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伊那谷・木曽谷結ぶかつての権兵衛峠歩く
伊那谷から木曽谷を結ぶかつての街道「権兵衛峠」を歩くイベントが22日あり、県内外の400人余が紅葉盛る深秋の峠道を歩いた。
伊那と塩尻の両市でつくる実行委員会主催の「米の道・権兵衛峠を歩こう」で、26回目。県内をはじめ、首都圏や中京地方からも多くの参加があった。
一行は米俵を背負った馬を先頭に伊那市与地を出発。7月の豪雨による崩落で、一部迂(う)回路を利用しながら旧道をたどった。頂上に到着後は用意されたおにぎりやキノコ汁を味わって体を休めつつ、険しい道のりを登り切った達成感に浸った。
初めて参加した喬木村の女性(56)は「健康のためでもあるけど、紅葉を楽しみながら権兵衛峠を歩いてみたかった」と話していた。 -
伊那谷珍名物イナゴのつかみ取り体験
伊那市ますみケ丘の産直市場グリーンファーム(小林史麿代表)で22日、伊那谷の特産珍味の一つであるイナゴのつかみ取り体験会があり、多くの家族連れが楽しんだ。
稲刈り体験も減り、イナゴに触れたことのない大人や子どもが増える現代環境の変化を受けて初めて企画。「食育」の観点からも、改めて地元の風土食を見直す機会にした。
午前と午後に分けて実施。市内のイナゴ取り扱い業者・塚原信州珍味の協力を得て、ダチョウ牧場近くのワラを敷いた草むらに4キロずつ放した。
子どもたちは飛び跳ねるイナゴを見ては大はしゃぎ。ネット状の袋片手に親や年寄りも一緒になって夢中で捕まえた。父親と参加した駒ケ根市の小学2年の男児は100匹以上を獲り「いっぱいだ」と喜んで持ち帰った。 -
箕工祭
箕輪工業高校で22日、第42回箕工祭があった。クラスやクラブごとで取り組んだ展示発表が並んだほか、生徒らによるバンド演奏などもあり、訪れた人たちを楽しませた。
クラス展では、定時制クラスが「上伊那にあった身近な戦争」をテーマに、伊那市上の原に実在していた陸軍伊那飛行場について展示=写真。
当時、極秘で特攻兵が訓練していた陸軍伊那飛行場。終戦後も、GHQに目を付けられないよう、建物は取り壊され、記録文書もすべて消去されたため、当時の様子を知れるものは人の記憶としてしか残っていないという。
生徒らは、実際に飛行場で勤労奉仕をしていた地元住民に話を聞いたり、実際に現地を訪れたりしながら、当時の様子を調査。飛行場後の復元図を作成したり、当時の話を録音したテープを起こしたりしたものを展示した。
そのほかにも、日本工業大学との高大連携にかんする取り組み展示、生徒らが作成した上伊那の地形模型などの展示があり、訪れた人の関心を集めていた。 -
伊那の観光を考える
伊那観光協会(向山公人会長)は23日、伊那の観光を考え、実践する3つのプロジェクトを立ち上げた。来年3月を目途に、成果をまとめ、観光施策に反映させる。
来年4月、高遠町・長谷の観光協会との統合を控え、地域の資源や特性を生かしたまちづくりに取り組もうと設けた。
プロジェクトは、伊那市の観光の魅力を探る「伊那の魅力はなんだろう」、市民の理解と協力を得るための対応策を考える「市民みんなでおもてなし」、広域観光を推進するための「木曽も諏訪も一つのエリア」の3つ。メンバーは、商工観光関係者や公募ら25人。
初回は、市側が観光の現状や伊那観光協会の本年度の取り組みなどを説明した。
伊那観光協会委託の名古屋観光案内所長を務める小島茂さんは「生活が豊かであるがゆえに、ハングリー精神が乏しく、内外に向けた情報発信ができていない」と指摘。その上で、マーケットの動向や顧客ニーズの分析、営業のあり方と受け入れ体制作りの検討など他と差別化し、市場中心に考えた観光振興のあり方を投げかけた。
