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宮田村の名物丼がコンビニ弁当に
宮田村の名物丼がコンビニ弁当に‐。コンビニ大手のサークルKは、宮田村に誕生した名物丼を弁当として製品化し、秋にも県内の120店舗で販売を予定する。名物丼の開発、販促に取り組む村商工会青年部などの関係者は「さらに多くの人に知ってもらい、味わってもらう良い機会」と期待を寄せている。
地元の名物料理の商品化を積極的に進めるサークルK。同社の弁当を生産するジャパンフレッシュが宮田村内に工場があることも重なり、今年3月の発売前から話題を呼んだ名物丼に着目した。
名物丼は村の特産山ぶどうワインを用いることを基本ルールに、販売する村内の飲食店12店がそれぞれ個性を活かして独自の味に仕上げている。
「そのあたりで味の選定に迷いましたが、キノコ、鶏肉を使い基本的な味にしようと開発を進めています」とサークルKバイヤーの清水重秋さん。もちろん、山ぶどうワインを使うことも忘れない。
村商工会青年部を交えて数回の試食も。試作品も絞りこまれ、味などの調整は順調にきている。
7月に村内で開かれるリンゴオーナー契約会では、参加家族を対象に事前予約制でプレ販売も予定。アンケートもとりながら、さらに商品としての開発を進める考え。
秋の本格販売は2週間限定の予定だが「我々の希望も盛り込んでもらい、非常に楽しみ」と村商工会青年部の小田切等部長は話す。 -
名水地ビール災害乗り越えて「梅が里麦酒」7月発売
豪雨災害乗り越えて名水地ビール今年も‐。宮田村の住民有志でつくる村おこし実行委員会は、村内の酒販店と協力して「梅が里麦酒(ビール)」を7月6日に発売する。昨年まで2年間は「伊勢滝の風」の銘柄で村内の山中にある同滝近くの湧き水を原料に用いたが、昨年7月の豪雨災害で取水困難に。しかし「定着してきた特産ビールを絶やすまい」と、村の伝説にちなみ誕生した梅公園(新田区)の湧き水を新たに用いて、再出発する。
9日は現地で採水祭を開き、関係者約20人が出席。梅伝説で交流のある奈良県五條市御霊(ごりょう)神社の藤井治宮司を招いて神事を行った。
村内に醸造所がある南信州ビールに製造委託。1000リットルを製造し、330ミリリットル瓶で3千本を村内酒販店6店のみで限定発売する。
中央アルプスの山麓にある梅公園の地下から湧出する水は「硬さもあり、ビール原料に適している」と同醸造所の竹平考輝さん。
ドイツ風ホップを用いて、今までの同社製品にないキレのあるタイプに仕上るという。
名水地ビールの火付け役となった「伊勢滝の風」。最初に立案した酒販店活性化委員会の細田健一委員長は「今年はどうなるかと考えていたが、また多くの人に飲んでもらえる」と新製品を歓迎。
水と梅をキーワードに村の活性化に取り組んできた村おこし実行委員会の平沢英夫会長、田中一男副委員長は「活動の集大成。素晴らしいビールになるはず」と期待を寄せた。 -
KOA地域社会報告会
KOA(本社=伊那市、向山孝一社長)の地域社会報告会・感謝祭が9日、箕輪町の同社上伊那生産拠点「パインパーク」であった。向山社長が企業経営の考え方などを話したほか、KOAグループの社員らが手づくり屋台を並べ、集まった株主や社員、家族ら約1200人に五平もちや焼きそばなどを無料で振る舞った=写真。
向山社長は報告会で、株主、お客様、社員・家族、地域社会、地球の5つの主体を掲げて講話。それぞれの間に信頼関係を築くことが経営の使命竏窒ニ主張した。また、社員と家族の健康促進、地域を流れる天竜川などの自然環境保全、技術者支援などの幅広い活動についても紹介した。
松林の敷地内では、KOAの水田や果樹園で栽培した米やリンゴを使った五平もち、ジュースなどの屋台約20店を出店。社員から集めたタオル、陶器、バッグなどがそろったバザー、子供たちの人気を集めた木工教室や電子工作などのブースもあった。
敷地内には特設ステージを設置し、社員でつくるバンド「KOMS(コムス)」の演奏、ゴンベエワールドによるアートバルーンのステージ発表などでにぎわった。 -
ローメンの日
伊那市のローメンズクラブは「ローメンの日」の4日、加盟する31店で通常価格を400円に下げて提供した。地元をはじめ、県内外からローメンファンが詰めかけた。
名物料理ローメンは、蒸しためんに、マトン、キャベツなどを入れたもので、客は酢やニンニク、ソースなどでそれぞれ自分の好みに合わせて味付けて食べた。
秋田県や愛知県、東京都などから来たツーリンググループはローメンを目当てに来伊。スープ風と焼きそば風の2店舗を食べ比べた。「めんが独特。変わった味だが、ニンニクを入れたりすると、味が変わる」と平らげた。
50年ほど前からローメンを食べているという諏訪市の福沢千秋さんは「やみつきになる味。上伊那に住んでいたときは、3日に1度は食べていた」と話した。
先月11日、ローメンを考案した「万里」社長の伊藤和弌さんが死去。「万里」の有賀金一店主は「社長が築いた味を落とさず、守っていきたい」と気持ちを新たにした。
ローメンは55(昭和30)年に誕生。店によって味が異なり、根強いファンを持つ。
「ローメンの日」は「蒸(6)し(4)めん」のごろ合わせから設定。10周年を記念し、食べた人に100円の割引券を配った。 -
駒ケ根市に企業進出 契約調印
