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伊那東部地区を対象にシルバー技能アップ講習を実施
伊那市と市交通安全協会は8日、70歳以上の高齢者を対象とした、「シルバー技能アップ講習」を市内美篶の伊那自動車教習所で開いた。参加者らは自身の運転技術を見直し、交通安全意識を高めた。
高齢者の事故防止を目的に、同講習を毎年実施。今回は「高齢者交通安全モデル地区」に指定されている同市東部地区(日影、上の原)の高齢者が参加した。
この日は、70歳-83歳の自動車を運転する15人が集まり、坂道、車庫入れ、踏み切りなど、場内の教習コースを運転し、指導員から適切なアドバイスを受けた。
参加した男性(76)は「指導員に注意してもらったことをふまえながら、これからも安全運転を心がけたい」と話していた。
伊那署によると、今年(7日現在)、管内で発生した人身事故319件のうち、高齢者が第一当事者の事故は55件(前年同期比9件増)、高齢者が関係した事故は88件(同15件増)。
市安協は、同モデル地区を対象とした、交通安全講話やアトラクションなどの内容の区民大会を11月13日、実施する予定。 -
高遠町、長谷村へ伊那まつりをPR
<br><br><br> 伊那市の「第33回伊那まつり」(8月6、7日)をPRするため、酒井茂同市助役、中村孝夫実行委員長、林政喜実行委員会市民おどり委員長ら5人は12日、高遠町、長谷村役場をキャンペーンに訪れ、住民への参加の呼びかけなどの協力を依頼した。<br> そろいの法被(はっぴ)で高遠町役場を訪問した酒井助役らは、祭りの特徴や歴史などを伊東義人高遠町長に説明。中村実行委員長は「高遠町から、大勢の人たちが参加するよう協力を」と訴え、伊東町長は「全面的にお祭りに協力したい」と返答した。<br> 来春の3市町村合併をひかえ、市民踊りや祭りへの参加をPRするため、今年初めてPRキャンペーンを実施した。<br> 各市町村の交流を図るため、同祭りの「市民おどり」(8月6日)には、同町から30人、同村から50人の、住民と職員でつくる踊り連が参加。また、同市からは同町の「城下まつり」(23日)に50人以上でつくる踊り連が参加する。
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県が水防法改定説明会
県土木部は7日、飯田市の飯田消費生活センターで水防法などの改定に関する説明会を開いた。天竜川と木曽川の流域の建設事務所と各市町村から実務担当者、約70人が参加した。
04年に全国的に台風被害が続出したことを受け、国会が水防法などを改定、5月から公布された。特に04年の災害では、従来実効的な対策が十分でなかった中小の河川での被害が大きかったため、改定法では、主要には県が管理する中小河川などで避難に有効な情報を集約・伝達することや、それを受けた市町村が迅速に避難などの対策を立てることが重視されている。
説明会では、県土木部の村山幸男企画員が(1)大河川の洪水予報などの充実(2)浸水想定区域の調査・設定対象を中小河川にまで拡大しハザードマップを作成(3)災害時の指示伝達系統の整備やハザードマップの周知徹底をはじめ警戒避難体制の充実(4)水防団の退職報償金制度の創設などによる水災防止体制の強化-などのポイントを話した。
当面は国や圏の支援のもとに、各市町村ごとに浸水想定区域の調査とハザードマップ(災害時避難地図)の作成を進めることになる。
04年の経験にもとづいて国・県・市町村が真剣に取り組むべき課題だが、説明の途中から居眠りを始める参加者の姿が目立った。 -
県が中小企業新事業活動促進法を説明
上伊那地方事務所商工雇用課は6日、県伊那合同庁舎で中小企業新事業活動促進法説明会を開いた。上伊那の企業などから約50人が参加、中小企業の経営革新の意義と、それに対する国・県の支援策の概要などを聞いた。
