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かかし隊今季の締めにそば打ち体験
農産物の栽培を通じてさまざまな体験をする宮田村公民館の親子講座「われら、かかし隊」は8日夜、年越しのそば打ち体験をした。もちろん自分たちで育てたそばを用いて挑戦。今年度最後の講座をにぎやかに締めくくった。
教育委員会の小池孝さんが指導。一連の作業の流れを見た後に、親子が取り組んだ。
どろんこ遊びに夢中になるように、そばをじっくり練る姿も。「お餅をつくるみたい」「早く食べたいなぁ」など話しながら、のしたり切ったり予想以上に手際良く進めた。
ゆであがりを舌鼓。ほのかに広がる豊かな香りと食感を楽しみながら、2年目を迎えた今季の講座を振り返っていた。
同公民館では来年度もかかし隊の継続を予定している。 -
クリスマスローズ、夏を乗り越え旅立ち
宮田村で夏から初冬まで育ったキンポウゲ科の「クリスマスローズ」が、開花前の出荷の季節を迎えて次々と大阪の花き業者に引き取られている。
クリスマスローズは暑さに弱く、そのため冷涼な信州に業者が着目。苗になるまで大阪で育ち、夏を越して冬の季節を迎える出荷前に再び大阪へ戻る。
大原区で花きを栽培する林義人さん(36)が業者からの委託を受け、4年前から伊那市長谷で、2年前からは宮田村でも夏の管理に携わる。
10月下旬から大阪へ戻す作業が始まり、約3万鉢の・ス里帰り・スもほぼ終了。
英国ではクリスマスに花が咲くためにその名が付いたというが、日本では1月から3月に開花。さまざまな色の花をつけ人気も高いという。 -
県産材利用促進を要望
県内産の木材を小中学校の校舎などに使ってもらおうと、木材の生産企業や団体などでつくる県県産材振興対策協議会(斉藤敏会長)は5日、県内13市町村の教育委員会を訪問し「学校などの木造化、内装、外構などの木質化を積極的に検討し、県産材の利用促進を」などとする要望書を提出した。駒ケ根市には県木材協同組合連合会の伊藤久明専務理事など4人が訪れ、中原稲雄教育長に要望書と関係資料を手渡した=写真。伊藤専務理事らは「木材は良好な温度、湿度環境の形成に良いほか、情緒の安定や疲労の減少などの効果もある。生産は認証を受けた工場で行うので品質確保も万全だ」などと木造の利点を説明した上で、ぜひ利用を竏窒ニ訴えた。中原教育長は「趣旨はよく分かった」として、検討する意向を示した。
要望は小中学校などの新築、改築を計画している自治体を選んで行われ、上伊那ではほかに箕輪町に対して提出された。 -
伊那有機栽培研究会会長
伊那市東春近下殿島
鳥原 實(まこと)さん(76)おれはこれ以外、ほかのことができるわけではないし、値段(米価)が下がったからといっておいそれとやめられない。メンバーで集まった時も、「こういう時だからこそ正念場だ」ってよく話しているんだよ竏秩B
減農薬、無化学肥料栽培に取り組み始めたのは10年ほど前。年々米価が下落していく中、「売れる米作り」の必要性を強く感じていた時だった。しかし、おいしい米でなければ売れるはずもない。一念発起し、なるべく除草剤を使用しない、有機肥料を用いた栽培方法を模索し始めた。
まずは6ヘクタールのうち、30アールからのスタート。
有機肥料の研究、販売に取り組む業者に指導を仰ぎながら、土壌分析をした結果、それまで使用していた化学肥料や除草剤などの影響で、土壌は強い酸性を示した。そのため、1年目は土壌改良に重点を置いた。アルカリ性の石灰を入れ、苦土肥料も用いた。また、肥料もカキの殻や大豆かす、魚かす、米ぬかなどの有機物を原料としたものに変えた。
最初の1年はあまり変化が無かったが、2年、3年と年を重ねるごと、土壌は変化。それとともに米の甘味や粘り、歯ごたえも格段に良くなっていくことを実感した。
