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【インターネットショップ運営、パソコンサポート 佐々木和弘さん】
東南アジアのさまざまな雑貨やシルバー・アクセサリーなどを輸入、販売するインターネットショップ「BAGUS!」(バグース)を運営している。
「バグースはインドネシア語で・ス最高・スとか・ス素晴らしい・スなどの意味。珍しくて楽しい商品をそろえ、お客さんに安心して気軽に買い物を楽しんでもらえるサイト運営を心掛けています」
地域のさまざまな情報を集めたサイト「伊那谷てんこもり」の企画、運営も手掛けている。傍ら、ネットショップで得たノウハウを生かして通信販売サイトの制作、管理を請け負っているほか、パソコンのセッティングやトラブルの処理なども受け付けている。
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地元の高校を卒業後、一度は外に出てみようと、名古屋市のコンピューター関連企業に就職。トヨタ自動車の工場の生産設備や機械などを制御する産業用コンピューターのプログラム開発や管理に当たり、実践的な情報処理技術を身につけた。
退職後、1年半かけてタイやインドネシアなどの東南アジアや、米国、オーストラリアなどを旅行。「面白い物をたくさん見ることができた。中でも東南アジアの文化や歴史には強く心を引かれました」
その後の仕事に役立てるつもりで行ったわけではなかったが、数年後に駒ケ根に帰郷した時、インターネットサイトでのアジア雑貨販売を思いつくきっかけになった。
「インドや中国の雑貨はけっこう流通していましたが、東南アジアの物はほとんどなかった。それと、今は誰でもホームページをつくって公開するような時代になりましたが、当時はまだインターネットもあまり普及していなかったし、ましてサイトをつくれる人などは多くなかった。コンピューターの技能を生かして仕事ができることに気がついたんです」
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ショップは幅広い客層の支持を得て順調に業績を伸ばしている。最近ではオリジナル・デザインの商品も全体の半分近くを占めるまでになった。
「インターネットだからお客さんとのやり取りも電子メールなんですが、顔が見えないことによるメリットもある。例えば『この商品は良くない』とか『こういう物が欲しい』などの正直なコメントがもらえるんです。面と向かうと言いにくいようなこともね。そんな中で、商品に満足してくれたお客さんの喜びのコメントを見ると本当にうれしいですね」
「今のお勧め商品は軽くて丈夫なパラシュート地を使ったハンモックやエコバッグです。今後はお客さんの希望を取り入れてもっと商品の種類を増やし、さらに喜んでいただきたいですね」
(白鳥文男)
【BAGUS!】http://bagus.jp/
【伊那谷てんこもり】http://inadani.jp -
理容生活衛生同業組合総会
県理容生活衛生同業組合伊南支部(下島善三支部長、50人)は10日、第36回定期総会を駒ケ根市のアイ・パルいなんで開いた。組合員約40人が出席し、07年度事業・決算報告、08年度事業計画・予算案を承認したほか、勤続者の表彰などを行った。
下島支部長はあいさつで「この業界は年々厳しくなっている。取り残されないためには一生勉強。組合の講習会に積極的に参加して技能の向上を」と呼び掛けた=写真。
総会に先立って衛生講習会も行った。
表彰されたのは次の皆さん。
▼永年勤続表彰=向山節子(6年)▼永年組合員感謝状=畑口光三(12月廃業退会) -
興亜エレクトロニクスが中学校で・スものづくり授業・ス
下伊那郡阿南町の中学校で、地元に本社のある興亜エレクトロニクスの社員が同社製造の抵抗器を教材に使い・スものづくり・スの楽しさを生徒らに教えている。
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日本電産技術開発センター起工式
精密小型モーターなどの製造販売大手の日本電産(永守重信社長、本社京都市)は11日、駒ケ根市赤穂中山原に建設する新・長野技術開発センターの起工式を現地で開いた。関係者約30人が出席し、玉ぐしをささげるなどの神事を行って無事完成を祈願した。小部博志副社長は「センター立地によって地域への貢献と当社の発展にさらに役立つことを祈念する」とあいさつ。杉本幸治市長は「できる限りの支援をする。ぜひ地域経済のリーダーとなってほしい」と祝辞を述べた。
用地は中央自動車道の西側に沿った3万2800平方メートル。鉄骨2階建て、地下1階の述べ床面積1万6900平方メートルの建屋を建設し、現在飯島町田切にある同センターの機能を移転・拡大する。09年3月末にしゅん工、同年5月の連休明けに稼動の見通し。従業員数は3年後に600人規模になるという。
