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最低気温氷点下3度 野沢菜の収穫体験
11月30日の伊那地域は午前4時23分に今季最低の氷点下3度を記録し、本格的な冬の寒さが訪れています。
12月中旬並みの寒さの中、伊那市長谷の長谷中学校の畑では、野沢菜の収穫が行われました。
農業初心者を対象にした、農ある暮らし学び塾の実技編で、この日は、伊那市や南箕輪村などから4人が参加しました。
講師をつとめたのは、前の長谷中学校校長で、地域コーディネーターの高木幸伸さんです。
長野地方気象台によると、向こう1週間の気温は、平年並みと予想しています。 -
長谷駐在所 落成式
伊那市長谷に建て替えられた長谷駐在所の落成式が29日、行われました。
駐在所は、老朽化に伴い建設されたものです。
新しい駐在所は長谷公民館東側にあり、9月30日に完成し、先月16日から業務が始まっています。
木造2階建てで、敷地面積はおよそ420平方メートル、建物には県内産の杉が使われています。
コミュニティスペースを設け、相談や少人数の会議にも利用可能な間取りとなっています。
29日は、現地で落成式が行われ市や長谷地区の交通安全協会など30人が出席しました。
式の中で、表札の製作に協力した伊那市高遠町の北原秀樹さんに感謝状が贈られました。
駐在所の高橋義樹所員は「地元のみなさんの安全安心な暮らしを守るためさらに職務に邁進したい」と話していました。
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古代小麦を使った料理教室 開催
アレルギーが起こりにくいとされる古代小麦と雑穀を使った料理教室が、伊那市長谷の、気の里ヘルスセンター栃の木で14日、開かれました。
この日は市内外から29人が集まり、アレルギーが起こりにくいとされる古代小麦の1つ「スペルト小麦」を使ったパンなどを作りました。
講師は京都府で雑穀専門のパン屋のオーナーをしている、弘岡桂子さんです。
弘岡さんによると、現在流通している小麦は、品質改良により、アレルギー反応が起こりやすくなっているということです。
一方で、古代小麦はグルテンが少なく、アレルギーが起こりにくいということです。
参加者の中にはパン作りが初めての人も多くいましたが、楽しみながら作業している様子でした。
教室ではスペルト小麦を入れたスープやサラダも作りました。
毎年秋に開かれているこの雑穀料理教室は今年で13回目になります。
伊那市は教室をきっかけに長谷で栽培されている雑穀を広め、地域活性化に繋げていきたいとしています。
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「遠隔医療」実証へ 車両を公開
伊那市が、MONET Technologies株式会社と今年度から来年度にかけ行う、遠隔医療の実証実験で使用される車両が26日、東京都内でお披露目されました。
写真の車両が公開された、伊那市の遠隔医療の実証実験で使用される移動診察車です。
この日は東京都内で関連企業の戦略発表会が開かれ、その場で車両が発表されました。
トヨタ自動車とソフトバンクの共同出資会社、 MONET Technologies株式会社と伊那市は、医療に特化した遠隔サービス「モバイルクリニック」の実証を行い、実用に向け連携・協力していくための協定を今年5月に結びました。
発表された車両を活用し、今年度から来年度にかけて伊那市で実証実験を行います。
伊那市では、12月12日にMONETとモバイルクリニック分野で提携する医療機器大手の株式会社フィリップス・ジャパンとも連携協定を締結する予定です。
伊那市の白鳥孝市長はこの日の戦略発表会に出席し「自宅にいながらにして医薬のサービスが受けられる環境を構築し、将来的には社会的課題にもなっている医師不足や医療を受ける機会の確保など、医療側と患者側の両面から貢献できるものと考える」とコメントを発表しています。 -
宿泊施設「入野谷」 11月末で当分の間休止に