駒ケ根市土地開発公社(理事長・中原正純市長)は所有する同市南割の南原工業団地の用地(約2340平方メートル)を、同地に進出する精密モーターなどを製造、販売するハーモニック・ドライブ・システムズ(本社東京都、熊谷信生社長)に3540万円で売却する契約を交わした。1日、熊谷社長ら4人が市役所を訪れ、契約書を取り交わした=写真。中原市長は「ほかの候補地がある中での決断に感謝する。立地の波及効果は駒ケ根市だけでなく、近隣地域にも広がっていくと期待している」、熊谷社長は「当社の理念の一つに・ス地域への貢献・スがある。これから仕事を始めるこの地でもこの理念を生かしていきたい」と述べた。今年中に述べ床面積約千平方メートルの平屋建て工場を建設し、モーターの開発、試作、生産を行う計画。今後3年間で10縲・5人の新規雇用を予定している。同社は70年10月設立。資本金6億6680万円。05年度売上高(連結)は144億円。従業員数270人(同)。
市は工業団地等分譲促進補助として売買予定価格の1割、約400万円を土地開発公社に助成するほか公社健全化策として、土地の簿価と売買予定価格の差額の2分の1、約300万円を一般会計から補てんする。
南原工業団地は86年に分譲を開始して以来7事業所が立地し、今回の契約により全区画完売となった。市は新たな誘致先として下平工業団地の計画を進めている。 -
宮田ビジネス学院、県伊那技専の訓練事業受託
宮田村商工会(前林善一会長)が運営する宮田ビジネス学院は1日、県伊那技術専門校が行う求職者対象の訓練事業を受託し、ITビジネス応用力養成コースを開講した。同様の国の事業を2004年から受託するなど、指導力に定評ある同学院。初めての県の事業受託に「今後も地域経済の発展のために人材教育に力を注いでいきたい」と話す。
国の緊急雇用対策を受け、県の技術専門校が離転職者の再就職を促すため、外部に訓練事業を委託するようになってから3年。
伊那技専では今年、ヘルパー養成講座を行う別の民間教育機関と、一般を対象にしたビジネス、パソコン教育に力を注ぐ宮田ビジネス学院を委託先に選んだ。
「全国的にも評価される実績があり、職業紹介にも力を入れている。地域密着型で期待している」と同校の石川秀延校長。
同学院の責任者でもある商工会の湯沢健二さんは「我々の人材教育が認められたことはうれしい限り。商工会は商工業の発展が目的。それには地域の人材のレベルアップは必要不可欠」と話す。
同コースには11人の女性が受講。8月末まで計372時間の訓練を積み、パソコン、簿記各検定3級の取得などを目指し、スキルアップを図る。 -
子どもたちにものづくりへ興味を持ってもらう機会に
県テクノ財団伊那テクノバレー地域センターは6月、子ども科学工作教室「ソーラーカーをつくって走らせよう!」を初めて開く。子どもたちにものづくりや科学に興味を持ってもらうねらい。
同センターは、事業テーマの一つに、人材育成を掲げていることから企画。上伊那の製造業を中心とする企業が協力する。
教室は6月23日午前10時縲恁゚後3時、伊那市西箕輪の伊那技術形成センターで開く。
ソーラーカー(太陽光線のエネルギーを電気に変換して動く自動車)を組み立てながら、ソーラーカーはどうやって動くのか、どのように発電をしているのかなどを学ぶ。
対象は小学校4年生以上で、定員は40人。受講料は2千円(キット代)。持ち物は昼食、水筒、筆記用具など。
締め切りは6月4日。
希望者は、申し込み用紙に氏名、住所など必要事項を記入し、ファクス、または郵送で申し込む。
問い合わせ・申し込みは〒399竏・501 伊那市西箕輪2415竏・ 伊那技術形成センター(TEL76・5668、ファクス73・9023)へ。 -
手打ちめんと食事処「藤よし」の店主、吉川定さん(67
手打ちめんや吉川さんが自ら釣った絶品「アマゴの釜飯」が売りの「藤よし」、オープンから6年目を迎える。「おいしい物はだれが食べてもおいしい。おいしい物を食べてもらう努力をおしまない」。
下伊那郡下久堅に生まれ。中学卒業後「うどんやにならないか」と誘われ、名古屋市のうどんやに弟子入り。22歳で独立、名古屋大学近くに手打ちうどんの店を出した。「20歳で出店したかったが、親方から今出られては困ると言われ、2年後、のれん分けしてもらった」。
間口1間半、丸いす5つという小さな店だったが、すうどんとかき氷でもうけ、店を大きくしようと、呼続に移転し、結婚した。1978年、大型店に出店したり、小牧や春日井にも支店を出すなど事業を拡大し、食堂経営のほか、生麺、乾麺など麺類各種を販売した。冷凍麺も発売し好評だったが「こしはあるが、味がない」と気がつき、販売を中止した。製粉メーカーのホウトクと共同開発したそうめんやうどんが人気を呼び、爆発的に売れたとか。
最盛期には年越しそばを1トンも打ったことがあった。「藤よしの麺類はおいしいけれど高い」とも言われたが「品物に自信を持っていたから、安売りしようとは思わなかった」。
しかし、ストレスで目を悪くし、製麺業を若い甥に譲り、食堂1本にした。そのころから釣りを始め、体重も増え、目も良くなった。釣りをすることで、自然やふるさとに目が向くようになったという。