従来から中小企業の経営革新に関しては(1)中小企業経営革新支援法(2)中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法(3)新事業創出促進法-の3法があり、支援策などが定められていたが、このほどこれらが統合されて中小企業新事業活動促進法が制定された。
新法では特に、新たに事業を起こす「創業」、企業活動の合理的発展を目指す「経営革新」、他業種などとの新たな企業コラボレーションの道を開く「新連携」-などに重点をおいて様々な支援策が盛り込まれていると政府は説明している。
説明会では、県商工部ビジネス誘発課の伊藤正智氏が、「経営革新」に焦点をあてて解説。経営革新計画を作成し承認を受けることは、「支援が受けられる」ということだけでなく、自社の現状と課題を見極め、計画的かつ積極的に事業活動の取り組む良い機会になると話した。
また、県中小企業振興公社の新事業支援チームの大口昭次氏が他業種の企業などとの新しい連携が新たなビジネスチャンスを産むと考えられると説明した。 -
「北小河内ふれあいの路」がアダプトシステムに調印
信州ふるさとの道ふれあい事業で、箕輪町内の主要地方道伊那辰野停車場線など約2キロの美化活動に取り組むため8日、「北小河内ふれあいの路」(136人、藤森清治代表)が道路管理者の伊那建設事務所、支援者の箕輪町とアダプトシステムに調印した。北小河内公民館での調印式で協定書にサインし、握手を交わした。<br> アダプトシステムは地域住民団体などが道路の一定区間の「里親」としてボランティアで歩道や植樹帯などの美化活動をする。<br> 「北小河内ふれあいの路」は、5常会の沿道住民と企業を主体に構成。以前から定期的な清掃活動をしているが、町の第4次振興計画の中の地域づくり計画の一環として、区内をきれいにして人を集め、町を活性化させたい-と会を組織した。<br> 協定の対象区間は、伊那辰野線辰野町境の北小河内漆戸から宮下の信号まで延長約1・69キロと、一般県道南小河内伊那松島停車場線の伊那路橋から宮下の信号まで延長約0・46キロの合計2・15キロ。<br> 道路や側溝の清掃、除草や土の排除、ミニパークや歩道への花の管理などをする。<br> 10日午前6時から、調印後初の作業がある。今後、約2カ月おきに活動を予定する。<br> 伊那建設事務所の松下泰見所長は地域全体の取り組みに感謝し、「これが自主・自立、地域づくりの契機になれば」。平沢豊満町長は、「町の見本として推進していただき、トップランナーとして頑張ってほしい」と話した。<br> 藤森代表は、「住んでみたい北小河内区づくりをする。後退せず前進する考えで取り組む」とあいさつした。<br>
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箕輪町地域づくり懇談会始まる
箕輪町の地域づくり懇談会が5日、始まった。第4次振興計画に盛り込んだ町内15地区の区ごとの地域づくり計画を具体化し実践していくため、8月末まで地区をまわって各区役員らと懇談するもので、第1回は北小河内地区で開いた。<br> 今回の懇談会は、各地域の課題解決や地域づくり計画の施策展開などが主な内容。町は、振興計画の実施計画ローリングの参考にもしていく考え。<br> 北小河内公民館での懇談会には、町から総務課長をはじめ政策企画室職員や北小河内区を担当する支援スタッフら、区からは地域づくり特別委員会(古田敏夫委員長)の役員らが出席した。<br> 同委員会は地域づくり計画策定後、会議を重ね今回が3回目。事業計画は、住宅居住地の誘致など計画的な土地利用、県道の安全対策、生活用水の水量確保、防災組織の立ち上げ-など9項目ある。懇談で事業計画を説明し、区長は「役場の人に計画を理解してもらい100%実行できるよう協力をお願いする」と要望した。<br>
