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10年後もハッチョウトンボの舞える環境を
推定5千匹のハッチョウトンボと、準絶滅危惧(きぐ)種を含む27種類のトンボの生息が確認された伊那市富県上新山。全国的にも最大の生息規模だという湿地帯で伊那市は、今年3月の完成を目指して遊歩道整備を進めている。「公開する場所」と「保護する場所」を分けることで、観測者の踏み荒らしを防ぎ、生育環境を保護することが目的。しかし、これだけ多種類のトンボや昆虫が観測できることも珍しいため、訪れた人に、これらの貴重な生物を知ってもらえるような配慮もしていく。
「世界最小」といわれるハッチョウトンボの全長は約2センチ。低地の湿原を生息地としている。集落の周辺では開墾や農薬散布などの危険に脅かされることもある。上新山で最も多くのハッチョウトンボが確認された湿地帯は私有地約0・7ヘクタールだが、調査の結果、減反中の田んぼなど、このほかにも約8カ所で生息を確認した。ほかにも生息域が存在する可能性もあり、新山全体に豊かな環境が残されていることがうかがえる。湧き水、丈の低い草などの自然条件が「常時水が流れる環境」「良好な日当たり」といった、ハッチョウトンボの生育条件をつくり上げている。
地元でハッチョウトンボの保護に取り組む「新山山野草等保護育成委員会」(北原重利委員長)は昨年7月、湿地の一部公開に踏み切った。当初は観測者の踏み荒らしを懸念し、公開はしないつもりだった。しかし、公開しなくても見に来る人はおり、むやみな侵入があれば、踏み荒らしを招いてしまう。そこで、整備した一部を部分開放することで、湿地全体の保全を充実させた。
子どもたちにも貴重なトンボを見てもらおう竏窒ニ、夏休み前に整備を終え、7月中旬から開放。土日を中心に家族連れなどが訪れた。
会は今回の遊歩道整備にも、協働参加する。第一の目的は湿地の保全。しかし、今後ハッチョウトンボの観測に訪れた人には、普段はなかなか訪れる機会のない“新山”を知ってもらい「こんな場所もあったんだ」と感じてほしい竏窒サんな願いもある。
木道は隣接する池の中を通して湿原にぬける。環境への影響がないよう、防腐剤は塗布せず、間伐材を利用する。訪れた人にハッチョウトンボの特性を伝えるための木製看板を設置し、生息生物が一目でわかるリーフレットづくりにも取り組む。
立派な看板を付けたが、10年後はいなかったということにならないよう竏窒サんな思いが木道には込められている。 -
門松作りに大忙し 小松彰一さん(75) 伊那市東春近
「この時期は気合いが入るね」。正月を控え、門松作りに大忙しだ。寒さに加え、朝から夕方までの1日仕事に、手が荒れ、割れ目ができる。それでも「冬の楽しみでやっていることね。人の喜ぶ顔がうれしい」と自宅の庭で火をたきながら、正月飾りづくりに精を出す。
11月ごろから、山に行って松を切ったり、友人から竹を譲ってもらったりと材料を準備。早めに作ると、竹が割れてしまうため、製作は短期間に集中する。
高さ1・5メートルの門松十数基のほか、しめ飾り、タイなどを手がける。門松で使った直径15センチの竹の切れ端を土台にしたミニ門松が新たに加わった。
門松は3本の竹を中心に、松、梅、しめ飾りを組み合わせる。わらで作る土台のはかまも手づくりで、オリジナル。梅は温室で咲かせるが、本年は寒くてつぼみにもなっていないとか。
門松作りを始めたのは15年前。会社にあった門松を見て、作ってみようと思い立った。上伊那中の商店街や銀行の門松を見て回り、研究した。
10年ほど前から、仕上げた門松は、地元の公共施設などへ寄贈。「しめ飾りの作り方を教えてほしい」と自宅まで習いに来る人もいる。小学校などへも出かけ、指導に当たる。
