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JA上伊那、キノコの対面販売キャンペーン
鍋物シーズンの到来に合わせ、美味しさを増すキノコを、多くの人に食べてもらおう窶狽ニ上伊那農業協同組合は、14日から16日の間「きのこ生産者直売キャンペーン」を行う。
大企業の参入により、大量生産や品種の多様化が進んだことで、価格が急落したキノコ業界は、今年の夏、特に厳しい状況だったという。
そこでJA上伊那は「消費者にキノコの良さをもっと良く知ってもらおう」と、消費拡大キャンペーンとして、管内のAコープ店などでの、生産者の対面販売を企画。
15、16日の2日間、Aコープ辰野店、みのわ店、伊那中央店、美すず店、こまがね店、七久保店、宮田店、福岡店と、ファーマーズあじ縲怩ネ、たじまファームで、上伊那のキノコ生産者やJA上伊那職員などが、キノコを販売する。15日は午前10時縲恊ウ午、16日は午前9時縲恊ウ午。対象はエリンギ、やまびこシメジ、エノキダケ、洗いナメコの4種類。
あじ縲怩ネの向山尚希副店長は「上伊那のキノコは品質も良く、他地域からくる場合と異なり新鮮なため、味もよい。美味しいキノコなので是非買ってほしい」と呼びかけていた。 -
第2回カミーちゃん農園開催
親子で食農教育への理解を深めてもらうため、上伊那農業協同組合が企画する農業体験イベント「カミーちゃん農園」の2回目が9日、箕輪町であった。集まった94人は、果実の収穫や、リンゴジュースづくりを体験し、上伊那の食と農を楽しく学んだ。
普段自分たちが口にする農産物や農産加工物の収穫・加工を実際に体験し、楽しみながら農を知ってもらおう窶狽ニ今回は、上伊那の特産品、ナシやリンゴを収穫したり、リンゴジュースづくりを体験。
この日収穫したナシ「南水」は、伊那谷の特産品で、生産者の北原次夫さんは「見た目には普通よりいびつだが、味が良く、日持ちするのが特徴」と話す。参加者は、できるだけ大きなナシを探し、親子で協力しながら収穫していた。
ほかにも、今年上伊那でとれた新米でおにぎりを作ったり、リンゴのもぎ取りをし、秋の味覚を存分に味わった。
3回目は、キノコの生産が盛んな南部で、生産場見学などを予定している。 -
野ひばりの会が視察
宮田村の農業女性グループ「野ひばりの会」はこのほど、山梨県の清里や小淵沢に出かけ、加工所や農産物直売所などを視察。観光客らで賑わっている様子を見て、「宮田にも加工所や気軽に立ち寄れる施設がほしいね」と夢を語り合った。
同会は宮田村内の温泉施設で定期的に農産物の直売を行なったり、おやきなど特産品の研究にも力を入れている。
この日は、清里の清泉寮内にあるハーブ園やジャム加工所、常設の直売所がある小淵沢の道の駅などを視察。少しでも活動に活かせたらと熱心に見聞きした。
道の駅の足湯につかりながら、全員で反省会。「飯島町を最後に、箕輪町まで道の駅がない。宮田に施設ができたらいいねー」など意見が出たが、現状の活動を一歩一歩積み重ねようと確認した。 -
近鉄百貨店招待客みはらしぶどう園でブドウ狩り
店頭で扱う上伊那の商品をもっとよく知ってもらおう窶狽ニ8日、三重県・近鉄百貨店(本社・大阪府)桔梗が丘店の招待客40人が、伊那市西箕輪のみはらしぶどう園を訪れ、ブドウ狩りを楽しんだ。
桔梗が丘店は、大誕生祭で、普段商品を取り扱う上伊那に、買い物客を招待するイベントを特別企画。定員40人に対し、約3500人からの応募があった。
ぶどう園の管理者は「昼と夜の温度差が出てきたので、味も甘くなってきた」と話し、品種やおいしいブドウの見分け方を説明。招待客らは、思い思いのブドウを摘み採り、味わっていた。
一行は、地場産の農産物を扱う上伊那農業協同組合の「ファーマーズあじーな」や駒ケ根ファームなども見学し、上伊那の味や自然を満喫した。
JA上伊那のすずらん牛乳やヨーグルト、カミーちゃんジュースなどを扱う桔梗が丘店の中でも、ヨーグルトは味の濃さが好評だという。 -
