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県内企業の倒産整理状況まとまる
東京商工リサーチ・松本支店は、05年の県内企業倒産整理状況をまとめた。上伊那の大型倒産(負債総額5億円以上)は2件だった。
大型倒産したのは、伊那市の製材・木材販売「信州林産」(負債総額9億1千万円)、駒ケ根市のホームセンター「マルタ」(5億9千万円)。
12月分では、中川村片桐の管工事「たかはし設備工業」が販売不振、業績低迷のため倒産した。負債総額は6千万円。
年間(27日現在)の市郡別倒産データによると、伊那市4件・負債総額15億1500万円(前年比1件増・2億1500万円増)、駒ケ根市2件・6億5千万円(1件減・4億9千万円増)、上伊那郡2件・7500万円(7件減・47億6800万円減)だった。
県内の件数(負債総額1千万円以上)は147件、負債総額658億9200万円。大型倒産が相次いだ前年1001億7400万円に比べ、大幅に減少した。各企業が不況慣れで先行き需要低迷を意識した手堅い経営振りを見せた、一般消費にわずかながら回復の兆しが見え始めたことなどが影響したとみられる。しかし、技術力など優位性のない中小企業は価格競争が激化し、景気回復を実感する声は聞かれない。
地区別でみると、南信はほぼ横ばい。業態別では建設業が57件で、全体の38%を占め、製造業、小売業、サービス業などと続いた。原因は販売不振が6割以上。30年以上の企業の倒産が目立った。 -
観光産業の今後の展望は
「アルプスがふたつ映えるまち」をキャッチフレーズに掲げる駒ケ根市は豊かな自然と歴史を核とした観光文化都市を目指している。しかし、観光目的で市を訪れる利用客の数は1992年の170万人をピークに年々緩やかな減少傾向にあり、近年は約130万縲・40万人前後で推移する頭打ちの状態が続いている。
伸び悩んでいる観光産業の現状を打開するきっかけにしようと市は05年、もてなしのまちづくり計画(観光振興基本計画)を策定した。製造業、農業、商業と並んで市の重要な産業となっている観光の今後の展望についてアンケートやワークショップなどを通じて探ったものだが、具体的な提案はいくつか示されているものの、将来に向けての明確な方向性を導き出すまでには至っていない。
市が擁する観光資源には中央アルプス駒ケ岳、家族旅行村、光前寺、早太郎温泉などのほか、キャンプ場、スキー場やゴルフ場などがある。いずれもそこそこの集客力を持ってはいるが、関東や中京など大都市圏での知名度はさほど高いとはいえず、さらなる集客アップのためには観光客を強力に引きつけるアピール戦略の充実が必須の課題だ。
権兵衛トンネルの開通で木曽谷とのアクセスルートが新たに開けることにより、利用客の増加が望める竏窒ニ期待する向きもあるが一方では、楽観的過ぎるとその効果を疑問視する人も多い。駒ケ根駅前商店街のある店主は「車で来た観光客はインターチェンジから上(西)に行くだけでこっちには来ない。うちには何の恩恵もないよ」とあきらめともいえる不満の声を漏らす。竜東地区に客を呼び込もうと建設されたシルクミュージアム、ふるさとの家などの集客力も今のところ期待を上回っているとは言い難い。
市町村合併が白紙となったことで市の財源見通しはさらに厳しいものになり、新たに大規模な観光資源の開発に乗り出す余力はありそうもない。ならばこそ、行政主導型でなく、地域を巻き込んだ民間参画型の新たな発想の登場が待望されている。地元が潤うためにはただ観光客を呼び集めるだけではなく、いかに財布のひもを緩めさせ、消費させるかが求められる。魅力的な特産品などの開発も含めた市民挙げての活動が今後の駒ケ根観光の行方を左右するだろう。 -
町の観光発展に新たな挑戦 特産品の開発へ
高遠町東高遠の遊休荒廃農地2万5千平方メートルを花畑へと再生し昨春、花園をオープンした「高遠花摘み倶楽部」。花園だけにとどまらず、同町藤沢水上地区の遊休農地を第2定植地と位置付けて、赤やオレンジなど色鮮やかな花穂を付ける中南米産のアマランサス(ヒユ科)の栽培に乗り出した。過疎化が進み、農業の後継者不足によって増えだした遊休農地を利用し、町が掲げる通年観光と地域経済の活性化を目指す。「観光農業」をキーワードに活動を展開し、その先には、「町内全体が観光地化した農村風景」を見つめる。
