-
カリン、マルメロの選果始まる
箕輪町の上伊那農業協同組合箕輪選果場で30日、町の特産・カリンとマルメロの選果が始まった=写真。選果作業はこの日と10月5日の2日間を予定しており、今年は5縲・トンの出荷を見込んでいる。
この日は、生産者など総勢40人が、加工用として県外の市場や諏訪地域に出荷するマルメロを仕分けにあたった。今年は7月の豪雨と低温の影響でやや小ぶりなものが多くなったが、収穫量としては平年並みだという。
古くからの栽培を行い、県内でも有数のマルメロ出荷地域となっている箕輪町だが、3年前、町内のマルメロに病気が蔓延。その年、翌年と十分な収穫が確保できなかったことなども影響し、生産者数が減少した。また今年からは、ポジティブ・リスト制度の施行により、病気の発生に対して十分な措置をとれない事態が生じるなど、厳しい局面もあった。しかし、生産者側の働きかけにより、来年度からは状況改善がなされる運びになり、生産者の一人は「安定した形で生産できるようになるのでは」と期待をにじませていた。 -
マスの燻製づくり始まる
宮田村新田区の燻製(くんせい)工房「スモークウッドくるみ」で、特産のニジマスの燻製づくりが始まった。来春まで1000匹ほどをさばいて手作りし、村内外で販売する。
農業を営む平沢秋人さん、明子さん夫妻が工房を経営。マスの燻製をつくり始めて10年ほどになるが、チーズの燻製とともに特産品として人気が高い。
1匹づつ三枚におろして、小骨を取り除く。ウィスキー樽を再利用したスモーカーでいぶすが、ひとつの工程が完了するまでに4日間と、気の遠くなる地道な作業の連続だ。
農作業の合間をぬって忙しい毎日だが「またこの季節が来たんだなって毎年思う」と平沢さん。
燻製に良く合う村特産の山ぶどうワインも仕込みの時期を控えており、村内は収獲の秋に沸いている。
問い合わせは平沢さん(090・9359・7757)まで。 -
200万本のコスモス咲き始め、飯島の秋を彩る
)
飯島町上の原の約4ヘクタール、200万本のコスモス畑では、新品種の八重が見ごろを迎え、大きく華やか花を重たげに秋風に揺らしている。
主力の秋咲きの大輪や黄花コスモス、イエロークリムソンキャンパスは、ちらほら咲きはじめた。
コスモスまつりは14、15日、ミニコンサートやもちつき、コスモスカルチャー、摘み取りなど予定する。 -
農事組合法人「北の原」設立総会
より効率的な組織を目指して駒ケ根市の北の原営農組合(小原恒敏組合長)が5年かけて準備してきた農事組合法人「北の原」が29日、発足した。会員など約60人が出席して設立総会が駒ケ根市のアイ・パルいなんで開かれ、定款、規約、事業計画、収支計画書、役員などが承認された。初代組合長には営農組合組合長で発起人代表の小原恒敏さんが選出された。小原さんはあいさつで「農地管理のためだけでなく、一定の収入を確保できる農業を目指さなければ法人化の意味はない」と述べた=写真。
設立時の組合員はJA上伊那を含む73人。水稲、麦、ネギを18ヘクタールで栽培し、07年度の売上高3355万円、経常利益515万円を見込んでいる。
役員は次の皆さん。
▽代表理事・組合長=小原恒敏▽副組合長・麦作部長=中坪博和▽会計=河合龍夫▽機械部長=小澤浩▽稲作部長=大宮昇▽葱作部長・推進員=小澤章二▽推進員=戸枝庸悟▽青年部長=大宮雅登▽監事=藤木清一、松崎正志 -
駒ケ根市家族経営協定調印式