シルクサミット2005in駒ケ根
「21世紀の地域における繭と絹のものづくりにむけて」をテーマとした「シルクサミット2005in駒ケ根」が6・7日、駒ケ根市のアイパルいなんを主会場に県内外から約220人が参加して開かれた。シルク工芸作家や養蚕農家らによる事例発表が行われたほか、同市東伊那のシルクミュージアム名誉館長岩下嘉光さんによる基調講演「伊那谷の蚕糸業発展における先人の知恵と努力」などが行われた。参加者らは7日にシルクミュージアムや伊那紬を見学するなどしながら情報を交換し合った。
事例発表で赤穂南小学校4年2組(安藤久美子担任教諭)の児童は、シルクミュージアムから譲ってもらった蚕をクラスや児童それぞれが飼育する中で、脱皮や繭づくりなどの生態に新鮮な感動をおぼえたことなどを大きな声で生き生きと発表し、みんなでつくったという『カイコの歌』を楽器演奏を交えて歌って、会場から大きな拍手を受けていた。 -
宮田村でマスの燻製づくり始まる
宮田村特産のニジマスの燻製(くんせい)づくりが5日から、新田区の工房「スモークウッドくるみ」で始まった。年末までに数千匹のマスを燻製にして、村内外で販売する。
村内で農業を営む平沢秋人さん、明子さん夫妻が個人で工房を経営。稲刈りやワインにする山ぶどうの収獲を終えて、毎年この時期から燻製づくりを始める。
数種類のハーブやワインに漬け、小骨を取り除く下ごしらえで2日間。樽を再利用したスモーカーで約8時間から10時間いぶし、4日間かけてひとつの工程がようやく終了する。
1回に100匹ほどしか燻製できないため、年末まで根気のいる作業の連続となる。
15、16日には県内各地の物産を集めて長野市のビッグハットで開く「ふるさと自慢大集合」に出品。現在はその準備に追われて大忙しだ。
「みんな毎年楽しみにしてくれている。山ぶどうワインもそうだけど、食べて喜んでもらって宮田を知ってもらえたら最高」と同夫妻。
今年も会場に自ら足を運び、来てくれる人たちをもてなそうと考えている。
燻製は山ぶどうワインに良く合うチーズもあり、同工房などで入手可能。問い合わせは090・9359・7757まで。 -
みはらしファームのぶどうを韓国テレビ局が取材
先進的な日本の農業支援と新規就農者の取り組みをとらえよう窶狽ニ5日、伊那市西箕輪のみはらしぶどう園・いちご園に、韓国江原道春川市の地方テレビ局「春川NBC」のメンバーが訪れた。
若者の農村離れや農家の高齢化が進む韓国は、日本同様に担い手問題が深刻化している。政府は就農者支援を目的とする金利優遇制度を打ち出しているが、十分な成果は得られていないという。
来日の目的は、新規就農者の技術の習得から独立までを支援するさまざまな取り組みがある長野県の農業政策を知るため。韓国で行われていない“里親制度”や“インターン制度”を取材するため、上伊那農業協同組合のインターン制度を利用した砂町博之さん(22)や、退職後に就農した小池知志さん(65)が働く同園の取り組みを撮影した。
ディレクターの姜和佶さん(39)は「具体的取り組みから日本の農業のがんばりを感じた。韓国にも伝えたい」と語った。
6日は、小諸市の里親制度を取材する。 -
宮田村山ぶどうワイン仕込み式
宮田村の特産品・山ぶどうワインの仕込み式が3日、醸造する新田区の本坊酒造信州工場で開かれた。今季は昨季の2倍近い約2万本の生産を予定。過去最高になる見通しだが、増産分は新たな需要の掘り起こしが必要で、消費拡大に向けた販売戦略が急務となる。
仕込み式には原料の山ぶどうを生産する栽培農家や村など関係者20人が出席。茎を取り除く破砕機に期待を込めながら山ぶどうを投入した。
ワイン醸造は6年目。式では質量とも過去最高の出来映えになりそうだと報告があり、和やかな雰囲気で進んだ。
反面、増産分の消費拡大が最重要課題となることから、清水靖夫村長、藤野公宏同酒造信州工場長は「村が一つになってワインを育ててほしい。村をあげてブランド力強化を」とあいさつした。
