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松くい虫被害の枯損木200本以上に
松くい虫被害を初めて確認した宮田村で、当初の想定よりも被害が拡大していることが分かった。1月末の調査で66本、4月末には166本のマツが被害に遭っていると目視調査で確認。さらに、拡大防止の伐倒処理を進めるうちに、目視では分からなかった枯損木が次々と判明し、最終的には200本以上に及ぶとみられる。
村は、本年度当初予算で松くい虫の被害対策費に40万円を計上。その後、166本の被害が判明し、現在開会中の6月村議会定例会に184万円を追加補正する予算案を提出している。
ただ、その後に判明した被害状況は算入されておらず、今後さらに追加補正することが予想される。
被害は天竜川、太田切川沿いに集中。中越区、大久保区、大田切区の3地区にまたがっている。
確認した枯損木は全て伐倒した後に、薫蒸して処理。ほぼ作業を終えた。
枯損木の処理は県の補助などで村の負担は1割程度で済むが、処理しても安心できず、今後の拡大防止策は悩みのタネ。
村産業建設課は「積極的な樹種転換も考えていかなければ」と話す。 -
南箕輪村のブルーベリー狩り7月8日オープン
南箕輪村内4カ所にあるブルーベリー観光農園で、今年もブルーベリー狩りが計画されている。ブルーベリー観光農園組合(組合員4人、田中実会長)、JA上伊那、村開発公社の運営委員会が14日、農園で今年の出来栄えを調査し、開園の打ち合わせをした。ブルーベリー狩りは2年目で、今年は7月8日(土曜日)に始まり8月上旬まで開く。
ブルーベリーの生育状況は、低温の影響で昨年より三日ほど遅れているが、木が大きくなり実も多くついているので「期待できそう」と関係者。昨年は組合員2人の園のみだったが、今年は4園でもぎ取りができそうだという。
チケット販売は大芝高原味工房、大芝荘のほか、今年は各農園でも扱う。料金は昨年と同じく1時間以内の食べ放題で中学生以上1千円、小学生500円。中学生以上にはパックのお土産付き。入園時間は午前10時縲恁゚後3時。今年は各農園でパックの直売りも予定している。
昨年の入園者数は153人。今年は入園者500人、売上40万円を目指す。 -
青年新規就農者の激励会
地域農業を担う若手農業者を励まそう竏窒ニ15日、今春上伊那で新しく就農した7人を囲んだ激励会が伊那市西箕輪のトマトの木であった。先輩農家や就農を目指して上伊那で農業を勉強している研修生など約50人が集まり、情報交換をしながら交流を深めた。
地域のことをよく知らない新規就農者が、情報交換をしたり、志を同じくする農業者とのつながりをつくるための取り組み。今年はIターン者が最も多く5人。学卒で実家を継いだUターン者もいた。分野は野菜、果樹、畜産、水稲など。
上伊那農業改良普及センターの石原貞治所長は「耕作放棄地は年々増えており、新しい担い手の確保が必要となっている。一方で、就農を目指す若者が増え始めていることも実感している。がんばってほしい」と挨拶。
新規就農者らは「経営を安定させたい」「お客を増やしたい」など、それぞれの夢や将来について語った。
上伊那の新規就農者の定着率は9割前後で、リタイヤ者は少ないという。 -
農業委員会などの協力で宮田小5年2組が大豆栽培に挑戦
宮田村農業委員会と学校給食を考える会の呼びかけで、宮田小学校5年2組(鈴木由美子教諭)が大豆の栽培に挑戦している。13日には、同委員会の指導で町3区の畑に種まき。35人の児童が秋の収獲を夢見ながら、土にまみれた。
農業委員の一部も加わっている考える会は、宮田村産の大豆を加工し、手づくり味噌を学校給食に提供できないかと以前から研究。
