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温かみと素朴さがにじむ手織展
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堀田芙美子手織展
飯島町七久保の小蕪亭で29日まで、堀田芙美子さん(大阪府在住)の手織展が開かれている=写真。
ざっくりと織ったコート、斬新なデザインの洋服、着まわし自由なベスト、原毛を横糸に紡いだマフラー、テーブルセンター、変わり毛糸で変化を楽しむ作品など、機織で作り出した、温かみと素朴さがにじむ80点を並べた。 -
赤穂高PTA講演会
駒ケ根市の赤穂高校(下平律夫校長)と同校PTA(宮下稔会長)は20日、PTA講演会を駒ケ根市のアイ・パルいなんで開いた。保護者、教職員ら約120人が参加して、落語家笑福亭松枝(しょうし)さんの落語『子の心、親知らず』を聞き、笑いを通して教育や子育てについて考えた。
松枝さんは中学生の万引きや援助交際、傷害事件などをめぐる親子や教師らの人間模様を落語に乗せて面白おかしく映し出し、会場の爆笑を誘っていた=写真。
『子の心、親知らず』は全国の学校などで上演され、講演は3千回を数えるという。 -
マンドリーノ定期演奏会
30年の歴史を持つ駒ケ根市のマンドリンクラブ「駒ケ根マンドリーノ」は19日夜、第26回定期演奏会を同市文化会館大ホールで開いた。ステージには約20人の団員のほか、飯田マンドリンクラブ、信州大マンドリンクラブ、駒ケ根市民吹奏楽団のメンバーら総勢50人が登場して、クラシック、ポピュラー、童謡など内外の十数曲を演奏=写真。マンドリン独特の繊細で優美な響きにギターやコントラバスが加わった見事なアンサンブルを披露し、訪れた聴衆を魅了した。
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大きく実ったリンゴを収穫
伊那市の東春近小学校の4年生を対象にした恒例の「りんご体験学習」が21日、東春近田原の伊藤一路(78)さん、豊子(74)さん夫婦のリンゴ園であった。2クラス、合計54人の児童は、5月に摘果作業したリンゴを収穫し皆で喜んだ。
園内にあるリンゴの木(品種=ふじ)の約50本から120キロほどを収穫。10月の雨と、その後の陽気ですくすくと成長し丸々と大きくたわわ。児童らは両手で丁寧に摘み、約1時間で作業を終了させた。
2学期始めに東京に転校した安斉瑠納ちゃんは「最初から最後までリンゴを責任を持って育てたかった」と、休校日のこの日、実家へ帰郷。久しぶりに合う旧友らと一緒に収穫を祝い、「台風の影響で少ししかないかと心配したが、いっぱいあってよかった」と満足していた。
伊藤一路さんは「作業の過程を体験し農家の苦労を感じてほしい。作物を育てることで人への思いやりもはぐくんでくれれば」と話した。
4年生は今後、活動写真などを取り入れた学習のまとめをする。来年2月は、伊藤さん夫婦を招いて、リンゴ料理で持て成し、学習発表会をする予定だ。 -
秋の花と一緒に花器展
中川村図書館で30日まで、片桐のガラス工房錬星舎(池上直人代表)の吹きガラス作品を集めた「秋の花と一緒に、花器展」が開かれている=写真。
池上さんや西村由美さんが宙に吹いて、自由に造形した一輪ざしや水盤、大作の花びんなど約30点がずらり。 花器にはそれぞれ、ノコンギクや白菊、紅葉したハナミズキ、野イバラなどが生けられ、秋の風情を醸している。
器の色は透明を中心に、グリーン、ブルー、乳白色、茶色と多彩。形も帽子のつばのような物から、さし口が2つあるもの、すっきりと細長いものなど、遊び心いっぱい、様々な表情を見せる作品が並ぶ。 -
【南大東島再訪記】広がる子どもの交流〈下〉
子どもたち自身が求める交流の形を「試合が少ないから、小学生はなかなか出られないんだ」
島の野球チームに参加する田仲慎吾君(小6)は、少しはにかんでそう話した。
8月に伊那を訪ねた際、伊那の高校球児の応援団を自認するラーメン屋原点の酒井夫妻から「甲子園で会おう!」とバットとグローブをプレゼントされた少年。9月に酒井夫妻のもとに「あのバットでヒットを2本打った」というメモ書きの手紙が届いていた。
