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飯沼棚田産米で酒作り、仕込み
清酒「今錦」ブランドで知られる中川村大草の米沢酒造(米沢博文社長)で17日、飯沼棚田産の酒米「美山錦」を使ったオリジナル新酒「おたまじゃくし」の仕込み作業があった。来年1月中旬には、おり酒、生原酒、5月には純米酒が新発売(限定)される。
作業には杜氏の今井守さん(62)をはじめ、米生産者の飯沼地区農業活性化研究会(入田護会長)の会員らが参加。この日は仕込みの最終工程「留添」作業。蒸し、冷やした米が仕込みタンクに搬入されると、蔵人らは「よいしょ、よいしょ、辛くなーれ」と歌いながら、長い柄がついた「かい」でかく拌した。
棚田をイメージしたネーミングの新酒「おたまじゃくし」は、1800キロの玄米の米粒を59%までに削り、11月末に米と糀(こうじ)を合わせた「酒母」をつくり、14日に最初の仕込み「添」、1日休んで、「仲添」、「留添」の3回仕込み、低温発酵させる。発酵が進み、来月10縲・5日ころに、木綿袋に詰めて舟でしぼり、おり酒、生原酒が完成。さらに熟成させて、5月に特別純米酒「おたまじゃくし」がデビューする。 酒づくり30年余、杜氏歴8年の今井杜氏は「今年は厳寒で、酒づくりには最高、きりっとした辛口のうまい酒ができる」と期待。
米沢社長は「地域の活性化を目指し、今年初めて棚田米を使った。ほかの産地の酒米と比べても遜色がない」と話していた。
新発売の「おたまじゃくし」は一升瓶換算で原酒で1300本生産。おり酒と生原酒は各200本限定。値段はおり酒720ミリリットル1743円、生原酒720ミリ1712円、1・8リットル3413円、特別純米酒720ミリリットル1386円、1・8リットル2730円(税込)。販売は中川村・飯島町の20酒店で地域限定。予約受付中。 -
大鏡もちの重さは
「鏡もちの重さは何キロでしょう?」-。飯島町七久保の道の駅花の里いいじまで、恒例のジャンボ鏡もち重量当てクイズが行われている。
百号の鏡もちで、上段の重さは約7・2キログラム。
ピタリ賞は切りもちセットA箱とお年玉、近いで賞(前後10人)には切りもちセットC箱とお年玉が当る。
来年1月8日に当選者発表に合わせて、大鏡もち開き、お汁粉サービスを行う。 -
小規模事業者の融資資金の貸し出しが1億円突破
商工会を通じて小規模事業所に貸し出す国の「小企業等経営改善融資資金」で、宮田村商工会関係分の本年度融資額が1億円を突破した。商工会議所を除き上伊那郡下トップ。設備投資に7割が使われており、「仕事量の増大に伴う設備の更新などで、前向きな融資が多くなっている」と同商工会は説明している。
15日現在の融資額は1億670万円。24事業所が利用した。
うち設備投資が6940万円、運転資金が3730万円だった。
同融資は1973年に制度化。従業員数が20人以下の小規模事業所が対象で、商工会の経営指導を受けた場合に利用できる。
「金利は1・55%で無担保、無保証と他の融資よりも優遇されている」と同商工会。チラシなどを使って積極的にPRも展開し、かつてない早いペースで1億円を突破した。 -
牛肉表示を偽装
丸水長野県水畜産事業部伊那営業所は、原産地オーストラリア産、山梨県産の牛肉をいずれも長野県産と表示し、上伊那地方の小売店に供給した。県は16日、「農林物資の規格化及び品質表示を適正化に関する法律」に抵触する事実を確認。今後、同社の責任者から事情を聞き、早急に必要な指導をする。
不適正表示の商品は9日に回収、または表示の修正をした。
表示は国の調査で疑問があったため、8縲・3日の4日間、上伊那地方事務所が伊那営業所を調査してわかった。 -
伊那スキーリゾート 17日今季オープンへ
伊那市西春近のスキー場「中央道伊那スキーリゾート」(山浦速夫社長)で14日、安全祈願祭があった=写真。関係者約30人が出席。山浦社長は「地域の活性化に貢献できるよう努力し、利用者の満足度の高いスキー場にしていきたい」とあいさつした。
近年は暖冬で安全祈願祭当日は雪が望めないこともあったが、本年は寒波の影響もありこの日の積雪は約50センチ。出席者はセンターハウスから白銀のゲレンデを眺めながら、今季の安全を祈願した。