ただ、加工製品の提供となると許可などが必要となるため、子どもたち自身に大豆を栽培してもらい、加工も体験してもらえればと計画した。
同委員会振興部会(田中一男部会長)が全面的に協力。この日も6人の委員が参加し、児童に大豆のまき方を教えた。
クラス替えする前の3年生の時に大豆栽培した経験がある子どもたちもいたが、多くは初体験。友人と協力しながら作業していた。
農業委員で学校給食を考える会のメンバーでもある樋屋喜代美さんは「大豆は日本の食事に欠かせないもの。この機会を通じて、子どもたちも、そして私たちも良さを見直したい」と話した。
同学級は大豆がどのような加工製品になるかなどの研究も行っており、今後栽培管理を続けながら、さらに学習を深めていく。 -
梅狩り・梅もぎ体験販売11日まで
箕輪町南部営農組合の梅狩り・梅もぎ体験販売が10日、木下の同組合梅園で始まった。青い梅のさわやかな香り漂う園内は、次々と訪れる客でにぎわっている。11日まで。
自由にもぎ取りできる梅の品種は竜峡小梅。組合によると、今年は5月の日照不足で例年より小粒だが、出来はいいという。
初日は開園の30分前から客が入るほどの盛況ぶりで、地元を中心に近隣町村からも訪れている。木下の女性は、小梅を2キロ、梅干を6キロ漬けるといい、「新鮮でカリカリにできそう」と、枝にびっしりと実った小梅をもいでいた。
午前8時縲恁゚後3時。持ち帰り価格1キロ300円(税込)。予約不要、先着順。持ち帰り用の袋などは持参する。梅漬け、梅干、梅酒、梅ジャムなどのレシピもある。場所は、春日街道の木下原町交差点を西へ400メートルほど進んだ中央道手前。
問い合わせは町営農センター・南部営農組合事務局(TEL090・2637・4230)へ。 -
宮田高原放牧始まる
宮田村の宮田高原で9日、成長して乳牛となる生後1年に満たない雌牛の放牧が始まった。上伊那各地から9頭が運び込まれ、標高1650メートルの涼しい牧草地で夏場の3カ月間を過ごす。
生後6カ月から11カ月のホルスタイン(乳牛)8頭と、繁殖用の黒毛和牛1頭。昨年より7頭減と少し寂しいシーズンとなったが、駒ヶ根市や伊那市、箕輪町、南箕輪村の飼育農家が託した。
村や農協、家畜保健所などが協力し、寄生虫駆除の薬を1頭づつ注射。
その後、約20ヘクタールの広大な牧草地に放たれ、美味しそうにムシャムシャと草を食べる光景がみられた。
同高原牧場は約70年の歴史を誇り、最盛期には30頭以上もの放牧があった。
飼育農家減少だけでなく、放牧しなかったり、遠く北海道の牧場に託すケースなどもあり、牧場経営を採算ベースに乗せるには厳しい状況にある。
一方で同高原はキャンプ場などもあり、観光面などで牧場の存在は無視できず、村産業建設課は「できれば続けていきたいのだが」と話す。 -
箕輪町営農センター運営委員会
箕輪町営農センター(会長・平沢豊満町長)の06年度運営委員会はこのほど町役場で開き、本年度事業計画案、収支予算案などを承認した。
町営農センターは本年度、新たに始まる国の施策に合致した担い手づくり、豊かで特色ある産地づくりを推進し、農業の活性化を目指す。
主な事業計画は▽水田農業を中心とした農業生産法人みのわ(仮称)の設立▽豊かで特色ある産地づくりの推進▽観光と農林業、体験事業の取り組み-など。収支予算は351万9千円。
農業生産法人の設立は、法人組織の事業内容の検討・決定、集落懇談会による農業者への周知を図る。産地づくり推進は、「箕輪ブランド」の農産物生産への検討・推進で水稲省力栽培の実施、焼酎用サツマイモ栽培の支援など各種栽培グループの研究・推進。「地産地消」「食育」の推進で各小学校、保育園への農作物の苗や種など食育教材の供給など。 -
箕輪町地区農政対策委員会総会
