-
【記者室】少年と花火
箕輪町の「2007みのわ祭り」が終わった。祭りの最後を飾る納涼花火大会は、今年は「みのわ手筒会」の手筒花火大会と、スターマインなどの打上花火大会が同時に見られる趣向で、多くの観客が集まった▼月夜に打ち上がる大輪の花火に加え、手筒会は手筒煙火のほかに打ち上げ煙火、小型煙火、仕掛け煙火など見所満載。観客席の最前列でカメラを構えていると、背後から「すごいね」「帰らなくてよかったね」と少年の声。驚きや感動がこちらにも伝わってきた▼花火を打ち上げる会員の勇姿に「花火選手になる!」と少年。子どもにとっては煙火打揚従事者もサッカーや野球の選手と同じ“選手”らしいが、少年の心には大きな夢の花火が打ち上がったようだ。(村上裕子)
-
豊浦町と交流の第一歩に
伊那市の「第35回伊那まつり」(4、5日)に合わせ、北海道虻田郡豊浦町商工会の正副会長ら6人が来伊し、「遊ingビレッジ」に出店する。伊那市と豊浦町は市内の企業を通したつながりがあり、今回の来伊で、市民交流や企業間交流が具体化しそうだ。
市内西箕輪に本社を構える精密加工「フロンティア」の菊地睦昭社長が豊浦町出身であることが縁で、昨年4月、豊浦町の工藤国夫町長らが市役所を表敬訪問した経過がある。
菊地社長は「市民レベルでの顔合わせ。まず豊浦町を知ってもらい、徐々に交流の輪を広げたい」と話す。
豊浦町商工会では来伊した際、豊浦町産の豚肉を名物ソースかつどんに活用できないものか、伊那ソースかつどん会と交流する予定。また、海のない伊那での物産展も検討したいという。
ゆくゆくは企業誘致に結びつけたい考えで、期待を膨らませる。
「遊ing竏秩vは5日午後3時半縲・時、市役所西側駐車場で開く。ホタテの貝殻を粉末にした14色の「夢の砂」で絵を書く砂絵体験の場を設ける。
豊浦町は漁師町で、ホタテの養殖が盛ん。ホタテのほか、サケ、カニ、ウニなど海の幸が水揚げされる。 -
高遠美術館「子供対象WS」でモビール作り
伊那市の信州高遠美術館は29日、「アートスクールIV竏虫q供対象ワークショップ」を同館で開いた。地元を中心に上伊那の小学1縲・年生11人が参加し、東京芸術大の学生4人と一緒に、一人ひとつづつの造形作品「モビール」を作った。
美術館が一般を対象に企画する「アートスクール」の企画の一つで、同ワークショップは、芸術に親しんでもらおう竏窒ニ3年目。毎年、学生らを講師に招き、絵を書いてきたが本年は、針金や紐などを使い、吊るす物のバランスをとって作るモビールを製作した。
参加者は、美術館で用意した高遠公園で剪定して不用となった桜の枝の両先に、持参したペットボトルの蓋や木の実などを紐で吊るした。同市の東春近小の中村遼君(11)、大和君(8)兄弟は、色合いも考え、色とりどりのクリップなどを使用。完成品は、自分の部屋に飾るのだという。
左右のバランスをとりながらさまざまな物を吊るしていく子供たち -
伊那朗読の会が集い
伊那市の朗読愛好者でつくるサークル「伊那朗読の会」(小林豊子会長)は28日夜、同市美篶の飲食店シャルマンで「平和を願う朗読の集い」と題した朗読会を開いた=写真。会員9人が戦争に関する詩や小説などを読み、集まった約30人の観客が聞き入った。本年で6回目。
入会1年の小林美津子さん(66)=同市荒井=は沖縄決戦で亡くなった特攻隊員の遺品などを展示した、鹿児島の知覧特攻平和会館を訪れた時の気持ちを込め、山中二三子の「特攻人形」を朗読。小林さんは「この人の言葉をみんなに伝えれれば」と話していた。
そのほか、美輪明宏の「亡霊者達の行進」、松谷みよ子の「ベトちゃんドクちゃんからの手紙」などを朗読。観客は考え深げに目を閉じ、会員が紡ぐ言葉に耳を傾けた。