アマランサスは、開花とともに付ける種が穀物、茎葉は野菜となり、カルシウムや鉄分などが豊富な高ミネラル食品。高たんぱく質で、コレステロールの低下作用もある。
花の景観以外にも、食品としての特徴を生かし、新たな特産物として、種を使った加工品の開発を目指す。他地域との差別化を図って、地域おこしにつなげる考えだ。
倶楽部はアマランサスを研究する信州大学農学部の根本和洋助手と連携して進めている。遊休農地約1・5ヘクタールに種をまき、夏の終りには高いもので2メートルほどにまで成長した。茎葉を天ぷらやおひたしにして試食し、「結構いける味」「おいしい」などと参加者からの評判は上々だった。
花穂から約400キロの種を収穫し、11月下旬には本格的に研究を進めるべく研究会を開き、町内外の菓子店なども巻き込んで、商品化に向けた開発の協力を求めた。
「観桜期までにはいくつかの商品を開発できたら」と意欲をみせる倶楽部の赤羽久人理事長。桜の名所である高遠には全国から30万人以上が足を運ぶ。この機会を狙って、土産物として商品を売り出し、アマランサスを広く周知していく。
桜以外でも人を呼べる町にしたい竏秩Bそのため、昨年より栽培規模を拡大していき、協力してくれる町内の農家らにも種を提供して、町中にアマランサスを咲かせたいとする。
桜、花園、高遠まんじゅう、ソバ…そして、町中に広がるアマランサス。観光資源を増やし、他地域と差別化を図るこの通年観光の構想が実現すれば「町が目標とする年間100万人観光も夢ではなくなるのでは」と赤羽理事長は期待を寄せる。
今春には町と、伊那市、長谷村との合併を控えるが、「合併しても自分たちの住む場所を全国に売り出していくことに変わりはない」(赤羽理事長)。行政、大学、地域住民の連携を基盤とした新たな観光発展への挑戦が始まった。 -
月間有効求人倍率1・44倍
伊那公共職業安定所は、11月の労働市場概況をまとめた。月間有効求人倍率は前月比0・07ポイント増の1・44倍となった。10月に前月比を下回ったものの、6月から右肩上がりとなっている。
新規求人数、月間有効求人数が高水準で推移し、新規求職者数が減ったことで、前月を上回った。
新規求人数は、前月に比べて23人増の1487人。製造業は減少したが、建設業や卸売・小売業、サービス業などで増えた。
月間有効求人数は3962人で、3カ月連続で横ばいの動き。
新規求職者は605人(前月比121人減)。月間有効求職者は2752人(167人減)だった。 -
箕輪町商工会女性部フラワーアレンジメント講習
箕輪町商工会女性部(119人、大槻一子部長)は26日夜、フラワーアレンジメント講習で豪華な正月の花を生けた。
昨年はクリスマスをイメージしたフラワーアレンジメントを学んだが、今年は「正月用に豪華に、床の間でなくてもどこでも飾ることができるアレンジメントを」という会員の希望に沿って、みのわ花園の山口元樹さんが指導した。
花材は白ユリ、柳、銀色に塗った柳、松、千両、デンファレなど。3本の柳の中から最も絵になると思う枝ぶりの1本を中心、残り2本を左右に、続いて松、ユリと順番にオアシスに挿した。
生ける花材の高さ、角度など説明を見聞きしながら、それぞれ自分の花を眺めてバランスよく生け、華やかに仕上げた。
墨の色がついたこけ玉風のオアシスに、花や枝など残りの材料を活用して生けるかわいらしいアレンジメントにも挑戦した。 -
飯島町観光協会フォトコンテスト
飯島町観光協会(会長・高坂町長)は26日、「飯島町の自然・人」をテーマに募集した05年度フォトコンテストの審査会を農村改善センターで開いた。技術審査員の唐木孝治カメラマンや事業企画部会員、事務局ら16人が慎重に審査し、「自然の部」の特選に平沢繁美さん(飯島町)の「雪化粧」、「人の部」でも同人の「懐かしき光景」を選んだ。
コンテストには昨年よりも9人15点多い31人68点の応募があり、「自然の部」は25人40点、「人の部」には18人28点があった。
「自然の部」にはコスモス畑やそば畑、紅葉の庭園、与田切の桜、春の里山など豊かな飯島の自然を切り取った秀作がずらり。「人の部」には、飯島陣屋のいろりを囲む人々やカキを取ろうと手を伸ばす老人、お陣屋祭など人々の生活を感じされる力作が並んだ。