伊那市観光株式会社が運営する長谷の宿泊施設入野谷について市は、「11月末を持って当分の間休止する」ことを明らかにしました。
25日は、市議会全員協議会が開かれ、市から説明がありました。
入野谷は、合併前の旧長谷村が平成10年に建設しました。
鉄筋2階建てで、シングルルーム19室など合わせて32室があります。
分杭峠のゼロ磁場ブームだったおよそ10年前のピーク時には、年間3万4,000人の利用がありましたが、右肩下がりに減少し昨年度は1万6,000人でした。
これに伴い営業利益も赤字が続き、昨年度は特に利用客の少ない冬期の4か月間を休業しましたが、1,700万円の赤字となっています。
年間で3万5,000人前後の利用者がなければ黒字化しないと考えられることから、市は今月末を持って当分の間の休止を決めました。
休止期間について市は、「長く放置しておけばその分建物が傷んでしまう。向う1年間を目途に、廃止も含め検討していきたい」と話しました。
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幻のそば 提供はじまる
幻のそばと呼ばれる入野谷在来そばの販売が伊那市内のそば店で22日から始まりました。
味わった人達からは、香りが強く味が濃いと好評です。
伊那市高遠町のそば店壱刻です。
販売開始の午前11時から多くの人が訪れ入野谷在来そばを味わっていました。
壱刻では、もりそばが1人前1,200円で提供されました。
入野谷在来種は、戦時中まで伊那市の高遠町、長谷地域にまたがる入野谷郷の各家庭で栽培されていましたが、終戦後の食糧難で収穫量の多い品種へと移り変わり消えていきました。
信州そば発祥の地伊那そば振興会のメンバーが在来種が残っていないか探していたところ2014年に塩尻市の長野県野菜花卉試験場でみつかりました。
伊那そば振興会や信州大学・行政などが協力して長谷の圃場で徐々に種を増やしました。
初めて収穫した2016年は18キロでしたが、圃場面積を広げるなどして今年は、503キロを収穫しました。
22日は販売開始を前に、高遠閣でセレモニーが行われました。
出席者にそばが振舞われ香りや風味を楽しんでいました。
幻のそば、入野谷在来そばは、今日から伊那市内のそば店6店舗でそれぞれ350食限定で販売されます。
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伊那市ICT教育 公開授業
伊那市のICT教育の活用推進などを目的にした公開授業が19日、伊那市内の小中学校で行われました。
この日は、美篶小学校、伊那西小学校、春富中学校で公開授業が行われました。
このうち美篶小では、県内から訪れた学校教諭や大学生、およそ100人が見学しました。
3年2組では、地域の小売店を取材した情報を、タブレット端末でまとめました。
授業では、取材で聞いた情報を入力したり、撮影した写真を貼り付けたりしていました。
伊那市では、平成29年度から小中学校へのICT機器導入を進めていて、今年度、21校すべてに導入されました。
公開授業は、伊那市のICT教育を知ってもらうとともに、教諭のスキルアップを図ろうと去年から行われています。
見学した教諭を目指す学生は「児童同士の意見交換が活発になっている気がする。児童が意見を出しやすい活用について今後学んでいきたい」と話していました。
伊那市では、ICT教育の伊那市版カリキュラムの作成も進めていて、年内の完成を目指しているということです。 -
伊那市中学生キャリアフェス
伊那市内の中学2年生650人全員が、地域について知り、大人とふれあい、未来を考えるキャリアフェスが、14日、エレコム・ロジテックアリーナ・伊那市民体育館で開かれました。
キャリアフェスには、市内の6つの中学校の2年生全員650人が参加しました。
体育館には、105の企業や事業所が出展し、自社の仕事や、その魅力について紹介していました。
キャリアフェスは、4年前に経済団体や教育関係者で作る郷土愛プロジェクトが初めて伊那中学校で開きました。
市内全ての中学生に体験してもらおうと、去年から、中学2年生全員を対象に開催されています。