市は用地の引渡しに当たり、樹木の伐採や土地造成、連絡道路の新設(約350メートル)、既存道路の拡幅や付け替えなどの整備を行うほか、3年間の固定資産税相当額と不動産取得税相当額を助成する。市は同社の立地により、雇用の拡大と市内の協力企業への業務発注などが見込まれるほか、従業員の転入による人口増加や消費の拡大などの効果も期待できるとしている。
同社は1973年設立。07年3月期の連結売上高は6296億6700万円。資本金658億6800万円(07年3月末現在)。 -
SBIイー・トレード証券伊那支店春の個人向け国債キャンペーンとミニセミナー
伊那市伊那のSBIイー・トレード証券伊那支店は6日縲・1日、「春の個人向け国債キャンペーン」を展開している。
第22回個人向け国債(変動金利型10年)と第10回個人向け国債(固定金利型5年)が対象で、期間中に合計50万円以上購入すると、購入金額に応じた額(50万円以上100万円未満千円、100万円以上200万円未満3千円、200万円以上300万円未満6千円など)がキャッシュバックされる。
また17日からは、同店がこれから投資を始めたい人や投資の基礎を学びたい人などに向けて開いているミニセミナーを連日予定(3月20日は除く)。会場同店、受講無料。「カバードワラント入門講座」「オンライントレード講座縲怺賰b編縲怐v「信用取引入門講座」「FX入門講座」など。詳細はホームページ(http://www.etrade.ne.jp)の全国ミニセミナーページ参照。各セミナーの前日までに電話かホームページで申し込む。
申し込み・問い合わせは、SBIイー・トレード証券伊那支店(TEL72・6184)へ。 -
長野日本電気がNECディスプレイソリューションズと共同開発
伊那市の長野日本電気(NEC長野)とNECディスプレイソリューションズが共同開発したタッチパネル内臓の32型液晶ディスプレー「MultiSync LCD3210‐TC(J)」が10日に出荷を開始した。タッチパネル内臓のディスプレーはNECディスプレイソリューションズとしても初めての製品となる。
画面に直接触れることにより操作するタッチパネルのディスプレー。その方式として、同商品では耐久性などに優れ誤動作しにくいアナログ容量結合方式を採用している。またタッチパネル内臓タイプのため、ほこりが入りにくく、病院や図書館、学校、会社のパブリックスペースなど公共空間での案内表示にも適している。
NECディスプレイソリューションズからディスプレーの製造の委託を受けているNEC長野は、今回初めて製品開発に携わった。10人の社員が開発プロジェクトに参加して、製造、品質、製品評価などに優れた同社の特性を生かした。
同社ではこれからもタッチパネル内臓の液晶ディスプレーなどの製品開発や設計に注力していく方針。開発に携わった社員たちもさらなるラインナップの開発に意欲を燃やしている。 -
08春闘上伊那地区連絡会総決起集会
2008春季生活闘争上伊那地区連絡会総決起集会は5日夜、伊那市狐島の上伊那農業協同組合本所で行った。50単組、約500人が集まり、労働条件の改善などを目指して今春闘を闘い抜く意志を固めた=写真。
集会では上伊那地区連絡会の竹内啓剛議長は「戦後、空前の好景気といわれ続けているが働く者のその実感はなく、ただ賃金の格差、組織間の格差が広がっている感がある。経営者のみこの好景気の恩恵を受けることを許してはいけない。労働者は使い捨ての部品ではない。私たちはこの格差社会から脱却するために賃金の格差是正と非正規職員の処遇改善や正規化などの実現をしなければならない。本日はそういった意味で今春闘で要求していることが満額回答であるまで、最後まで闘う意志の統一の場にしたい」とあいさつした。
このほか、▽労働分配率の反転する▽格差是正と均等待遇の実現をする▽働き方改革でワーク・ライフ・バランスを推進する竏窒ネどを集会アピール。すべての労働者に今春闘への参加と連帯を呼びかけ、最後まで戦い抜くことを宣言した。 -
西山山ろくの観光活性民間主導で
宮田村議会3月定例会一般質問は6日にあり、清水靖夫村長は住民有志で検討が進む西山山ろくの観光活性化策を民間主導で考えていることを改めて示した。資金を必要とする事業展開も想定されるが、村長は「行政として何ができるかは探っる。情報提供やアドバイスなどの面で協力したい」と話した。
研究会を設けて議論されている西山山ろくの観光だが、描いた計画を実行に移す組織体制について問われた村長は「行政主導ではなく民間の力を。役場内での専門部署などは考えていない」とした。 -
プロの分析で検討も、3セク宮田観光開発の経営改革で村長答弁
宮田村の清水靖夫村長は6日の村議会定例会一般質問で、社長を務める村の第三セクター宮田観光開発の経営改革について「プロの分析の中で考えていく必要がある」と答え、何らかの形で外部の力を活用していきたい考えを示した。
清水村長は現状の経営状況を厳しく分析し「自覚やノウハウに欠け、弱体化している。5年後、10年後を見据え、改善計画も明確にしなければ」とも述べた。
同じく一般質問で、土地開発公社の土地保有額について聞かれた公社理事長を務める小林修副村長は「簿価と時価に差はない」と答え、把握する資産価値に誤りがないことを説明。2006年度末に10億800万円だった保有額は、売却により07年度末には9億6千万円に減るとの見通しも示した。 -