そのあと、各プロジェクトに分かれ、意見交換した。
向山会長は「地域のすばらしさをPRするため、知恵を借りながら、あるべき伊那の観光施策をまとめたい」と話した。 -
箕輪町図書館読書講座
箕輪町図書館の06年度読書講座が18日、町文化センターで始まった。24人が来年3月までの5回講座で郷土に関した作品を読み学ぶ。
読書講座は99年に始まり、箕輪町や上伊那地域に関係した人物の作品を学んできた。今回は長野県内に範囲を広げ、第1回は「藤原ていの人と作品を読む」と題し、諏訪市出身の藤原ていさんを取り上げた。
講師は元箕輪図書館長の小口恵子さん。「実在する人の伝記は非常にリアルで胸を打つ」として▽藤原ていの履歴▽引き揚げの辛苦▽少女時代▽夫・新田次郎▽3人の子ども-をテーマに、著書「流れる星は生きている」「旅路」と、講演記録「妻として母として」の抜粋を読み進めながら、人物像と作品を紹介した。 -
【記者室】受容的関与という対応方法
ホームヘルパー養成研修講座で、相手の気持ちを傷つけない対応の仕方「受容的関与」の話があった。受容と拒否という対応の中間に位置する「受容的関与」。相手の要求や欲求をまず受け止め、続いて「でもね」とヘルパーの考えを言う方法だ▼高齢者や子ども、特に小学生以下は受け止めてあげれば要求の90%は満たされる。お年寄りの要求に即座に拒否で返しては相手の気持ちがつぶれる。まずは、極力相手と同じ言葉を繰り返して要求を受け止めることがとても大事で、話を聞いてくれるとの認識ができるとその後の関係もよくなるという▼受容的関与には思いやりの気持ちや心のゆとりも大切な気がする。コミュニケーション法の一つとして心に留めておきたい。(村上記者)
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ベル伊那・洋画決算バーゲン 24日まで
「洋画決算バーゲン竏註V鋭から人気作家まで竏秩vは24日、伊那市日影のベルシャイン伊那店2階文化ホールで開いている=写真。人気作家約50人の風景、静物、人物画など100余点を展示販売している。
東郷清児の「望郷」(F20)、山口ひろみの「静物」(M40)などが注目となる。小田切訓の「ベニス」「プラハ城夕景」などの欧州風景のほか、萱ぶき民家や奥入瀬渓流などを描いた作家の作品も並ぶ。
地元出身者の大森祥吾の「春のジュラ風景」、野溝嘉彦の「伊那谷の暮色」などもある。
午前10時縲恁゚後6時(最終日は午後4時)。 -
伊那市福島
地蜂愛好会会長
小木曽大吉さん(63)毎日無心に飛び交うハチはかわいい。巣に出入りする様子で、その巣が栄えているかどうかが分かるし、活動しない巣があれば家族に病人がいる時みたいに心配になるんだよ竏秩B
父に連れられてハチを追った少年時代は、「良く見つけた」と誉められるのが嬉しかった。大人になるに連れ、いつしかハチ追いもしなくなっていたが、結婚後、妻と出かけたことをきっかけに、再びその魅力に引き込まれた。「あの時は子どものころのうろ覚えでやったから、目印が大きすぎてハチが飛んでいかなかった。かあちゃんは『こんなばかな遊びはない』って怒り出してね」と笑う。
回を重ね、一緒に行く人のやり方を見ながら目印のコツも覚えた。30年経った今では、飛んでいるハチを見て、その良し悪しが分かるようになった。
さまざまな場所にある巣を探すのは容易ではない。汗だくになりながら、必死で山を飛び回る。それでも見つからない日は見つからない。しかし、自然の深い懐で未知の世界に挑戦する楽しさに飽きることは無かった。
「若いころはすぐに答えがでないと納得できなかった。そりゃあ、巣が見つかるのが一番だけど、その過程をどうやって楽しんだかが大切だと思うようになった。何より『自然が遊んでくれた』ってことが有難い」