中学生は、事前に興味のあるブースを下調べしていて、美容室や製造業のブースなどに並び、仕事を体験していました。
伊那ケーブルテレビもブースを出し、中学生がカメラの前でリポートを体験していました。
このイベントは、中学生に地域の魅力を知り、愛着やほこりを持ってもらうことも目的としていて、オープニングでは地域に伝わる伝統芸能なども披露されました。
市内6校から2名ずつが参加する実行委員会が、これらのイベントを企画していて今年3月から準備を進めてきたということです。
中学生が主役の地域を知るお祭りという位置づけもあり、会場は、中学生の熱気で盛り上がっていました。
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長谷 今年も学校給食甲子園へ
12月7日と8日に東京都で開かれる第14回全国学校給食甲子園に、去年に続き伊那市長谷の長谷学校給食共同調理場が出場します。
こちらが、給食甲子園にエントリーしている献立です。
豚肉大葉の元気みそ巻き、干し野菜と手作りこんにゃくの甘辛和え、長谷汁、ごはんです。
6日は、長谷中学校の給食で大会にエントリーする献立が提供されました。
メニューには長谷でとれた野菜が使われています。
「豚肉大葉の元気みそ巻き」は、米麹で味付けした長いもを大葉と豚肉で巻いてオーブンで焼いています。
「干し野菜と手作りこんにゃくの甘辛和え」は、干しニンジンや干し大根、小松菜などの野菜に雑穀アマランサスとしょうがの搾り汁を加えています。
長谷汁には、生徒が育てたネギと大根の葉の他に、里芋やかぼちゃなどの野菜が使われていて、隠し味に長谷中生が作ったラー油が使われています。
この日は使われませんでしたが、本番は地元のホロホロ鳥も使われるということです。
長谷中と長谷小の給食を作っている長谷学校給食共同調理場は去年も全国大会に出場していて、成績は優秀賞でした。
大会には、栄養教諭の原真理子さん、調理士の中尾志津香さん、柿木美幸さんの3人が出場します。
今年は全国1,447校から応募があり、長谷学校給食共同調理場は、甲信越北陸ブロックの代表に選ばれ決勝大会に進むことになりました。
第14回全国学校給食甲子園は、12月7日と8日に東京都で開かれます。
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伊那市地方創生事業 6割「順調」
伊那市で行われているおよそ90の地方創生事業のうち、移住した人の数など6割が目標数値に達し、順調に進んでいることが報告されました。
5日は、事業の方向性を検討する審議会の新たな委員15人に委嘱書が手渡されたほか、会長に上伊那森林組合の原武志専務理事が選ばれました。
来年度から5年間の新たな地方創生総合戦略を検討する会議で、この日は、これまでの5年間の実績が報告されました。
平成27年度からの5年間で市が行った地方創生事業は全部で92事業となっています。
空き家バンク事業による定住者数が、年間目標15世帯に対して44世帯。伊那市へのお試し宿泊体験者数が年間目標30人に対して102人など、53事業、およそ6割が「順調」「概ね順調」となっています。
一方で、観光消費額が目標40億円に対して30億円、UIターンによる新規起業者の数が目標3人に対して1人など、28事業、およそ3割が「努力を要する」となっています。
白鳥孝市長は「これまでの取り組みに基づいて、関係人口の拡大や創出などを目指して検討を進めてほしい」と話していました。
審議会では、2020年2月頃までに来年度から5年間の地方創生総合戦略の素案をまとめ、パブリックコメントを実施した上で3月末までに決定する予定です。 -
長谷保育園で子ども達が鉋削りを体験
伊那市長谷の住民有志などは、木材から鉋くずができるまでの一連の作業を園児に体験してもらおうと、21日に、長谷保育園を訪れました。
21日は、地元長谷で建築会社を営む久保田敏文さんから園児が鉋の使い方を教わりました。
保育園では、今年5月に開かれた鉋がけの薄削り技術を競う全国大会「削ろう会」で出た鉋くずを譲りうけました。
鉋くずで遊んでいた園児たちは「これがどうやってできるのか」疑問を持ったということです。