01年6月、「自営業にも定年退職があってもいい」と、さっさと店を売リ払い「七久保は景色もいいし、飯田市や名古屋市が近く、交通の便もよい」と親せきの紹介で、単身飯島町七久保に移り、広域農道沿いの食事処「藤よし」は12月オープンした。
人気メニューはうどん定食(うどんとコロッケ、中ライス)きしめん定食(きしめんとコロッケ、中ライス)、鍋焼きうどん、冷麦、手打ちそば。ざる中華など各種麺類のほか、山菜の天ぷら、アマゴの釜飯、アマゴの唐揚げ-など。
ソバ粉は八ケ岳の石うすで引いたものを使い、うどん粉にもこだわる。「原料にこだわる、妥協しない。おいしい物はだれで食べてもおいしい」。
アマゴは店主自ら伊那谷の渓流で釣った天然物と、店の裏の養魚池で、甲殻類の餌を与えて飼育した、食味のいい養殖のアマゴを提供している。
客から要望があれば、よく釣れる穴場にも案内する。
イワナは20センチ以下、アマゴは15センチ以下は釣り上げても放す。「木曽もよく釣れる。木曽は木がいい、山がいい。山がやせると、川もやせる、海もやせてしまう。川を見ることで、自然の状態が分かり、自然に学び、自然への敬虔な気持ちが生まれる」と話す。
定休日・木曜日、営業時間午前11時30分から、詳細は藤よし(TEL86・6765)(大口国江) -
日発運輸の新たな営業所が宮田村に竣工
日発運輸(本社・横浜市)が宮田村北割区の広域農道沿いに建設を進めていた伊那営業所が完成し30日、竣工式が現地で開かれた。近隣で6つの自動車部品工場を展開する親会社の日本発条の材料、製品が当初の主な取り扱い。駒ケ根市内に分散していた物流機能を集約する役割を果たし、合理化を図る。
2カ所に分散していた物流機能を集約し移転。従業員20人もそのまま移る。
同村内にある日本発条伊那工場の至近距離に位置。同工場が余分な在庫を持たないように合理的な物流体制を支援する。
朝6時から深夜まで大型トラックの定期便が出入りし、1日40便ほど。月間取り扱い量は部品だけで約800トンを見込む。
敷地は1万890平方メートル。材料と製品の保管、積み込みと3区分した棟続きの倉庫を備えた。
一帯は優良農地として保護されてきた地域だが、中央道伊那、駒ケ根両インターへの接続も良く、産業振興面などから村も関わって誘致した。
この日は日発運輸、日本発条両社の幹部、村関係者らが出席して神事、式典を行った。 -
駒ケ根市の南原工業団地に企業立地へ
駒ケ根市は28日、駒ケ根市土地開発公社が所有する同市南割、南原工業団地の約2340平方メートルの用地に新たに精密機械を製造、販売するハーモニック・ドライブ・システムズ(本社東京都、熊谷信生社長)が進出することを明らかにした。調印は6月1日に市役所で行われる。
同社は同工業団地で操業するウィンベルと資本提携していることなどから、同地への進出を決めた。中原正純市長は、地域への波及効果を含めて期待している竏窒ニ話している。
同工業団地は総面積3万7830平方メートル。86年に分譲を開始し、現在7事業所が操業中で、今回の契約により全区画完売となる。
同社は70年10月設立。資本金6億6680万円。05年度売上高(連結)は144億円。従業員数270人(同)。 -
【漆芸作家 竹内義浩さん】
東京都日野市出身。日本画に魅せられ、美術大を目指したが果たせずにいた20歳のころ、共通する美しさを伝統的な漆工芸品に感じて漆芸作家を志した。
「修行するならやっぱり木曽だ」と現地の作家や工房などを訪ねて頼み込んだが「弟子は取らない」「雇えない」と断られ続けた。一時はあきらめかけたが、職安で木製品・家具製造会社を紹介されて何とか就職。だが仕事は机、いす、たんすなどの家具や建築材の加工ばかりで、漆塗りにはほとんど手を出させてもらえなかった。1年ほどたったある日、香川県に漆芸研究所があることをテレビで知り、矢も盾もたまらずに出願して合格。ようやく漆の世界の一角に手をかけた。
「うれしくて夢中でした。初めての世界だったのでただ必死だったが、教えるというより作品を作らせながら指導するという実践的な方針のおかげで、今振り返ってみても、ああこういうことだったのか竏窒ニ思い当たることが多い」
3年間で基礎的な技法を習得。再び木曽の会社に戻り、学んだ技を生かして仕事に励んだ。5年間働いたが「このままでいいのか」との思いは消えなかった。
「目指すものが違う気がした。会社の中での仕事しかないことが物足りないというか…。自分でやりたいという気持ちが抑えられなかったんです」
04年、妻の実家にも近い駒ケ根に一戸建て住宅を手に入れ、念願の工房を開いた。特に気に入ったのは土蔵があることだった。漆塗りにはほこりが大敵だ。蔵は独立していて密閉性が高い上、温度と湿気の保持にも良いことから仕事場として最適なのだという。
もう一つの大きな理由は、近くでウルシの木を育てられる自然の豊かさだ。工房の庭で育てている数十本の苗木を3年ほどたって山に移植すると、10年後には樹液が取れるまでに成長するはずだ。
「塗りは人によって全然違う。自分なりの作品を仕上げるためには自分で漆を取り、気に入ったものに精製して使いたい。それには自分で育てた木の方がいいから」
◇ ◇
漆芸には時間と手間がかかる。作品によっても違うが工程は60縲・00にもなるため、一つの品を仕上げるのに半年はかかる。多量に制作するのは難しい。
「もっとたくさん作りたい思いはあるが、今は実用品も、美術展に出品する創作品も一つひとつ心をこめて丁寧に作りたい。漆だけでなく、ほかの自然素材を使った作品にもこだわりたい」
