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経営者協会上伊那支部 伊那商工会議所など
ブロードバンド活用研究会を開催情報化時代に相応しく地元企業がITを積極的に活用するための研修会が15日、伊那商工会議所であった。自社のネット販売の実情を詳しく紹介した仙醸の丸山慎一企画主任、IT化の基礎知識を分かりやすく話したコンピューターシステム会社キャリコの小林正信社長の講演に30人の参加者はメモを取るなどして熱心に聞き入っていた。=写真<br> 県経営者協会上伊那支部、伊那商工会議所など4者の共催。伊那市も後援した。
丸山氏は「父の日」の贈答需要で2200万円を売上げた仙醸のネット通販の実例を紹介し、「ブランド力の弱い会社は贈答用にポイントを絞るなどの販売戦略が必要。他社の商品とセットにするなど商品の差異化を図ることがネット販売でも重要」などと話した。
小林氏は「ITとは端的に言えばパソコンとインターネットと携帯電話のことで、これを使えば大型コンピューター以上の性能を引き出せる時代が来ている」とした上で、「消費者サイドだけでなく企業・商店側もインターネットを活用すれば、思っている以上の経営革新を、手軽に・安く進めることができる」と話した。
ブロードバンド活用研究会は、高速大容量の情報通信網整備促進を目的に経営者協会上伊那支部の研究会として始まったが、地域のネット利用の幅を広げることが通信網整備にとっても得策として、05年度から新規にネット展開を考える企業・商店などを対象にした「活用研修会」を開催することにした。
ほかに、無線LANシステムによる高速大容量通信の実験やウィンドウズとはまったく異なる発想で安価で使いやすいと評判のOS、リナックスの講習会なども予定している。 -
第2回
押し寄せるIT化の波
-ネット利用で地方の経営はどう変わる?【下】伊那毎日新聞創刊50周年記念企画の1つ、上伊那「経済時事対談」。第2回のテーマは、インターネット時代に地方企業はどう対応していくべきか。大手企業の情報システム担当者・コンピューターシステム業者・積極的にネット利用を進める地元企業担当者の3人に語り合っていただいた。その連載第2回目
【出席者】
●遠藤和夫さん(55)KOA株式会社経営管理イニシアティブ情報システムセンターゼネラルマネージャー/長野県経営者協会上伊那支部情報委員会
●丸山慎一さん(38)株式会社仙醸企画主任
●小林正信さん(43)有限会社キャリコ社長 -
宮田村 企業人権教育で研修会
宮田村内の29事業所で構成する「宮田村企業人権教育推進協議会」は12日、通常総会を村民会館で開いた。諏訪市の人権擁護委員松下芳敍さんを招いて研修会も開き、人間の多面性を考えながら、社会の一員としての自分自身を見つめ直した。<br> 各事業所の経営者や担当者が出席。研修はワークショップ形式で、ゲームなど楽しみながら自分の心を素直にさらけだした。<br> 4人1組でグループになり、協力してパズルを解いたり、問題を討議したり。人それぞれ違った意見やモノの見方があることを再認識し、自分の人権感覚を見直していた。<br> 山田稔会長は「自分が気付かないうちに、人を傷つけてしまっていることなど改めて考えさせられた」と話した。<br> 同協議会は各事業所内の研修や啓発も推進し、企業人権の徹底を図る。<br>
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05年度技術者セミナー
技術向上や安全対策を学び、今年度の取り組みで生かしてもらおう窶狽ニ13日、伊那建設事務所などが主催する05年度技術者セミナーが伊那文化会館で開かれた。上伊那の土木部関係技術者や市町村職員など、約300人が集まり、安全対策や粗雑工事への対応などの講習を受けた。
今年は、先ごろ性質の有害性が問題となり、今月1日に厚生労働省が「石綿障害予防規則」を制定したアスベストの講習もあった。70年代縲・0年代に輸入・多用されたアスベストは今後、老朽化に伴う解体作業時に注意して取り扱う必要がある。そこでこの日は、解体作業の手順や管理体制などを確認。
また、7、8月は熱中症による死亡災害が増加することなどから、事業者や労働者が予防の基礎的知識を持ち、対策を講じる必要があるという話もあった。 -
技能士会全体会・講演会