「食味を上げるのが一番難しいが、指導を仰いだり、自分なりに研究したりする中で、(水分やたんぱく質、アミロースなどの数値から食味を計る)食味計でも、80以上が出るようになった。こういう数値が出ると嬉しい」と笑顔を見せる。
その後、ほかのほ場でも減農薬、無化学肥料栽培を拡大。同じ思いで有機栽培を研究してきた仲間と伊那有機栽培研究会を立ち上げ、同様の方法で米作りに取り組んできた。
「作ることも大切だが、これからの百姓は売ることも考えなければならない。しかし、売ることは作ることより難しい。だから研究会では、どこに売るべきか、どうやって売るべきかなども話し合う。仲間がいることは力強い」と語る。
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寺沢林道が復旧
昨年7月豪雨の影響で通行不能になっていた宮田村の宮田高原に通じる寺沢林道が、先月末で復旧した。そのまま冬の通行止めになるため、開通は来春となる。
豪雨で3カ所の大規模崩落があり、総事業費は約1億円。二季続けて宮田高原が閉鎖になるなど影響が出た。 -
雑穀フォーラム開催
農業者や一般の人たちに雑穀の栽培現場と生産、流通を知ってもらおう竏窒ニ、雑穀の生産、販売を通した地域おこしに取り組む「雑穀プロジェクト」は2日、「雑穀フォーラムin伊那」を伊那市長谷の気の里ヘルスセンター栃の木で開いた。高遠を中心としてアマランサス生産に取り組む伊那地域アマランサス研究会や、昨年から長谷で雑穀の栽培に取り組んでいる地元農家などから現状と課題、販売の展望などの報告があり、雑穀に関心を持つ生産者など約30人が耳を傾けた=写真。
同フォーラムは雑穀の生産者を増やし、安定した供給体制を確立する中で販路拡大を目指すために催したもの。第1部で「雑穀生産の魅力」を、第2部で「雑穀生産の現場から」をテーマに大学教授や生産者など6人が発表した。
そのうち第2部では、既存機械を活用したシコクビエの栽培に今年取り組んだ長谷の春日孝徳さんら3人が発表。春日さんらは今年、信州大学農学部の井上直人教授の協力のもと、イネの移植機によるシコクビエの移植、コンバインによる刈り取りを試験的に導入。一定の労力削減は図られたものの、コンバインで刈り取った実の乾燥が難しいこと、移植する種から苗に育てるまでが手間がかかることなどといった課題を今後クリアしていく必要があることを示した。
また、同プロジェクトの中心となって取り組んでおり、現在長谷の道の駅で雑穀を使った料理を提供するレストランを経営している吉田洋介さんは、雑穀の販売と流通について発表。
東京、大阪の健康志向レストランなどでは国産の雑穀を使いたいと考えているレストランも多いことから、潜在的な需要はあることを示す一方、安定供給体制の確立が課題であることを説明。
「栽培組合のようなものを立ち上げて、そこを中心とした供給をしていきたい」と今後の展望を語った。
また、直売所やネット販売なども、雑穀の流通ルートとなる媒体であることを示した。 -
山ぶどうワインまつり
宮田村の山ぶどうワインまつりは2日、新田区の本坊酒造信州工場で開いた。村特産ヤマソービニオン種を収獲から2カ月で仕込んだ赤ワイン「紫輝」を解禁。会場では今年初めてジャズの演奏も行い、訪れた約500人は出来たての味と香りを抜群の雰囲気に包まれながら堪能した。
生産者や村などでつくる「山ぶどうの里づくり推進会議」が開き、70リットルのワインと、同じくヤマソービニオンでつくったジュースの無料試飲を用意。村内関係者が多彩な軽食も販売し、訪れた人たちは心ゆくまで本年産のワインを味わった。
心地良いジャズを聞きながらグラスを傾ける姿も。紫輝をはじめワインを愛好しているという駒ケ根市の春日秀夫さんは「酸味のバランスが良い印象。年々まとまりがあるワインに仕上がってきていますね」と話した。