18シーズン目を迎える今季オープンは17日を予定。22日までは、「初滑りキャンペーン」として、通常3500円のリフト一日券を2千円で提供する。
本年は小さな子どもでも楽しめる「モーグル」「クロス」をゲレンデ中央部に新設。砂場感覚で遊べる「雪の公園」も新たに造り、ファミリー対策を充実させる。
営業期間は来年3月31日まで。入場者数は暖冬でオープン日が遅れた昨年より2千人多い、8万2千人を見込む。 -
飯島町商工会と中川村商工会が広域連携
飯島町商工会(坂井武司会長)と中川村商工会(宮下進会長)との広域連携にかかわる調印式が14日、飯島町商工会館であった=写真。来年4月1日広域連携を開始する。
両商工会の役職員ら25人が見守る中、坂下会長、宮下会長がそれぞれ「広域連携の協定書(広域連携による経営改善普及事業の実施協定書)」に署名した。
連携で、高度の経営指導を実施できる組織体制の強化を目指し▽経営指導員の役割分担、高度化・専門化への対応▽共通事業の整理統合により、効率化、経費削減▽財政基盤の強化-を進める。幹事商工会は飯島町商工会。実施期間・06年4月1日縲・7年3月31日(1年ごとの更新)。
県の07年度小規模事業者数300未満の商工会に対する補助金の50%削減方針を受け、中川村商工会が該当することから、両商工会は広域連携を検討してきた。飯島町商工会は11月9日の臨時総代会で、中川村商工会は5月20日の通常総代会で承認された。
飯島町の坂下会長は「円滑な指導体制の確立が連携の中で進むように」と期待。中川村の宮下会長は「飯島町商工会の温情に心から感謝し、小さいながらも一生懸命頑張りたい」とあいさつした。
また、来賓の商工連南信支所の佐々木信高支所長が「昨日の県会で広域連携する場合、85%の補助額の予定だったが、全額が補助されることになった」と報告、記念すべき日の朗報が参列者を喜ばせた。 -
伊那手づくり餃子愛好会長 羽生義秀さん(60)
昨年12月、伊那市を中心とした飲食店有志でつくる「伊那手づくり餃子(ぎょうざ)愛好会」を立ち上げてから、1年が経過する。飲食業界の活性化策として、手づくりギョウザを提供する9店が加盟し、ギョウザの消費拡大を図っている。
ギョウザの具を「つつむ」にひっかけて、毎月22日を「餃子の日」に設定し、加盟店がそれぞれギョウザの価格を割引するなどサービスを提供。だいぶ定着してきたのではないかという。
「餃子の日」には年齢層に関係なく、ギョウザを注文する人が集中する。それまで平日には少なかった注文が祝日並みになったほど。来店者の中には、ギョウザがなくなったと知り、そのまま帰ってしまう人もいるとか。
「伊那」と「ギョウザ」とのかかわりがない中で「地産地消」を考え、上伊那産シメジを使った「しめじ入り伊那谷ギョウザ」を開発。ただシメジを具の中に入れればいいというものではない。皮に包むとき、シメジは生にするか、ゆでるかなど試行錯誤しながら、各店が「味わい深い」独自のギョウザを作り上げた。
伊那総合物産展示会・商工祭やJA上伊那まつりなどのイベントに参加したり、各店で限定メニューとして出したりしたところ、好評を得た。
これからも「農」と「商工」の枠を超え、黒豆など体に良く、おいしい食材を使った伊那谷のギョウザを開発していきたいと話す。
発足から月1回、メンバーが集まり、ギョウザのPR方法などについて情報交換する。
どういう風にすれば、喜んでもらえるのか。自らの店でもギョウザの具を工夫したり、皮を大きめのものに変えたりとグレードアップ。
ギョウザの味は、10店あれば10の味がある。具材はもちろん、野菜・ひき肉・調味料の割合などによって店ごとに異なる。▽加盟店に「ギョウザ職人の店」の認定証を出したい▽食べ歩きを楽しめるようにマップを作りたい竏窒ニ考え、質の向上につなげる。
25年前、35歳のとき、伊那市内にラーメン店を構えたが、ラーメンよりもギョウザとの付き合いが長い。義務教育を終え、東京へ出てシュウマイなどの卸に携わった経験を持ち、ギョウザには強い思い入れがある。
「たかがギョウザ、されどギョウザ」。ギョウザはサイドメニューでメーンになれないが、熱意を込め、工夫できる料理の一品。伊那名物ローメンなどと一緒に「伊那をグルメのまちにしたい」と構想を語る。
寒い季節。ギョウザに入れるニラやニンニクは風邪予防や回復に効果があるといわれる。手づくりギョウザを食べて、ギョウザパワーで風邪を撃退!