駒ケ根市の製造現場で活躍する技能士のグループ化を図ることにより個々のレベルアップと企業の技術力強化を目指して99年に設立された技能士会は14日、全体会と講演会を駒ケ根駅前ビル・アルパで開いた。約40人が出席し、技能検定受験準備講座の開催などの事業計画について説明を受けたほか、セイコーエプソンのコスト革新センター部長・ものづくり塾部長の中村好宏さんによる「見えざる資産の継承と蓄積」と題した講演を聞いた。<br> 中村さんは「50歳代の熟練技能者が今の若い人にものづくりを教える時、30年前に自分が教わった方法でやっても伝わらない」と時代に合った教え方を勧めた。「その際、技やノウハウだけでなく創造・挑戦といった見えざる資産=『ものづくりのこころ』も教えていかないと、世界に通用するものづくりは育っていかない」などと技術継承の重要性について訴えた。
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箕輪町共通商品券「プレミアム商品券」8月7日発売
箕輪町商工会商業部会は8月7日、10%お得な町共通商品券「プレミアム商品券」を発売する。商品券の取扱い事業者募集の第1次締切は15日まで。<br> 中心市街地活性化に取り組む「箕輪町TMO構想」に基づき昨年に続いて実施。町内の登録店で商品券で買物をしてもらうことで、個人消費の喚起と現金の町外流出を防ぎ、地域商業の活性化を図る。<br> 商品券は千円券11枚1セット(1万1千円分)を1万円で販売。1人10セットまで購入できる。販売総額は2千セット、2200万円分。<br> 発売は午前9時から町商工会館前。商品200個限定で空くじなしのスピードクジを実施する。商品券1-4セット購入者クジ1回、5-9セット購入者クジ2回、10セット購入者クジ3回。<br> 登録店に掲示するポスター2種類も完成。商品券の購入を呼び掛けると同時に、会員事業所に取扱い事業者登録を呼び掛けている。第1次締切7月15日まで。第2次締切7月20日。<br><br>
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予告・KOMA夏! 第3話
駒ケ根市の夏を彩るKOMA夏! 第3話「En★joy★N!(エンジョイン」は23日、中心商店街を舞台に開幕する。一般参加17団体・総勢約650人によるダンスパレードや、早太郎伝説から生まれた「スピード太郎」と敵役「ヒッヒー」のほかローカルヒーロー・カッセイカマンが出演するショーなどが多彩に催される。<br> 主な日程は次の通り。<br> ▽午後2時=すずらん通り交通規制開始、「ヒッヒーの館」開館▽3時=物販・食販出店・パフォーマンス披露(すずらん通り)▽4時=国道交通規制開始、ローカルヒーローショー(広小路・仲町交差点特設ステージ)▽4時30分=ダンスパレード参加チーム受け付け▽5時5分=自由曲によるダンス披露(国道・広小路)▽5時55分=開会セレモニー▽6時=ダンスパレードスタート▽8時15分=パレード終了▽8時30分=フィナーレ(ダンスタイム・表彰式)▽9時商連ちゃん宝くじ抽選会▽10時=交通規制解除<br>
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第2回
押し寄せるIT化の波
-ネット利用で地方の経営はどう変わる?【上】伊那毎日新聞創刊50周年記念企画の1つ、上伊那「経済時事対談」。第2回のテーマは、インターネット時代に地方企業はどう対応していくべきか。大手企業の情報システム担当者・コンピューターシステム業者・積極的にネット利用を進める地元企業担当者の3人に語り合っていただいた。
【出席者】
●遠藤和夫さん(55)KOA株式会社経営管理イニシアティブ情報システムセンターゼネラルマネージャー/長野県経営者協会上伊那支部情報委員会
●丸山慎一さん(38)株式会社仙醸企画主任
●小林正信さん(43)
有限会社キャリコ社長 -
ポカミス防止セミナー
上伊那産業振興会が主催する製造業の品質管理に関わる講習会=「ポカミス防止と見える化セミナー」の第1回が12日、伊那市西箕輪の伊那技術形成センターであった。当初20人の定員だったが、60人もの応募が殺到し、開催数を2回にして開かれた。
「顧客クレーム0」が多くの製造業企業の目標になっているが、現実的には、どんなレベルの作業員が生産ラインに入っても100%良品が造り続けられる工程を、管理監督者や技術スタッフが用意することが問われている。