13戸がヤマソービニオンを栽培し、ワイン醸造は9年目。近年は県の原産地呼称管理制度に認定されるなど高い評価を受けている。
会場で日本ソムリエ協会の高野豊さんは「甘さと酸味と渋味のバランスが非常にいい。赤ワインとしてかなりの完成度」と、本年産についても太鼓判を押して講評した。
「紫輝」は720ミリリットル入りビン1本1900円。約6500本を生産し、上伊那を中心にした酒販店などで取り扱っている。問い合わせは本坊酒造信州工場85・4633、村役場産業建設課85・5864へ。 -
農業委員会が建議、農産加工所の早期設置も盛りこみ
宮田村農業委員会(小田切信樹会長)は3日、担い手対策など未来に展望が持てる持続的な農業基盤の整備確立を求め、建議書を清水靖夫村長に提出した。従来に引き続いて農産物加工所設置の早期実現も内容に盛りこみ、村長は「交流ができる場所は必要」と一定の理解を示した。
村役場を訪れ、清水村長に文書で建議した小田切会長は、口頭でも加工所早期設置に理解を求めた。
清水村長は、住民参加で検討が始まっている西山山麓の観光活性の課題と抱き合わせて考えていく意向を示した。
米価の低下や石油価格の上昇など農家を直撃する各種問題についても懇談。苦しい農家の事情にふれ、清水村長は「お互いに知恵をだしあっていきたい」と話した。 -
上伊那猟友会が県の「信州ジビエ衛生管理マニュアル」に関して県へ要請
上伊那猟友会(竹入正一会長)は12月末までに、県が9月に示した野生鳥獣の食肉処理、販売に関する指針「信州ジビエ衛生管理マニュアル」に対し、一定の条件のもと、猟友会員にも狩猟肉の解体を認めてもらうことなどを県へ要請する。
県では急増したニホンジカの適正な保護管理対策を目的としてニホンジカの個体数調整を進める一方、狩猟肉を食肉として有効活用する方法を模索。そこで、衛生的に野生肉を食肉として用いるための指針「信州ジビエ衛生管理ガイドライン」を策定。野生肉の解体処理に関する衛生管理マニュアルを示した。
しかし、同マニュアルは狩猟肉の解体従事者を食肉処理業者に限定し、解体場所も処理施設内のみとなっている(自家用消費は除く)ため、狩猟者が狩猟肉を食用として業者に販売しようとする場合、従来のように射撃後、すぐにその場で解体することはできない。さらに、マニュアルでは品質劣化を避けるために処理施設への速やかな搬入を促しているが、山中で仕留めた獲物を処理施設までに運ぶにはそれなりの時間を要する。長時間内臓をそのままにしておけば肉質が劣化するため、実際に狩猟肉を持ち込んだとしても、買い取り対象とならない可能性も高い。
これを受けて同会では、県のマニュアルに沿って衛生的に解体処理することを条件に、猟友会員にも狩猟肉の解体を認めてもらい、内臓、皮の処理までを屋外で行えるよう要望したいと考えている。
1日の一斉捕獲では、県のマニュアルに沿って実際に屋外での解体処理を実施=写真。この様子を写したビデオテープも県に提出する。
竹入会長は「今のままでは双方にとって不利益。一定の条件のもとであれば、ここまでやっていいという方針を示してもらえれば」と話していた。 -
上伊那地区野生鳥獣保護管理対策協議会が入笠山で一斉捕獲
上伊那地区野生鳥獣保護管理対策協議会は1日、急激な増加に伴い植生などに深刻な被害を与えているニホンジカの一斉捕獲を伊那市高遠町の入笠山牧場で実施した。上伊那猟友会(竹入正一会長)の会員213人が捕獲隊として協力。ニホンジカ32頭を捕獲した。
ニホンジカの個体数調整を目的とする一斉捕獲は今年で4回目。
この日は、早朝から猟友会員や信州大学農学部の教授や学生などが入笠山牧場を訪れた。
捕獲されたニホンジカが集まり始めると、信州大学農学部の教授らが検体を開始。動物生態機構学などが専門の大島浩二教授は「詳しく調査しなければ分からないが、イネ科などの草を食べていると思う」と、ニホンジカが牧場の牧草を食べている可能性が高いことを示した。