小林会長は「言葉で聞いたことは頭のどこかに残るもの。一瞬でもいいので噛み締めて、戦争について考えてもらいたい」と話していた。
「戦争と平和」をテーマに次々と朗読を披露する会員ら -
高校生が一日看護体験
駒ケ根市の昭和伊南総合病院で31日、県看護協会が企画した高校生一日看護体験学習があった。南信各地の9校から1縲・年生の男女生徒27人が参加し、病棟での看護などを体験した。
生徒らは白衣を着用し、数人ずつに分かれて各病棟で入院患者の身の回りの世話に当たった。病室を訪れた生徒らは患者の手足や頭髪を洗う作業を体験=写真。医療用手袋をつけて恐る恐る患者の体を洗い始めると、そばで見ていた担当の看護師が「もっと強く」「指の奥までしっかり洗って」などとアドバイス。高校生らは慣れない手つきながらゆっくりと慎重に作業をこなした。患者が「気持ち良かった」と言うと初めて緊張が緩み、うれしそうな笑顔を見せた。高校生らは患者の汚物処理などの作業も行い、看護師らの仕事の大変さに改めて驚いていた。
参加した伊那北高2年の巣山史織さん(17)は「将来は看護師になりたいので参加した。看護は思ったより力が必要で大変。患者さんと接するのはすごく難しいが、とてもいい経験になった」と話した。 -
親子木工教室
駒ケ根市のおもしろかっぱ館(小平容大館長)は28日、親子木工教室を東伊那の「ふるさとの丘・あゆみ館」で開いた。市内の親子約10人が参加し、木を使った小鳥の巣箱やえさ箱、森の動物たちなどを作った。
指導に当たったのは「木の香の会」の宮脇保さん。参加者は宮脇さんの用意した巣箱の材料を受け取ると、木の板を組み合わせて早速組み立て始めた=写真。子どもたちは「難しいなあ」などと言いながら保護者や宮脇さんの手を借り、苦労の末、どうにか巣箱を完成させると手に取ってうれしそうに眺めていた。
宮脇さんは「小鳥が敵にやられないように、高い枝に置くのがいいよ」などとアドバイスしていた。 -
南大東島の子どもたちが伊那市に到着
8月3日に大東太鼓と島唄のコンサートを伊那市で開く沖縄県南大東島の子どもたちが31日、伊那市に到着し、伊那西小学校の体育館で音慣らしをした。堂々とした太鼓の音と威勢のいい子どもたちのかけ声が夏休みで静かになった学校中に響きわたった=写真。
もう一度伊那市で演奏したい竏窒ニいう2年前に来伊したメンバーの思いを発端とする今回、大東太鼓碧会からは小学生から高校生までの30人が、ボロジノ娘からは7人が来伊。予定より早く伊那市に到着した一行は、伊那西小で約2時間の練習に臨み、汗を流した。
碧会の宮城克仁君(17)と大城海君(17)は「伊那の人たちを感動させられるような演奏をしたい。初めて伊那を訪れる子たちには地元とは違う環境の中で南大東島の良いところ、伊那の良い所を感じてほしい」と話していた。
コンサートは8月3日の午後7時(開演は午後6時半)から。チケットは前売りで大人千円、小人500円(当日は大人1500円、小人700円)。
問い合わせはグリーンファーム(TEL74・5351)へ。 -
信州の伝統野菜「羽広菜」の伝承地に羽広菜生産加工組合を認定
県の信州伝統野菜・支援事業で羽広菜の伝承地栽培認定を受けた伊那市西箕輪の「羽広菜生産加工組合」(組合員10人、西村照幸組合長)に30日、宮坂上伊那地方事務所長から認定書が伝達された。西村組合長は「羽広かぶにも個人で作っているものにはそれぞれ質の違いがあるが、私たちが作っているものは昔から伝えられているものに一番近いと自負している。後世に引き継いでいきたい」と喜びを語った。
同制度は伝統野菜の継承と地域振興などを目的として県が今年から始めたもの。まず、学識経験者などでつくる認定委員会が今年4月に地域で継承されてきた38品目の野菜を「伝統野菜」と認定。また、それらの伝統野菜を一定の基準に沿って生産し、「伝承地」と認定された団体は、県の交付する伝承地栽培認定証を生産物に添付して販売できるようになる。
