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物語 抑揚豊かに演じて
伊那市の朗読愛好者でつくる伊那公民館サークル・伊那朗読の会(小林豊子会長)は25日、県文化会館小ホールで、年に一度の発表会を開いた。上伊那を中心に約100人が集まり、会員が語りかけるリズムや口調を目を閉じて聞き入った。
詩、エッセイ、小説などを会員16人が一人ひとり朗読したほか、全員参加の「群読」などの18プログラムを披露。会員の一年間の練習成果の発表に会場は大きな拍手で答えた。
発表会は2部構成で、前半は新入会員を中心に朗読を披露した。今年度の入会者は9人で、最高齢は80歳代の男性。それぞれのレベルはまちまちだが、初舞台に上がった会員たちは心を込め、聞き手に朗読の世界の魅力を伝えていた。
伊那朗読の会は、話し方の基礎を学ぼう竏窒ニ、1981(昭和56)年に創立。伊那公民館で月一回の練習や、NHKが主催する朗読セミナーへの参加などで朗読の腕を磨いている。 -
身近な川の水質親子でで調べたよ
伊那市の信州INAセミナーハウスで25日、諏訪湖・天竜川水系などの健康診断「親子で水質調査」の自由研究レポートの報告会があった=写真。リサイクルシステム研究会(会長=向山孝一KOA社長)などの主催。
05年で7回目となった調査には、環境問題に関心の高い親が働く地元企業21社から、68親子が参加。簡易調査器具「パックテスト」を使用して、COD(化学的酸素要求量)などを調べた。
箕輪町の帯無川を調べ、3回目の参加となる長野日本電気に勤務する白鳥明子さん親子。南箕輪村の大泉川のほか、自宅の水道水や風呂の残り水なども調査したNTN長野製作所に勤める落合謙司さん親子など、6組が報告した。
子どもたちは「くさい」「ごみが落ちている」などの五感で感じ取った感想を交えて、生活排水が川に及ぼした結果などを報告。調査に初参加の家族は「今度は違う川を調べたい」と、常連家族は「このまま調査を続けたい」と最後に述べ、環境保護への関心の高さをみせていた。
日本珪藻学会会員の飯嶋敏雄さんが「川の中の生き物たち」と題して講演もした。水質調査は薬品のほか、水中に住んでいる水生昆虫などの種類や量でも判断できることを紹介し、カゲロウやカワゲラなどが天竜川のどこに生息しているかなども教えた。
リサイクルシステム研究所は親子の水質調査のほか、諏訪湖から遠州灘(静岡県)までの一斉ごみ拾い「天竜川環境ピクニック」、24時間定時に各個所で水質調査を実施する「天竜川水系健康診断」などを毎年している。 -
どうぞのいすで障害者の自立を考える座談会
4月から施行となる障害者自立支援法に対し、地元は何が変わり、どう対応していけばいいかを話し合おう竏窒ニ21日、伊那市荒井区東町の福祉事業所「どうぞのいす」で障害者の自立をテーマとした座談会があった。障害者の自立支援をサポートしている生活支援コーディネーターや保護者、同事業所のスタッフなどが参加し、将来を見据えて現状の問題点などを話し合った。
新しい制度では、障害別で提供していた従来のサービス体系から目的別のサービス提供となり、市町村が責任を持って一元的なサービスを提供していく。各市町村は10月までにそれぞれどのようなサービス体系で運営していくかなどの方針を打ち出す必要があり、共同作業所など既存の各施設の運営形態は、方針次第で厳しい局面を迎える可能性もある。
その一方で、既存の施設が本当に十分機能しているかを疑問視する声もあり「もう一度既存の施設が十分機能しているか調べ、それらを十分活用していくことが必要」とする意見があった。 -
「伊那市のまつり」を刊行
伊那市教育委員会は、市内の民俗芸能(無形文化財)の記録第2集「伊那市のまつり」を500部作った=写真。
95年度から、民俗芸能を掘り起こし、記録保存しようと市教委や各地区祭典委員会などが一緒になって調査し、1年ごとに冊子をまとめている。00年9月刊行の第1集に続き、第2集=A5判、192ページ=は00縲・4年度までの冊子で紹介された15の伝統行事や民俗芸能を収録。
山寺の義士踊り、西箕輪上戸のでえもんじ、富県貝沼宮ノ花八幡社御弓神事など、それぞれ由来や特色、唄・振り付け、様子などが写真入りで載る。また、05年11月に市無形民俗文化財に指定された羽広の獅子舞も付け加えた。
市教委は「他地域の生活の様子を知ったり、伝承するための資料として活用してほしい」と話す。
第2集は各地区、文化財審議委員会などに配布。希望者には1冊1千円で販売する。
希望者は市教委生涯学習・スポーツ課(TEL78・4111内線420)へ。 -
国画会展入選目指し意欲作公開