一斉捕獲は伊那市長谷と中川村でも行う予定で、全体で200頭を捕獲することを目標としている。
また、今回は県が野生肉を食用に用いるために示す「衛生管理マニュアル」に沿った解体も行った。 -
大田切営農組合収獲祭
宮田村大田切営農組合(田中賢一組合長、80戸)は23日、収獲祭を同集落センターで開いた。地元の女性や壮年連盟が協力して打ったそばなどが振る舞われ、秋の味覚に舌鼓を打ちながら天の恵みに感謝した。
打ちたてのそばは格別の味に。酒も酌み交わし、和やかな雰囲気で豊作を祝った。
同組合は村内の営農組織の草分け的存在。田中組合長は「担い手不足など個人で対応できない課題も増えている。より一層、集落、そして村全体のつながりも深めていかなければ」と話していた。 -
南割営農組合手づくり収獲祭
宮田村南割営農組合(小田切政男組合長)は23日、「手づくり収獲祭」を同集落センターで開いた。地元産の農産物をふんだんに使い、数々の料理でにぎやかに。約100戸の組合員が豊作を喜んだ。
おでんに豚汁、そしてそば。みんなでとれた野菜などを持参して調理。天の恵みにもたらされた「ごちそう」がテーブルに並んだ。
餅つきなどもあり、子どもたちも一緒に楽しく。3年目を迎えた収獲祭だが、地域がひとつになって実りの秋を満喫した。 -
県がウッドチップ利活用のデモンストーレーション
県は22日、間伐材の利用を促進するためウッドチップ利活用のデモンストレーションを、伊那市長谷ワラビ久保の県営林道で行った。建設業者や市町村関係者など約20人が参加し、県のウッドチップ用機材の運用を見守った。
間伐材などを切断し粉砕機に投入する「グラップルソー」と、投入された木材を長さ2・5センチ縲・5センチの大きさにチップ化する「木質系粉砕機」を実際に動かすと、参加者からは「すごい」「これはいい」など称賛の声があがった。
作られたウッドチップは、樹木の種子などとともに「ウッドチップ吹付機」によって、のり面に吹きつけられる。道路建設などにともないできる人工斜面ののり面を、緑化する効果があり、山の活性化につながる。
県では間伐材有効利用促進のために「グラップルソー」「木質系破砕機」「ウッドチップ吹付機」を1台ずつ購入しており、市町村には無償で貸し出しを行っている(運搬賃、燃料費などは借用者負担)。
問い合わせは、県林務部(TEL026・235・7266)へ。 -
「長~いナガイモ」駒ケ根市民チャンピオンに
駒ケ根市の何でもナンバーワンを登録する市民チャンピオンに27日、小町谷の石材業西尾常治さん(70)方の畑で取れたナガイモが長さ1メートル29センチで初めて認定された=写真。西尾さんは「ナガイモの収穫作業をしている時『これはかなり長いぞ』と思ったので、折らないように慎重に掘り出した。今年はどこもナガイモの出来がよくないと聞いていたので、なおうれしい」と話している。
西尾さんのチャンピオン登録は過去3件の「ジャンボナガイモ栽培の人」に続いて4件目。 -
かたつむりで「秋の収穫の集い」にぎやかに
中川村葛島のフルーツ島田屋・直売所かたつむりは25日、「秋の収穫祭」を行ない、りんごオーナーを中心に、県内外から多くの家族連れが来場、真っ赤に色づいたふじリンゴを収穫したり、もぎたてを丸かじりするなど、食欲の秋、収穫の秋を満喫した。
この日は小春日和、来場者には初冬の伊那谷の景色を眺めながら、マツタケご飯や熱々の豚汁、手作りケーキに舌鼓を打っていた。
また、越冬野菜や果物、鉢花などが販売され、1袋、2袋と買い求めていた。 -
JA宮田支所農業祭
JA上伊那宮田支所は24、25日、農業祭を同所で開いた。旬の農産物を豊富に揃えたほか、生活班の発表や宝投げなど、多彩なイベントでにぎわった。
壮連などが新鮮な野菜を販売。米消費拡大コーナーでは、もち米の枡売りなどで、地元のおいしい米をアピールしている。