箕輪町地区農政対策委員会総会は7日夜、JA上伊那箕輪町支所であり、06年度事業計画案、収支予算案などを承認した。
主な事業計画は、農業振興対策で町営農センターの事業計画との一体的対応、地域営農組織の法人化に向けた対応、先進地視察研修。研修は農業生産法人「みのわ」の取り組みに対応するもので、箕輪町と状況が似ている埼玉県嵐山町「農事組合法人らんざん営農」(04年設立)などを7月に視察する。収支予算は125万2千円。
06年度役員は次の皆さん。
▽委員長=市川隆男(JA地区代表理事)▽副委員長=那須千元(町農業委員会長)日野和司(町議会経済建設委員長)▽常任委員=赤沼英俊(町農業委員会農政部長)井上計治地区(稲作部会箕輪町支部長)藤沢清(果樹部会北部支部長)北原節夫(野菜部会北部支部長)大槻豊(酪農部会長)毛利儀男(農家組合長会長)▽JA役員=荻原省三(JA地区副代表理事)井沢文明、田中豊彦、三浦寿美子(以上JA理事)▽監事=小沢國秀(JA代表監事)唐沢慶夫(農家組合長会副会長) -
農地の荒廃防止と地域活性化をねらった芋焼酎づくり、伊那市で開始
芋焼酎で地域の活性化と農地荒廃防止を図ろう竏窒ニ8日、伊那市西箕輪の農家14人と伊那養護学校高等部の生徒9人が、地区内の遊休農地約45アールに、焼酎用のサツマイモの苗を定植した。サツマイモは、地区オリジナルの芋焼酎として製品化するほか、上伊那8市町村の生産者らで製品化を計画している「伊那八峰」(仮称)の原料にも用いる。発起人の一人、唐澤浩史さん(61)は「一生懸命つくるので、地域の人にもぜひ飲んでほしい」と話している。
担い手の減少、高齢化に伴う遊休農地問題は、西箕輪でも深刻化している。そんな中、同様の問題を解消するために近隣市町村で進めている芋焼酎づくりに着目。地元農家の有志が集まり、準備を進めてきた。
高齢農業者が多いことから、栽培管理にかかる労働負荷は、出来る限り軽減できるように工夫した。ほ場近くにある伊那養護学校からも作業への参加協力を得た。
今年は約1・3ヘクタールに苗2万1千本を植える予定で、2、3トンの収穫を見込んでいる。焼酎用として一般的な「黄金千貫」のほか、焼酎に用いるのは珍しい「紅あずま」も試験的に栽培する。
来年1月ころまでに製品化する予定。 -
大麦の刈り取りが始まる
中川村片桐田島の天竜川右岸に広がる転作田で8日、大麦の収穫作業が始まった。黄金色に実った麦畑で、コンバインが軽快なエンジン音を立てて、刈り取っていく。
大麦は六条大麦系の「ファイバースノウ」が主体。中川村ではアグリカルチャー片桐を中心に約6ヘクタールを作付け。コンバインで収穫した麦は、宮田村のカントリエレベーターで乾燥、うどんなどの食用として出荷される。
上伊那全体では大麦は約129ヘクタール、小麦は196ヘクタール作付けされている。 -
箕輪町水田農業推進協議会
箕輪町水田農業推進協議会(会長・平沢豊満町長)は6日、町役場で開き、06年度事業計画案、予算案などを承認した。
06年度の米の生産調整手法は、新たに完全無農薬無化学肥料栽培水稲を取り入れる。20%が転作の対象となるもので(1)JAS法に基づく有機栽培米(2)環境にやさしい農産物表示認定制度による無農薬・無化学肥料栽培米(3)特別栽培農産物の表示ガイドラインによる無農薬・無化学肥料栽培米-の3つが対象。(3)の確認者は箕輪町有機農業研究会に委任する。
ソバ栽培は、国産ソバの需要拡大に伴い本年度は夏ソバ栽培面積が昨年度の倍以上の7ヘクタールになり、同協議会で乾燥機を購入する。品質向上のため種子更新を徹底。JA営農資材店舗で購入した種子代金に町から2分の1以内の補助がある。
町の水稲作付実施水田面積は、加工米を含む限度面積4万3811・70アール、計画面積4万2114・50アールで目標達成率は96・13%。 -