南信地区で活躍する国画会展の出品者でつくるグループ「新視象会」の第3回新視象展が24日、伊那市の県伊那文化会館展示ホールではじまった=写真。今年の国画会展に出品予定の作品が集まる展示に、多くの人の関心が集まっている。26日まで。
入選がとても難しいとされる国画会展の出品者が、作品研究を目的に4年前からはじめた展示会。特別出品作家2人と出品者9人による油彩、銅版画、コラージュなどの計22点が並んでいる。サイズは100号を中心とした大作とあって、見ごたえのある展覧会となっている。
26日に会員で批評会を開き、作家によっては展示作品に手を加えて、国画会展(4月23日縲・月8日、東京都美術館)へ出品する。
会員の一人は「それぞれが自分の個性を生かしながら、新しい形の中から真の美を追求している意欲をみてほしい」と来場を呼びかけている。
午前10時縲恁゚後5時(最終日は午後4時)。入場無料。 -
新伊那市議選候補者を公募
新伊那市議会議員選挙に向け、候補者を公募していた民主党長野県第5区総支部(加藤学代表)は24日、「民主党推薦」で1人を擁立すると発表した。
候補者は、21日に出馬表明したNPO法人代表の野溝直樹氏(40)=無所属、東春近。
市役所であった記者会見で、加藤代表は、NPO活動などを踏まえ「民主党が掲げる市民参画型のまちづくりを実現できる人」と述べた。
野溝氏の意向を尊重して推薦の形。政策協定などを確認し、応援スタッフの派遣や選挙手続きなど人的なサポートをする。
第5区総支部は、意欲ある若者が政治界に出るチャンスを与えようと初めて市議選候補者を公募。問い合わせはいくつかあったそうだが、応募は市内の男女2人で、加藤代表らが面接した。
公募の取り組みについて「宣伝が足りず、浸透しなかった。地域の閉鎖性もあるのか、出たいという声が上がらず残念だった」とし、今後は状況を見て検討する。
伊那市・高遠町・長谷村との合併による市議選は4月23日告示、30日投開票の日程で行われる予定。 -
小松養蜂園が共同作業所利用者をみはらしいちご園に招待
イチゴ狩りを楽しんで日々の作業をがんばってもらおう竏窒ニ、伊那市の小松養蜂園(小松実治)は22日、伊那市、長谷村にある4共同作業所の利用者約70人を伊那市西箕輪のみはらしいちご園に招待した。
小松養蜂園は、伊那市共同作業の家の利用者が製作した蜂の巣箱を使用している。その縁で、さまざまな形で同作業所利用者と交流を深めており、イチゴ狩りへの招待もその一環。みはらしいちご園がオープンした9年前から続けている。
3月の合併を控え、市町村の枠を越えて作業所間の連携を深めたいとする思いがあることを知り、今回は伊那市共同作業の家だけでなく、市内や長谷村にある3作業所の利用者も招待した。
温かいハウスの中では「章姫(あきひめ)」「紅ほっぺ」が食べごろをむかえており、利用者たちは「おいしい」と話しながら真っ赤なイチゴを味わった。 -
みはらしの湯に桜
伊那市西箕輪の日帰り温泉施設「みはらしの湯」のロビーには、早くも桜の花が飾られ、入浴客の心を和ませている。
花は西春近の男性が提供。昨年の選定で切り落とした枝を温室に入れておいたところ、花を咲かせたという。多くの人が集まる場所で見てもらえれば竏窒ニ、みはらしの湯など数カ所へ配った。
桜はソメイヨシノで色は薄め。「あれ、桜じゃない」「もうじきだねえ」などと会話を交わす入浴客の姿もあるという。
持ち込まれた当初は、枝の一部分しか咲いていなかったが、施設内が温かいため、現在は一気に開花しており、隣に並んだネコヤナギとともに、春の到来を演出している。 -
現金収支2億9千万円の黒字
伊那中央病院運営審議会が22日夜、院内の講堂で開かれた=写真。05年度の病院運営状況や3階西病棟・別棟増設工事の経過説明のほか、意見交換をした。2年任期で審議委員15人が新たに任命され、委員長に藤島雄二さんが選任、副委員長に北原敏久さんと藤澤かつ子さんが再任した。
05年度補正予算後の収益的収支の現金収支から資本的収支の差引不足額を引いた、現金収支は2億9千万余の黒字。伊那中央行政組合長の小坂樫男伊那市長は「病院経営についてはそれぞれの皆さんの努力、地域住民の支援のおかげで現金収支が黒字を達成し順調」とした。
意見交換では全国的に問題となっている医療費の個人未納金や医師不足などについて、審議委員から質問があがり、担当者が説明した。
医療費の個人未納金については、03竏・5年度の累積額は約4千万円だが、経営を圧迫するほどの額ではないと主張。05年度からは専門徴収員2人を設け、毎月一人当たりが30縲・0万円を徴収しているため、年間の滞納金は半減していると説明した。