「わしたちの小さいころは、ござを編んだり、学校に履いていくぞうりを作った」とわら文化は生活に欠かせないものだった。今では、わらに触れる機会が少なくなり「わら文化を伝承したい」と願う。
◇ ◇
中川村四徳出身者らでつくるNPO法人「山里の暮らしと豊かな森林を守る会」の理事長を務める。
今夏、立ち上げたばかりで、四徳に築窯した炭焼きがまで間伐材を使って炭を焼いている。
今後、キノコ山を整備したり、ログハウスを造ったりと森林の活性化や山里の暮らしを復活させ、活性化に結びつける。
メンバーは、61年(昭和36)年の三六災害で集団移住を余儀なくされた60縲・0代の住民ら約20人。「まさか、ふるさとの山で炭を焼くと思わなかった」と話すものの、メンバーが集まると、ふるさとの話は尽きないという。
活動を継続するためにも、後継者育成が必要と考えている。
短歌や俳句も趣味。
ふるさとの山で、炭焼きに取り組んだ様子を題材にした短歌もある。
(湯沢康江) -
神社準備
伊那市坂下の「坂下神社」で28日、新年を迎えるための準備が行われた。作業に参加した約15人の神社員は、大鳥居やご神木、本殿など4カ所にしめ縄を取り付け、おたき上げや境内の清掃に取り組んだ。
同神社には例年、31日の午後9時ころから二年参りに訪れる人たちが集まり始め、1月1日の午前0時ころからは、近くにある「常円寺」で鐘をついた人が流れてくるため、一時的に大鳥居の外側まで参拝客が並ぶほどにぎわうという。
今年は甘酒、年越しそばを250縲・00食ほど準備する。甘酒は無料配布し、そばは200円程度で販売する予定。当日は、熊手やお守りを販売するテントも並ぶ。 -
元旦配達へ年賀状仕分け
伊那市坂下区の伊那郵便局(藤原良明局長)は元旦の配達に備えて、職員やアルバイトらが年賀状の仕分け作業に追われている。
28日現在、同局が元旦に配布する、年賀はがきの引き受け枚数は32万4千枚。前年の元旦配達枚数は60万4千枚の実績だったが、年々、差し出し人の遅出し傾向に伴い、本年のピークはずれ込み、31日まで作業に追われそうだ。
伊那郵便局では、101人のアルバイトを導入。年賀状を仕分けする内務作業には、女子高校生を中心に60人が、配達を担当する外務作業には、地元高校の野球部などを中心に41人が参加している。
石川紗妃さん(伊那北高校1年)は初めての仕分け作業。「仕分け作業が大変なことが分かったし、配達されるまでの方法が知れてよかった。元旦に年賀状が届いた人の喜ぶ顔が楽しみ」と作業に集中していた。 -
国際ソロプチミスト伊那が寄付
女性の奉仕活動団体「国際ソロプチミスト伊那」(兼子ゆう会長)は27日、恒例の歳末福祉金5万円を伊那市へ寄付した。兼子会長と会員の前林美津子さんが市役所を訪れ、小坂樫男市長に寄付金を手渡した。
21日、市内で会員約20人が集まったチャリティーオークションの収益金の一部。メンバーから募った、花、衣類、日用雑貨、貴金属など約50縲・0点が集まったという。
バザーの収益金はそのほか、それぞれの会員がいる市町の駒ヶ根市に3万円、高遠町と箕輪町に2万円づつを寄付。同市富県にある児童養護施設「たかずやの里」へは、絨毯と電気コタツセットを寄贈している。 -
しめ飾り
伊那市ますみヶ丘のグリーンファームは、しめ飾りやおせち料理など、正月の準備に向けた材料を買い求める人たちでにぎわっている。
しめ飾りコーナーには、上伊那各地の生産者が製作したものが多数並ぶ。綯(な)い方から飾りまで、各家の個性が生きたしめ縄が、忙しい年の瀬の空気を和ませている。 -
伊那公民館高齢者教室、市社協へ寄付
伊那公民館の高齢者教室は27日、歳末助け合い募金3万1310円を伊那市へ寄付した。有賀多嘉子会長ら4人が市役所を訪れ、市長に手渡した。