これまでに24団体が伝承地認定を受けているが、上伊那では初めて。伊那市西箕輪羽広を原産とする羽広菜は、江戸時代には種子が売られていたという記述もある。肉質が比較的軟らかく、甘味があるのが特徴で、同組合では収穫期となる11月始めころから漬物に加工したカブを販売している。
かすとみそを混ぜた昔ながらの漬け方のほか、浅漬けも好評で、今年からは生のカブも販売していく。 -
伊那市の2公民館で「子どもおいで塾」
夏休みの子供たちの居場所を提供する事業「夏休み!こどもおいで塾」が30日、伊那市内の2公民館で始まった。公民館に集まった児童は、宿題や自由研究などの学習のほか、スポーツやクッキングなどで交流を広げていく。それぞれ8月3日までの5日間。
2公民館は、伊那と富県の公民館。2年前、伊那で始めたのをきっかけに、本年、富県でも実施した。参加人数は伊那120人、富県21人で、伊那は昨年の約倍数。そのほとんどがリピーターで、保護者らの口コミで広がったという。
いずれも昼食を持参した児童たちは、午前中に自主学習し、午後は参加者同士の交流を楽しむ。学年、学校の垣根を超えたグループ行動が主となるため、上級生が下級生の世話を見ながら親ぼくを図っていく。
指導は公民館職員や、元小中学校教師のボランティアで、児童は仲間や講師の助言をもらいながら自主学習に励んだ。富県公民館に通う、同小5年の三浦正也君(10)は「いろんな人と出会えるので、早く勉強を終わらせてみんなと遊びたい」と話していた。
出来上がった夏休みの課題帳を講師に見てもらう児童たち(富県公民館) -
箕輪の唐沢さん・遺作展 一周忌に足跡刻む
箕輪町松島でカメラ店を営んでいた故唐沢秀夫さん(享年65)の一周忌に合わせ、妻洋子さん(66)と唐沢さんが指導者として携わった写真愛好会「箕輪写友会」メンバーらが8月5日まで、伊那市立伊那図書館広域コーナーで遺作展を開いている。入場無料。
作品は、フィルムカメラで撮影された全紙3枚、半切40枚の計43枚。県内を中心とした四季折々の風景写真が並ぶ。二科展の入賞作品や亡くなる1カ月前に撮影した遺作など、半世紀近く撮影活動をしてきた唐沢さんの足跡が飾られている。
撮影に労を惜しまなかった唐沢さんは、お気に入りの場所だった高ボッチ高原に、一冬で60回以上も通っていたという。遺作となった写真も同所で撮影。朝霧のなかで鮮やかなオレンジ色の花を咲かせるレンゲツツジを写している。
洋子さんは「生きた証を見てほしい。1秒、1分という時間を惜しんで撮った写真ばかり。たくさんの人たちに見てもらいたい」と来場を呼びかけている。
午前10時縲恁゚後7時(最終日は午後5時まで)。
唐沢さんの足跡が刻まれた作品が並ぶ遺作展(伊那市立伊那図書館) -
島崎洋路さん受賞記念 森林・林業シンポジウム
元信州大学農学部教授で島崎山林塾主宰の島崎洋路さん(79)=写真=の信毎賞受賞を記念した「森林・林業シンポジウム」が28日、南箕輪村の同大学あった。島崎さんの「森林整備は、いま…」と題した講演などに多くの学生らが耳を傾けた。信州大学農学部など主催。
講演で島崎さんは、少子化による担い手不足などにも触れながら、日本の林業の低迷していった現状を説明し、「昔のように里山をうまく使えるシステムが衰退しているのが要因」などと主張。「国の援助を受けながら大学などの機関で、この問題を深刻に受け止め研究を進めなければ」などと訴えた。
シンポジウムではこのほか、前岐阜県立森林文化アカデミー助教授の内田健一氏、飯南森林組合長の林和弘氏、県森林部長の加藤英郎氏3人が現場の声を伝えた。 -