セミナーでは中部産業連盟主席コンサルタントの中山賢一さんが、ポカミスを交通違反になぞらえつつ、最大の要因は「目学」(=自分だけの浅い知識と経験による勝手な判断)とずるさだと指摘。ポカミス防止のためには(1)作業条件の明確な提示(2)手順・方法をマニュアル化することによる作業の標準化(3)適度の緊張感を持続させるための管理監督窶狽ハじて、作業工程全体を基準化することが重要などと話した。
管理監督の徹底のために作業の進展状況を一目瞭然で掌握できる工程全体の「見える化」が必要だ窶狽ニも。
単純作業による大量生産の工程でも、製造機械組立などの「一個造り」の工程でも、ポカミスを防止することは現在、重要な課題となっている。特に、組立などの作業工程においては、ポカミス防止のために作業員の熟練工化に力点を置く主張と、作業監督者による作業工程のマニュアル化と管理徹底に力点を置く主張とがあり(中山氏は後者の立場)、その方法が模索中でもある。こうした中、伊那谷の企業でもポカミス防止には強い関心が寄せられており、参加者はメモなどとりながら熱心に講演に聞き入っていた。<br> -
中部電力・飯田支店と長野支店が統合
中部電力は1日、経営の一層の効率化を推進するため、組織改定の一環として、県内の飯田支店と長野支店を統合した。飯田支店は、長野支店「飯田営業所」「伊那営業所」「飯田電力センター」として生まれ変わった。<br> 統合により、飯田支店の総務、経理などの中間管理部門を長野支店に一本化し、営業、配電部門などはそのまま残し、飯田営業所とした。伊那電力センターについては廃止し、業務を分割して「諏訪電力センター」(分割区域=伊那市以北)と、「飯田電力センター」(宮田村、駒ヶ根市以南)に統合。伊那営業所の業務についてはそのまま変らない。<br> また、飯田支店ではこのたび、53年の歴史を記録として残すために、記念誌「飯田支店の歩み」を発行した。飯田支店の高木元明支店長のあいさつ文から始まり、従業員らの働く様子をとらえた写真や、同支社発足からの歩みを解説した年表などを掲載。A4判、150ページ。<br> 飯田支店(設立当初は飯田支社)は、電気事業再編成による中部電力発足の翌年、1952年3月に開設。以来50年余にわたり、天竜川上流部の水力発電を一貫管理する拠点、南信地域における電力の販売と流通の拠点として重要な役割を果たしてきた。
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伊那飲食店組合の大腸菌検査の判定会
伊那市と南箕輪村の飲食店でつくる「伊那飲食店組合」(平沢希柾組合長、加盟380店)は7日、市内の飲食店で数日前に実施した大腸菌検査の判定会を開いた。加盟店と非加盟店の467店分の検体を、衛生部を中心とした役員約20人がじっくりと確認し、食品衛生の意識を高めた=写真。<br> 検体は、5日に各店舗のまな板や調理師の手から検出した細菌を、専用の検査薬を使って調べ、菌の数を4つのランクに判定。20日、同組合の役員会で、検査結果を伝達する。<br> 平沢組合長は「自主検査を相互で励まし合いながら実施することが、組合員の食品衛生に対する意識の向上につながる。食品の取り扱いについても、組合で勉強会を開き、安心な食の提供をしていきたい」と話す。<br> 同組合では、国の食品衛生法に基づき、年間6回以上の自主検査を以前から実施。今年は、大腸菌検査4回、ブドウ球菌検査4回を交互に、計8回の細菌検査をする。
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三峰総が南大東島児童にパンフレット寄贈
沖縄県南大東島と伊那市民との交流の動きが広がっている。国土交通省三峰川総合開発工事事務所(榎村康史所長)は5日、島民を伊那祭りに招く実行委員会(小林史麿代表)の要請に応えて、南大東島の小中学生(4年生以上)に同事務所発行のパンフレット「はじめての三峰川探検」を145冊寄贈した。
パンフレットは100頁カラーで、三峰川の歴史・自然・人の生活などが分かりやすく解説されている。実行委員会に参加した矢島信之さん(伊那市美篶在住)や丸山宏一さん(高遠町西高遠在住)らが、「渓流を見たことのない島民に伊那に来てもらうのだから、日本を代表する渓流・三峰川のことを知ってもらわなければ」と、三峰総などに働きかけた。
パンフレット寄贈のほかにも、8月初めの伊那谷訪問時に、美和ダムや周辺施設の見学も受け入れることになった。
榎村所長は「川を見たことがない島の人に、三峰川の自然の豊かさ、水の美しさを見てほしい」と話した。