◇ ◇
子育てが一段落した10年前、ハチを飼うために人里を少し離れた山の近くに引っ越した。毎年自宅の庭には10縲・3の巣箱が並ぶ。そのうちいくつかは、来春に放す女王バチを育てるため、潰すことはない。
「ハチ追いはハチが主役。だから、それを根絶やしにするような行動はしてはいけない。取った巣の数をただ自慢するような会ならないほうがいい。女王を放すことで、1年の3分の1も一緒に遊んでくれるハチたちに、せめてもの恩返しと罪滅ぼしをしをするんだよ」
◇ ◇
しかし近年は、異常気象や里山の荒廃などが影響し、徐々にハチが減少してきている。豪雨災害に見舞われた今年は、特に発生が少なかった。
「人間にとっては何でもない1、2度の変化でも、虫にとっては命にかかわる。ハチが年々減少しているのは事実だから、なおさら健康な女王バチをいっぱい放して、女王が残るようにしていきたい。究極にハチが好きになってくると、ハチの未来が心配でね」 -
動物写真家宮崎学さん『ツキノワグマ』出版
「大型トラックが轟音をたててひっきりなしに行き交う高速道路の脇で、クルミやクリの木に登ってのんびりと時間をかけて餌を食っているツキノワグマは、鈴や笛を鳴らせば逃げていくような臆病者ではない」竏・『ツキノワグマ』「おわりに」から)。
「自然と野生動物の側から人間社会を見る」をモットーに活動する「自然界の報道写真家」宮崎学さん(57)=駒ケ根市=が10月『ツキノワグマ』(偕成社)を出版した。『いつ事故が起きてもおかしくない、クマと人間との危険な関係』『ボクが出会ったクマの野生』『なぜツキノワグマは人を襲うようになったのか』などの5章で構成。自ら撮影した生々しいカラー写真の数々と鋭い視点でツキノワグマの知られざる生態を明らかにしている。
「唐辛子スプレーを浴びせて放すお仕置き放獣はね、憎しみを植えつけて人間を襲うきっかけをつくっているようなもの。やめた方がいいよ」と宮崎さんは話す。
「自然豊かな環境ってことはクマにとっても生活圏だ竏窒ニ認識するべきだね。ちょっとした森にはクマが居るものだと思わないと。通学路だって安心じゃない。見ているとけっこう危なそうなところがたくさんあるよ。みんなあまりにも警戒心がなさすぎだね」
餌が豊富な高原や川筋のキャンプ場などは特に危ない場所だという。「夜なんか、クマがすぐ近くを歩いていても人間は気がつかない。音を出さずに歩けるからね、クマは。鈴やラジオの音に近づいて来ないというのも怪しい。クマに遭遇したくなければ人間が気をつけなければならないんですよ。クマと共存するためには人間の側にもっと自覚が必要だね」竏秩B安易な自然回帰の風潮に警鐘を鳴らしている。 -
南箕輪中生徒が落ち穂拾い
南箕輪村の南箕輪中学校は20日、稲刈りが終わった村内の田んぼで落ち穂拾いをした。1958(昭和33)年から続く伝統行事で、集めた落ち穂を脱穀、精米して飢餓に苦しむ国へ送る予定だ。
当初は米を売った収益金で学校の備品の購入費に充てるなどしていたが、生徒の発案により94年度以降は食料難に苦しむ各国へ支援米として送っている。新潟中越地震のあった一昨年度は、米を売って被災地への義援金にした。
今年度は全校で380キロを目標に、各地区に分散して作業。生徒たちは目を凝らして足元を探りながら、一つ一つ稲穂を拾った。
「(落ち穂を)残してくれている田んぼもあって、地域の人の協力があってこそできることですね」と3年の田中香奈子さんは感謝。清水ほのかさんは「貧しい人たちのために少しでも役に立てるなら」とくまなく拾い集めていた。 -
県文で星空マタニティー
伊那市の県伊那文化会館で20日から、妊婦や出産後の母親などを対象としたイベント「星空☆マタニティ縲怩「いお産の日inか見伊那縲怐vが開かれている。マタニティー・ヨガやプラネタリウムでの星空ヒーリングなどが、訪れた妊婦の心と体を和ませている。