地図情報システムで地域の支え合いマップを
宮田村中越区は、パソコンの地図情報(GIS)システムを住民自ら駆使して、緊急災害時の支え合いマップを作成しようと取り組み始めた。今までは初期に膨大な費用や労力がかかるとされ行政や企業が利用主体だった同システム。集落単位で活用する試みは上伊那では初、全国的にも珍しいが「これをきっかけに情報を寄せ合ったり、真剣に考える過程のほうが大切」と、関係者は希薄だった災害に対する住民の意識変化に期待を寄せる。
地図情報システムは様々な用途に使われるが、数百万から数千万円と高額。専門知識がないと操作も難しかったが近年10万円ほどの安価なソフトが登場し、容易に使いこなせることもあり着目した。
中越区は当初、除雪管理に使おうと計画したが、幅広い用途が考えられるシステムの利便性を発揮させようと、未整備だった支え合いマップからまず着手することに。県の元気づくり支援金から15万円の助成も受けた。
30日夜には区の役員が集まり、システムの使い方などを学習。さらにはどのような情報を地図に盛り込んでいくか、話題を広げた。
「支援が必要な世帯を色分けしよう」「色々な情報を盛り込み過ぎるのは逆に使いずらくなるのでは」など、さっそく熱く議論。
今までは区の集落センターとしか定めていなかった避難所についても、「隣組や班で1次避難場所を決め地図情報に盛り込もう」と話しは及んだ。
「このように頭をみんなでひねることこそ大切なのでは」と近藤健一区長。システム導入を提案した村総務課企画情報係長で同区担当職員でもある赤羽和夫さんも「地域のことを話し合うきっかけづくりになるはず。モデルケースにして全村に広げたい」と話す。
マップは9月の防災訓練に活用。緊急時に必要な情報を精査していく考えだ。 -
伊那市、子育てガイドブックの配布開始
子育てで困った時に役立ててもらおう竏窒ニ伊那市は1日、市内の子育て支援制度や子育てサークルや託児所、病院などの所在地と連絡先をひとまとめにした子育てガイドブックの配布を開始した=写真。
同ガイドブックは「子育てに関するさまざまな悩みをどこで相談したらいいのか分からない」という住民の声を受けて今年初めて作製したもの。子育てサークル代表者などでつくる「子育て支援ネットワーク連絡会」の協力のもと、妊娠した時の届け出方法からそれぞれの悩みに応じた相談窓口、市の子育て支援制度などを掲載しているほか、託児施設や子育てサークル、保育園が学校、病院などの所在地と連絡先の一覧をつけ、妊娠時から中学生までの相談窓口を明確化した。
約2千部を印刷した今年は、3歳児までの各健診で配布していく予定で、ガイドブックそのものは1年ごとに見直ししていく。 -
伊那市立図書館夏休み企画「ブックカバー&ヨーヨーキルト作り」
伊那市の市立図書館は29日、夏読書「サマーリーディング」事業の一環で、夏休み企画「ブックカバー&ヨーヨーキルト作り」をした。小学生が布でブックカバー作りを楽しんだ。
今年、読書のお手伝いをしようと「サマーリーディング」事業を計画。館内に職員お勧め本コーナーを設けたり、クイズの正解者の中から10人に本の袋をプレゼントするなどしている。
読書にちなんで計画したブックカバー作りは、参加者が文庫本やハードカバーなど好きな本の大きさに合わせて好みの布を縫って仕上げた。
伊那小学校5年の御子柴杏奈さんは、「お気に入りの本『鏡の向こう側』のカバーを作りたい」と好きな布を持参して参加。手芸好きとあって、器用に作っていた。 -
親子昆虫教室
駒ケ根市立博物館は29日、親子昆虫教室を中沢のかっぱ広場周辺で開いた。市内外の4組15人ほどが参加。トンボやチョウなど観察しながらつかまえ、標本の作り方も学んだ。