ギョウザで人を呼べる店を目指す。 -
ミサワ燃料のパン教室
伊那市西春近のミサワ燃料は11日、パン教室を生涯学習センターいなっせで開いた。上伊那各地から15人が参加し、ハムロールなどパン作りを楽しんだ。
ケーキ、イタリア料理に次いで3回目の「楽しいお菓子・料理教室」。今回は、唐木グリーンパン教室の唐木芳子さん=西春近=が、ハムロールと、忙しい人のための1時発酵をしないテーブルロールの2種類を教えた。
唐木さんは、「おいしいパンを作るには、いい温度、いい時間で」と話し、こね上げ生地温度は27度から30度が理想で、夏は氷水、冬はぬるま湯、秋は水道水を使って温度を加減するなど、パンづくりのこつを教えた。
参加者は、生地につやが出るまで両手で包み込むようにこねたり、ハムロールの成型をしたりとパン作りを楽しんだ。焼きあがったパンを試食して発酵させたパンと発酵しないパンの違い、ガスオーブンと電気オーブンの違いなども学んだ。 -
40周年の宮田村商工会青年部が一輪車や収益金を寄付
宮田村商工会青年部は創部40周年を記念して8日、宮田小学校に一輪車10台を寄贈。先日開いた歳末慈善パーティーの収益金から30万520円を村へ寄付した。
前林裕一部長、40周年記念事業の平澤賢司委員長、池上真悟同副委員長が同校を訪問。 野溝和人校長と児童会運動委員会の新谷丈爾君、宮澤夢さんが「みんなで大切に乗らせてもらいます」と受け取った。
同校には50台ほどの一輪車があり、児童が休み時間に乗って遊ぶ。しかし、古くなったものが多いと聞き、青年部が記念事業の一環で購入。「子どもたちのためになれば」と、前林部長らは話していた。
青年部は40周年事業で、地域に還元する形で多彩な事業を展開。4日に開いた恒例の歳末慈善パーティーも好評で、オークションなど約300人が参加した。
その売り上げなど収益金を今年も村に寄付し、清水靖夫村長は「村政運営で必要な部分に有意義に使わせて頂く」と感謝した。 -
商工会が要望書を村に提出
宮田村商工会(前林善一会長)はこのほど、地域に根ざした積極的な活動が継続できるよう、補助も含めた支援を求めて清水靖夫村長に要望書を提出した。
同商工会は経営指導にとどまらず、多角的な地域活性化事業にも着手。本年度も商工業発展との相乗効果をねらって、特産品開発やプレミアム商品券の発行、村の伝説を看板にしたストーリーサイン事業などを展開している。
村から商工会への補助は本年度1185万円。前年度と同額となっているが、一部の村議などからは「補助した事業の効果を村が明確に把握すべき」などの声も挙がっている。
前林会長は「商工会の活動は村の税収増に貢献しているはず。村財政が厳しいことは理解するが、税収があがる所に手厚くしてほしい」と継続的な支援を求め、総額2160万円の補助を要望した。
清水村長は、商工会活動の成果を高く評価したうえで、厳しい台所事情に理解を求めた。 -
第6回
駒ヶ根-地産地消の銘菓づくり
~3年目の現状~ 【下】特産品づくりを産業連携で進めることを目指した「駒ヶ根竏鋳n産地消の銘菓づくり」。3年目を迎えた取組みの現状と課題を関係者に話し合ってもらった。その2回目。
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テレビのこうや豆腐特集で
登喜和冷凍食品に問い合わせ集まるテレビでこうや豆腐が特集されたことをきっかけに、伊那市の登喜和冷凍食品(登内英雄社長)に注文や問い合わせが増えている。
こうや豆腐を特集したのはTBSの朝の番組「はなまるマーケット」(8日朝放映)。冬の乾燥肌を防ぐには入浴後10分以内に保湿のケアをすると同時に、タンパク質の豊富な食材を取ることが重要だとして、こうや豆腐の効用や調理法を紹介した。
同社の女性従業員8人も登場。「3世代の家族で、年寄り用に含め煮や卵とじ、子ども向けに粉末こうや豆腐を入れたハンバーグなど、2日に1回は食べている。乾燥肌だったのが治った」(伊藤文子さん=美篶在住)などと証言。足のスネで実測した保湿値も、従業員のものは平均50以上で、東京での平均35程度を大きく上回った。
放送直後から、同社・同社が加盟するこうや豆腐の組合・TBSなどに「こうや豆腐のメニューを教えて」「粉末製品を扱っている会社を教えて」などの問い合わせや注文が集まっているという。
