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上伊那森林組合が「掘り出し市」
伊那市東春近渡場の上伊那森林組合本所で26、27日、間伐材、支障木などを販売する掘り出し市が開かれている。加工したベンチ、椅子、花台が並ぶほか、薪の積み込み販売などを展開。上伊那のみならず、近隣市町村から買い物客が集まり、ぎわっている=写真。
同組合で恒例となっている緑化木即売会で、間伐材などを販売したところ好評だったため、今回は単独で初めて開いた。
ベンチ板は、長さが2窶・メートルのトチ、ケヤキ、ナラなどの広葉樹。富士見町から訪れた50代の女性は「庭先に置けるベンチが以前からほしいと思っていた。手ごろな値段でよいものがあってよかった」と満足していた。
関係者は「一般ではなかなか手に入りづらい国産の広葉樹も販売しているのでぜひ」と多くの来場を呼びかけている。
午前10時縲恁゚後3時。 -
農林作物の被害軽減へ
ニホンジカによる農林作物への被害軽減を目的に、県や郡内各市町村などでつくる上伊那地区野生鳥獣保護管理対策協議会は26日、長谷村の鳥獣保護区でニホンジカの一斉捕獲をした。上伊那猟友会の協力を得て、猟師200人余が4班に分かれて実施、44頭を捕獲した。
昨年に続いて2年目。高遠町、中川村でも12月に予定し、同様にニホンジカの越冬地とされる鳥獣保護区を中心に行なう。昨年度は3町村で129頭、今年度は300頭の捕獲を目指す。
県が01年度に策定した特定鳥獣保護管理計画では、南アルプスでの生息数を1万2千縲・万5千頭と推測、適性数を約7400頭とし、今年度の捕獲目標数を一般狩猟捕獲を含めて千頭としている。
上伊那地方事務所林務課によると、ニホンジカによる郡内の農林業被害は作物や高山植物の食害、水田荒らし、角による樹皮はがしなどで、被害額にすると、昨年度は6300万円余に上る。 -
シクラメン出荷最盛期
上伊那地方では冬の鉢花、シクラメンの出荷が最盛期を迎えた。ハウスの中は赤やピンク、色とりどりのじゅうたんを敷き詰めたように、シクラメンの花盛りだ。
30アールのほ場で、6センチの超ミニから、ガーデンシクラメン、18センチの大鉢まで7万鉢を栽培する飯島町上の原の宮崎園芸(宮崎健治園主)では、ピンクや赤、紫のオーソドックスの花のほか、花屋でも市場でも滅多に見られない最新品種や、試験栽培の珍しい花を栽培し、マニアの話題になっている。
ガクが発達し、花が2重のように見える「冬桜シリーズ」。羽根つきの羽根のような花びらが特徴の「プルマージュ」。八重咲き、フリルが華やかなビクトリアのがく花などのほか、種苗会社の依頼で試験的に栽培している登録前の珍しい花も多い。個体差が大きく、葉がギザギザなもの、波打っているものなど。ちり緬のような花の色も、白からベージュ、グリーン、ピンクと多彩。
和名「かがり火花」と呼ばれるシクラメンの常識を超えた花容で、栽培している宮崎さんでも、どんな花が咲くのか、咲くまでわからないと、ミステリアス。
宮崎さんは「顧客は地元が多いので、半分道楽で、他にはない花を作って、楽しんでもらっている」と話す。
宮崎園芸(TEL86・3686)では直売のほか、七久保の道の駅花の里いいじまでも販売している。 -
まるこま市場祭り
駒ケ根市赤穂上穂南にある公設地方卸売市場「まるこま市場」で23日、初のイベント「まるこま市場祭り」が開かれた。地元産の野菜や果物、花などが格安で販売され、せりの実演なども行われて、訪れた家族連れなどでにぎわった=写真。
会場の一角にはおいしい野菜や果物の見分け方などの展示コーナーが設けられたほか、来場者には熱い豚汁が無料で振る舞われた。
イベントを主催した同市場生産者組合長の小林弘志さんと、参加した仲買人組合長の倉田一美さんは「ここに市場があることすらあまり知られていないので、一般の人に存在をアピールしようと祭りを企画した。できれば来年以降も続けていきたい」と話している。 -
山ぶどう酵母のパンを開発