▽テーマに沿っているか▽飯島町の風景の特色が出ているか▽四季の変化を上手にとらえているか-などを観点に審査し、各部門ごと特選1、準特選2、入選4を選んだ。
唐木さんは「今年は町外者の応募が多く、認知度が上がった。写真的にレベルが高く、主催者の意図に沿った作品が多かった」と講評した。
審査結果は次の通り(敬称略)
◇自然▽特選=「雪化粧」平沢繁美(飯島町)▽準特選=「晩秋」久保村由人(伊那市)、「朝光お陣屋祭り」白石雅美(多治見市)▽入選=「花の木の落葉の庭園」片桐久司(飯島町)、「満開の中を」向山世男(伊那市)「晩秋」春日芳人(駒ケ根市)「春の里山」丹羽明仁(小牧市)
◇人▽特選=「懐かしき光景」平沢繁美(飯島町)▽準特選=「柿もぎ」小島福司(伊那市)「秋桜に輝く笑顔」佐藤正一(駒ケ根市)▽入選=「それワッショイ!」向山世男(伊那市)「公園桜祭り」久保村由人(伊那市)「お代官様竹林をゆく」深沢和香子(飯島町)「出荷を待つシクラメン」小林紀一(飯島町)
慎重に審査 -
クリスマス商戦 大詰め
25日のクリスマスを控え、23日、おもちゃ店はクリスマスプレゼントを買い求める家族連れなどでにぎわった。「たまごっち」は圧倒的な人気で、品切れ状態となっている。
ベルシャイン伊那店のおもちゃ売り場では、子どもたちが目当ての商品を探したり、豊富な種類に「あっ、これがいい」と目移りしたりと夢中になって選んでいた。
同店によると、プレゼントを買い求めるのは早めか、クリスマス近くの週末かに分かれ、親のみで来る場合が多いという。孫の要望にこたえようと商品名を書いたメモを持参する祖父母も少なくない。サンタクロースを信じる子どもの夢を壊さないためか「プレゼントが見えないように包装して」と頼まれたこともあったとか。
最も売れているのは、男の子がゲーム機のDS、女の子がアニメキャラクター「プリキュア」の携帯電話。男女ともに人生ゲームも売れているという。
「たまごっち」は毎日、電話で何十件の問い合わせが入っている。「たまごっち」の中でも、進学や就職もする「超じんせーエンジョイ!」の人気が高い。
ハローマック伊那FC店は今月初旬から、クリスマスプレゼントを準備する人が目立った。「たまごっち」を除く人気のおもちゃは、男の子がDS、女の子がわんこバックだそうだ。 -
新しい純地酒1月下旬発売へ
中川村の飯沼棚田産の酒米だけを使った「純地酒の棚田のお酒」が来年1月下旬から発売される。現在、中川村飯島町の酒店で予約受付中。
棚田の維持と有効活用を図る飯沼地区農業活性化研究会(入田護会長)が40アールの棚田に酒米「美山錦」を栽培し、同村の「今錦」米沢酒造(米沢博文社長)に出荷。オリジナル新酒「今錦おたまじゃくし」として、来年1月下旬から、おり酒、生原酒、5月には特別純米酒が新発売(限定)される。
「今錦おたまじゃくし」は一升瓶換算で原酒で1300本生産。おり酒と生原酒は各200本限定。値段はおり酒720ミリリットル1743円、生原酒720ミリ1712円、1・8リットル3413円、特別純米酒720ミリリットル1386円、1・8リットル2730円(税込)。 -
駒ケ根伊南広域シルバー人材がガーデニング講習会
駒ケ根伊南広域シルバー人材センターは22日、飯島町の飯島文化館で、坂本園芸(駒ケ根市福岡)の坂本喜代美さんを講師に、ガーデンニング講習会を開いた。
シニアワークプログラムの一環で会員のスキルアップが狙い。
飯島地区の会員を中心に50人が参加、クリスマス・正月用の寄せ植えに挑戦した。
ガーデンシクラメンやポインセチア、プリムラ、カランコエなど4種類の花とコニファーを用意した。
参加者は坂本さんに教わりながら、色の調和、草丈、ボリウムなどのバランスを見ながら植え込んだ。
参加者は「何をメインに持っていくか迷ったが、まずまずの出来映え」「赤を効かせた寄せ植えにした」とそれぞれ満足そう。 -
新光機器しゅん工式
溶接用電極の生産で国内トップのシェア35%を誇る新光機器(本社・名古屋市、蕗澤武夫社長)が進めていた駒ケ根市赤穂北割二区の新工場「長野県駒ケ根工場」建屋の改修工事が終わり22日、同地でしゅん工式が行われた。関係者約20人が出席して神事を行い、操業の安全を祈った。蕗澤社長は「今日は雪。新工場が白むく姿で嫁入りだ。ここに根を張って末長く繁栄させていきたい」とあいさつした。
