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子ども科学工作教室
「すもうロボットを作って遊ぼう」竏秩B子どもたちに科学やもの作りに興味を持ってもらおうと、地域産業の振興に取り組む伊那テクノバレー地域センターは21日、第3回子ども科学工作教室を伊那市西箕輪の伊那技術形成センターで開いた。上伊那北部地域の小学4縲・年生34人が参加し、赤外線センサー搭載の「すもうロボット」を組み立てた。電子部品などを製造する上伊那10事業所の従業員29人が指導員として参加し、製作の指導や補助に当たった。
ロボットは力士をイメージしたもので、腕を振りながらキャタピラで走行する。赤外線センサーにより前方の障害物などの有無を判断し、スイッチの切り替えで、障害物に向かって行くモードと、避けて走行するモードが選べる。
ロボットのキットの箱を開けた子どもたちは部品の多さに「意外と大変そう」とやや不安げな表情。それでも「慌てずにきちんと作っていけば必ず動くからね」という指導員の励ましを受け、説明書を見たり、指導員のアドバイスを受けたりしながら、ニッパーやドライバーを使って1つ1つの部品を丁寧に組み付けた。
伊那市伊那部の4年生男児(10)は「プラモデルはたまに作るけど、こんなに難しいのは初めて。その分、完成して動くのが楽しみ」と話し、真剣な顔つきで製作に取り組んでいた。 -
伊那市体育協会表彰受賞祝賀会
長年にわたって地域の社会体育の振興に功績があったとして4月25日に伊那市体育協会の功労表彰を受けた松田悦子さんの受賞を祝う祝賀会が21日、JA上伊那本所で開かれた。松田さんはあいさつで「表彰は地元、足元の皆さんのおかげ。高校からずっとスポーツから離れずにやってきたが、今日は素晴らしい人生のひとこまをもらった。今後も心と体の健康づくりの役に立てたら」と笑顔で語った。
祝賀会には松田さんが指導するエアロビクス教室やダンスチームのメンバーなど約170人が出席。松田さんとともに喜びを分かち合った。
松田さんは83年から現在まで約25年間にわたって市スポーツ指導委員、市体育指導員を務める傍ら、伊那公民館の女性教室、高齢者教室で健康体操やダンスなどの指導に当たってきた。95年、県体育指導協議会表彰、99年、労働大臣褒章受章、00年、日本体育協会、日本スポーツ少年団から感謝状。日本体育協会公認スポーツ指導員、日本レクリエーション協会公認指導員。 -
ごみ処理施設用地全協で了承
伊那市新ごみ中間処理施設用地選定委員会(伊藤精晤委員長)が19日、上伊那広域連合の新ごみ中間処理施設建設用地として伊那市富県の桜井区・北新区が最適竏窒ネどとする検討結果を伊那市の小坂樫男市長に提出したのを受け、伊那市議会は20日、全員協議会を開き、報告を聞いた上で内容について了承した。選定結果に反対する意見は出なかった。
今後、上伊那広域連合の正副連合長、議会への報告を経て、小坂樫男市長が広域連合長として最終決定する。地元への説明会は7月。建設には環境影響評価(アセスメント)が必要だが、結果が出るのは約2年先とみられる。
最終候補地に選定された桜井区・北新区がある富県区の区長会(牛山清人会長)は委員会に対して慎重な対応を求める要望書を提出するなど、選定結果に難色を示していることから、スムーズに決着するかどうかは不透明な情勢だ。
質疑で飯島光豊議員が「最終的に決定するのは住民。住民投票や意向調査が必要ではないか」「地元とはどこをいうのか。建設地だけの問題ではなく、周辺地域も含めるべき」などとただしたのに対し、小坂市長は「いろんな人がいるので100パーセント賛成ということはない。区の決定が住民の合意と考えている。住民投票などはそれぞれの地区に任せたい」「周辺地区にも当然理解を求める。そのための説明会も開いていく」とした。
黒河内浩議員が「地元への交渉は市長が前面に出て積極的にやるべき」「環境アセスメントには早期に取り組んでほしい」などと要望したのに対し、小坂市長は「自身が地元に出向いて理解してもらう。当然」「アセスメントは1縲・年かかる。説明会の後、早急に取り掛かりたい。できるだけオープンな形で行いたい」と述べた。「説明会だけでは理解できない面もある」として、最新の処理施設の視察も行いたい竏窒ニする考えも併せて示した。 -
【伊那フィルハーモニー交響楽団団長 北沢理光さん】
高校時代は甲子園を目指して野球一筋に打ち込んでいたが、3年の夏に引退。就職に備えて上伊那図書館で勉強していると、講堂から伊那市民合唱団(現伊那混声合唱団)の美しい歌声が聞こえてきた。もともと音楽は好きだったが「野球ばかりで、ほかのことは目に入らなかった。でもその時に、音楽っていいもんだな、と思ってね。やってみたくてすぐに入団した」。
就職後は精密機械のエンジニアとして世界を忙しく飛び回った。30歳代後半のある日、手に取った新聞で、県の南部にも県民文化会館ができそうだ、と知り「ぜひとも伊那に文化の拠点を持ってこなくては」と強い思いにかられ、誘致活動に飛び込んだ。署名を集めたり市議会に陳情したりしたが、もっと強力なアピールはないかと考えた末に思い浮かんだのが、仕事で訪れたドイツの田舎町の風景だった。
「小さな町なのにちゃんとしたオーケストラがあって、子どもからお年寄りまでみんなが音楽を身近なものとして楽しんでいた。そうだ、伊那にもオーケストラをつくろう竏窒ニ思い立ったんだ」