宮田村南割区のパン職人岸裕さん(56)が、村の特産品である山ぶどうから酵母を抽出して、パンとして製品化することに成功した。ニシザワ双葉店(伊那市)内で自身が経営するパン屋「ジャストベイクドパオ」で販売を開始。客の反応も上々で「村の活性化に少しでも役立てば」と期待をふくらませている。
本来はワインに醸造する山ぶどうをパンに使えないかと一念発起。近所に住む栽培農家の秋山泰久さんが全面的に協力し、今夏から研究を進めた。
当初は酸味が出たり、ふくらまなかったりするなど試行錯誤。しかし、徐々に安定し、100%山ぶどう酵母のパンが完成した。
「今まで使っていたイースト菌のパンよりも風味が豊か」と職人歴30年の岸さん自身納得の出来ばえ。
宮田特産の山ぶどうワイン「紫輝」に漬けた干しぶどうをトッピングした「レーズンロール」と「クルミロール」に使用している。
12月3日に村内の本坊酒造で開かれる山ぶどうワイン祭りに、岸さんも参加を予定。
会場で自慢のパンを販売し、この日解禁されるワインの新酒と一緒に多くの人に味わってもらう考えだ。
パンに関する問い合わせなどは「ジャストベイクドパオ」78・3209まで。 -
山ぶどう酵母のパンを開発
宮田村南割区のパン職人岸裕さん(56)が、村の特産品である山ぶどうから酵母を抽出して、パンとして製品化することに成功した。ニシザワ双葉店(伊那市)内で自身が経営するパン屋「ジャストベイクドパオ」で販売を開始。客の反応も上々で「村の活性化に少しでも役立てば」と期待をふくらませている。
本来はワインに醸造する山ぶどうをパンに使えないかと一念発起。近所に住む栽培農家の秋山泰久さんが全面的に協力し、今夏から研究を進めた。
当初は酸味が出たり、ふくらまなかったりするなど試行錯誤。しかし、徐々に安定し、100%山ぶどう酵母のパンが完成した。
「今まで使っていたイースト菌のパンよりも風味が豊か」と職人歴30年の岸さん自身納得の出来ばえ。
宮田特産の山ぶどうワイン「紫輝」に漬けた干しぶどうをトッピングした「レーズンロール」と「クルミロール」に使用している。
12月3日に村内の本坊酒造で開かれる山ぶどうワイン祭りに、岸さんも参加を予定。
会場で自慢のパンを販売し、この日解禁されるワインの新酒と一緒に多くの人に味わってもらう考えだ。
パンに関する問い合わせなどは「ジャストベイクドパオ」78・3209まで。 -
経営所得安定対策等大綱
関東農政局が説明会関東農政局長野農政事務所が主催する「経営所得安定対策等大綱」についての説明会が24日、伊那市狐島のJA南信であり、市町村・農業委員会・土地改良区・JA・県の機関などから300人が集まった。県内では18日の長野県民文化会館に次いで2回目。
同大綱は、3月に閣議決定された新たな「食料・農業・農村基本計画」に基き、(1)品目横断的経営安定対策、(2)米政策改革推進対策、(3)農地・水・環境保全向上対策窶狽フ具体的方針として農水省が決めた。
(1)の品目横断的経営安定対策の骨格は、複数の作物の組合せで営農されている水田作・畑作に、従来のように品種別ではなく、農業の担い手の経営全体に着目して財政支援をするというもの。対象となる担い手を、・ス認定農業者、・ス集落営農組織、・ス特定農業団体(またはこれと同様の用件を満たす組織)にしぼった。諸外国との生産条件の格差是正のために直接支払をすると同時に、販売収入の変動が経営に大きな影響を及ぼす場合には積立金からの補填をする。
(2)の米政策改革推進対策は、(1)の品目横断的経営安定対策が導入されることになったことを踏まえ、02年12月に政府が決めた米政策改革大綱に基く施策との整合性を取るためのもの。担い手と認定された農業生産者に、担い手経営安定対策ならびに稲作所得基盤確保対策として支払っていた支援を、品目横断的経営安定対策に一本化した。
一方、担い手に認定されていない生産者を対象にした産地づくり対策も引き続き実施するとした。
(3)は地域における農地・水・環境の保全や、農業者ぐるみの先進的な営農活動を支援するもの。
農業に関わる国の施策が次々と打ち出されており、その整合性をとるための説明が多義にわたり複雑だが、水稲を軸にした営農活動への財政的支援の問題であることから、参加者は、終始真剣に説明に聞き入っていた。 -
