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南箕輪村で人事評価制度研修
南箕輪村は26日、06年度4月1日から導入する人事評価制度の職員研修を始めた。27日までの2日間で、職員145人が研修を受ける。
人事評価制度は、職員の勤務成績を評価し、その結果を職員の能力開発・活用に役立て、給与や勤勉手当など処遇に反映させることで、公正な人事管理をする。
村は昨年の夏から、コンサルタントとともに検討し制度を作った。
評価区分は▽成果▽習熟能力▽習得能力▽意欲・態度-。評価時期は前期、後期に分け年2回。職員一人ひとりが目標を設定し、それに対して評価する。
加藤久樹助役は、「人が人を評価するのは難しく大変なことだが、制度を取り入れていかないといけない」とし、公正な目で正しく評価すること、評価する側とされる側が同レベルの認識を持つ必要性を話した。 -
06年度コモンズ支援金募集
県は、地域の特色を生かして地域課題の解決を目指す活動を助成する「コモンズ支援金」の06年度補助事業の募集をしている。
対象は地域の活性化に貢献する活動に取り組む団体(県内に事務所を持つ)の事業で、(1)一定の理由(該当事業にかかる補助制度がないなど)で活動拠点がある市町村の補助が受けられない(2)複数の市町村が構成員となる広域的事業で、代表市町村による申請が困難竏窒ネどの場合に該当するもの。
産業経済団体、文化事業団体、福祉関係団体、NPOなど、法人格を持たない団体も対象となる。対象事業は地域の活性化に貢献するもので、分野は問わない。
応募は必要書類(3部必要)を、団体の活動拠点がある市役所、町村役場の企画担当課に提出する。
応募後は、上伊那地方事務所による事業概要のヒアリングが3月2、3日にある。
問い合わせは上伊那地方事務所総務課企画振興ユニット(TEL76・6801)へ。 -
【特集 権兵衛開通】15万7千人の苦闘(2)
98年10月着工した伊那側からの工事は、1年後の99年10月、トンネル掘削の最先端である切り羽の大崩落に見舞われた。砕けた粘板岩が水とともに噴出した。幸い人身事故にはならなかったが、2カ月半の間、工事停止に追い込まれた。
「坑口からわずか310メートルの所。全長4・5キロのトンネルは普通3年位で掘れる。1年間でこれしか進めなかったことが工事の難しさを示している」と石原幸宏飯田国道事務所建設監督官は語る。
事態は深刻だった。粘板岩の硬い地層で地下水も多くないという予測の下に、トンネル本坑を直接掘り進む工事を始めたが、これでは手も足も出ないことが厳然と突きつけられたのだ。
急きょ、トンネル施工法検討委員会が設立され、水抜き坑掘削を先導させる方式に、工事計画自体を変えた。異例の事態だった。
水抜き坑とは、本坑に並行して、常に少し前を掘り進める径の小さな水抜き用トンネルのこと。先に水抜き坑を掘れば、出水地帯では水の流れが変り、本坑が掘りやすくなるという。
本坑の掘削方法自体も変えた。本坑は、掘削機ジャンボドリルで掘り進めたら、1メートル間隔でH鋼をはめ込み、その間に金網をかぶせてコンクリートを吹き付けるナトム工法で掘り進められていた。
だが、掘削工事の最先端部分の壁面が崩れやすいことから、フォアパイという支えになるような特殊の資材を、掘り進む岩盤の前方上部に先に埋め込んでいく補助工法も取り入れた。
一般にトンネル工事では、鏡ボルトという崩落防止用資材を先に埋め込んで、それごと岩盤を掘削する工法が用いられている。掘り進んだらH鋼をはめ込み、そのH鋼から放射状にロックボルトという岩盤強化のための資材が埋め込まれる。だが、あまりに崩れやすい地質だったがゆえに、さらにフォアパイ工法を付加したというわけだ。
だが、中央アルプスは、人々の前になお立ちはだかった。(続く)=毛賀沢明宏= -
一般質問対面方式の採用を大筋で確認
6月定例会ころの実施に向けて調整へ宮田村議会は25日に全員協議会を開き、定例会一般質問で議員と理事者らが向き合って質疑する「対面方式」の採用を大筋で確認。議会運営協議会は細部を煮詰め、6月定例会ころの導入に向けて調整を図ることになった。