3階西病棟・別棟増設工事の経過は、昨年12月から別棟を会議室、倉庫などの医療支援スペースとして供用開始。3階西病棟には1人部屋4室、4人部屋9室、6人部屋1室の計46床やスタッフルームを新設している。竣工式は3月22日を予定。 -
児童の安全、地域ぐるみで
伊那市の富県小学校よりよい教育環境協議会は21日、児童の登下校の通学路の安全を巡視する「えがおみまもり隊」の結団式を同校体育館で開いた。保護者など約120人の地域住民が集まり結団。全校児童と交流を深めるために学区内の各地域ごとに分かれて自己紹介もした。
同協議会は地域ぐるみで継続して児童の安全を確保するために、保護者などにボランティアを呼びかけて発足。隊員は児童の登下校時に合わせて通学路に立って見守ると同時に、交通指導やあいさつ運動を交えて交流を広げる。同地区の保育園児や中学生の安全にも注意する。
結団式で北澤健吾隊長は「児童が安心して健やかに育っていける地域づくりに協力を。この活動の輪が広がっていくよう、地区にも呼びかけてほしい」とあいさつした。
児童を見守るボランティアの発足は伊那署管内にある22小学校のうち10校目となった。
同署管内で昨年発生した不審者の声掛けは27件で、そのうち児童が被害にあった事案は19件。午後3時縲・時の犯行が6割で、児童が一人のとき、自宅から100メートルの範囲で多く起きているという。 -
ソースかつ丼まん、ジンギスまんが登場
テレビ番組「THE鉄腕DASH」でTOKIOの国分太一、長瀬智也が来店して食べた「ローメンまん」と「ソースかつ丼(どん)まん」。大反響を呼び、売り出した伊那市境区の「シャトレ」(黒河内明夫社長)は製造が追いつかない状況だ。
2種類の中華まんは半年前から、同時進行で構想を練り、試作を重ねたもの。権兵衛トンネル開通、高遠町・長谷村との合併を機に「ローメンまん」のみを売り出す予定だったが、テレビ取材が入ったことで、急きょ「かつ丼竏秩vも合わせて発表した。
「かつ丼」と名の通り、カツの下に飯が入っている。皮のやわらかさに合わせ、肉はヒレカツを使用。飯がべとつく、ソースが皮に吸収されるなどの問題を解決し、ふっくらと仕上げた。重さ170グラムで、市販の肉まんの1・5倍弱。価格は1個390円。
テレビ番組の放送終了後は大きな話題となり、店内には「一度、食べてみよう」と足を運ぶ地域住民が多い。中には一人で10、20個と買い求める人もいるとか。
また、マトンとニラが入った「ジンギスまん」も新発売。1個280円。
近く、店内でドリンク付きのセットをメニューに載せる。
市内外の各種イベントや物産展のほか「天下第一の桜」を誇る高遠城址公園の観桜期にも出店する。
「鹿肉まん」「わさび肉まん」など6種類の中華まんは店内や高速道路サービスエリアなどで販売中。
黒河内社長は、新作開発のため、ニュージーランドの牧場やレストラン、とさつ場を視察し、ラムのチルドなどを研究。おいしさに自信を持つ。 -
絵手紙教室生が日ごろの成果・魅力披露
伊那市下新田で活動する絵手紙教室の会員10人による「絵手紙・楽しい仲間展」が3月10日まで、中部電力伊那営業所ギャラリーで開かれている。淡い色使いで、ぬくもりある作品が多い。
昨年製作した作品をカレンダーにまとめて1年間の成果を発表。干支(えと)の犬を描いて「ワンランク上を目ざそう」と添えた表紙で始まり、3・4月は桜といった季節に合った画題を月ごとに取り上げ、12月はひょっとこの絵に「豊年満作」と記して1年を結んだ作品など、個性豊かで来場者の目を楽しませている。
かぶの絵に「真っ白なきもちでスタート」、薄紫色に咲く藤の花を描き「心にも色づけしよう」など、短冊や扇面も展示し全163点を飾った。
教室は、洋画家・坂本勇さん=伊那市美篶=を講師に迎え、下新田公民館で月2回、励んでいる。「絵に真心を込め、相手に話しかけるように言葉を記す」(坂本さん)一人ひとりの表現の違いが絵手紙の一つの魅力という。
宮脇智明代表(77)は「会員それぞれが一生懸命仕上げた作品を一目見てもらいたい。絵手紙の魅力が伝われば」と話している。
3月10日まで。午前8時30分縲恁゚後5時10分。土・日曜日、祝祭日休館。 -
小学生のデザイン画ごみ収集車に描く
産業廃棄物処理業の那須屋興産(池上幸平社長、伊那市西春近)は22日、ごみ収集車の側面などのデザイン画を依頼した西春近北小学校(伊那市)と東伊那小学校(駒ヶ根市)を訪れ、児童たちに完成車両を披露した。
デザインしたのは西春近北小4年「からたち組」「けやき組」、東伊那小4年生。それぞれ「環境保全とリサイクル」をテーマに、ごみのない環境の中で人間と動物が共存する様子などを表現した。