国会議員と農政懇談会
県農業会議、県農業委員会協議会など4団体は19日、県選出の宮下一郎衆議院議員、吉田博美参議院議員を招いての農政懇談会を駒ケ根市のアイ・パルいなんで開いた。上下伊那の農業委員ら約50人が出席し、農業をめぐる問題点について意見を交わした。宮下議員は集落営農の支援策について「次世代への引継ぎや効率の良い農業経営のため、農地の集約化は必要。財源は厳しいが(支援には)前向きに取り組みたい」と話した=写真。
冒頭、10月に行われた第51回県農業委員大会で決議された要請書が両議員に手渡され、県農業会議の藤巻吉介副会長が「実現に力添えを」と要望した。両議員は要請書の内容に目を通した上で項目ごとに「国・県に支援を働きかけたい」「計画に盛り込めるようサポートしたい」などと話した。
上下伊那の農業委員から提出された有害鳥獣対策や米国産牛肉の輸入など当面する課題について議員らは「イノシシなどの対策には計画的な取り組みが必要。植林や駆除などの効果を上げるため実態を科学的に調査する必要がある」「警察庁、環境省、農水省など関係する各省庁の役人には縦割り意識を捨てて現場をよく見てもらい、総合的に判断してもらわなければ困る」などと委員らの主張に同調する考えを示した。 -
リンゴオーナー収穫祭
農家と栽培契約を結んでいるリンゴオーナーらの収穫祭が20日、中川村で開かれた。約160家族・800人のオーナー家族らが関東や中京方面などからバスやマイカーで訪れ、色づいた実がたわわに実ったリンゴ園で「うわあ大きい」「おいしそう」などと歓声を上げながら大きな実を次々にもぎ取った=写真。東京都府中市から家族6人で訪れた市ノ瀬光司さん(62)は「オーナーになって今年で4年目になるが、ここのリンゴは味が最高だ。スーパーで売っているリンゴはとても食べる気になれないよ」と満足そうに話し、孫たちがもぎ取ったリンゴを段ボール箱に丁寧に詰めていた。
オーナー契約栽培を始めて11年目という片桐中通の栗山農園の主栗山寿さん(66)は「今年は天候がよかったせいか、色づきがよくて数も多い。評判が良くてうれしいね」と話した。 -
農産物の「箕輪ブランド」づくりへ
有機たい肥や低農薬による「箕輪ブランド」の農産物生産を目指し、箕輪町認定農業者協議会内に設置した箕輪ブランド研究会(根橋英夫会長)が、ブランド確立に向けた取り組みを進めている。箕輪ブランドの第1弾で06年度、「信州・みのわ米」のオーナー制度導入、アイガモ農法で栽培する「あいがも米」の販売を計画している。
研究会は、協議会(会員40人)の専門部会として役員を中心に9人で組織。協議会活動の一つに「豊かで特色ある産地づくりの研究」があり、「箕輪ブランドの農産物生産」を目標にしていることから設けた。
計画では、会員が栽培している米を「信州・みのわ米」と名付け、オーナー制度を取り入れることで全国に「箕輪」の名を広める。“ファーマーの仲間入り”と銘打ち、田植え、草取り、稲刈りなどの農作業体験ができ、収穫したコシヒカリ白米50キロを渡す。イワナ釣りや竹馬、竹とんぼ作りなどの遊びも盛り込む。1口2万7千円で募集は40口。
「あいがも米」は、有機たい肥を施した水田にアイガモの“アイちゃん”を放し、雑草を食べさせることで除草剤を使わず、低農薬で栽培する。「信州“みのわ”の極上米」として、06年度産米を5キロ3千円で予約販売する。限定60口。
「有機たい肥、低農薬で栽培方法を確立し、箕輪ブランドとして売り出していきたい。将来的には、町認定農業者の数も増やしたい」と意欲を見せている。問い合わせは町役場産業振興課(TEL79・3111)へ。 -
箕輪町南部営農組合収穫感謝祭
箕輪町南部営農組合(柴正人組合長)の第5回収穫感謝祭は19日、木下公民館であった。越冬野菜など地元産の顔の見える農産物を買い求める人でにぎわった。
今年は、天候に恵まれ農作物はみな豊作で価格安という。農産物直売コーナーは長いも、ゴボウ、大根、白菜、リンゴ、もち米、そば粉、シクラメンなどが並んだ。漬物用に白菜をまとめ買いする人もいて、組合員が野菜を次々と補充していた。式典や、新そば試食コーナー、とん汁サービスもあった。