14軒の栽培農家は今年も収量制限を実施し、品質本位で生産を徹底。厳選した山ぶどうだけをワインに使う。
本坊酒造信州工場は、山ぶどうワインを主力商品に設定。増産分を熟成や樽熟成の商品にまわす計画で、ワインセラー(貯蔵庫)を新設してハード面を強化した。また、販売のPR活動にも例年以上に力を入れる予定だ。
藤野工場長は「昨季までは生産量と需要がマッチしていたが、今後はさらに積極的にアピールしたい」と話した。 -
「南大東島で働けよ」
中古トラクタ、再生利用へ伊那谷で古くなった中古トラクタを再生・改造して、南大東島で利用する試みが始まった。
中古トラクタの修理をしたのは宮田村中越の加藤保男さん(68)。8月に伊那を訪問した南大東島青パパイア生産組合の平安山正治さんの依頼を受け、知り合いのディーラーを介して手に入れた4WD11馬力の中古トラクタを新品同様に生まれ変わらせた。
南大東島はじめ沖縄の離島は強い潮風のためトラクタなどの大型農業機械の損傷が激しい。新品を買っても中古を買っても、すぐサビが出てしまい、使用できるのはほぼ同じ期間。当然安価な中古品を求める農家が多いという。
加藤さんは以前から機械いじりが好きで、中古の農機具を自分で修理するなどしてきたが、7月に所用で立ち寄った伊那市の産直市場グリーンファームで、偶然、南大東島からの要望を聞き、「面白いと思って」引き受けた。
8月に島民が来た際にも島唄コンサートなどに出かけるなどして交流を深め、意見を聞いて、島のサトウキビ畑に適するように車輪とロータリーの幅が調節できる機能なども付加した。塩害に注意して、冬場の融雪剤エンカルに強い塗料を選び、普通以上に入念に塗り上げた。
加藤さんは「島に行ったことはないが、このトラクタが良く働いて島の人を助けてくれるのが夢。伊那谷の夕陽のオレンジと、島の青パパイアの緑で塗り分けた」と話す。
中古トラクタは近く梱包して発送。船便で島に送られる予定だ。 -
宮田村の特産品・山ぶどうの収穫始まる
ワインに加工する宮田村の特産品「山ぶどう」の収獲が28日、始まった。昨年と比べ1週間遅いが平年並み。病害もほとんどなく、昨年を8トン上回る23トンの収量を予想する。糖度も高く、房も例年以上に大きいため、栽培農家は「今年も良いワインができそう」と最高の状態で・ス実りの秋・スを迎えた。
14軒の栽培農家のトップをきって、新田区の平沢秋人さんが酵母をつくるための山ぶどうを収獲。
妻の明子さんと一緒に汗を流し、たわわに実をつけた房を手作業で一つひとつ丁寧にもぎとった。
美味しいワインにするには糖度と酸のバランスが重要。26日の検査で糖度が20度を超えたため、収獲を開始した。
「天候も良く、どの農家も病害がほとんどなかった。最高の出来映え。美味しいワインができる」と平沢さん夫妻。
さっそくワインを醸造する村内の本坊酒造信州工場に持ち込み、仕込みの準備を進めた。収獲は今週末がピークで、10月12日頃まで続く。
山ぶどうを使ったワイン「紫輝」と「駒が原」の2銘柄は、県原産地呼称管理制度の認定を受けるなど、高い評価を得ている。最も早い新酒は12月に発売予定だ。 -
宮田高原で放牧していた雌牛が帰郷
本格的な秋の色を濃くしている宮田村の宮田高原で27日、3カ月間放牧されていた雌牛16頭が下牧(げぼく)して各地の飼育農家に帰った。夏の間、冷涼な高原で牧草を食べて育ち、元気そのもの。受胎や出産を控え、美味しいミルクが出るための基礎体力が備わった。
放牧していたのは生後8カ月から10数カ月ほどの牛。雌牛は生後14カ月で種付けして乳牛となるため、放牧は生涯に一度きりの体験だ。
この日は、村や農協など関係者が立ち会って1頭ずつ健康診断。放牧前より平均で約20キロ増え、60キロ太った牛もいた。
「放牧すると足腰が強くなり、ミルクを長い期間出せるしっかりとした体になる。今年はどの牛も良好」と県家畜保健衛生所の担当者は話していた。
標高1500メートルの同高原は、10月初めでキャンプ場も閉鎖。来春まで長い冬を迎える。 -