新工場では同日、主な製品の溶接用電極キャップ(先端)チップの生産を現地採用の従業員8人らが早速開始した。現在稼動する加工機は4台だが順次18台まで増やし、月間20縲・5万個を生産する計画。
同社は1974年創立。資本金8千万円。本社のほか全国に開発センター、工場、営業所などを持ち、グループ全体の従業員数は約200人。05年度の売上は41億円を見込む。 -
トヨセット立地契約調印
駒ケ根市が同市町四区の北の原工業団地への誘致を進めてきたトヨセット(富岡靖明社長、本社愛知県安城市)との交渉が合意に達し20日、市役所を訪れた富岡社長と中原正純市長が用地売買契約に調印した=写真。富岡社長は「地域と共存共栄を図りたい」と述べた。
同社の工場用地は北の原工業団地の龍水社跡地など延べ3・9ヘクタール。同地については05年7月に市に問い合わせがあり、8月までに交渉はほぼまとまっていたが、同社は進出の条件として敷地3・9ヘクタールの確保を希望。これを受けて市は龍水社の跡地約3ヘクタールに加え、北側の民有地のほか、市と伊南行政組合が管理する伊南聖苑の一部の土地取得に乗り出し、地権者や他町村など関係者に理解を求めてきた。06年5月に造成工事を始め、07年11月ごろに操業を開始する見込み。従業員の現地採用や市内の企業への下請け注文などの波及効果が期待される。
トヨセットはストーブの製造・販売などで知られるトヨトミの子会社。1964年に設立し、TOYOSTEELのブランド名でオフィス家具や鋼製事務机などの製造・販売を手がけている。04年度売上は67億円。従業員数は約200人。 -
クリスマスケーキ用イチゴ出荷最盛期
飯島町七久保道の駅の花の里いいじまのイチゴハウスでは、クリスマスを控え、ケーキ用のイチゴが出荷最盛期を迎えた。
2棟2千平方メートルのハウスでは、糖度の高く、イチゴ狩りに人気がある「章姫」を栽培。真っ赤に熟した実から摘み取り、道の駅の直売コーナーで販売したり、近隣のケーキ店に出荷されている。
同ハウスのイチゴ狩りは来年1月6日からを予定している。 -
テクノネットが城西大とビジネス研究会
市内の製造業者らでつくるテクノネットは17日、城西大経営学部と共催のビジネス研究会を駒ケ根駅前ビル・アルパで開いた。山下善廣代表幹事らテクノネット会員と城西大経営学部の教授、中国人留学生らのほか、駒ケ根商工会議所、市職員など計18人が出席して「中国ビジネスの問題点とサプライチェーン・マネージメント」について意見を交わした。まず城西大の張紀尋教授が「対中投資の変化と問題点」について発表=写真。これを踏まえて参加者が真剣な討論を繰り広げた。
山下代表幹事は「このような交流は大変有意義なこと。ぜひ今後も続けていきたい」と話した。 -
箕輪町商工会女性部が健康体操
箕輪町商工会女性部(119人、大槻一子部長)は14日夜、産業会館で健康体操をし、日ごろの疲れを吹き飛ばそうと楽しく体を動かした。
生活委員会(関一枝委員長)の事業の一つ。「女性パワーが商売に影響する。経営者の健康管理のために」と昨年に続いて2回目。みのわパッションの唐沢春子さんを講師に招いた。
唐沢さんは、「商店街のイルミネーションのように、心も体もリフレッシュして明るい気持ちで家に帰ってください」と話し、軽快な音楽に合わせて手本を見せながら次々と動きを支持。部員はリズムに乗って、腕を伸ばす、肩を回すなどストレッチしたあと、振付けを覚えて曲に合わせて楽しく踊った。
女性部は今年、新会員も入り、和気あいあいと活動。月1回の行事のほか町のイベントなどにも参加している。 -
JA東日本くみあい飼料が中継基地を飯島に移転
JA東日本くみあい飼料(本社・群馬県群馬町、五味淵明社長)は辰野と飯田の中継基地を閉鎖し、飯島町赤坂の旧アイパール長野飯島米工場跡に移転し、来年2月から稼動開始する。
新飯島中継基地は、敷地面積3835平方メートル、建物1240平方メートル、アイパール長野から賃貸する。
配合飼料の中継基地として利用。荷扱量(1日)入荷4台(14-22トン)主に愛知県から。出荷延べ20台(2-7トン専用バルク車)中南信地区各JAと畜産農家向け。職員6、7人が常駐する。
同社はJA全農グループとして昨年4月設立。業務内容は飼料、肥料の製造、販売、動物用医薬品の販売-など。年間販売量は配合飼料1510、000トン、単味肥料238、600トン、肥料30、700トン。鹿島、群馬など6工場、9営業所を有す。 -