上伊那貨物が環境認定取得
トラック運輸業の上伊那貨物(小池長社長)駒ケ根、伊那の両営業所は、国土交通省の外郭団体、交通エコロジー・モビリティ財団の環境規格「グリーン経営認証」を2月20日付で取得した=写真。環境方針として「燃費の向上と廃棄物の適正処理を重点として環境負荷の低減に努めます」(一部抜粋)と定め、燃費の10%向上を具体的目標に掲げている。
同社はトラックの燃費向上のため、数年前からアイドリングや空ぶかしを減らすなどの改革を進めてきたが、昨年「環境保護は時代の要求でもある」として、グリーン経営認証制度取得を決定。10月に申請書を提出し、社を挙げてシステム整備に取り組んできた結果、1月22日の審査を経て晴れて認証を受けた。
竹島昌治総務部長は「地球環境を考えることは社会的な責任。今後も自分たちでできることを精いっぱいやっていきたい」と話している。 -
介護用口腔洗浄器商品化へ
介護が必要なお年寄りや病人の歯磨き、口すすぎを在宅で手軽に行える小型軽量の口腔洗浄器を共同で開発してきた県看護大看護国際研究センターの看護実践改革・学外機関交流推進研究部門(部門長・北山秋雄健康保健学教授)と、高森町の医療用精密機器部品製造の大島山機器(後沢久人社長)は29日、商品化のめどがついたとして製品の詳細を発表した。
商品名は「スッキリーノ」。チューブを通じてポンプで水を送り出しながら電動歯ブラシで歯を磨けるほか、口腔内の水を吸い出せる。幅、奥行きとも23センチ、高さ18センチで質量は1キロと軽量な上、価格は3万9800円と他社の類似製品の半額以下に押さえた。
開発のきっかけは十数年前。後沢社長が寝たきりの母の介護に当たっていた時にひどい口臭が気になり「寝たままでも口の中を洗える器具を作ろう」と思い立ったことによる。軽量化で一番苦労したのはポンプの選定。良い製品を求めて各方面を捜し歩いたという。北山教授とは5年前に知り合い、共同で改良に取り組んできた。看護大の学生や駒ケ根市内の病院での臨床実験を経て大幅な改良の成功にこぎつけた。現在特許を申請中。
後沢社長は、当面は受注生産で対応していくが、関係方面に利点をアピールして受注を伸ばし、将来的にはもっと安価で販売できるようにしたい竏窒ニしている。 -
歴史遺産にも光あてて活性化を
文化歴史の魅力は東の里にあり‐。中央アルプスのすそ野に広がる西山山麓一帯を中心に観光活性化の模索が始まっている宮田村で29日、村職員有志が村東部に位置する中越遺跡や北の城周辺など歴史文化のルートをたどった。村民もあまり知らない隠れた遺産も多く、村商工観光係は「村西部の西山とも結びルートにして誘客のPRになれば」と期待を寄せる。
住民有志も加わって検討している西山山麓の活性化の議論のなかでは「西山エリアのみにこだわるのではなく、村内ひとつとして考えていくべき」といった意見も出ている。
今まで観光面で目が向けられる機会が乏しかった村東部だが、縄文時代前期の集落としては本州最大規模の中越遺跡もあるなど話題性も秘めていると、村商工観光課係は着目。
西山にある歴史的建造物の宮田宿本陣旧新井家住宅や発掘品などを展示する村文化会館などとも結びながら、歴史文化のルートとして掘り起こしたいと構想を練る。
この日は同係の呼びかけに応じた職員らが参加。村教育委員会文化財主任の小池孝さんの案内で中越遺跡を見学し、北の城から天竜川沿いに整備してある遊歩道「文化の道」をリバーランド天竜公園までしばし歩いた。
「初めて知ったことも多く。興味深いことも多いですね」とある女性職員。
「子どもの体験にもっと活用してみては」などアイデアも出しあった。 -
空き店舗が地域憩いのギャラリー「手づくり屋」に
宮田村の住民有志が中心商店街の空き店舗を利用して開設準備を進めてきた、地域憩いのギャラリー「手づくり屋」が3月1日にプレオープンする。賛同する人たちが気軽に各種の手づくり作品を展示、販売でき、クラフト体験などイベントや教室も計画。見学などは自由で、誰もが寄り合える場所にしたいと夢は広がる。
「最初は3、4人でやれれば良いと思っていたけど。正直こんなに反響があるとは驚きました」と長年構想を温めてきた南割区の木工業三浦敏夫さん(54)。
口こみなどで協力の輪は広がり、陶芸や刺繍、リースなど手工芸の教室を村内で開く主宰者を中心に14人が賛同した。
当初は教室に通う人たちの作品や三浦さんの製品約100点を展示販売するほか、その後も随時、作品を発表したい人の希望に応じる。4月以降は週に数回、主宰者が交代しながらギャラリー内で各種教室も開く予定だ。
立地する町二区仲町は古くからの商店街で空洞化も進むが、ギャラリーの開設で周辺の期待も大きい。
近くにある村福祉作業所は利用者の作品を出展し、運営にも協力する予定。「作業所には喫茶もあり、色々な形で連携していければ」と職員は話す。
賛同者のひとりで、南割区でパッチワークを教える竹中理恵子さんも「今まで村外のギャラリーを利用する場合も多かった。コミュニケーションがとれる場所になればいいですね」と期待を寄せる。