見通しはまったくなかったが、持ち前の敢闘精神で「とにかく動き始めよう」と募集開始。ポスターなどで「未経験者でも歓迎」と呼び掛けたところ、60人ほど集まることは集まったが…。
「一番重要な弦楽器経験者がね、バイオリンただ1人だった。クラリネットやトランペット、サックスなどの吹奏楽経験者はともかく、ハーモニカや尺八の人もいたくらいだ。今じゃ笑い話だが、当時の伊那ではオーケストラがどんなものかさえ、あまり知られていなかったんだよ」
「こりゃ無理だ」「いっそ吹奏楽団にしたら」などの声もあったが、そんなこと言わずにみんなで頑張ろう竏窒ニ衆議一決。曲がりなりにもオーケストラとしての活動がスタートした。
とはいっても、弦楽器がなければオーケストラの体を成さない。メンバーそれぞれがバイオリン、ビオラ、チェロと担当を決めて各自で楽器を買い、鈴木メソードの教室に通うなどして基礎からの練習に取り組んだ。弦楽器未経験ではあっても、そこは下地のある人の集まり。楽器に慣れるにつれ、次第に音が整ってきた。
発足からわずか1年後の86年、第1回定期演奏会を伊那市民会館で開いた。曲はベートーベンの交響曲『運命』など。自身も「いい年になって始めるには難し過ぎた」というバイオリンを手にステージに登場した。
「バイオリンは結構人数がいたから、自分一人くらい難しいところが弾けなくても何とかなると思ってやった。懸命に弾いたけど、きっと変な音を出していたんだろうね」
伊那で初めての市民オーケストラの演奏を聴こうと詰め掛けた超満員の聴衆からは、割れんばかりの温かい拍手が送られた。
こうした涙ぐましいほどの努力が実り、文化会館の誘致は首尾よく成功。88年の開館時には、こけら落としの晴れのステージを務めた。曲はベートーベンの交響曲第9番『合唱付き』。これ以上ない最高の舞台で・ス歓びの歌・スを奏でた。
◇ ◇
ここまでくればもう何でもできる竏窒ニ「いな少年少女合唱団」や、60歳以上の女性による合唱団「ザ・シワクチャーズ伊那」などの結成にもかかわった。
「次は伊那初の市民オペラをやりたい。5年後ぐらいが目標。ソリストは呼んで来るけど、オーケストラと合唱団はもちろん伊那の自前だね。故高木東六先生作曲の『春香』がいいんじゃないかな」
現在は伊那市生涯学習センターのコーディネーターとして、さまざまな音楽文化の発信に取り組んでいる。
「自分が演奏して楽しむより、音楽文化の裾野を広げるような活動をしたいから、とてもありがたい仕事だね。生活の中にいつも音楽がある、そんな伊那になるための手助けができればうれしい。あのドイツの小さな町のようにね」
(白鳥文男) -
市議会が戸草ダム対策委員会設置へ
国土交通省中部地方整備局が戸草ダム建設計画を見送る方針を打ち出したのを受け、伊那市議会の全6会派の代表は20日、代表者会を開き「地域住民の安全な暮らしを守るため」として「市議会戸草ダム対策委員会」を設置することを全会一致で了承した。委員会は開会中の6月定例市議会の会期末(26日)までに設置し、地元の建設促進組織などと連携しながら国、県への要望などの活動を行っていく。委員の人数、正副委員長の人選などは今後詰めていく。会議は非公開だったが、議長の中村威夫座長が取材に応じた。
中村座長は「市民からは、議会の対応が遅過ぎる竏窒ニ抗議の声を多数もらっている。議会の総意として動ける組織が必要だ。委員会には全会派からの参加が理想的だが、そうはできないかもしれない」と話した。 -
消防救助技術大会展示訓練、激励
第27回県消防救助技術大会(21日、松本市)の「引き揚げ救助訓練」の部に出場する伊那消防組合(組合長・小坂樫男伊那市長)伊那消防署チームは大会を翌日に控えた20日、訓練の成果を同署で披露した。出場チームのメンバーは激励に訪れた小坂組合長らを前に、積み重ねてきた訓練で培ったきびきびとした動きを見せた。
「引き揚げ救助訓練」は、高さ7メートルの塔の下にいる要救助者のもとに空気呼吸器を背負った隊員が駆け付け、いかに安全に素早く引き揚げて救助できるかを競うもの。同署によると、今大会の優勝予想タイムは85秒前後というが、普段の訓練では82秒台を出すチームも緊張のためか、この日のタイムは87秒。メンバーは「優勝を狙う力は十分ある。落ち着いてやれば結果はついてくるはず」と翌日の大会に向けて意気込みをみせていた。
大会には県下14消防本部から計81チームが出場し、引き揚げ救助、ほふく救出、ロープブリッジ救出、はしご登はん、ロープ応用登はん、ロープブリッジ渡過の各競技でそれぞれ優勝を競う。県大会で1位となったチームが関東大会(7月31日、千葉県)の出場資格を得る。
小坂組合長は「訓練の成果を十分発揮し、素晴らしい成績で関東大会出場を」と激励した。 -
伊那市観光株主総会
みはらしの湯、羽広荘、高遠さくらホテルなど7施設を経営する第3セクターの伊那市観光(社長・小坂樫男市長)は19日、株主総会と取締役会を西箕輪の羽広荘で開いた。第11期(07年4月縲・8年3月)決算報告、第12期(08年4月縲・9年3月)事業計画、取締役選任など計6議案をいずれも原案通り承認した。小坂社長、白鳥孝専務はいずれも再任。
11期の連結決算は、売上高9億4367万円、経常損失3090万で、赤字幅は前期比で3591万円改善された。
12期の連結収支は、売上高9億6958万円、経常利益は260万円の黒字を見込む。