生まれてくる赤ちゃんのことを理解してもらうとともに、孤立しがちな妊婦に助産師や同じ妊婦と情報交換できる場を提供し、不安やストレスを解消してもらおう竏窒ニいうイベントで3年目。会場にはよろず相談室や妊娠中のストレスや体の負担を緩和するお灸の体験コーナー、この時期重要な食事に関する展示などを設置。また、妊婦の血圧や赤ちゃんの心音を測定できるコーナーも設けた。
ヨガ体験では、国際ヨガ協会トレーナーの池上みな子さんが冷え性や肩こりに効くヨガを指導。また、日本助産師会長野県支部上伊那地区長の池上道子さんによるおなかの赤ちゃんの話もあり、参加者の心と体を和ませていた。
イベントは21日もある。時間は午前10時縲怩ニ午後2時縲怩フ2回。参加費450円(高校生以下無料)。申し込み不要。
問い合わせは県伊那文化会館(TEL73・8822)へ。 -
土木学会水工学委員会が豪雨災害個所視察
国土交通省・天竜川上流河川事務所、県土木部は20日、土木学会水工学委員会による、7月豪雨出水被災個所の視察会を開いた。諏訪湖・天竜川河川激甚災害対策特別緊急事業をはじめとする被災河川の本格復旧に向け、専門的な立場の助言を受けていくために開いた。
名古屋大学大学院教授の辻本哲郎同委員長ら5人に、国交省、県職員約15人が同行。諏訪湖、諏訪湖管内支流、横川川と天竜川の合流点(辰野町)、旧伊那中央病院付近の天竜川(伊那市)などを視察し、被災状況を把握した。
箕輪町松島の堤防決壊場所では、国交省から復旧工法などの説明があった=写真。辻本委員長は「天竜川は急流河川で流量も多いので、堤防は頑丈なものにしなければ、再度災害は防げない」と話していた。
天竜川上流河川事務所では、今後も土木学会水工学委員会との連携を取り、助言を受けながら本格復旧工事を進めていきたいとしている。 -
中京圏の旅行業者などが木曽竏宙ノ那観光に向けてみはらしファームを視察
木曽から伊那市への広域的観光プランを考えてもらおう竏窒ニ、伊那市西箕輪の農業公園みはらしファームは18日、中京圏の旅行業者や雑誌社などを招いた現地視察会を開いた。中京圏の9社が参加。木曽を観光した後、権兵衛トンネルを通ってみはらしファームを訪れ、そば打ちやりんご狩りなどを体験した。
中京方面の観光客が、県外客の約8割を占めるみはらしファームでは、権兵衛トンネルトンネル開通後、中京圏の来場者が増加している。従来は、こちらから出向いて観光PRをしてきたが、今回は訪れてもらう中で、実際を知ってもらおうと1泊2日の視察会を企画した。
名古屋から木曽の奈良井宿などを見学した参加者は、トンネルをぬけてみはらしファームへ。そば打ちを体験した参加者は「初めは大変かと思ったが、楽しい。お客様に勧められる体験だと思う」と話していた。
懇親会では、「与地の伊那節」や「いなせ踊り」などの郷土芸能の披露もあった。 -
【危険業務従事者叙勲】
瑞宝単光章(警察功労)
唐沢忠一さん(78)「非常に名誉なこと。38年勤めて、世の中のためにいくらかでも役に立ったかな」と顔をほころばせる。
岡谷市出身。岡谷工業高校卒業後、同校の助手などを務めた後に上京。1950年4月、22歳で警視庁に入り早稲田警察署(現・神楽坂警察署)に2年間勤務した。長野県に戻り伊那警察署で3年間の外勤の後、刑事課に配属され、県内各地を回り、伊那警察署箕輪町警部交番所長を最後に退職した。
新人巡査だった早稲田署勤務時代に、巡査部長と殺人犯を逮捕。飯田署では傷害とばくわいせつ文書図画販売で暴力団幹部を検挙したことなどが強く記憶に残っている。
激務の中、家庭を顧みる間はなかった。「今度の章は女房の内助の功があってもらえた。授章式は同席していって栄誉を共にしてやりたい」という。