20日から23日まで、組合の畑で野沢菜の収穫がある。地域住民への感謝の気持ちを込めて、今年は特別無料で提供。だれでも自由に収穫できる。場所は町民プール西側、鉄塔下の畑。 -
JA宮田支所の農業祭
JA宮田支所は19、20日、農業祭を同所駐車場などで開いている。地元産の新鮮な農産物の特売や宝投げ、特設屋台村などの各種イベントで盛り上がっている。
新米や獲れたての野菜が並び、家族連れなどで大賑わい。収獲の秋を感じながら、買い物を楽しんでいた。
支所内には住民や組合員、小中学生の作品を一堂に展示。絵画や盆栽、手芸などが出品され、訪れた人たちの目を楽しませている。
20日は午前11時から集落対抗腹巻送り競争、景品を多数用意した宝投げは午前10時半と午後3時半、正午からは生活班による芸能発表も行なう。 -
飯島支所農業祭にぎやかに
JA上伊那飯島支所の第10回農業祭は19、20日、飯島支所などで開催。好天に恵まれた初日、農産物品評会、演芸大会、テント村、農機具・自動車展示即売などど多彩なイベントが繰り広げられ、町内外の買い物客で終日にぎわっている。
手芸や生花が並ぶ「はなみずき展」、町内小中学生書道、絵画展など各展示会場には多くの人が足を運び、知人や家族の作品に足を止めていた。
特設ステージでは豪華賞品が用意された宝投げが行われ、お陣屋太鼓や飯島中学校吹奏楽部の演奏などが祭を盛り上げた。
20日は宝投げは午前11時15分、午後3時の2回。ステージでは午前10時から中川バンドの歌謡ショー、午後1時30分から、リンゴ皮むき競争、午後2時30分からJA体操グループ発表会を予定する。 -
中川支所農業祭
JA上伊那中川支所の第10回農業祭は19、20日、たじまファームとショッピングセンターチャオで開催。好天に恵まれた初日、農産物品評会、軽食バザー、越冬野菜市、はなみずき展、自動車・農機具の展示販売など多彩なイベントが繰り広げられ、村内外の買い物客で終日にぎわっている。
開会セレモニーに続き、中川西小学校児童によるマーチングバンドの演奏、中川東小学校の豊年おどりで盛り上げ、豪華賞品が用意された宝投げには、会場は人で埋った。
軽食バザーコーナーには家族連れが次々と入場し、うどんやそば、汁粉を味わっていた。
20日はテント村や書道・絵画展のほか、宝投げ(午後3時)、縄ない競争(午前10時30分)などが予定されている。 -
宮田小3年3組がリンゴ収獲
宮田村の宮田小学校3年3組は18日、作業を手伝い成長を見守ってきたリンゴ「ふじ」の収獲を駒が原の農園で行なった。お世話になった園主の樋屋喜吉さんに感謝しながら、真っ赤な実を丁寧にもぎとった。
社会科の校外授業の時に偶然出会った樋屋さんの農園で、春先からリンゴについて学習。1本の木を借りて、袋かけなどの栽培も体験してきた。
先日、駒が原地区は局地的な強風で落果被害がでたが、子どもたちの木は奇跡的にほぼ無傷。
この日の児童は、農家の大変さを感じながら、被害がなかったことにひと安心。強風に耐え立派に実ったリンゴを一人、ひとり手にした。
12月には樋屋さんらを呼んで、感謝の意味を込めて収獲祭を開く予定だ。 -
出張農業試験場開催
県農事試験場などは17日、環境に優しい農業技術の普及・問題解決を目的とした「出張農業試験場」を伊那市のJA南信会館で開いた。地元生産者や農業関係者などが集まり、減農薬・減科学肥料への取り組み事例を学んだり、今年度、上伊那で段階的に導入されている温湯種子消毒について意見交換した。
JA上伊那は、本年度南部で導入した温湯種子消毒の結果を報告。細菌病やバカ苗病の発生抑制は、従来の消毒と同じ効果が得られ、環境付加の低減にもつながる窶狽ニして、今後は北部、中部でも温湯種子消毒の機械導入を進め、06年度からは個人育苗にも対応しながら温湯種子消毒種モミの早期普及に務める方針を明かにした。