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伊那市でイラクの現状講演会
戦火にさらされ続けたイラクの現状を多くの人に知ってほしい窶狽ニ、湾岸戦争などで使用された劣化ウラン弾被害について語る「イラクの人たちは今…森住卓、西村陽子講演会」が8月20日、伊那市民会館で開かれる。
湾岸戦争で使用された劣化ウラン弾によってばら撒かれた放射能原子は、広島に落とされた原爆の1万4千倍から3万6千倍に及ぶという。放射能汚染された環境は、10年以上経過する現在も、白血病や奇形児出産、ガンなどの病気をもたらしている一方、不安定な情勢が続く国内は、慢性的な医薬品不足になっており、治療を受けられないまま死んでいく人も多い。
こうした惨状を撮り続けている報道写真家、森住さんの写真は、時には目を背けたくなるほどの衝撃的なものもあり、多くの人に戦争の残酷さを訴えている。
森住さんの活動に衝撃を受けた伊那市東春近の畑春彦さんら有志が今回の講演会を企画。森住さんの活動を通して、大人から子どもまで多くの人にイラクの実情を知ってもらい、戦争について考えてほしい窶狽ニ、参加を呼びかけている。
また当日は、湾岸戦争以降、イラクの小児病院に薬を届けている「アラブの子どもとなかよくする会」を通して病気に苦しむ子どもたちの支援を続けている長野県出身の西村さんも講演する。
講演会は午後2時から伊那市民会館である。前売り券は大人千円、中高生500円。(当日は大人1500円、中高生800円)。収益は「アラブの子どもとなかよくする会」に寄付する。
現在、講演会の運営を進めてくれる実行委員や、チケット・チラシを預かってくれる店なども募集している。
問い合わせはイラク講演会実行委員会(・ス090・7252・1100)畑さんへ。 -
箕輪町防災会議
箕輪町防災会議は1日、町役場であり、現在策定中の町地域防災計画の見直し案を審議した。
町は、地域防災計画を98年に策定。その後、中越地震の発生などさまざまな状況があり、04年11月から計画の見直しをしている。
策定中の計画は、▽風水害対策編▽震災対策編▽その他事故災害対策編-に分かれ、これまでに実施した住民とのワークショップや各課から出された課題なども反映。電気施設、ガス施設、通信・放送施設の災害予防計画、電気施設や鉄道施設の応急活動なども新たに盛り込んでいる。
防災会議は平沢町長が会長を務め、上伊那地方事務所、伊那建設事務所、伊那保健所、伊那警察署、箕輪消防署などの関係者10人の委員で構成する。今後、町が示した計画案をそれぞれの立場から確認し、修正や追加などがある場合は今月中旬までに町に意見を寄せてもらい、今月末には計画を決定する予定。 -
洪水バイパストンネル試験運用開始
美和ダム土砂流入抑制長谷村美和ダムへの土砂流入を抑制するために設置された洪水バイパストンネルが5日、初めて試験運用され全長4300メートルのトンネルに水が通った。
午前11時にゲートが開けられ、まず毎秒10トン、続いて同20トン規模で水が流された。ダム下の排水口対岸に集まった国土交通省三峰川総合開発工事事務所(三峰総)の職員や関係者など約50人が見守る中、開門約20分後コンクリートを溶かしたような灰色の水が勢い良く流れ出した。午後も試験運用され、午後5時に終了した。
トンネルは、ダム上流の大規模な分派堰・貯砂ダムとセット。洪水時に美和ダムに流れ込む土砂のうち粗い土砂は貯砂ダムで止め、細かい土砂は分派堰でせき止めてバイパストンネルに迂回、ダム下に放出する。01年1月に着工、4年の歳月をかけて05年5月に完成した。総工事費は170億円。