伊那公民館の高齢者教室は例年、市の社会福祉に役立ててもらおうと寄付をしている。今年は196人の受講者から集まった3万1310円を持参した。
寄付は市社会福祉協議会の福祉基金に積み立て、市の福祉のために役立てる。
教室は「すこやか学級」(入講から3年目まで)と「福寿学級」の2講座で学んでいる。5月の開講以来、市長の講演や健康管理講座、マレット交流などに月1度、取り組んでいる。 -
変動の年へ改革さらに
上伊那の各市町村で28日、仕事納め式があった。
伊那市は、職員約250人を前に、小坂市長が「行政改革の年で、職員一人ひとりが知恵を絞り、一定の成果を挙げることが出来た」と協力に感謝し、継続した取り組みを促した。来年は高遠町・長谷村との合併や、権兵衛トンネルの開通を控え「木曽との交流が広がり、経済、観光、通勤など大きく変わる。合併効果も生かしていかなければならない」と述べた。また、戦後60年を振り返り、命の尊さにも触れた。
市役所や役場は06年1月3日まで休み。 -
みはらしファームで〆の子の飾り付け
今年も残すところ数日となった28日、伊那市西箕輪の農業公園「みはらしファーム」は、正月飾り・〆の子を園内各所に飾りつけた。
〆の子は、今月初めからの「〆の子づくり無料体験」の参加者や施設従業員、伊那東保育所の園児らが手作りした。来年の西暦に合わせ2006本の〆の子を縄につるし、園内各所に張り巡らした。全長は約1・3キロ。
〆の子に宿るといわれる「歳神様(せいのかみさま)」に、願い事を天へ届けてもらおう竏窒ニ、みはらしファームの〆の子には、作った人の願い事が添えられている。「友達と仲良くできますように」「家族が健康で過ごせますように」などが多かった。
〆の子は、年明け1月22日のどんど焼きでしめ飾りなどと一緒にたき、歳神様を天へと送る。 -
伊那小6年仁組 手作り門松販売
「門松はいかがですか」竏窒ニ児童の元気な売り子の声が師走の寒空に響いた。手作り楽器演奏に取り組む、伊那小学校6年仁組(赤澤敏教諭、34人)は28日、卒業コンサートに向けた資金づくりのため、自分たちで製作した門松を市内の市駅前ビルいなっせなど3カ所で販売した。
4年生の時から鳥笛やケーナなどの手作り楽器に挑戦してきた仁組の門松販売は、2年目。売り上げ金はこれまで、学校の庭に設置した工房の建築費や楽器の材料費などに活用してきた。児童たちは今回、来年3月16日のラストコンサートに向けて取り組んでいる。
門松の材料となる、稲わら、竹、杉の葉は近くの寺などからの頂き物。赤澤教諭の指導で作った児童たちは、25日から3日間で用意した39対を3カ所で手分けして売った。買い求めた客は「頑張ってね」などと優しい声を投げ掛けていた。
児童の一人は「自分もお客さんも楽しめるコンサートにしたい。今までの練習の成果を出して思い出に残したい」と卒業コンサートに向けて意気込んでいた。 -
上伊那冬景色詩情豊かに
伊那市中央区の画家・須澤重雄さん(69)の個展「冬景色素描展」は06年1月20日まで、同市の中部電力伊那営業所ギャラリーで開いている。
6号から10号サイズを中心に、墨や白色の顔料で描いた冬景色のデッサン24点を出品。作品は、ここ6年間ほどで写し取った上伊那を中心とした風景120点から選んだ。
仙丈ケ岳、経ヶ岳、天竜川など、身近な自然が題材。白化粧した勇壮なアルプスや、今にも凍てつきそうな川の流れを、墨の濃淡で表現し詩情豊かな世界をつくっている。
個展は年末年始の恒例となっていて、本年で12回目。須澤さんは「上伊那近辺の親しみやすい題材が主になっているので、おたのしみください」と来場を呼びかけている。