飯沼棚田産米で酒作り、仕込み
清酒「今錦」ブランドで知られる中川村大草の米沢酒造(米沢博文社長)で17日、飯沼棚田産の酒米「美山錦」を使ったオリジナル新酒「おたまじゃくし」の仕込み作業があった。来年1月中旬には、おり酒、生原酒、5月には純米酒が新発売(限定)される。
作業には杜氏の今井守さん(62)をはじめ、米生産者の飯沼地区農業活性化研究会(入田護会長)の会員らが参加。この日は仕込みの最終工程「留添」作業。蒸し、冷やした米が仕込みタンクに搬入されると、蔵人らは「よいしょ、よいしょ、辛くなーれ」と歌いながら、長い柄がついた「かい」でかく拌した。
棚田をイメージしたネーミングの新酒「おたまじゃくし」は、1800キロの玄米の米粒を59%までに削り、11月末に米と糀(こうじ)を合わせた「酒母」をつくり、14日に最初の仕込み「添」、1日休んで、「仲添」、「留添」の3回仕込み、低温発酵させる。発酵が進み、来月10縲・5日ころに、木綿袋に詰めて舟でしぼり、おり酒、生原酒が完成。さらに熟成させて、5月に特別純米酒「おたまじゃくし」がデビューする。 酒づくり30年余、杜氏歴8年の今井杜氏は「今年は厳寒で、酒づくりには最高、きりっとした辛口のうまい酒ができる」と期待。
米沢社長は「地域の活性化を目指し、今年初めて棚田米を使った。ほかの産地の酒米と比べても遜色がない」と話していた。
新発売の「おたまじゃくし」は一升瓶換算で原酒で1300本生産。おり酒と生原酒は各200本限定。値段はおり酒720ミリリットル1743円、生原酒720ミリ1712円、1・8リットル3413円、特別純米酒720ミリリットル1386円、1・8リットル2730円(税込)。販売は中川村・飯島町の20酒店で地域限定。予約受付中。 -
大鏡もちの重さは
「鏡もちの重さは何キロでしょう?」-。飯島町七久保の道の駅花の里いいじまで、恒例のジャンボ鏡もち重量当てクイズが行われている。
百号の鏡もちで、上段の重さは約7・2キログラム。
ピタリ賞は切りもちセットA箱とお年玉、近いで賞(前後10人)には切りもちセットC箱とお年玉が当る。
来年1月8日に当選者発表に合わせて、大鏡もち開き、お汁粉サービスを行う。 -
小規模事業者の融資資金の貸し出しが1億円突破
商工会を通じて小規模事業所に貸し出す国の「小企業等経営改善融資資金」で、宮田村商工会関係分の本年度融資額が1億円を突破した。商工会議所を除き上伊那郡下トップ。設備投資に7割が使われており、「仕事量の増大に伴う設備の更新などで、前向きな融資が多くなっている」と同商工会は説明している。
15日現在の融資額は1億670万円。24事業所が利用した。
うち設備投資が6940万円、運転資金が3730万円だった。
同融資は1973年に制度化。従業員数が20人以下の小規模事業所が対象で、商工会の経営指導を受けた場合に利用できる。
「金利は1・55%で無担保、無保証と他の融資よりも優遇されている」と同商工会。チラシなどを使って積極的にPRも展開し、かつてない早いペースで1億円を突破した。 -
牛肉表示を偽装
丸水長野県水畜産事業部伊那営業所は、原産地オーストラリア産、山梨県産の牛肉をいずれも長野県産と表示し、上伊那地方の小売店に供給した。県は16日、「農林物資の規格化及び品質表示を適正化に関する法律」に抵触する事実を確認。今後、同社の責任者から事情を聞き、早急に必要な指導をする。
不適正表示の商品は9日に回収、または表示の修正をした。
表示は国の調査で疑問があったため、8縲・3日の4日間、上伊那地方事務所が伊那営業所を調査してわかった。 -
伊那スキーリゾート 17日今季オープンへ
伊那市西春近のスキー場「中央道伊那スキーリゾート」(山浦速夫社長)で14日、安全祈願祭があった=写真。関係者約30人が出席。山浦社長は「地域の活性化に貢献できるよう努力し、利用者の満足度の高いスキー場にしていきたい」とあいさつした。
近年は暖冬で安全祈願祭当日は雪が望めないこともあったが、本年は寒波の影響もありこの日の積雪は約50センチ。出席者はセンターハウスから白銀のゲレンデを眺めながら、今季の安全を祈願した。
18シーズン目を迎える今季オープンは17日を予定。22日までは、「初滑りキャンペーン」として、通常3500円のリフト一日券を2千円で提供する。