三峰総によれば、美和ダムには三六災害や72‐73年の大出水を始め毎年大量の土砂が流入し、ダムに溜まった土砂は(堆砂)は02年までに約2000万立方メートルにも及んだ。その一部500万立方メートルはは砂利資源や盛土材として利用したが、恒久的な堆砂対策なしには美和ダムの機能維持が難しいとして、多目的ダムでは全国初の同施設の建設となった。
今後は、流入量が毎秒100トンを超える時には、この堆砂システムを運用して、ダム上流からダム下に直接水を流す予定。当面2年間は試験期間とされているが、実質的には運用開始といえる。美和ダムでの状況を見て、小渋ダムでも同様の施設建設を進めるとされており、170億円をかけたシステムの効果がどう出るか注目される。 -
伊那市体協ゴルフ部が市に寄附
伊那市体育協会ゴルフ部は5日、先日開いた、市民体育祭ゴルフ競技大会のチャリティー募金10万7千円を、同市を通じて、伊那市社会福祉協議会へ寄附した。
毎年、恒例の寄附。3日、西箕輪の伊那国際ゴルフクラブであった「第9回伊那市民体育祭ゴルフ競技大会」には市民250人が参加し、コース内に設置したチャリティーボックスで寄附を募った。
菅忠男部長ら4人は同市役所を訪れ、「恵まれない人たちの役立ててほしい」と、小坂市長に寄附金を手渡した。
同部では、来年の第10回記念大会を3市町村合併で盛大に開くことを検討している。 -
南箕輪村助役就任式
4カ月間空席になっていた南箕輪村の助役に1日、前総務課長の加藤久樹氏(56)=塩ノ井=が就任した。唐木一直村長が辞令を手渡した。
職員が集まった就任式で加藤氏は、「責任の重さ、職務の大切さを痛感している。村づくりに向け厳しいときだが、職員として立場が変わっても住民のために働く基本姿勢は変わらない。機構改革で組織が変わっても職員の意識が変わらなければうまくいかない。住民のための行政、住んでよかったと言われる村づくりに職員一丸となって進み、職責を全うしたい。ご支援をお願いする」とあいさつした。
唐木村長は、「4課の課長を歴任し、行政経験が豊富。職務内容を熟知し、性格も温厚。経験と人柄で調整を図ってもらい、村政発展のためご努力をお願いする。事務方のトップとして各プロジェクトにかかわり村政推進に努め、職員の能力アップにも努めてほしい」と歓迎した。 -
伊那市民プールが今季の営業を開始
伊那市民プールは2日、今季の営業を始めた。無料開放日のこの日は、小学生や家族連れなど832人が利用。プールは、子どもたちがビーチボールや大きな浮き輪で水遊びを楽しみ、終始はしゃぎ声であふれた。8月28日まで。
今年度の営業期間は、例年より約2週間少ない58日間(昨年度は72日間)に縮減。
入場料(1人1回)は、市の体育施設使用料値上げにより、一般については100円増しの600円に変更し、中学生以下300円、未就学児無料は変らない。回数券(12回券)は、一般6千円、中学生以下3千円。
開場時間は午前9時から午後5時(遊泳は4時45分)まで。外気温22℃以上、水温21℃以上で開場し、台風などの荒天による閉場もある。 -
山室町営住宅建設工事の安全祈願祭
高遠町山室久保の「山室町営住宅C棟・D棟」の建設工事の安全祈願祭が1日、現地であった。伊東義人高遠町長をはじめ関係者ら約20人が集まり、工事が無事に終えられることを祈った。
都会からの移住者などをターゲットに、定住や学校、保育園への児童・園児の確保を目的とした「UJIターン者優先住宅」事業で、開始01年度から今まで、町内に8棟を建設。今回の建設工事で、同事業の町営住宅建設は山室では2度目となった。
C棟、D棟はいずれも1世帯で、木造平家建て、3DK、延べ床面積93・00平方・ス。完成は両棟とも12月12日を予定している。