「その後」を聞いたときの答えだ。
島にチームは1つしかない。紅白戦はできるが、試合は本島か他所の島にいかなけばできない。チーム内で年少の小学生には、なかなか出場機会が回ってこないのだという。
「柔道の強い子はいるの?」と聞いて来た子もいる。「伊那で太鼓を叩く子どもに会いたいな」「島唄みたいのことやっている小学生はいないの?」……少し打ち解けると矢継ぎ早の質問攻めにあった。島の子どもたちは他所の地域の子どもとの接点を求めている。
「どういう交流の形が適当か、これから伊那の人と相談して行きたいです。ただ、大人が決めるのではなく、子どもたち同士が話し合い、どんなことをやりたいか、どんなことができるかを考えていけるような形が望ましいですね」。仲田建匠助役は話した。
3月・8月・そして今回と、島の子供たちを見ていて気付いた。彼らは、何か行動する時には必ず一まとまりになり、年長のリーダーが全体をしっかり統率して動く。島の大人たちは意識して、そのように子どもを育てているようにも見えた。
「伊那で花火を見に行く時に、みんな家族でまとまって歩いていたでしょ。島では、子どもは子ども、大人は大人で歩く。ちがうんだなぁって思いましたよ」。8月に伊那を訪れた島のお母さんの一人はそう話した。
自然環境も、生活風習も、子どもたち自身の関係も、かなり異なる南大東島と伊那の子どもたち。彼らは今後どのような交流を作り出し、どのような実りを作り出していくのだろうか?
(毛賀沢明宏)
※「広がる子どもの交流」は終わり。次回から「離島産業振興の苦難」が始まります。 -
長谷保育園消防車乗車体験
日ごろ地域の安全を担う消防車を知り、火の用心を心がけてもらおう窶狽ニ長谷村保育園でこのほど、園児が消防車への乗車を体験した。
暖房器具など、火を使うことが多くなるこの時期、子どもの火遊び予防を啓発する意味もあり、毎年の恒例。村消防団第2分団第6支部に導入した新車両と共に、長谷分遣所長の宮下久さんが来園。
宮下さんは、先日あった防火パレードの説明をしたり、火をいじらないように窶狽ニ注意を促し、園児たちに火遊びしないことを約束させた。
その後、水の給水口やホースなど、消防車に付いているさまざまな装置、一つ一つを説明し、未満児から順番に乗車させた。普段は見ることしかできない消防車に、園児たちはうれしそうに乗車し、窓から見える光景を確かめていた。 -
かんてんぱぱで力田駿さん、一氷さんの陶二人展
伝統的な手法「粉引き」で印象的な作品を手がける陶芸作家・力田駿さん(46)一氷さん(46)夫妻の二人展が27日まで、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで開かれている。季節の植物を描いた大皿やカップ、独特な形をした花器など約500点が、訪れた人の目を楽しませている。
現在中川村在住。これまで合作や駿さん単独の作品を発表する機会が多かったが、一氷さんの単独作品も徐々に増えてきたため、初めて二人展を開いた。
ザクロやタデ、ハギなど秋の草花を描いた一氷さんの作品は、モチーフに集めた“ひび”が作品に奥行きを出し、素朴な温かさが感じられる。一方、直線で丸みを作り上げる独特のフォルムが特徴の駿さんの作品は、シンプルさの表現された細やかな“ひび”が、その印象を引きたてている。
一氷さんは「粉引きは、器に入れたものを美しく見せ、手に吸いつくような質感が魅力。それぞれの個性を味わってほしい」と話している。
入場無料。27日まで。 -
飯島公民館文化祭
飯島町の飯島公民館は20日、05年度文化祭を飯島成人大学センターで開いた。絵画、書道、手芸、陶芸、写真など区民らによる作品が会場いっぱいに展示されたほか、ミニライブやバザー、ビンゴ大会、福引などが多彩に催され、訪れた家族連れなどで終日にぎわった=写真。
展示コーナーには一般の作品のほか、保育園児や小・中学生による書道や絵も多数展示され、会場のあちこちで「なかなか大したもんだ」などと作品の出来栄えに感心する声が上がっていた。
バザーコーナーでは衣料品や日用品、野菜などが格安値で販売され、来場者は先を競って何点も買い求めていた。 -
飯小タイムでの活動を発表