対面方式を導入した場合、通告していた内容を一括で質疑する従来の形式も変更。項目ごと、3回まで質疑できる。将来的には一問一答で行ないたい考えも持っている。
一部議員からは形にこだわるよりも質問の中味を問う意見もあったが、多くの議員は「対面方式、項目ごとの質問のほうが、傍聴者にとっても分かりやすい」と判断。質問の質的向上も図れると考え、対面方式に大半が合意した。
山浦議長は「議員全員合意のうえでやらなければならない事項。慎重に進めたい。(議場施設の変更もあり)3月議会は難しいが、早くて6月議会で実施できれば」と話した。 -
教育委員長が村議会で初の施政方針演説へ
宮田村議会3月定例会で、春日親夫教育委員長が施政方針演説する運びになった。村長以外の演説は同村議会史上初めてといい、県内でも珍しい。
園児や児童、生徒を取り巻く環境、教育問題は急激に変化しており、今後の宮田教育のあり方について意見を聞きたいと、山浦正弘議長が招聘(しょうへい)した。春日委員長も快諾しているという。
昨年、下水内郡栄村議会で教育委員長が施政方針演説して話題になったが、県内で首長以外が演説する例はあまりない。
山浦議長は「知らないことが聞けたと、栄村でも住民の反響が大きかったと聞く。個人的にも特区や英語教育などの考え方を聞きたい」と話している。 -
権兵衛トンネル通行証明書を発行
国道361号権兵衛峠・姥神峠トンネル開削促進規制同盟会は2月4日、木曽と伊那を結ぶ権兵衛トンネルの開通に合わせ、通行証明書を発行する。木曽側・伊那側で各20人で、配布方法は調整中。
証明書はB5サイズ。「伊那地域と木曽地域の新たな夜明けとなる権兵衛トンネルを通行したことを証します」と記される。通行した順に1縲・0の番号がふられ、それぞれトンネル出入り口の写真を載せた。
伊那側は、記念品として市のイメージキャラクター「イーナちゃん」グッズも渡す。 -
旧庁舎跡地の広場・駐車場 愛称を募集
伊那市は2月1縲・0日、多目的広場と駐車場として整備を進めている旧庁舎跡地の愛称を募集する。「中心市街地にある広場としてふさわしく、親しまれる愛称を」と呼びかけている。
市報「いな」2月号や学校などを通じて広報し、作品を募る。応募資格に制限はなく、1人で複数の応募ができる。
希望者は愛称のほか、住所、氏名、電話番号など必要事項を記入して、市役所総務課庶務係に申し込む。
応募作品は、市役所内の選考会で決め、市報やホームページなどで発表。作品の採用者、優秀作品者には記念品を贈る。
旧庁舎は、通り町1丁目の小沢川南側(面積2300平方メートル)。木製デッキを使用したステージ、駐車場、公衆トイレなどを設ける。環境に配慮したソーラー式の照明を取り付けたり、潤いのある広場となるよう植栽したりする。総事業費は約8千万円。
問い合わせは、庶務係(TEL78・4111内線411)へ。 -
南箕輪村議会臨時会
一般会計補正予算を可決南箕輪村議会臨時会は25日開き、05年度一般会計補正予算案を可決した。
補正予算は、歳入歳出に各1094万6千円を追加し、予算総額を46億3397万7千円とする。歳入は国庫負担金、県負担金など。
歳出の主なものは、強い農業づくり交付金72万5千円。原油価格の高騰対策で、施設園芸に交付金を活用。清花園のハウス13棟に循環扇30基を取りつける。
自主防災組織支援事業補助金23万4千円。資機材整備の費用で1区に20万円と1戸当たり300円の助成。村内全12区の自主防災組織のうち、本年度は4地区が整備。購入品は、伝達・避難誘導・初期消火・救出救護・資機材の目的別に各組織の実情に応じてトランシーバー、ヘルメット、医療セット、コンロ、発電機などそろえている。 -
上農定時制、県教委と推進委に要望書を提出
上伊那農業高校同窓会定時制部会とPTAは24日、第3通学区高校改革プラン推進委員会の委員と県教育委員会に対して、要望書を提出した。