保育園から相談を受けた上伊那地域振興局と地元有志でつくる溝口区里山整備利用推進協議会は、園児の疑問を解決するため久保田さんを紹介したものです。
園児たちは、削りたてのヒノキの香りや感触を楽しんでいました。
長谷保育園では、「見るだけでなく、匂いや音など五感を使って体験することができありがたいです」と感謝していました。 -
台風19号で南ア結ぶ市道崩落
12日に最接近した台風19号の影響で、伊那市長谷を流れる黒川流域では道路が崩落するなどの被害があり、南アルプス北沢峠へと向かう市道が通行止めになりました。
この影響で、南アルプス林道バスは今季の営業を1か月早く終了することになりました。
黒川にかかる戸台大橋から300メートルほど下流の市道黒河内線の路肩が崩落しました。
伊那市では道路を通行止めにして復旧作業を行うことにしていますが、年度内の復旧は難しいということです。
15日に開かれた伊那市の定例記者会見で白鳥孝市長が説明しました。
白鳥市長は「今の道路の状況ではバスの運行を終了せざるを得ない。45メートルの幅と川から少し高いところにある条件でなかなかすぐにはできないが、国に依頼し来春から利用できるようにしたい」と話していました。
この影響で、仙流荘から北沢峠を結ぶ南アルプス林道バスは、11月中旬までの営業を予定していましたが、1か月早く終了することになりました。
伊那建設事務所によりますと、南アルプス北沢峠にある観測所では、11日午後10時から12日午後10時までの24時間の降水量が600ミリに達したということです。
バスの終了に伴い、10月下旬までを予定していた南アルプスの山小屋の営業もすべて終了することになりました。
また、伊那市長谷の鹿嶺高原へとつながる市道鹿嶺線でも土砂流出や路肩崩落があり、鹿嶺高原キャンプ場も今季の営業を終了することになりました。 -
伊那谷の味を高級ラーメンで
伊那谷で獲れた自然の恵みをふんだんに使った1杯2,000円のラーメン「南アルプス中華そば」が8日、東京銀座NAGANOで販売されました。
伊那市で獲れた鹿の肉や、上伊那産の小麦「ハナマンテン」とそば粉を使った麺で仕上げたラーメン、野菜やキノコをワンプレートにして添えた「南アルプス中華そば」です。
価格は1杯2,000円、100食限定で販売されました。 -
伊那バス 100周年感謝で寄付
15日で創業100周年を迎える伊那市の伊那バス株式会社は、地域への感謝を込めて上下伊那の10市町村に総額180万円を寄付しました。
8日は藤澤洋二社長ら3人が各市町村をまわりました。
伊那市役所では、白鳥孝市長に寄付金50万円を手渡しました。
伊那バスは、大正8年、1919年の10月15日に創業しました。
開業当初は、6人乗りの乗り合いバス3台で、伊那町から高遠町までの9キロを運行しました。
その後貸し切りバスや高速バス、タクシー事業や観光事業などを開始し、10月15日には100周年を迎えます。
白鳥市長は、伊那バスの100周年を記念して作られた冊子を見ながら、説明を受けていました。
藤澤社長は「地域のみなさんのおかげで100周年を迎えることができた。これからもみなさんのお役に立てるよう頑張っていきたい」と話していました。
伊那バスは伊那市の他、上伊那7市町村と大鹿村、松川町にも寄付金を手渡したということです。 -
文化祭シーズン 学習の成果を発表
伊那市、箕輪町、南箕輪村のすべての中学校で27日文化祭が行われ、生徒たちが日々の学習の成果を発表しました。
このうち今年で50回となる南箕輪村の南箕輪中学校「若竹祭」のテーマは「全力」です。
27日は全校生徒が集まり、意見発表や学習発表が行われました。
このうち科学技術クラブは、静電気の実験を行いました。
金属のバケツに静電気を貯め、数人で輪になって電気が通るのを体験する内容です。
全校制作は、集めたボトルキャップ約2000個を使ったアートです。
展示後はリサイクル業者に引き取ってもらい収益金を東日本大震災の被災地、宮城県の志津川中学校に贈るということです。
28日は音楽会や一般公開が行われます。