麦秋、大麦の刈り取り
中川村片桐田島の天竜川右岸に広がる転作田で大麦の収穫作業が8日から始まった。黄金色に実った麦畑で、コンバインが軽快なエンジン音を立てて、刈り取っていく=写真。
大麦は六条大麦系の「ファイバースノウ」が主体。中川村ではアグリカルチャー片桐を中心に約6ヘクタールを作付け。コンバインで収穫した麦は、宮田村のカントリエレベーターで乾燥、うどんなどの食用として出荷される。
上伊那全体では大麦は約129ヘクタール、小麦は196ヘクタール作付けされている。 -
伊那市有害鳥獣対策協議会総会
伊那市有害鳥獣対策協議会(小坂樫男会長)は5日、伊那市役所で総会を開いた。旧伊那市の協議会を解散し、新伊那市の対策協議会を発足。06年度事業計画を承認した。
3地区で確認した昨年度の鳥獣被害想定額は約4千万円。一昨年度より約300万円減少した。
想定被害額が約3400万円だった伊那地区は、カラス、ドバトなどによる鳥害が占める割合が高く、約1500万円。中でもカラスは、一昨年より1・5倍多い約1500羽を駆除したが、被害額は増加した。
鳥害がほとんどない高遠地区、長谷地区は、獣類の被害が中心。サル、シカの被害が大幅に減少した高遠地区の被害は460万円と減少。長谷地区は、イノシシ、サル、シカによる被害が増加。想定被害額も昨年より約10万円増え、約150万円となった。
本年度は、各地区ごとで駆除班を編成し、計画に基づく駆除を進める。また、情報収集や状況分析、一般への広報活動などを行い、被害防止に努めていく。 -
アグリネーチャーは出産ラッシュ
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飯島町上の原のアグリーネーチャーいいじまは今春、出産ラッシュ。4月初めにサフォークが全身真っ黒の雄2頭を出産。続いて、トラネコの「ミーちゃん」が縞模様の5匹を産んだ。2匹はもらわれたが、残る3匹は里親募集中。
5月中旬にはポニーの「アイちゃん」が雌を出産。「メイちゃん」と名付けられ、お母さん馬の後について、一緒に草を食み、一緒におしっこもする。
かわいい盛りの「メイちゃん」に哀れ、ナンバーワンアイドルの座を奪われたのが、日本で1頭しかいないといわれている「テキサスロングホール(牛)」の「トニー君」。
昨年6月、生後3カ月で、同施設の動物たちに仲間入り。豹柄で名の通り、角が長いのが特徴。1歳になった現在、自慢の角も伸びて、つぶらな瞳で「かわいさ」アピール。 -
入笠牧場で入牧
丈夫な乳牛の育成や、畜産農家の労力軽減などを目的とした夏場の放牧が6日、伊那市高遠町の入笠牧場で始まり、標高1655メートル、約305ヘクタールの草地に、ホルスタインや黒毛和牛など約40頭を放牧した=写真。最終的には約160頭を放牧する予定。牛たちは秋までの約4カ月をここで過ごす。
寒い時期が続いた今年は、5月に入っても残雪があったため、例年より1週間ほど入牧が遅れた。放牧を希望したのは上伊那、飯田地域の農家42件。作業には、牧場を管理する上伊那農業協同組合(JA上伊那)の職員や、行政担当者など約30人が参加した。
体重測定や駆虫剤の投与をした牛は、種付けをする「まき牛」と、そうでない「一般牛」とに分けて放牧。中には、急な斜面を登れずに座り込んでしまう牛もいたが、担当者は「こうした牛も最後には、人間では捕まえられないくらいになる」と話していた。 -
降ヒョウ被害の中川村でリンゴオーナー開園式
先月末の降ヒョウで果樹に被害を受けた中川村で4日、リンゴオーナーの開園式があった。中京、関東方面などからオーナー家族約100組、300人が訪れたが、被害があった受け入れ農園は状況を説明。複雑な想いを抱えながらも、オーナーを温かく出迎えた。