1日は午前10時から午後6時まで開館。2日以降は午後1時から。出展者希望者も募集しており、問い合わせは三浦さん090・3142・3691へ。 -
伊那商工会議所 「元気・やる気のある商店主セミナー」
伊那商工会議所の連続講座「元気・やる気のある商店主セミナー」の初回が29日夜、伊那市駅前ビルいなっせであった。市内の商店主約50人が参加。同市出身の中小企業診断士上岡実弥子さん(40)=神奈川県=を講師に招き、個性と魅力ある店づくりとは何かを学んだ。
セミナーは計2回あり、経営者や後継者、新規開業者が対象。実践的ノウハウの習得や、スキルアップを支援し、個々の店経営をサポートする事業で、セミナーに合わせ、個店診断の実施もあった。
上岡さんは「お客様心理をつかもう!」と題して講義し、また来たいと思う店の特徴や、接客(おもてなし)とは何か竏窒ネどをスライドで説明。「第一印象のよい店とは、商品、店、人のバランスが取れている。接客など人の部分は、お金をかけなくても改善しやすいので努力を」と助言した。
第2回セミナーは21日にあり、「小さなお店でもできる販売促進」と題して、上岡さんが話す。
##(写真たてよこ)
セミナーの講師を務めた上岡さん -
(12)松原悦夫さん(60)
「場所も場所だし、田舎丸だしのそば屋にしたい。そば粉をはじめ、薬味の野菜も、1品料理の食材も中沢産にこだわった」-。
1昨年11月末に駒ケ根市中沢、中沢保育園南にそば処「柏屋」を開店、1年2カ月が経過し「1度来店していただいたお客様が『またくるでー』と言って、友だちを引きつれて来てくれるようになった。ぽつんと1軒だけのそば屋で、うちのそばを食べようと来てくれるお客様の期待にこたえようと精神誠意、心を込めて打たせていただいている」。
駒ケ根市中沢中割、農家の長男に生れた。上伊那農業高校林業科に学び、卒業後中沢森林組合に入った。林業技術員として、組合員や作業員の指導をした。チェンソーとトラックが普及し、山作業は手作業から機械化が進んだ。昭和50年代になると、同規格の用材でいつでも間に合う外材の輸入材が増え、地元材は敬遠されるようになった。今、また森林の持つ多目的機能がクローズアップされ、森林税の導入が検討されるなど、林業を取り巻く時代の変遷を現場で見てきた。
「第2の人生を早めにスタートしよう」と定年まで4年を残して退職した。
そば打ちとの出会いは15年前、中沢公民館の男の料理教室でそば打ち名人、宮沢勝人さんから教わり、初めて打った。「自分が打ったそばは市販のそばと比べ、格段においしかった」。以後、手打ちそばの味にひかれ、「なんとか、おいしいそばを打ちたい」と、県内の評判の店を食べ歩いた。「ボソボソと切れてしまうのはどうしてだろうかと、本職に教えてもらった。特に八ケ岳のおんびらそば店主からは親切にアドバイスをいただいた」。
勤務の傍ら、15年間に何千食も打ち、年越しそばは毎年150食打って配った。
自分なりにほぼ満足できるそばが打てるようになった1昨年、組合を退職し「この中沢で、自分でソバを栽培し、自分で石臼挽きした手打ちそばの店を出そう」と決意。遊休農地2ヘクタールを借り、しなの1号を作付けし、田舎屋をイメージしたそば処「柏屋」を建設し、11月末に開店にこぎつけた。
中沢産ソバ粉8割、強力粉2割の二八そばはちょっと太めで黒っぽい「田舎まるだしのそばになった」。わざわざ食べに来てくれるのだからと、量も1人前200グラムと多め。薬味の大根は知人からオリジナル品種「中沢大根」の種をもらい受け栽培した。冬季限定のワサビも中沢の清流で育った本物。
特別宣伝もしなかったが、口こみで客が増えてきた矢先、趣味でなくお金をもらうことのプレッシャーで手が動かなくなった。切っていても精神が安定せず、上手に切れなくなった。そんなある日、友人が「そば屋だからといって、かしこまることはない。自分のありのまま、自分でできる精いっぱいの仕事をすればいい」とアドバイスされ、「このまま精進をつづければいいんだ」と迷いがふっ切れ、打てるようになり、そばを打つのが楽しくなったとか。
「そば打ちは奥が深い。これからも自分と挑戦し、さらにそば打ち道の奥を極めたい」と話す。
メニューは「ざる」と津南町産のナメコ入りの「ナメコそば」。「山菜そば(北秋田市産山菜)」「とろろそば(山形村産長芋使用)「かき揚そば(自家産野菜とエビ)」のほか、秋山郷風のそばがきもある。
営業時間午前11時30分縲恁゚後2時。夜は予約のみ。定休日は火、水曜日、詳細は同店(TEL83・3860) -
シンポジウムで雑穀の魅力を紹介
雑穀アマランサスの活用で地域振興を目指す伊那地域アマランサス研究会などは23日、伊那市内でシンポジウム「伊那アマランサスの魅力!作る・食べる・楽しむ!竏鋳n域の健康・観光・食文化の創出のために」を開いた。雑穀に関心を持つ地域住民ら約100人が参加。産学官が連携した研究会の取り組みやアマランサス加工品の試食などを通し、雑穀の魅力に触れた。
アマランサスの花は観賞用に、実や葉は栄養価の高い食材として注目される。市内の作付面積(07年度)は1・75ヘクタール。遊休農地を活用して作付面積を広げ、実の収穫量1トンを目標にしている。