棚田で稲刈り
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中川村大草飯沼地区の棚田で17日、稲刈りがあった。
飯沼地区農業活性化研究会(入田護会長)の会員ら16人が4台のコンバインで、8枚約1ヘクタールに実った酒米ミヤマニシキを刈り取った。
同会は5月21日に田植え機で植え付け。5月の低温で生育は遅れたが、その後は順調、秋陽気に恵まれまずまずの出来。
入田会長は「持ち上げると、ずっしり重く、粒も大きく、酒米としても上出来」と話していた。 -
飯沼地区の棚田で稲刈り
中川村大草飯沼地区の棚田で17日、稲刈りがあった。
飯沼地区農業活性化研究会(入田護会長)の会員ら16人が4台のコンバインで、8枚約1ヘクタールに実った酒米ミヤマニシキを刈り取った。
同会は5月21日に田植え機で植え付け。5月の低温で生育は遅れたが、その後は順調、秋陽気に恵まれまずまずの出来。
入田会長は「持ち上げると、ずっしり重く、粒も大きく、酒米としても上出来」と話していた。 -
アマランサスを収穫
高遠花摘み倶楽部は18日、高遠町藤沢水上地区の第2定植地で早生のアマランサスを収穫した。メンバーは「アマランサスを商品開発に結びつけ、高遠の特産品にする」と意気込んでいる。
アマランサスは信州大学農学部と連携し、遊休農地1・5ヘクタールを活用して栽培。収量が多く、育てやすい2品種を選び、6月に種をまいた。
収穫にはメンバー5人が参加。かまなどで1本ずつ株を切り、軽トラックの荷台に乗せて花先部分を取った。すべて手作業だったが、メンバーは特産品への夢を語り合いながら、作業に汗を流した。
早生は1週間ほどで終わらせ、晩生は10月に入ってから収穫する。
花先は天日で20日ほど乾燥させたあと、脱穀機にかけ、種を食用と来年の種まき用に販売する。販売方法や価格は今後、煮詰める。
花は9月初旬から咲き始め、今月末まで見ごろ。赤色(早生)、オレンジ色(晩生)があり、一般に無料公開している。
アマランサスは中南米原産のヒユ科。鉄分やカルシウムが多い。花は観賞、種は雑穀として活用できる。 -
新米検査
有機米を生産・販売している駒ケ根市下平のマイ・ファーム中坪(中坪宏明代表)で16日、上伊那のトップを切って今年の新米検査が行われた。日本穀物検定協会関東支部長野出張所の御子柴邦明さんらが検査に訪れ、不安そうに見守る中坪さんの心配をよそに、水分や整粒、着色などの検査を淡々と進めた結果「すべて1等米!」と太鼓判を押した。中坪さんは「ほっとしている。今年は天候が良かったから去年と同じか少し多く収穫できた。でもちょっと出来過ぎかもしれないな」と晴れ晴れとした笑顔で話し、早速注文先への発送作業に追われていた。
検査は穀刺(こくし)と呼ばれる細長い金属製のさやを米の袋に突き刺して取った少量のサンプルの銘柄▽水分▽整粒▽着色粒▽死米▽異物窶狽ネどについて機械と目視によって調べる。最初のサンプルの水分を測定した御子柴さんは「ぴったり15%だ。これは素晴らしい。めったにないよ」と手放しで褒めていた。
県内の米の作況指数は103で平年に比べ「やや良」だという。 -
農事組合法人「山室」を設立
高遠町の農事組合法人「山室」が17日、設立した。組合員の協業で農業の生産性を向上させ、利益を増進するねらい。集落単位で経営体を組織するのは上伊那で2カ所目。
農業を取り巻く情勢は、担い手の減少や高齢化、獣害被害による生産意欲の低下など耕作を放棄せざるを得ない厳しい状況。「先祖から受け継いだ農地・農業を守る」ため、地区内に住所または耕地を持つ農家戸数98戸のうち33戸が賛同した。
経営面積は現在、集計中だが、来年度の事業計画は約10ヘクタール。酒米を中心に、小麦、ソバを栽培する。定款では将来ありうる事業として林業経営、農畜産物の製造・加工なども盛っている。
出資金(資本金)は265万円。配当は組合員の出資額に応じ、残余がある場合は事業従事によって分ける。
