽しさを発見し、乳幼児期のふれあいの大切さを再認識した。
言葉が話せない乳児でも、教えることによって手やジェスチャーを使って積極的に表現するようになる新たな育児法。日本ベビーサイン協会認定講師の坂井理恵さんを迎えた。
簡単な歌や体操に手遊びを取り入れながら、我が子と向き合いふれあうなかで、手に意味を持たせて会話する方法を体感。
自身の気持ちや動物の真似などを、オリジナルのジェスチャーで表現し、「1カ月ほど続けて一緒の目線で話しかければ、どの子でもサインをするようになります」と坂井さんは話した。
米国発祥で国内に紹介されたのは4年前と歴史は浅いが、「一方的な育児ではなくなり、絆も強くなる」と坂井さん。
6ヵ月の長男凌君と参加した井出弘美さん=飯島町=は「今でも楽しい子育てなのに、話ができたら、もっともっと楽しいと思う」と話した。 -
宮田村保健補導員のズンドコ節
県研究大会へむけ、練習に熱地域に根ざした活動を展開する宮田村保健補導員会(新谷秀子会長)は、県補導員等研究大会(10月4日松本市)で取り組み事例を発表することになり、健康体操として編み出した「ズンドコ節」を会場で披露しようと、練習に励んでいる。
ズンドコ節はおなじみのヒット曲を2002年度の保健補導員がアレンジ。
歌詞も健康に関することを数多く盛り込んだ替え歌にし、気軽に踊れ、楽しく体を動かせる振り付けを考案した。
現在の補導員も継承。さまざまな機会を通じてズンドコ節を広めている。
大会出演に向けて準備は着々。02年度の会長だった下井由紀子さん、副会長の松田壽子さん、保科節子さんらも応援に駆けつけるなどして、歌や振り付けに磨きをかけている。 -
浦野紙器からユーエスアイへ
社名変更、環境配慮の新工場も完成ダンボール製造や金属加工の浦野紙器(宮田村新田区、浦野勇社長)は10月1日、社名をユーエスアイに変更する。建設を進めていた環境配慮型の新工場も完成。26日から精密切削の金属加工部門が操業を開始した。新エネルギーの太陽光発電に、水や断熱など省エネ対策を組み合わせたシステムで消費電力、燃料・水道使用などの軽減を図る。
太陽光発電は840枚のパネルを工場屋根に備えつけ、県下最大規模。新しく掘った井戸水で用水をまかない、工場建物には断熱効果の工夫を各所に施した。
社名変更は、事業の実態にあわせて変更するもの。紙器で創業したが、現在は精密金属加工の出荷シェアが6割にのぼっている。
1962年の創業以来使ってきた会社名、取り扱う紙器、精密金属部品、そして愛される企業を目指した理念のそれぞれの頭文字を取って、新社名にした。
「金属部門の仕事が増えたが、紙で始めた会社。両業種を組み合わせた名前で、今後も成長していきたい」と、同社担当者は話す。 -
宮田大昭クラブ40周年
宮田村の40歳以上でつくる軟式野球チーム「宮田大昭クラブ」は23日、発足40周年と会員最高齢90歳の加納義厚さんの卒寿を祝い、祝賀会と記念試合を開いた。同クラブには小田切行雄元県議をはじめ歴代村長、村議らも在籍。そうそうたる0Bも久しぶりに顔をあわせ、新旧一緒にクラブの節目を喜んだ。
祝賀会では92歳の小田切元県議と、加納さん、そして小原勇県議ら現役メンバーが仲良く肩を並べた。
小木曽光明監督は「偉大な先輩が築いた歴史を次代につないでいきたい」とあいさつ。
小田切元県議は冗談も交えながら思い出話に花を咲かせ、「宮田っていう所は、昔から野球が盛んだった。今後も45年、50年と続けていって」と話した。
同クラブは村の自立の礎を築いた青年の手により1964年に発足した大正ホエールズが前身。昭和生まれの加入も増えたことから、66年に現在の「大昭」に名称変更するなどして再出発した。