29日竏・月3日、土・日曜日、祝祭日は休館。午前8時30分縲恁゚後5時10分。 -
ライオンズクラブがマレーシアからのショートステイ学生の歓迎会を開催
伊那ライオンズクラブ(伊那LC)は24日夜、マレーシアから伊那市へショートステイに訪れたリム・スー・ウィーさん(17)を迎える歓迎会を伊那市のイマージュで開いた。
世界的組織であるLCには、海外と相互に学生を派遣し合う交換制度があり、伊那LCでも例年、さまざまな国と学生の相互派遣をしている。
20日に来日したリムさんは、22日に来伊して、南箕輪村のホテル多香野へ6日まで滞在する予定。日本の普段の生活を知ってもらうことを目的として、ホストファミリーとの生活の中で、家事なども体験するという。
中学最後の授業で日本について学び、興味を持ったことをきっかけに、今回来日したリムさんは「雪景色はんの日本はどこもきれい」と話していた。
伊那LCがプレゼントした浴衣をはおり、記念撮影もした。 -
上伊那の小学校で2学期終業式
上伊那のトップを切って、伊那市や箕輪町の小学校で26日、2学期の終業式があった。
伊那市の手良小学校(戸田淳子校長、153人)では、1・5年生が学習発表。
5年生は、水泳や収穫祭などを振り返り「みんなで助け合って頑張ってきた。来年(SBCこども音楽コンクールの入賞を目指して取り組んでいる)歌を完成させたい」と抱負を語り、合唱「たたけ鬼太鼓(おんでこ)」を披露し、息のあった歌声を響かせた。また、1年生も歌を交えた群読「くじらぐも」を元気に発表した。
戸田校長が「2学期の目標として掲げた『全員が授業に参加する』『全力でやり抜く』は達成できましたか」と問いかけると、児童たちは元気に「できた」と返事。命を粗末にしないことを呼びかけた。
終業式後、1年生の教室で、教諭が「大きな声が出せるようになったね」など児童一人ひとりに声をかけながら、通知表を手渡した。
児童たちは早速、通知表を開き、二重丸の数を数えたり、友だちと見せ合ったりした。
休みは来年1月9日まで。 -
園児が〆の子づくり
伊那市中央区の伊那東保育所で26日、しめ飾り「〆(しめ)の子」づくりがあった。年中児・年長児の約50人が1本ずつ作った。
みはらしファームで、西暦の数(2006本)の〆の子を作って公園内に飾りつけるイベントをしていることから、伝統行事を通してわらに触れてもらおうと昨年に続いて取り組んだ。
保育士が事前にすいたわらを用意。園児が1人で縄をなうことができないため、保育士が手伝った。束にしたわらを3等分し、それぞれをねじってから、1本に合わせた。
ゆるくなってやり直す園児もいたが「ぐるぐるとねじって」と保育士のアドバイスを受け、黙々と仕上げていた。
〆の子は、園児の保護者が書いた願いごとと一緒に、みはらしファームへ持ち込む。小正月行事どんど焼きで燃やし、願いごとを天に届ける。 -
家庭訪問で事故防止呼びかけ
伊那市の今年度の高齢者交通安全モデル地区に指定されている「東部地区」でこのほど、高齢者の家庭訪問があった。市、地区交通安全協会、県交通安全教育センター、伊那署などから13人が参加し、東部地区の日影、上の原の10世帯の高齢者に対し、事故防止を呼びかけた。
各家庭では「横断歩道を渡る前に必ず立ち止まって左右の安全を確認しているか」「赤信号や青の点滅で横断しているか」「道路を横断する時、停止車両の間から横断しているか」など6項目を問診。その後、交通安全を呼びかけるチラシや反射材などを配った。
家庭訪問を受けた日影新子の池上チエ子さん(77)は「普段から交通安全には気をつけているが、いっそう気をつけようと思った」と感想を述べ、配布された反射材も夜間に活用していきたいと話した。 -
伊那西スケート場オープン