那須屋興産はリサイクルの重要性を地域住民に知ってもらおう竏窒ニ、昨夏、ごみ処理課程を見学に訪れた3クラスに依頼。昨年12月にデザイン画を受け取り、新車(4トン)に絵を描いて1週間前に完成した。
車の左半面と後方のデザインを担当した西春近北小では、2クラス合計37人が完成車両と対面=写真。児童は自分がデザインした場所を眺めて「紙に描いたデザインよりかわいくなってる」と満悦顔。皆で車の前に並び、記念撮影もした。
小学生にデザイン画を依頼したのは4年前に続いて2回目(2台目)伊那市を中心に資源回収に走る。 -
前季比550人増の1400人 伊那西スケート場今季利用状況
伊那市振興公社は、伊那西スケート場の05年度利用状況をまとめた。本年度は滑走37日間(前年度比13日増)で1436人(同557人増)。天候にも恵まれて営業日数は例年に比べて長く、利用者数もここ10年間では3番目に多い人数となった。
スケート場開場は12月26日縲・月5日(前年度は1月9日縲・月5日)の41日間。そのうち朝、ナイターはともに37日間の滑走が可能だった。12月に開場できたことも稀で、約10年振りとのことだ。
利用者数は、ちびっこスケート教室、市民体育祭、地元の伊那西小学校生のスケート授業などの参加人数も含めて1436人。8割りが朝の利用で、親子連れが土・日曜日の晴れた日に集中したという。 -
シルバー人材センター会員作品展
伊那広域シルバー人材センターは24日まで、伊那市西町の事務所(ワークプラザ伊那)で互助会メンバーの作品展を開いている。絵画や手芸、盆栽など101人の会員が製作した多彩な307作品が、訪れた人の目を楽しませている=写真。
会員互助会は、連帯感を強めたり交流を深めることを目的とした教室活動をしており、展示会はその成果を披露する場。会員それぞれが独自で取り組む活動の作品も展示。自然木を使ったオブジェや新聞広告で創った工芸品など、ユニークな作品も多数並んでいる。
会員は男性が3分の2を占めているが、出品は女性の方が多いという。 -
伊那小4年剛組 通り町の「にぎやかな街づくり」をテーマに学習
伊那市通り町の「にぎやかな街づくり」をテーマに学習する伊那小学校4年剛組(大沼聡教諭、30人)は21日、同町のニシザワデパートで、一年間の学習成果の発表会を開いた=写真。児童たちは集まった通り町の各店主ら約20人に対し、活性化への提案を伝えた。
11グループが「大型店と通り町のやさしさ比べ」「通り町はいいまちか調べ」などの研究テーマを発表。それぞれ100人を目標に、大型店や通り町で買い物する利用者にアンケートした結果を参考に提案した。
通り町の金物店と大型店のサービスの質を比較したグループは、両店で売っている同じ太さ、寸法の「丸くぎ」を地域住民に打ち比べてもらった様子を撮影したビデオを上映。多くの人が通り町で販売しているくぎのほうが丈夫で使いやすいとの結果だった。
金物店の特長について「くぎを一本から購入できる」「商品の説明をしてくれる」などと発表し「くぎを売っている場所が分かりにくい」と欠点も指摘した。
そのほか「通り町のパンフレットを作りたい」と約40店舗の開店時間などの営業内容をまとめた原案を提出したり、商店街に飾っているタペストリーを四季ごとに草木染めで作る、通り町の酒屋・正藤さんにごうかいな字で、全店の案内板を描いてもらうなどの提案もした。
児童たちの提案に対して、通り町1丁目でつくる「通り町商店街振興組合」の竹田一麿理事長は「これも一つの参考として、いい勉強になった。今後も街づくりに励みたい」と子どもたちの力強い応援を喜んでいた。
剛組では今後もにぎやかな街づくりの活動を継続する考え。3月中旬には教室で育てたパンジー約500ポットを通り町に飾る予定だ。 -
4月にファミリー・サポート・センター事業開始
伊那市は4月、地域で子育ての助け合いをするファミリー・サポート・センター事業を始める。20日、育児の援助をする協力会員の申込者を対象にした第1回相互援助活動事前講習会を開いた=写真。
センターは、子どもの一時預かりや送り迎えなどのサービスを有償で提供することで、安心して子育てができる環境を整えるもの。市役所内にセンター事務局を設け、子どもを預ける依頼会員から申し込みを受け、協力会員に依頼する。
協力会員には市内全域から子育てを終えた人、子育て中の人など女性26人が申し込んだ。市は「協力会員がいないと成り立たない事業だけに、多くの申し込みで開始の見通しがたった」と話す。
協力会員になるには、事前講習を受けることが条件で、申込者は20縲・4日(22日除く)、子どもの発育と健康管理、子どもの遊び、交通安全、サポーターとしての心構えなどを学ぶ。保育所見学もある。