席上で伊東町長は「町の振興には定住対策が重要。町中心部だけに町営住宅を作るだけではなく、地域全体が活性化しなくてはいけない」とあいさつした。
UJIターン者を優先に、世帯主が45歳以上、小学生以下の子供がいる人を11月中旬から入居募集する。
また、町では今年度7月中旬に、町内小原に鉄筋コンクリート3階建ての一般町営住宅を建設予定している。 -
伊那市民プール2日から開場
伊那市民プールは2日から開場する。8月28日まで。初日は無料開放する。
開場期間は、毎年、開始と閉止の時期に利用者が少ないことから、例年より約2週間少ない58日間(昨年度は72日間)に縮減した。
入場料(1人1回)については、市の体育施設使用料値上げにより、一般は100円増しの600円に変更。中学生以下300円、未就学児無料について変更しない。回数券(12回券)は、一般6千円、中学生以下3千円。
開場時間は午前9時から午後5時(遊泳は4時45分)まで。外気温22℃以上、水温21℃以上で開場し、台風などの荒天による閉場もある。
関係者は「流水プールや、ウォータースライダーなどの設備規模は上伊那のなかで一番大きいので、今年の天候次第で利用者数は増えそう」と多くの利用を期待している。
2日午前8時30分から、安全祈願・開場式がある。
昨年度の最終利用人員は2万4800人で、最高利用人員は7月19日の1520人だった。 -
伊那地区納税貯蓄組合連合会総会
伊那地区納税貯蓄組合連合会は1日、高遠町の高遠さくらホテルで第64回総会を開いた。04年度事業を確認し、今年度事業を承認したほか、功労者表彰も行った。
長野県は、中学生を対象として募集している「税に関する作文」の応募数が他県と比べて少ないことなどから、同連合会は、租税教育の促進が必要と判断。05年度は、新たに税理士会や税務署などと協力して講師団を結成し、各学校に働きかけていきたいとしている。また、引き続き租税の自主納付体制の確立や期限内完納促進のための事業に努める。
表彰は次のみなさん。
▼伊那地区連合会会長表彰=松村洋子、渕井和子、田辺信子
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青少年の健全育成・強化月間で街頭啓発
県青少年対策本部上伊那地方部は1日夕方、「青少年の非行問題に取り組む全国強調月間」「有害環境排除県民運動強調月間」(1窶・1日)の活動の一環として、上伊那の大型店4カ所で街頭啓発を展開した。
伊那市では、上伊那地方事務所の牛越徹所長をはじめ、市職員、市子ども会育成協議会役員、伊那署員ら11人が、西町のアピタ伊那店前に集まり実施。参加者は同じ色のジャンバーを着て、肩には・ス伸びよう伸ばそう青少年・スと標されたタスキをかけ、啓発のチラシなど、300枚を買い物客に配布した。
チラシには・ス愛の声かけ運動を推進しましょう・スなどと書かれ、未来を担う青少年に、まわりの大人が積極的にかかわり、健全な成長を支援することを呼びかけた。
牛越所長は「街頭啓発をきっかけに青少年を取り巻く障害などが除去され、非行防止につながればありがたい」と話した。 -
始まるか?「広域的地域づくり」
上伊那は06年、大きな変化を迎える。
一つは2月4日の権兵衛トンネル道路の開通による経済・生活圏の拡大。もう一つは3月31日の伊那市・高遠町・長谷村の合併による新伊那市の誕生。
これらの歴史的転機をとらえて、上伊那地域の経済・産業の振興を新たな次元に押し上げることが求められている。
だが、それはどうすれば可能なのか?
●経済圏拡大に見合う視野の広がりが必要
権兵衛道路開通を前に産業界はさまざまな動きを開始している。
木曽側では、首都圏からの誘客のために地域全体で観光業者などへの働きかけを強めている。漆器・木材木工品など特産品の売り込みのために、伊那での木曽特産展開催の道などを探り始めてもいる。その動きは伊那側よりも積極的に見える。これまで経済的には中京圏に組み込まれてきた木曽の人々が、中央高速道路を通じて首都圏に直結することに賭ける期待は大きい。