被害が最も大きかった片桐地区前沢洞一帯に広がるリンゴ園。ある園主は、ヒョウによって傷ついた実を示しながら「これでも良かったら契約して」と、オーナー家族に理解を求めた。
愛知県稲沢市の川口知子さんは、孫に収獲を体験させたいと今年初めてオーナーに参加。家族7人で来村し「自然のことだから運、不運もあると思う。多少の傷があっても収穫が楽しみ」と話した。
一方で園主のひとりは「オーナーの皆さんには説明して理解してもらえる部分もあるが、出荷するのは難しい」と、複雑な心境を明かした。
「味は良いのに、こんなに傷ついては市場で売れない。高齢になって果樹しか収入がないのに、どうやって生活していったらよいのか」と表情が曇った。
受け入れ農園は昨年並みの24園、契約本数は338本。関係者によると、被害状況を見たうえでの契約キャンセルなどは現在までに出ていないという。 -
小梅の収穫が最盛期
小梅の産地、中川村では収穫作業が最盛期を迎えた。
大草下平の井沢章さん(79)の梅園では、孫の篤紀君(小学6年)暢君(小学4年)も手伝い家族総出で、「吉村」「竜峡小梅」の収穫作業に精を出している。
作業は通称「こいのぼり」と呼ばれる作業袋を枝に縛り付け、小梅をもぎ取り、「こいのぼり」に入れて運び、選別、出荷する。
井沢さんは30本余り栽培し、約800キロを収穫する。
「今年のなりは平年並、雹(ひょう)害も少なく、まずまずの品質」と話していた。 -
南箕輪村水田農業推進協議会総会
南箕輪村水田農業推進協議会は31日夜、06年度総会を村役場で開き、事業計画や収支予算案などを承認した。
06年度産地づくり対策事業の新事業は産地形成促進事業で村の振興作物の苗代助成。振興作物はアスパラ、白ネギ、カリフラワー、ブロッコリー、スイートコーン、ブルーベリー。50%を上限に苗・種子代を助成する。環境保全対策事業で土作り支援と景観形成作物作付助成も新規に取り組む。土作りは、ペースト肥料1袋価格30%を上限に補助。ペースト肥料を直接土壌に注入することで慣行肥料を減量し、環境負荷を軽減する。景観形成作物はレンゲ、コスモス、ヒマワリ。10アールあたり2万円助成する。
本年度水稲生産計画状況は、水田面積4万4613・7アール、作付け計画(減収考慮)は2万6840・6アール、作付け(実面積)は2万6914・1アール。
唐木一直会長は、「農業をとりまく環境は大変厳しいが、少しでも元気がでるよう皆さんのお力をお借りしたい」とあいさつした。 -
あすなろ会牛放牧で遊休農地復活を
伊那市高遠町藤沢の荒町住民有志でつくる「あすなろ会」(秋山靖樹会長、23人)は2日、地元の遊休荒廃地に黒毛和牛2頭を放した。
農業従業者の老齢化などで生じた遊休農地の復活を目指し、3年目。初年は県などから補助を受け、逃亡防止、シカやイノシシによる食害防止のために電気さくを設置。2年目は牛の日除け小屋を設けた。
今年は箕輪町の酪農家から借り受けた牛を3・5ヘクタールの荒廃地に放した。9月中旬ころに下牧させる。昨年に続いて牛が草を食べた後の8月初旬に、農地の一画1・5ヘクタールを利用して、ソバの種をまき、収穫の一部を地元住民で味わい、残りを農協に出荷する予定という。新たに、マコモダケの栽培にも挑戦する。
秋山会長は「一定の効果は得られ、除々に農地はよみがえってきている」と手ごたえを感じている一方で、「農地を利用してくれる農業者が声をあげてくれるかどうか」と課題をあげた。
この日は近くの高遠第2・3保育園の年中児11人が見学に訪れ、大きな牛を目にして喜んでいた。 -
バラの出荷最盛期に
飯島町岩間の岩間バラ温室組合(小林均組合長)では「父の日」や「ジュンブライド」に向け、出荷が最盛期を迎えた。1週間に約2万5千本が東京や大阪、神戸などに出荷されている。