要望書は郵送した。箕輪工業高校の跡地に設置される多部制・単位制高校が現在の夜間定時制の代替となることが保障されるまで、上農定時制を存続させることを求めている。
上農定時制は、22日に県教育委員会と第3推進委の上伊那の委員と話し合いをして、統合時期の見合わせを訴えた。その中で第3推進委の池上昭雄委員長は、付記事項に統合時期を見計らう内容を盛り込むことへの必要性を認めている。今回は他の委員たちにも広く理解を得るため、要望書を提出した。 -
初の保健部長会
環境美化を推進し、生活環境の向上、自然環境の保全を進める中川村の保健部長会の初会議が17日夜、中川村集落センターであった。
開会で曽我村長は「上伊那広域では中川村が1番ごみの排出量が少なく、分別状態も良好だが、気をゆるめず、一層の減量化、リサイクル化の推進を」と述べ、各部長の協力を求めた。
この後、部長らは住民税課生活環境係から、ごみの分別・収集・運搬・処分の現状や、06年度ごみ収集計画、びん・缶・蛍光灯など分別収集、ごみ袋購入チケット枚数変更、野焼きの禁止などについて説明を受け、理解を深めた。
中川村の04年度可燃ごみ処理量は収集336・5トン、直接搬入6・7トン、事業系63・9トン。金属類4・6トン、ガラス類19トン、びん29・9トン、容器包装プラ63・1トン、ペットボトル6・7トン。 -
権兵衛開通 救急医療体制一覧を作成
権兵衛開通後の救急医療体制を確認する調整会議の2回目が24日、県木曽合同庁舎であり、伊那・木曽両圏域の広域消防本部・病院などの関係者が集まった。前回議論を踏まえ、伊那中央・昭和伊南・県立木曽の各病院で実施可能な処置・検査項目、救急時の連絡体制などをまとめた一覧を作成し、開通に備えた。
木曽地域の救急医療機関はこれまで木曽病院しかなく、患者の症状によって他の病院への救急搬送が必要でも、約60キロ離れた松本の信大病院か相澤病院に1時間かけて運ぶしかなかった。
トンネル開通後は伊那中央病院までが32キロで38分、昭和伊南病院までが47キロで49分で搬送が可能になることから、懸案だった木曽地域の救急医療体制の整備が進むことになる。
トンネル内の防災設備などについても、改めて確認された。 -
【記者室】巧遅は拙速に如かず
駒ケ根市のメールマガジンで「市内で強盗事件が発生」と注意を呼び掛ける情報が流れた。その後「窃盗未遂だった」ことが判明し情報を訂正したのだが、赤穂地区の3小学校は下校時間を1時間繰り上げて集団下校させるなどの措置を既に決めた後だった▼担当者は「市民の安全に関することだけに早めに知らせた方がよいと思ったが十分確認すべきだった」と反省の弁。確かに情報の正確性という点で問題はあったものの、すべて悪かったとばかりは言えないのではないか▼警報や避難指示の発令をためらったために人命が失われた教訓は忘れられがちだ。この種の情報は遅過ぎては何の役にも立たない。結果的には勇み足だったが、その決断と勇気に敬意を表したい。(白鳥記者)
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【特集 権兵衛開通】15万7千人の苦闘(1)
2月4日、権兵衛トンネル道路が開通する。着工以来7年半の歳月と、のべ15万7千人の労力を費やして、中央アルプスを穿(うが)つ高規格道路が完成する。
特集第1弾は、困難を極めたトンネル工事の苦労を聞いた。
◇ ◇ ◇
「着工時には難工事とは思っていませんでした。しかし、掘り出したとたんに、想定していた地質とはまったく違うことが判明したんです」
権兵衛トンネル工事の現場責任者を務める国土交通省飯田国道事務所の建設監督官石原幸宏さんは振り返った。
98年秋のトンネル工事着工まで、地質調査は何度も行われた。当初は粘板岩主体の硬い岩盤で、比較的掘りやすい地質と想定されていた。
だが、実際に掘り出してみると、粘板岩が細かく割れた破砕帯がいたるところにあり、断層や地下水系が複雑に入り組んだメランジュ層(「混沌とした」の仏語)であることが分かった。
だが、なぜ、それほど想定が違ったのか?