三義交流館「やまびこ」で開かれた設立総会には組合員ら約30人が出席し、定款や事業計画、役員などを決定。
発起人代表で代表理事に選ばれた伊藤忠彦さんは、設立に至る経過に触れ「先祖から受け継いだ農地を守るために、組合員が一緒になって経営してほしい」と呼びかけた。
来賓の伊東町長は、新しい営農を作り上げていく1つのモデルとして農業の進展につながることに期待した。 -
マコモ消費拡大研究会
一般家庭にはあまり馴染みのない食材マコモの普及を図ろうと駒ケ根市営農センターは15日、マコモ消費拡大研究会を駒ケ根市役所保健センターで開いた。市内のホテル、旅館、飲食店関係者ら約30人が参加し、マコモの栽培状況などについて学んだほか、マコモを使ったさまざまな料理を試食した。
講師のグリーンホテル料理長山越信治さんは「マコモはタケノコのような、ナスのような、トウモロコシのような味わい。癖がないので、工夫次第でいろいろな料理に使える」としてマコモとサザエの香味焼き、鶏肉マコモ巻き、そば団子マコモおろし仕立てなどのオリジナルメニューを紹介した。参加者らはテーブルに並んだマコモ料理を食べ比べて、その味と香りをじっくりと賞味していた。
マコモはアジア原産のイネ科の植物。黒穂菌が付いて根元の茎の部分が肥大化したものをマコモタケ(キノコではない)として食用にする。イネの転作作物として注目され、市内東伊那で約80アール栽培されている。 -
第29回上伊那花き品評会
切花を中心の花き生産販売者(JA系統外)らでつくる上伊那花卉(かき)生産者会議(会員70人、田中賢一会長)による品評会が16日、伊那市の信州INAセミナーハウスであった。バラやカーネーション、リンドウなど、美しい花々を展示。伊那市の田中和浩さんのバラが最優秀賞を受賞した。
品種の選定や栽培、出荷技術向上などを目的とした品評会で、約290点がそろった。
生産者会議は、それぞれがさまざまな種類の花を生産しているため、品評会でも異なる種類の花々を楽しむことができるという。
色の発色具合や茎の太さ、病気にかかっていないかなどを基準に審査する。
田中会長は「今年は陽気が暑かったため、今はまだ花が軟弱な気がするが、寒くなるこの時期から、どんどん良くなり、色も鮮やかになる」と話していた。
また「地元消費者に花に興味をもってもらおう」と、フラワーアレンジメント講習もあり、訪れた人々は、花を買い求めたり、アレンジ方法を学んだりしながら、美しい花々を楽しんでいた。
受賞者は次の皆さん。
◇最優秀賞▼バラ=田中和浩(伊那)
◇優秀賞▼トルコギキョウ=唐沢政成(箕輪)蟹澤亜紀(伊那)▼カーネーション=小林淳一(飯島)岡野敏幸(伊那)加藤忠一(南箕輪)那須野明(飯島)田中功(宮田)▼サンダーソニア=入江則充(伊那)▼バラ=鈴木一生(飯島)▼アルストロメリア=片桐敏美(飯島)
◇優良賞▼クレマチス=渋谷宗一(飯島)▼アルストロメリア=佐々木松男(飯島)▼カーネーション=堺沢正、堺沢豊、福澤一郎(以上駒ケ根)竹澤孝生(飯島)▼バラ=小林均(飯島)
◇奨励賞▼トルコギキョウ=酒井則男(伊那)▼カトレア=永田治彦(箕輪)▼バラ=鈴木一生、中村敦彦(以上飯島)▼洋ラン=伊久間弘道(南箕輪)▼ヒペリカム鉢=酒井大(伊那) -
県最古の二十世紀梨たわわに
飯島町本郷の桃沢匡行さんの果樹園では、1926年(大正15年)に植栽した、長野県では最も古い、樹齢80年余の二十世紀梨が今年も収穫の時期を迎えた。
長野の梨を興したといわれる匡行さんの父、匡勝さんが農林省園芸試験場で研修し、帰郷後、植栽し、風に強く、花付きの良い桃沢式杯状棚仕立てを確立し、全国に普及させた。
当時、植えられた二十世紀梨は現在、18本残っている。写真の木は樹間18メートル×14メートル、幹周1・9メートル。着果数は最盛期は3000個余だったが、今は2000個弱に抑えているとか。
桃沢さんは「近年、みずみずしく、さわやかな甘さの二十世紀梨が見直され、作付けが増え始めた。今年は玉伸びもよく、糖度も十分」と話していた。 -