「父の日」需要は、黄色が圧倒的に人気があり、ブライダルは白を基本に、ピンク系、オレンジ系のほか、グリーン、ベージュなど特殊な色も人気とか。
同組合はガラス温室10棟を含め、4000坪余のほ場で、夏場を中心に、年間130万本を出荷。色はピンク系が5割、オレンジ系2割、白、黄各1割、残りは緑、ベージュ、復色、スプレータイプ。今年の新品種は透き通ったピンクの「マイガール」、シックな薄紫色の「オーシャンソング」、ピンクの縁取りがかわいい「ドルチェ・ピーター」など8種類。
小林組合長は「今年は陽気が遅れたが、父の日には出荷最盛期になりそう」と話していた。 -
行平なべ・おかゆポット贈呈
JA上伊那と上伊那農政対策委員会は、米の消費拡大を願い恒例の「上伊那食卓“愛の運動”」で、上伊那8市町村に行平なべとおかゆポット、お米券を贈る。1日は箕輪町と辰野町に贈呈し、8日までに残り6市町村に配る。
昨年はおかゆポットを贈ったが、一昨年まで贈呈していた行平なべの要望もあったため、本年度は各市町村の希望に沿って2種類を贈る。本年度の贈呈総数は行平なべ115個、おかゆポット1059個、お米券1865枚。
箕輪町には、市川隆男代表理事、荻原省三副代表理事、JA職員の計4人が訪れ、平沢豊満町長に行平なべなどを手渡した。平沢町長は「離乳食におかゆを炊く人が増え、重宝している人も多い。有効に使わせていただく」と感謝した。
町は、離乳食が生後5カ月ころから始まるため4カ月健診の会場で第1子に行平なべ、またはおかゆポットのどちらか、希望者にお米券を配る。 -
小梅の出荷始まる
中川村田島のJA上伊那中川梅選果場で1日から、小梅の選果、出荷作業が始まった。前年よりも5日遅れで、初日は同村葛島の7軒が450キロ余を持ち込んだ。
梅は早生(わせ)系で大粒の「吉村」、小梅の代表品種「竜峡小梅」。梅は選別機でLから6Lに分けられ、10キロずつ箱詰めされ、名古屋市に向けて出荷された。
小梅の出荷ピークは中旬ころ。27日までに伊南地区160軒の農家が約80トンを出荷する。L、2L級は漬物用として加工工場に、3L以上が青果として、店頭に並ぶ。
隣接のたじまファームでも取りたてを1キロ550円前後で販売している。
JA上伊那果実課の堀内隆文さんは「今年はなりにばらつきがあったが、価格も品質も平年並」と話していた。 -
ミレット復活事業開始
健康効果が見直される中、市場価値・需要が高まる雑穀(ミレット)の栽培を復活させ、中山間地の振興を図ろう竏窒ニ1日、信州大学農学部の井上直人教授と、食を通じた豊かな地域づくりを目指すNPO法人・南アルプス食と暮らしの研究舎による「ミレット復活事業」がはじまった。この日は、長野県の周辺で栽培されている雑穀など19種の苗を伊那市長谷のほ場に移植=写真。今後は、地元農家が中心となって、この地に最も適した育種を選定するほか、シンポジウムなどの開催により地元への啓蒙活動を展開していく。在来種の復活を目指す事業は、全国的にも初めてだという。
作業に参加したのは井上教授のゼミ生やNPOのメンバー、地元農家など約20人。
30年来雑穀の研究に取り組んでいる井上教授は、これまでも雑穀の有用性を訴えてきたが、マイナスイメージの強い田舎ではなかなか普及しなかった。しかし、都会などで関心が高まる中、地域でも関心を示す人が現れ、今回事業化することとなった。共に事業を進める吉田洋介さんは、長谷の道の駅でレストラン「野のもの」を経営しており、収穫した雑穀を使ったメニューの開発も進めてく予定でいる。
ミレットは痩せた土地でも育ち、農薬を使用しないため環境負荷も少ない。また、栽培方法の改良により労働負担を軽減することも可能になるという。
井上教授は「地元財産を復活させ、へき地から雑穀の有用性を発信していきたい」と語る。 -