登内社長は「毎年12月は鍋物用や正月向けの豆腐づくりで忙しいが、番組放送でさらに忙しさが募った。休日返上で頑張ります」と話した。
こうや豆腐はもともと高野山が発祥の地と言われる豆腐を冷凍・乾燥させた食品。戦後、長野県が一大産地をなり、現在では全国の90%以上を県内の業者で生産している。 -
起業チャンピオン賞を表彰
伊那商工会議所・伊那市主催のビジネスプラン創造塾を受講し、近く創業する女性2人に8日、起業チャンピオン賞を贈った。
受賞したのは、アジア生活雑貨販売と喫茶ビジネスの宮島洋子さん(33)=荒井区、アマランサス栽培と福祉雇用事業の山岸深雪さん(42)=若宮区=。
宮島さんは、ベトナムに滞在していた経験を生かし、布や陶器、衣類などの雑貨販売に加え、軽食を楽しめる店を通り町に構える。オープンは来年1月上旬予定。
山岸さんは「アマランサスを伊那の特産品にしたい」と来年から借り受けた畑25アールで栽培する。知的障害者らの働く場を確保。商品化には高遠町の栽培者らと連携していく。
表彰式で、伊藤正専務代行は「商売を始める熱い思いが伝わってきた。不安も多いと思うが、今後もフォローアップしたい」と地域の活性化につながるよう2人の活躍を祈り、新しい事業の芽が出ることに期待した。
受賞者も「自分のため、まちのために頑張りたい」とそれぞれ決意を語った。
創造塾は、新規創業を目指す人や新たな事業展開などを考える中小企業者を対象に開催。経営コンサルタントなど専門スタッフから伊那市のマーケット分析、資金計画、事業計画書の作成などを学んだ。25人が受講し、12人がプレゼンテーション。その中から、実現性が高いビジネスプランに「起業チャンピオン賞」を贈った。 -
第6回
駒ヶ根-地産地消の銘菓づくり
~3年目の現状~ 【上】地元食材を地元で消費する「地産地消」の発想が社会的に注目を集めている。上伊那でもこの視点から各種取組みが開始されている。その中で、駒ヶ根商工会議所が中心となり、地元菓子店やJA上伊那・農業生産者とともに3年前から始めた「駒ヶ根竏鋳n産地消の銘菓づくり」は、先駆的な例と言えよう。
特産銘菓づくりをテコにして食品製造・販売業と農業の振興を図り、地域活性化につなげようという試みは3年を経てどうなっているか?現状と課題を関係者に話し合ってもらった。 -
箕輪町中心市街地にイルミネーション
箕輪町商工会が進める箕輪町TMO構想(中小小売商業高度化事業構想)の実働部門「みのわTMOネットワーク2004」(関嘉重代表幹事長)が、中心市街地の活性化のきっかけに-と、松島の商店街などにイルミネーションをともしている。
昨年、日の出商工会が独自で松島駅前通りに電飾をつけ好評だったこともあり、今年はTMOの活動として範囲を広げ、日の出商工会、仲町実業団、通り町実業団、木下南部支会が参加した。
駅前通りに加え、仲町の町道6号線、国道153号、JR木下駅前に点灯。産業道路沿いにもシンボルイルミネーションが3カ所ある。電球や発光ダイオードを2万3千球使い、赤や青、白などの明るい光が街並みを包んでいる。
「階段を上るように一歩一歩充実させていきたい」とし、来年度以降はイルミネーションとともに年末年始のイベント開催も模索している。
点灯は来年1月7日まで毎日、午後5時から11時まで。 -
仙醸、「仙人蔵」飲み比べ
街の飲食店と協力して高遠町の醸造会社仙醸(黒河内靖社長)は、上伊那の5軒の居酒屋と協力して、新しい銘柄「仙人蔵」のさまざまなタイプを飲み比べる企画を始めた。
純米無ろ過原酒・純米吟醸酒・特別本醸造酒・純米酒の4つのタイプの仙人蔵を用意し、特製の飲み比べグラスで50縲・0ccずつ味わってみようというもの。1つの銘柄でも、製造工程の違いで味が変わることがよく分かり、同社では、日本酒探訪の入口になると位置付けている。
同社の試みに協力するのは、高遠町西高遠の「ながせ」、伊那市旭町の「むさし」、入舟の「亀」、春日町の「串正」、駒ヶ根市中央の「さいとう」。「仙人蔵のみくらべセット」として840円で提供する。
仙人蔵は03年から製造発売。はじめは純米酒をろ過せず、水を入れてアルコール度数を下げることもしない「無ろ過原酒」タイプだけだったが、「仙醸の新しい酒」と評判が広がるにつれて、醸造工程を低温に保って香りと繊細さを出した「純米吟醸酒」、米の個性を活かした「純米酒」、キレと飽きのこない味を出すために、ごく少量、醸造用アルコールを使用した「特別本醸造酒」竏窒ネどタイプを増やしてきていた。