一方、伊那側では、通勤圏・買い物圏が木曽側に大きく広がることから、製造業・商業を中心に期待が広がっている。「しばらく様子を見て」と口にする企業主が多いが、木曽に人材募集をかける製造業者が増えているほか、トンネルに近い、伊那インターアクセス沿いへの大型店舗の出店計画も目立つ。
大桑村に世界最大級の自動車用ターボエンジンの工場を持つ石川島汎用機械が06年、辰野町にも同様の工場を新設する予定だが、これも道路開通による〈人・もの・技術〉の往来の迅速化を見越してのことだろう。
こうした動きを見るまでもなく、権兵衛道路の開通は伊那竏猪リ曽の産業地図に大きな影響を与えるだろう。経済圏の拡大にともなって、広域的視点に立った地域振興策のプランニングが必要になっていることは明らかだ。
●新市誕生にともなう広域的視点の必要性
広域合併による新伊那市の誕生も、広域的な地域振興策策定の必要性を高めている。
伊那市・高遠町・長谷村の3市町村は、3月31日の新市誕生に向け、政治的・文化的・経済的な諸側面での議論を進めている。新市の発展方向を模索する議論もないわけではないが、現在の議論は主要に、「地域自治区」の権限とシステムの問題に集中している。特に高遠町や長谷村では、旧町村単位の財産保有・地域振興・そのための自律的システムを求める声が多い。
もちろん、新市においても旧市町村単位の「地域づくり」は必要だ。だが、その試みが、新市全体の産業振興や観光振興から切り離されて議論されるのでは、合併の意義は薄れるだろう。合併を選んだ市町村の人々には、旧単位を超える広域的視野が否応なく求められている。
さまざまな理由から合併の道を選ばなかった上伊那のほかの市町村にしても事情は同じだ。企業誘致、観光振興で自主財源の確保の道を探る駒ヶ根市。それぞれ、特産物づくりを軸に、地場産業の特色ある連携と展開の道を模索する他の町村……。地方交付税の削減の中で、以前にもまして「わが町」「わが村」の存亡をかけて必死だと言える。
だが、広域交通網・情報網の発展と、それにともなう経済圏・生活圏の拡大の中で、「地域づくり」も、1つの市町村だけを視野に入れた発想では通用しなくなっている。このこともまた明らかだ。ごみ処理問題、医療・高齢者福祉の問題、さらに中核市への商店・企業の集中と周辺町村の過疎化傾向竏窒ネどを見るまでもない。
新伊那市を中心にする上伊那広域の中に、どのように自らの市町村を位置付けるか?そして、自らの市町村の発展が広域の発展でもあるような「地域づくり」の青写真をどのように描くのか?竏窒アの視点がなければ「自立」もままならないのが実状ではないだろうか?
●「この地域」とはいったいどこまでか?
これまでも「地域づくり」はさまざまな場所で、さまざまな内容で語られてきた。「コモンズ」とか「コミュニティ」とかというカタカナ言葉で言われたこともある。では、それらで言われてきた「この地域」とはいったいどこまでの広がりを想定していたのだろうか?1つの集落、せいぜい町村程度の範囲ではなかったろうか?
もちろん上伊那にも市町村でつくる広域連合があり、経済団体や農業団体も上伊那の範囲で「広域」的な取組みを進めてきてはいる。「広域的発想」の必要性が指摘されたこともあった。
だが、それは、市町村単位の「地域」の調整や共同事務の遂行などの機能を発揮するにとどまる傾向があったように見える。
上伊那広域連合は05年に「広域計画」を改定した。04年から見直し作業は進められたが、見直し案策定委員会や広域連合職員の努力と裏腹に、広域連合議会でも、各市町村議会でも、極めて低調な議論しか行われなかった。ここにも「広域的発想」の弱さが示されてはいないか?