伊那市内の大手製造会社に勤めた経験のある男性が島で作る青パパイアが縁で広がった交流。8月の伊那まつりにあわせて南大東村助役の仲田建匠さんを団長に38人の訪問団が伊那谷を訪れる。5日には伊那市教育委員会共催の島唄コンサートが開かれるほか、6日の伊那踊り、7日の遊ingゾーンなどでも物産販売や島唄披露が行われる予定。
既に伊那西小が同島小学校に交流のための手紙などを送っているほか、通り町商店街や伊那節の愛好者の中からも、交流を求める動きが始まっている。
詳しくは同実行委員会(TEL74‐5351グリーンファーム・小林、72‐2650井地)まで。 -
食べたよ!青パパイア(5)
私は食いしん坊で、実家に帰るといつも母(井地千代子さん)が作るパパイア料理を楽しんでいたんです。味噌汁に入れたりサラダにしたりしているうちに、もっといろいろ使えないかなって思ったんですよ。肌もつやつやしてくるみたい。
弟が亡くなってかなり落ち込んでいた母も、青パパイア料理に出会って、やっと何か打ち込める物を見つけ、立ち直った感じでした。平安山さんたちのおかげだと思っています。ありがとうございました。
【ボロジノ・ヨーグルト】
(1)青パパイアを1センチ角のさいの目に切り、水・砂糖で煮る。南大東島特産黒糖を使うと気分もバッチリ。最後に香りつけにブランデーを少々。島で生産が始まった黒糖ラム酒でも良いでしょう。煮えたら冷ます。大きさや味付けはお好みで。
(2)市販のヨーグルト(もちろん自家製でも可)を器に盛り、煮た青パパイアをトッピング。イチゴやオレンジなど好みのフルーツを添えても良いです。
(3)後は食べるだけ。青パパイアはナタデココのような食感で、繊維質も多いし、煮ても壊れない特殊なビタミンCも豊富だそうです。
※ボロジノは南大東島の別名
【パパイアフライ】
(1)青パパイアは皮を剥き、縦に2つに割って種を取ってから、約1センチ幅にスライス。
(2)普通にフライを揚げる要領で衣を着け、やや低めの温度からじっくりと揚げます。最後は高温でカラっと。
(3)油を切ったら、盛り付けて、飾りの緑を少々。ウスターソース、トンカツソース、ほかにおろし酢醤油なども合います。 -
スタンプラリークイズ抽選会
伊那市の「ローメンズクラブ」(伊藤和弌会長)は7日、伊那商工会館でスタンプラリークイズ抽選会を開いた。当選者35人が決まり、7月中旬までに食事券(8月31日まで有効)を郵送する。
6月の「ローメン月間」に合わせたクイズは、加盟する2店舗以上で食べた人が対象で、ローメンに使うめんの種類を当てるもの。34店舗に応募箱を置いたところ、上伊那をはじめ、東京都、兵庫県など老若男女を問わず520枚の応募があり、全員が「蒸しめん」で正解した。
正副会長、理事の5人が抽選し「蒸しめん賞」(食事券3千円分)5人、「マトン賞」(2千円分)10人、「キャベツ賞」(1千円)20人を決めた。
伊藤会長は「ローメンを食べて、暑い夏を乗り切って」とPRした。
蒸しめん賞は次の通り(敬称略)。
西村治子、清水敏明(以上西箕輪)赤羽由里子(美篶)宮下公彦(境)竹村千明(駒ケ根市) -
JA生き物調査交流会
生き物調査を通じて自分たちが食べたり販売する上伊那米の栽培環境を確かめよう窶狽ニ5日、生活クラブ生協組合神奈川のメンバー37人が、伊那市東春近にある上伊那農業協同組合の水田で生き物調査をした=写真。
現在、上伊那農業協同組合の日本生活協同組合への出荷量は年間2万5千俵。うち、約8千俵を同クラブ会員に供給している。今年度、上伊那農業協同組合が伊那市などの一部水田で本格的に減農薬栽培を始めたことをきっかけに「一層減農薬栽培を進めてもらおう」と、同クラブは、上伊那米を会員が年間契約できる米の一つとして扱っていくことを決めた。それに合わせて今回は、会員に上伊那米を勧めていく役割を担うメンバーが「上伊那米の生育環境を知った上で、会員に勧めていこう」と、研修に訪れた。
参加者らは、農薬の影響を受けやすいカエル、イトミミズ、ユスリカなどの生息状況を調査。
クラブの藤村康子副理事長は「食べる人とつくる人の顔が見える関係づくりを進め、将来的には特定契約栽培を目指したい」と話していた。 -
東伊那小学校4年生がごみ処理施設を見学
実際のごみ処理過程を見学するため、駒ヶ根市の東伊那小学校4年生(日岐敏明教諭、17人)は5日、「那須屋興産」(伊那市大坊)を社会見学に訪れた。ごみのリサイクル過程などを見学した児童らは、循環型社会の実現に向けて、自分たちでもできる「分別」の大切さなどに理解を深めた。