棚田に収穫の秋
中川村大草、飯沼地区の棚田も収穫の秋を迎え、1面黄金色。
10アールから50アールの小さな田が河岸段丘に階段状に上に伸び、ゆったりとした畦の曲線が郷愁を誘う。 -
稲刈り開始
上伊那農業協同組合のライスセンターなどの稼働日に合わせて上伊那の各地で稲刈りが始まった=写真。
三峰川沿いの高遠町の水田地帯でも、いくつかのほ場で10日、稲刈りがスタート。伊那市富県北福地の田畑栄市さん(50)宅のほ場でも、朝からコンバインが稼働し、垂れ下がった黄色い稲を刈り取っていった。昨年より刈り始めが1週間ほど遅いという。約60ヘクタールのほ場を田畑さんは、色づきの早い川沿いから刈り始め、10月上旬まで作業に追われる。
田畑さんは「先日の台風で一部転んだところもあるが、影響は少ない。収量は多くなるだろう」と今年の出来を話していた。 -
西ケ原ぶどう園10日開園
中川村片桐の西ケ原ぶどう生産組合(西村宗俊組合長、15軒)のブドウ園は10日開園、10月23日まで、ブドウ狩りと直売が行われる。期間中の17、18日は園内の農村交流施設でぶどう祭りを予定する。
同組合は3・7ヘクタールで、早生系の藤稔(ふじみのり)、安芸スイート、玉豊、中性種のシナノスマイル、ピオーネ、ナガノパープル、晩生の高妻、ロザリオビアンコなど10種類余をレインカット方式で栽培している。
ぶどう祭りでは、豚汁サービス、焼肉宴会を予定。
入園料(食べ放題)は大人千円、小学生以下半額。直売は1キロ800円。
23アールで、藤稔など6品種を栽培する宮崎據さんは「今年は好天に恵まれ、甘さも色づきもいい」と話していた。 -
JAが落果ナシを販売
JA上伊那は9日、台風14号の影響で被害を受けた果樹農家の救済対策として昨年同様、JA職員らを対象に、落果したナシ「南水」約1トンを販売した。
管内のリンゴ・ナシ被害額は約2千万円。「南水」は今月下旬から出荷が始まる品種で、被害の大きかった伊那市、箕輪町の果樹農家から持ち込まれた落果ナシを販売した。
熟期に早く、消費者には販売できないもので、JA職員がJA本所・支所(一部)、上伊那地方事務所などを回った。
1袋5、6個入りで350円と格安。各職員に理解を求めたところ、2袋、3袋とまとめ買いする人もいた。甘さがまだ足りないものもあったようだが「おいしい」と好評だった。 -
「雅秋園」ぶどう狩り始まる
箕輪町福与卯の木の果樹園「雅秋園」が9日オープンし、ブドウ狩りが始まった。開園を待ち望んでいた団体客や常連が訪れ、秋の味をたん能している。
甘い香り漂う園内では、ナイアガラ、デラウェア、コンコードのブドウ狩りができる。同園によると今年の作柄は例年並。天候がよかったので粒伸びもよく、甘みもあり、これからだんだん甘さがのっていくという。
町内の「いきいき塾」がオープンに合わせて来園。おいしそうに熟したブドウの房を切り取り、一粒ずつゆっくりと味わった。「甘くておいしい」「ブドウ狩りも楽しいね」と笑顔で話していた。
ブドウ狩りは10月上旬まで。営業時間は午前9時-午後7時。入園料(食べ放題)大人500円、子ども250円。園内食堂もある。巨峰、ナシなども販売している。団体は予約する。予約、問い合わせは雅秋園(TEL79・3619)へ。 -
伊那学コモンズ講座 第4回
飯島町営農センター、環境保全型有機農法の2事例を発表上伊那農業改良普及センターなど県の出先機関が合同で開く伊那学コモンズ講座の第4回が6日、県伊那合同庁舎であった。飯島町産業振興課長齋藤久夫さんの「飯島町の1000ヘクタール自然共生農場づくり」と、伊那市美篶の水稲農家小川文昭さんの有機農法に関する「ひと・むし・たんぼ」の2つの事例発表があり、約50人が熱心に耳を傾けた。
齋藤さんは、04年12月に政府発表の米政策改革大綱に盛られた「認定農業者制度」や「集落型経営体」の規定が、「農業と農村のあり方に大きな影響を与える」と強調。飯島町の営農センターの仕組と、独特な環境配慮型農業のプラン概要を説明した。