昨年まではふるさとの丘で開いていたが、今年は天竜川岸に場所を移した。
昆虫に詳しい田中邦治さんと氣賀澤和男さんを講師に、散策しながら虫探し。「こんな所にいた」など歓声をあげながら、網などを使って採集していた。 -
天竜川ゆめ会議がアレチウリ駆除作業
天竜川ゆめ会議は28、29日、岡谷市から飯田市までの天竜川流域でアレチウリの駆除作業を行った。総勢200人以上が参加し、自然環境に影響を与える植物を取り除こうと汗を流した。
そのうち駒ケ根市の会場は29日に新宮川合流点で行い約30人が参加。根気よく力をあわせた。
28日に行った宮田村の会場では、地元の大久保区と大田切区も協力。母なる天竜川の素晴らしさを改めて感じながら、足元の環境を考えていこうと作業に励んだ。 -
第54回上伊那郡市母子寡婦福祉大会
第54回上伊那郡市母子寡婦福祉大会は29日、伊那市の伊那公民館で開いた。上伊那郡母子寡婦福祉協議会、伊那市と駒ヶ根市の各母子寡婦福祉会の3者主催の同福祉大会は今年で長年の歴史に幕を閉じ、記念大会を伊那市の東部中学校合唱部の演奏が盛り上げた。
各協議会や福祉会の活動はこれまで通り継続するが、3者が集う福祉大会は協議の結果、今年で終了することになった。式典で加納春江大会長は、「変動する社会情勢の中で困難な問題を抱えているもの同士が集い、今後は若いお母さんが大勢集まっていける形にしていきたい。今後とも会にお力をいただきたい」とあいさつした。
式典では優良母子家庭、功労者の表彰もあった。 -
森林セラピーグランドオープン記念
親子スタンプ&ウォークラリー南箕輪村と村森林セラピー協議会は29日、森林セラピーグランドオープンを記念して、大芝高原みんなの森セラピーロードで「親子スタンプ&ウォークラリー」を開いた。約130人が参加し、森の中の3キロコースを楽しく歩いた。
親子で楽しみながらセラピーロードを歩き、いやし・健康・自然などの理解を深めてもらう目的。
夏休みで多くの親子が集まり、スタンプラリーカードをもらって出発。案内板に従ってさわやかなセラピーロード内のコースを歩き、「かたらい亭」「赤松の小屋」など4カ所のチェックポイントでスタンプを押してもらった。
4つのスタンプがそろってゴールした参加者には記念品としてお香と消しゴムのセット、さらに花火セットや大芝高原味工房のジェラート券が50人に当たる抽選もあった。 -
アレチウリ駆除大作戦
三峰川みらい会議などでつくる実行委員会は29日、伊那市の三峰川周辺5カ所で、「アレチウリ駆除大作戦」を実施した=写真。既存の植物などに影響を及ぼす外来植物を駆除する働きで9回目。環境問題に関心のある企業や地域ボランティアら約130人が作業した。
アレチウリは、ウリ科の一年草で、繁殖力が強く、在来の草花や木々を覆い枯らしてしまう。そのため、種ができる秋までに根を抜き取るなどの駆除をしている。この日は、県下の駆除統一行動日で、天竜川ゆめ会議などが上伊那の天竜川を中心に作業した。
三峰川では、上流の長谷地域から三峰川橋下流までの5カ所に分かれて作業。参加者らは、繁茂するアレチウリを根元から一本一本引き抜いたり、かまで刈り取ったりと約1時間半の作業に汗を流した。
関係者によると、アレチウリは繁殖力が強いため根絶させるには、根気よく駆除を実施しなけらばならないという。実行委員長の三峰川みらい会議代表、織井秀夫さんは「みなさんの自宅近くでも見つけたら、関心を持って駆除してほしい」と話していた。 -
伊那JC 水と触れ合う企画でカヌー体験
伊那青年会議所(伊那JC)は29日、伊那市長谷の三峰川にある美和ダム湖で、「実践!原点体感学習(1)水に触れる」を開いた。集まった上伊那の小学生縲恪mZ生の約20人がカヌー試乗体験を通じて、水の大切さや郷土の自然のすばらしさを実感した。