研究会メンバーは、栽培方法や商品の開発など写真を交えながら活動を報告。課題として▽苗おこしや実の乾燥用のハウスが必要▽種の直播や刈り取りなどの作業に人手がいる竏窒ネどを挙げ、伊那アマランサスの地域ブランドの確立を目指したいとした。
試食では、アマランサスを加熱してポップした実などを使ったそばやギョーザ、甘酒、菓子の試作を含めた4品を用意。参加者は、アマランサスのつぶつぶ感やもちもち感を味わった。
また、記念講演で、食デザイナー大谷ゆみこさんは、40%を切る日本の穀物自給率を80%に高めるため、穀物をグルメにすることを提案。どんな料理にも合う雑穀を使った「つぶつぶベジタリアン」レシピを紹介し「『魂を養う食べ物』といわれる雑穀を食べてほしい」と呼びかけた。 -
【「グリーンオックス」オーナーシェフ宮下学さん】
駒ケ根市の中心商店街の一角に店を構える高級ステーキ店「グリーンオックス」。1984年の開店以来、客の目の前でステーキを焼く対面スタイルにこだわり続けている。
「お客さまがじいっと見ていらっしゃるわけですから、素材も調理の腕も、すべてにおいてごまかしがきかない。緊張しますよ」
生家は中沢で長く続いた食料品店。魚や肉などをはじめ、あらゆる食品を扱っていたが、創業からちょうど100年目に閉店した。
「長男だったが、店を継ごうという気はなかった。食品に囲まれて育ったためか、料理には関心が高かったですね。高校を卒業する時には、料理の道に進むと決めていました」
東京の調理師専門学校を修了し、都内のレストランに就職。その後帰郷し、伊那市のフランス料理レストランで働いていたところ「新しいスタイルのステーキ店を開店するからぜひ来てくれないか」とスカウトされて「グリーンオックス」に。23歳だった。
対面式の店はほとんどなかったため、開店に当たり、同様のスタイルをとる上田市のステーキ専門店に修業に出た。
「それまで料理人は作っているだけでいい竏窒ニ思っていたが、接客やお客さまへの気遣いなど、大切なことを教えられました。これは今でも大きな財産になっています」
オープンの日。新しい店での初仕事は「緊張でひざから下はガクガク」だった。
高級感と対面式が評判を呼び、店は毎日大勢の客でにぎわった。目の回るような忙しさが相変わらず続いていたある日のこと。
「お客さまに追加注文を受けたんです。『かしこまりました』とついお答えはしたものの、忙しくて忙しくてとても手が回らない。しばらくしてから『申し訳ありません。やはりお受けできないのですが…』と申し上げたところ、お客さまが激怒されました。『できないんなら最初からそう言え!』と。まったくその通りで、初めにはっきりと申し上げるべきだったんです。お客さまに対する心構えを考え直す上でとても貴重な経験になりました」
順調だった店も閉店の危機に直面したことがある。一名狂牛病ともいわれたBSE(牛海綿状脳症)問題の時期だ。
「客足がぱったり途絶えてしまって『これでもうおしまいだ』と思いました。それでも何とかしようと、ステーキ以外の新メニューの開発に取り組んだんです。魚料理にね。思えば開店最初は魚もやっていたんです。その意味では原点に帰ったともいえるのかな。あの時期を乗り越えられたからこそ今があると思います」
店はグリーンホテルの直営店として営業してきたが、3年前に独立。44歳でオーナーシェフとなった。
「自分の店になったというのは新鮮な気持ちでしたね。人間の心、気持ちのあり方というのは一晩でこんなにも変わるものかと自分でも驚いたくらいで本当に全然違う。この初心をずっと持ち続けたいと思います」
グリーンオックスのほか、同じ建物に展開する居酒屋「味鍔亭」(みつばてい)、フレンチ食堂「びすとろミーシャ」の3店舗も経営する。
「お客さまに楽しんで帰ってもらうことだけを考えています。有名店やフランスなどで学んでいない私は地元の人たちに育てていただいたと思っています。おかげで25年間も続けてこられた。昔揺りかごでいらっしゃったお客さまが今、成人しても来てくださる。年代、世代を超えたリピーターが多いのは本当にありがたくてうれしいことです」
(白鳥文男) -
確定申告始まる
所得税の確定申告の受け付けが18日、始まった。3月17日まで。伊那税務署では伊那市駅前ビル「いなっせ」に会場を設け、申告相談を行っている。受け付け午前9時縲恁゚後4時(土日祝日は除く)。なお期間中は伊那税務署での申告相談は行わない。
初日の18日は、受け付け開始時刻前から約20人もの申告者たちが来場。伊那税務署員に案内を受けながら手続きを進めていた。
伊那税務署は「期日の終了間際になると混み合うので、早めの申告を」と呼びかけている。
また国税庁はインターネットによる国税電子申告・納税システム『e‐Tax』(http://www.e-tax.nta.go.jp)の利用促進を図っており、本人の電子署名および電子証明書を付して所得税の確定申告をe‐Taxで行うと、最高5千円が控除される(07年度分、または08年度分、どちらか一度に限る)。登録には住基カードなどの電子証明書が必要(電子納税のみ利用の場合は不用)。