伊那市ますみヶ丘の市営・伊那西スケート場が26日、オープンした。関係者による安全祈願祭の後、毎年同スケート場を授業で利用する伊那西小学校の児童が初滑り。今季は20センチの厚さの氷がリンクに張り、「例年にない素晴らしいリンクになった」と関係者らは笑みをこぼしている。
リンク造りは11月下旬から開始。12月初旬の初雪で全体が凍り始め、その後の寒波で着々と氷の厚みが出来ていったという。関係者によると、12月中旬に20センチの厚さの氷が張ったのは初めてで、年内にオープンできたのは約10年以上振り。
04年度の利用者数は1月から2月の営業日数36日間で879人(延べ人数)。今季はオープン日も例年より早く、多くの来場が見込めそうと期待している。
初滑りをした学年は6年生の14人。児童らは、久しぶりのスケート靴の感覚を確かめながら楽しんだ。大野田朗和君は「スケート場に氷が張るのが楽しみだった」と、いつもより早い初滑りを満足していた。
スケート場の営業時間は午前7時縲恣ッ10時と午後6時縲恣ッ9時の2回(ナイター開始日は来年1月4日を予定)。利用料金は1回200円。 -
みはらしの湯で橋爪まんぷさんのチャリティーまんが絵展
漫画家・橋爪まんぷさん(65)が来年の干支(えと)、戌(いぬ)にちなんで描いた30作品が並ぶチャリティーまんが絵展「ワンキャン犬々額々」が21日から、伊那市西箕輪の日帰り温泉施設「みはらしの湯」で開かれている。
まんぷさんのチャリティー展は5年目。干支(えと)にちなんだまんが絵を展示するようになったのは未(ひつじ)年からで、十二支全部をそろえることを目標とする購入者もいるという。
例年、多くの購入希望者がいるため、作品それぞれについて購入希望者を募り、その中から抽選で対象者を選ぶようにしている。
今年は、犬にもじった「けん」がつく言葉の状況を犬たちがほのぼのと実演。
嫌(犬)煙とをテーマとした作品は、雨の中で傘を差しながらタバコを吸うホタル族犬を描いた作品で人間味が感じられる。ほかにも家財道具と妻を乗せた牽(犬)引車を引っぱる犬や、剣(けん)玉に頭をぶつける犬など、一枚一枚からさまざまなストーリーが伝わってくる。
橋爪さんは「なるべく大勢の方に楽しんでほしい」と話していた。
作品は来年1月21日まで展示した後、抽選で購入者を決める。まんが絵はA4サイズ額付で4千円。売り上げの一部は社会福祉のために寄付する。 -
正月用切花の販売
伊那市ますみヶ丘のグリーンファームは、早くも正月用の切花を買い求める人たちでにぎわっている。
今年は雪のためか、早くから切花を買い求める人も多く、出だしは比較的好調。寒さのため、花の咲きは遅め。しかし品揃えとしては、正月用のキク、センリョウ、ワカマツ、ナンテンなど、例年どおりのものが並んでいるという。
地物も多いナンテンは、全国的に見ても上伊那は有数地であり、多くの生産者が出荷している。
それぞれは、300円前後の束になって販売している。
今は、正月にあえて花を活ける家庭も少なくなってきており、正月用切花の販売量も年々減少しているという。
切花の担当者は「若いころに生け花を習った50代以上の女性は、今でも花を活けて正月を迎える習慣を大切にしているが、習ったことのない若い女性は、家庭を持っても生け花をしないことが多いのでは」と話していた。 -
湯たんぽは根強い人気
熱い湯を入れ、寝床で暖を取る「湯たんぽ」。相変わらず根強い人気がある。
伊那市通り町の金物「ウチヤマ」では、寒くなり始めた11月ごろから、年配者らが買い求めている。
一部屋に暖房器具が1台という時代。シーズン中に200縲・00個が売れたときに比べ、数は少なくなったものの、例年60縲・0個とコンスタントに売れている。