かつては村の早起き野球に参加。今もお父さんの甲子園と呼ばれる「全日本生涯野球大会」に毎年出場し、昨年は優勝を果たしている。 -
6年1組洗濯上手に
宮田村宮田小学校で27日、家庭科の研究授業があり、6年1組(山田智寿教諭)が「洗濯上手になろう」をテーマに授業を公開。今までの学習や家族に聞いた知恵を生かして、汚れた靴下を様々な方法で手洗いした。工夫する楽しさを感じつつ、家事の大変さや喜びも学んだ。
上伊那一円の技術家庭科教諭ら約50人が参観。児童は想いおもいに工夫を凝らして、泥や土などで汚れた自分の靴下を手洗いした。
洗濯板を活用したり、固形石けんで汚れをじかに落としたり。
水、お湯、洗剤と3度に分けて洗う女子の姿も。頑固な汚れに「何でうまく落ちないのかな?」と頭をひねる児童もいた。
洗って、すすいで、干した後は、全員でまとめの意見交換。
「手で洗うと時間がかかるけど、細かい所まで汚れが落ちる」「靴下同士でこすりあわせたら汚れがとれた」「洗濯板のほうが、早く落ちる」など、工夫の成果を発表しあった。 -
車いすダンススポーツ世界選手権大会に出場、小田切元治さん
昨年12月の車いすダンス全日本選手権で初優勝を果たし、10月14、15日にオランダで開かれる世界選手権に出場。車イスの障害者とペアを組み、3回目の世界の舞台だ。前回東京大会の準決勝を上回り、狙うは決勝進出。「健常者も障害者も区別なく、一緒に踊り、楽しむのが理想。いつかは特別視しない世界になれば」と、車いすとダンスの垣根を取り除こうと取り組んでいる。
社交ダンスの優雅さに興味を持った学生時代。社会人となり、初心者のダンスサークルに参加した。
それからはダンスに没頭。宮田村に帰郷した後も続けていたが、ある日専門誌に健常者と障害者がペアを組む車いすダンスの記事が掲載された。
「自分の経験が生かせるんじゃないか」。そんな想いが強くなった時に偶然、ダンス仲間から誘いがかかった。「車いすダンスの大会があるんだけど、出場してみない」。
10年ほど前の出来事だが、始めて2カ月の大会で見事に6位入賞。その後は全日本選手権などで活躍し、2002年のポーランド大会、2004年の東京大会と連続して世界選手権にも出場した。
ペアを組むのは中野市の長島はつみさん。上肢も下肢にも障害がある重度のクラスだ。
彼女は脊椎(せきつい)損傷で自分の体を支えきれない。それでも良きパートナーを得て優雅にダンスを踊ることは可能だ。
「ここまでなら体を支えられるっていう範囲がある。状態を把握できれば、基本的な踊りは健常者も障害者も一緒」。
前後や回転はできても、横には動けないのが車いす。相手との距離感など、言葉でいうほど簡単ではない。
が、「難しいからこそ面白い。普通のダンスもそうだけど、言葉じゃなくて、心で伝わらなければうまくいかない」。
現在は村内の社交ダンスサークルに加わる
ほか、箕輪町や飯田市で車いすダンスを指導する。障害者はリハビリを兼ねて参加する人も多く、一方で健常者はボランティア活動をやっていた人などが中心。ダンスの経験が全くない人がほとんどだという。
「経験があってもなくても入口は一緒。踊ってみたいという気持ちだと思う」。
車いすダンスには車イス同士の部門もあり、全国的にはかなりの競技人口もいる。所属する県支部の「ハンドトゥハンド」も100人くらいが加入する。
だが、一般向けのダンスパーティーがあっても、車いすの人は皆無だ。
「私の中ではダンスはひとくくり。ただ組んで踊る人が車いすに乗っているだけ。障害者でも普通に参加でき、一緒に踊れるパーティがいつか開ければ」。 -
[地ビール丼」「鶏の山ぶどう酒煮丼」みやだの・ス名物丼・スさあどっち?