趣味はマレットゴルフ。箕輪町月曜会の事務局長で、ながた自然公園でプレーを楽しんでいる。現在は妻、長男の3人暮らし。箕輪町松島大道。 -
箕輪町内保育園で秋の交通安全教室
箕輪町の木下南保育園で18日、秋の交通安全教室があった。箕輪町警部交番所長の講話や町交通安全協会女性部役員による大型紙芝居などで道路の渡り方などを確認し、交通安全に気を付けるよう園児が約束をした。
全園児と保護者が参加。倉田千明交番所長は盗難被害、交通事故、痴漢出没の3点について注意を促し、保護者に対して▽道路の渡り方の手本を子どもに見せる▽チャイルドシートに乗せる▽子どもは後を追うため車で家を出るときは気を付ける-など注意点を話した。
園児は、所長と一緒に手を上げ右、左、もう一度右を見て、車が来ないことを確認して道路を横断する方法を練習した。
町安協女性部役員は、大型紙芝居で道路の渡り方を説明。人形を使った実験でチャイルドシートを着用しないと人形が落ちてしまい危険なことを示し、園児4人も実験を体験した。役員が「歩いて出かけるとき、車で出かけるときの2つの約束を忘れないでね」と言うと、園児は「はーい」と大きな声で返事をしていた。
町の全保育園が10月中に交通安全教室を開く。毎年恒例になっている女性部員手作りの交通安全マスコットも全園児と保育士に配る。 -
元伊那北高校教諭・神田厚さんの遺族、公務災害認定を求め提訴へ
2004年12月、くも膜下出血により自宅で死亡した元伊那北高校教諭・神田厚さんの遺族が20日、公務災害認定を求めて長野地方裁判所に提訴する。
当時3年生の担任として進路指導や教科指導、各生徒に対する個別指導などに追われていた神田さんは、帰宅後も深夜まで持ち帰った仕事をしていることがしばしばあったという。
04年12月、遺族は公務災害としての認定を地方公務員災害補償基金長野県支部に申請したが、同支部は「本人の職務に割り当てられた通常の職務」として公務外と認定。その後遺族は、認定を不服として県支部審査会に審査請求をしたが棄却され、再審査請求をした本部審査会でも県支部の決定が支持し、請求は棄却された。
遺族や関係者は昨年8月「故神田厚さんの公務災害認定を求める会」を発足。再審査請求の棄却を受けて、訴訟に踏み切ることを決めた。
当日は提訴後に、報告・学習会を伊那市の伊那振興公社2階で午後6時半から開く。 -
はら美術で加島祥造さんの墨彩画展
ベストセラーになった老子の日本語訳『タオ・老子』を手掛けた加島祥造さん=駒ヶ根市=の墨彩画展が19日から、伊那市旭町のはら美術で開かれている。心象風景を描いた墨彩画に、自身の詩を添えた文人画約50点が、訪れた人たちを魅了している。
信州大学などで英米文学を教えていた加島さん。50代から書を習い、墨彩画はその後に始めた。駒ヶ根市に移り住んだのは13年前。伊那谷の自然の中で老子の哲学を実践し、数々の作品を輩出している。今回は約20点の新作もそろえた。
作品には、加島さん自身の詩のほか、白居易などといった中国の漢文を分かり易い日本語訳にした詩が添えられており、素朴だが温かみのある言葉の数々が見る人の心を揺り動かす。
入場無料。午前11時縲恁゚後6時。29日まで。
また21日は、「加島祥造トークin伊那」と題したトーク会も行う予定で、加島さんが長年かけて現代詩訳してきた白楽天の「琵琶行」、蘇東坡の「前赤壁賦」を、柴川康子さんの朗読で発表する。第1部は午後3時半縲恁゚後4時15分、第2部は午後4時半縲恁゚後5時15分。会費2500円。定員50人で要予約。
申し込み・問い合わせははら美術(TEL74・0751)へ。 -
「日本・紬(つむぎ)サミット」駒ケ根で24日に