「調査地点の岩盤が偶然硬かったのかも知れませんが、ボーリング調査の限界だったとも言えます」
ボーリング調査は88ミリの直径のサンプルを掘り出す形で行われた。調査する位置にもよるが、この直径では、地質に入った割れは見つけにくい。地圧で岩盤が押し付けられている状況で採取するからなおさらだという。
ところが、実際にトンネル本坑を掘るとなると、穴の断面の面積は約80平方メートル。しかも、片面は何の圧力もかからない開放した断面になるため、地中の圧力を受けて調査時には予想しなかった崩壊が始まる。「掘ったとたんにザザーと、あるいはゴロゴロっと崩れてくる。時には直径1縲・メートルの岩が圧力で飛び出してくる、そういう地層だったのです」。
断層も想定以上だった。トンネル工事現場は、奈良井川に沿って境峠断層が走っている。大きな断層の近くには、ちょうど魚の骨のように大きな断層に交わって縦に走る断層が存在するが、その規模と量が、通常をはるかに超える地質だったそうだ。
「断層と地下水、それに崩れた粘板岩が混沌として最初から最後まで続いたトンネル工事だったのです」
石原さんは前任地の安房トンネルと比べて「規模はかなり小さいが、労苦はほぼ同じ程の難工事」だったと評する。(続く)
=毛賀沢明宏= -
長野縲恃ム田の高速バス 金曜、増便へ
中央道・長野道を利用して上下伊那と長野を結ぶ「みすずハイウェイバス」が3月から5月毎週金曜日に増便される。23日、県企画局交通政策課が発表した。
増便されるのは現行の最終便の1時間後で、長野行きが駒ヶ根IC19時25分、伊那IC19時38分発で、長野県庁着21時42分。飯田行きが長野県庁発19時35分で、伊那IC21時44分、駒ヶ根IC21時57分着。運行には伊那バスなど県内5社があたる。停留所・運賃などは現行と同じ。
05年10月に県補助事業の「公共交通機関による南北交流促進事業」による増便実験で大幅な利用者の増加が見られたため。
8月にバスの車内で行ったアンケートで、最終便の後の増便を求める声が多かった。それに基いて10月に土日を除く20日間、現行の最終便の1時間後に実験的に増便したところ、合計で長野行きで125人、飯田行きで165人が利用。1日の全便合計でも、対前年同月比、対前月比でも大幅な利用者の増加が見られた。利用は上り下りとも金曜の夜に集中しており、当面金曜日の夜だけの増便となった。
6月以降については3縲・月の利用状況を調査して判断するとしている。
南北の高速交通網の整備については、地元の声を受けた県議が超党派で協議会を作り鉄道・バスともに増便などを要請。田中知事もそれに積極的に応える姿勢を示し、増便実験などを行ってきた経緯がある。
利用状況に踏まえた、更なる整備を求める声は多い。 -
明るい県政を進める会が集会
明るい県政を進める会(桜井伝一郎代表)は24日、伊那市内で県政報告と県政を考える集会を開いた。緊急動議で、夏の県知事選に向け、新リーダーを求めることを採択した。
会場には、上伊那から県政を変えたいと考える地域住民約300人が出席。
桜井代表は、田中知事の泰阜村の住民票問題、各委員会への県外者の委嘱などを挙げ「将来を見すえ、すばらしい県政にできるか勝負の年」と新リーダーを立てる環境づくりを促した。
県政報告で、木下茂人、清水洋、小原勇の各県議らが下水道の公文書公開、稲荷山養護学校の改築変更、組織再編成などを取り上げ「コモンズ支援金は、本庁主義が強くなり、地域の自発的な思いが打ち消されている」「住基ネットの侵入実験は財務規則違反になると思われる」などを指摘。
小坂伊那市長は「将来を見すえた知事の考えはまともだが、職員の信頼を得られず、組織を利用できない。首長よりも国会へ行ったほうが向いているのではないか」と皮肉った。 -
新市誕生・権兵衛トンネル開通 パネル展示で情報提供
権兵衛トンネル開通と高遠町・長谷村との合併を控え、伊那市は24日、市役所1階市民ホールにガイドマップなどのパネルを展示した。情報提供の一環で「大きな変化」を市民に広報している。