上伊那農業改良普及センターは、温湯種子消毒した種モミの保存技術実験の中間経過を報告。実際にモミを保存するのは冬期で、低温期に再実験する必要があるとしながらも、ファンで水分量を15%以下にしたモミが、4カ月後も90%以上の発芽率を確保できた経過を示した。 -
飯島産鉢花大展示即売会
飯島町七久保の道の駅花の里いいじまで19、20日、飯島産のシクラメン・洋ランなど冬の鉢花の展示販売会が開かれる。
シクラメンは町内5軒の農家が家庭用から贈答用の大鉢まで色とりどりの2百鉢を、2軒の洋ラン農家は話題の新品種やキャスレード系など、直立系シンビジュームを中心に百鉢を並べる。
ちなみに価格はシクラメンが千円縲・千円が中心、シンビジュームは3千円縲・千円で、産地ならではの豊富な品ぞろえ、価格で販売する。
冬を彩るシクラメン、洋ランがずらり -
現状困難も角度を変えながら地元産大麦を使った地ビール研究継続
地元産の大麦で地ビールをつくろうと取り組んでいる宮田村の関係者が16日集まり、研究の中間報告をした。試験を進めている村内の南信州ビールは糖度不足で現状では製品化は困難としながらも、今後も多角的な研究が可能と指摘。ビールを主体にしながら、それ以外にも視野を広げて大麦を使った特産品の開発を進めていくことにした。
村民の呼びかけにより、村と農協、農業改良普及センターなどが参画して9月から研究に着手。
南信州ビールは実際に村内産の大麦を使って、数種類の試験を実施。しかし、ビールに不可欠な糖度が予想より上がらず、竹平考輝工場長代理は「ひと筋縄ではいかない」とこの日も報告した。
ただ、大麦が使用できる可能性は否定せず「あきらめてしまうのではなく、角度を変えて何とか形にしたい」と話した。
糖度の高い大麦の生産を調査していた農協宮田支所の小田切政市営農課長は「デンプン質(糖質)を高めるには、チッ素肥料を少なくする栽培法が考えられる」と説明。
ただ、麦を現地で麦芽に精製したくても設備がないことを指摘した。
竹平さんは、ある程度の麦の量があれば、業者へ外注できると説明。そのためにもビール以外の特産品開発も検討すべきとして、同社直営のレストランでピザやパンの生地に使えないか研究していると報告した。
宮田村内では転作により約30戸の大麦栽培農家がおり、年間87トンほどを生産している。 -
トリュフが採れた
「伊那谷でトリュフが採れるなんて!」中川村大草の中島秀明さん(45)=自営業=は14日、仕事先の中川村と大鹿村境付近の原野でトリュフを発見、直径6センチ縲恊e指大まで9個を採取した。
原野を散策中、半分土に埋もれた黒い丸い物を発見「動物のふんかなと思って近寄ると、ほかにも土が盛り上がった場所があり、掘って見ると、土の中から表面がぼこぼこした黒いキノコのような物が出てきた」。
中島さんは翌日、キノコに詳しい人や、フランス料理のシェフらに鑑定してもらった結果、間違いなくトリュフと判明。スライスし、舌で味と香りも確認したという。
「まさか、こんな場所でトリュフが採れるとは思わなかった。テレビでしか見たことがなかったので、本物と言われても、まだ半信半疑だ」と話していた。
トリュフは地中に育つキノコの1種、キャビアやファアグラと並び、世界の3大珍味の1つ。黒トリュフは黒いダイヤモンドと呼ばれ、香り高い貴重品。フランス料理やイタリア料理のソースの香り付けやアクセントに用いられる。 -
島・ス山林塾企業組合
「山の神」で1年を感謝山仕事を求めてIターンした人を中心に作る島・ス山林塾企業組合(中村豊代表理事)が18日、伊那市横山の鳩吹公園そばの作業小屋で、1年の安全を感謝する「山の神」を開いた。
全員で神棚に向かい、顧問の島・ス洋路元信大教授が1年間の感謝の言葉を述べ、全員で2礼2拍手1礼した。その後、それぞれ持ち寄った食材で鍋などを楽しんだ。
もともとは、山から里に降りていた田の神を山に送る「十日夜(とうかんや)」という神事で、旧暦10月10日に行われていた。間伐や山道整備などの仕事があり、期日を調整した。
同企業組合は、島・スさんを師事して山仕事をはじめた人で作るもので、現在組合員は9人。全員が県外出身者で、Iターン後、県のグリーンマスターなどの資格をとり、植林・下草刈り・間伐・枝打ち・伐採などの山仕事を請け負って遂行している。