駒ケ根市の農業従事者らでつくる家族経営協定友の会「ゆずり葉の会」は27日、新たに協定を結ぶ1家族(村沢邦雄さん・房子さん夫妻と長男の博さん=市場割)の調印式を市役所で開いた。急な都合で出席できなくなった夫妻に代わって博さんが3部の協定書に調印した=写真。調印を終えた博さんは約20人の会員を前に「協定を結ぶに当たっていろいろな点で仕事を見直したが、決めた通りにやるのはなかなか難しいと思う。しかし家族で協力して頑張っていきたい」と決意を語り、大きな拍手を受けた。村沢さんはアルストロメリアやユリなどの栽培をハウス35アール、露地50アールで行っている。同会の会員は32世帯となった。
家族経営協定は、農業の後継者不足に歯止めをかけ、農業への取り組み意欲の増進を図るなどの理由により、労働報酬などについて家族内で結ぶ協定。 -
改選後、初の農業委員会総会
中川村の農業委員会
は27日、役場で改選後初の総会を開いた=写真。委員長に大島澄男さん(61、2期目)=小和田=、職務代理に竹沢久美子さん(58、議会推薦)を選んだ。
大島さんと竹沢さんはそれぞれ「農業の知識も浅く、未熟ですが、みなさんの協力で、元気の出る農業を進めたい」とあいさつした。
この後、事務局から農業委員の報酬、担当地区、会議規則などの説明を受けた。 -
県最古、最大の慈梨(ツーリー)たわわに
1912年(明治45年)に中国から渡来し、県内外で栽培されたが、戦後、ほとんど切られてしまった中国梨「慈梨(ツーリー)」-。飯島町本郷の桃沢晴香園(桃沢匡行園主)では、幻の梨、慈梨の巨木が今年も収穫の季節を迎えている。
樹齢80年余、幹周2・2メートル、枝張は南北15・5メートル、東西15・7メートルと県最古で最大の巨木。全国的に見ても、これほどの巨木は極まれ。1個500グラム前後の大きな実を千個余り実らせている。
実は短びん型で、肉質は粗いが香りがよいのが特徴。未熟果は渋味があるが、完熟すると甘みと酸味のバランスがよく食味がいい。
先代の桃沢匡勝さんが25年に約20本定植し、東京市場に千ケースを出荷しシェア7割を占めたが、戦後、売れなくなり、同園も1本を残し、全て切り、樹種転換した。
桃沢さんは「花は品がよく、最高にきれい。実はなんともいえないいい香りがする」と話す。 -
上農生が地元林業士からチェーンソーを使った間伐方法を学ぶ
上伊那農業高校緑地工学科2年生34人が27日、伊那市小沢川上流にある演習林でチェーンソーによるカラマツの間伐実習をした。生徒らは、初めてのチェーンソーを地元林業士の指導を受けながら操作した=写真。
国が林業後継者の育成を目的として本年度新たに始めた事業の一環。上伊那農業高校では普段生徒が体験することがないチェーンソーによる間伐を要望し、県や上伊那林業士会などの協力を得て、取り組みが実現した。
生徒は3、4人ずつで8班に分散。チェーンソーの使い方や注意点を学び、丸太の切断などでチェーンソーに慣れてから実際の伐倒に挑戦した。
初めての体験に緊張した面持ちを見せたが、木が倒れる瞬間には「おー」と歓声を挙げていた。
作業に参加した有賀卓馬君(16)は「のこぎりとなたで間伐をしたことはあるが、チェーンソーを使ったのは初めてで緊張した。倒れた木が、別の木に引っかからないようにできたらもっと良かった」と話していた。
実習は28日も行う。 -
マツブサ収穫始まる
箕輪町の特産品「まつぶさワイン」の原料マツブサの収穫が25日、箕輪町まつぶさ会の会員の畑で始まった。
会員の中で最も栽培面積が広い山口勇夫さんは、約100本のマツブサを育てている。今年は実そのものはいい状態だが、春先の寒さが影響し、花は咲いたが実が色づくころに房ごと落ちてしまったり、房の実と実の間があいてしまうなど、収量は少ないという。
会全体の収穫量は、不作だった昨年より多いが450キロの見込みで、山口さんの畑で300キロを見込んでいる。収穫は10月2日にもある。 -
キノコどっさりと