また、伊那市の長谷中学校文化祭「くろゆり祭」は「SHINE」をテーマに行われました。
27日は地域住民も参加してミニ運動会が開かれました。
車いすにのったお年寄りも一緒に楽しめるよう、生徒が声をかけていました。
箱からひもを出して結んでいく競技では、生徒と住民が二人一組で行いました。
長谷中学校では毎月「長谷の縁側」として地域住民と交流していて、ミニ運動会も地域を元気にしようと開かれました。
28日は学習発表や、音楽会が開かれます。
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やまとわが地元産の松で経木販売へ
伊那市西箕輪の木工業、株式会社やまとわは、伊那市の協力のもとアカマツのブランド化を目指して、伊那産アカマツを使った経木の販売を来年の1月から始めます。
24日に伊那市役所で開かれた記者会見で白鳥孝市長とやまとわの中村博代表が事業の概要を説明しました。
経木は、食材の包装などに使われてきたものです。
ビニールの普及により衰退し、現在全国で経木を作る工場は5つしかないということです。
ビニール袋の使用を減らす動きが活発になってきていることから経木に注目しました。
中村代表は「日本だけでなく世界にも発信していけるものだと思う。新しく挑戦していけることにワクワクしている」と話していました。
伊那市の私有林のうち2割を占めるものの、松枯れの被害に遭っているアカマツを有効活用し、ブランド化していこうと伊那市がやまとわに話をもちかけ実現しました。
来年の1月から、やまとわが本格的に販売をしていく計画で、すでに県内の納豆メーカーから問い合わせが来ているということです。年間10万枚の生産を目指します。
経木の製造はラインでは難しく、現在全国でも行っている工場はないということですが、今後は地元製造業などと連携して大量生産も検討していくということです。 -
台殿防災計画策定へ ワークショップ
伊那市で初めての地区単位での防災計画策定に向け、伊那市高遠町台殿で3回目となるワークショップが、5日夜に行われました。
この日は台殿地区の住民30人ほどが台殿公民館に集まりました。
兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科の阪本真由美准教授が講師を務め、自分たちの生活と照らし合わせた災害時の行動を確認しました。
参加者は、午後3時に大雨警報、午後5時に避難所開設、午後7時に避難勧告が出されたとの想定で、自分がどのような行動をとるのか確認していました。
その後、災害の想定に合わせて地区としてどのような行動をとるか考えていました。
阪本真由美准教授は「行政が出している情報がすべての地区のみなさんにあてはまるわけではない。その地区のみなさんが集めた情報や判断がまず一番」と話していました。
自主防災組織の北原隆一会長は「みんなで話し合い、意見をまとめて防災計画にしていきたい」と話していました。
年内を目処に方向性をまとめる予定で、台殿区では、来年の防災訓練などで策定した防災計画に沿った動きを確認したいとしています。
台殿区は市の防災モデル地区に指定されていて、伊那市では「ほかの地域にも、こうした取り組みを広げていきたい」としています。 -
協力隊「アクティビティガール」に松元さん
伊那市は、女性をターゲットに、自然を活用した観光に力を入れていこうと、新たに1人の地域おこし協力隊を任命しました。
新たに地域おこし協力隊に任命されたのは、鹿児島県出身の松元麻希さん34歳です。
9月2日に伊那市役所で委嘱式が行われ、白鳥孝市長から委嘱書が手渡されました。
松元さんは山岳雑誌の出版社に勤めていた経験があり、南アルプスなどにもよく来ていたということです。
伊那市では、女性目線での山岳観光やアウトドアを通じた地域の魅力発信する「アクティビティガール」として松元さんを協力隊に任命しました。
松元さんは「自然好きな人にはたまらない自然があるのが伊那市。女性目線で発信していきたいです」と話していました。
白鳥市長は「得意とするアウトドアを、女性の視点から盛り上げていってもらいたい」と話していました。