飯島町の飯島小学校は14日、体育館で「飯小タイム(クラブ)」の発表会を行い、3-6年生まで児童290人や、地域講師らを前に、作品披露や活動内容を発表した。
「飯小タイム」には4-6年生が参加。バドミントンや演劇、花とともだち、囲碁・将棋、習字・絵手紙など運動系3、文化系8の合わせて11クラブ。教諭や多くの地域講師が指導に当り、5月から全10回、20時間活動してきた。
このうち、バドミントンクラブは、ネットを張り、練習の様子や模擬試合を展開し「初めは全然、打てなかったが、サーブもうまくなりました」と、活動成果を披露した。
演劇クラブは「来月11日に文化館でクリスマスキャロルを上演します。ぜひ見に来て」と公演をPRした。
リースやフラワーアレンジなど作品を手に登場した「花とともだち」クラブは、「花の名前を覚えたり、リースやフラワーアレンジを作ったりと、楽しい活動ができた」と笑顔を見せた。 -
拾い集めたギンナンを販売
宮田村宮田中学校の自律学級「若草」「若梅」の2学級は19日、JA宮田支所の農業祭でギンナンを販売した。汗を流して拾い集めた実を袋詰めにして用意。生徒たちは会場で自ら接客し、買い求める人たちとのふれあいも楽しんだ。
「買ってって」と、会場内をまわり積極的に呼び込みをする女子生徒。「ありがとうございます」と丁寧にあいさつし、購入した客にお釣りを渡す男子の姿もあった。
「たくさんの人が買ってくれてうれしい」と2年の加藤佑介君、1年の薮本貴広君は手放しで喜んだ。
両学級の9人は協力して、中学校校庭のギンナンを拾い集めた。
学級の活動資金にしようと、先日開かれた村の文化祭でも販売。完売する人気で、子どもたちは大きな自信をつけた。
「自分たちが拾ってきたものが形になる喜び。多くの人とのコミュニケーションもできて、本当に良い機会になったと思う」と両学級の相談員は話していた。 -
【南大東島再訪記】広がる子どもの交流〈中〉
伊那西小の太鼓の話に大歓声「このビデオの中には、伊那西小の運動会でやられた南大東をイメージしたダンスや、大東太鼓に負けるなと音楽会で初めてやった太鼓の演奏のシーンがはいっています」
南大東島に伊那のコメを届けた一行の一人斧研つね子さんは、そう言って、伊那西小から託されたビデオを同島の小学生に手渡した。友好米の給食を食べる会の席上だった。
「2年生がね、島の太鼓を聞いて、かっこいいから自分たちもやろうと、初めて挑戦したんですよ」
説明に、島の子どもは「すごい!」「俺たち、やるじゃん」などと言って歓声を上げて喜んだ。
「それでね、2年生は13人いるんだけど、1人は体が不自由で車椅子に乗っているの。でも、その子も一緒に演奏したいって、頭でシンバルを演奏して頑張っています。そこもちゃんと見てあげて」
思いがけない言葉に、島の子どもは水を打ったように静かになり、目を丸くして聞き入った。
「そういう子も一緒の学校に行っているんだね」「その子も一緒に演奏しているってすごいことだよね」……
一緒に給食を食べていた中学生からささやき声が聞こえた。誰からともなく静かに拍手が広がった。
3月に島を訪れた伊那市教育委員の伊藤晴夫さんが、土産にもらったサトウキビを届けたことなどをきっかけにして、伊那西小では学校を挙げて島の子どもとの交流をはかってきた。各学年ごとに、西小を紹介するプレゼントを作り、手紙と一緒に送ったのは初夏のことだった。
「コメ作りのこととか、昆虫の話とか、子どもは大いに興味を持って手紙を読んでいました」と宮城盛夫同島小中学校長は話す。
その後島の小学校から返事が着き、8月に島民が伊那を訪ねた際にも、伊那西小を見学し、何人かの子どもたちが一緒に飯盒すいさんを楽しんだ。
こうした交流の中で、伊那西小の子どもたちは島やそこに住む人々の生活のイメージをふくらませ、創作ダンスや太鼓など新たな試みをはじめた。そして西小からのメッセージは、いままた、南大東の子どもたちに新しい何かを伝えた。
「ねぇ、おばちゃん。南大東小学校のこと、西小にまた伝えてね」。斧研さんらは、いつまでも子どもたちに取り囲まれていた。
(毛賀沢明宏) -
中沢地区文化祭
駒ケ根市の中沢地区文化祭が中沢公民館で20日まで開かれている。館内には書道、手芸、陶芸、絵画、生け花などの作品が数多く展示され、訪れた人は「こりゃ立派なもんだ」などと感心しながら一つ一つの作品をじっくりと眺めていた。