この日は、同社以外に「伊那中央清掃センター」(同市美篶)なども訪問。健康で住みよい暮らしを守るため、ごみ処理やリサイクルについて学び、ごみの減量に向けた、自分たちの生活を見直すことを目的とした。
「那須屋興産」では、空き缶などのアルミニウムをはじめ、木くずや廃プラスチックなどがリサイクルに向けて処理される工程を、児童らは熱心にメモを取るなどして見学。鉄くずの分別場所では従業員から「空き缶も、アルミとスチールを仕分けず出されることが多い」と説明され、家に帰ったら家族に伝えることを約束した。
荻原峰音ちゃんは「手作業で分別しているのを見て大変だと思った」と、従業員の苦労を感じていた。
同社は「ごみを減らすことが環境保全につながる。ごみイコール汚いではなく、少し手を加えるだけできれいになり、リサイクルできることを身に付けてくれれば」と呼びかけた。 -
自動車産業専用ISO解説セミナー盛況
自動車産業専用の世界標準規格「ISO/TS16949」の解説セミナーが4日、伊那技術形成センターであり、7社12人が参加して終日熱心に講義を聞いた。主催は上伊那産業振興会。講師は長野日本電気のJRCA登録品質システム審査員補である小野芳樹さん。
ISO/TS16949は、従来の品質標準規格ISO9001よりもさらに厳密な要求事項が重ねられた自動車産業専用のもの。トヨタ・日産をはじめ日本の自動車産業が売上げを好調に伸ばしている中で、上伊那など地方の部品加工業者も自動車用部品の設計・製造の受注に凌ぎを削っているが、メーカーサイドからは品質管理の観点から同規格を取得を求める声が多くなってきている。そうした背景の受けての規格解説セミナーの開催で、「自動車関連というニッチ(=狭い)な分野の話しながら、予想を越えた数の企業が集まった」(小野さん)。
小野さんは自動車メーカーが高度な品質管理を求める理由として、・ス一貫生産体制のため不良が出てもそれだけを生産ラインからはずせない、・ス完成品は1台百万単位の高価なもので、1日数億円といわれる生産ラインを止めると、損失額が1分で数千万円という莫大なものになる、・ス自動車は人命に直接かかわるため、完成品が市場に出てから不良が見つかるとすべてリコールになる窶狽ネどを上げ、部品メーカーにもこれに答える品質管理が問題になると話した。
セミナーに参加した企業は、自動車関連事業を強化しようとしているところが多かったが、中には、自社の品質管理システムをより充実させるために、一回り水準の高い品質管理システムのポイントを学ぼうという企業もあった。 -
シリーズ・青パパイアの道〈第1回〉
青パパイアが取り持つ心温まる縁で、伊那市住民と沖縄県南大東村民との民間レベルの交流が始まった。3月初め、南大東島を訪ねた「伊那市民訪問団」の道中を、シリーズで紹介する。
この住民相互のつながりあいは、今後どのような展開を見せるのだろうか?
※文中敬称略
「私らが作る青パパイアを、本土でただ一カ所だけ販売してくれている伊那市の皆さんとお会いできて、なんかもう、胸が一杯です」
南大東島青パパイア生産組合の沖山吉人は、伊那市訪問団一行21人をこう言って歓迎した。訪問一泊目。生産組合が準備した歓迎会。司会を沖山が勤めた。宴席には、地元産のサワラを使った名物大東寿司を初め、ムロアジ・アブラムツなどの魚料理が所狭しと並んだ。もちろんサラダや炒め物などの青パパイア料理も…。
「こんなご馳走、何日も前から準備したんだろうな」。これまで島を2回訪ねている井地千代子は思った。
島で生産者組合をリードする平安山正治は、かつて勤務した長野NEC(伊那市)で上司だった。家庭の事情で30数年ぶりに島に戻った平安山から、「売り物にならず島にゴロゴロ落ちている青パパイアを何とかできないか」と相談を持ちかけられたのは03年の12月だった。
以来、同島産の青パパイアを取り扱う本土で唯一の窓口役を担ってきた。もともと青パパイア料理が好きだったこともあり、手づくりレシピを付けて販路の拡大も図った。無償のボランティア。「何の得にもならないのにバカじゃないのと言われたわ」と笑う。
訪問団結成を呼びかけたのは伊那市の産直市場グリーンファーム代表の小林史麿。遥か海の彼方で取れた青パパイアを熱心に扱う井地の心に秘めた思いを知った小林は、「心と心をつなぐのも産直市場の役目だ」と2つ返事で販売を引き受けた。
グリーンファームで青パパイアを購入し、口づてに、また、本紙紙面の特集記事などを通じて、青パパイアが取り持つ井地と平安山の海を越えた心のつながりを知った人々が、次々と訪問団への参加を表明した。