同申告相談会場でもe‐Taxサポートコーナーや初回来署型電子申告コーナー(電子証明書は不用だが、同システム使用による控除もされない)を設け、e‐Taxの利用促進を図っている。 -
観光開発研究会が商工会と懇談
住民参加で中央アルプスのすそ野に広がる地元の豊かな自然環境を観光に活かそうと検討している宮田村の「西山山麓観光開発研究会」は19日夜、村商工会と懇談した。連携するための仕組みや情報発信、拠点づくり、経済効果などさまざまな視点で意見交換した。
商工会からは役員10人余りが出席。研究会が取り組み状況を説明した後、それぞれ考えを自由に出し合った。
「宮田高原で高嶺ルビー(赤そば)を栽培して観光資源にすることは可能か」など具体的な質問も。
一方で「何をやるにしてもストーリー展開が必要。ばらばらにやるのではなく、点になっている村の観光要素をどうつなげ、夢を描いていくかが大切」といった声もあがった。
長期的な経済効果も考えながら取り組まないと難しいとの指摘もあったが、「やらなければ何もはじまらない」といった意見も。
研究会のメンバーには商工会員も複数含まれているが、前林善一商工会長は「何とか実行できるように一歩踏み出してほしい」とエールをおくった。 -
登喜和冷凍が熟成豆腐チーズ「醍醐丸」を発売
高野豆腐の製造販売を主力とする伊那市の登喜和冷凍食品(登内英雄社長)は13日、熟成豆腐チーズ「芳醇(ほうじゅん)醍醐(だいご)丸」を発売した。伊那谷産大豆を使った豆腐をみりん粕に漬け込み、熟成させた商品で、同社がこだわりの珍味として発酵食品を扱ったのは初めて。
豆腐の原料となる大豆は中・南信で栽培される「ナカセンナリ」を使用。輸入大豆に比べて糖質が25縲・5%と高く、甘みがある。
固めに作った豆腐を乾燥させ、みりん粕をしぼったもろみに漬け込み、1カ月縲・カ月半、温度をかけて熟成させる。同社の高野豆腐製造技術と養命酒が持つみりん粕の発酵熟成技術を組み合わせ、2年がかりで開発した。なめらかな食感で、みりん粕の風味の中に、アミノ酸のうまみが口の中に広がる。更年期障害の緩和や骨粗しょう症予防に効果があるとされるイソフラボンなどを多く含む。
月間生産量は1瓶150グラム入りを千本。当面は手作りで、いずれ量産に切り替える。
登内社長(56)は「地域に親しまれ、伊那の名産品として情報発信できれば」と話す。08年度は調味料として使えるように研究を進め、商品化したいという。
「醍醐丸」は、発酵した状態を示す「醍醐」と、食べたあとにうまみが残るだいご味があることから命名。1瓶800円。
すでに駒ケ根市の養命酒駒ケ根工場健康の森記念館で売り出し、近くニシザワグループや井田屋酒店にも並ぶ。随時、販路を拡大していく。
食べ方は▽そのままで、酒のつまみに▽ポン酢などに合わせてドレッシングやつけだれに▽パスタや肉料理のソースに竏窒ネど幅広い。 -
宮田村特産の山ぶどうワイン5年連続で県の原産地呼称認定
宮田村の特産品山ぶどう交配種のヤマソービニオンで醸造した2007年産赤ワイン「紫輝」と「駒ケ原」が、高品質の県内産品であることを証明する県の「原産地呼称管理制度」に認定された。長野市で開かれた審査会で決定し、5年連続の認定。生産関係者は高い評価に「今後もさらに良いワインを消費者に届けたい」と心新たにしている。
昨年末に発売開始した「紫輝」は、フルーティーな飲み口。寝かす期間の長い「駒ケ原」は、しっかりとした本格的な味わいが特徴で06年産から更新する5月ころに店頭に並ぶ予定。
醸造販売する新田区の本坊酒造信州工場によると、07年産の「紫輝」は消費者や小売店から例年以上の反響が寄せられているという。
藤野公宏工場長は「地元栽培農家の皆さんとともに、さらに品質を高めていきたい」と、5年連続の認定に喜びをにじませた。
ワインに関する問い合わせは本坊酒造信州工場85・4633、村役場産業建設課85・5864へ。 -
駒ケ根市経営講座第4回
駒ケ根市、駒ケ根商工会議所、テクノネット駒ケ根が地元企業の経営者、管理者らを対象に開く駒ケ根経営講座の07年度第4回講座が8日、駒ケ根市の駅前ビル・アルパで開かれた。会員約40人が集まり、内閣府大臣官房の経済財政分析担当審議官湯元健治さんによる講演「日本経済の現状と課題 成長力強化への戦略」を聴いた=写真。
湯元さんは日本経済の現状について「各種の指標を見ると、一部に弱さが見られるが景気回復はまだ続くと思われる」と話した上で、今後の状況について「個人的には、景気の下降と物価の上昇が同時に起こるスタグフレーションに近い動きがあると見ている」として、景気の先行きに不安があるとする考えを示した。
日本経済の動向は各企業の業績にも直接影響するとあって、参加者は真剣な表情で話に聴き入っていた。
講座は3月に第5回が開かれる。 -
だるま市 人形飾りコンクールに5点
伊那市商工会は8日、高遠町の風物詩、だるま市(11日)に合わせて展示する人形飾りコンクールの審査会をした。応募作品5点の中から、金賞に市役所の「おしりかじり虫とポケモンの仲間たち」が決まった。
コンクールは、だるま市に来た人に楽しんでもらおうと始まった恒例イベント。