2階研修室では抹茶体験コーナーが設けられ、茶道教室「空木会」の会員らが着物姿で菓子と抹茶を振る舞った=写真。茶を味わった来場者は「ああ緊張した。でもうまかったな」などと笑いながら話し合っていた。
20日は午後1時から芸能発表会が開かれ、小学校合唱団や地元のグループによる歌やおどりなどが披露される。作品展示は午後3時まで。 -
町3区人権学習会
宮田村町3区の人権学習会は16日夜、村民会館で開いた。村公民館と同区分館の主催で、県女性総合センター元所長の建石教子さんが講師。男女共同参画をテーマに話し、約20人を前に日常の人間関係の大切さを説いた。
家庭の具体的な性差別の実例を出しながら、「男だから、女だからという意識ではなく、感謝の気持ちを言い合えるように」と建石さん。お互いに聞きあえる人間関係を築くことが大切とも話した。
村公民館は毎年4地区で、人権全般と男女共同参画の学習会を実施している。 -
4年ぶりの邦楽演奏会
伊那三曲協会(伊藤伶鵬会長)の「第8回邦楽演奏会窶披オ(こと)・三絃・尺八」が19日、伊那市生涯学習センターであった。協会員と門下生延べ240人が出演し、日ごろの成果を披露した。
演奏曲目は「花かげ変奏曲」「春の夜」「夕顔」など12。保育園児から一般までがステージに上がり、曲の解説を交えながら、しっとりと息の合った演奏を見せた。
四章で構成される「さとの四季」には、伊那西高校合唱クラブ約20人も出演。箏、十七絃、尺八の演奏に合わせ、美しい歌声を響かせた。
協会は箏・三味線・尺八の有資格者150人余で構成。演奏会は2年に1度の開催だが、諸行事と重なったことから今回は4年ぶりだった。演奏活動のほか、小中高校での指導、各種イベントへの出演など邦楽の普及に努めている。 -
宮田中で防犯訓練と護身術訓練
不審者侵入に対応する防犯訓練が18日、宮田村の宮田中学校であった。駒ケ根署員4人、伊南防犯女性部員2人の指導で、教職員23人、生徒306人が参加し、緊迫した訓練を行い、有事に備えた。 訓練は不審者が中庭から1階若草学級(井口昌一教諭)に侵入を想定。署員が扮した不審者に対し、井口教諭は冷静に対応する一方で、生徒を避難させ、ほかの教諭への連絡を指示。連絡を受けた教諭らが、非常ベルを鳴らし、警察に通報、生徒を体育館に避難させ、さすまたを持って、応援に駈け付けた。不審者に扮した署員は大声で威かくしたり、棒切れを振り回していたが、校舎の外に押し出され、取り押さえられて終了。侵入から、身柄拘束まで4分30秒だった。
引き続き、体育館で生徒を対象にした護身術講習会を実施。腕をつかまれた時、つかまれた腕を半円を描くように回して外す方法や、相手の腕にぶっつけるように勢いよく並行にする「ひじ寄せ」などのほか、両手でつかまれた時、抱きつかれた時の対処法を実習した。 -
はら美術で梅木草屯能面展
600年引き継がれてきた能面を今に伝える面打ち師・梅木草屯さん(80)の能面展が、23日まで伊那市旭町のはら美術で開かれている。喜怒哀楽を通して生きた人間の魂を打ち込んだ女面や男面など約50点が、訪れた人を圧倒している。
20日に県伊那文化会館である「伊那能」に合わせ、より関心を高めてもらうことを目的としたもの。
同じ種類でも宗家ごと微妙に面持ちは異なっており、面打ち師は、それを忠実に再現しながら技術を引き継いでいく。
同じ女系でも、女性の怨霊・恨みを芸術化した「般若」と、かわいらしさを表現した「小面」では訴えるものが全くことなり、人間の持つ感情が、表情をリアルにしている。
梅木さんは「生きた顔であるかどうか、何かを訴えかけているかどうかを感じてほしい」と話していた。
入場無料。 -
【南大東島再訪記】広がる子どもの交流〈上〉
伊那への児童派遣、村予算に計上へ「今後も、信州・伊那と南大東島の小中学校の交流を継続していくために、村は来年度予算にその経費を計上する方向で検討しています」
水田の無い南大東島の島民に食べてもらおうと、伊那市の有志が作った「友好米」を持参した「伊那コメ娘」一行を前にして、照屋林明南大東村長は、こうあいさつした。3日の村役場へのコメの贈呈式。村長の背後には助役以下村役場の職員全員が並んでいた。