食べくらべで最終決着へ村民からアイデアを得てオリジナルの名物丼開発に取り組む宮田村商工会青年部(前林裕一部長)は26日までに、数回の選考を経て公募作品169点の中から「地ビール丼」と「鶏の山ぶどう酒煮丼」の2点に絞り込んだ。10月1日の村商工祭(会場・新田区のふれあい広場)で先着100人に食べくらべてもらい、得票の多い作品が宮田の・ス丼・スになる。
最後の選考に臨む2点は、いずれも村を代表する名産品の酒類を材料に使用。オリジナル性が高く、アピール度も兼ね備えている。
鶏もも肉にしみ込む山ぶどうワインの風味が絶妙な酒煮丼。奇抜ながら牛肉とのマッチングで味わい深い地ビール丼か、甲乙つけがたい対決だ。
商工祭当日は、食べくらべのために試食用のミニ丼を100セット用意。当日午前10時から整理券を広場入口芝生付近で配布し、10時半に試食を開始する。
食して好みの丼に投票してもらい、その結果で選考。12月に開く青年部主催の歳末慈善パーティーで、・ス至極・スの名物丼1点を披露する。
「ぜひ、実際に食べて、皆さんの手で宮田の名物丼を決めてほしい」と同青年部は、来場を呼びかけている。 -
秋季スポーツ大会
宮田村公民館(白鳥剛館長)は24日、秋季スポーツ大会を開いた。村内の3会場で軟式野球、ソフトバレーボール、マレットゴルフが行われ、各競技とも村内11区ごとに編成したチームが出場。村民400人以上が参加してスポーツの秋を楽しんだ。
上位は次の通り。
◆軟式野球(1)南割(2)北割(3)町一、町二
◆ソフトバレーボール▼青年の部(1)北割(2)つつじが丘(3)大原、町三▼壮年の部(1)大久保(2)南割(3)つつじが丘、北割▼熟年の部(1)大原(2)町三(3)中越、新田
◆マレットゴルフ(1)町一(2)町二(3)町三(4)南割 -
7月豪雨で2次災害を未然防止、的確な判断と連携で
藤工業に村長から感謝状7月豪雨で2次災害の危険を事前に察知し、鉄砲水から復旧作業中の多くの人命を守った宮田村新田区の土木建設業・藤工業(後藤孝浩社長)に25日、同村の清水靖夫村長から感謝状が贈られた。的確な判断と連携プレーにより、被災寸前で全員を避難させた功績だが「当然のことをしただけ」と後藤社長。数秒遅ければ惨事を招いた可能性もあり、村長らは「教訓にしなければ」と機敏な対応に繰り返し感謝した。
豪雨により7月19日朝、村内新田区の上の宮浄水場付近で唐松沢が氾濫し、土砂崩落。藤工業は重機を出動させ、他業者や村職員、地元の区役員らと復旧作業にあたった。
後藤社長は、今までの経験から鉄砲水発生の危険性があると直感。偶然、同社は近くで他の仕事をしており、現場の山林を直接目視できる環境にあった。
「とにかく山の木が動いたらすぐに連絡するように」と、監視を指示した。
午後3時前。監視していた社員が異変に気付き、現場で重機を動かしていた作業員の携帯電話に連絡が。そして大声が轟いた。「木が動いた。早く逃げろ」。
鉄砲水が直撃したのは、ほんの数秒後。その場にいた約20人は間一髪難を逃れた。
現場にいた村職員のひとりは「逃げろって言ってくれなかったら、鉄砲水に巻き込まれていた」と振り返る。
この日、役場を訪れて感謝状を受け取った後藤社長は「災害発生後も、現場では何が待ちうけているか分からない。今後は危険を知らせるための対策も十分に取って」と村長らに注文した。 -
90歳まだまだ現役、宮田大昭クラブ40周年
宮田村の野球チーム「大昭クラブ」は23日、クラブ創立40周年と現役会員最高齢90歳の加納義厚さん=大田切区=の卒寿を祝い、記念紅白試合を村中央グラウンドで開いた。参加した選手の大半は60、70代。加納さんも打席に立って、元気にプレーした。
同クラブは、駒ケ根市と分市し、村の自立の礎を築いた当時の青年が中心になって結成。村議だった加納さんもメンバーに加わり、捕手や一塁手、監督などを務めた。
40年が経過し、当初のメンバーはOB会員となったが、加納さんは現在も現役会員として登録。試合に出場する機会はなくなったが、大会前には激励するなど、顧問としてクラブの発展に協力している。
この日は、古くからのメンバーも数多く参加。「昔は三振なんてしたことがなかった」という加納さんも久しぶりに打席に立った。