今回は、地元の小学生がカヌー体験をもとにしたり、高遠町出身で東京音楽校(現東京芸術大学)初代校長を務めた伊沢修二、プロゴルファー石川遼にちなんだ作品がそろった。
審査には商工会や市、各種団体の代表者16人が当たり、制作者からテーマ設定や人形に込めた思いなどを聞き、作った努力、アイデア、人形、背景など6項目を評価した。
市役所は、おしりかじり虫やポケモンのキャラクターが集まり、楽しさが伝わってくる作品で、総合的に高い評価を受けた。
人形飾りは11日まで、商店街のある国道361号線沿いなどに展示。道行く人の目を楽しませる。
金賞以外の賞は次の通り。
▽銀賞=霜町「ゲゲゲの鬼太郎妖怪大戦争」▽銅賞=本町・高遠小学校5年生「カヌーで遊んで大きく育つ、われら三峰川探検隊」▽努力賞=仲町「近代音楽の先駆者伊沢修二先生」▽敢闘賞=金融機関「ハニカミだるま」 -
長野県観光振興リレー講演会開催
県の主催する「観光振興リレー講演会」が7日、伊那市の県伊那合同庁舎であった。松本大学総合経営学部観光ホスピタリティ学科の山根宏文教授が、「これからの観光で大切なこと」をテーマに講演。観光産業関係者や一般など約80人が集まり、同地域にある観光資源の生かした方や観光に向けたまちづくりについて考えた=写真。
県が観光振興への取り組み強化を目的として県内10地方事務所ごとに開催している講演会で、「観光資源の活かし方」をテーマとした第1部では、景観や文化財などといった地域の観光資源をどのように観光に生かしていくことができるかを全国各地の事例を紹介しながら説明。
山根さんは地域にある素晴らしい景観などに付加価値をつけ、観光振興を図っている地域の事例や、そこにしかない地域の味、雰囲気を大切にした食堂を営む85歳の女性の取り組みを紹介し「地域にある日常の生活をありのままに体験してもらうことが、旅行者に感動を与える」と指摘。また、ただ単に体験してもらうより、その苦労なども一緒に経験してもらうような“本物の体験”が求められていることを示し「大事なのは感動のポイントを旅行者に伝えること。それをどうしたら生かせるかを考えると、必ずどの資源にも良いポイントがある。そこを生かしていくことが大切」と語った。
また、観光まちづくりをテーマとした第2部では、観光が地域に大きな経済効果を生むとともに、地域に住む人たち自身に、地域への愛着が生まれることを説明し、従来の観光とこれからの観光の違いなどを示した。 -
宮田とうふ工房の「こだわりのもめん」が県品評会で審査長賞
宮田村の精密業マスダ(増田清社長)が経営する宮田とうふ工房の「こだわりのもめん」とうふが、第11回県豆腐品評会(県、県豆腐商工業協同組合主催)で上位3席の審査長賞を受けた。同工房の製品は2002年の品評会から7年連続で入賞を果たしたことになり、地元産大豆にこだわる豆腐づくりが改めて高い評価を受けた。
品評会には県内35工場から、もめん豆腐の部に42点、きぬごし豆腐の部に24点、その他の特殊豆腐の部に28点の計94点の応募があり、21点が入賞した。
05年にはきぬごし豆腐で県知事賞に輝いている同工房だが、今回の審査長賞で、きぬ、もめんの主力製品がいずれも県内トップ級の品質、味わいと評価されたことになる。
ほぼ宮田村内産の大豆「ナカセンナイ」をを用い、徹底して地元の原料にこだわる同工房。現在は宮田村や駒ケ根市の学校給食にも使われるほか、「安全安心の地元産」として愛好者も多い。
マスダの増田忠直相談役は「量や質にばらつきもある地元産大豆を使う難しさもあるが、日ごとの微妙な調整で品質も着実に向上している。心新たに消費者の皆さんに美味しい豆腐を届けていきたい」と話した。 -
中川村産大豆使用のこだわりの豆腐、3月から定期的に販売
中川村役場で5日、中川村産大豆使用の豆腐、販売検討会議があった=写真。村営農センターが呼び掛け、大豆(ギンレイ)生産者、製造のすいれい豆腐、販売店、JAら9人が集まり、3月から来年2月まで、月1回村産大豆を使ったこだわり豆腐の製造、販売することを決めた。
村産大豆960キロを使用し、充填方式で絹ごし豆腐を製造、1丁(300グラム)を税込み105円で、村内4店舗で販売する。製造・出荷は原則、毎月第1金曜日とし、土・日曜日を中心に販売する。 製造量は3月、12月縲・月は大豆60キロで500丁を、4月縲・1月は90キロの大豆で750丁を製造、販売する計画。賞味期限は10日間。
初回は3月7日に製造、8日販売を予定する。
販売店はたじまファーム、マルトシ食品館、Aコープ南向店、玉屋商店 -
高嶺ルビー新そば試食会
宮田村のタカノは5日、中川村田島の望岳荘で「高嶺ルビー新そば試食会」を開いた。 中川村の曽我村長、宮田村の清水村長をはじめ、両村関係者や中川赤そばまつり実行委員長ら約80人が招待され、昨年収穫した新そばを石臼挽き、手打ちで味わった。
高嶺ルビーはまつり会場になった田島の転作田2・5ヘクタールで栽培、初めて約230キロを収穫した。
試食に先立ち、同社企画室の臼井俊行室長は「昨年の赤そばまつりには1万8千人が来場し、赤いソバの花を楽しんで頂いた。今日はその畑で獲れた新そばをたん能し、そば談義に花を咲かせて」とあいさつ。