「あぁ、そんなところにまで話が進んできたんだなぁ……」。コメ娘代表の井地千代子さんはつぶやいた。
沖縄県の市町村には、第2次世界大戦で、講和条約が結ばれる前に米軍が行った土地の強制収用などの行為に対する保障として、対米請求権が認められている。基金が設けられ、その果実で市町村などへの事業補助が行われる。以前は、道路整備などのハード面に利用されてきたが、近年は子どもの交流や教育振興の事業に当てられることが多いという。
照屋村長は、その対米請求権事業の1つとして、来年の春か夏、島の子どもの代表を伊那市に派遣する計画があることを明らかにしたのだ。
「信州は、島とまったく自然環境が違う。島では体験できないことを体験し、そこで育つ子どもたちと交流することはとても大切な体験になると思う」。と照屋林伸同村教育長も語った。照屋さんも8月に伊那を訪問した1人。千畳敷カールで島の校歌を歌った時には、「自分自身も何か胸を張る気持ちになった」と笑う。
南大東島はこれまで、100年前の島開拓の時に八丈島出身者が多かったことから、八丈島の小中学校と交流を深めてきた。それはそれで重要なのだが、環境的には似通った地域同士であり、山・川・稲・紅葉・雪・氷……等が見られる地域の子どもとの交流を求めていたのだという。
8月に伊那に来た子どもと久しぶりに話していると、すぐにその友だちが回りに集まり、「水は冷たいの?」「田んぼって足が沈んじゃうの?」「お祭りの音楽花火は毎年見られるの?」と話しかけてきた。「今度は僕たち行けるかなぁ?」。そのうちの一人が言った言葉が印象的だった。 -
奥入瀬渓谷など四季の風景美しく
箕輪町中曽根の洋画家向井敏一洋画個展が18日、伊那市生涯学習センター2階展示ギャラリーで始まった。青森県の奥入瀬渓谷など風景画52点が並ぶ。22日まで。
テーマは「山河の四季を描く」。作品のうち奥入瀬を題材にしたのは14点ほどで、新緑と紅葉の風景が描かれる。奥入瀬は「原始的な川といわれる。年間を通して水量が一定で、川辺に草と木が生えた風景」に引かれ、5・10月に現地へ行ったという。
そのほか、地元の仙丈ケ岳や西駒、冬の白馬連峰など四季折々の近作がそろう。サイズはF6縲・0号。
向井さん(58)は「筆を止めるときが完結ではなく、見ている人に何か伝わるものがあれば」と話している。
開館は午前10時縲恁゚後5時(最終日3時)。入場無料。 -
伊那市富県北福地・はらぺこ保育園
子どもには、里山の中で多くのことを感じながら育ってほしい。こんな保育園、あったらいいね窶煤B母親たちのそんな思いが詰まった「はらぺこ保育園」。森の中にある園舎での生活も、半年を経過した。四季の移ろいと共に、さまざまな表情を見せる里山からは、元気な園児13人の笑い声がいつも聞こえてくる。「先生、こんなもの見つけたよ」「お母さん、楽しいね」。子どもたちは感じたことを全身で表しながら、目を輝かせている。
◇ ◇
全てが手探りからのスタートだった。はらぺこは一方的に預かってもらう場所ではない。母親たちは、園を開始する前に「どんなことをしていきたいか」を保育士の小林成親さんと話し合った。
「命を生かすためのすべを学んでほしい」「『俺は子どものころさんざん山で遊んだぞ』と、言えるように育ってほしい」「何かを創り出す喜びを感じてほしい」、それぞれ表現は異なるが、全ての根幹には「豊かな自然と向き合う中で、健やかに育ってほしい」との願いがあった。作成した“やりたいことリスト”には、山遊び、草木染め、畑づくりなど、が挙がった。
そんな思いに支えられ、活動してきた子どもたちは、親が追いつけないほどのスピードで、自然から多くのものを吸収している。
◇ ◇
はらぺこで変わるのはむしろ母親窶狽ニ話す人もいる。月に2、3度ある「保育当番」は、母親が保育をサポートする日。家庭との両立は大変な面もある。しかし、子どもの成長を間近で知ることができる貴重な時間、自分の子どもと同じくらい愛情を注げる園児たち、自分と子どもを十分理解し、相談に応じてくれる力強い母親仲間・保育士の協力は、悩みや不安さえも吹き飛ばしてくれる。保育・子育ての楽しさや喜びを教えてくれる「はらぺこ」のつながりは、貴重な財産。