本年は小さな子どもでも楽しめる「モーグル」「クロス」をゲレンデ中央部に新設。砂場感覚で遊べる「雪の公園」も新たに造り、ファミリー対策を充実させる。
営業期間は来年3月31日まで。入場者数は暖冬でオープン日が遅れた昨年より2千人多い、8万2千人を見込む。 -
飯島町商工会と中川村商工会が広域連携
飯島町商工会(坂井武司会長)と中川村商工会(宮下進会長)との広域連携にかかわる調印式が14日、飯島町商工会館であった=写真。来年4月1日広域連携を開始する。
両商工会の役職員ら25人が見守る中、坂下会長、宮下会長がそれぞれ「広域連携の協定書(広域連携による経営改善普及事業の実施協定書)」に署名した。
連携で、高度の経営指導を実施できる組織体制の強化を目指し▽経営指導員の役割分担、高度化・専門化への対応▽共通事業の整理統合により、効率化、経費削減▽財政基盤の強化-を進める。幹事商工会は飯島町商工会。実施期間・06年4月1日縲・7年3月31日(1年ごとの更新)。
県の07年度小規模事業者数300未満の商工会に対する補助金の50%削減方針を受け、中川村商工会が該当することから、両商工会は広域連携を検討してきた。飯島町商工会は11月9日の臨時総代会で、中川村商工会は5月20日の通常総代会で承認された。
飯島町の坂下会長は「円滑な指導体制の確立が連携の中で進むように」と期待。中川村の宮下会長は「飯島町商工会の温情に心から感謝し、小さいながらも一生懸命頑張りたい」とあいさつした。
また、来賓の商工連南信支所の佐々木信高支所長が「昨日の県会で広域連携する場合、85%の補助額の予定だったが、全額が補助されることになった」と報告、記念すべき日の朗報が参列者を喜ばせた。 -
伊那手づくり餃子愛好会長 羽生義秀さん(60)
昨年12月、伊那市を中心とした飲食店有志でつくる「伊那手づくり餃子(ぎょうざ)愛好会」を立ち上げてから、1年が経過する。飲食業界の活性化策として、手づくりギョウザを提供する9店が加盟し、ギョウザの消費拡大を図っている。
ギョウザの具を「つつむ」にひっかけて、毎月22日を「餃子の日」に設定し、加盟店がそれぞれギョウザの価格を割引するなどサービスを提供。だいぶ定着してきたのではないかという。
「餃子の日」には年齢層に関係なく、ギョウザを注文する人が集中する。それまで平日には少なかった注文が祝日並みになったほど。来店者の中には、ギョウザがなくなったと知り、そのまま帰ってしまう人もいるとか。
「伊那」と「ギョウザ」とのかかわりがない中で「地産地消」を考え、上伊那産シメジを使った「しめじ入り伊那谷ギョウザ」を開発。ただシメジを具の中に入れればいいというものではない。皮に包むとき、シメジは生にするか、ゆでるかなど試行錯誤しながら、各店が「味わい深い」独自のギョウザを作り上げた。
伊那総合物産展示会・商工祭やJA上伊那まつりなどのイベントに参加したり、各店で限定メニューとして出したりしたところ、好評を得た。
これからも「農」と「商工」の枠を超え、黒豆など体に良く、おいしい食材を使った伊那谷のギョウザを開発していきたいと話す。
発足から月1回、メンバーが集まり、ギョウザのPR方法などについて情報交換する。
どういう風にすれば、喜んでもらえるのか。自らの店でもギョウザの具を工夫したり、皮を大きめのものに変えたりとグレードアップ。
ギョウザの味は、10店あれば10の味がある。具材はもちろん、野菜・ひき肉・調味料の割合などによって店ごとに異なる。▽加盟店に「ギョウザ職人の店」の認定証を出したい▽食べ歩きを楽しめるようにマップを作りたい竏窒ニ考え、質の向上につなげる。
25年前、35歳のとき、伊那市内にラーメン店を構えたが、ラーメンよりもギョウザとの付き合いが長い。義務教育を終え、東京へ出てシュウマイなどの卸に携わった経験を持ち、ギョウザには強い思い入れがある。
「たかがギョウザ、されどギョウザ」。ギョウザはサイドメニューでメーンになれないが、熱意を込め、工夫できる料理の一品。伊那名物ローメンなどと一緒に「伊那をグルメのまちにしたい」と構想を語る。
寒い季節。ギョウザに入れるニラやニンニクは風邪予防や回復に効果があるといわれる。手づくりギョウザを食べて、ギョウザパワーで風邪を撃退!