一方で古い漆製品の修理も手掛けている。
「昔の仕事には丁寧なものが多い。とても参考になります」
「漆のことをもっと知りたい」と、日本有数の漆産地、岩手県二戸市の浄法寺町に6月から半年間赴き・ス漆掻(か)き・スと呼ばれる樹液の採取の修行をする。
「職人の後継者育成のために募集する研修で、年に2人しか採用しない。貴重な機会なので頑張って技を学んできたい」
(白鳥文男)
問い合わせは竹内工芸研究所(TEL83・4543)へ。 -
伊那市事業所・社員親ぼくソフトボール大会
伊那商工会議所、伊那市主催の第39回伊那市事業所・社員親ぼくソフトボール大会は27日、伊那市営球場など3会場で開いた。19チームがトーナメントで戦い、伊那バスグループが優勝した。
事業所に働く社員がスポーツを通じて仲間の親ぼくを深め、日常生活をより楽しく豊かにし職場の能率向上を図るねらい。
女性3人以上を含むチーム編成で、親ぼく大会ではあるがベンチから激も飛び、熱の入った試合を繰り広げた。
結果は次の通り(敬称略)。
(1)伊那バスグループ(2)ルビコンエンジニアリングB(3)ニチロフィルターズ、IJKドランカーズ
▽最優秀選手賞=佐々木華代(伊那バスグループ)▽敢闘賞=向山ひろみ(ルビコンエンジニアリングB) -
宮田観光開発4期連続の赤字
宮田観光ホテルなど経営する宮田村の第三セクター宮田観光開発(社長・清水靖夫村長)は27日、2007年3月期決算を株主総会で発表。当期損失1550万円を計上し、4期連続の赤字となった。売上高は前期比10・2%減の3億2600万円。人件費を1千万円減らすなど固定費の削減に努めたが、7月豪雨災害による客数減や経営改善に向けたコンサルタント会社との契約費用などが影響。改善の効果は出ているとして、08年3月期は黒字への転換を図る。
主力の観光ホテルは売上高が前期比9・8%減。燃料高騰によりこまゆき荘も5・5%減らした。
豪雨災害により学校集団登山の中止など影響をまともに受けた中央アルプス3つの山荘の売上は、14・2%の大幅減。
当期損失を補うため利益準備金1050万円は全額取り崩した。
懸案の長期債務は計画通りに返済し、当期だけで3千万円ほどを償還。残高は4億6千万円となった。
役員人事は3月31日付で清水忠夫副社長が退職。200万円の退職金と、コンサルタント会社との契約費用総額930万円のうち470万円を当期に計上した。
同社はソフト面の改革を断行。社員が担当の職場以外もこなすなど、コンサルタントも入れて業務改善を図っている。
ディナーショーの開催や宴会食事の見直しなど、地元ニーズの掘り起しにも着手。学校の合宿利用などを積極的に呼び込む営業活動も強化する。
こまゆき荘は、入浴料を現状で維持。ホテルよりも安い宿泊をアピールするなど、サービス充実で対応する。
株主総会では、多額に及ぶコンサルタント費用や今後の経営見通しなどが質問にあがったが、清水社長、小田切英夫副社長は「数字を示すなかで経営方針を明らかにしていく」とした。 -
宮田村商工会青年部の春日さんが県大会でも優勝
県商工会青年部連合会の主張発表大会は25日に松本市内のホテルで開き、南信代表として出場した宮田村商工会青年部の春日真一さん(35)が堂々とした発表で優勝。9月11日に東京都内である関東大会に県代表として出場する。
春日さんは村商工会青年部が取り組む村の名物丼について発表。10分間の主張では原稿を全く見ることなく、地域活性のために丼に寄せる青年部員みんなの想いを代弁した。
「南信予選では早口になってしまったので、ゆっくり話してより内容を伝えるように心がけた」と春日さん。県内他地区の精鋭を抑え、見事に栄冠を勝ち取った。
審査員は「話しに引き込まれた。丼に取り組む体験が体に染み付いているから、原稿を見ずに発表できるのだと思う。素晴らしい」と絶賛。
同青年部は04、05年にも連続して県大会で優勝。小田切等部長は「予選に比べ格段に良くなっており、関東でも優勝を狙える。3度目の正直で全国を目指してほしい」とエールを贈る。
会場には青年部員扮するどんぶりレンジャーも駆けつけ、発表を力強くサポート。
春日さんは「仲間の声援あってこその優勝。審査員から指摘された分かりやすく伝える点に留意し、関東大会に臨みたい」と話した。 -
労働条件など実態調査結果上伊那地区概況
南信労政事務所はこのほど、06年に実施した労働条件などの実態調査結果上伊那地区概況を公表した。
調査対象は建設、製造、運輸、卸・小売、飲食店、金融・保険、サービスの各業種に属する常用労働者5人以上の民間事業所のうち、一定の方法で抽出した766事業所で、期日は06年7月31日現在(労働日数、労働時間数、賃金は06年7月1日縲・月31日の1カ月間)。雇用形態や年齢、勤続年数な平均月間賃金額、06年4月分初任給額など調査したところ、38パーセントに当たる291事業所(労働者数5580人)から回答を得た。
それによると、上伊那の推計労働者数は3万5386人。産業別では製造業が2万904人、建設業の5479、サービス業の4957人となっており、製造業従事者が全体の59パーセントを占めている。
年齢別では男女とも50代の労働者が最も多く、次いで40歳代、30歳代となっている。