ようやく朝晩が涼しくなり、駒ケ根市東伊那はキノコの季節を迎えた。現在はコムソウ(ズボウ、ショウゲンジ)を中心に、マツタケ、カラマツタケなどが採れている。
地物のキノコ料理で有名な東伊那大久保のしぶき荘(赤羽芳春社長)では、23日から出始め、毎日、持ち山や東伊那財産区の競り山を回ってキノコ採り。
25日は1カ所だけで、コムソウ約15キロ、150グラムの特大を含むマツタケ4本のほか、カラマツダケ、イクチなどを採取した。
キノコ採り歴30年余の赤羽昭二会長は「今年のキノコはしっかりしており、品質がいい。キノコ陽気に恵まれ、これから除々に収穫量が増えそうだ」と笑顔。
ちなみに同店のキノコずくし料理は4千円から、マツタケのフルコースは8千円から。 -
信大農学部でAFC祭
南箕輪村の信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学研究センター(AFC)のAFC祭が23日、AFC構内ステーション農場などであった。家族連れなど多くの人が訪れ、ブドウ、リンゴの収穫体験や、農産物販売などを楽しんだ。
地域住民にAFCの取り組みを知ってもらうことを目的として始まった取り組みで5年目。今年は、これまで行っていたブドウ狩りに加え、リンゴとプルーンのもぎ取り体験を企画。県内で取れたキャベツを始めとする農産物や、これから季節を迎えるシクラメンの販売は、地元客を中心とする多くの人で朝からにぎわいを見せた。
演習林では、林内を散策する体験イベントなどを開催。また、体験コーナーでは、昨年好評だったそば打ち体験や蜜ろうキャンドルづくり、丸太切り競争など、さまざまな企画を催し、訪れた人たちを楽しませていた。 -
上伊那のいも焼酎原料 箕輪町を皮切りにイモ掘り
いも焼酎の原料となるイモ掘りが23日、上伊那地区では箕輪町を皮切りにはじまった=写真。本年度は、上伊那産のサツマイモを使った焼酎「伊那八峰(仮称)」の販売を同地区の酒販売店有志が計画しているため、イモの出来上がりに注目が集まっている。
本年度から販売に向け、全8市町内で生産者組合員やボランティアらが焼酎の原料「黄金千貫」などの苗を植えた。総収穫数量は推定200トン。その一部で、各市町村産の焼酎、合計約1万6千本(1本720ミリリットル)を「喜久水酒造」(飯田市)が製造する。12月上旬発売予定。
町では昨年に比べて約20倍となる7万本の苗を町内10個所のほ場、計約5ヘクタールへ植えた。上伊那の中では植付けが最も早かったため、この日は木下のほ場で、町焼酎いも生産組合員と、町内の酒販売店5店舗5人の計15人がイモ掘り作業をした。
本年は低温、日照不足などで収穫量は少ない見込みだが、柴正人同組合長は「生産者と販売者が気持ちを一つにして、安定した販売を目指したい」と意気込む。酒販売関係者も「生産者が大切に育てたものを精一杯努力して販売していきたい」と話していた。 -
南箕輪村で上伊那の行者ニンニクについて話し合う交流会
行者ニンニクを普及させる方法を考えよう竏窒ニ南箕輪村行者にんにく研究会(小林幸雄会長)は22日、上伊那地域の行者ニンニクについて話し合う交流会をフォレスト大芝で開いた。上下伊那から、行者ニンニクの生産者など約30人が参加。行者ニンニクを使ったサプリメントの製造・販売で成功している北海道バイオインダストリーの代表取締役・佐渡広樹さんを迎え、今後、取り組むべき課題について考えた=写真。
臭いの強さから、日常的に食べることを倦厭されている一方、体に及ぼす健康効果が高いという行者ニンニクの特性を分析し、臭気を消すことのできるカプセル型のサプリメントという販売方法をあみだした佐渡さん.