◇ ◇
保育士・小林さんは、一人一人の園児と向き合うことを大切にしている。個人差はあれ、子どもは自分で道を発見し、前へ進む力を持っている。だから今の姿を受け入れて待つ。理屈で行動を制限することは簡単だが「どうしてか」を、自身の体験を通して学んでほしい。それは時間のかかることかもしれない。ただ、生きた経験から納得すれば、一生子どもの中に残る。
◇ ◇
母親たちは呼びかける。「小さい子どもと向き合えるのはほんのちょっと。ここはその時間をがっちりと向き合える。気軽に親子で遊びにきませんか」。
◇ ◇
はらぺこは来入児を募集中。入園体験も受け付けている。問い合せは、はらぺこ保育園(TEL76・3341)で平日午後2時縲恁゚後3時に受け付ける。それ以外の時間は(TEL090・1769・4427)伊藤さんへ。
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(伊藤愛子) -
森世紀工房「木の温もりにつつまれるキッチンライフ」展
県産材を利用した木製キッチン家具の肌触りを実感してほしい窶狽ニ、県内の建具職人などでつくる「森世紀工房」は16日から、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで「木の温もりにつつまれるキッチンライフ」と題した展示会を開いている。温かみのある信州産カラマツのダイニングテーブルやいすなど約150点が、来場者を楽しませている。
地域材の利用促進を通じて里山再生を目指す森世紀工房は、県産材の良さを伝える活動に県内外で取り組む。今回は伊那支部を中心とする17人の匠が、既製にはない、職人ならではのキッチン家具や小物を出展。実際に見て触れることで、良さを実感できる。
県内の山林の約半分を占めるカラマツは、腐りにくく、色・木目共に美しいのが特徴。キッチン周りにも適しているという。
伊那支部の有賀恵一幹事長は「木の使い心地、触り心地を直接感じてほしい」と話している。
入場無料。20日まで。 -
秋の叙勲で受章の3人喜びの報告
秋の叙勲で受章した駒ケ根市の麻野幸好さん(81)=旭日双光章、専門工事業振興功労=、高坂保さん(76)=瑞宝双光章、教育功労=、中坪敏郎さん(74)=旭日双光章、地方自治功労=の3人は16日、市役所に訪れ、中原市長に喜びの報告をした。
麻野さんは「勲章をいただいて初めて、重さを実感した。自分で自分をほめてやりたい心境」。高坂さんは「皇居に参内でき、天皇陛下からお言葉をいただき、家内ともども喜びでいっぱい」。中坪さんは「支援者や地域、議会の同僚、先輩などそれぞれのみなさんのお力添えでいただいた。この気持ちを大切にしたい」と、それぞれ感激の気持ちを伝えた。
中原市長は「産業、教育、地方自治とそれぞれの分野で叙勲の栄に浴されたことは市民にとっても大きな名誉であり、誇り」と祝福した。 -
はらぺこ保育園、たき火を使って竹パンづくり
“自然”とのふれあいから多くのことを学んでほしい窶狽ニ母親ら有志で立ち上げた、伊那市富県北福地の里山にある園舎で活動を続ける保育園「はらぺこ」の園児はこのほど、たき火を使ったパン焼きをした。子どもたちは竹に巻き付けたパンが焼きあがると、満面の笑顔で熱々のパンをほうばった。
たき火を使ってお祭りのようなことをしたい窶狽ニ、竹にパン生地を巻きつけて焼く「竹パンづくり」に挑戦。竹は敷地内の竹林から子どもたちが切り出し、生地は保護者に提供してもらった。
園児は生地を細長く伸ばし、竹に巻き付けた後、たき火の回りでくるくると生地をあぶった。火の間近で棒を回さなければならないので、その熱さに悪戦苦闘。顔を真っ赤にしながら辛抱強く生地を焼いた。しかし、苦労して焼き上げたパンは格別の様子で、ちょっと焦げた部分も「おいしい」と言って残さず食べた。
普段から火を使うことも多い園児たちは、実体験を通して扱い方を学んでいる。下の子が、上の子のやり方を見て学ぶことも多いという。
現在、来年度入園児を募集中。関心のある人は見学もできる。
問い合せは同園(TEL76・3341)平日午後2時縲恁゚後3時受け付け。それ以外の時間は(TEL090・1769・4427)伊藤さんへ。 -