平均月間労働日数は県平均より0・6日少ない21・2日。会社規模が大きいほど労働日数が少なくなる傾向にある。
所定内実労働時間は163・9時間と県平均の167・2時間を下回っているが、最も長い製造業は180・1時間となっている。逆に最も短いのはサービス業の165時間。
平均月間賃金は県平均より9539円高い31万7905円。男女別では男性が35万9797円、女性が22万698円で男性の賃金は県平均を上回る一方、女性は県平均を6701円下回っている。産業別では金融・保険業の平均月間賃金額が最も高く37万6367円、次いで建設業の33万7158円となっている。
パートタイム労働者の平均年齢は48・7歳で女性労働者の55・7パーセントを占める。平均月間所定内労働時間数は一般労働者より35・4時間少ない128・5時間、賃金額は11万7109円。
06年4月の新規学卒者平均初任給額は男性で高校卒、大学卒(事務系)、女性で高校卒、高専短大卒がそれぞれ県平均を下回った。また、07年4月分の見込み額では男性大学卒(事務系)が県平均を下回っているが、ほかは県平均を上回っている。 -
伊那食品衛生協会が通常総会と表彰
伊那食品衛生協会(御子柴誠一会長)は21日、伊那市狐島の上伊那農協本所で通常総会と食品衛生関係表彰式を開いた。
総会では、食品検査の完全実施や事故防止啓発などを盛り込んだ事業計画を承認。表彰式では14個人、37施設を表彰するとともに、協会前副会長の松崎剛平さん(アンデルセン、駒ケ根市)に感謝状を贈った。
表彰は次の通り(敬称略)。
▽食品衛生功労者=永田賢司(永田商店、辰野町)土居紀代志(龍寿司、伊那市)平沢信夫(義経、同)畑好子(高遠町農産加工組合、同)長尾雅博(みどりや菓子店、駒ヶ根市)近藤幸(来居頂、飯島町)
▽食品衛生優良推進員=小澤康宏(味香月堂、辰野町)桑沢賢一(沢製麺、箕輪町)井田邦久(田園、南箕輪村)伊藤祐一(こやぶ竹声庵、伊那市)阿部睦夫(久良運、同)宇佐美光司(ホテルやまぶき、駒ケ根市)下平勇(中華料理きよし、同)伊東澄男(虹のホール伊那、伊那市)
▽食品衛生優秀施設=米玉堂食品(福島忠信、辰野町)花菱(大内郁子、箕輪町)木曽権兵衛(岩原集、伊那市)割烹青龍(畑谷紘市、同)千登勢菓子店(伊藤隆淑、同)ふるさとの味いいじま(山田治男、飯島町)Aコープこまがね店(宮下勝義、駒ケ根市)
▽食品衛生優良施設=かやぶきの館・そばおやきコーナー(矢ケ崎克彦、辰野町)三河屋(今井和子、同)鮨辰(伊澤秀之、同)リストランテミラノ(大森雄二、同)KOA・S・A・Wウイング(浅野勝義、箕輪町)みのわ温泉ながたの湯(平澤豊満、同)いざよい(堀田勝義、伊那市)ホテルルートイン伊那(永山勝利、同)あかはね(福澤照夫、南箕輪村)つたい・おぐろがわくだり(熊田正三、伊那市)ハナマルキ伊那工場(花岡俊夫、同)ラーメンはるちゃん(春日康之、同)居酒屋でごいち(松崎勢都子、同)魚庵(小沢隆志、同)とうり路(油谷正子、同)ラ・ピーヌ(中村恵津子、同)四方路(北原ひろみ、同)ラーメン大学伊那店(北野善一、同)ニシザワ高遠店(荒木康雄、同)こまつ家(小松恭二、駒ケ根市)求真フーズ(岩本正男、同)明治亭本店(片田秀明、同)ビストロぶんぶん(小林静生、同)日本創健(舘内宗雄、同)ハチ食品(正見縉一郎、同)道の駅花の里食堂みよし(森岡宏祐、飯島町)大成(田中忠雄、同)すずしろ(三澤芳秀、伊那市)すずらんハウス(宮下勝義、駒ケ根市)JA駒ケ根ファームス(同) -
伊那市桜写真コンテスト2007で向山世男さんの作品が最優秀賞
伊那市内の桜のPRを目的として開催した「伊那市桜写真コンテスト2007」の審査会が24日、伊那商工会館であり、応募総数304点の中から向山世男さん(伊那市)の作品「南アルプスの遠望」が最優秀賞に選ばれた。
同コンテストは全国有数の桜の名所・高遠町が伊那市となったことを受けて伊那商工会議所が今年初めて企画。高遠町だけでなく、市内にある隠れた桜の名所を再発見・PRする目的で募集したところ、市内を中心に県内各地や愛知、大阪などからの応募もあった。
審査には商工会議所関係者、写真家、桜守など6人が参加。有名な桜の名所で撮影したものから、誰も知らないような穴場で撮影したものまでさまざまな作品が並んだが、桜の咲く春日公園の高台から望む残雪の南アルプスを写した向山さんの作品が最優秀賞となった。
審査員を務めた写真家の津野祐次さんは「質の高い写真が多かった。最優秀賞に選ばれた作品は『ここへ行ってみたいな』と思わせる」と話していた。
入賞作品は観光パンフレットなどで使用されることとなる。
入賞者は次のみなさん。
◇最優秀賞=向山世男(伊那市)
◇優秀賞=白鳥由利(伊那市)春日芳人(駒ヶ根市)
◇特選=鈴木修、唐木武徳、山口昭久、クラタヒデオ(以上伊那市)熊井好男(塩尻市)
◇入選=春日良治、平林守雄、野溝文武、蜷川靖子、板山誠、久保村由人、北原秀男、久保田昌宏、長田文夫、矢沢学、春日政人、穴沢辰幸、西村一樹、伊東扶、赤羽信一、酒井幸一、林平一郎、宮原良一、牛山理、竹平源次、田中美咲(以上伊那市)、宮原秀寿(辰野町)伊藤敏男、加藤平治(以上南箕輪村)酒井芳郎(箕輪町) -
全国菓子組合ハサップ認証8番目、北川製菓の宮田新工場