駒ケ岳と宮田高原キャンプ場の開山式
中央アルプス駒ケ岳と宮田高原キャンプ場の開山式は1日、山々を一望できる宮田村新田区の村文化会館で開いた。村観光協会の主催。駒ケ岳の残雪が例年にない多さで影響も懸念されるが、シーズンの安全と客増加などを祈願した。
雪融けが1カ月ほど遅いという駒ケ岳と、新緑の宮田高原を眼前にして神事を挙行。
宮田太鼓の5人が演奏を披露し、勇壮な音色でシーズン到来を祝った。
駒ケ岳の宮田側の入山者は年間8縲・万人ほど。7月6日からは上下伊那を中心に中学校21校、3000人余りの生徒が集団登山するなど、夏から初秋に登山客が集中する。
しかし今年は残雪が多く、関係者は「集団登山も含め、影響があるかも」と気を揉む。
標高約1650メートルの宮田高原は、9日に放牧が開始。キャンプ場は基本的に7月から9月末まで営業し、同協会は今季も例年とほぼ同じ1500人ほどの利用を見込んでいる。
同協会長の清水靖夫村長は「村の観光は雄大な自然とふれあえる点がポイント。多くの人が安全に楽しめるよう、整備も進めていく」とあいさつした。 -
南信農業共済組合総会
南信農業共済組合(小坂樫男組合長)は30日、伊那市駅前ビル・いなっせで第8回通常総代会を開いた。約180人が出席し、05年度事業の報告を受け、06年度事業計画を承認した。
昨年度の引受総共済金額は4963億円余。必須事業は前年より約1・4%減の163億円となったが、建物、農機具の任意共済が約0・1%増の4800億円となり、総額自体はほぼ前年並みとなった。
一方、災害に伴う支払共済金は合併以来最も少ない5億3800万円余となった。
本年度事業としては、農機具修理などにかかる費用を支払う農機具損害共済を新たにスタートする。農機具の修理費などを負担する共済はこれまでもあったが、積み立て型で掛け金が高く設定されていたため、掛け捨てで掛け金を低く設定した新しい共済を設け、多くの人が加入しやすい状態を整えた。
加入は7月から受け付けていく。 -
JA上伊那の代表理事組合長に宮下勝義さんが就任
任期満了に伴い29日付で役付役員が退任した上伊那農業協同組合(JA上伊那)は30日、理事会を開き、駒ヶ根市中沢の宮下勝義氏(65)を、新しい代表理事組合長として承認した=写真。
宮下組合長は「環境変化にスピーディーに対応できる組織作りに挑戦し、組合員の期待にこたえられるようにしていきたい」として(1)国の新しい方針に対応した担い手、集落営農組織づくり(2)安心、安全に配慮した販売、生産強化(3)女性のJA事業参加促進竏窒ネどに取り組む方針を明らかにした。
宮下組合長は1959年に中沢農協に就職。その8年後、長野県経済連に就職し、関連会社の社長職を務めた01年、退職した。03年5月にJA上伊那の理事に就任し、1期3年を務めた。
任期は3年後の総代会まで。
そのほかの役付役員は次の通り(敬称略)。
◇役付理事▼代表理事専務理事=三澤芳秀▼常務理事=瀬戸義成、春日州一、下島公平
◇役付監事▼代表幹事=小澤國秀▼副代表幹事=牧田弘▼常務監事=白鳥洋司 -
農事組合法人みのわ設立発起人会
担い手対策と品目横断的経営安定対策に対応する農事組合法人「みのわ」の第1回設立発起人会が26日夜、箕輪町役場であった。12月4日の設立を目指し今後の検討事項や日程などを確認した。
発起人会は町内の5営農組合からそれぞれ推薦された50人で構成。代表に柴正人さん(木下)、副代表に日野国章さん(松島)を選出。副代表は3人で残り2人は農業委員会とJA上伊那理事から各1人を後日選出する。
今後、月1回の設立発起人会、8月と11月に集落懇談会などを開き、法人設立趣意書の作成、事業方針や事業計画の検討、出資金額の決定、収支計画書の検討、法人の名称決定などに取り組むことを確認した。