種をまいても食用となるまでに最低6年はかかる行者ニンニクの性質から、生の製品だけでは絶対的に採算が合わず「地域興し程度にはなっても、出荷できるまでになるのは難しい」と説明。「行者ニンニクはただ漠然と栽培していても意味が無い。強み、弱みを明確にし、どう売り出していけばよいかを地域の実情にあった形で考えてほしい」と語り、商品化に向けた最終目標を持つことの重要性を示した。また、サプリメント会社と提携し、一次加工した製品を出荷するなど方法なども提案した。 -
マコモタケ初出荷
駒ケ根市東伊那の農事組合法人ふるさと夢農場は21日、特産のマコモタケを今年初めて出荷した。生産者数人が東伊那のやまんた直売所に集まり、収穫したマコモタケの皮をむいたり端を包丁で切ったりしたほか、計量や袋詰めをするなどの作業に追われた=写真。
マコモタケは東アジア原産のイネ科多年草。たけのことアスパラの中間くらいの軟らかさで、癖のない甘味が特徴。あくもほとんどないとあって近年消費者の人気が高まり、直売所の店頭では毎年品切れ状態になるという。気候の影響で収穫は昨年より約2週間遅れというが、生育状況は良好。10月いっぱいはやまんた直売所などで販売される見込み。
東伊那では3年前から地域の特産品にしようと栽培に着手。現在約80アールで栽培されている。 -
ビオトープで子どもたちが魚や昆虫採集
宮田村の自然を呼び戻す会(加藤一彦会長)は17日、自然に親しんでもらおうと、同村南割区のビオトープを開放。親子連れら多くの人たちで賑わい、メダカやフナ、水生昆虫などを自由に採集した。
最初はおそるおそる泥に入った子どもたちだが、魚影を追いかけ歓声も。息を潜めて網ですくったりした。
ミズカマキリにゲンゴロウ、ヤゴにタガメと、豊かな湧き水に育まれた環境は生態系も多彩。
加藤会長は「こんな田舎でも、気軽にふれられる自然が少なくなった。少しでも生命力の素晴らしさなど、感じてもらえれば」と、子どもたちの喜ぶ姿に目を細めた。
このビオトープは、会員が8年ほど前に整備。今後も自由に開放しており、魚や水生昆虫など自由に採集できる。 -
赤そばが見ごろ
中川村田島の転作田約2ヘクタールに作付けされた赤そばが見ごろを迎え、現地では初の「赤そば花まつり」が開かれ、近隣や関西、中京方面からのツア客でにぎわっている。
花まつりは10月中旬まで、期間中はテント市を開催、中川村の農産物や農産加工品などを販売している。
まつりは民話伝説の里、早太郎温泉郷感謝祭の一環として、駒ケ根市の早太郎温泉記念事業実行委員会が開いた。
赤そばは信大の氏家暉男元教授とタカノが共同で品種改良した高嶺ルビー。真紅の花を楽しむだけでなく、そばの味も良い。
問い合わせ・駒ケ根市観光案内所(TEL81・7700) -
【記者室】休耕田と農地改革
ふと田んぼに目を向けるとたわわに実った稲穂が重く頭を垂れている。数カ月間にわたった農家の苦労が報われる稲刈りの時期だ。だが見渡す限りの黄金色竏窒ニはいかず、あちこちに穴が開いたような休耕田が目立つ▼約60年前、貧農の救済のため、政府が全国の地主から農地を強制的に安価で買い上げて小作農に譲渡する農地改革が実施された。自分の土地を得た農民は喜び勇んで働き、米の生産高は飛躍的に高まったが…▼時代の流れの中で消費者の米離れが進み、米が大量に余り始めたことから農家は一転して減反を強いられることになった。金をかけて効率化を進めたあげく、せっかく手にした農地の多くをあたら休耕田にせざるを得ないとはまったく皮肉な話だ。(白鳥記者)
-
柳沢地区の災害査定に向けた現地調査に信大生が協力
伊那市は19日、7月豪雨により土石流被害があった柳沢地区で、農地復旧に向けた現地調査を開始した。信州大学農学部農業工学研究室の学生がともに参加し、田んぼに堆積した土砂の量などを測定した=写真。