パネルは、写真家津野祐次さんの「朝の仙丈ケ岳」を含む5枚。新市誕生までの経緯、新市の地図上に公共施設などを記したガイドマップ、新市まちづくりの基本方針、住所表示変更に伴う手続きなどをまとめた。また、諏訪湖縲恍・テ川の木曽路・伊那路のドライブマップもある。大きさは、およそ縦1・5メートル、横1メートル。
市は「合併まで70日を切った。当分の間、展示して、より気運を盛り上げたい」と話している。 -
「協働による廃食用油リサイクル推進事業」
使用済みてんぷら油回収700リットル箕輪町は15、22日、廃食用油をバイオディーゼル燃料(BDF)に精製する「協働による廃食用油リサイクル推進事業」で、家庭の使用済みてんぷら油を回収し、700リットル集まった。
昨年10、11月の回収に続き2回目。町は、「収集ステーションでは油がこぼれるなどの問題もなく回収できた」とし、本格実施の4月から「スムーズにできるのでは」としている。集めた油は、収集1回目の油とともに町共同作業の家で精製する。
町は2月11日、2回目のBDF燃料による「みのちゃんバス」の特別運行を予定している。 -
小林伸陽後援会新年の集い
小林伸陽後援会(弾塚建夫会長)は22日、箕輪町の松島コミュニティーセンターで新年の集いを開いた=写真。早くも来年の改選に向けた一層の支援を呼びかけた。
小林県議は、無駄な公共事業見直しや、入札制度の改善により、財政改善が大幅に進んだことを報告。しかし、三位一体の改革が地方自治体の財政に与える影響は厳しく「真の改革は絶対にとめてはいけない」として、今後もさまざまな改善を図る意志を示した。
後援会の弾塚会長は「みなさんの支援を受けてがんばっており、今後も支援を頼みたい。合併に伴い、上伊那でも選挙区・定数の変更があるため、後援会の果たす役割はますます重要となる」と協力を呼びかけた。
平澤豊満箕輪町長が、町内外の約200人の支援者が駆けつけ、小林県議を励ました。 -
第3通学区推進委上伊那委員・県教委と上農定時関係者との話し合い
第3通学区高校改革プラン推進委員会(池上昭雄委員長)で「多部制・単位制高校への統合」が合意された上伊那農業高校定時制で22日、同校関係者と県教育委員会、第3推進委上伊那委員らによる話し合いがあった。関係者からは、多部制・単位制への不安、定時制存続への切実な思いを訴える意見が続出。せめて多部制・単位制が定時制生徒の受け皿となることが分かるまで、上農定時を存続してほしい竏窒ニ強く求めた。話し合いの後、池上委員長は「“統合は時期をみて”という意見を付記する必要がある」と話し、今後も報告書の付記事項への要望を受け付けることを約束。また、現在同校に通う生徒については「できる限りここでやっていけるよう努めたい」とした。
母親の一人は「子どもは減少しているが、不登校経験者の比率は増えている。その受け皿である定時制の力は計り知れず、これこそ増やさなければならないと思う」と訴えた。
県教委は「子どもの数が半分になるのに、学校数だけ維持するのは不可能。多部制・単位制に定時制の機能を持たせれば、現在の定時制の条件をそちらで提供できる」とし、定時制関係者が最重視する「人間関係づくり」「心のケア」などは、ホームルーム制・カウンセリング体制などの導入で対応できるとした。
しかし「信頼関係から成立している定時制の心のケアが、カウンセリングで実現できるのか」「メンバーが固定しない無学年制のホームルームで密な関係が築けるのか」と疑問や不満が相次いだ。多数の生徒が通う学校に通えるのかを懸念する声も強く、定時制生徒が通える環境を確認してから統合することを多くの参加者が訴えた。 -
くらしのガイドを全戸配布
伊那市・高遠町・長谷村合併協議会は、住民向けの「新しい伊那市 くらしのガイド」=写真=を2万5700部作った。3月31日の新市発足に伴い、庁舎位置や組織体制、必要な手続きなどを案内する手引書。各市町村は近く、広報2月号などと一緒に全戸へ配布する。
ガイド=A4判、65ページ=は合併後、手続きが混乱しないように▽庁舎内の配置図▽事務組織図▽各庁舎の主な業務▽地域自治組織▽住所表示変更竏窒ネどをまとめた。右ページ端に項目を記し、わかりやすく引けるようにした。