軽食の屋台村のほか、農産物品評会、組合員有志や子どもたちの各種作品展も開催。
宝投げや恒例の集落対抗腹巻き送り競争、生活班の踊りやダンス発表もあった。 -
伊那有機栽培研究会が県の原産地呼称制度の認定米に認定
伊那市内の農業者ら8人でつくる伊那有機栽培研究会(鳥原実会長)が減農薬無化学肥料で栽培したコシヒカリ「上納米」が、県の原産地呼称制度の認定米に認定された。鳥原会長は「3年ばかり認定にならないできたので、今年こそはと頑張ってきた。今後は地元の人たちにも食べてもらえるよう、販売ルートを作っていきたい」と喜びを語る。
同制度は、より品質の高い農産物や農産品を提供する中で消費者にその生産情報を開示し、信頼を得ながら地域振興を図ることを目的とする。米の場合▽農薬使用の制限▽化学肥料の制限▽玄米での農産物検査が1等であること竏窒ネどの基準が設けられている。その基準に適合すると認定された米のみ、販売時に「長野県原産地呼称管理委員会認定」と記すラベルを張ることができる。
有機栽培を目指すメンバーでつくる研究会は、除草のための農薬は1回に制限、カキの殻や大豆かす、魚かすなどを配合した有機物肥料による栽培に取り組む。こうして栽培した米は、甘味が強く、適度な粘りもあるため、歯ごたえが良い米になるという。
過去に制度の認定を受けたことはあったが、ここ数年は認定を受けていなかった。
今回は中央アルプスを水系とする西春近地区の水田で生産した宮下文勝さん(64)の米が認定を受けた。
現在は関東、関西方面に約3千キロを出荷している。今後は地域に販売していくことを模索していく。
問い合わせは伊那有機栽培研究会(TEL78・0560)鳥原さんへ。 -
大泉営農組合
野沢菜と大根の収穫体験南箕輪村大泉営農組合の「野沢菜と大根の収穫体験」が24日、村道5号線のあずまや近くの畑で始まった。毎年の恒例で、朝から訪れた夫婦が手際よく収穫している。
野沢菜は鶏ふんを使用し、無農薬で栽培した。今年は菜の丈もちょうどよく出来はいいという。価格は1束(5キロ)200円。用意してあるひもで縛るが、5キロ以上縛ることができる長さにしてあるという。
伊那市の夫婦は50キロ漬ける予定で、「初めて来た。枯葉などごみを畑に置いていっていいので助かる。少しでも安く提供してもらえるのでありがたい」と話していた。
体験は25日、12月1、2日もある。時間はいずれも午前9時縲恁゚後3時。大根は予約制で1本50円。 -
「背の高いフユアオイ」駒ケ根市民チャンピオンに
駒ケ根市の何でもナンバーワンを登録する市民チャンピオンに22日、下島貞衛さん(90)=町四区=方のフユアオイが高さ2メートル29センチで初めて認定された=写真。下島さんは「葉が食用になるというので、知人に分けてもらった苗6本を今年初めて畑に植えてみた。普通は大きくなっても1メートルぐらいだというから、こんなに成長してびっくりしている。特別な手入れは何もしていないよ」と話している。下島さんは毎日取った葉をゆでておいしく食べているという。
下島さんのチャンピオン登録は「長いつるのサトイモ」「重いタマネギ」などに続いて6件目。
フユアオイ(冬葵)は亜熱帯アジア原産のアオイ科ゼニアオイ属の多年草。 -
まるこま市場まつり
駒ケ根市赤穂上穂南にある駒ケ根市公設地方卸売市場「まるこま市場」で23日「第3回まるこま市場まつり」が開かれた。地元産の野菜や果物、花などが格安で販売され、ミカン、シクラメン、ブロッコリーなどのせりの実演なども行われて、訪れた家族連れなどでにぎわった=写真。
会場の一角には青果についてのパネル展示や食育かるた、果物が当たる食育クイズコーナーなどが設けられたほか、来場者には熱い豚汁が無料で振る舞われた。