伝統的な絹織物・紬(つむぎ)の素晴らしさを広く発信しようと、全国の紬産地などで毎年開く「日本・紬織物サミット」の第7回大会が24日、駒ケ根市である。テーマは「信州の絹」と「養蚕と文化」。全国各地から紬関係者ら100人以上が集まり、講演や事例報告のほか、全国の名産地の紬作品の品評会などがある。
23日は前夜祭で、紬ファッションショーなどがある。主催の伊那紬手織組合の久保田治秀組合長は「古くから養蚕が盛んな駒ケ根市でサミットが開催されることは素晴らしいこと」と話している。
駒ケ根シルクミュージアムも、サミットに合わせて第13回特別展「伝統の技と彩 紬 伝統的工芸織物展」を開いている。明治から現代に至る各地の紬約60点を展示している=写真。11月12日まで。
サミットの予定は次の通り(会場はアイ・パルいなん)。
◆23日「前夜祭」▽紬ファッションショー▽アトラクション(駒ケ根太鼓、豊年踊り、伊那節など)
◆24日「サミット」▽基調講演(1)さが美会長石田敏彦さん(2)テキスタイルデザイナー宮坂博文さん(3)駒ケ根シルクミュージアム名誉館長岩下嘉光さん▽事例報告(1)絹織物研究所志村明さん(2)宮坂製糸所代表宮坂照彦さん(3)養蚕農家代表浅井繁子さん▽出品作品グランプリ表彰▽サミット宣言 -
「食育の日」併せ合同庁舎食堂にサラダバー
伊那保健所は「食育の日」の19日、伊那市の県伊那合同庁舎食堂に地元産の野菜などを使ったサラダバーを設け、利用した庁舎内の職員らに、野菜の摂取による健康増進を呼びかけた。
「食生活改善普及月間」に併せた「野菜を食べようキャンペーン」の一環。「健康増進普及月間」の9月の実施に続いて2回目で、前回より倍の102人が利用した。
今回はトマトやキュウリ、ホウレンソウなど前回より多い13種類の野菜のほか、旬のキノコや果物もそろえた。1皿100円で販売し、利用者は皿に好きな分だけ盛った。
食堂には、野菜の栄養などを紹介した資料を展示し、食事バランスについてのチラシも配布。保健所では「これをきっかけに、野菜を摂取することの大切さや食生活改善に向けた意識が高まれば」と話していた。
前回の利用者にとったアンケート結果(回答者50人中45人)では、毎食野菜を食べている人は51%だった。 -
高遠高生が東京芸大学生に合唱指導受ける
伊那市高遠町で28日に開く伊沢修二先生記念音楽祭に出演する高遠高校の合唱部と芸術コース音楽専攻の生徒約30人が18日夕、来校した東京芸術大学指揮科4年の高井優希さんから合唱曲の指導を受けた。
本番は、公募で集まった地域住民でつくる合唱団とともにドヴォルジャーク作曲の「エイア・マーテル」を混声四部で披露する。
生徒たちは、高井さんから「除々に音程が下がってしまうから注意して」「緊張感を失わないように」と発声の強弱や音程などのアドバイスを受けながら熱心に練習。音楽担当の牛山真理子教諭は「教えてもらったことを残りの日数で消化して本番に生かしたい」と話した。
音楽祭は旧高遠町出身の伊沢修二が同大学前身の東京音楽学校初代校長だったことを縁に始まった。今年は第20回の節目で、新市として初めての開催。地元の高遠、高遠北の両小学校児童の音楽劇や中学生の合唱などのほか、同大学音楽部のオーケストラによる演奏がある。 -
箕輪消防署の唐沢隆浩消防副士長
救急救命士の薬剤投与技能認定伊那消防組合箕輪消防署の唐沢隆浩消防副士長(31)=沢=が、救急救命士による薬剤投与技能認定を受けた。県メディカルコントロール協議会が13日付で認定し、18日に認定証が届いた。伊那消防組合では高遠消防署員に次いで2人目。
06年4月、救急救命士法施行規則の改正による処置範囲の拡大に伴い、認定を受けた救急救命士が医師の指示の下でエピネフリン(強心剤)1種類の薬剤投与が可能になった。