同社企画主任の丸山慎一さんは「これを機会に、まず仙醸の、そして日本酒全般への関心を広げていただければ幸い。若い女性にも向いていると思います」と話す。 -
積雪で客殺到の自動車工場
4日午後から伊那谷は雪模様。見る見る雪が積るのに直面し、自動車のタイヤをノーマルからスタッドレスに履き替えていないユーザーは、自力で履きかえたり、自動車工場に飛び込んだり、大慌てだった。
伊那市中央区のトモエ自動車では、朝から客の車が数珠つなぎ。4日だけで約70件が殺到し、午後10時まで作業の追われた。店の人は「10日前でこんなに忙しいのは珍しい。台数は記録かも」と。
南箕輪村神子柴のカローラ南信は、朝から午後7時まで、100台を超す車がタイヤ交換。「一挙に降ったので、お客さんも慌てたのではないか。こっちもてんてこまいだったけど……」と話す。
駒ヶ根市に本社を置く松井自動車は、駒ヶ根本店・伊那支店それぞれで3・4日の両日、各150台を越えるタイヤ交換に追われた。「3日の内から天気予報で降る降ると流れたので、お客さんがドッと来た。4日は、実際の雪を見て。5日朝もまだ雪模様だったので。とにかく三日間、社員総出でタイヤ交換をやっているような状況です」。
毎年12月はタイヤ交換作業が多いが、近年雪が舞っても一挙に積ることは珍しく、12月一杯をかけて順次交換作業が進む状況だった。「これだけ短期間に集中したのは久しぶり」と業者は口をそろえた。 -
商工会青年部40周年記念式典 さらなる飛躍誓う
宮田村商工会青年部は4日、創部40周年記念式典を村民会館で開いた。政治、経済界など村内外から約300人が出席。地域とともに歩んできた歴史を振り返りながら、さらなる飛躍を誓った。野球教室やマジックショーなどの記念事業も行ない、子どもたちをはじめ多くの住民と喜びを分かちあった。
48人の全青年部員がステージに立って式典は開会。前林裕一部長は「我々を取り巻く環境は厳しいが、こんな時だからこそ地域に貢献したい。青年らしい柔軟な発想でさらなる可能性に挑戦する」とあいさつした。
初代の青年部長を務めた山田豊さんは、創立当初の苦労を回顧。当時前例がなかった歩行者天国によるイベントを実現した思い出にふれ「新しいことをやるには時間がかかるが、未来に向ってますます発展して」と現役部員を激励した。
1966年創立の青年部は、商工業の振興にとどまらず、地域に根づいた積極的な事業を展開。全国的にも注目される商工会本体とともに、柔軟で独創的な取り組みが目立っている。
式典に引き続き、創部当初から毎年実施している歳末慈善パーティーを開催。収益金の一部は今年も村へ寄贈する。 -
権兵衛開通に向け
期待と不安、交錯「米の道は夢の道になる」「伊那竏猪リ曽一体となった観光客誘致が必要」「通勤圏の拡大は歓迎だが、木曽の過疎化の進行が心配」竏柱兵衛トンネル開通を3カ月後に控えた3日、伊那側と木曽側の行政と商工団体の代表が期待と不安を語った。
伊那ケーブルテレビジョンの番組「開通前夜特別対談」の収録。参加者は、伊那側が、小坂樫男上伊那広域連合長(伊那市長)と向山公人伊那商工会議所会頭。木曽側が栗屋徳也木曽広域連合代表副連合長(木祖村長)と磯尾武木曽中部商工会会長。収録後、参加者は記者会見した。
伊那側・木曽側双方が最も期待するのは「生活圏・通勤圏の拡大による広域での地域経済の活性化」。開通によって伊那縲恂リ曽間が約30分で結ばれることから、産業・経済・生活面に総じてプラスの結果が予想されるとの共通認識だった。特に、木曽側は中央道伊那インターチェンジへのアクセスが可能になり、伊那側は木曽だけでなく高山や上高地などへの連絡も良くなることから、広域での観光客誘致などには大きな期待が寄せられた。
だが、伊那側は「木曽の優秀な人材の雇用」や「商客の来伊」に期待を寄せるが、木曽側は「人口流出と地元商店街の沈滞」による「木曽のいっそうの過疎化」を懸念。一方、木曽側が期待を寄せる「混雑の激しい国道19号の迂回路確保」に、伊那側は「伊那の交通混雑」の不安を抱くなど、期待と不安が交錯。こうした問題を解決していくためにも、行政・商工業団体レベルでの連携強化の必要性が確認された。
対談番組は伊那ケーブルテレビジョンで、年末29日から3日間にわたり放送される。 -
ながた荘食堂に新メニュー