住所表示の変更手続きが必要なものは、普通貯金通帳・定期預金証書、生命保険証書・損害保険証書、特許・実用新案・意匠・商標登録、工場立地法による特定工場の届け出など。「合併後、ただちに手続きをしなければならないというものはほとんどない」という。住民票、戸籍、印鑑登録証、パスポート、自動車運転免許証、国民年金などは不要。
23日にあった伊那市議会の勉強会で報告された。 -
南箕輪ブランドの商品化へ向けて始動
「南箕輪ブランド」の商品化に向け、南箕輪村のむらづくり委員会産業交流部会(今井純部会長、9人)が動き出した。3月末までに大まかな方向性を出し、9月までに具体案を詰める。
「南箕輪ブランド創造プロジェクト」として、地元で生産されたものを地元で消費する「地産地消」を柱に、農林業・商工業・観光を連携させ、地域産業の振興に結びつける。部会では1点に絞らず、いくつかの具体案を提案し、推奨品のシールをはって売り込みたいとしている。
20日夜、酒を飲みながら本音で話す機会にしようと村公民館で部会を開催。
メンバーが持ち寄ったハクサイやゴボウ、ネギ、ミズナなどの野菜を入れたシシなべを囲み、南箕輪ブランドを考えた。
「南箕輪」をなべに例え、人材、農産物、自然などブランドになりうる題材(なべに入れる材料)を出し合った。
メンバーは酒をくみ交わしているせいもあってか「ブランドは食べ物に限らず、幅広くとらえよう」「農産物は売り込むのに期間が限られる。加工する必要もある」など盛り上がり、商品を売り込む手段と合わせて地域振興につながる方向を探った。
今後、さらにアイデアを出し、推奨品としての基準を設け、ブランドを創(つく)り、評価などをへて売り出しにこぎつける。 -
市職員の地区担当制を導入
伊那市は本年、市職員の地区担当制を導入した。職員が地区との連絡役を果たし、地区要望などを行政に反映するねらい。
これまでも職員がそれぞれ意識を持って取り組んでいたが、さらに行政と地元区長との連絡を密にし、満足度の高い行政サービスにつなげようと市長が新に任命した。任期は2年。
69区のほか、区に属していない住宅団地などにも配置する。1地区に地元の主任縲怏ロ長の職員を1人ずつ置くが、地区をかけ持ちする職員もいる。
職員の職務は▽行政の仕組みや制度についての質問に答える▽市役所あての文書を預かり、担当部署に届ける▽地域が抱える問題の解決策をともに考え、ケースによって市の担当部署に相談する竏秩B
20日、1回目の区長会で、小坂市長は「ご用聞きとして、苦情などどんなことでも伝えてほしい」と述べた。
終了後、区長と地区担当職員の顔合わせがあった。 -
区長会 市が1年間の協力求める
伊那市の区長会が20日、市役所であった。区長69人が出席。区長会長は荒井区長の久保田祥圃さんが務める。
小坂市長は「市にとって大きな変化の年。広い分野で新たな交流が生まれる権兵衛トンネル開通、高遠町・長谷村との合併は、大きく発展する要因としなければならない」と述べた。課題に少子化対策や企業誘致などを挙げ、1年間の区長としての活躍と地区の融和に協力を求めた。
委嘱書を受け取った久保田区長会長は「行政と住民のパイプ役として、安全で安心できる住みよい伊那市のためにお手伝いしたい」と述べた。
そのあと、担当部長らが補助制度の概要や除雪対策、新市に設ける地域自治区の概要、年間の主な行事などを説明した。
区長任期は1竏・2月。副会長は赤羽要さん=笠原区長、会計は竹中茂二さん=下手良区長=。 -
2010年までの人口1万人現状のままでは困難
基本構想で2010年に人口1万人達成を目標としている宮田村だが、現状のままでいくと同年の達成は難しいことが、村の最新の推計で分かった。構想を策定した当時と比べ、人口の伸びが鈍化。このまま推移すると、2015年ころに達成する見通しだ。ただ、清水村長は自立を維持していくためには人口1万人の実現が必要不可欠と強い意欲を示しており、今後の対応も注目される。
1993年から昨年まで12年間の住民基本台帳をもとに推計した。2010年の人口予測は未公表だが、村総務課は「現状のまま何も対策を施さなければ1万人達成は難しい」と説明。2015年には1万150人になると示している。