唐沢さんは8月1日から1カ月間、第4期生全国200人の内の1人として福岡県北九州市の救急財団救急救命九州研修所に入校し、大学教授による講義や実技訓練、試験を受けた。授業後も班ごとに2、3時間の自主訓練を重ね、卒業試験に合格し修了証をもらった。
9月4日から5日間は、伊那中央病院で点滴ラインの準備から静脈路の確保、薬剤投与の50時間の実習をし、点滴は患者の承諾を得て行い、薬剤投与は伊那消防署からの救急搬送2件で実施した。
唐沢さんは01年10月に救急救命士の資格を取得し、05年8月に気管挿管技能認定を受けている。
これまで、病院到着後に薬剤投与で心臓が動き出すのを見て、「現場でもっと早くできれば」との思いがあった。認定を受け、「救急現場で生かせるよう今後も訓練し、現場で適切な処置をして1秒でも早く医療機関に搬送したい」と話した。
箕輪消防署の救急救命士は7人。福島朝雄署長は、「順次資格を取ってもらい、住民の命をぜひ守ってほしい」としている。 -
小黒川渓谷上流で紅葉が見ごろ
伊那市の小黒川渓谷上流など標高1800縲・000メートル付近で、紅葉が見ごろを迎えた。
落葉樹が黄色や赤色に染まり、布を縫い合わせたパッチワークのよう。
秋晴れした青空に、山肌を覆った紅葉が映える。 -
【危険業務従事者叙勲】
瑞宝双光章(警察功労)原文雄さん(78)警察は住民の奉仕者。そういう活動を通じて表彰を受けたのは嬉しく、名誉なこと竏秩B
箕輪町出身。1945年、初任地となる長野市の大門町交番へ。その後、県内を中心に各地で務め、東京警察学校の刑事教官なども経験した。駒ヶ根署、岡谷署、松本署で副署長となり、1985年、豊科警察署長を最後に退職。刑事畑が長く、中野警察署の刑事課長時代には浅間山荘事件の被疑者の取り調べも担当した。
事実が明らかになっていても、なかなか自供しない容疑者に対しては、「どうしてなのだろう」と常に考えてきた。「調査は脅すものではなく人間性を取り戻させるもの。多くの被疑者が涙を流して反省する姿を見てきた」と当時を振り返る。
現在の一線で任務に励む後輩には「今は子どもの誘拐など、いろんな事件があって大変だが、地域の人と協力しながら、事件解決に全力を傾けてほしい」とエールを送る。
現在は箕輪町の実家で妻と二人暮し。 -
大芝高原まつり実行委員会反省会
南箕輪村の第21回大芝高原まつり実行委員会反省会は17日夜、南箕輪村民センターで開いた。初の土曜日開催はおおむねよい評価で、来年も土曜日開催で8月25日に開くことを決めた。
反省は▽新しく作った「大芝高原音頭Newヴァージョン」によりパレードの参加が800人を超え盛り上がった▽新たな信大生の参加がうれしく、盛り上がった-などがあり、雨のため翌日に延期した花火大会については、延期決定の方法や時間などの改善を求める意見があった。
花火大会の開催決定会議については、まつり本部に午後6時に関係者が参集して決める案を事務局が提案し、来年度からの実施を決定した。参集範囲は正副実行委員長、花火・消防・交通・ステージの各委員会代表者。天候の良し悪しに関わらず集まり、直前の天気予報によって判断し、延期の場合は高原内の放送や村の防災行政無線で告知する。
唐木一直実行委員長は、「花火が1日延びたが、両日とも大勢おいでいただき本当にありがたく思う。これからさらに盛り上げていかないといけない。反省を来年度への課題としていきたい」とあいさつした。大芝公園内の放送設備が老朽化してきていることについても触れ、「予算が許せば来年は放送設備を新しくしたい」とも話した。 -
南箕輪村田畑区防犯部が安全見守り
南箕輪村田畑区の防犯部は17日、独自の取り組みとして子どもの安全を守るため小学生の下校時間に合わせた見守り活動を始めた。