店内には金製(価格1380円)、プラスチック製(480円)の2種類を用意。金製は10年ほど使えるとあって、使用期間の短いプラスチック製よりも売れ行きはいい。
「湯たんぽにはやわらかく、しっとりとした温かみがある」そうで「足の冷えがある人は、集中的に足元を温めることができる」などの効果がある。
寒さが厳しくなると、暖房器具に切り替わるため、湯たんぽの売れ行きは下がるものの「ふとんの中心に湯たんぽを置き、寝るときに足元に置くと温かい」。
そのほか、同店では年末に、そば打ち用品やもちつき機などが売れるそうだ。 -
10トントラック水田へ転落
24日午後0時30分ころ、伊那市西春近表木の国道153号を駒ヶ根市方面へ向かっていた大型4輪貨物自動車(10トントラック)が左側斜面下の水田へ転落した。午後2時20分から約1時間、事故処理のための交通規制があり、師走の忙しいなか多くの人の足に影響が出た。
トラックを路上へ引き上げるなどの作業に、クレーン車2台が出動。国道は事故処理のために、片側一車線の交通規制で渋滞した。車の中で待つドライバーのいら立つ様子が目立った。
事故原因は運転手の不注意と思われる。路脱したトラックは前日の雪が溶けて緩んだ斜面を崩しながら、約3メートル下の水田へ転落。事故によるけが人などはなかった。 -
リンク造り順調・あす今季オープンへ
伊那市ますみヶ丘の市営・伊那西スケート場は26日、今季オープン。午前10時ある安全祈願歳の後、開場となる。関係者は「今季のリンク状況は素晴らしい。例年以上の利用が見込めそう」と多くの利用を期待している。
暖冬でオープン日が遅れた昨シーズンに比べ、今季のリンク造りは順調。スケート場を管理する武田簡易水道維持管理組合によると、本年は異常気象も手伝い、12月中旬に厚さ20センチの氷が張ったのはオープン以来初めて。
市スケート部は「冬季オリンピックを控えスケート人気も高まっている。上伊那で数少ない天然リンクの素晴らしさを満喫してほしい」と呼びかけている
営業時間は午前7時縲恣ッ10時と午後6時縲恣ッ9時の2回(ナイター開始は三箇日以降の予定)。利用料金は1回200円。
来年1月10縲・4日、市内児童を対象としたスケート教室がある。参加申込に関する問い合わせは、市生涯学習・スポーツ課(TEL78・4111、内線371)へ。 -
庭園をイルミネーションで彩る 塚田元一さん(74)
「みんなに楽しんでもらいたい」とイルミネーションの点灯を始めて7年目を数えた。
イルミネーションは近所でも評判で、自宅庭の松や脚立などに巻きつけた電球5千個余が暗闇の中で青、緑、赤、黄など色鮮やかに光る。
「人に喜んでもらうと、うれしい」とこれまで続けてきた。いつもより早く雪が降って寒かったが、本年も1人で1日半かけて高さ3メートルほどの樹木に電球を取り付けた。
イルミネーションは道路沿いから見ることができ、当初は市内外から見に来る人が多かった。人が集まってにぎやかなことをするのが好きで、外で火をたき、訪れた人に酒を振る舞ったこともあったとか。
8月の「伊那まつり」では、初めて企画されたイルミネーションコンテストに応募。「まつりを盛り上げたい」と市役所前の樹木に電球を飾り付け、まつりのPRに一役買った。
長年、電球を使ったことから傷み、当初に比べて3分の1ほどに減ってしまった。
「もっと大きくしないの?」と近所で聞かれるが「年だもんで、勘弁してもらった。ずくもなくなってきて…。来年はできるか、どうか。今年が最後かなとも思っている」と話す。
イルミネーションは来年1月15日ごろまで、毎日午後5時半縲・時半ごろ点灯する。
◇ ◇
自宅には広さ25アールの庭園がある。畑から庭園へ7年をかけて築き上げた。