90歳とは思えない振りを見せ、若い50歳台の投手が繰り出す球を見事にミート。
惜しくも内野ゴロだったが「すごい。まだまだいける」とナインに声をかけられた。
今はゲートボールに熱中する加納さんだが、「腹の中じゃ、野球をやりたいって思う。けど、やっぱり見当が違う。昔のようにはいかんね」と話しつつも、久しぶりの試合に笑顔が広がった。 -
太田切川中の島整備ボランティア
太田切川の砂防工事に携わってきた建設業者13社でつくる「太田切を愛する会」(森脇忠義会長)は21日、こまくさ橋下流にある中の島の下草刈りや伐採のほか、周辺の流木撤去などのボランティア作業を行った。各社の従業員のほか、天竜川上流河川事務所、伊那建設事務所、駒ケ根市、宮田村などから54人が参加し、作業に汗を流した。
中の島は10年前に中洲の周りを大岩で固めて安全化を図って以降、水遊びや釣りのスポットとなっていたが、最近ではニセアカシアやクヌギなどがびっしりと生い茂って見通しが悪くなってきていることから、同会は「観光地である周囲の景観のためにも何とかすっきりさせたい」と作業を企画した。森脇会長は「10年分の作業はとても大変。できれば今後は2年に一度くらいの割で整備していきたい」と話している。
作業は7月24日に実施予定だったが、豪雨のため延期していた。 -
手応えあり、名物丼! 味に納得、最終選考は住民参加の投票で
名物丼の開発に取り組む宮田村商工会青年部は20日夜、村民公募のアイデア169点から厳選した4点のどんぶり候補を改めて試作。気に入った丼に投票し、最終選考の2点に絞りこんだ。プロの料理人が販売をみすえて改良を加えた完成型で、試食した約50人の部員は「美味しい。いける」と手応えも。10月1日の村商工祭で一般対象の試食会とアンケート投票を行い、年末には宮田の・ス丼・スが誕生する。
8月末には応募レシピ通りに試作。その結果をふまえて、青年部所属の3人の料理人が若干のアレンジを加え、さらに美味しい丼へと進化させた。
試作した4点は、宮田村特産の山ぶどうワインを使った「鶏の山ぶどう酒煮丼」、村内の地ビールで肉などを煮た「地ビール丼」。
とんかつに山かけを施して、村内の名峰にみたてた「駒ケ岳丼」、村のシンボル梅を使った「梅勝(カツ)丼」と、見た目も鮮やかだ。
試食したある部員は「村の名産を上手に活かし、味もいい。食べてみたい、と思わせる仕上り」と満足げ。
試作した料理人のひとりは「味、そしてコスト的にも十分商品として販売していける」と話した。
この日は、青年部例会として、丼を売り込むための販売戦略も学習。アピールの方法やどのような客層を対象にするかなど、丼を名物にするための秘けつを討論方式で考えた。 -
寺沢林道の復旧、来シーズンに間に合わせたい考え示す
7月豪雨の土砂崩落により通行止めの寺沢林道について、清水靖夫村長は19日の一般質問で、林道終点の宮田高原が新たなシーズンを迎える来年6月頃までに復旧を間に合わせたい考えを示した。
宮田高原にはキャンプ場や牧場があるが近年、採算面から見直す動きもあった。豪雨により、キャンプ場の今季の営業は断念。今後の動向とからめて注目されていた。
牧場には乳牛などが現在も放牧されており、村は林道の仮復旧で下山させようと準備を進めている。 -
開発と農地保全、複雑に課題入り組む土地活用問題
宮田村土地開発公社は本年度、東保育園隣接の農地を転用して23区画分の宅地造成を計画したが、農業振興地域(農振)からの除外が認められず、・ス棚上げ・スになっていることが分かった。優良農地を守る観点から村の審議会が「保留」にしたもの。長期的な自主財源確保のため、村は企業誘致や人口増加のための土地開発が必要との認識だが、農地保全の間で揺れている。
19日の村議会一般質問では、複数の議員が農地保全にからめて土地利用に対する村の考え方を質した。
清水靖夫村長は、むやみに農地をつぶす考えがないと弁明。一方で「農地への開発ニーズが高まり、優良農地の差別化が必要」として、ある程度の線引きを行う考えも示した。
村内では人口1万人構想を掲げるが、人口の伸びは近年鈍くなっている。企業誘致も課題だが、新たに宅地や工場用地として造成できる里山などは、ほぼ皆無だ。