「地域の安全は地域で守ろう」と活動内容を検討し、まず子どもの安全を守る活動から取り組むことを決めた。区内31組の各防犯係が、村が配布した防犯パトロール用の蛍光色のベストを着用し、下校時間に地区内に立ったり散歩し、下校中の子どもに声をかけるなどして見守る。
活動は毎月第3火曜日。「大参加(第3火)しよう」と語呂合わせで日を決めた。
初回は、防犯係が犬の散歩をしながら通学路を歩いたり、家周辺を散歩。下校中の子どもに「気をつけて帰るんだよ」などと声をかけていた。 -
【記者室】新世代のクマ
「自然界の報道写真家」宮崎学さんがツキノワグマの本を新たに出版したので話を聞きにお宅に伺った。宮崎さんはクマ害について「今の対策は間違っている」と歯に衣着せず断言する▼「唐辛子スプレーを浴びせて放すおしおき放獣はね、憎しみを植えつけて人間を襲うきっかけをつくっているようなものだよ」竏秩B鈴やラジオの音でクマは近づいて来ない、というのも疑わしいと言う。「人間と同じで世代が代われば考えも変わる。新世代のクマは高速道路の騒音さえ平気だ」とバッサリ▼駒ケ根高原の一角にあるお宅を辞して外へ出た時は既に真っ暗。「その辺にクマが居るかもしれないから後ろに気をつけてね」との声に背筋が寒くなり、あわてて車に駆け込んだ。(白鳥記者)
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南箕輪村消防団秋季演習
南箕輪村消防団(宮島忠夫団長)の秋季演習は15日、大芝公園陸上競技場であった。団長らが見守る中、団員108人が規律訓練や救護訓練に励んだ。
団体訓練により団員の団結を図り、技術と高揚をもって消防団活動に万全を期し、村民要望にこたえようと開く恒例の演習。
規律訓練は小隊、中隊に分けて「右向け右」など号令に従って諸動作を訓練。号令や番号を伝える大きな声がグラウンド中に響き、団員は隊を編成したり、行進するなど指導を受けながらきびきびと動いた。
救護訓練は、救護班が模範を示し、応急手当などを覚えた。 -
西駒山荘の利用は370人余
伊那市営西駒山荘が今シーズンの営業を終了した。7月8日縲・0月9日の利用者は首都圏の中高年を中心に379人で、前年と比べて約50人の減少だった。市は、7月の梅雨前線による豪雨災害の影響が大きかったとみる。
豪雨災害で、桂木場の登山口が通行できなくなるなど災害発生から8月中旬まで予約のキャンセルが相次ぎ、西箕輪中学校の登山も中止になった。
予約状況から前年を上回ると見込んでいただけに、市は利用者減を残念がり、来季に期待を寄せた。
17日には、ヘリコプターでの荷下げ作業があり、市職員、山荘管理人が山荘で使っていた発電機やシーツ類、空のガスボンベなどを鳩吹公園へ降ろした。 -
南アルプスの紅葉始まる
朝晩の寒さを感じるようになり、南アルプスなど、各地の山々が紅葉で色付き始めた=写真。
ミズナラやカエデなど、さまざまな広葉樹がある伊那市長谷の浦国有林では、白い岩肌が見える頂に生えた木から紅葉が始まっており、別名ミツバハナとも呼ばれるメグスリノキは、鮮やかな紅色に変化。 -
はなまる地域探検隊・絵手紙展
伊那市の小中学生を対象に体験活動の場を提供する「はなまる地域探検隊」(伊藤元郎代表)の絵手紙展は23日まで、市役所1階ロビーで開いている=写真。水彩絵具、色鉛筆などで描いた色鮮やかで個性豊かな作品が並んでいる。
サツマイモ、トウモロコシなどの野菜を題材に、贈る相手を思い気持ちを込め「じっくり見て自分の心で感じたままを描いている」(伊藤代表)。市内の児童約70人が一人一点ずつを出品している。
同探検隊では3年目の行事。展示品は9月初旬、日本絵手紙協会公認講師の三沢和子さん=同市西春近=を招いた教室で描いた。参加者それぞれが担任教師や家族へ向けて、5枚ほど制作した一部を展示した。