イベントを主催した同市場生産者組合(小林弘志組合長)と仲買人組合(今村誠組合長)は「ここに市場があることすらあまり知られていないので、一般の人に存在をアピールしようと2年前に始めた祭り。来年以降も続けていきたい」と話している。 -
かかし隊が収獲祭
農産物の栽培を通じてさまざまな体験をする宮田村公民館の親子講座「われら、かかし隊」は23日、収獲祭を開いた。自分たちで育てた米を五平餅、サツマイモをスイートポテトに調理。支えてくれた地域の人たちも集まり、大地の恵みをみんなで味わった。
この日は駒ケ原の宮嶋正明さんの農園で、オーナーになっているリンゴの収獲を体験。真っ赤な実を丁寧にもぎ取った。
村民会館に場所を移して調理を開始。宮田村の五平餅は通常「小判型」だが、炭火で焼くために「俵型」に挑戦した。
親子で炊きたてのご飯を握り、串に刺してコンガリ焼けた所でふんだんのクルミ味噌を塗った。
植木千尋さん(9)は「ベタベタしていて作るのが大変」と話しながらも満面の笑顔。
親たちは「普段はなかなかこのような機会を持てないが、子どもたちと接点を持つ意味でも本当に良かった」と春からの講座を振り返った。
甘いほのかな香りのスイートポテトも完成し、とってきたばかりのリンゴもテーブルに並べて会食。多くの地域の人に教えてもらい、育んできた自分たちの味に歓声が沸いた。 -
樹齢百年余、「大国光」実る
中川村葛島の六識園(高橋昭夫園主)では、樹齢百年余の「大国光」の収穫が始まった。
腐蝕し、ほとんど空洞となった幹にはコンクリートを詰め、土を補い、麻布を巻いた。わずか樹皮で大地とつながり、養分を吸い上げ、新梢を伸ばし、花咲き、実を結んだ。
「大国光」は戦後、「紅玉」とともに一世を風びした「国光」の1種。1914年(大正3年)に昭夫さんの祖父、二郎さんが植栽した。最盛期の昭和50年代には大きな物は子どもの頭ほどある実を千個以上つけたが、今は50個余りしかつけない。
年輪を重ねた「大国光」の味は「甘酸っぱい、リンゴ本来の味、素朴で懐かしい味」とか。
生産性や経済性が優先する果樹経営の中で、「国光」はほとんど切られ、「ふじ」「つがる」に品種転換された中で、同園は「古い物を大切に」と、大正、昭和、平成と百年余3代に渡り守り続けている。 -
宮田小3年2組が選果場見学
宮田村宮田小学校3年2組は21日、リンゴの主力「サンふじ」が最盛期を迎えた飯島町のJA上伊那飯島選果場を見学した。選別から箱詰めされ商品になるまでの過程にふれ、信頼を保つため・ス品質管理・スに最大限配慮していることなど学んだ。
夏にトマトを栽培し、大手飲料メーカーのジュース原料として出荷した同学級。
その経験も踏まえて、今度は農産物が店頭に並ぶまでにどのような過程を経るのか学ぼうと、宮田村から中川村までのリンゴが集まる同選果場を訪れた。
迷路のようにベルトコンベアーが張り巡る場内を見学。
人と機械の両方の力を組み合わせて、傷の有無、形の良し悪しなどを厳しく選別している作業風景にふれた。
「収獲したリンゴはすぐにお店に届くと思っていた」「機械に任せるだけでなく、人の手も入って大切にやっているんだ」と新鮮な様子。
JA職員が「品質を揃えないとお客様に買ってもらえなくなる。その管理に最も気を使っています」と説明すると、子どもたちはトマト栽培の記憶をたどりながら、思いを巡らせていた。 -
子どもたちが育てた野菜売り歩き
宮田村大田切区の小学生がこのほど、自分たちで育てた野菜を収獲し、同区内で売り歩いた。丹精込めた大地の恵みを買ってもらおうと、懸命に接客。快く買い求める地域の人の温かさにもふれた。
この日は早朝から子どもたちが区内の畑に出て、大根とネギを収獲。とれたてを持って、高学年がさっそく販売にでかけた。
「大根1本50円、ネギ5本で100円」と書いたプラカードを持ち、各家庭に飛び込み訪問。「美味しい野菜いりませんか」と声をかけた。