伊那JCが、三峰川の水が海へ流れ出る場所の中田島砂丘(静岡県)で、10年ほど続ける「ウミガメ放流体験会」の事前学習として開いた初企画。関係者は「上流から流れたごみが、死んだウミガメの腹の中から見つかった。子供たちには、水の大切さを知ってもらいたい」と話している。
地元のカヌークラブメンバーの指導で試乗した。参加者たちは、水しぶきと涼風を受けながら湖面を探索。伊那小2年の登内瑛君(7)は「水の上を自由に動けて楽しかった。水を近くで感じることが出来たので、もう一度乗りたい」などと満喫していた。
伊那JCは、9月下旬のウミガメ放流に向け、8月中旬には源流域近くの鹿嶺高原(長谷)でキャンプを開く。
水しぶきを受けながらカヌーでツーリングを楽しむ参加者たち -
初のマス釣り大会にチビッコ真剣
駒ケ根市の天竜川漁協中沢支部は29日、マス釣り大会を天竜川と新宮川合流近くの水辺の学校で開いた。子どもたちに自然に親しんでもらおうと初めて企画。親子連れら80人ほどが釣り糸を垂らし、竿の感触に歓声をあげた。
マス120匹を5月末に同漁協が閉鎖した旧宮田養魚場(宮田村)から調達し、水辺の学校内にある池に放流。初めて釣りをする子どももいたが、見事に釣り上げていた。
同支部の菅沼重真理事は「昔と違って子どもたちが水辺で遊ぶ機会は限られるが、楽しんでもらえて良かった。今後も続けていければ」と話していた。 -
山ユリ種まきから8年、17個も咲く
飯島町本郷の林公明さん宅では、10数本の山ユリが満開、1本から10数個の大輪の花を重たげに咲かせている。
花弁には黄色の筋と赤い斑点があり、強い芳香を放っている。
山ユリは日本固有種、銘花、カサブランカのベースになった花として知られている。
林さんは8年前、種を山梨県の寺院から分けてもらい、初冬にまき、2年後に発芽し、4年目に芯が立ち、5年目に初めて1つ咲いた。8年目の今年は多いものは1本から17個の花を咲かせた。
「花は豪華、香りもいい」と林さん。 -
笑いと健康講座
箕輪町公民館の新講座「笑いと健康講座」が26日夜、町文化センターで始まった。69人の申込みがあり、初回は伊那市西箕輪公民館長で笑い療法士の城取茂美さんが、「笑いが一番」と、笑って歌って元気に過ごす提案をした。
笑いは人を健康にする効能があると言われることから、笑いと健康を目的に学習する講座を開いた。12月までの全6回で落語やマジックなどがあり、4人の講師が担当する。
城取さんは、笑うことで体内のNK細胞が増え、ガン細胞や痛みが減る、血圧や血糖値が下がる、便秘や不眠症が解消される、食欲が出るなどの効果を挙げた。「笑いは絶対に副作用がないすばらしい薬。笑いが1番、薬は2番」と話し、難病患者が優しさ、笑顔、懐かしい歌に触れることで回復した事例も紹介した。
笑顔と元気の輪を広げるため、家中が一緒に食事をし、しゃべって笑って団らんすることも提案した。 -
小渋湖まつりにぎわう
「森と湖に親しむ旬間(21-31日)」に合わせ、中川村大草の小渋湖周辺で28日、小渋湖まつりが開かれた。天竜川ダム統合管理事務所などの主催。ダム内部探検や湖内巡視ボート体験。ニジマス釣り、つかみ取りなど多彩なイベントを用意し、多くの来場者でにぎわった。
昨年は豪雨災害のため中止、2年ぶりの開催。天候にも恵まれ、人気のボート体験には開始前から並び、次々と、水しぶきを上げて、湖上に滑り出した。
ダム内部体験にも子どもや大人が訪れ、エレベーターや階段で湖底まで下り、ダムの内部を見て回った。外は約30度の熱暑だったが、ダム内部は15度、子どもも大人も「涼しくて気持ちがいい」と喜んでいた。 -
KOMA夏!第5話