収支改善のため、みはらしの湯、さくらの湯、仙流荘、入野谷の各施設の入浴料金は8月1日から現行の500円を600円に値上げする。一方で、割安な7枚つづりの回数券を3千円で販売するほか、ポイントカードに20ポイントたまると500円分の食事ができるサービスを導入するなど、利用者の利便性向上を図る。
夏季に利用が集中する仙流荘は、今冬の営業成績などを勘案し、場合によっては冬期間の休業も検討していく方針。 -
大森祥吾展
伊那市旭町のはら美術で24日まで、辰野町出身の画家、大森祥吾さん(60)=東京都あきる野市=の個展を開いている。信州の風景のほか、フランスやギリシャなどヨーロッパの風景を描いた油絵約60点を展示している。
中央画壇で活躍する大森さんの3年ぶりの個展。「高校生まで暮らしたなじみのある信州の風景は、親近感がある」と、春先のまだ雪が残るころや、秋の稲田などを描いた作品に加え、今回は高遠城址公園の桜など「桜」を描いた作品も多い。
大森さんはこれまで、桜を描くことはあまりなかった。「桜は微妙な赤なので、あるときは赤く見えたり、あるときは白っぽく見えたり。どんな色にしたらいいか決断できなかったが、最近挑戦してみようと思って描いた」といい、「春の高遠」(50号)などがある。
作品は0号から50号まで。水彩や素描も数点ある。「私が見た伊那谷の良さを皆さんに見ていただき、伝わればいいなと思う」と話している。
今年は還暦と絵描きを志して40年の節目の年で、13日には故郷の辰野町に油絵の風景画3点を寄贈した。 -
【記者室】戸草ダム「見送り」にみる国の姿勢
国は三峰川上流部に建設を予定していた戸草ダムの計画を見送る方針を明らかにした。洪水防止などに大きな期待を寄せていた住民からは一斉に反発の声が上がっている。
事業着手から20年がたつが、ダム本体工事は手付かずのまま。それがここへきて実質的な中止宣言だ。理由について国ははっきり言わないが、1千億円に上る巨額の事業費が足かせとなっているのは間違いない。
それにしても、これまでの経過を無視して突然「見送る」では話が少々乱暴だ。「あなたの声を生かします」として懇談会が開かれたものの、国の方針が覆る可能性は限りなく小さいことから、形式的の感はぬぐえない。大転換を打ち出す前に、地元住民の意見を聞く場を設けるべきだった。(白鳥文男) -
戸草ダム見送りに反対の声
国土交通省天竜川上流河川事務所(伊藤仁志事務所長)は18日夜、今後30年間の天竜川流域整備の指針となる「天竜川水系河川整備計画」についての意見を聞く「天竜川上流河川懇談会」を伊那市役所で開いた。地元伊那市の住民を中心に約80人が参加。住民からは国が打ち出した伊那市長谷の戸草ダムの建設見送りに強く反対する意見が多数上がった。
同事務所は学識経験者を集めて開いた「天竜川流域委員会」(16日、名古屋市)に示した整備計画の「たたき台(骨子)」の概要について説明。戸草ダム建設には1千億円かかるのに対し、美和ダムの機能強化なら300億円竏窒ネどとした。
住民からは「美和ダムは完成から50年近くたつが、寿命はどのくらいなのか」「建設費1千億円というが、被災額は5千億円ぐらいになるのでは」「つい数日前も戸草ダム予定地付近で崩落があったことを知っているか。机上で決めるのでなく、現地を調査して判断してもらいたい」などの意見が出た。
参加者は8グループに分かれ、各テーブルに置かれた流域の航空写真にそれぞれの意見を記入した付せん紙を貼り付けながら意見交換した。ダム建設を求める参加者らは「金のが理由なら、国土交通省は治山、治水をやめろ」「美和ダム上流についての配慮がまったくない」「もっと住民の意見を聞いて計画を立ててほしい」など、強い調子で意見を述べた。
一方で「美和ダムでうまくやってくれるのならそれでもいい」「河川環境に影響がなければ、建設はどちらでもいい」などの声もあった。
意見は同事務所が取りまとめ、次回(7月)の流域委員会で報告、審議する。整備計画は年内での策定を予定している。 -
伊那市新ごみ中間処理施設用地選定委員会、最終報告書を小坂市長に提出
上伊那広域連合の新ごみ中間処理施設の最終候補地を富県の桜井区、北新区にある天伯水源付近に決定した伊那市の用地選定委員会(伊藤精晤委員長)は19日、最終報告書をまとめ、小坂樫男伊那市長に報告した=写真。
今後市長は20日の市議会全員協議会で結果を報告し、正式に候補地と決定する。また、今月中に上伊那広域連合の正副連合長、同議会に報告。小坂市長が広域連合長として最終決定し、来月から地元地区との話し合いに入る。小坂市長は「この答申を重く受け止め、これから地元への説明会を開き、十分理解、納得いただいた上で建設を進めていきたい」と語った。
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この日提出した検討結果報告書は、これまでの委員会で検討してきた内容を示しながら最終候補地の決定に至った経過を明示。各候補地が建設に適しているかを判断するために設けた評価基準の具体的数値、関係地区から提出された意見書やパブリックコメントとして寄せられた意見なども資料として添付した。
伊藤委員長は「最終候補地は客観的評価により、最も環境影響が少なく、施設建設や運営の面からも問題が少ない場所になった」とし、「今後伊那市も、地元のみなさんと交渉に当たると思うが、環境影響評価を的確に行い、地元の理解を得てほしい」とまとめた。