ギョウザで人を呼べる店を目指す。 -
ミサワ燃料のパン教室
伊那市西春近のミサワ燃料は11日、パン教室を生涯学習センターいなっせで開いた。上伊那各地から15人が参加し、ハムロールなどパン作りを楽しんだ。
ケーキ、イタリア料理に次いで3回目の「楽しいお菓子・料理教室」。今回は、唐木グリーンパン教室の唐木芳子さん=西春近=が、ハムロールと、忙しい人のための1時発酵をしないテーブルロールの2種類を教えた。
唐木さんは、「おいしいパンを作るには、いい温度、いい時間で」と話し、こね上げ生地温度は27度から30度が理想で、夏は氷水、冬はぬるま湯、秋は水道水を使って温度を加減するなど、パンづくりのこつを教えた。
参加者は、生地につやが出るまで両手で包み込むようにこねたり、ハムロールの成型をしたりとパン作りを楽しんだ。焼きあがったパンを試食して発酵させたパンと発酵しないパンの違い、ガスオーブンと電気オーブンの違いなども学んだ。 -
40周年の宮田村商工会青年部が一輪車や収益金を寄付
宮田村商工会青年部は創部40周年を記念して8日、宮田小学校に一輪車10台を寄贈。先日開いた歳末慈善パーティーの収益金から30万520円を村へ寄付した。
前林裕一部長、40周年記念事業の平澤賢司委員長、池上真悟同副委員長が同校を訪問。 野溝和人校長と児童会運動委員会の新谷丈爾君、宮澤夢さんが「みんなで大切に乗らせてもらいます」と受け取った。
同校には50台ほどの一輪車があり、児童が休み時間に乗って遊ぶ。しかし、古くなったものが多いと聞き、青年部が記念事業の一環で購入。「子どもたちのためになれば」と、前林部長らは話していた。
青年部は40周年事業で、地域に還元する形で多彩な事業を展開。4日に開いた恒例の歳末慈善パーティーも好評で、オークションなど約300人が参加した。
その売り上げなど収益金を今年も村に寄付し、清水靖夫村長は「村政運営で必要な部分に有意義に使わせて頂く」と感謝した。 -
商工会が要望書を村に提出
宮田村商工会(前林善一会長)はこのほど、地域に根ざした積極的な活動が継続できるよう、補助も含めた支援を求めて清水靖夫村長に要望書を提出した。
同商工会は経営指導にとどまらず、多角的な地域活性化事業にも着手。本年度も商工業発展との相乗効果をねらって、特産品開発やプレミアム商品券の発行、村の伝説を看板にしたストーリーサイン事業などを展開している。
村から商工会への補助は本年度1185万円。前年度と同額となっているが、一部の村議などからは「補助した事業の効果を村が明確に把握すべき」などの声も挙がっている。
前林会長は「商工会の活動は村の税収増に貢献しているはず。村財政が厳しいことは理解するが、税収があがる所に手厚くしてほしい」と継続的な支援を求め、総額2160万円の補助を要望した。
清水村長は、商工会活動の成果を高く評価したうえで、厳しい台所事情に理解を求めた。 -
第6回
駒ヶ根-地産地消の銘菓づくり
~3年目の現状~ 【下】特産品づくりを産業連携で進めることを目指した「駒ヶ根竏鋳n産地消の銘菓づくり」。3年目を迎えた取組みの現状と課題を関係者に話し合ってもらった。その2回目。
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テレビのこうや豆腐特集で
登喜和冷凍食品に問い合わせ集まるテレビでこうや豆腐が特集されたことをきっかけに、伊那市の登喜和冷凍食品(登内英雄社長)に注文や問い合わせが増えている。
こうや豆腐を特集したのはTBSの朝の番組「はなまるマーケット」(8日朝放映)。冬の乾燥肌を防ぐには入浴後10分以内に保湿のケアをすると同時に、タンパク質の豊富な食材を取ることが重要だとして、こうや豆腐の効用や調理法を紹介した。