松元さんの任期は、9月1日から1年更新で、最長で2022年9月1日までの3年間となっています。 -
伊那市で「農福連携」の輪広がる
就労支援施設に通所する障害者の働く場所の創出と、農業従事者の人手不足の、両者の問題を解消するために、伊那市内では農業と福祉を結びつけた「農福連携」の輪が広がっています。
伊那市西町にある松本農園では、多機能型事業所輪っこはうす・コスモスの家の利用者が草取りなどの作業をしていました。
利用者は5月から週に2回、1日に2時間ほどのペースで作業をしています。
先週から、機械を使った作業も行っています。
作業をした施設利用者は「ちょっと大変」「健康のためにもなると思って前向きにやっています」と話していました。
支援員の野溝直樹さんは「一生懸命やっているし、何も言わなければずっと黙々とやっている。とてもいい体験になっていると思います」と話していました。
松本農園では、松本竜司さん、美保さん夫妻がブロッコリーやアスパラガス、ズッキーニなどを、市内のおよそ200アールの圃場で栽培しています。
農繁期には人手が足りなくなることから、農福連携に協力することにしました。
妻の美保さんは「明るく作業をしてくれるので、みんなで楽しくやっています。忙しい時期には一気に草取りなどできるので助かっています」と話していました。
農福連携は、就労支援施設の利用者の働く場所の創出と工賃アップ、農業従事者の人手不足解決のために、伊那市が去年から積極的に取り組みを進めています。
障害者事業所の支援などを行う長野県セルプセンター協議会の地域連携促進コーディネーターが事業所と農家を結びつけていて、現在、市内3つの事業所と4つの農家が連携しています。
コーディネーターの赤羽紀昭さんは「この取り組みが伊那市でもっと広がっていけば、上伊那にも広げていけると思う」と話していました。
県セルプセンター協議会では「農業と福祉の分野が協力することで、施設利用者の可能性が広がっていってほしい」と話していました。 -
南アルプスで77歳の男性行方不明
先月26日に南アルプスに入山した千葉県の77歳の男性が、下山予定日の30日を過ぎても下山せず、現在も連絡が取れていない状況です。
伊那署の発表によりますと、行方不明となっているのは千葉県鎌ケ谷市の無職 髙橋陞一郎さん77歳です。
髙橋さんは先月26日に南アルプス塩見岳に向けて入山し、下山予定日の30日を過ぎても下山せず連絡がとれないことから、家族が警察に届け出たということです。
警察では17日県警ヘリによる捜索を予定していましたが、天候が悪かったため、行えませんでした。
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キャリアフェスに向け本格始動
伊那市内の中学2年生が、地域の仕事や人と触れ合い、将来について考える「伊那市中学生キャリアフェス2019」が11月に開催されます。
夏休みを利用して、30日から実行委員の合宿が始まりました。
この日から2日間の日程で、市内6校の実行委員の中学2年生、12人が合宿を行っています。
中学生は、画用紙に漢字1文字を書き、キャリアフェスに向けた意気込みなどを発表しました。
『陽』と書いた生徒は「太陽のように明るく、2日間過ごしたい」、『早』と書いた生徒は「行動を早くして、みんなが楽しめるフェスを企画したい」と発表しました。
キャリアフェスは、中学2年生を対象に、地域の仕事や人と触れ合い、将来について考えてもらおうと開催されています。
去年は中学生650人、企業など94団体が参加しました。
運営は実行委員の中学生が行い、大人の委員はその意見を尊重します。
夏休みを利用した合宿で、委員長の選出やキャリアフェスの方向性などを決めます。
初日のきょうは、自発的に意見が出せる雰囲気づくりに向け、ゲームで交流を深めました。
実行委員の生徒は「実行委員だけでなく、中学生全員が楽しめるフェスにしたい」「盛り上がるけど、勉強になる、ためになるフェスにしたい」と話していました。
大人で参加しているある委員は「子ども達の発想で、大人たちと化学反応して楽しい企画になればうれしい」と話していました。