今後は地元との協議を進め、一定の方向性が見えれば環境影響評価に着手することになるが、環境評価は少なくとも3年の期間を要する。新ごみ中間処理施設の建設が遅れたことに伴ない、稼動を延長している伊那市の伊那中央清掃クリーンセンターと辰野町のクリーンセンターたつのの周辺地区とは05年12月に協議を行い「06年4月から5年以内に新施設の環境影響評価に着手すること」を条件に稼動延長を合意しているため、環境影響評価に着手するまでの猶予期間は3年弱となる。 -
出入国管理および難民認定法違反の疑いで中国人女性逮捕
伊那警察署は18日午後8時28分、出入国管理および難民認定法違反の疑いで住居不定の中国国籍の女性郁霞(ユイ・シャア)容疑者(27)を同署内で逮捕した。
調べによると容疑者は07年11月4日、中国政府発行の旅券を所持し成田空港から日本へ入国。在留期間の同年11月19日を過ぎても出国せず、そのまま残留した。18日午後7時35分にJR伊那市駅から警察へ不審者通報があり、警察官がかけつけ捜査した結果容疑が明らかになり逮捕した。 -
暫定税率の影響額1千万円
小坂樫男市長は16日、道路特定財源の暫定税率が4月の1カ月間失効したことによる市財政への影響額について、計約1千万円と見込まれる竏窒ニした。6月定例市議会で飯島進議員の一般質問に答えた。
小坂市長は「減収額は国が補填する。税率廃止の影響で道路工事などが一時ストップしていたが、(暫定税率復活で)順次手を付けている。本年度の計画事業は予定通り進める」として、今後の事業には影響がないとする見通しを明らかにした。
急激な原油の高騰による一般会計予算への影響については「本年度は昨年度実績より約3700万円余分にかかるとみている。灯油は今後の状況によってさらに不足することも予想され、経費節減で対応したいが、学校の暖房など、削減が適当でないものもあり、補正予算も考えたい。灯油券など、きめの細かい支援策を実施していかねばならない」として、本年度も引き続き支援していきたいとする考えを示した。 -
市議会が戸草ダム建設促進組織結成へ
国土交通省中部地方整備局が16日に戸草ダム建設計画を見送る方針を打ち出したのを受け、伊那市議会の全6会派の代表は18日、代表者会を開き、ダム建設促進に向けて活動する組織を結成する方向で意見がおおむね一致した。
しかし、組織のあり方については、特別委員会か、議員連盟か竏窒ネど、さまざまな意見があって結論に達しなかったため、20日に再度会議を開く。会議は非公開だったが、議長の中村威夫座長が取材に応じた。
中村座長は「市議会として、建設を進める態度を明確にするための組織を結成しようと提言した。戸草ダムは長良川の河口ぜきと違い、住民の生命、財産を守る極めて重要な施設。計画見送りに反対し、建設を促進するための実効行ある組織をつくり、関係方面に働きかけていきたい」としている。
市議会は07年12月議会で、議員提案による「戸草ダム建設推進を求める意見書」を賛成多数で可決している。 -
アトリエROSE主宰
伊那市
飯田恵理さん大好きなバラをアトリエの名前にし、自宅で教室を始めたのは05年。パンの花、ビーズアクセサリー、フリーメタリコを指導し、今年で3年目を迎えた。
「好きなバラを作りたい」と17年前、パンの花を習い始めた。バラは一番神経を使う難しい花とされ、「教えていただくまでに10年かかりました」。いつかは大輪のバラを作りたいと夢見て習い続け、ようやくバラが出来るようになったが、最初の作品は「なんでこんなに下手なんだろう」と思ってしまうような出来だった。いくつもいくつも作り、ようやく自分なりに納得できる作品が作れるようになったといい、アトリエのプレートはバラで飾っている。
ビーズは、楽習フォーラムで06年にビーズスキル認定、07年にビーズアートステッチ技能認定を受けた。「きれいなもの、かわいいものが好き」で、ビーズアクセサリー作りを始めたのは学生のころ。「スワロフスキーなど、とてもきれいなものに触れていることがうれしい。それがまたネックレスなどの形になっていくことがうれしくて」。ビーズ歴は30年近くになる。
フリーメタリコとの出合いは04年。雑誌を見ていて、すっかりその魅力にはまった。フリーメタリコは、イタリア生まれの銅線をカラーコーティングして編んだ筒状のリボンで、ビーズなどと組み合わせてネックレスやコサージュなどを作る。
「同じ作品を作ったとしても、リボンの広げ方で個性が出る。世界に一つしかない形を表現できるのが魅力」。07年夏に教授資格「プロフェッソーレ」を取得した。地元ではまだフリーメタリコの知名度は低く、上下伊那で資格を取った最初では-という。
ビーズもフリーメタリコも、「楽しいですね。1日でもやっています」と、とにかく作ることが好き。「皆さん作る時間がないとおっしゃるけれど、私は作りかけのものを近くに置いておき、家事の合間に3分でも5分でも座ってやるんです。食後にちょっとお茶を飲む時間にも、ビーズステッチを1センチでも作りたい。常に触っていたいんです」。主婦なので家事も決しておろそかにせず、手際よく片付けて自分の趣味の世界を楽しんでいる。
「パンの花は1輪でもいい。作ってみたいという方がいらっしゃるとうれしい。ビーズももちろんですけど、フリーメタリコも、ぜひ皆さんに知ってほしい。気軽に教室をのぞいていただきたい」