同社の女性従業員8人も登場。「3世代の家族で、年寄り用に含め煮や卵とじ、子ども向けに粉末こうや豆腐を入れたハンバーグなど、2日に1回は食べている。乾燥肌だったのが治った」(伊藤文子さん=美篶在住)などと証言。足のスネで実測した保湿値も、従業員のものは平均50以上で、東京での平均35程度を大きく上回った。
放送直後から、同社・同社が加盟するこうや豆腐の組合・TBSなどに「こうや豆腐のメニューを教えて」「粉末製品を扱っている会社を教えて」などの問い合わせや注文が集まっているという。
登内社長は「毎年12月は鍋物用や正月向けの豆腐づくりで忙しいが、番組放送でさらに忙しさが募った。休日返上で頑張ります」と話した。
こうや豆腐はもともと高野山が発祥の地と言われる豆腐を冷凍・乾燥させた食品。戦後、長野県が一大産地をなり、現在では全国の90%以上を県内の業者で生産している。 -
起業チャンピオン賞を表彰
伊那商工会議所・伊那市主催のビジネスプラン創造塾を受講し、近く創業する女性2人に8日、起業チャンピオン賞を贈った。
受賞したのは、アジア生活雑貨販売と喫茶ビジネスの宮島洋子さん(33)=荒井区、アマランサス栽培と福祉雇用事業の山岸深雪さん(42)=若宮区=。
宮島さんは、ベトナムに滞在していた経験を生かし、布や陶器、衣類などの雑貨販売に加え、軽食を楽しめる店を通り町に構える。オープンは来年1月上旬予定。
山岸さんは「アマランサスを伊那の特産品にしたい」と来年から借り受けた畑25アールで栽培する。知的障害者らの働く場を確保。商品化には高遠町の栽培者らと連携していく。
表彰式で、伊藤正専務代行は「商売を始める熱い思いが伝わってきた。不安も多いと思うが、今後もフォローアップしたい」と地域の活性化につながるよう2人の活躍を祈り、新しい事業の芽が出ることに期待した。
受賞者も「自分のため、まちのために頑張りたい」とそれぞれ決意を語った。
創造塾は、新規創業を目指す人や新たな事業展開などを考える中小企業者を対象に開催。経営コンサルタントなど専門スタッフから伊那市のマーケット分析、資金計画、事業計画書の作成などを学んだ。25人が受講し、12人がプレゼンテーション。その中から、実現性が高いビジネスプランに「起業チャンピオン賞」を贈った。 -
第6回
駒ヶ根-地産地消の銘菓づくり
~3年目の現状~ 【上】地元食材を地元で消費する「地産地消」の発想が社会的に注目を集めている。上伊那でもこの視点から各種取組みが開始されている。その中で、駒ヶ根商工会議所が中心となり、地元菓子店やJA上伊那・農業生産者とともに3年前から始めた「駒ヶ根竏鋳n産地消の銘菓づくり」は、先駆的な例と言えよう。
特産銘菓づくりをテコにして食品製造・販売業と農業の振興を図り、地域活性化につなげようという試みは3年を経てどうなっているか?現状と課題を関係者に話し合ってもらった。 -
箕輪町中心市街地にイルミネーション
箕輪町商工会が進める箕輪町TMO構想(中小小売商業高度化事業構想)の実働部門「みのわTMOネットワーク2004」(関嘉重代表幹事長)が、中心市街地の活性化のきっかけに-と、松島の商店街などにイルミネーションをともしている。
昨年、日の出商工会が独自で松島駅前通りに電飾をつけ好評だったこともあり、今年はTMOの活動として範囲を広げ、日の出商工会、仲町実業団、通り町実業団、木下南部支会が参加した。
駅前通りに加え、仲町の町道6号線、国道153号、JR木下駅前に点灯。産業道路沿いにもシンボルイルミネーションが3カ所ある。電球や発光ダイオードを2万3千球使い、赤や青、白などの明るい光が街並みを包んでいる。
「階段を上るように一歩一歩充実させていきたい」とし、来年度以降はイルミネーションとともに年末年始のイベント開催も模索している。
点灯は来年1月7日まで毎日、午後5時から11時まで。