設立当初から組合員として加入を考える対象者は▽経営安定対策の対象者で交付を受けたい人▽品目横断的対策の対象者▽農地を管理委託したい人▽コンバインで「水稲・そば・大豆・麦」の収穫作業を委託する人▽ライスセンターを利用する人▽オペレーターとして活動したい人▽農地の利用調整を共々に行う認定農業者-。
農事組合法人「みのわ」の定款素案を示し名称、出資、役員、会計など今後検討が必要な項目を確認。役員会で協議した案を再度発起人会に示すことを決めた。 -
JA上伊那総代会
上伊那農業協同組合(JA上伊那)第10回通常総代会が29日、伊那市狐島の本所であった。約350人が出席。任期満了に伴い、征矢福二代表理事組合長が29日付で退任し、新しい理事者39人を選任した。
1期3年務めた征矢前組合長は70歳。役員推薦会議で、理事者は70歳未満とすることを申し合わせている。新組合長は、30日にある役員協議会で投票し、新理事者39人の中から選任する。
組合員の減少傾向が続く中、本年度(1)作付面積や家畜の頭羽数に応じて徴収していた経営基礎割賦課金を廃止(2)准組合員の賦課額の減額竏窒ノ取り組み、一般の人が組合に加入しやすい環境づくりに努める。賦課金制度廃止で減額となる6900万円は、JA事業の中から捻出していく。
JA上伊那が継承した駒ヶ根市の旧龍水社跡地で環境基準を超えるトリクロロエチレンが検出された問題については、敷地内500平方メートルの土壌が汚染されていることが判明。売主責任として、1億4千万円をかけて土壌浄化を進める。作業は早急するとし、6月には始める予定。 -
われら、かかし隊発隊
汗して収獲の喜びや伝統行事にふれる、宮田村公民館の新たな親子体験講座「われら、かかし隊」が27日、7組約30人が参加して発隊した。秋の収獲期まで農作業に挑戦。さっそく田植えと野菜の苗や種を植えた。
町3区の遊休地を借りて耕作。土や泥にまみれて、親子一緒に苗や種を植えた。
ナス、トマト、キュウリのほか大豆や枝豆、黒ごままで栽培。
10種類ほどに及ぶが、夏野菜で盆飾りをつくったり、十五夜のおそなえなど、季節の行事を取り入れながら、味わい、楽しんでいく。
収獲を早くも夢見ながら、この日はにぎやかに作業。「早く大きくなあれ」と水やりする親子の姿もあった。
次回6月10日は、かかしづくりに挑戦する。 -
機械の管理利用体制整備など難題も鋭意検討へ
宮田村営農組合(原田博安組合長、709戸)は25日夜、1月末の設立以来、初の総代会を開いた。予算案、事業計画案などを承認。既存の作業受託グループを育成支援して法人化も目指すなど、担い手対策を強化。生き残りをかけて作業効率化、コスト低減を目指し、保有機械の管理利用体制、作業受託料金統一化などの課題にも継続して取り組む。
全村共同保有のコンバインを除き、トラクター、田植え機などは各地区の集団耕作組合が利用管理。
そのため地区ごとに作業料金も違い、1反歩当たり数千円の差が発生している。
村営農組合ができたが、今まで通りコンバインを除いた機械は各地区が管理。料金の統一もなされていない。
本来ならば各地区限定の機械利用を転換し、他地区と共同利用にすれば、効率運営にもつながる。
保有台数の削減も可能になり、コストの低減にもつながると考えられるが「財産問題などもからみ、簡単にはいかない」と組合事務局の農協職員は話す。
また、各地区の垣根を超えて共同保有しているコンバインだが、修理費が予想以上にかかっている実情も。
「自分たちの機械ではないという意識が働くと、管理も荒くなってしまう側面もあるのでは」とある関係者は指摘する。
今までも議論され、作業受託経営の効率化に向けて意見が分かれる部分となっているが、組合事務局は「最良の方法を検討していく」と説明する。