「みんなが育てたんかな」「立派な大根だ」と、快く買い求める人が多く、サツマイモをおまけに付けるサービスも。
次々と売れたが「ありがとうございました」と、丁寧な接客は最後まで。地区児童会長で6年の唐沢みずきさんは「買って喜んでくれてすごく楽しい」と笑顔がこぼれた。
子どもたちが野菜を栽培し販売する取り組みは、同区の児童会と育成会が協力して20年ほど続く。
「大切に育てた野菜を売り歩くことは、子どもたちにとって地域を知る良い機会にもなるはず」と、大人たちは温かな眼差しで見守った。
収益は今後の子どもたちの活動費に充てられる。 -
飯島産洋ラン、シクラメン大展示即売会
飯島町七久保の道の駅花の里いいじまで23日縲・5日、飯島産のシクラメン・洋ランなど冬の鉢花の展示販売会を開く。
シクラメンは町内5軒の農家が家庭用のミディーから贈答用の大鉢まで色とりどりの5百鉢を、2軒の洋ラン農家は話題の新品種やキャスケード系、アーチ型など、直立系シンビジュームを中心に2百鉢を並べる。
ちなみに価格はシクラメンが千円縲・千円が中心、シンビジュームは4千円縲・千円で、産地ならではの豊富な品ぞろえ、価格で販売する。 -
駒ケ根市東部土地改良記念像移設
中沢地区のほ場整備事業完成を記念して90年に同区下割に建立され、一昨年の中沢バイパスの工事開始に伴って一時撤去されていた記念像「はぐくむ」=写真=が、周辺の工事が完了に近づいたことから、元の建立地から約50メートル西の地にあらためて建立された。
18日、記念像を建立した駒ケ根市東部土地改良区(林高文理事長)の役員など関係者約20人と像の作者の彫刻家河野新さんらが集まって再建立を祝った。出席者は「日陰にあった像を日の当たる明るい場所に移すことができてよかった」などと口々に話し合い、感慨深そうに像をなでたり眺めたりしていた。 -
南信森林管理署がわな捕獲によるニホンジカなどの個体数調整実施へ
森林におけるニホンジカの食害などが深刻化する中、八ヶ岳以南の国有林を管理する南信森林管理署(久保田広署長)は来年2月の狩猟期間終了後から、わなを使ったニホンジカなどの捕獲を開始する。わな捕獲を行うのは同署の現場職員など30人。森林整備による国有林管理を本来業務とする同署のような組織が、有害鳥獣の個体数調整に乗り出すのは県内でも報告されていない(同署職員)。こうした捕獲業務は高齢化が進む狩猟者の補助的役割を果たすことも考えられ、個体数調整促進の一端を担うことが期待される。
現在わな捕獲は、環境省や都道府県の許可を必要とする行為となっており、同署職員であっても、許可を得なければわな捕獲はできない。そのため従来は、食害などが深刻な森林の樹木に直接防護ネットの設置するなどして、被害対策に努めてきたが、ネットの設置、メンテナンスには大変な時間と労力を要する一方、全体的な被害防止にはらなず、根本的な打開策が必要となっていた。
また、市町村との懇談の中でも、積極的な有害鳥獣対策を求める声が強かったことから、わな捕獲による個体数調整に乗り出すこととなった。
現在同署が管理する国有林の面積は約7万ヘクタール。うち、約1万7千ヘクタールが人工林だが、その約半分で、剥皮被害や下層植生の破壊などといった何らかの被害が出ている。
それに伴い21日、わな捕獲を遂行する同署職員30人を対象とした研修会があり、上伊那地方事務所林務課の職員から、くくりわなによる捕獲方法などを学んだ。規定により、同署職員の場合、一定の研修を受けることでわな捕獲を行うための資格を得ることができる。今後、県に対し許可申請を行うことで、正式にわな捕獲を行えるようになるが、同署職員が遂行できるのは捕獲まで。その後の止め差し、解体などは猟友会や各市町村の協力が必要となるため、各組織と連携をとりながら事業を進める。また、主にはニホンジカを対象としているが、クマ、イノシシなどの被害があった場合、こうした野生動物についても許可を求めていく。