島・スさんは「山の神への感謝と自分たちのへのごほうびのためのささやかな催し物です。最初はまったくの素人だったが、今は、立派な山仕事をするようになり、今後が楽しみです」と話した。 -
農業委員会が市長に建議書渡す
伊那市農業委員会(平沢信助会長)は15日、市役所を訪れ、小坂市長に市の農業施策と国・県への要請9項目をまとめた建議書を手渡した。
遊休農地対策や集落営農の組織が進んでいないなど問題が山積している状況にあり、建議書で▽遊休農地対策として作物の苗・種代を支援する▽有害鳥獣駆除(カラス)は南箕輪村との体制を組む▽集落営農の組織化を推進するため、小規模農家や兼業農家に参画することの必要性を指導する窶狽ネど農業施策を求めた。国・県への要請事項は、07年産から導入される経営安定対策大綱にかかわり、最低所得保障を設けるなど生産意欲が減退しない対策などを挙げた。
平沢会長は「遊休荒廃地の積極的な展開を図っていかなければならない。産業としての農業が継続できるよう、各施策を取り入れてほしい」と述べた。
小坂市長は、来年3月に合併を控えていることから「高遠町・長谷村を考慮し、検討したい」と答えた。また、集落営農の拡大、地域ブランドの確立などの必要性を挙げ「市の農業が発展するような施策を見つけ出していきたい」とした。 -
いなっせで食育イベント開催
偏食が増加する中、もう一度食べることの意義を考え直してもらおう窶狽ニ12日、県栄養士会は伊那市駅前ビル「いなっせ」で食育イベント「食べるってなあに!」を開いた。
県内各地区で開くイベントで、伊那地区では初めて。野菜についてもっと知ってもらおう」と、地元上伊那の野菜を使った「参加型食育実践広場」と「栄養相談」をした。野菜に含まれる食物繊維量や収穫時期を学べるブースや、リンゴの皮むき競争、野菜スタンプなど、直接生の野菜に触れることのできるブースがあり、訪れた親子などは、一緒になって野菜の持つさまざまな側面に触れた。
また、料理研究家・坂本廣子さんの基調講演や、地元で食育活動に力を注いでいる生産者や給食担当者などによるシンポジウムもあった。食と子どもの関係を現場の視点から発表するなどして、食べることの意味をもう一度考えることを訴えた。 -
強風被害乗り越えてリンゴオーナー収獲祭例年通りに
宮田村のリンゴオーナー制度は13日、収獲祭を開いた。愛知県内などから約1300人のオーナー家族が来村。8日の局地的な強風で村内では落果や枝ずれの被害が発生したが、事前の説明や各園主らが不足した場合は補うなど配慮して、例年通りに収獲を楽しんだ。
落果被害が集中した駒が原地区では、オーナーの木にも多少の影響があったが、園主が丁寧に説明。
コンテナに落果したリンゴを集めたり「傷があるかもしれません」と、オーナーに理解を求める姿もあった。
樋屋喜代美さんの園を訪れていた名古屋市の家族は「あんまり気にならない。大きなリンゴが実って、本当に食べるのが楽しみ」ともぎとっていた。
三石俊一さんの農園で家族や仲間と収獲を楽しんでいた愛知県田原市の清田高博さんは「昨年に続いてオーナーは2回目だが、子どもも大喜び。来年もまた来たい」と話した。
村内のリンゴ昨年遅霜や台風で大きな打撃を受けたが、今年は順調に生育。しかし8日の強風で収獲直前に被害があり、オーナーへの影響も心配されていた。20日も収獲祭を開き、多くの人が訪れる。 -
伊那市、遊休農地を利用したヤマブドウを使って地域ブランドワイン生産を検討
遊休農地の問題を解消すると共に、地域ブランド産品を確立しよう窶狽ニ伊那市は、市内30ヘクタールの荒廃農地を活用してヤマブドウを生産し、それを使った地域ブランドワインの商品化を検討していることを14日、明らかにした。現地を環境調査し、適しているか確認でき次第、具体的生産に移りたいとしている。調査費は来年度予算に計上する予定。
案は官学連携協定を結ぶ信州大学農学部との交流会で示した。
知名度のある地域ブランド産品の開発と遊休農地問題は市の課題であり、双方を結び付ける形で地域ブランドワインの商品化案が浮上。「遊休農地の環境は、ヤマブドウづくりに一番適しているのではないか」と、ワインを選んだ。