「頭脳集団」としての営農センターが作付け計画等を作成し、「実働集団」としての地区営農組合がそれを実施するという形で、町独自の環境基準を設けて、多様な食物を栽培すると同時に、グリーンツーリズムや農業関係ビジネス学校なども開催するという独特のプランに、参加者の関心も高かった。
小川さんは、有機農法による水稲栽培を17年間続ける中で、田んぼの生き物を観察・保全する活動を進めてきたことを紹介。知り合いの農家の後継ぎが自殺したことことに触れながら、「農家が農業を続けて行くことに魅力を感じられなくなっているのは何故か」と問題を提起。
「農家の経営は大切だが、お金になる作物をたくさん作ることに没頭するあまり、農業は米や野菜だけでなく、田んぼや畑に住む生物を育て、それを見つけたり観察したりする喜びを発進する力を失った。それが現在の最大の農業問題ではないか」と訴えた。
伊那学コモンズ講座は、県や地方自治体の職員が自ら働く伊那谷の歴史や魅力を知り、行政サービスに活かすことを目指して始められた。峯村きぬ子農業改良普及センター所長は「講演の2事例は、上伊那が全国に発進で切る優れたもの。当初は当センター主催の『環の農業者セミナー』で事例発表をお願いしたが、門戸を広げようと思い、伊那学コモンズ講座として行った」と話した。
なお、講師の一人、小川文昭さんが所属する「ひと・むし・たんぼの会」の会は、毎週木曜日、本紙6-7面にリレーエッセーを寄せている。 -
家畜排せつ物処理技術研修会
上伊那畜産振興協議会の家畜排せつ物処理技術研修会は7日、箕輪町文化センターや伊那酪農業協同組合であった。資源循環型農業を確立するため、畜産農家や農協、市町村など関係機関から約30人が参加し、たい肥化や尿の液肥化技術を熱心に学んだ。
たい肥製造技術研修は、県農業技術課主任専門技術員の吉田宮雄さんが指導。基本6条件に栄養分、空気(酸素)、水分、微生物、温度、時間を挙げ、最も重要な空気と水分は、通気性の目安が容積量が1リットルあたり0・5キロ、水分は家畜ふんの場合55-70%と説明した。
空気と水分の加減を簡単に見る「容積重」の計測方法として、10リットルのポリバケツにたい肥原料をすり切りいっぱい詰めたときの重さが5-7キロの範囲ならば、初期の好気性発酵に理想的な水分で空気も十分に含んでいることも話した。
また、一般から多くの苦情がある尿散布時の臭気を低減させる尿曝気処理の液化技術研修もあった。
曝気処理装置の仕組み・設置方法に加え、実際装置を導入した農家の事例を紹介。その農家が、処理を施した肥料を今年の春に散布をしたところ、明らかに臭気の減少が見られたという。
曝気装置は、既存の尿溜槽に直接設置でき、積極的に導入する農家も、徐々に増加しているが、装置を設置できる尿溜槽を持つ人が大規模農家に限定されていることや、コスト的な制約があることが、今後の課題となっている。 -
野ひばりの会が都会の修学旅行生にそば打ち指導
宮田村の農業女性グループ「野ひばりの会」は6日、修学旅行で同村を訪れていた神奈川県相模原市の当麻田(たえまだ)小学校6年生56人にそば打ちを指導した。都会の子どもたちは目を輝かせながら挑戦し、手作りの良さを感じていた。
児童の多くは初めての体験。粉を混ぜる所から取り組んだが「疲れた」と話す姿もみられた。
しかし、丁寧な指導を受けて、徐々に手つきもよくなり、みるみる上達。力の加減や切る時の繊細さなど、そば打ちの魅力を感じ取っていた。
「手作りの良さに、上手下手は関係ない。農村の体験を楽しんでくれて本当にうれしい」と、指導にあたった10人の野ひばりの会そば班のメンバーは、笑顔で児童とふれあっていた。
同小の修学旅行は宮田村を訪れるのが恒例。今年も村内農家の協力でスイカの収獲や牛の世話など、農業体験をした。
「今の子どもたちはつくることを知らない。体験は貴重な財産になったと思う」と担任教諭は話していた。 -