来年度は、諏訪、上伊那、下伊那それぞれにモデル地区を設置し、取り組んでいく予定。 -
紫輝彩丼が小学校の給食に
特産の山ぶどう(ヤマソービニオン)ワインを味付けに使う宮田村の名物丼「紫輝彩丼」が21日、宮田小学校の給食に出された。小林恵子栄養士をはじめ同校給食室の調理員が「村の将来を背負う子どもたちに、地域活性の発想から誕生した名物丼を食べさせたい」と企画。お店で食べるのとはまた違った味わいに歓声があがった。
3年1組が房から丁寧に1粒づつ取り、冷凍保存していた山ぶどうを活用。特産ワイン「紫輝」と調合させ、丼の具材に使う鶏肉や野菜の下味に使った。
さらに「山ぶどうの紫色を残したい」と炊飯にも使い、見事に紫色のご飯も完成した。
この日は、名物丼には欠かせない村のヒーロー「どんぶりレンジャー」も登場。
子どもたちの歓声が飛び交う、いつもとは違った給食の時間になったが、小林栄養士は「学校も地域と関わり、子どもたちを育んでいく。こういう機会も大切だと思います」と話していた。 -
伊那市で人間・野生動物共生プロジェクト推進講演会
北海道犬を活用した野生動物の追い払い事業を開始する伊那市は19日夜、「人間・野生動物共生プロジェクト推進講演会」を市役所で開いた。一般など約110人が参加。元北海道大学助教授で市が同事業を委託する鈴木延夫氏が、北海道犬の特性やしつけ方、野生動物と共生実現に向けた取り組みについて講演した=写真。
同事業は農作物に対する有害鳥獣被害が増加する中、市が打開策として9月から開始しているもの。北海道犬が野生動物を追獣することで、農作物への被害を最小限に抑えようと考えている。現在は鈴木氏が市で購入した北海道犬数頭の訓練をしているが、今後、事業展開の中で一般市民の協力が必要となるため、同事業への理解を深めてもらおうと今回の講演会を企画した。
鈴木氏は、テリトリー意識の強い北海道犬は、その範囲に入ってくる侵入者を追い払おうとする性質があることを説明。一方、土佐犬などのように相手をかみ殺そうとする特性はないとした。また、主人に対する忠誠心が強く、主人以外には従わない性質もあるが、「それは訓練により解消できる」とした。
また、今回「追い払い」を選択したことに関しては、野生との共生が結果として人間のメリットになることを示し「野生に一歩譲り、野生が出すぎているところには一歩下がってもらう中で、共存の方程式を作っていってはどうか」と語った。
会場からは、猟友会との摩擦を危惧する質問などがあったが、鈴木氏は「そのことについてはプロジェクトが始まる段階で市に懇談するようお願いしている。早い時期にお互いの主張をかみ合わせられるよう、市の方で調整していただけると思っている」とした。 -
温かな眼差しで園児をリンゴ狩りに
宮田村駒ケ原の宮嶋正明さん、きよ子さん夫妻は19日、中央保育園の全園児100人余りを自身の農園へリンゴ狩りに招待した。同保育園に通っていた孫の秀斗君が3歳の春、不慮の事故で突然この世を去って1年半。悲しみを抱えながらも、園児たちに面影もだぶらせ「元気に育って」と温かな眼差しを注いでいる。
「孫はいつも私の後ろをついて来ちゃあ。下からリンゴを取ったもんです」。
正明さんは秀斗君との思い出が残る農園で、リンゴ狩りを楽しむ園児の光景に目を細めた。
その場でリンゴを丸かじりする子どもたちの姿に「いいじゃないですか。みんなたくましくて」と目尻が下がる。リンゴジュースも用意し、もてなした。
招待するのは昨年に続いて2回目。秀斗君の写真を保育園の玄関に飾り、今も友情を忘れないでいる園児、保育士に感謝の気持ちを忘れない。
秀斗君の同級生だった年中園児たちは、リンゴ狩りのお礼に歌を宮嶋さん夫妻にプレゼント。
帰り際、「また保育園に遊びに来てね」と手を振る子どもたちを夫妻は満面の笑顔で見送った。