初日、北原秀樹福祉課長は「地域の協力で、安心して生み育てる環境を整えたい」と述べ、事業の輪を広げていきたいとした。
そのあと、市担当職員が事業内容、食事とおやつなどについて話した。
協力会員の事前講習会は7月以降に開く計画で、随時受け付ける。
また、依頼会員を募集する。
利用の対象は、市内に在住する生後3カ月縲・2歳の子どもを持つ人。利用料金は月縲恣y曜日午前7時縲恁゚後7時が700円、それ以外の時間帯・日曜日・祝日・年末年始が800円。きょうだいの場合、2人目から半額となる。
問い合わせは、事務局の市役所福祉課児童係(TEL78・4111内線2322)へ。 -
市議選に野溝直樹氏が出馬
3月31日の新伊那市発足に伴う市議選に、伊那市東春近のNPO法人「クローバーコミュニケーション信州」代表野溝直樹氏(40)=無所属=が21日、出馬表明した。
野溝氏は「多角的な視点こそがこれからのまちづくりに求められている。NPO活動などの経験を生かし、建設的、実効的な施策を打ち出せる市議として役に立ちたい」とし、政策に▽協働のまちづくりを進めるための道筋をつける▽広域的発想で見た観光振興竏窒ネどを挙げた。
組織は地域、伊那青年会議所、NPO、同級生など考え方に共鳴してもらえる人に支持を広げていく。また、民主党長野県第5区総支部の市議候補者公募に申し込んだことも明らかにした。加藤学総支部代表によると、まだ正式決定に至っていないが「民主党推薦」の形でいきたいとした。24日に記者会見を開いて発表する見通し。
市議選は4月23日告示、30日投開票の日程で行われる予定。 -
市章候補作品5点が決まる
3月31日の新伊那市発足に伴う市章の候補作品5点が21日、決まった。新市発足後に1点が決定する。
候補作品は市民に向け、市報などを通じて知らせる予定だが、1点に絞り込む手法や時期などは今後、煮詰めていく。
候補作品は、3市町村の合併協議会の委員や識見者でつくる市章候補選定委員会(竹内徹委員長、9人)が5回の委員会を開いて選考。応募作品2490点から徐々に絞り込み、類似商標がないかも調査した。
デザインは二つのアルプス、桜、川、自然など新市の特色や、伊那市の「イナ」「INA」をモチーフにしたものが目立った。
候補作品5点は「新市の元気をイメージ」「新市の将来像にある『自然共生都市』を表現」した作品が並んだ。
21日の合併協で、竹内委員長が「市章としての品位や品格を備え、親しみやすく、新市民に受け入れられやすい作品を選考した」と報告。
委員からの意見はなく、承認された。 -
よりあい東春近会議
自分たちの地域は自分たちの手でつくろう竏窒ニ、伊那市東春近の住民有志でつくる「よりあい東春近会議」は19日、東春近の地域づくりについて考えるワークショップを東春近公民館で開いた。約30人が参加し、よりより東春近にするためには何が足りないか、個人としては何ができるかなどを話し合った。
昨年6月から話し合いを重ねてきた同会議は「自分たちの思いを地域づくりに反映したい」「人と人との結び付きを通した住民参加型の地域づくりをしたい」などと考える住民有志らが発足したもので、今回は、地域全体を巻き込んだワークショップを開くことを企画。その前段では、今後の地域づくりに重要な役割を果たす地域自治区を学ぶ勉強会も開いた。
ワークショップは3グループに分かれて実施。1班は「まとまりのある地域の中で小さな意見が言えなくなっているのでは」「地元に素晴らしい人がいても、知らないことも多い」などの意見があり、意見箱や東春近人材バンクの設置などが提案された。
発起人の織井秀夫さんは「行政に何かやってもらおうという姿勢から離れ、自分たちのことは自分たちで考えていくことが大切」と話していた。
今後もワークショップは定期的に開催していく予定。 -
伊那市で松くい虫被害を確認
伊那市で20日までに、松くい虫被害が確認された。市は06年度当初、3月31日に合併する高遠町・長谷村の森林も含めて被害対策計画(06縲・0年度)を策定し、北上を食い止める。
確認されたのは、東春近田原と西春近表木で、いずれも私有林。1月に枯損木から検体を採取し、上伊那地方事務所林務課、県林業総合センターに検体鑑定を依頼したところ、松を枯らすマツノザイセンチュウが発見された。
市内の山林面積は1万2千ヘクタールで、赤松は3千ヘクタール。そのうち、マツノザイセンチュウを松から松へ運ぶマツノマダラカミキリが飛ぶとされる標高800メートル以下が600ヘクタールある。