多くの人に魅力を伝えたいと、和やかな雰囲気の教室で指導するほか、作品は販売もする。ブライダルのブーケやティアラなど一生の記念に残る作品も注文に応じて手がけている。(村上裕子) -
「常和の命水」が四ツ星
伊那市山寺の建設業「織建」が設立した、水製造・販売の有限会社「いすゞ」(織井常和代表)の南アルプスの深層水「常和の命水(ときわのめいすい)」が、「最新ミネラルウォーター完全ガイド」(大和文庫)で「四ツ星」として紹介された。
「最新竏秩vは、生命の水研究所の松下和弘所長が書き下ろした。全国に千種以上あるといわれる市販のミネラルウォーターの中から136種を選択。「カラダにいい水・脳にいい水」として▽油分をとかす力が高い▽酵素活性を高める▽水分子の集団が小さい竏窒フ3点から、総合的に三ツ星縲恁ワツ星で判定した。五ツ星は13、四ツ星は34、三ツ星は89で、そのうち県内は四ツ星が1、三ツ星が2だった。
命水は、信州大学と民間企業の共同研究で「老化促進やがん化にかかわるとされる活性酸素の消去機能が極めて高いと思われる」と認められ、「酵素活性」の点では五ツ星だった。
昨年6月に宝島社が発行した「食品のカラクリ5 からだに良い水」でも全国53選の一つに入っており、織井代表(69)は「飲んだ人から、体の調子がよくなったと手紙をいただく。水が見直される時代で、健康に良い水が伊那市にあるとPRになれば」と話した。
命水は、織井代表の自宅敷地内の地下100メートルからくみ上げ、非加熱ろ過充填したもの。05年6月から富県の「いすゞ」のほか、中・北信の大型店、インターネットで販売している。
問い合わせは、「いすゞ」(TEL0265・77・9113)へ。 -
伊那ナイターソフトボール 春季トーナメント決勝
伊那ナイターソフトボール連盟(秋山道夫会長)の「春季トーナメント大会」は16日夜、決勝と3位決定戦の計2試合を伊那市営野球場で行い、アスターが加城を10竏・で破り初優勝した。3位は昨年度優勝のインターフェアだった。
16チームが参加し4月中旬から始まったトーナメント決勝は、いずれが勝っても初優勝となる熱戦となった。アスターは自慢の守備からリズムを作り、小気味よく毎回得点し計10得点。新メンバー加入で打撃力を上げている加城は、4回の3点本塁打などで5点を返したが逆転できなかった。
アスターの滝沢克美監督(45)=駒ケ根市=は「チームが発足して30年だが初めてのタイトル獲得となった。(トーナメントの)一発勝負の緊張感の中で選手たちはよく頑張ってくれた。この勢いでリーグ戦、秋季トーナメント戦を制覇し3冠を手にしたい」と話していた。
結果は次の通り。
##(スコア)
▽決勝
加城
00032=5
2512×=10
アスター
▽3位決定戦
下県フェニックス
00000=0
05400=9
インターフェア
春季トーナメントを制したアスターの選手のみなさん -
信毎上伊那販売店会マレットゴルフ大会
信毎上伊那販売店会のマレットゴルフ大会が15日、伊那市西箕輪の「マレットパークはびろ」であった。上伊那の信濃毎日新聞の販売店に勤める従業員やその家族など約170人が出場した。
同大会は従業員の福利厚生と親睦を兼ね毎年開いており、今年で17回目。天竜、仙丈の両コースを使い、和気あいあいとマレットゴルフを楽しんだ。
大会結果は次の通り(カッコ内は販売店)
(1)唐木美津子(松島 井桁屋)57(2)小林進(竜東 山田)58(3)有賀健一(宮田 中谷)62(4)毛利福美(伊那北部 中川)62(5)大槻松三(伊那 販社)66(6)西沢茂成(竜東 山田)67(7)城取定行(伊那北部 中川)70(8)有賀富昭(伊那 販社)70(9)田中勲(竜東 山田)71(10)平沢晟(竜東 山田)71 -
戸草ダム建設見送り
国土交通省中部地方整備局は伊那市長谷の三峰川上流部に計画していた戸草ダムの建設を見送る方針を明らかにした。今後30年間の河川整備計画の指針となる「天竜川水系河川整備計画」の策定に当たって学識経験者の意見を聞く「天竜川流域委員会」の第5回会議(16日、名古屋市)で説明した。
説明の資料として示した「たたき台(骨子)」の中で、今後の治水目標として挙げた5つの選択肢のうち「現時点での河川管理者の選択」として「河道整備と美和ダム等既設ダムの洪水調節機能強化を行い、戸草ダムの建設を見送る」としている。
治水目標は、50年に一度の大雨で想定される水害を防ぐ目的で設定。堤防かさ上げや河床掘削などの河道整備とともに行う事業として(1)河川の狭い部分の大規模な掘削、または放水路トンネル掘削(2)戸草ダム建設(3)美和ダム等、既設ダムによる洪水調節機能強化竏窒唐ーた。事業費は(1)が400縲・00億円、(2)が1千億円、(3)が300億円。
国土交通省天竜川上流河川事務所はダム建設見送りの理由として、限られた予算の中で早期に効果を出す必要竏窒唐ーる。同事務所の北沢利実副所長は「06年7月豪雨災害が起きたことなどにより、治水安全度向上対策の早急な見直しが必要となっている中で治水、利水、社会情勢などを総合的に判断した結果。ダムでの発電から県が撤退したことで、事業としての優先順位が下がった。財源の問題もある」と説明。その上で「計画は中止ではない。当面先送りするということ。治水の必要性は変わっておらず、基本方針の中では戸草ダムも有力な候補のまま。関係住民の理解が得られるよう努力したい」としている。