駒ケ根市の夏を彩るKOMA夏!第5話「thankfully 感謝を込めて」&ゆかたまつりは28日、市内中心商店街を舞台に開かれた。一般市民らによる19チーム・総勢約800人によるダンスパレードが歩行者天国となった広小路など中心商店街を舞台に華やかに繰り広げられたほか、光前寺の霊犬早太郎伝説から生まれた地元のヒーロー「スピード太郎」と敵役「ヒッヒー」の楽しいアトラクションなどが多彩に催された=写真。
ダンスパレードではテーマソング『GO OVER』のリズムに乗せて各チームがそれぞれ趣向を凝らした振付やコスチュームのダンスを披露。沿道を埋めた市民は手拍子を取ったりしながら、個性あふれる踊りを楽しんでいた。
銀座通りやすずらん通りには多くの屋台が軒を並べ、繰り出した家族連れなどで夜遅くまでにぎわった。 -
伊那市美篶地区で「暴力追放・地域安全大会」
伊那市美篶の区長会、交通安全協会などでつくる、各種団体協議会(若林徹男会長)は27日夜、JA上伊那美篶手良支所で、「暴力追放・地域安全美篶地区大会」を開いた。
各種団体関係者や地域住民のほか、市や伊那署から約130人が集まり、「暴力追放」「身近な犯罪の防止」「交通事故防止」の3点の実践を大会宣言とした。全国的に小中学生に関する犯罪が多発している現状を懸念し、昨年から「子どもたちの安全は、地域ぐるみで守る」との一文を宣言に追加している。
情勢報告では、伊那署関係者による同地区の犯罪、交通事故状況などの報告があり、生活安全課の亘浩幸課長は「これだけの人が集まるのは、防犯意識が高い証拠。この活動を伊那市、県、全国へ広げてほしい」などと話した。
若林会長は「昨今、日本は恵まれた国なのに凶悪犯罪が多発している。今日の大会を機に、これからの美篶地区の安全を見つめ直す機会にしてほしい」などとあいさつした。
1990年、美篶地区で暴力団による拳銃発砲事件が発生したのを契機に始まった、18回目を迎える大会。第1回は発砲事件のあった下川手の区民大会だったが、それ以後は、同地区全体の問題として取り組んでいる。市内では唯一の地区大会として続いている。
「暴力追放がんばろう」。こぶしを上げ三唱する参加者ら -
2007みのわ祭り 熱く
箕輪町の夏を彩る「2007みのわ祭り」が29日、国道153バイパスと工業専用地域内の道路を会場に、踊りや太鼓、みこし大行進、花火大会などで盛大に開いた。東京都豊島区から「東京よさこい」の参加もあり、祭りに花を添えた。
サブタイトルに「踊れ・輝け・箕輪の○(わ)」を掲げた祭りは、鼓笛隊、子どもみこしなどの元気なオープニングパレードで幕を開けた。ワクワクダンシングには小学校や区、企業など24団体、箕輪天竜音頭民謡流しには区、芸術文化協会、福祉施設など23団体が参加し、息の合った踊りで会場を沸かせた。
みのわ太鼓の勇壮な演奏に乗せて、15基のみこしが威勢良く練り歩くと祭りは最高潮に。最後は「みのわ手筒会」の手筒花火大会と、スターマインなどの打上花火大会が同時に見られる納涼花火大会で、手筒煙火や仕掛け煙火、スターマイン、打上花火が夜空を飾った。 -
マツタケ初物出始め
伊那市ますみヶ丘のグリーンファーム産直市場(小林史麿社長)では、秋の味覚「マツタケ」が早くも並び始めた=写真。
例年8月のお盆前後から並び始めるマツタケだが、今年は10日ほど早め。地元ではすでに西山、東山とも出始めており、同直売所でもここ3日ほどは店頭に並んでいるが、この日は9本のマツタケが並んだ。
小林社長は「この時期に出るマツタケは土用マツタケといってはやせたものが多いが、今年のはわりとしっかりとしていて香りもある」と話し、今年のできについても期待を示す。
訪れた買い物客も、店頭に並んでいるのがマツタケだと分かると驚いた表情を見せ、「もうマツタケが出ているんだね」などと話しながら見入っていた。 -