ドーナツなど製造の北川製菓(駒ケ根市赤穂、北川浩一社長)は24日、宮田村新田区のマウンテンバイク場跡地に新たに建設する宮田工場の地鎮祭を開いた。9月中旬の操業開始を予定するが、全国菓子組合連合会が認証する高度な衛生品質管理システム「HACCP」(ハサップ)で、全国8番目の認証工場となる。本社工場では生産能力も限界に来ており、新たな設備で菓子の量産化を図る。
「昨今は生産能力とともに、品質や衛生管理面も徹底しないと受注は難しい」と北川社長。新工場では原材料から製品になるまでの管理を徹底する。
2階建ての工場の総床面積は1400平方メートル。1時間あたりリングドーナツは本社工場の2倍にあたる1万2800個、焼き菓子は3倍にあたる1万2600個が製造可能な設備を設ける。
本社工場は現状通りに稼動。全国の生協やスーパー、量販店などに出荷し、両工場で年間8億円程度の売り上げを見込む。
また宮田工場の従業員は25人規模で、現地採用も予定する。
工場建設地一帯は駒ケ根高原や村の総合公園などにも近く、観光面の活性化にもつながると、村が同社を誘致した。
地鎮祭の席上、清水靖夫村長は「観光や地域との連携の中で頑張ってほしい」と期待を寄せ、北川社長も「色々な形で社会、地域に貢献していきたい」とあいさつした。
同社は工場見学のほか、3年から5年後をめどに直売施設を設けていく考えも示す。 -
箕輪町商工会総代会
箕輪町商工会(小林紀玄会長)の07年度総代会は22日、町産業会館で開き、07年度事業計画、一般会計収支予算、定款及び運営規約の一部改正などの議案を承認した。
07年度事業計画の概要は▽新規会員の拡大、支部活動や地域商工業者組織、TMO活動の支援により基礎体力の充実を図る▽行政とのパイプを一層強め、町はじめ経済関係団体、関係機関とより緊密な連携を図り、異業種間の交流など密度の濃い活動を展開する▽福利厚生事業や学習など会員の交流の機会を充実し、魅力を感じる活動を展開する-。
主要事業は機械要素技術展出展、諏訪圏工業メッセ出展、ものづくりセミナー、TMO事業(花いっぱい運動、街中インフォメーション整備、七夕祭り、空き店舗対策、イルミネーション)、プレミアム商品券発行、経営実務講習、研修視察、みのわ祭りなど。
役員の補欠選任は、青年部長に小林宏幸さんを選任した。任期は07年5月22日から09年度総代会開催日まで。 -
宮田村商工会青年部の春日さん、主張発表南信予選で優勝
商工会青年部主張発表大会南信地区予選は19日に伊那市で開き、宮田村商工会青年部の春日真一さん(35)が優勝した。同青年部が地域を巻き込み誕生にこぎつけた・ス名物丼・スを題材に発表。南信代表として25日の県大会に出場し、夢に向って取り組むことの素晴らしさを再び伝える。
春日さんは昨年度、宮田村商工会青年部ふるさと創造委員長を務め、名物丼開発の責任者として奔走。
青年部活動について主張発表するこの日の大会では、途方もなく想えた計画が多くの協力で実現していく過程を10分間に凝縮して発表した。
名物丼に寄せる強い想いをそのままぶつけた本番。「言いたいことが一杯ありすぎて。まとめるのに苦労しました」と振り返るが、堂々とした発表は高い評価となった。
同村商工会青年部は2004、05年度の主張発表大会で、2年連続して北関東大会に県代表として出場した実績を持つ。
「先輩2人に追いつく気持ちで県大会も臨む。勝ち進めば主張を聞いてくれる人も自然と増えるので、名物丼をさらに多くの人に伝えていければ」と春日さん。同僚の青年部員も熱い期待を寄せている。 -
南箕輪村商工会総会
南箕輪村商工会(田中秀明会長)は18日、07年度第47回総会を商工会館で開き、07年度事業計画案・予算案、本年度改選の青年部役員の選任などを承認した。
07年度は、05年に設置した「商工会見直し委員会」が2年間にわたって協議し答申した地域活性化のための商工会のあり方、方向付けなどの指針に沿った事業展開を図る計画で、基本方針に▼商工会自立のための改革▼広域連携組織体制の促進▼創業・経営革新支援事業の推進▼会員情報化支援事業▼地域活性化の推進-を掲げる。
小規模事業経営支援事業では、創業支援や雇用創出に係る指導、経営管理の指導、技術向上や新事業分野開拓などのための情報提供など。地域総合振興事業では商工業・建設業の振興事業に加え、大芝高原まつりの参加協力、信州大芝高原イルミネーションフェスティバルへの参加協力、南箕輪村花いっぱい推進協議会活動への参加協力、他団体との交流や研修会の開催など。
青年部役員は部長に滝沢充さん、副部長に海沼敬雄さん。任期は2年。
永年勤続表彰は次の皆さん。
▽55年=北原貞子(長田百貨店)▽25年=唐沢則子(清水製作所)▽15年=井口まゆみ(フジタメタルワーク)▽10年=植木公夫(アルゴル)小林久江、辻智彦、原豊、中村隆俊、田畑篤(以上創研)小松正行(ミヤザワ) -
どろんこサッカーで商工業の活性化へ
伊那商工会議所青年部は7月22日、伊那市長谷の休耕田でどろんこサッカー全国大会「どろカップ2007」を開く。6月1日から、参加する32チームを先着順で募集する。
大会はスポーツを通じ、伊那をPRして商工業の活性化を図るねらい。昨年6月、合併を機に初めて企画し、好評だったため、規模を拡大して開くことにした。南アルプスの世界自然遺産登録に向けた運動を展開していることから、場所は南アの入り口である長谷を選んだ。