長命の里「ながたの薬寿そば」箕輪町の「ながた荘」食堂に5日、健康によいと言われる杜仲が入った新メニュー「ながたの薬寿そば」が登場する。
信州産そば粉に地元産みのわ杜仲粉末が1割、ジネンジョが入ったそばは黒色で、杜仲の香りが強く、シャキシャキとしたような新しい食感。飲み込んだあとに杜仲独特の香りと苦味が口の中に広がる。薬味の大根や人参と一緒に食べるとサラダのような味わい。
杜仲は利尿効果、高血圧症、コレステロール、肥満を防ぐ効果が期待できるという。
食堂(午前11時縲恁゚後2時)の通常メニューで1200円。宴会や宿泊客の特別注文にも応じる。 -
ハートフル美容師養成研修開講
全日本美容業生活衛生同業組合連合会とシルバーサービス振興会の「ハートフル美容師養成研修」長野県南信会場がこのほど、箕輪町の松島コミュニティセンターで開講した。
高齢者や障害者に安心・快適・満足の美容サービスを提供するため、必要な知識や技術を身に付けた「ハートフル美容師」を育てる目的。全美連が04年に高齢化社会対応委員会を設置し、05年度に事業化。全国35都道府県で2700人が研修を受ける。
研修は通信教育と集合研修で、レポート課題と確認テストに合格し、全科目を修了すると認定証、携帯用認定証、店舗用ステッカーを交付する。
県内の受講者は153人。南信会場は51人が参加し、県の高齢化状況と介護保険や、高齢者・障害者むけおしゃれ術を学んだ。
県美容業生活衛生同業組合の氷川重子理事長は、「お客様は体が不自由になると美容室に行くことは迷惑になると考えるが、研修で介護的なことや心のケアを学び、安心して来てくださいと言えるようになる」とし、「地域に愛され、地元で営業している美容師なので、地域と共に育ち、社会に貢献していきたい」と話した。 -
村内への企業誘致目指して促進連絡会設置へ
積極的に企業を誘致しようと宮田村は2日、情報収集の機関として「企業誘致促進連絡会」を設置すると決めた。商工会やJA、金融機関などに参加してもらい、年明けにも発足予定。村産業建設課は「アンテナを高く張って、企業のニーズに対応したい」としている。
全国的な傾向と同じく、同村内でもバブル期が終わった1990年代後半から、目立った企業進出がない状態。村の工業団地も、18年間新規の造成を行なっていない。
連絡会は各団体から情報を寄せてもらい、企業情報を的確に把握するのがねらい。平沢正典産業建設課長は「企業誘致推進の中核に位置付け、各種団体と協力しながら取り組みたい」と説明する。
この日は、調整機関として清水靖夫村長を座長とする企業誘致専門部会を庁内に設置。
商工から税務まで各分野の担当係長と土地開発公社など13人で構成し、連絡会の設置を正式に決め、今後の体制について議論した。
清水村長は「今まさに具体的な行動をおこす必要がある。土地を村の有効資源として活用し、効果のあがる推進体制を構築していく」と話した。 -
こだわりの高遠ブランド 純米酒「やまむろ」発売
高遠町の酒販店14店でつくる町酒販店活性委員会(桜井節男会長)は2日、三義の山室水稲耕作組合(原康人組合長)、醸造会社「仙醸」と共同開発した純米しぼりたて生「やまむろ」を3日、千本限定で発売すると発表した。
酒米栽培、醸造、販売をすべて地元でこなし、特産品「高遠ブランド」として純地酒の開発を目指した試み。同組合と仙醸に協力を依頼し進めてきた。4月から約3・5ヘクタールで酒米「ひとごこち」をじかまき栽培し、268俵を収穫。うち120俵を仙醸で仕込み、先月下旬にしぼりこんだ。
「やまむろ」(720ミリリットル、1200円)はアルコール度17・9%、「しぼりたての荒々しさのなかに、米の甘さと辛口酒独特ののどごし」が特徴。仕込みの残りを貯蔵し、一部を来年3月に一升瓶で、さらに熟成させて来秋にも発売する予定。
委員会は03年7月に発足、内部で研究会を立ち上げて商品開発に取り組んできた。桜井会長は「本当の地酒を開発したいとやってきた。非常にいい仕上がりで、自信をもって発売する。地元をはじめ多くの人に愛飲してもらいたい」と話す。 -
今年度米白毛もちの販売開始
上伊那農民組合産直センターは11月から、今年収穫した古代米を使った「白毛餅」の販売を開始した。
商品化して8年目となる今年は、約750俵のもち米を20人の生産者が収穫。消費者からは「白毛もちを食べたらほかの餅は食べられなくなった」「小さいころ食べた懐かしい味がする」などの反響があるという。