はら美術で熔壌ガラスの江副さんと江口さんが二人展
伊那市長谷在住のガラス工芸家、江副行昭さん(74)、江口智子さん(47)による二人展が31日まで、伊那市旭町のはら美術で開かれている。光沢のある微妙な色合いを放つ「熔壌ガラス」の壷や花器など約200点が、訪れた人たちを魅了している=写真。
同会場での二人展は2年ぶり。土に含まれる鉱物とガラスを溶け合わせる「熔壌ガラス」は、江副さんが確立した手法で、江口さんはその後継者としてともに制作活動を続けている。
今回は小黒川など、3カ所で採取した土を用いた作品を展示。中には、1200年近く燃え続ける「消えずの火」を護る広島県の大聖院にある霊火堂で採取した土を用いた作品は、鉱物がつくる表面の文様が細かく、ほかの作品とは違う独特の色彩を放っている。
また、江口さんは熔壌ガラスに自身のデザインを加えた作品を出展。葉や花などといった自然の素材をモチーフとしてガラスに焼き付けるなど、柔らかさを感じさせる作品が中心となっている。
入場無料。午前11時縲恁゚後6時。 -
南アルプスを望む高台でハーブが彩る「カモスガーデン」をつくる
箕輪町下古田
加茂克昭さん(57)カモスガーデンの“カモス”には、『加茂’s』と、『(香りを)醸す』っていう二つの意味があるんだよ竏秩B
南アルプスを正面に望む伊那市西箕輪の高台にあるカモスガーデン。ローズマリー、ロシアンセイジ、ミントなど、ハーブを中心とする花たちが四季折々に庭を彩る。中でも、20種約1万3千株あるラベンダーが咲く6月から8月中旬にかけては、一面が淡い紫色に染まり、心地よい香りが辺りを漂う。
都会の喧噪(けんそう)を忘れて心安らぐ香りの中でひと時を過ごしてみませんか?竏秩B道行く人たちに花たちが語りかける。
「ラベンダーは知る人ぞ知る一年中楽しめる花。花の時期はもちろん、花の咲かない秋だってシルバーグレーの硬い葉っぱが出て、それもまたいい。冬は雪で黒がかった色に変わってくるのだけど、その色もきれい。背景には雪をかぶった南アルプスも見える」
◇ ◇
自分の手で土にさわりながら植物を育てたい竏窒ニ、考えるようになったのは45歳を過ぎてからのことだった。夢を実現すべく、横浜市で経営していた会社を締め、ハーブガーデンを開くために妻の実家のある上伊那に移住。しかし、こちらでやろうと思っていたハーブガーデンの企画が頓挫してしまい、一瞬にして右も左も分からない辺鄙(へんぴ)な地に取り残されることに。途方に暮れながら、しばらくは何もできない日が続いた。
せっかく景色のいい所にいるのだから景色のいい所に住みましょう竏秩Bそんな姿を見かねた妻が探してきた小さなアパートに移り、改めて自分の思いを見直す中で、再起をかけて動き始める。
まずは辰野町の生産者に頼み込んで仕事をしながら花の栽培技術を学ぶ。
「その年は何年かに一度の大雪が降って、つぶれたハウスを建て直す作業から始めたんだけど、それまでだらだらしていた50近い体で真冬の朝の凍った世界に出ていったものだから大変だった。耳なんかがしもやけになってね」と笑う。
その傍ら、アパートの近くにあった使われていない畑を借り、庭づくりを始める。しかし、そこは10年以上も使われていなかった荒れ地だったため、地力を再生させるために1年間はただひたすら土を耕した。次は品種の選定。種を取り寄せては枯らしという作業を繰り返す中で、寒いこの地でも育つ品種を一つひとつ検証。ガーデンとして一般の人に開放できるようになるまでに5年を費やした。
「実際にやってみて、横浜に帰ろうと何度も思ったけどね。それでも横浜にいたころは仕事の付き合いでも見栄を張って無理をして生きていたけど、今は自然のままで生きている。体も健康になったしね」と語る。