「伊那市中学生キャリアフェス2019」は、11月14日に伊那市民体育館で開催される予定です。 -
福島の親子らが伊那谷を満喫
東日本大震災の原発事故の影響により、外で十分に遊べない子どもたちに自然とふれあってもらおうと、「伊那谷親子リフレッシュプロジェクト」が伊那市長谷で開かれています。
プロジェクトには福島県南相馬市在住の親子21人が参加しました。
27日は野菜の収穫や、おやきを手作りし、上伊那産の野菜が入った出来立てのおやきを味わっていました。
このプロジェクトは、震災による放射能汚染の影響により、外で十分に遊べない福島の子どもたちに自然を楽しんでもらおうという企画です。
上伊那の住民有志で作るボランティアが2013年から毎年企画していて、今年で7回目になります。
今年は25日から28日までの3泊4日の日程で、28日は川遊びなどを楽しむ予定です。 -
全県に夏期食中毒注意報発令
長野県はこの夏初めての夏期食中毒注意報を、25日から27日までの3日間、全県に発令
しました。
長野県では、気温・湿度ともに高い日が続いていて、食中毒の原因となる細菌が非常に増えやすくなっているとして、注意を呼びかけています。
食中毒防止のポイントとして、トイレの後や調理前の手洗いの徹底、食材の冷蔵庫や冷凍庫での保管や、充分に火を通して食べることを挙げています。
なお県内では今年度25日現在で、5件242人の食中毒が発生しています。
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大暑 30度超え真夏日
23日は、二十四節気のひとつ、大暑です。
一年で最も暑い頃とされています。
23日の伊那地域の日中の最高気温は午後3時39分現在32.1度を記録し、平年を3度上回りました。
長野地方気象台によりますと、この先一週間は晴れの日が続き、最高気温は平年並みの30度前後になるということです。
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幻のそば入野谷在来種 種まき
信州そば発祥の地伊那そば振興会は23日、伊那市長谷浦のほ場で、幻のそば「入野谷在来種」の種まきを行いました。
この日は伊那そば振興会や信州大学などの関係者10人ほどが、8アールのほ場に、手押しの機械を使って入野谷在来種の種をまきました。
入野谷在来種は、一般的なそばの実よりも小粒で、打ったそばは香りが豊かなのが特徴です。
入野谷在来種は、戦時中まで伊那市の高遠町長谷地域にまたがる入野谷郷の各家庭で栽培されていましたが、終戦後の食糧難で収穫量の多い品種へと移り変わり、消えていきました。
伊那そば振興会のメンバーが在来種が残っていないか探していたところ、6年前に塩尻市の長野県野菜花卉試験場で見つかりました。
伊那そば振興会が4年前から浦のほ場で種をまき、徐々に種の数を増やしてきました。
9月中旬に80キロのそばの実の収穫を予定しています。
11月には高遠町内のそば店で初めて一般に提供したいとしています。 -
遭対協が岩場で遭難救助訓練
本格的な夏山シーズンを前に岩場での遭難を想定した山岳遭難救助訓練が12日伊那市長谷で行われました。
訓練は伊那市長谷の南アルプス林道バス、ルート沿いにある鷹岩と呼ばれる岩場で行われました。
参加したのは伊那警察署山岳高原パトロール隊員8人と南アルプス北部地区山岳遭難防止対策協会救助隊員14人です。
伊那警察署山岳高原パトロール隊員はロープの結びかたについて
遭対協の隊員から指導を受けていました。
遭対協の隊員はロープを使って岩場を登り下りしながら救助の手順を確認していました。
遭対協によりますと昨年度の南アルプス北部の山岳遭難事故は発生件数が8件で前の年度と比べて3件の増加でした。
内訳は死亡が1人、行方不明が1人、負傷が4人で自力で下山した人が2人だったということです。
12日の訓練には長年、遭対協の隊長を務め現在は名誉隊長の西村和美さんの姿もありました。
南アルプス北部地区山岳遭難防止対策協会では独自の訓練のほか
県遭対協主催の冬山での訓練などにも参加し救助技術の向上に努めていくとしています。