戦前・戦後のこの辺りの農家は、普通に白毛餅を自家用栽培していたが、収量の少なさや作りづらさから栽培農家が激減し、一時絶滅の危機にも瀕(ひん)した。しかし同組合の努力もあり、その味が現在へと引き継がれている。こくのある旨み、強い粘りと伸び、香りの良さが特徴で、原種に近い白毛餅だからこそ実現できる味だという。
上伊那農民組合産直センターの竹上一彦代表は「上伊那の名物は多々あるが、白毛餅は昔から受け継がれてきた地元の味。地元の特産をぜひ味わってほしい」と話している。
白毛餅・白毛もち米を購入できる販売店は、ニシザワ各店、キラヤ各店、JA上伊那Aコープ各店、グリーンファーム、みはらしファームとれたて市場、駒ケ根高原直売所、駒ケ根ファーム、中央道小黒SAイーナちゃんプラザ、大原農園、伴野商店、かんてんぱぱガーデン
問い合わせ・注文は上伊那農民組合産直センター(TEL73・0785)へ。 -
経営講座「日本経済の現状と展望」
企業連携により地元の産業を活性化させようと駒ケ根市内の製造業者らがつくるテクノネット駒ケ根と駒ケ根商工会議所、駒ケ根市は29日、南信地域の企業経営者や管理者を対象に開いている05年度経営講座の第3回講演会を駒ケ根駅前ビル・アルパで開いた。会員ら約30人が集まり、日本総合研究所調査部長の湯元健治さんによる「日本経済の現状と展望竏茶fフレ脱却とリスクへの挑戦」と題した講演を聞いた。
湯元さんは「落ちそうで落ちない現在の景気を私は『ねばり腰景気』と呼んでいる。原因は企業体質が強くなっていることもあるが、第一には中長期的な視野に立った経営者の自信だと思う」と分析した=写真。その上で「個人消費も少しずつ伸びてきているし、所得や雇用も回復している。駒ケ根市の有効求人倍率は現在1・39倍だと聞いている。こうしたことからこの景気は長続きするとみている」と結論付けた。
経済の動向は会社経営に大きな影響を与えるだけに、参加者らは真剣な表情で講演に聞き入っていた。 -
宮田村商工会青年部が40周年
3、4日に多彩な記念イベントを開催創部40周年を迎える宮田村商工会青年部(前林裕一部長、48人)は3、4日、各種の記念事業を行なう。著名なプロ野球選手を迎え講演会や子ども野球教室、人気マジシャンのマジックショーなど多彩。4日の式典では、商工業にとどまらず幅広くむらづくりに貢献してきた40年の歴史を振り返る。
村内商工業を取り巻く環境は厳しいが、青年部は精力的に活動。青少年の育成活動から村が抱える問題まで幅広く関心を寄せ、各種事業を展開している。
昨年と今年には宮田高原の活性化にも協力。県外から訪れるリンゴオーナーを対象にキャンプを開き、高原内に手作りでアスレチック遊具も整備した。
「全員が人任せではなく、情熱と責任感を持っている。次世代をみすえて、常に前へ前へ。これが青年部の伝統」と前林部長。
今回も記念事業の一環として、村民会館前の芝生広場にモミの木を寄贈。宮田小学校には一輪車10台を贈る。
また、4日午前8時45分からは村内の小中学生を対象にプロ野球中日ドラゴンズの川相昌弘さんを迎えて野球教室を開く。
同日午後5時から村民会館で開く記念式典には、歴代の青年部員も含め来賓を多数招待。新たな躍進への一歩とし、引き続き行なう歳末慈善パーティーの収益金の一部は今年も村へ寄付する。
川相選手による記念講演会は3日午後6時半から村民会館。マギー審司、ふじいあきらの人気者両名によるマジックショーも4日午前11時半から同会館で開くが、いずれのチケットも完売となった。
記念事業実行委員会の平沢賢司委員長は「過去の経験を活かし、未来につなぐ記念事業にしたい」と話す。 -
- 元気印 - の企業経営学ぶ
長野銀行の伊那支店など3支店の取り引き先でつくる「ながぎんひまわり会」の研修講演会がこのほど、伊那市美篶の信州INAセミナーハウスであった。経営ジャーナリストの疋田文明さんが「元気な会社の元気な経営縲恟汨g、負け組の分岐点はどこにあるのか縲怐vと題した講話に、会員約70人が耳を傾けた=写真。
疋田さんは1950年、奈良県生まれ。中小企業経営、小売業経営などをテーマに、経営指導、講演、執筆などの活動を展開。中小企業の経営者と自らの自己研さんを目的に「元気塾」を開設し、元気印の企業が増えることを願い取り組む。