市は、ブドウの生産から商品化まで、多方面での大学側の協力を要請。
唐澤豊学部長は「生産コストが下げられなければ、付加価値の高い農産物の生産が必要。そうした面で協力していけるのでは」と前向きな意向を示した。
地元産畜産物を使った「チーズ」「ダチョウ肉のつまみ」など、ワインとセット販売できる加工産品の開発も検討しており、ワインをきっかけに、さまざまな産品のブランド化を図りたいとしている。 -
冬の鉢花の女王、シンビジューム出荷本格化
飯島町岩間で冬を華麗に彩る鉢花の女王、シンビジュームの出荷が本格的に始まった。
ピンクの直立系を中心に数10種類、1万7000鉢を生産する小林洋蘭園(小林千晃園主)では、現在、新品種の「アイコサマ」をはじめ、透き通ったピンクの「インザムード」、キャスレード系の「アイスキャスレード」「ハッピーメール」など10種類が関東、関西など都会に送られている。ピークは11月末から12月中旬で、毎週3千鉢が出荷される。
今年の新品種は「アイコサマ」のほか、「プレリュード」、「トップレディー」「ピュアメモリー」など桜色が中心。
近年、人気があるのは花付きのいいキャスレード系、コンパクトで飾りやすいテーブルシンビジュームとか。 小林さんは「シンビジュームは丈夫で長持ち。豪華で贈答にも最適」と話す。
19、20日は七久保の道の駅花の里いいじまで飯島産のシクラメンや洋蘭の展示即売会があり、産地ならではの特別価格で販売される。 -
強風被害乗り越えて収獲祭例年通りに
宮田村のリンゴオーナー制度は13日、収獲祭を開いた。愛知県内などから約1300人のオーナー家族が来村。8日の局地的な強風で村内では落果や枝ずれの被害が発生したが、事前の説明や各園主らが不足した場合は補うなど配慮して、例年通りに収獲を楽しんだ。
落果被害が集中した駒が原地区では、オーナーの木にも多少の影響があったが、園主が丁寧に説明。
コンテナに落果したリンゴを集めたり「傷があるかもしれません」と、オーナーに理解を求める姿もあった。
樋屋喜代美さんの園を訪れていた名古屋市の家族は「あんまり気にならない。大きなリンゴが実って、本当に食べるのが楽しみ」ともぎとっていた。
三石俊一さんの農園で家族や仲間と収獲を楽しんでいた愛知県田原市の清田高博さんは「昨年に続いてオーナーは2回目だが、子どもも大喜び。来年もまた来たい」と話した。
村内のリンゴ昨年遅霜や台風で大きな打撃を受けたが、今年は順調に生育。しかし8日の強風で収獲直前に被害があり、オーナーへの影響も心配されていた。20日も収獲祭を開き、多くの人が訪れる。 -
JA上伊那まつり
上伊那農業協同組合(JA上伊那)は12日、伊那市狐島の本所などで「JA上伊那まつり」を開いた。恒例の地元農産物の品評会を実施し、各賞を決定した。また、餅つき大会や太鼓演奏などのイベントや、さまざまな出店屋台が、多くの来場者を楽しませた。
米、雑穀、果物など5部門に分かれた品評会は今年、約40品目760点の応募があった。上伊那農業改良普及センターなどの協力のもと、金賞から銅賞までを決定した。
好天に恵まれ台風の影響もなかった今年だが、夏場の干ばつで、野菜の生育は少し出遅れた。しかし、総合的に出品農産物はどれも出来がよく、特にリンゴは、落果もなく質の良いものが並んだ。 -
米作りの技術普及に務めて19年
上伊那農業改良普及センター
技術普及課主査
平出有道さん(44)「現在、一番力を入れているのは飯島町の自然共生農業で使う『ぼかし』の実証実験ですね」
「ぼかし」とは、有機物を、微生物を利用して発酵させた肥料。有機物はそのまま耕作地に播いても効果が出にくい。未熟な有機物だと逆に生育不良を招く。そこで、耕作地に播く前に、微生物の力で十分に発酵させて、効果が大きく・また農家にとって扱いやすくしたものが「ぼかし」肥料だ。
近年、食の安全や耕作地周辺の環境保全などが重視される中で、農薬や化学肥料の使用を極力制限する動きが顕著になってきている。「ぼかし」はそうした動きの中で大きな注目を集めている。