「どんな方がパパイアを売って下さっているのか、どうしても会いたかった」「こんな島のパパイアを誰が買ってくれているのか知りたかった」……
真っ黒に陽に焼けた生産組合員が繰り返し繰り返し語る言葉に訪問団も胸が熱くなった。
泡盛の杯が重なり、三線(さんしん)の音に乗せて沖縄民謡が次々と歌われた。当然のように伝統舞踊カチャシーを踊り出す島の人々。踊りの輪に入った訪問団の提案で、最後には「勘太郎月夜歌」を山と海の人々全員で、歌い踊った。
「こんなことになるなんて夢のようだ」。井地は思った。
【毛賀沢明宏】 -
「気場」発見10周年
長谷村分杭峠で「気場」が発見されて10周年を迎え、2・3日に同村入野谷の南アルプス生涯学習センターで記念イベントがあった。主催は、関連団体などで作る実行委員会(宮下市蔵長谷村長)。
2日は早稲田大学名誉教授の春木豊さんの記念公演などが、3日は「気場発見」の立役者の宮本高行さん(発見当時の三峰川総合開発工事事務所長)による経過の説明と、パネルディスカッションなどがあった。
パネルディスカッションには春木さん、宮本さん、宮下村長のほかに、「気場」体験者として、横浜市の中村祐子さん・茨城県ひたちなか市の佐藤清さんも並び、前県議で駒ヶ根元気UPの会代表の佐々木祥二氏がコーディネーターを務めた。
「分杭峠は初めて来た時から強い気を感じ、体の調子が良くなった」(中村さん)、「脳梗塞で右麻痺になったが、気場に来て体がしびれ、帰る時には歩いて帰れた」(佐藤さん)窶狽ネどと体験談が述べられると、心理学者である春木さんからは「科学的に証明されていない話を私は解説できないが、体を治そうという強い『気力』と、気場に集まることによる一種の催眠作用などにより、体の調子が良くなることはあると思う」窶狽ネどと発言。それぞれの視点から「気場」を語り合った。
長谷窶泊蜴ュ村境にある分杭峠は、中央構造線が作る地形の影響で地磁気が特殊な状態を示すが、10年前の7月2日、宮本さんや佐々木さんが中心になって中国から招いた気功の大家・張志祥さんが「世界有数の気場」であると宣言した。
以来、不思議な力を持つ「気場」として気功の力を信じる人々の間で評判になってきた。長谷村も「気場」の効力にあやかって、地域振興や医療・保健・福祉の充実に重点を置いた「気の里」構想を立案・実施し、地元企業も「気の里」の・ス不思議な水・スを使った特産品づくりを進めてきた。
宮下長谷村長は「このイベントは気場を大切にする民間の力で実現したもの。気の力を信じる人と信じない人いろいろいる。村としてはできることは協力するが、医療・福祉の充実が主眼」と報道陣に話した。 -
伊那北地域活性化センター「きたっせ」完成
伊那市山寺に建設を進めていた伊那北地域活性化センター「きたっせ」で3日、しゅん工式があった。小坂樫男市長をはじめ、市や区の関係者ら100人余が出席し、テープカットなどをして完成を祝った。
小坂市長は式辞で「市の北の玄関口でもあり、伊那市駅前の『いなっせ』とともに、地域の活性化につながる活動の拠点になることに期待する」と述べた。
同施設は、伊那北駅周辺の活性化や商業の販促を図り、旧山寺区民会館跡地に建設。鉄骨平屋建てで、延べ床面積570平方・ス。3分割して、会議室としても利用できるイベントホールや、多目的ホール、厨房を備えるアトリウムホールなどを設けた。
事業費は1億4千万円で、経済産業省の中心市街地商業等活性化総合支援事業で2分の1の補助を受けた。
11日から利用開始。開館時間は午前8時半から午後10時まで。17日にはオープニングイベントを企画し、地元住民らが太鼓や吹奏楽などを演奏するほか、ウルトラマンガイア・ダイナショーなど多彩な催しを計画している。 -
JCそば打ち体験
伊那市発祥の信州そばを使った町おこしをと窶剥lえる伊那青年会議所のまちづくり委員会(向山知希委員長)のメンバー5人は30日、伊那市西箕輪の名人亭でそば打ちをした=写真。
同委員会は、まちづくりに関する取り組みを進めており、先日も「まちづくりについて語り合おう」と、一般市民や市職員も参加するワークショップを開催した。
その上で、地域資源の「そば」なしに、まちづくりは語れないと考え、まずは委員自らがそば打ちをしたり、学ぼうと、伊那市そば打ち名人の会の小林史麿会長に依頼。そば打ち体験をすることになった。
会員らは、各行程を順番に体験。段階ごと感触の変わる生地に驚きながら、そば打ちを楽しんだ。
小林さんは「地域の子どもにはそこそこのそば打ち技術を身に付けて大人になってほしいと考えている。そばを使ったまちづくりをぜひ進めてほしい」と会員を激励した。