疋田さんは、中小企業が地域で事業を成功した実例を分析しながら説明。商品を生み出す「提案力」や、大型店に客の流出を止める「接客力」などに力を入れる企業の売り上げは伸びているとし、「業種、業態に問わず、中小企業が中身で大型企業に勝てる時代になっている」と訴えた。
また、「地方だから、中小企業だからだめと思わず、面白い仕事ができると思って取り組んでほしい」と、集まった経営者らにエールを送った。 -
姉歯事務所計算のホテル2棟
耐震強度、基準の半分姉歯建築設計事務所が構造計算書を偽造したとされる伊那市の「ホテルセンピア」と、駒ヶ根市の「プレモントホテル」について県は30日、長野県建築設計事務所に依頼していた耐震強度の調査結果を発表した。現在の両建物の耐震強度(保有水平耐力を通常基準になる必要保有耐力で割った数値)は、センピアが0・54(桁行方向0・54、梁間方向0・67)、プレモントが0・52(同じく0・64、0・52)だった。正当に構造計算された場合には、数値は1以上になる。
この数値ではおよそ震度5強位の地震までしか堪えられないだろうという専門家もいる。
構造計算書の偽造は、(1)耐震壁の剛性低下率の変更、(2)1階の階高を低く変更、(3)これらの偽造により正式な計算ルートで検討されないよう剛性率を基準値内に収め、必要な計算を省略した窶狽ネどの点だという。
県は、この結果と補強手法を施設管理者に伝える。また県は30日に、両施設への立入調査も行い、柱や壁の状況、クラックの発生状態などを調べた。 -
アマランサスの種を活用 商品開発へ
高遠町の国道152号杖突街道沿いにある遊休農地で観賞用穀物のアマランサス(ヒユ科)を栽培している高遠花摘み倶楽部(赤羽久人理事長)は29日夜、種を活用した商品を開発するための研究会を町総合福祉センターで開いた。実際に種を使ったビスケットなどを売り出している森永製菓研究所(横浜市)の尾畑高英技監から加工方法など研究事例を聞いた。
同倶楽部は地域と経済の活性化を図ろうと今春、アマランサスの研究を進める信州大学農学部の根本和洋助手と連携して栽培に乗り出し、花園づくりを進めてきた。製菓業者などを巻き込み、栄養成分が豊富で繊維、鉄分、カルシウムなど成分値が高い種を生かした商品化を目指し、「土産物ものとして地域おこしを図る」。
これまでは花や茎を用いて天ぷらやおひたしにしたり、同様に栽培している地域に視察に出向くなど研究を重ねてきたが、秋に種が収穫できたことで今回、会員をはじめ、町内や近隣市町村の業者ら約50人が参加し、正式に研究会を立ち上げた。今後は、収穫した約400キロの種を各店に提供し、研究してもらう。
尾畑監事はアマランサスの栄養価や研究成果を紹介。「小麦粉などと混合することで栄養価をさらに高め、価値を発揮する」「黒糖を使うと臭みがなくなる」などと助言し、「おいしくなくては消費者は求めない。おいしい健康食品を作ってもらいたい」と呼びかけた。
赤羽理事長は「春までに商品を開発して、観桜客に土産ものとして売りたい。商品を通してアマランサスを広く周知していければ」と話している。 -
地元住民と協働で水路を改修
大田切土地改良区(渋谷宣吉理事長)は、光前寺参道沿いを流れる水路(通称寺井)を地元住民(北割2区維持管理委員会、光前寺自治会)と協働で、自然石の石積による水路改修を行っている。
27日は住民ら30人が参加。重機を使って掘り、両岸に巨石を積み、川底に石を並べ、石の隙間に砂や砂利を詰める作業を段取りよく進めた。
この水路はねずみ川の支流で、光前寺山中から、参道に沿って流れ、1号幹線(通称横井)に注ぐ、延長約4百メートルのうち、150メートルを04、05年度で改修する。
今年度は県のコモンズ支援事業の認定を受け、市の補助、土地改良区、地元の1部負担で、延長約130メートルを幅60センチに改修する。
工法はコンクリートを使わず、川底に石を並べ、両岸に石を積む3面自然石積工法。
明治時代に先人が太田切川から石を運び、人力で建設したという歴史ある水路だが、約80年が経過し、改修の時期を迎えた。水路は観光道路沿いにあり、10年前から毎年、北割2区営農組合がスイセンを植え付け、すでに20万球を数える。そこで、地元の維持管理組合などとタイアップし「光前寺門前花の道 清流水辺事業」と銘打ち、住民参加で取り組んできた。
作業は土・日曜日を利用し、12月末ころまでに終了する予定。