ある関係者は「言い換えれば、俗に言う優良農地しか残されていないのが実状」と話す。
後継者難や米価格の低迷などで農業経営の不透明感は強く、農地を手放しても良いと考える農家の潜在的需要は高いとみられる。
一方で、農地や宅地、工業用地が混在する・ス虫食い・ス状態への懸念も強い。
村産業建設課は「守らなければならない地域を洗い直し、コンセンサスを取る」と説明するが、問題は複雑だ。 -
ビオトープで子どもたちが魚や昆虫採集
宮田村の自然を呼び戻す会(加藤一彦会長)は17日、自然に親しんでもらおうと、同村南割区のビオトープを開放。親子連れら多くの人たちで賑わい、メダカやフナ、水生昆虫などを自由に採集した。
最初はおそるおそる泥に入った子どもたちだが、魚影を追いかけ歓声も。息を潜めて網ですくったりした。
ミズカマキリにゲンゴロウ、ヤゴにタガメと、豊かな湧き水に育まれた環境は生態系も多彩。
加藤会長は「こんな田舎でも、気軽にふれられる自然が少なくなった。少しでも生命力の素晴らしさなど、感じてもらえれば」と、子どもたちの喜ぶ姿に目を細めた。
このビオトープは、会員が8年ほど前に整備。今後も自由に開放しており、魚や水生昆虫など自由に採集できる。 -
駒ケ根高原で国内最大級のオリエンテーリング大会
駒ケ根市の駒ケ根高原で16日から3日間、国内最大規模のオリエンテーリング大会(ジェネシスマッピング主催)が開かれた。一般市民も参加できるクラスから、日本学生選手権、社会人のクラブカップリレーまで多彩。全国からのべ2500人が参加し、地図を頼りに初秋の高原を駆け抜けた。
17日は学生選手権があり、全国から約40大学、850人ほどの選手が出場。高精度の地図を頼りに、休むことなくゴールを目指した。
また、誰でも気軽に参加できるクラスもあり、秋色深まる高原を散策しながらオリエンテーリングを楽しむ姿もみられた。
国内の競技人口は約3000人。主催者は「自動車のナビゲーションシステムとは違い、自分で地図を見て位置の精度を競う楽しさがある。地図も高精度になっており、選手のスキルも高まっています」と話していた。 -
税の滞納徴収、収納向上
差し押さえ通告の厳格化影響も宮田村は本年度、村税滞納者に対する「差し押さえ通告」の対象範囲を広め、厳格化した。景気回復などの影響もあるが6月から8月末の滞納徴収では、前年度に比べて1・8倍も収納が向上した。村議会9月定例会一般質問で明かにした。
収納しない場合は、預貯金や不動産、給与など財産差し押さえもあると通告。本年度から5件以上、10万円以上の滞納者に引き下げて対応した。
90人が対象となったが、54人が通告により何らかの対応をとった。3カ月間の滞納整理額は592万円にのぼり、前年度比で79・7%増加した。
村の各種料金も含む村税の滞納額は05年度末で5千万円余りにのぼっており、清水村長は一般質問で「今後は法的処分も視野に、税収納向上に努める」と答えた。 -
ふるさとCM、どんぶりレンジャーいざ出動
どんぶりレンジャー、いざ出動‐。新たな名物丼の開発で地域活性に取り組む宮田村商工会青年部は、県内各市町村が地域の魅力をPRする「ふるさとCM大賞」(長野朝日放送主催)に出品するため、コマーシャル製作に励んでいる。地域の助っ人として誕生した、ニューヒーロー「どんぶりレンジャー」も出演。撮影は快調だ。
部員たちが村内各所で撮影を敢行。今年7月に部員扮する4人の隊員で発隊したどんぶりレンジャーも出演し、ユーモラスな仕上りが期待できそう。
画面の中で大活躍しているかは完成後のお楽しみ。住民公募で始まった名物丼の開発も佳境を迎えており、部員たちも期待を高めている。 -
防災情報メール配信サービス年度内の運用開始へ
宮田村は年度内に、防災情報の携帯電話、パソコンへのメール配信サービスを開始する。子どもの安全見守りについても活用を検討。緊急時に一般住民や関係者へ迅速に情報を流す考えだ。
村のホームページで会員登録するが、そのシステムの構築費用として現在開会中の9月議会定例会に5万3千円を計上した。
一般向けの防災情報のほか、役場職員、消防団専用のメール配信も行い、緊急時の参集や情報収集に威力を発揮させる。