村の人口は1995年から10年間で1000人余り増加するなど順調に推移。2000年に策定した基本構想は、このような人口増が反映されて目標設定された。
しかし、近年は伸び悩み傾向で、今年1月1日現在で9270人。基本構想で想定した人口推移を下回る状態が続いている。
村は財政状況などから、つつじが丘区に計画していた村営住宅建設の一部を凍結したほか、村土地開発公社は本年度、住宅目的などの新規用地取得を見送っている。
ただ、政府の方針などを受けて、村は自立を維持していくためには人口1万人が必要との考えを堅持。厳しい財政事情を考慮に入れたうえの対策に迫られている。 -
UJIターン者優先 児童・園児の確保期待
高遠町が定住対策の一環として、山室久保に建設を進めていたUJIターン者優先の町営住宅(2棟2世帯分)が完成し19日、しゅん工式があった。
過疎地域への設置により小学校、保育園の児童・園児の確保を目指して01年から進めている事業で、山室は2カ所目の建設となった。
木造平屋建てで、延床面積はそれぞれ93平方メートルの3LDK。敷地内には家庭菜園も備える。事業費は2棟合わせて約3600万円。
式には関係者約20人が出席。伊東義人町長は「建てることが目的でなく、子どもがいる人に入居してもらうことが最重要であり、目的の達成である」とし「過疎地域の人口の減少が食い止められ、三義地区の活性化につながれば」と期待した。 -
高校改革プラン推進委員会(15)
第3通学区高校改革プラン推進委員会(池上明雄委員長)が18日、南箕輪村民センターであり、各委員から募った考えを池上委員長らがまとめた最終報告書素案が示された。委員は20日までに、素案にそれぞれ検討を加えて事務局に提出する。それを考慮し、改めて報告書をまとめ、30日の最終委員会で正式な了承を得る。県教育委員会への答申は今月中に行う構えだ。
池上委員長は冒頭、統廃合案が確定していなかった諏訪につき「岡谷東と岡谷南の統合」という過去に諏訪からでた案を改めて提示。諏訪の委員は、地域での合意形成の時間を設けるなど、なんらかの配慮を付記することを条件としながらも、案の決定を受け入れた。
最終報告書の素案は▼25校から22校にすること▼岡谷東、岡谷南の統合▼箕輪工業の全日制廃止▼飯田長姫と飯田工業の統合竏窒軏{とし、多部制・単位制の設置や、定時制高校の統廃合を示している。
「削減ありき」という結論が強調され、魅力論の言及が希薄化している竏窒ニ考える委員も多く、具体的な魅力論に踏み込むことを求める声もあり、付記事項で各委員が考える魅力論を充実させることとなった。
一部の委員からは、20人学級や教員の加配などで定時制と同等の環境を多部制・単位制に確保してほしい竏窒ニの要望もあったが、県教委は「あくまでも40人学級の枠で充実を図りたい」とした。 -
【寄稿】豪雪災害現地視察を終えて(下)
長野県議会土木住宅委員長 向山公人飯山市の千曲川近くの視察(前号参照)に続いて、農業施設の状況ということで、大規模農業経営をされている花卉ハウスや畜産団地を視察したが、除雪作業に追われている現況では、被害状況など掌握できない状況であった。
黒岩地籍に従来あったスキー場の跡地は、過去雪崩を数回起こし下段の集落に犠牲者が出ていることから、県では防止施設を昨年設置したが、将来的には植樹していく必要を感じた。
国・県道は除雪により車の通行は確保されてきているが、脇道や町村道については通行の確保が進んでおらず、土木部として、11日から排雪作業の応援にロータリー車、バックホー、ダンプカーなどをオペレーター付きで4グループ、各市町村に出すことを決定した。
北信地方事務所管内の5市町村において、弱者世帯といわれている世帯は約700世帯あるようだが、早急に屋根などの除雪作業に着手するよう要望すると同時に除雪支援を求めることを約束した。
飯山市から栄村へは、「1里1尺」という昔からの言い伝えがあり、4キロ行くと30センチ雪が増えると言われるが、屋根の雪や道路脇の雪の高さがそのことを物語っていた。