市は、同地区の農地復旧を国の災害復旧事業として申請することを予定しているが、申請には、被害ほ場が必要とする土砂排出量などを具体的に示した査定設計書を作成しなければならない。そんな折、農村計画や農業土木などを専門とする農業工学研究室から、調査への協力申し出があり、専門的知識を持った学生たちの力を借りることとなった。
この日の作業に参加した4人は、職員とともに査定設計書に添付する被災現場の写真撮影などに協力。22日までの間、1日3縲・人が交代で市職員と作業に参加する。
市は、柳沢地区での災害復旧費用に約1億円を見込んでおり、12月ころから復旧工事に着手することを予定している。年度内に作業を完了させ、来年の作付けへの影響がないよう努める。 -
西原ぶどう祭にぎわう
中川村片桐の西ケ原ぶどう生産組合(西村宗俊組合長、15軒)のブドウ園内の農村交流施設で17、18日、ぶどう祭を開催。村内外からぶどう狩りに訪れた来場者でにぎわっている。
現在、早生系の藤稔(ふじみのり)、安芸(あき)スイートが中心で、初日は関西、中京方面から観光バス13台が来場。ツア客らは大房をはさみで切り取り、園内でほおばったり、5キロ、10キロと買い求めていた。
施設内では豚汁が振舞われ、ブドウと豚汁で、「食欲の秋」をたん能していた。
17日も豚汁サービス、焼肉コーナー(自費)を行う。ぶどう狩りは10月22日まで、早生系に続き、玉豊、中性種のシナノスマイル、ピオーネ、ナガノパープル、晩生の高妻、ロザリオビアンコと続く。入園料(食べ放題)は大人千円、小学生未満半額。直売は1キロ800円。 -
農産物マーケティング研修会
農業者や農産物販売者、旅館、レストラン関係者などを対象とした農産物のマーケティング研修会が14日、伊那市狐島の上伊那農業協同組合本所であった。約120人が参加。農業ジャーナリスト・青山浩子さんを講師に迎え、消費者目線での販売戦略の重要性などを学んだ。上伊那地方事務所など主催。
これまでの農家は、団体や卸売り業者を通じて販売を行っていたため、販売への関心は高くなかった。しかし「安心・安全」への消費者ニーズが高まる中、独自の販路を持ち、自身の農産物がどのように消費されているかを知りたいと考える生産者が増加。こうした人たちに、今後のヒントを模索してもらおう竏窒ニ、研修会を企画した。
青山さんは、消費者の95%が食の安全に関心を持ちながら、実際には外観や価格で購入している現状を提示。「生産者の思いを消費者に理解してもらうことの必要性がある」とし、(1)消費者目線での販売(2)地元に隠れた魅力的な素材を最大限活用すること(3)商業、工業分野との連携竏窒iめながら農業振興に消費者を巻き込み、生産者側は経営感覚を持ってほかとの関係を築き、農と食のマーケット拡大に努めていくことが必要であることを示した。 -
JA上伊那、本年上伊那の作況を101と予測
本格的な稲刈りシーズンを前に上伊那農業協同組合(JA上伊那)はこのほど、坪刈りによる本年度の作況を101と予測した。昨年比では多少の減収となるが、ほぼ「平年並み」になる見込み。減収の主な要因は、梅雨の長雨による7月の日照不足や、暑い日が続いた8月前半の高温障害があると見ている。
坪刈りの平均単収は602・4キロ。粒の張りが若干悪いが、着粒量は多いため、平年並みの収量は確保できると予測。「あきたこまち」「もちひかり」などの早生品種は、特に減収することも考えられ、作況で100を切る可能性もあるが、作付面積の大きい「コシヒカリ」などの品種は、一定の収量があると見ている。
すでに刈り取り適期を迎えた水田も多く、15日からは施設が稼動するなど、作業が本格化する。担当者は「品質はまあまあだと思う。刈り遅れると胴割れしやすくなるので、注意してほしい」と適期刈り取りを呼びかけていた。 -
西原ブドウ園14日開園
中川村片桐の西原ぶどう生産組合(15軒)のブドウ園のブドウが色づき、14日開園、10月22日まで、ブドウ狩りと直売が行われる。期間中の16、17日は園内の農村交流施設でぶどう祭りを予定する。