また、不審者情報や学校の登下校など子どもの見守りについての活用も検討中。 -
大久保区敬老会
宮田村大久保区の敬老会は17日、区集落センターで開いた。70歳以上の対象者70人のうち36人が出席。地元の小学2年生が作文発表するなど、地域みんなで長寿を祝った。
吉澤健太君、高橋佳奈さん、伊澤明歩さん、赤羽春香さん、小松竜也さん、若杉幸希菜さんが、大好きな祖父母のエピソードなどを交えながら作文発表。「これからも元気で長生きして」と励ました。
祭囃子保存会による獅子舞披露のほか、地域有志が楽しい演芸で盛り上げ。古希の4人、米寿の1人には記念品も贈った。 -
7月豪雨の影響、2千万円に
宮田観光開発、トップシーズンに痛手7月豪雨の影響で、ホテルや駒ケ岳で山小屋を経営する宮田村の第三セクター宮田観光開発の売り上げが、例年の同時期と比較して約2千万円の減収になっていることが分かった。19日の村議会一般質問で、同社長を務める清水靖夫村長が明らかにしたもの。
キャンセルや利用者減で、宮田観光ホテルと隣接する温泉施設・こまゆき荘であわせて1千万円の減収。
駒ケ岳ロープウェーの休止などで影響の大きかった山小屋関係も、延期された学校集団登山などが実施され回復の兆しはあるが、1千万円ほどの減収となった。
同社は長期債務を抱え、経営改革の真っ最中。前期の売り上げは3億6300万円。豪雨は痛手となったが清水村長は「一層の営業努力をしていきたい」と答えた。 -
プラムの里で敬老会
108歳で上伊那最高齢の平澤由子さんが生活する宮田村新田区の介護老人保健施設プラムの里で16日、敬老会が開かれた。平澤さんを含め100歳以上が3人と、元気で長寿の同施設。白寿1人、米寿6人、喜寿5人にも記念品を贈り、祝福した。
平沢さんは会に出席しなかったが、100歳の小野菊子さんが元気にあいさつ。同施設を運営するしなのさわやか福祉会の鷹野準理事長から記念品を受け取り「多勢の方に来て頂き恐縮の至り。ありがとうございます」と感謝した。
鷹野理事長、来賓の清水靖夫村長らは「健康に留意して、今後も楽しい生活を送って下さい」と、会場に集まった多くの利用者を激励。
駒ケ根市の詩吟グループ「青藍之会」は歌や演舞を披露し、地域と施設が一緒になって、利用者全員の長寿を祝った。
○ ○
上伊那地方事務所厚生課によると、管内で9月末までに100歳以上となる高齢者は男性7人、女性41人の計48人。県内では男性88人、女性579人の計667人。 -
宮田小運動会
宮田村宮田小学校は16日、運動会を開いた。途中雨にも降られたが、子どもたちは競技に集中。練習の成果を発揮し、校庭には歓声がこだました。
かけっこや大玉送りなど多彩な24種目。訪れた家族や地域の人たちの応援を背に、全力を尽くした。
団結力が試される綱引きは、低、中、高学年ごと対戦。力の入る接戦の連続となった。
5、6年生の対戦前には雨も降り出したが、子どもたちの熱気で吹き飛ばした。 -
宮田村で初、キョーシン精工がエコアクション21認証取得
プラスチック製品、成形型製造のキョーシン精工(保科直良社長、宮田村新田区)は、環境省策定のガイドラインに基づく環境経営システム「エコアクション21」の認証、登録を受けた。宮田村内では初めて。業界全体が環境問題に厳しくなっている側面はあるが、同社は「環境対策は企業として当然の社会的責務。品質改善、会社の経営改善にもつながる」と話す。
取引きの大半が環境問題に厳しい自動車関連という同社は、昨年末から認証のための準備に着手。
廃プラスチックを材料として再生するリサイクル計画も盛り込んだ廃棄物対策、電力、水の使用量削減、紙の再利用について、本年度は前年度比5%の削減目標を立てた。
3年後には各10%の削減を掲げシステムを立案。厳しい審査を経て認証された。
同社の長崎紀夫専務は「環境は生産活動全般に関わる問題。無駄なものを省くことは当然で、取り組みを始めて社内の雰囲気も確実に変わった」と話す。
エコアクション21は、国際規格のISO14001をベースに、中小事業者でも取り組みやいように設定。
今年3月には全国の自治体として初めて箕輪町が認証を受けて話題になったが、上伊那では11事業者が登録を済ませている。