被害対策計画では、標高800メートル以下の松林を、松林として維持する「保全松林」、樹種転換する「被害拡大防止松林」、「その他松林」の3種類に区分し、被害のまん延を防ぐ。
巡視による枯損木の早期発見や伐倒くん蒸を継続するほか、地上薬剤散布、樹種転換などの対策に取り組む。
予防策として薬剤の樹幹注入講習会を開き、広く市民に知ってもらう。
06年度の事業費は900万円(前年度比430万円増)を見込むが、被害対策計画の策定によって変わることもある。
本年度(1月現在)の枯損木処理は250本、材積226立方メートルで、前年度に比べて62本、84立方メートル増えた。東春近、西春近が大半を占める。
市松くい虫対策協議会で20日、枯損木処理の状況などを報告。
委員の各地区財産区議長から山の手入れの必要性が挙がった。
松くい虫被害は、マツノマダラカミキリが松を枯らすマツノザイセンチュウを松から松へ運び、松枯れが発生する。上伊那地域は東西が山に囲まれ、南から北へ、天竜川の上流に向かって強い風が吹く。そのため、マツノマダラカミキリが飛んでいかないように松のないゾーン(松林保護樹林帯)を作るなどの防除対策が基本的な考え(上伊那地方事務所)。宮田村での被害は確認されていない。 -
伊那ビデオクラブの作品コンクール表彰式
伊那ビデオクラブ(飯島尚美会長、32人)の第9回ビデオ作品コンクール表彰式が19日、伊那市生涯学習センターであった。クラブ員ら約40人が集まり、入賞者19人を表彰した。
コンクールは1年間の勉強した成果を発表する場。今回は、撮影会のあった飯田市上村下栗を題材にした風景やドキュメントなど33点の応募があった。事前に、クラブ員のほか、飯島町在住の映画監督・後藤俊夫さんら3人が特別審査員に加わり、5分以内にまとめた応募作の撮影技術や編集、音の使い方などを採点して入賞作を決めた。
表彰式で、飯島会長は「何を伝えたいのかを考え、熱意を持って作品を作るという後藤監督のアドバイスを基本に、映像を撮りたい」とあいさつ。
そのあと、入賞作を1点ずつ見て、それぞれ入賞者を表彰した。
クラブは映像を通した社会貢献として、昨年、クラブ員の撮った作品を福祉施設に寄贈、今後も継続したいとした。
入賞者は次の通り(敬称略)。
▽市長賞=北原正「一円玉の青春」南箕輪村▽監督賞=河野恒「火の若衆」池田町▽伊那ケーブルテレビジョン賞=赤羽伊三夫「神々をまつ山里の四季」伊那市▽市教育委員会賞(地域文化記録優秀)=飯島尚美「匠たちのかけ橋」同▽伊那毎日新聞社賞(取材優秀)=白鳥節夫「下栗を訪ねて」同▽中日新聞社賞(記録映像優秀)=平沢三千人「大阿原湿原保護と整備」南箕輪村▽信濃毎日新聞社賞(企画優秀)=吉江昌司「孝行猿のお話」辰野町▽長野日報社賞(生態記録優秀)=武田忠芳「毒針の代償」伊那市▽みのわ新聞社賞(映像優秀)=小山喜美子「こすもすまつり」同▽市有線放送賞(取材優秀)=赤羽仁「下栗の里を訪ねて」同▽上伊那教育会賞(撮影優秀)=小坂友信「越中おわら風の盆」同▽NHK長野ビデオクラブ会長賞(記録映像)=石川はつめ「キジバトの巣作り」同▽会長賞(映像優秀)=小島勇男「下栗の里の魅力」南箕輪村▽努力賞=久保田員人「みてござる地蔵」伊那市▽新人賞=城倉広夫「漓江下り」同▽奨励賞=北原厚「ど根性」伊那市、向山雄一「かやぶき屋根の家」箕輪町、平沢正憲「たった5分の初フライト」伊那市、鵜生川寿和「戸隠の春」辰野町 -
みぞれ時折激しく…白鳥も体寄せ合い
二十四節気の「雨水」も過ぎた20日、上伊那地方はみぞれ混じりの雪で一面真っ白。天竜川ですっかり・スおなじみ・スになった白鳥の群れも、互いの体を寄せ合い寒さを我慢しているようだった=写真。
伊那市西春近小出島の天竜川では17羽の白鳥が時折、体にまとい付く冷たいみぞれ雪を振り払うように、その場で羽を羽ばたかせていた。
21日の予想天気は「くもりで昼前から晴れ」。最低気温はマイナス1度になる見込み。寒さはまだまだ続きそうだ。 -
新山でハッチョウトンボの木道整備はじまる
ハッチョウトンボをはじめとする貴重な昆虫が多数生息する伊那市富県上新山の湿地で19日、観測者などの踏み荒らしを防ぐことことを目的とした木道の整備が始まった=写真。
木道を設置する湿地は約0・7ヘクタールの私有地で、ハッチョウトンボのほかにも準絶滅危惧(きぐ)種を含む27種類のトンボが生息していることが確認されている。木道の総全長は約113メートル。コモンズ支援金の05年度採択事業として、市と地元住民が協同して作業を進める。3月末までには完成予定。
生態系への影響を配慮して、防腐剤などを塗布しないカラマツの間伐材を使用する。