整備計画は今年中に策定される予定。住民の意見を聞く河川懇談会は18日に伊那市で、19日に辰野町で開かれる。伊那市など関係市町村長の意見を聞く機会も、早ければ6月中にも開かれる見込み。
戸草ダムは洪水調節などの治水、発電などの利水を目的とする重力式コンクリートダム。三峰川総合開発事業の一環として88年に旧建設省が事業に着手した。建設予定地は伊那市長谷の美和ダムのさらに上流で、完成すれば高さ140メートル、幅300メートル、貯水量6100万トンの大規模ダムとなる。
国内有数の急流河川である三峰川は「暴れ川」と呼ばれ、流域は何度となく洪水の被害を受けてきた。水害を防止しようと59年に美和ダムが完成。戸草ダムは84年に実施計画調査が始まり、89年に「三峰川総合開発事業」として美和ダムの再開発とセットで建設が進められることになった。用地買収も順次進み、ダム建設で水没する長谷地区の住民4世帯が移転した。
01年、利水事業者として事業に参加してきた県は「水需要の伸びが期待できない」「当初計画の単価では売電が困難」などを理由に、ダムの発電と工業用水の使用権を取り下げた。これにより、当初の多目的ダムとしての位置付けは崩れ、建設計画は見直さざるを得ない状況となった。その後、国の経済状況が悪化する一方、大規模工事への風当たりも強くなる中、ダム本体の建設工事に着工されないまま20年が過ぎている。
建設を推進してきた地元伊那市の住民の間からは突然示された方針転換に「寝耳に水」「そんなばかな」など、戸惑いと怒りの声が上がっている。
◆伊那市の小坂樫男市長は「災害はいつ起きるか分からない。住民の安全のために水、土砂をせき止めるダムは必要。地域住民の要望も多い。計画を変更し、規模が小さくても建設してもらいたい。美和ダムの下流はいいとしても、上流の住民のことは考えないのか。住民の安全をどうガードしていくかという視点が欠けている。今まで気配は感じていたが、ここまではっきり言うとは予想していなかった」と困惑顔を見せている。
◆地元住民でつくる三峰川事業総合開発対策協議会長谷地区協議会会長で、旧長谷村の議会議長だった佐藤八十一伊那市議は「美和ダムができて以降も、その上流では災害が何度も起きている。つい一週間ほど前にも建設予定地の近くの船形沢で大規模な崩落が起きたばかり。上流部の地質はもろく、崩れやすい。だからこそ戸草ダムが必要と訴えてきたし、建設を確信しながらやってきた。そもそも国土交通省が造ると言い出したのに、今になって一方的にやめるとは何ごとだ。移転で出た人も気の毒。信頼関係がパーだ」と強い憤りをあらわにしている。
◆旧長谷村の助役だった中山晶計長谷総合支所長は「悲痛な思い。ぜひ撤回してほしい。これまで村を挙げて全員賛成で推進してきた。民有林の買収も99%終わっている。今さら中止では、水没で移転した人をだましたのも同じこと。市全体の問題として建設に向けた対策を考えていかなければならない」。 -
伊那市消防団ポンプ操作法、ラッパ吹奏大会
伊那市消防団08年度ポンプ操法大会・ラッパ吹奏大会が15日、市役所西側駐車場であった。
ポンプ操法はポンプ自動車の部と小型ポンプの部で、消火の基本動作の正確性や敏しょう性、標的を倒すまでの時間など、ラッパ吹奏は吹奏と規律の総合で競った。
ポンプ自動車操法は10チーム、小型ポンプ操法は26チーム、ラッパ吹奏は7チームが出場。訓練の成果を披露した。
優勝チームは7月13日、上伊那大会に出場する。
結果は次の通り。
▽ポンプ車 (1)竜東分団第2部(2)伊那分団第1部(3)三義分団第1部
▽小型ポンプ (1)竜東分団第3部(2)手良分団第1部(3)手良分団第2部(4)美篶分団第2部下大島A班(5)高遠分団第1部
▽ラッパ吹奏 (1)伊那・西箕輪分団(2)河南・長谷分団(3)高遠・三義分団 -
旧庄屋屋敷の現状調査
伊那市富県にある江戸時代末期に建てられた旧庄屋屋敷で14、15日、建物の現状調査があった。「1日も早い応急手当てが必要」で、今後、改修内容や方法を検討。かやぶき屋根は傷みが激しく、ボランティアを募ってふき替えたいと考えている。
旧庄屋屋敷を保存活用し、地域文化の再創生の拠点にしようと、新しい日本を創造するネクストリーダー養成学校NPO法人一新塾(東京都)の21期生有志でつくる地域生活文化道場「伊那庄屋館」プロジェクトチームが本格的に動き出した。10月まで月1回のペースで、イベントを組む。
旧庄屋は築200年で、間口23メートル、奥行き14メートル。市内山寺の埋橋さち子さんが所有し、3年前から空き家になっていた。
第1弾は「古民家の調査実測研修と地元の古老といろりを囲む夕べ」。プロジェクトチームのメンバーや地元住民ら約20人が集まり、建物の現状調査のほか、旧庄屋の歴史を学んだり、タケノコの梅酢づけやセリの漬け物など郷土食を味わったりした。
建物の現状調査は日本民家再生リサイクル協会の協力を得て、間取りや柱の傾きなど図面を引いた。応急措置として、雨もりがする屋根部分には板をはめ込んだ。
プロジェクトリーダーの八木晴之さん=神奈川県=は「古民家の保存だけでなく、伊那谷の文化継承、都市と農村を結ぶ場として地域の活性化につながると思う」と話し、広くスポンサーを募りたいとする。
問い合わせは、八木さん(TEL・ファクス046・633・7464)へ。 -