同組合は3・7ヘクタールで、早生系の藤稔(ふじみのり)、安芸スイート、玉豊、中性種のシナノスマイル、ピオーネ、ナガノパープル、晩生の高妻、ロザリオビアンコなど10種類余をレインカット方式で栽培している。
ぶどう祭りでは、豚汁サービス、焼肉コーナー(自費)を予定。
入園料(食べ放題)は大人千円、小学生未満半額。直売は1キロ800円。
22アールで、藤稔など6品種を栽培する宮下健彦さんは「西原のブドウは昼夜の温度差が程よく、甘くておいしい」と話していた。
詳細はグリーンセンターなかがわ(TEL88・3248) -
ソバの花見ごろに
ソバの花、初秋の風に揺れ-。ソバ種子の県内唯一の生産地、飯島町本郷では転作田のソバの花が見ごろを迎えている。黄金色の稲田と、白い花咲くソバ田がのどかな秋景色を作っている=写真。
本郷地区営農組合がブロックごと米とソバを交互に作付け。ソバは地区内の35ヘクタールに種子用として「信濃1号」を、7月末縲・月上旬には種、開花は9月上旬縲怏コ旬、刈取りは10月中、下旬の予定。
同組合では11月12日そば道場とフォトコンテストを予定(詳細は後報) -
宮田村の農園でブドウ狩り始まる
宮田村駒ケ原にある平沢秋人さん、明子さん夫妻のブドウ農園が収獲期を迎え、12日から直売、収獲体験を始めた。例年以上に出来が良く、甘さも抜群。さっそく客も訪れ・ス実りの秋・スを味わった。
たわわに実った、色鮮やかなナイアガラ。通りかかった人たちが足を止め、買い求める姿があった。
「孫が来るので食べさせてやりたいと思って」と村内の常連客から、偶然通りかかった村外の人まで。
平沢さん夫妻との会話を楽しみつつ、もぎたてのブドウに舌鼓を打った。
期間中、村デイサービス利用者を招待するなど、園内は連日にぎやかに。
開園時間は午前9時から午後4時で、1キロ500円で販売。9月末まで営業を予定するが、ブドウがなくなり次第終了する。
問い合わせは平沢さん85・2744、090・9359・7757まで。 -
JA上伊那箕輪地区生活部会「いこいの夕べ」
JA上伊那箕輪地区の生活部会は8日、「いこいの夕べ縲恊gも心も野良休み縲怐vを松島コミュニティセンターで開き、約240人がマリンバ演奏と講演を楽しんだ。
農繁期の夕方のひととき、少し野良休みをしてリフレッシュしよう-と毎年開いている。
演奏会は、コダマ楽器マリンバ講師の菊池はるかさん=諏訪市=、「すわっこ教室」でマリンバを学んでいる菊池さんの妹かおりさん、かなえさん、高木美咲さんが出演。高木さんの母で、辰野町でピアノ教室主宰の高木礼子さんが伴奏を務めた。「ます」「序奏とロンドカプリチオーソ」「ふるさと」など9曲を披露した。会員はしばし忙しさを忘れ、マリンバの美しい音色と華麗な演奏を満喫した。
講演会は健康・体力づくりアドバイザーの牧内隆雄さんが、若さと元気を取り戻す体の手入れの仕方を紹介した。 -
飯沼の棚田で稲刈り
中川村大草飯沼地区の棚田で10日、稲刈りがあった。
飯沼地区農業活性化研究会(入田護会長)の会員ら約20人が4台のコンバイン、2台のバインダーで50アールに実った酒米ミヤマニシキを刈り取った。
同会は5月14日に田植え機で植え付け。順調に生育、秋陽気に恵まれまずまずの出来。
収穫した米は村内の米沢酒造に玄米で持ち込み、特別純米酒「おたまじゃくし」になる予定。
入田会長は「ずっしり重く、粒も大きく、酒米としても上出来」と話していた。 -
“みのわアイスを作ろう”
牛乳の消費拡大へ有志が検討始める牛乳の消費拡大と次世代の新たな産業創出をねらい、「みのわアイスを作ろう」と、箕輪町酪農振興協議会(根橋英夫会長)の有志が検討を始めた。箕輪町の新ブランドとしてアイスクリーム作りを実現させるため、今後は酪振の会員だけでなく農業、商業なども含めた熱意ある町民を広く募って検討していく。
町の農畜産物の生産金額は生乳(酪農)が1位だが、牛乳の消費は箕輪町に限らず全国的に伸び悩んでいるのが現状。酪振は「自ら牛乳を売り消費拡大に努める必要がある」と、会員に呼びかけ7日夜、初会合を町産業会館で開いた。