作業に参加した新山山野草等保護育成会の北原重利会長は「地元でもハッチョウトンボを見たことのない人も多くいるので、パンフレットなどを作成して広めていきたい。何らかのイベントをやることも考えている」と話している。
早ければ5月下旬ころからハッチョウトンボを見ることができる。最盛期は7月。 -
伊那市で視覚障害者のための音声情報配信システムの実証実験開始
視覚障害者に、よりタイムリーな情報提供をするため、伊那市が関係団体や民間企業と開発を進めてきた音声情報配信システム「きこえるニュースボックス」の実証実験が20日、始まった。ブロードバンドを使って音声情報を配信する取り組みは、全国でも初めて。
視覚障害者は、点字や吹き替え録音で市報や日常の情報を得ているが、時間的遅れがあった。
音声情報配信システムは、文章情報をシステムが音声化して直接利用者に届けるため、タイムラグを最大限解消できる。
文章情報は中央のシステムに配信され、そこから各家庭の子機を通して音声に変換される。利用者はリモコンのボタン操作によって、自分の知りたい情報を選択し、受信できる。
現在は市報や広報、ローカル情報など約300のコンテンツを入力しているが、実際には数万のコンテンツを保存することが可能だという。市内の希望者6人に子機を貸し出して3月末まで実証実験をする。その結果をもとに改良を加え、半年縲・年以内の製品化を目指す。 -
タグラグビーって楽しい
伊那市の小中学生を対象に体験活動の場を提供する事業「はなまる地域探検隊」(伊藤元郎代表)は18日、市民体育館でニュースポーツ体験道場を開き、児童30人余がタグラグビーを体験した。
「一人が皆のために。皆が一人のために」のラグビー精神を体験し、市が毎年夏に開く大学招待ラグビーへの関心も高める目的。タグラグビーを体験するのは昨年10月に続いて2回目。
タグラグビーは首都圏の小学校で多く取り入れられているスポーツ。タックルの代わりに相手選手の腰に付けられたタグを奪い取ることが、通常のラグビーと大きく変る。
2人一組でタグを取り合ったりと、練習を重ねてから実践。児童らは前方にパスできないラグビーのルールに困惑していたが、市体協ラグビー部、県ラグビー協会の3人が優しく指導した。
試合が始まると児童たちは競技に夢中。2度目の体験となった伊那東小4年の市村尚也君は「鬼ごっこみたい」と息を弾ませながら楽しんでいた。 -
伊那市立図書館が「不明本」解消対策
伊那市立図書館(大槻正明館長)は年間の「不明本」数が180万円相当に及ぶことなどを理由に、2月初旬から、利用者の私物と貸出し本の区別をつけるために、館内では本を買い物かごに入れて持ち歩くよう協力を呼びかけている。
上伊那の図書館では初めての試み。3月末まで試験的に実施し、館内使用注意事項に加えることも検討する。
伊那市立図書館によると、同図書館に加え市内3分館を合計した蔵書(現在=約20万点)については、毎年6月に点検を実施。04年6月の点検を終えてから05年6月までの不明本数は約900点で、一点当たり2千円と考えても約180万円の損失になるという。
市立図書館がオープンした1994年以来、同館管内の不明本の累計数は約2千余点(同館推定)。最近では雑誌(500円相当)や音楽CD(3千竏・千円相当)の紛失が最も目立だち、なかには一点2万円ほどの高価な美術図鑑もなくなっているという。
不明本のうち何点かについては、いつのまにか返却ボックスに返されていることや、職員の点検ミスで見つかることもあるという。
不明本対策については、伊那市理事者などで構成する行政改革推進本部会議が図書館の行政改革を見直すなかでも検討。利用サービスの強化に努めるため、同図書館では1月初旬、職員で行政改革推進チームを設け、「まずはできることから」と買い物かごの利用を実施している。
買い物かごの利用状況は今だ低いが、本をまとめて持ち歩ける便利さを喜ぶ人もいる。大槻館長は「せっかく買った本を多くの人に利用してもらいたいと思っているので協力を」と呼びかけている。 -
「常和の命水」にクラシック聴かせる
伊那市にある建設業「織建」の織井常和社長が代表を務める水製造・販売「いすゞ」は2月から、クラシック音楽を聴かせた南アルプスの深層水「常和の命水(ときわのめいすい)」を郵送用に売り出している。波動値が自然水の中で世界トップクラス。波動値は、人間も含めて物質が発している目に見えない超微弱エネルギー(波動)を数値化したもので、健康な人は高いといわれる。味も「さらっとしてまろやか」と評判だ。
クラシックを聴かせたワインや焼酎、牛乳などがあることから、水はどうかと考えた。心をいやすモーツァルトの交響曲第40番を選び、命水が入った500リットルタンクにスピーカー12個を取り付け、振動で30分以上、音楽を聴かせる。水に取り組んだのは日本で初めてという。