伊那北高校吹奏楽部の定期演奏会
伊那北高校吹奏楽部(山下祐里奈部長)の第53回定期演奏会が15日、県伊那文化会館大ホールであった=写真。
演奏会は3部構成で、08年度全日本吹奏楽コンクールの課題曲「天馬の道」やヒット映画音楽メドレーなどを演奏。メーンの「翠風(すいふう)の光」は23分間の大曲で、初夏の光景を表現した。
会場に詰めかけた観客は、部員約80人が心を一つにして奏でる音色に聞き入った。
吹奏楽部は1956(昭和31)年に発足。吹奏楽コンクールやアンサンブルコンテスト出場のほか、文化祭や地元の敬老会などで演奏している。 -
住基カードに図書館カード機能搭載へ
上伊那の各公立図書館のカードの機能を住民基本台帳カードに搭載する情報システムの構築事業が本年度中の運用を目標にスタートする。
各種証明書の自動交付や印鑑登録証としての機能を持つ住基カードの独自利用領域に各図書館の利用者登録番号を記憶させることにより、住基カード1枚で上伊那すべての図書館が利用できる。
導入により、住基カードの発行枚数増加が期待できる。利用者側の利点として、各図書館がそれぞれ発行しているカードを住基カード1枚にまとめることで使いやすくなるほか、図書館の職員がカードを受け取ってバーコードを読み取らせる作業がなくなり、所有者がカードを読み取り機にかざすだけで済む竏窒ネどがある。現行の図書館カードもそのまま併用できる。
システム構築には、各自治体とそれぞれの図書館でソフト、ハード両面の整備が必要。事業は上伊那の8市町村で取り組むが、代表自治体として伊那市が主体となって進める。伊那市は6月定例市議会に事業費4500万円を計上した一般会計補正予算案を提出。可決後、システムの整備に着手する計画。
総務省の外郭団体・地方自治情報センターの「住基カードの広域での多目的利用促進事業」に採択されることにより、必要経費のかなりの部分が助成される見通し。 -
震度6強で倒壊、崩壊の恐れ4棟
伊那市は、市内の21小中学校・119棟の建物のうち、震度6強の地震で倒壊、崩壊する恐れがある建物が少なくとも4棟あることを明らかにした。開会中の6月市議会で飯島光豊議員の質問に小坂樫男市長、北原明教育長が答えた。
4棟は伊那小と春富中の各2棟で、いずれも校舎。市が07年度までに一部の小中学校を対象に精密診断を行った結果分かった。市は4棟の耐震工事を08年度から10年度の今後3年間で完了したいとしている。
市は精密診断の前段階として、03縲・6年度に小中学校の全施設を対象に耐震優先度調査を実施。その結果、18校の83棟は何らかの耐震工事が必要であることが分かった。このうち、5段階の耐震化優先度で高い方から2段階までだったのは伊那小、春富中の4棟を含む26棟。今後3年間ですべて耐震化を完了したいとしている。3年とする理由は、国の制度改正で今後3年間に限り、耐震補助金の率が2分の1から3分の2に引き上げられることなどによる。総事業費は約20億円の見込み。本年度の事業として、耐震診断費用約1億円を計上する一般会計補正予算案を今議会最終日の26日に追加提案する予定。
このほかの市内全小中学校の施設については、精密診断をした上で、合併特例債の期限である15年までに耐震化を完了させたいとしている。これまでの、今後10年間で終えたい竏窒ニしていた見解から約3年完了時期が早まることになる。この間の総事業費は概算で約40億円。
小坂市長は「市の耐震化が遅れていることは事実。災害時の避難所となる体育館を優先したいと考えてきたが、児童、生徒の安全の観点から、今後は校舎も含めて優先度の高い順に耐震化を進めていきたい」として、体育館優先にこだわらない考えを示した。
小中学校の耐震化率が30・25%と、ほかの自治体に比べて低いレベルにとどまっている理由について市は、81年の建築基準法改正で耐震基準が厳しくなる前の昭和40年代縲・0年代にかけ、集中的に校舎などの改築を行った影響が今になって現れているため竏窒ニ説明している。
市は、7月に製品化されるという、緊急地震速報を小中学校の校内で放送できるシステムを8月にも設置したいとする考えを併せて示した。 -
みすゞ創刊700号の節目祝う
伊那谷を中心とする俳句雑誌「みすゞ」の創刊700号記念大会が15日、伊那市であった。会員ら約180人が出席。創刊から62年目の大きな節目を喜び合った。
城取信平主宰は「『みすゞ』は戦争が終わった8カ月後に誕生した。会費が集まらず、会員も定着せず、苦難の連続であったが、会員の協力で昭和40年代以降は安定した運営ができるようになった。この中に時代の文化を感じる」と歩みを振り返り「これからもお互いに信頼し、800号を目指して頑張りましょう」とあいさつした。
そのあと、会員・千曲山人さんの記念講演「一茶俳句の風土性・民衆性と反骨」やバイオリン演奏などがあった。
県内で最も古い俳句雑誌という「みすゞ」は1946(昭和21)年の創刊。本年6月号で700号を数えた。年3回しか発行できない年もあったが、昭和40年代以降は月1回の定期発行で、「みすゞ」の50号ごとに「みすゞ句集」をまとめている。会員は県内をはじめ、東京都、京都府、埼玉県など約500人。うち当初会員は3人いる。70歳以上が60%以上を占め、若い世代を獲得していきたいという。 -
“バラの咲く街通り町”