自ら土を運び、飛び石などを置いた。ツツジだけでも100本余。そのほか、モミジなどの樹木20種類、草花50種類がそろう。
「夢中になって造ったが、手を入れるによいじゃない。でも、健康でできたもんで、おかげさま」。庭園の手入れが楽しみになっている。 -
クリスマス商戦 大詰め
25日のクリスマスを控え、23日、おもちゃ店はクリスマスプレゼントを買い求める家族連れなどでにぎわった。「たまごっち」は圧倒的な人気で、品切れ状態となっている。
ベルシャイン伊那店のおもちゃ売り場では、子どもたちが目当ての商品を探したり、豊富な種類に「あっ、これがいい」と目移りしたりと夢中になって選んでいた。
同店によると、プレゼントを買い求めるのは早めか、クリスマス近くの週末かに分かれ、親のみで来る場合が多いという。孫の要望にこたえようと商品名を書いたメモを持参する祖父母も少なくない。サンタクロースを信じる子どもの夢を壊さないためか「プレゼントが見えないように包装して」と頼まれたこともあったとか。
最も売れているのは、男の子がゲーム機のDS、女の子がアニメキャラクター「プリキュア」の携帯電話。男女ともに人生ゲームも売れているという。
「たまごっち」は毎日、電話で何十件の問い合わせが入っている。「たまごっち」の中でも、進学や就職もする「超じんせーエンジョイ!」の人気が高い。
ハローマック伊那FC店は今月初旬から、クリスマスプレゼントを準備する人が目立った。「たまごっち」を除く人気のおもちゃは、男の子がDS、女の子がわんこバックだそうだ。 -
市民サロンにピアニスト平沢真希さん登場
伊那市のふるさと大使などを講師に迎えた「市民サロン」が22日夜、伊那市生涯学習センターであった。市民ら約80人が集まり、上牧区出身、ポーランド在住のピアニスト平沢真希さん=ふるさと人材バンク=のピアノ演奏などに聴き入った。
サロンは「音楽を通した日本とポーランドの文化交流」と題し、トークとピアノ演奏を組み合わせた。
ステージ中央に置かれたピアノで、平沢さんは表情豊かにバッハの「プレリュード ハ長調」、多忠亮の「さくらさくら」、ショパンの「夜想曲」などを演奏。「音楽は、すべて祈りから生まれている。いつか世界と伊那谷を結ぶ国際音楽祭ができたらと思う」と夢を語ると、会場から大きな拍手が沸いた。
最後に、友人1人がステージへ上がり、平沢さんのピアノ伴奏に合わせ「きよしこの夜」を一緒に歌った。
また、常に前向きなポーランド人の人柄や、ビデオでポーランドの街並みなども紹介した。 -
クリスマスケーキのデコレーション体験
伊那市西箕輪の農業公園みはらしファームにある「麦の家」で23日、クリスマスケーキのデコレーション体験教室があった。8組の親子が、みはらしいちご園で採れた大きなイチゴをふんだんに使い、思い思いのデコレーションに挑戦した。
麦の家は普段、注文があった時だけ、ケーキ販売をしている。一般を対象としてデコレーションの体験教室を開くのは初めて。
麦の家で準備したスポンジや生クリーム、イチゴなどを使い、同店の原トキ子さんがデコレーションを伝授した。挑戦した親子は「楽しかった」と話し、出来栄えにも満足していた。
体験教室は24日も、午前10時縲恁゚後5時にある。費用は2千円で要予約。
申し込みは麦の家(TEL74・1833)へ。 -
中川新聞店が伊那市共同作業の家へ古紙再生ペーパーポット製造機を寄贈
古紙再生を通して環境に対する意識を高めてもらおう竏窒ニ、南箕輪村の中川新聞店の店主・中川博夫さん(53)が、古紙再生ペーパーポット製造機を伊那市共同作業の家に寄贈した22日、施設を訪れ、使い方を説明した。