##(了) -
空き店舗子供服のフリーマーケット
伊那市通り町の空き店舗を有効利用しよう窶狽ニ9、10日、生涯学習センター横の空き店舗など2カ所で、子供服や手作りの品物のフリーマーケット「フリマ・キッズ」が開かれる。
もともと通り町商店街振興組合は「商店街の空き店舗をどうにかしたい」と考えていた。一方で、地域には「あまり着用しないうちに着られなくなってしまった子ども服を交換できる場がほしい」という母親の声があった。
そこに目をつけたフリマ・キッズ実行委員会事務局の若林敏明さんは、双方のニーズを結び付け、空き店舗での子ども用品バザーを企画。子供服の有効利用のほか、中心市街地の活性化にもつなげたいと考えている。
実行委員会は、子ども用品を売りたい多くの人に参加を呼びかけており、7日まで申し込みを受け付けている。
申し込み・問い合わせは事務局(・ス78・0899、090・4094・2870)若林さんへ。
##(写真)
バザー開催予定の空き店舗
##(了) -
勤労青少年ソフトボール大会
7月第3土曜日の「勤労青少年の日」を記念して2日、南箕輪村の大芝総合運動場で、上伊那地域で働く30歳以下の勤労青少年を対象にしたソフトボール大会が開かれた=写真。
日ごろ接する機会が少ない他社の人と交流を深める目的で、伊那地区勤労青少年福祉推進者連絡協議会などが主催している大会は、今年で25年目。高校卒業以来、疎遠になっていた友人などと、この場を通じて再会する人もいるという。
各事業所や勤労青少年ホームごと、チームを編成。今年は12チームが参加した。「女性にも参加してほしい」との思いから、各チーム、必ず2人は、女性が参加するルールとなっている。中には女性がピッチャーを務めるチームもあった。
交流を深めつつ、参加チームそれぞれが、日ごろの成果を発揮し合った結果、南信マリナーズ(南信精機製作所)が優勝、コガネイ(コガネイ駒ケ根事業所)が準優勝した。
##(了) -
ルビコンと日本カーリットが合弁会社設立
ルビコン(本社・伊那市、登内英夫会長)は1日、日本カーリット(本社・東京都千代田区、松田和行社長)と合弁会社「ルビコン・カーリット株式会社」を設立した。新会社は導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ「PC窶任ON」を製造・販売する。
資本金は3億円で、ルビコンが1億6千万円、日本カーリットが1億4千万円を出資。本社は伊那市におき、代表取締役社長にはルビコンの勝山修一社長が就任した。
近年、電子機器のデジタル化・コンピューターの中枢部分であるCPUの高速化に伴って、コンデンサの低ESR化(ESRとはコンデンサの抗生物質の抵抗値をトータルしたもの)、小型・大容量化が求められている。新製品はそうした市場の要求に答えるもの。
ルビコンは、アルミ電解コンデンサ分野でトップクラスの市場シェアと技術力開発力を持ち、日本カーリットは導電性高分子分野に強みを持つことから、両者の共同が、新事業分野での前進を開くと期待されている。
当面の生産規模は月産500万個。半年後には1千万個まで増産ずる予定という。 -
鈴平五平もち寄贈
地域の人に喜んでもらおう窶狽ニ1日、五平もちなどの食品加工会社鈴平(本社・伊那市西春近、宮澤一郎社長)は、西春近沢尻のデイサービスセンター春富ふくじゅ園に五平もち130本を寄贈した。この日の利用者46人は、普段はなかなか味わえない昔懐かしい味を楽しんだ=写真。<br> 4年前から鈴平は、地域貢献の意味を込めて年に1度同施設に五平もちを寄贈している。曜日ごと異なる施設利用者の多くに味わってほしい窶狽ニ、毎年異なる曜日に当たるように配慮している。<br> 鈴平の五平もちは、サンショウとクルミを混ぜた昔ながらの素朴味。お年よりにとってはなじみ味で、普段はあまりご飯を食べない人も、ご飯茶碗2杯分になる五平もち2本を完食し、中には3本目をおかわりする人もいるという。<br> 五平もちを食べたお年よりの一人は「おいしい。この日を楽しみにしていた」と話し、うれしそうに五平もちを味わっていた。<br>
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東京ビッグサイトに上伊那20社が出展
機械技術要素展盛大に東京都江東区有明にある東京ビッグサイトで日本最大の部品加工技術の展示会「機械技術要素展」が始まった。上伊那からは20社が出展、初日の22日から多くの来場者の注目を集めた。