東京都にある波動値の検査機関に命水の測定を依頼したところ、自然水の中で波動値が高い結果が出た。命水と比べても23%アップ。水道水と違い、音楽を聴かせた後も波動値の高さが持続する。
命水は織井代表の自宅敷地内の地下100メートルからくみ上げ、非加熱ろ過充填したもので、昨年6月に発売。活性酸素の一つ、一重項酸素(肌の老化やがんを促進する物質)を除去する能力が高い特性などを持つ。カルシウムが多いものの、マグネシウムやナトリウムが少なく、成分のバランスがいい。
発売から半年以上が経ち、利用者から「医者に通わなくて済むようになった」と体調の改善効果など喜びの言葉が多く届き、命水の機能が実証された形。
織井代表(67)は「寄せられた声は信じられない話ばかり。確実に口コミで広がっている」と予想以上の反響に驚き、周囲からも「『名物水』として地域の産業振興につながる」と期待が寄せられる。
命水は、同社やインターネットで販売。郵送用は2種類(自然水のまま、クラシックを聴かせた自然水)のうち、どちらかを選ぶことができる。価格は同じで、20リットル入りは2千円。音楽を聴かせた水には「こころいやす音楽を覚えた」と記したシールをはっている。
問い合わせは「いすゞ」(TEL77・9113)へ。 -
どうぞのいすで子育て何でも話し会
気軽な話し合いを通して情報交換をしたり、交流を深めよう竏窒ニ18日、伊那市荒井区東町の福祉事業所「どうぞのいす」で障害児を持つ母親などを対象とした「子育てなんでも話し会」があった。
障害児の親が交流する場があまりない竏窒ニいう声にこたえて実現した会で2回目。
さまざまな年代の子どもを持つ母親が参加し、就学についての疑問や、障害者自立支援法に伴う変化などを話し合った。
子どもの自立については「障害者が普通に生活していける場所がほしいと感じている親は多いが、自分の子どもは外に出したくないと考える人も多い。行動しなければ社会は変わらない」「隠すように子どもを育て、成人してから地域に戻そうといっても戸惑う。小さい時から地域の中で育てていけば、それが当たり前のことになる」などの声があり、「家族の意識を変えることも重要だね」と確認し合った。
今後も、母親だけでなく障害児にかかわる全般を対象として話し会を開いていく予定で、多くの参加を呼びかけている。次回は4月に開催する予定。
問い合わせはどうぞのいす(TEL74・6697)へ。 -
「菊香堂」社長 赤羽政治さん(46)
創業は1887(明治20)年。「高遠饅頭(まんじゅう)」で始まったまんじゅう屋さん。04年に4代目を引き継いだ。
子どものころから、菓子づくりに囲まれた環境で育ち、おのずと和菓子の道へ進んだ。東京都の和菓子屋で、住み込みで修業。帰郷して14年目に入った。
伊那市坂下区にある和菓子店「菊香堂」には、高遠饅頭(まんじゅう)をはじめ、漂泊の俳人・井上井月の「井月さん」「勘太郎笠」「羽広の観音さま」「絵島生島」「みなみみのわの実」などが並ぶ。地元の文化や歴史にちなんだ商品づくりを意識し、伊那の地をアピール。菓子を包む袋には、そのいわれなどを記す。客との雑談の中から生まれたものもある。
1月中旬には、伊那と木曽を結ぶ権兵衛トンネルの開通を記念し、米俵の形をしたもなか「権兵衛米の道」を発売した。3月31日の高遠町・長谷村との合併を控え、新たな商品を売り出す予定。
地元にちなんだ商品は、手土産に持って行った先で話題にもなるし、地域資源を再認識することにもなる。菓子を食べながら「へぇ」と感じてもらい、伊那へ来たとき、店に立ち寄るきっかけになればと考える。
新作は頭の中で構想を練り、イメージ画を描いて試作に入る。「自分でいいと思って店に出すと、いいもの、よくなかったものの反応がすぐわかる。お客さまに受け入れられなければ、商品は残る」。客の反応が創作意欲をかきたてる。
和菓子の中でも、特に季節感が出るのが生菓子。絞り、細工など一つひとつが手作りで、一つひとつに気持ちを込める。今の時期は桃の花、福寿草、スイセンなどが店頭を飾る。同じ赤色でも、四季折々でその色合いは変わるという。
桃の節句といえば「桜もち」を食べるが、今はケーキなどが出回り、子どもたちに人気。伝統の和菓子が薄れていくのを感じる。
茶席の授業で「和菓子を食べておいしかったから」と商品を買い求める高校生がいる。季節の和菓子を見直す意味で、店側からPRしていくべきと考える。
和菓子はきれいさもあるが、創作するおもしろさがある。地元の人が土産に持っていける商品、足を運んでくれる店づくりを目指す。
(湯沢康江)