06年は、伊那ばかりか首都圏と木曽をつなぐ道路が開け、その中継拠点にあたる地に、新しい市が誕生する。この事態を、「単に上伊那にとどまらない、信州南部に新しい玄関口ができることだ」と評する人もいる。
こうした時代の変化の中で、従来の「地域」の枠を超えて、「広域的地域」の振興を考えるべき時が来ている。「広域的地域」の境界線は、上伊那どころか信州南部全体に引かれるべきだろう。自分が生まれ育った集落や市町村に目を釘付けにしているのでは、時代に置いていかれる。そういう変化の中にいる。
もちろん、上・下伊那と木曽を横断的につなぐ行政機構も、経済団体も、市民団体も、まだ存在しない。だが、だからこそ、信州南部全体を俯瞰(ふかん)し、信州北部や信州中部に比して、「この地域」の魅力や個性は何であるかを考えることが、そしてその発展の中に、各市町村や集落のスタンドポイントを見出していくことが、新しい経済・産業の発展につながるという声もある。 -
宮田村の清水村長初の一般質問を終える
宮田村の清水靖夫村長は7月の就任後初めての村議会定例会を迎え、20日に一般質問を終えた。行財政改革や産業振興策に積極的な姿勢を打ち出す一方で、住民サービスの根幹となる福祉教育は独自色を示せていない。国道バイパス期成同盟会への加入問題を問われ、自分の考えを即座に表明するなど、前村長との違いはみられる。
少子化対策などについて質問した久保田秀男議員は、住民福祉課長が答弁したため「・ス清水カラー・スを打ち出し、村長自身が話してほしい」と追及。
清水村長は「情報を集め、村としての施策を明確にしたい。何かひとつ力強いものを考えたいので理解を」と答えるにとどまった。
ただ、小田切敏明議員が質問した村福祉作業所の施設改善について、「前々から改善が必要と感じていた。場所なども含め早急に検討する」と答えるなど、状況をみながら福祉分野などにメスを入れていく姿勢もみせた。
産業界出身として、産業施策については雄弁。農工商を結び付け新たな特産品づくりや観光活性を目指すとして、プロジェクトの立ち上げを打ち出した。
担当課は当初、村長の答弁書に地域産業のための懇談会を設置すると書くにとどめたが、村長は一般質問の答弁であえて「プロジェクト」と連呼し、村を挙げて取り組む強い決意を示した。
答弁書を棒読みするだけでなく、自分の意見を随所に散りばめる努力はみられたが、今後は考えをどのように形にしていくか、調整、実行力も問われる。 -
宮田村長が国道伊那バイパス期成同盟会に参加の意向を表明
国道153号伊那バイパスの促進期成同盟会(会長・小坂樫男伊那市長)が宮田村に会への加入を求めていた問題で、宮田村の清水村長は20日の村議会一般質問で「入会して、活動に参加していきたい」と意向を示した。21日の議会産業建設委員会で議論するが、村内ルートが見通しが立たないなかで、慎重な意見もありそうだ。
以前から同盟会の加入は浮上していたが、一度は発表すると言われていた宮田村のルートが示されず、実現性も問われ、村や村議会などは入会を見送ってきた経緯がある。
一方で村長は「広域連合などを通じて県にルートを示すよう要望しており、(村がルートにかかる)2期工事に向けて参画したい」と考えを示した。
本紙の取材に対して村長は「国道、広域農道も渋滞する。宮田だけが固辞するわけにはいかない」と答えた。 -
箕輪町平成24年度一般会計81億5千万円
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家庭の生ごみ堆肥化へ
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元気はつらつ箕輪の大先輩事業修正可決
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南箕輪村 国保税15.5%引き上げへ
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白鳥市長「高遠町地区新築補助」検討する考え示す
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駒ケ根市、新中学校の建設より他の義務教育施設の耐震化を優先する方針区長会で示す竏鋳ハ学区の一部変更は予定通り09年度を目途に検討を進める竏・
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箕輪町議会3月定例会日程
箕輪町議会3月定例会は7日、開会する。会期は20日までの14日間。
05年度一般会計などの補正予算、町特別職給与などの条例改正、06年度予算、議員定数の条例改正など32議案を提出予定。06年度施政と予算編成方針も示す。
日程は次の通り。
▽7日=本会議開会(議案上程・説明、議案の委員会への付託)午前9時縲怐、8縲・2日=休会▽13、14日=一般質問午前9時縲怐、15、16日=各常任委員会審査午前9時縲怐、17縲・9日=休会▽20日=本会議(委員長報告、質疑、討論、採決、閉会)午前10時縲・ -
箕輪町議会12月定例会日程
箕輪町議会運営委員会は28日開き、12月定例会の日程を決めた。会期は6日に開会し19日までの14日間。
日程は次の通り。
▽6日=本会議開会(議案上程・説明、議案の委員会への付託)午前9時縲怐、7縲・1日=休会▽12、13日=一般質問午前9時縲怐、14、15日=各常任委員会審査午前9時縲怐、16縲・8日=休会▽19日=本会議(委員長報告、質疑、討論、採決、閉会)午前9時縲・