赤穂中美術館で授業
15日、駒ケ根市の赤穂中学校3年生16人が美術の選択授業を同市の高原美術館で行った。生徒らは学芸員の解説で館内の展示作品の鑑賞をした後、それぞれ「秋」をテーマに抽象画作品の制作に取り組み、描き上げた作品を互いに発表して副館長の松井君子さんの講評を受けた=写真。
生徒らは画用紙に向かってしばらく考え込んで構想を固めると、思い思いの秋のイメージを色と形で表現しようと懸命に絵筆を動かした。30分で仕上げなければならないとあって忙しい制作となったが、時間内に全員が作品を仕上げた。
描き上げたばかりの絵を手にした生徒らは自らの作品について「落ち葉をイメージしました」「夏が終わった寂しさや落ち着きを表現しました」などと説明。松井副館長はそれぞれの作品について「デリケートな秋のイメージが良く表現されている」「音楽を感じさせるとても良くできた作品」などと丁寧に講評を加えた。 -
中沢小で炭出し
駒ケ根市の中沢小学校で同校PTAらがこの夏から製作に取り組み、10月に完成した新・炭焼き窯での第1回の炭焼きが無事に終わり16日、児童らが焼き上がった炭を窯から取り出した。
狭い窯口から1人ずつ中に入った児童らは真っ黒に焼き上がった炭を一つ一つ丁寧につかんでは箕(み)に入れ、いっぱいになるとうれしそうに持ち出していた=写真。焼き上がった炭はその場で早速ダンボール箱に詰められ、PTAや市民らに販売される。新しい窯の製作の指導に当たった宮下秀春さん(71)は「窯の癖がつかめない1回目としてはかなり良い炭だ」と上々の出来に満足そうな表情を見せていた。
新しい窯は内部の奥行き2メートル、最大幅1・6メートル、高さ1・5メートル。周囲は土と耐火レンガで固め、外壁にはヒノキの丸太を使うなど、小学校には珍しい本格的な造り。同校の炭焼きは総合的な学習の時間などを利用して児童らが毎年行なっている。炭を売った収益金は卒業記念品や図書「炭焼き文庫」の購入などに充てられる。 -
宮田小でAET授業
宮田村の宮田小学校で16日、赤穂高校で英語指導助手(AET)を務めるイアン・フリーマンさん(21)が英語授業を行なった。希望があった1年から6年までの4学級で行ない、子どもたちはイアンさんと交流を深めながら英語の楽しさにふれた。
1年4組では、イアンさんが動物の絵を描いて、子どもたちが英語で答えるゲーム感覚で授業が進んだ。
象や魚、ヘビや、ウサギ・・・。イアンさんの描く可愛らしいイラストに子どもたちは夢中になり「エレファント」「フィッシュ」などと元気に回答。
見事に正解した子どもたちは人気アニメ「となりのトトロ」のスタンプをもらい大喜びしていた。
イアンさんは「日本語はとっても難しい」と話し、母国イギリスについても紹介。
授業が終わると、みんなで「SeeYou(また会いましょう)」と別れを惜しみ、イアンさんは握手攻め。短い時間だったが、心の交流もあった。
授業のほか6年3組で昼食を一緒にとり、交流クラブとふれあう時間もあった。 -
上伊那社会教育関係者懇談会
上伊那市町村教育委員会連絡協議会などは15日、伊那市駅前ビル「いなっせ」で上伊那社会教育関係者懇談会を開いた。市町村の社会教育担当者ら約120人が参加。さまざまな分野で活動する人の事例発表などを通して、地域ぐるみで子育て支援に取り組む重要性を認識した。
社会教育への理解を深めることが目的。「地域における『子ども』『親』『子育て』について語り合おう」と、シンポジウムや分科会をした。
シンポジウムは、公民館、学校、市役所、地域の社会団体で社会教育に携わる4人が子育てのあり方を提言。
伊那市西箕輪の公民館長・城取茂美さんは「今の子どもは、自分でできることも親に頼ってしまうため、昔は家庭で学べたことを学べていない」と報告。今年初めて取り組んだ小学生の通学合宿で、台所に立つ楽しさを実感した子どもの例などを挙げ「何でも親がする」ことを考え直す必要がある窶狽ニした。
駒ケ根市赤穂中学校の学校カウンセラー有賀和枝さんは、人間関係を楽しむ余裕のない子どもの現状や、不安を抱く親から、子どもが受ける影響の大きさを説明。「家庭を地域の中でサポートし、子どものよりどころを家庭以外にもつくってあげることで、立ち直りのチャンスが何度でもあることを伝えていくことが大切」とした。 -