環境への配慮を求める声が高まる中、中川新聞店は、仕事柄出る多くの古紙を利用して、植木鉢用の紙ポットを作ろうと考えた。機械は2年前に購入。当初は、作ったポットを客に配ったりもしていたが、人手と時間がかかることから、ここ数カ月、機械は使われない状況にあった。そこで「ただ置いておくのでなく使ってもらおう」と、寄贈することにした。
中川さんは「機械も遊んでいれば価値がないが、使っていただければ自分たちの思いも反映できてありがたい」と話した。
出来上がりのポットは直径10センチ、高さ10センチほど。紙を固めているため、水を余り必要としないサボテンなどの栽培に適し、そのまま土にも還る。
市社会福祉協議会の御子柴龍一会長は「ポットの製造は、利用者の雇用確保にもなる。古紙再生による環境啓発を通して、学校や他福祉施設との関係づくりも進めたい」と話していた。 -
クリスマスそれぞれに楽しんで
伊那市荒井区で恒例の「こどもクリスマス大会」が23日、伊那中学校第1体育館であった。6年生でつくる実行委員会が催し内容を企画・立案する手作り集会。区内の小学生と保護者など約300人が集まり、一足早いクリスマスを楽しんだ。同区公民館、青少年育成会の主催。
ビンゴゲーム、○×ゲーム、じゃんけん列車などのレクリエーションや、クリスマスソングの「赤鼻のトナカイ」を全員で合唱するなど会場は大盛り上がり。休憩時間は、イチゴのショートケーキとジュースが持て成され、口の周りにクリームを付けた子どもたちの笑顔が輝いていた。
イベントの最後は児童らがサンタクロースにふんして、ノートと鉛筆のプレゼントを配布した。
実行委員長の伊那小6年・宮原礼央君は「皆が楽しんでもらえるクリスマス大会にしたかった。喜んでもらえてうれしい」と話した。 -
夜間パトロールで「飲酒運転防止」呼びかけ
伊那市交通指導員会は22日夜、市駅前ビルいなっせを中心とした周囲の飲食店街をパトロールし、夜間の飲酒運転防止を呼びかけた。
年末の全国交通安全運動の一環活動に、メンバー16人が参加。飲食店街付近に駐車中の自動車や、市営駐車場内の車などのワイパーを利用して「飲酒運転防止」のチラシ約100枚を配布した。
メンバーの一人は「飲酒運転の事故は自分で自分の首を締めることになる。啓もう活動を通じて、運転手の自覚を促したい」と話していた。
酒気帯び運転による罰則は1年以下の懲役又は30万円以下の罰金。酒酔い運転になると、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金となる。 -
2005ラスト絵画バザール 伊那ベル27日まで
中央画壇の人気作家から巨匠作家までの日本画・洋画・版画が集まる展示即売会「2005ラスト絵画バザール」は27日まで、伊那市日影のベルシャイン伊那店2階文化ホールで開いている。
東山魁夷、中島千波の作品をはじめ、上村松園の版画「初雪」、工藤和男の油絵「山村の人」など約100点を出品。そのほか、「見るだけでも価値がある」、ビュッフェの油絵や平山郁夫の水彩画もある。
関係者は「市場販売価格より2割から7割引きの値段で提供しています。年内最後のお客さま感謝セールなので、ぜひ来場を」と呼びかけている。
午前10時縲恁゚後6時(最終日は午後4時)。 -
クリスマスケーキ作りに大忙し
25日のクリスマスを前に、洋菓子店はクリスマスケーキ作りに追われている。
伊那市荒井区にある石川菓子店はクリスマスケーキ8種類を用意した。今年新たに加わったミルフィーユが人気。さくっとしたパイにカスタードと生クリームを使い、イチゴを包み込んだ。売れ筋は6号(直径18センチ)。
20日までの予約は、市内外から1千個。ケーキ作りのピークは22、23日で、従業員は次々と並ぶケーキの上に、サンタクロースや柊の葉などを飾りつけた。
引き渡しはほとんどが23縲・4日。店頭販売もある。