第1回通り町バラ祭り始まる伊那市の通り町商店街で13日、“バラの咲く街通り町”の第1回通り町バラ祭りが始まった。通り町とセントラルパークに約120本のバラがあり、道行く人の目を楽しませている。
4年前、バラ好きが集まり「通り町バラ愛好会」を発足。12軒が参加し、栽培方法を教え合い、共同で作業などをしてきた。きれいな花が咲くようになり、商店街の客とバラの花を通じて会話が増えたことから、「バラを見て、歩いて、楽しんでもらえる街にしよう」と、通り町商店街振興組合、アルプスバラ会の協力を得て、バラの咲く街実行委員会(中村弘人代表)を立ち上げ、初の祭りを計画した。愛好会では「店先に出て手入れをしていると会話が生まれる。ほめてもらうと励みになる」という。
特別企画で「バラづくり入門教室」を15日午後1時に開く。アルプスバラ会代表の春日千定さんが指導する。参加無料、予約不要でセントラルパークに集合する。協賛店で買い物をした人にバラ苗プレゼントもある(数に限り有り)。祭りは25日まで。 -
KOA感謝祭
KOA(向山孝一社長)は14日、1年間の活動を報告する地域社会報告会と日ごろの感謝の気持ちを地域に伝える感謝祭を箕輪町のKOAパインパークで開いた。向山社長がKOAの原点や理念などについて語ったほか、社員が手づくりの屋台を並べて、訪れた人を温かくもてなした。
向山社長はKOAの主体として「株主様」「お客様」「社員、家族」「地域社会」「地球」の5つを挙げ「互いの信頼関係を築いていくことが経営の使命」と話した。人間社会の今後のあり方については「持続可能な発展をしていくためには、人類が限界点にいる今こそ、大きな意識改革が必要だ」と述べた。
この1年のKOAの活動として、社員と家族の健康づくりと環境への取り組みを挙げ、KOAの呼び掛けで始まったリサイクルシステム研究会が諏訪湖・天竜川水系の健康診断を10年間継続した結果としてデータブックをまとめたことや、オフィス用コピー用紙の循環システムが順調に展開していることなどを報告した。
マツが生い茂る広い敷地内には社員手づくりの五平もち、そば、ローメン、焼き鳥、菓子などのほか、電子工作、木工教室、バザーなど約20の屋台がずらりと立ち並び、家族連れで訪れた人たちが食事やゲームなどを楽しんだ。
特設ステージでは伊那市の歌舞劇団「田楽座」の踊りや芸、社員でつくるバンド「KOMS」(コムス)の演奏などが披露され、会場の雰囲気を盛り上げた。 -
親育て講演会
伊那市は14日、子育て中の親などを対象にした「親育て講演会」を市役所で開いた。20縲・0歳代の若い父親と母親約100人が集まり、市内公民館の親育て講座で講師を務める親業インストラクターの小椋佐代里さん=富県=の講演「心のかよいあうコミュニケーションとは…その2〈話し方〉」を聴いた。
小椋さんは、多くの人は親の役割の果たし方=親業について教えられないまま子育てをしているが、子どもとのコミュニケーションをうまく取るための方法をきちんと学んで練習する必要がある竏窒ニ強調。一例として朝、子どもを起こしてもなかなか起きてこないケースを挙げ、「『何回言っても起きない』と頭ごなしにしかるのではなく、自分の気持ちをそのまま伝え、その理由もよく分かるように話すことが大切。それが子ども自身に考えさせ、決めさせ、行動させることにつながる」と話した。
小椋さんは2月に「その1」として「聞き方」について講演している。 -
伊那まつりに提言
第36回伊那まつりの実施に向けて「伊那まつりやる気会議」(小池真一座長)は12日、伊那まつり実行委員会(丸山敞一郎実行委員長)に「高齢者にも市民踊りを長時間楽しんでもらうため、専用の観覧席設置を」「会場周辺の交通渋滞緩和のため、シャトルバスの運行を」など、16項目にわたる提言を提出した。小池座長は「市民の意見を取り入れることで祭りがさらに活性化し、発展してほしい」としている。丸山実行委員長は「内容を見て祭りに生かしたい」と述べた。
やる気会議は5月縲・月にかけて3回の会議を開き、祭りの活性化対策について議論。昨年の反省などに基づいて提言をまとめた。
主な提言は次の通り。
◆市民おどり▼参加連の増加に対応したコースの変更▼高遠町、長谷への参加呼び掛け▼新宿連の受け入れ▼高齢者用の観覧席設置◆あんどん▼大あんどん修理補修◆おまつり広場▼ローメン横丁への誘客▼ゴミレンジャーの活用◆いなっせ▼いなっせでの文化祭開催◆バスの活用▼循環バスの利用促進▼シャトルバスの運行◆アンケートの実施 -
花の苗無料配布
市内花いっぱい運動の一環として、伊那市振興公社(白鳥孝理事長)は13日「夏を彩る花」の苗を市民に無料配布した。配布した苗は例年と同じサルビア、マリーゴールドのほか、今年加えたペチュニアの3種類。西町のウエストスポーツパーク管理センター前の会場には100人近くの人が行列をつくり、苗を手渡されると大切そうに袋や箱に入れて持ち帰った。
列の先頭に並んだ竹松利文さん(66)=富県北福地=は「30分前に並んだ。3年前からもらいに来ているが、毎年楽しみにしている。苗は庭に植えて大事に育てたい」と話した。
苗は振興公社の職員が種から育て、約千人分を用意した。配布は88年から毎年行われている。
配布は14日も午後1時からウエストスポーツパーク管理センター(旧市勤労者福祉センター)東側駐車場である。対象は伊那市民のみ。種類は13日と同様で、約500人分を用意するが、なくなり次第終了となる。問い合わせは同公社(TEL78・5010)へ。