どろんこサッカーは水の入った田んぼでプレーするサッカー。競技は予選リーグ、決勝トーナメントで、1試合10分間。仙流荘付近の休耕田に作る縦25メートル、横15メートルのコートで戦う。優勝、仮装大賞などを表彰する。
参加資格は18歳以上。参加費は1チーム5千円。
会場では、高遠町・長谷の物産販売などがある。
再度、来伊してもらえるよう、賞品には特産品や宿泊券の優待券などを用意したいと考えている。
三沢部長は「南・中央アルプスの景観を全国発信することで、集客の増加、工業製品の付加価値アップに努めたい」とし、参加を呼びかける。また、アマチュアカメラマンも多く「伊那を宣伝してもらえるチャンス」ととらえている。
問い合わせ・申し込みは、伊那商工会議所の牧田さん(TEL72・7000)へ。 -
観光ホテルでビアガーデン早くもオープン
気分は夏本番に‐。宮田村新田区の宮田観光ホテルでは早くも屋外のビアガーデンがオープンし、賑わいを見せ始めている。
飯田市の企業の28人が懇親で利用。男性社員は「暖かい飯田でもまだビアガーデンはオープンしていない。今日は会社の山行きで訪れたが、しっかりと飲めて楽しい」と話し、同僚とジョッキを傾けていた。
同ホテルのビアガーデンは恒例で、10月までとシーズンも長い。今季も気温の上昇とともに予約が増えているという。
15人以上の予約制だが、生ビールのほか、日本酒、焼酎、ウィスキー、ソフトドリンクの飲み放題と焼き肉の食べ放題がセットで男性4千円、女性3500円と安心価格で人気も上々。営業時間も昼から午後9時ころまでの間で相談に応じる。
入浴料のサービスやマイクロバスの送迎も。予約、問い合わせは同ホテル83・2134まで。
##写真(たてよこ)
屋外で飲む爽快感はまた格別。早くもビアガーデンがオープンした -
「信州・上伊那経済の開拓者」発刊
・ス伝承遺産・スとして後世に戦後上伊那経済の発展を支えた経営者5人を紹介した書「信州・上伊那経済の開拓者」がこのほど出版された。伊那毎日新聞社が、「信州伊那谷からの挑戦」に続く「いなまい叢書」=経営者編=として企画・発行した。
取り上げている経営者は、故向山一人氏(KOA創業者)池上房男氏(大明化学工業前会長)登内英夫氏(ルビコン会長)荒木茂氏(ニシザワ会長)藤澤今正氏(伊那バス会長)。
昨年6月発行の「信州伊那谷からの挑戦」は上伊那の優れた中小企業経営者約100人を紹介したものだったが、「信州・上伊那経済の開拓者」は、それら元気な中小企業経営者たちの活躍を支える上伊那の経済基盤を築いた地元大手企業の経営者、いわば・ス上伊那経済の牽引者たち・スに的をしぼり、長期にわたるきめ細かな取材で、それぞれの経営哲学、生きざまなどを浮き彫りにしている。
同書によって、戦後上伊那の製造業、商業、運輸サービス業の発展の歴史を知ることが出来、そこに記された5人の先駆者の足跡は貴重な・ス伝承遺産・スとして後世に引き継がれることだろう。
◇ ◇
5人の中で唯一故人の向山氏については、その業績、横顔などをルビコン会長の登内氏が語る形式をとっている。
伊那谷に電子部品産業を興した人竏柱・R氏の、製造業を通じた地域振興への思いは強く・ス伊那谷に太陽を・スを合言葉に「農工一体論」を打ち出した背景などからその確かな意志があらためて分かる。「面倒見の良さ」を物語るエピソードも、向山氏をよく知る登内氏ならではの内容で、興味深い。
池上氏は、「人間尊重の経営哲学」で広く知られ、氏を範とする地元経営者も少なくない。氏の「目的と手段を取り違えないように」などの方針に共感し、品質管理、従業員管理などを手本としている。それらの理念・手法が同書で明らかにされる。
母親の影響、ミツバチに学ぶ危機管理などの逸話も新鮮だ。
コンデンサーの世界企業を一代で築き上げた登内氏。「いつもルビコン河を渡る気概で」と社名のいわれを解説しているくだりでは、年齢を感じさせない若々しいその姿が目に浮かぶようだ。
「貧しい百姓からの脱出」を決心し、勉学と研究に没頭した青春時代。運命を左右する人との出会い。そして、起業。さらには、企業の社会的責任の追及…。地元で広く認められている登内氏の功績の裏には、あまり知られていない紆余曲折の数々があったことも同書で知ることができる。
荒木氏は、伊那市通り町の小さな書店から出発して、伊那谷流通業の中核「ニシザワ」グループを築き上げるまでの道のりを実直に語っている。
「時代を読んだ多角経営」は、地域と社員のためを考えて判断した道だったことなどがあらためて分かる。
教科書を自転車の荷台に積んで売り歩いた20代。徴兵、そしてシベリア抑留。通り町大火による店舗焼失。それらの苦労を控えめに語るところから荒木氏の人間性を測り知ることもできる。
藤澤氏は「独立自尊」の経営方針で伊那バスを地域になくてはならない「足」へと育てた。
モータリゼーションの進展で路線バスの利用が減少すると、持ち前の決断力と行動力で観光・レジャーに着目するなど経営を多角化。さらに、東京・名古屋と伊那谷をつなぐ高速バスを、全国初の試みとなる沿線バス会社の共同運行という形で走らせることに成功した。氏を「戦後の困難な時代を必死で生きた」などと高く評価する各界の声も紹介されている。
路線バスの運転手や車掌が「花形」だった時代のエピソードは楽しい。