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長谷中生徒 とうがらし学ぶ
八房唐辛子を育て、手作りラー油を販売している、伊那市の長谷中学校の2年生が11日、信州大学農学部の唐辛子博士こと、松島憲一准教授の授業を受けました。
始めに、5月に植えた唐辛子の苗の成長を、松島准教授に見てもらい、生徒たちは葉にしわが
あるところは害虫や栄養不足の恐れがあるとの指摘を受けました。
教室での授業では、「唐辛子を長谷に根付かせるためには、食文化となることが大切です」と話しました。
また、唐辛子の形などに関する生徒からの素朴な疑問にユーモアを交えて答えながら、唐辛子の
多様な種類などについても話しました。
長谷中学校では、3年ほど前から八房とがらしを育てていて、手作りラー油「長谷の太陽」を
販売して地域をPRしています。 -
出口さん自然栽培について講演
有機・自然栽培を中心に農業を学ぶ「南アルプス農ある暮らし学び塾」が28日伊那市長谷の気の里ヘルスセンター栃の木で開かれ、長谷で米の自然栽培に取り組む出口友洋さんが取り組みを紹介しました。
講座では、株式会社Wakka Japan社長の出口さんが、自身の取り組みを紹介しました。
出口さんは伊那市長谷の耕作放棄地になっていた田んぼで、海外向けに農薬や有機肥料を使わない自然栽培で米を育てています。
出口さんによると長野県は収量が多く品質の良い米がとれること、また長谷は冷涼な気候と南アルプスからの水源が豊富なことなどから自然栽培に適しているということです。
出口さんは「輸出を軸にした米作りを進めると同時に、中山間地の課題を解決していくような新しいモデルを構築していきたい」と話していました。
農ある暮らし学び塾は、伊那市や信州大学などでつくる南アルプス山麓地域振興プロジェクト推進協議会が開いています。
講座にはおよそ25人が参加し話に耳を傾けていました。
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伊那まちアルプス直行便 13日から運行開始
JR伊那市駅前から南アルプスや中央アルプスの登山口までを
結ぶ「伊那まちアルプス直行便」の運行が13日から始まります。
伊那市の飲食店主や山岳関係者などでつくる一般社団法人アスタルプロジェクトが1日市内で記者会見を開き概要を説明しました。
伊那まちアルプス直行便は南アルプス便と中央アルプス便があり
運行は今月13日から10月5日までの土日祝日で予約制となっています。
南アルプス便はJR伊那市駅前ロータリーを午前4時40分に出発し林道バスと接続する仙流荘に午前5時15分に到着します。
利用料金は1人2000円です。
中央アルプス便は午前7時30分に出発し桂小場登山口に午前8時に到着します。
料金は1000円です。
伊那まちアルプス直行便の予約はいずれも白川タクシー72-2151です。
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50年先の伊那へ ミズナラ植樹
伊那市50年の森林づくり2019植樹祭が伊那市長谷の鹿嶺高原で5日に行われ、長谷小学校の児童や林業関係者など150人がミズナラの苗を植えました。
5日は鹿嶺高原にある伊那市保有の広さ2,500平方メートルの場所にミズナラの苗およそ600本を植えました。
参加した児童は、教わりながら苗を植えていきました。
今回用意した苗のうち、半数以上の360本余りは、西春近諏訪形区の住民有志が鹿嶺高原で拾ったミズナラの実を1年かけて育てたものです。
苗は、真下に伸びる根を残してあります。
成長するとこの根が地中深くまで伸びて土砂崩れを起きにくくするという事です。
伊那市では山林の木を活用し森の循環を図っていこうと「ソーシャル・フォレストリー都市宣言」を平成28年度に行いました。
5日の植樹はその一環で行われたもので、伊那市ではこの一帯を整備し山林と人とを結ぶシンボル的な場所にしたいと計画しています。
今回植樹を行った場所は、以前はカラマツ林でしたが伊那市では保水力があるミズナラを植え災害に強い山林にしていきたい考えです。