同展示会は、製品の開発製造に重要な機械部品・加工技術の粋を集めたもので、9回目。全国から561社が参加。同時開催の第16回設計製造ソリューション展、第13回産業用バーチャルリアリティ展と合わせると1019社、来場予定者6万7000人を数える大規模な産業展だ。
上伊那からは宮田村機械加工グループ7社、箕輪町商工会工業部会3社(製品展示ボックスでの参加はほかに18社)、伊那市などが進めるニューフロンティアin伊那の4社、駒ヶ根テクノグループの4社、そのほか2社が参加している。
直径0・数ミリの微細穴加工や、新素材・難加工材の加工、ユニークなアイデアの加工ロボットなど、各社独自の技術を趣向を凝らして展示し、上伊那の製造業の水準の高さを示している。
村内の主要な加工業者が勢ぞろいした感のある宮田グループのブースは、場内でも人目をひく洒落た作り。同村のパブリックレコードの映像収録クルーも従えて、村商工会を上げての展示となった。
箕輪町商工会は、ミカドテクノスや伊藤製作所が自社製の製造用ロボットをデモ運転し、多くの客の足を止めた。<br> ニューフロンティアin伊那のテク・ミサワは、07年から欧州で施行されるクロムフリー(6価クロムなどの使用規制)に対応して新素材の加工に挑戦。
駒ヶ根テクノの塩澤製作所は、ダイキャスト製品の一貫製造や図面なしの少量試作のシステムなどを展示して注目を集めた。
出展した駒ヶ根市のハヤシの林社長は、会場で「自社の技術について質問され、他社の技術を垣間見られるのは大いに刺激になる。こうした催しに力を合わせて参加することが重要」と話した。
同展は24日まで行われる。 -
経営とまちづくりを考える
伊那青年会議所(織井常昭理事長)=以下「伊那JC」=は18日、県伊那文化会館で「すばらしい経営の追求とまちづくりを考える集い」を開催した。
織井理事長は「JCが力を入れるまちづくりの根幹には会社の経営の改善が据えられるべきで、そのために自らの経営者としての資質の向上を目指したい」とあいさつ。会員や一般参加者約400人が集まった。
第一基調講演の岡本正耿氏(マーケティングプロモーションセンター代表取締役)は「地域における企業の役割とは何か」と題して、「私は誰か」「何をしようとしているか」という「実存的問いかけ」を根幹にし、「社会にどう働きかけるかという主体的姿勢を保って行政や事業を考える事が重要」と強調。行政は舵取りに専念し、事業の運営は受益者に任せ、独占や差別を防止する健全な競争を創造する事が必要窶狽ネどと訴えた。
第二基調講演は北川正恭氏(早稲田大学大学院教授)の「生活者起点の地域経営とは」。前三重県知事として取り組んだ行政改革の経験を踏まえて、「自らが問題点に気付き反省して変えて行く文化=『自責文化』を徹底すれば、地域も企業の大きな変革も可能」などと話した。
講演の後、塚越寛氏(伊那食品工業会長)と織井常昭理事長をが加わったパネルディスカッションがあり、「利益とは、本来、社員の生活が豊かになることを通じて地域が豊かになるための手段のはず。この手段を目的と履き違えて、そればかりを追い求めることから社会のゆがみが始まる」(塚越会長)などと、活発に意見を交換した。 -
第1回
後継者は考える
-地方の経営者に問われる資質とは何か?【下】【出席者】
織井常昭さん=38歳=(織建専務取締役/伊那青年会議所05年理事長)
唐澤幸利さん=35歳=(伊那燃料常務取締役/伊那青年会議所05年経営資質開発委員長)
塚越英弘さん=39歳=(伊那食品工業専務取締役)
上伊那の地元企業の後継者たちが、自らの経営資質を磨かなければいけないと、行動を開始している。その動きを追った座談会の後編。 -
第1回
後継者は考える
-地方の経営者に問われる資質とは何か?【上】【出席者】
織井常昭さん=38歳=(織建専務取締役/伊那青年会議所05年理事長)
唐澤幸利さん=35歳=(伊那燃料常務取締役/伊那青年会議所05年経営資質開発委員長)
塚越英弘さん=39歳=(伊那食品工業専務取締役)
伊那毎日新聞は05年、創刊50年を迎えました。その記念企画の一つとして、上伊那経済「時事対談」を6月より、毎月15日前後・2日間にわたって掲載します。この企画では、03-04年度2年間連載してきた「上伊那輝く!経営者」キャンペーンの特集記事を踏まえて、上伊那の産業・経済が直面している問題を、地元の事業所・企業や関係者の皆さんに順次語り合っていただく予定です。 -
キーワードは花と音楽