毎年これから本格的な雪のシーズンを迎える時期なので、除雪作業計画は気を許せない日々がまだ続いており、地域の人たちの大変さが身に染みて理解できた現地調査であった。
それ以前に知事が飯山市を訪れたが、たった10分ほどいただけで栄村に向かったことについて、住民の一人は「あんな短時間で的確な状況判断ができるのだろうか」と不満を漏らしていたが、いかにもパフォーマンス知事を表わしている一面と感じられた。
毎日の除雪作業に励む人々が「地域の中でお互いに助け合う信頼感や団結が強まるのはうれしいですけどね……」と語った言葉が特に印象的だった。
災害など緊急を要することは現地の状況を的確に捉えた対策が重要と改めて感じて帰路に着いた。
視察前日17時現在の被害状況は、死者が飯山市1人、栄村で1人。重傷者が中野市、飯山市、など5市町村で11人。視察当日、体育館が倒壊した。
視察後の13日、県議会正副議長と土木住宅委員長の3人で、19日に国土交通省に除雪作業への支援の要請に赴くことが決まった。 -
議運が対面方式採用を提案
宮田村議会運営委員会(片桐敏良委員長)は、定例会一般質問で議員と理事者らが向き合って質疑する対面方式を採用するなどの議会改革案をまとめ、17日の全員協議会に提案した。一方でやり方を変えるだけでは質の向上につながらないと異論も挙がり、近く再議論することになった。
一昨年の議会改選後から改革の検討が始まり、特に一般質問のやり方について議論。
既に質問回数の制限緩和などを実施したが、一問一答方式の採用も検討してきた。
議運は一問一答の導入について時期尚早と判断。経過措置として、質問を1項目ごと対面によって質疑する案をとりまとめた。
案では項目ごとの質問回数を3回までとしたほか、ひとりあたり40分以内の持ち時間制を採用している。
片桐委員長は議運案について「質問のレベルアップも考慮に入れた」と全協で説明したが、時間制の採用などに異論の声も。
また、「形を変えるだけで、質問の中味が大きく変わるとは思わない。レベルアップを図るためには(現状でも)改善の余地がある。もっと総合的な研究をすべき」と、慎重な対応を求める声もあった。 -
村土の利用計画13年ぶりに改定
国土利用計画に基づく宮田村の村土利用計画が13年ぶりに改定され17日、村議会全員協議会に示された。引き続き土地活用が・ス虫食い状態・スにならないよう、用途ごとの集積化を図っていく。
目標である人口1万人達成を想定し、2015年には住宅地が25ヘクタール、工業用地が15ヘクタールそれぞれ増加すると目標規模に設定。一方で農用地は52ヘクタール減少すると見込んだ。
既存の土地用途を基本にして、住宅地域、工業地域、農業地域などをある程度すみわけし、有効活用を図る。
村土の利用に関して行政上の指針となる同計画は2001年に改定する予定だったが、合併問題の浮上により中断していた。
昨年7月に庁内に委員会を設け策定作業に着手。県との調整も行なってきており、3月定例会に議案上程する。
この日の全協では、住民委員らで構成する審議会がまとめた村の第4次総合計画後期基本計画案についても説明。内容について意見交換したが、再度全協を開いて理解を深めることになった。 -
男女共同参画基礎講座
男女共同参画推進本部上伊那支部は13日、「男女共同参画基礎講座」を伊那市の県伊那合同庁舎で開いた。約50人の地域住民が参加。講演や事例発表があり、よりよいパートナー関係から生まれる楽しいまちづくりについて学んだ。
男女共同参画センターの三澤鈴子館長が「地域、家庭における男女の役割」をテーマに講演。
男女共同参画については、男性意識を変えることばかりに焦点が向きがちだが、実は女性意識の中にも「男性が家事をすることは無理」といった考えが根強くあることを示した上で、地域の男女共同参画プランをうまく活用しながら、まずは自身が変わっていくことが大切であることを強調した。
南箕輪村の向山朋子さんは、自身の夫婦・親子関係から実感した、思いを伝えることの重要性や、不安を分かち合える関係に感謝することの大切さを参加者に伝えた。
箕輪町の女性団体連絡協議会は寸劇「住みたいね こんな街に」を披露。笑いを交え、男女が協力しながら支えていく社会の実現を訴えた。