来賓の曽我村長は「赤そばまつりは村の観光イベントの目玉として大きく育ってきた。次回の祭りは一層盛大にやろう」と呼び掛けた。
この日のメニューはゆで立ての赤そば、赤そば粉を入れたそば豆腐、たれに高嶺ルビーはちみつを用いた五平もちなど。
瞬く間に1枚平らげて、元県議の小原勇さんは「腰が強く、しっかりした味わい。従来の赤そばとは食感が違う」と満足そう。前原村議会議長は「少し固めで、のどごしにもうひと工夫ほしい」と辛目の批評を。
そば談義の中で、富永朝和さん(中川赤そば花まつり実行委員長)は「4月から、望岳荘内『いろり』で赤そばの手打ちそばをメニューに加える。現在、そば打ちの研修に派遣している」などの報告もあり、高嶺ルビーにかける関係者の夢は一層膨れ上がった。
なお、中川村の赤そばの販売は、タカノが通信販売で取り扱っている。 -
初の外国籍町民共生推進会議
飯島町役場で4日夜、外国籍町民共生推進会議があった。外国籍町民が人口の7%756人(2月1日現在)人口比率では県下で2番目に多いことから、町は外国籍町民と互いに意志疎通を図り、気持ちよくまちづくりを進めようと、初めて開いた。町側は総務課・住民福祉課関係、飯島町国際協力会、人材派遣会社3社の合わせて15人が出席し、率直に意見交換した=写真。
はじめに町側から、地震等の災害時の対応、ごみの分別、国保税の徴収、転入、転出手続きについて説明し、留意点について要望した。
これを受けた懇談では、人材派遣会社から「日曜日の昼間、大人を対象にした日本語教室の開催を」。国際協力会からは「防災やごみ収集など生活全般について、外国人向けの総合案内冊子を作ってほしい」「町のEメール、ホームページの多言語化を」などの要望が出された。
今後、年1回程度、継続的に推進会議を開く予定。 -
節分豆まき大会
宮田村のAコープ宮田店は3日、節分恒例の豆まき大会を開いた。豪華商品や半額券などが当る福豆がまかれ、家族づれなど多くの人たちでにぎわった。
福豆はヒーターや敷き毛布をはじめ豪華商品を300本用意した。
降雪のため、店舗内で行った豆まきに約150人が集まり、農協理事らが「鬼は外」「福はうち」の掛け声もろとも、福豆をばらまいた。
子どもも大人も夢中になって、福豆を拾い集めた。 -
【駒ケ根ソースかつ丼会会長 「中華料理きよし」店主 下平勇さん】
大衆食堂を営んでいた父の仕事ぶりを物心ついたころから見て育った。
「長男だし、いずれは店を継ぐつもりでいた。一時期、ほかの道を考えないでもなかったが、最終的には何の迷いもありませんでした」
高校を出てすぐに料理を学ぶため、松本の中華料理店に修業に入った。
「中華は伸びるんじゃないかと思ったし、自分でも好きでしたから」
3年半で修業を終えて帰郷。大衆食堂を中華料理店に衣替えし、父とともに仕事を始めた。景気が良い時代で店は繁盛。人手が足りなくて困ったくらいだった。だが8年後、父が突然の脳こうそくで倒れた。
「ひょっとしてこのまま1日、2日で駄目か竏窒ニも思ったが、何とか命は取り留めることができた。ただ半身に麻痺が残り、もう仕事はできなくなった。これからは自分一人で店を守っていかなければならないと思うと、その不安と責任感で押しつぶされそうになりました」
その後、苦労しながらもさまざまな困難を乗り越え、受け継いだのれんを背負って店を発展させてきた。
◇ ◇
3年前から駒ケ根ソースかつ丼会の会長を務める。駒ケ根の名物を全国に発信しようと昨年6月、静岡県富士宮市で開かれたB級ご当地グルメの祭典「B1グランプリ」への出場を果たした。
「前年に第1回大会が開催されたことを知り、いいアピールの場になるのではないかと考えて出場を会員らに相談してみたが、反応はあまり良くなかった」
現地に赴くスタッフは約10人必要だが、会員はそれぞれが店を持っているため、2日間の大会中店を閉めなければならない人に無理強いはできなかった。しかし、どうしても挑戦したいと強い熱意を示し、何とか皆の賛同を得て出場決定にこぎつけた。
だが、未経験のイベントで本当に売れるのか。もしも大量に売れ残った場合には、赤字を会長以下3役で負担する悲壮な覚悟で大会に臨んだ。
「うちも結局4日間休業しました。その間は売上がないわけだからそれは厳しい。いろいろな不安を抱えての出場でしたが、当日は予想をはるかに上回る盛況で、一時は作るのが間に合わなくなるほど。2日間で2800食を売り上げ、出場21団体中8位を獲得することができました」
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「最近、ソースかつ丼の本家論争が伊那市との間で起きましたが、うちとしてはどちらが先でもいいじゃないか竏窒ニいうスタンスです。そんなことよりもまずお客さんが喜んでくれることが第一です。お客さんはおいしいものでないとすぐに離れていってしまうので、味にさらに磨きをかけていくことを考えたい。この仕事をしていて一番うれしいのは、食べ終わって帰るお客さんが『おいしかったよ』と言ってくれた時ですからね」
(白鳥文男)