根橋会長は、「我々は酪農家の2世代目。今後3代目の時代になってくる。乳が余っている中で頭数を増やすことは難しい。それならば乳に付加価値をつけ売っていくことをぜひやりたい」とあいさつした。
「発起は酪振でも最終的にはやる気のある人で取り組まないと成功しない」「箕輪には果樹など地元産がいっぱいある。生産者にも入ってもらえばいいのでは」「次世代に産業を作らないといけない。若い人にぜひ広めたい」など意見を交わした。
アイス作り実現には製造場所、製造技術、販売はもちろん事業に携わる人員確保、経済面など検討課題が多くある。
今後は酪振の枠を超え、まず一緒に取り組む仲間を募り、有志の会で十分な検討を重ねる。興味のある人は取り次ぎ窓口の町役場産業振興課(TEL79・3111)へ。 -
イチジクが完熟、収穫が最盛期
飯島町七久保のいちじく生産組合(上原靖一代表)のハウスでは、イチジクが完熟し、収穫作業が最盛期を迎えた。
同組合は25アール、4棟のビニールハウスでマスイ・ドーフィン種230株を栽培。1季成りで8月中旬から11月末まで順次収穫できる。最盛期は9月初旬で1日、500グラムパックで70-80パックを隣接の道の駅花の里いいじまやJAを通じて出荷する。
マスイ・ドーフィンは収穫期が長く、糖度は17-18度と高く、実は百グラム以上と大きい。 上原さんは有機肥料を用い、無農薬で栽培する。果実が肥大し、垂れ下がり、色が濃くなった完熟果から一つ一つ丁寧に収穫し、パック詰し、道の駅に持ちこむ。
寒さに弱く、完熟出荷のため棚持ちがしないイチジクの栽培は、上下伊那では同組合のみ。「夏が暑く、出来はいい、甘さも十分。イチジクは胃腸の働きを整え、抗がん作用もあると聞いている」と話していた。 -
ミニシクラメン開花、道の駅のハウスで
)
飯島町七久保の道の駅花の里いいじまのハウスでは、4万5000鉢のミニシクラメンが咲き始めた。
ピンクや赤、白の華やかなじゅうたんが温室に広がっている。
栽培しているのは宮崎健治さん(上の原)「ミニシクラメンは別名ガーデンシクラメンと呼ばれ、耐寒温度2度と寒さに強く、ガーデニング向き。今年は花びらにフリルがあるビクトリアミニが人気」と話している。
花の里の花いっぱいのハウスでは、自由に好きな花を選ぶことができる。
ちなみに1ポット350円。 -
宮田方式の・ス象徴・ス村農地利用委員会が廃止、新たな組織に移管
農地の所有と利用を分離する・ス一村一農場・スの理念で、全国的な集団営農の先駆けとなった宮田村。その中枢を担ってきた「村農地利用委員会」が、廃止となる。国の米政策に対応する形で発足した村農業農村支援センター、村営農組合へ事業移管するもの。・ス宮田方式・スとして全国的に脚光を浴びた組織だが、培った25年の歴史を良い形で引き継いでほしい、と関係者は惜しみながら新たな組織形態に期待を寄せる。
村は13日開会の村議会9月定例会に、村農業農村支援センター設置条例制定案を提出。
同センターは2年前に既に設置されているが、条例により名実ともに村の農政の中枢を担う最高機関となる。
これに伴い、宮田方式の根幹を成して農地流動化の地域間調整などを担った「村農地利用委員会」が、農政の方向性を出す中心的役割を果たした「村農業構造政策推進協議会」とともに廃止されることになった。
「土地は自分のものだが、土はみんなで生かして使う」という考えで、村農地利用委員会は1981(昭和56)年に設置。
村長を委員長として、各地区から委員を選出。農家、地域間の調整を図り、生産性を図るため農地の流動化を図ってきた。
7日は廃止前の最後の委員会を開き、今後も主導的な立場で村の関与を求めたほか、地域間調整など土地利用機能の発展的継承を要望する意見などが出た。
村産業課は「支援センターの設置で二重の組織になっており、それを解消するもの。村の農業は今までも行政が深く関わっており、今後も考えに変わりはない」と話した。