向山氏を除く4氏については、それぞれ地元各界を代表する人々が「私から見た○○さん」として分析。各氏を多面的に判断することもでき、面白い。
224ページ。定価1809円(税別)。南信地域の主な書店と伊那毎日新聞社で好評販売中。
問い合わせは伊那毎日新聞社(TEL0265・72・4100)へ。 -
宮田村のティービーエムがものづくり産業応援助成金の認定事業者に
宮田村の金属製品加工会社・ティービーエム(山田益社長)がこのほど、製造業企業などの県内での新増設を助成する「ものづくり産業応援助成金」の認定事業所に選ばれ、16日に知事からの認定通知書が交付されることとなった。
認定事業は伊那市西箕輪の伊那インター工業団地内に建設する伊那工場。投資予定額は16億2400万円となっている。 -
八幡町商店会の新名称は八幡町ロマン通り商店会に決定
八幡町実業団協同組合を解散し、今年2月から新組織をスタートをした伊那市の衣料店や飲食店でつくる八幡町商店会(仮)は11日夜、役員会を開き、新しい組織の名称を「八幡町ロマン通り商店会」(尾崎晃一会長)とすることを決定した。
新しい名称は加盟各店から募集。全部で15点の応募があり、それらを商工会役員などで検討した結果、「昔懐かしいロマンを感じさせる」などといった理由で今回の新名称に決定した。
解散した協同組合は、地元のイベントなどの企画・運営などを事業として取り組んでいたため、新組織でもこれらの事業は継続して行っていく方針を固めており、新組織となって始めてのイベントとなる7月8日の「祇園まつり」では、“ロマン”という時代を連想する当時に流行った「ポン菓子」や「米ゴマ」などを取り入れたイベンを行う。
尾崎会長は「ロマンを探りながら商店で買い物してもらえれば」と話していた。 -
伊那谷の珍味丸ごと・ス丼・スに
宮田村町一区のレストラン・ときわは、鹿肉やハチの子、イナゴなど伊那谷の・ス珍味・スが一度に丸ごと味わえる「伊那郷丼(いなごどん)」を開発。6月下旬から発売する。「世界に誇れる伊那谷の食文化を多くの人に伝えたい」と店主の太田光一さん。与えるインパクト以上に食感のバランスも良く、新たな・スご当地メニュー・スに寄せる期待は大きい。
宮田村では特産の山ぶどうワイン「紫輝」を用いて、飲食店12店が・ス名物丼・スの発売を3月に開始。ときわも参加しているが、太田さんはさらに新たな試みとして、伊那谷ならではの珍味を丸ごと丼の具材にしてみようと思いついた。
鹿肉は「紫輝」を使ったソースで煮るこだわり。ハチの子、イナゴに、コゴミ、ノビルの和え物、コシアブラの天ぷらと山菜もふんだんに盛り合わせた。
コブナ、ザザ虫も用意したが、抵抗を感じる人に配慮して別の小皿で付け合せとして提供。山菜も季節に応じて変更する。
「村の商工会青年部が呼びかけて始まった名物丼がなければ、このような取り組みは生まれなかった。注目を集めることで、地域が少しでも元気になれば」と太田さん。
手間ひまもかかるため毎日10食程度の限定発売となるが「若い人にも味わって欲しい」と話す。 -
道の駅「花の里いいじま」でもちつき大会
飯島町七久保の道の駅「花の里いいじま」は「子どもの日」の5日、子どもたちの健やかな成長を祈ってもちつき大会をした。
午前11時から4回に分け、各5キロをつきあげ、あんこときなこをまぶして、来場者に振舞った。
同駅のスタッフがふかしたもち米にゆでたヨモギを加え、8分通りつきあがったところで、子どもたちにバトンタッチ。「よいっしょ、よいっしょ」の掛け声に合わせ、幼児はお父さんやおかあさんと一緒にきねを振り上げた。 -
南信中小企業労働相談所利用状況
南信労政事務所はこのほど、南信中小企業労働相談所の上伊那管内の利用状況をまとめた。
中小企業労働問題の改善を目的として設置している同相談所は、中小企業労使関係者らの労働問題全般に関する相談に応じ、必要に応じて関係行政機関を紹介するなどしている。
上伊那の06年度利用件数は前年度より15件多い200件。賃金や労働時間、休日休暇などといった労働条件に関する相談が158件で大半を占めており、前年度よりも29件増えた。
産業別に見ると製造業から寄せられた相談が32件と最も多く、全体の28・6パーセントを占めた。続いて卸・小売・飲食店の16件、サービス業の11件となっている。
会社規模では、従業員数30人未満からの相談が最も多く45件。全体の約40パーセントを占めており、依然として小規模企業労働者が職場環境に不満を感じていることがうかがえる。
労使別に見ると労働者からの相談が全体の4分の3を占め86件。使用者からの相談は26件だった。 -
大道芸フェスタ
伊那市の通り町竏駐・M間で「こどもの日」の5日、「2007大道芸フェスタin伊那」があった。会場は歩行者天国となり、子どもたちはアートバルーンなど大道芸を楽しんだ。市商店街活性化イベント委員会主催。
大道芸フェスタには、地元を拠点に活動する歌舞劇団「田楽座」、笛師九兵衛など7組が出演。会場の3カ所で、次々と大道芸が繰り広げられ、大勢の親子連れなどが取り囲んだ。
ジャグリングでは、円筒の上に乗せた板に立って、いくつかのボールを投げ受けする技などが披露され、観客はじっと見守った。成功すると、大きな拍手が沸いた。
各商店街も輪投げやルーレットゲーム、将棋、落書きコーナーなど趣向を凝らした催し物を企画。子どもたちは、夢中になって遊んでいた。