町全域に及ぶ大きな営農センターがある飯島町では、「自然共生農業」を掲げて、独自の基準を作り農薬や化学肥料の使用料を減らそうとしている。県やJA上伊那も一体となって進める、農作物の地域ブランドづくりの試みだ。
さまざまな作物が対象になるが、水稲に関しては、「ぼかし」と、種もみを薬剤を使用せずお湯を使って消毒する温湯種子消毒法が、技術的に重要な位置を占めるという。
「『ぼかし』は05年に始めた所ですから、現在は、実証試験の段階。まだ数字には出ませんが、感触としては良い線で行っていると思います」
牛糞をもとに業者が製造した「ぼかし」、従来の鶏糞肥料、それに化学肥料窶・種類の肥料を使った実証田を町内2カ所に作り、水稲の生育を検証してきた。導入を希望する農家を対象に、春先から5回にわたる講習会も開催した。
「食の安全を求める消費者ニーズは高まっています。それに応えられるような農作物を、手間やコストなどを抑える形で提供できれば、大きな付加価値がつく。そんな技術を検証・普及できれば農家には大きなメリットになると思うんです」
上伊那は2回目。03年春に赴任した。初めて上伊那に赴任した95年からの4年間では、水田でのもみの直播技術の普及に務めた。労力や経費からみて、農家には大きな魅力。直播の普及に着手した当時には、上伊那の水稲栽培面積約5380ヘクタールのうち70ヘクタールでしか実施されていなかったものが、現在では250ヘクタールにまで拡大した。その先鞭をつけた。
転勤した上田では、実った米が割れてしまう「胴割れ」対策に奔走した。温暖化の影響で、農作業の暦自体を作り変えなければならないことをつかみ、農家を説得して回って、大きな成果を上げた。
「農家の方から、おめさんたちが教えてくれた方法でやったらうまく行った窶狽ニ言われるのがうれしくて。その笑顔見たさにやっている感じですよね」
神奈川県横浜市生まれ。父方の祖父の故郷・長野県に、母校東京農大で学んだ知識を生かす道を求めて飛び込んできた。以来19年。
「上伊那は肥えた土地と豊かな水があるところ。それを生かして農業がさらに発展できるよう努力したいですね」
ニッコリ笑いながら、静かに話した。
(毛賀沢明宏) -
大豆・そば乾燥調整施設がしゅん工
飯島町田切の大豆乾燥調整施設と本郷のそば乾燥調整施設が完成11日夜、JA上伊那飯島支所で合同のしゅん工式を行った。両施設とも国の05年度強い農業づくり総合対策事業を導入して整備した
うち、田切農産(柴芝勉社長)が運営する大豆乾燥調整施設は、乾燥設備4トン2基を整備、50ヘクタールの大豆、74トン処理する。事業費2800万円。
一方、本郷営農組合(伊藤一男組合長)が事業主体のそば乾燥調整施設は乾燥設備4トン4基を整備、40ヘクタールのそば92トンを処理する。事業費約4100万円。
県や町、両施設関係者ら約60人が出席したしゅん工式で、田切農産の柴芝社長は「経営の安定を図り、魅力ある農業、足腰の強い農業を目指したい」。本郷地区営農組合の伊藤組合長は「来年2月には法人組織を立ち上げ、県内唯一の種子生産地として、差別化を図り、競争に打ち勝っていきたい」と、それぞれ施設の有効活用を誓った。
しゅん工式に先立ち、各施設の見学会も行った。 -
信大食堂、きのこあんかけご飯で日本型食生活の推進PR
提供する食事を通して日本型食生活を見直してもらい、県産の米や野菜の美味しさを実感してもらおう窶狽ニ11日、南箕輪村の信州大学農学部の食堂で、長野県産の米とキノコを使ったメニューが出された。
「ごはん食推進活動支援事業」の認可を受けた県生活協同組合連合会の取り組みで、利用者の食生活改善意識の啓発や地域農産物の消費拡大が目的。11月11日の「長野県きのこの日」に合わせて同会食堂部会に加盟する県内8食堂であった。協賛するJA全農長野から、ブナシメジとエノキダケの提供を受け、メニューを各食堂で考案した。
信州大学生協は11月、すべての食堂の米を長野県産の「秋田小町」に切り替えた。今回はその米とキノコで「豚鳥きのこ丼」と「きのこ汁」を50食準備。
売れ行きは好調で、学生たちは、次々にきのこ丼を注文し、味を楽しんでいた。