宮田村中央保育園の七五三
宮田村中央保育園の園児125人は15日、七五三を祝い、近くの姫宮神社を参拝した。千とせ飴もなめて、夢や希望を祈った。
保育士が「健康で長生きできるようにってお祈りするのが七五三なんだよ」と説明。園児は神妙な面持ちで手をあわせた。
「僕はもっと強くなれますようにってお願いしたんだ」と男の子。お待ちかねの千とせ飴に全員大喜びで、伝統の行事に親しんでいた。 -
才能教育研究会バイオリン指導者
青木千枝子さんスズキ・メソードで知られる故鈴木鎮一さん(世界的バイオリン奏者・指導者)の教えをどうしても受けたくて高校卒業後、松本市内に下宿して師事。幼いころからの念願をかなえた。
「鈴木先生は大声を出したり、厳しくしかるようなことは決してなかった。温かく見守りながら上達を待っているような、思っていた通りの優しい人でした」
3年間、研究生として直接鈴木さんの教えを受けた後、各地で指導者として活躍。現在自宅と伊那市で保育園児から高校生まで約20人を指導している。
「先生に教わったのは、ただ音楽を教えるだけでなく、愛情を育てる窶狽ニいうことでした。音楽を通じて慈愛に満ちた深い人間性を養うことが大切なんです」
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駒ケ根市福岡に教会が運営する保育園があった。ここに入園したことがその後の人生を決めることになる。園ではスズキ・メソードの理念に感銘を受けた牧師夫妻がわざわざ講師を呼び寄せ、園児らにバイオリンを教えていた。
「バイオリンは10丁くらいあったかな。園児が交代で練習し、施設などに慰問に行って弾いたりしていました。園では子どもたちの弾くバイオリンの音が聞こえ、昼寝の時間にも静かなクラシック音楽が流れていた窶煤B温かくて夢のような素晴らしい保育園でした」
卒園後も両親に頼んでバイオリンを弾き続けたが、一時バイオリンをやめようと思ったこともある。中学生の時、バスケットボール部に入部し、家に帰って来てもくたくたに疲れ切っていてバイオリンの練習ができない状態が続いたことから「両方は無理だと思い、先生に『やめさせてください』と言ったんです。でも1カ月後に『やっぱり続けたい』窶煤Bバイオリンのない生活はもう考えられなくなっていたんですね」。バスケットもやめることなくずっと続けた。
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「バイオリンは簡単な楽器ではありません。それだけに、毎日練習することで忍耐力や集中力、計画性が養われるんです。生徒が家で練習してきたかどうか、曲を弾かなくても調弦の段階で分かりますよ。毎日弾かないと楽器は鳴ってくれませんからね」
「物心ついたころから大好きだった音楽の道を歩くことができて本当に恵まれていると思います。でもそれ以上に、音楽を通じて子どもたちの教育にかかわっていられることに本当に幸せを感じているんです」
(白鳥文男) -
人権・男女共同参画講演会
箕輪町教育委員会主催の人権・男女共同参画講演会は12日、木下公民館であった。伊那市西箕輪公民館の城取茂美館長が替え歌などを交えて講演し、町民85人が熱心に聞いた。女性団体連絡協議会、パートナーシップみのわ共催。
演題は「ちょっと耳をかたむけて-これからのわたしとあなたさがし-」。城取館長は、「愛の心、やさしさをじわりじわりと世の中に広めたい」と語った。
7年連続で自殺者が年間3万人を超える自殺大国日本について、「心のきずなのつながった先生、家族、友、同僚はいなかったのか。一人ひとりが利己主義的になっているように思えてならない。人に対するやさしさ、思いやりがもっと世の中に広まってくれるといい」と話した。
家庭崩壊が進む現状に触れ、家庭の大切さを指摘。「お金をかけて教育しているからいい子に育つのではない。今はあまりにもお金に頼りすぎている」とし、子どもの心に響くことに▽親子一緒に苦労し共に労働する▽忙しい台所仕事をしながら口ずさむ母の歌▽父との会話や働く姿に接する-ことを挙げた。
町女性団体連絡協議会による寸劇「住みたいね こんな街に」の上演もあった。