台風の被害状況まとまる
県は8日、台風14号による県内の農作物・農業用施設の被害状況をまとめた。
上伊那はリンゴ、ナシなど果樹が中心で、被害額は2560万円。ほかに宮田村でソバが倒れ、約4ヘクタールのテッポウユリの倒伏が飯島町で確認された。西箕輪などの一部で、大きな果樹被害があった伊那市は、施設被害も発生した。
市町村別被害額は、▼伊那市=果樹880万円(リンゴ679万円、ナシ164万円、ブドウ37万円)施設404万円▼箕輪町=果樹552万円(リンゴ176万円、ナシ325万円、マルメロ43万円、クリ8万6千円)▼辰野町=果樹206万円(リンゴ181万円、24万円)▼飯島町=果樹229万円(リンゴ135万円、ナシ94万円)▼南箕輪村果樹106万円(リンゴ91万円、ナシ15万円)▼宮田村=ソバ=59万円、果樹(リンゴ)21万円窶煤B
県は、応急技術対策の情報提供をしている。
【果樹】(1)倒伏は早期に立て直し、支柱で固定する。根が露出した場合は土盛りし、マルチ・灌水で乾燥防止と新根発生に努める(2)大枝が裂けた場合、傷口を平に削り、癒着促進剤を塗布する。完全な立て直しができない場合も固定するか可能な範囲で持ち上げ、地面との間に空間を作る(3)落下果実の出荷は、JAや集出荷団体と十分連絡をとり、指示に基づき農薬使用基準を確認し、適切に処理する(4)収穫中のブドウ棚が倒壊した場合、地面との間に空間をつくり風通しを良くする支柱入れ、出来るだけ早く収穫し、棚は後で立て直す(5)葉や果実の痛みが大きい場合は、農薬使用基準に沿って殺菌剤散布する。
【水稲】(1)倒伏した水田は排水し、稲体をできるだけ引き起こし、茎葉の腐敗や穂発芽を防ぐ(2)倒伏した稲で成熟期の5日程度前のものは、直ちに刈り取る(3)フェーン減少でほ場水分の低下が予想される場合は走り水を行う
【花き】(1)キク、リンドウ、シンテッポウユリなどの露地品目が倒伏した場合は、支柱を立て直し、ネットにより株を引き起こして曲がりを防ぐ(2)リンドウ、シンテッポウユリで先端が折れた場合は、そのまま茎葉を残して次年度の株養成にまわす(3)茎葉の保護と葉枯病防除のため、農薬使用基準に沿って殺菌剤散布を行う(4)施設の損傷を確認・補修する -
中箕輪農事組合法人組合長
唐沢福一さん(56)赤いじゅうたんを敷き詰めたように咲く赤ソバの花を一目見ようと、県内外から多くの観光客が訪れる箕輪町上古田金原地区の「赤そばの里」。8月上旬にまいた赤ソバ(高嶺ルビー)が咲き始めた。
4・2ヘクタールの畑で赤ソバを育てているのは中箕輪農事組合法人。「そば処 留美庵(るびあん)」も運営し、ここでしか食べられない「十割赤そば」を提供している。
もとは花き農家。花栽培は今は主に奥さんがしているが、「そば屋をやることは全く考えていなかった」。
事の始まりは93年、荒廃農地をうめるために始めたソバ栽培。生産だけでなく、商品化し販売まで手掛けようと、97年に中箕輪そば組合を組織した。
始めは普通のソバだけだったが、赤ソバの話を聞き、「景観にいいかな」と種苗会社に問い合わせ、種15キロを購入。広域農道沿いの畑にまいたところ、秋に咲く赤い花が評判になった。金原地区の畑を組合で借り、「赤そばの里」が生まれた。
現在は、留美庵周辺の6ヘクタールも含め赤ソバの栽培面積は12ヘクタール。普通のソバは2・5ヘクタールで夏と秋の年2回収穫している。
「留美庵」は98年に開店。今年8年目を迎えた。「当時はそば人口は今ほどなくて、『そば屋をやるなんて』『やってもつぶれる』と馬鹿にされた」。仲間と各地を見て歩き、塩尻で女性のグループが自分達でお金を出し合って店を運営しているのに励まされ、「やろう!」と決意した。
年越しにそばを打っていたとはいえ「全くのど素人」。農業とサービス業の違いにも苦労した。「農業は相手が頭を下げるけど、店は自分が頭を下げる。仕事が逆なんだよね。大変だった」。商売という初の経験に胃潰瘍にもなった。
「食べやすいそばにしよう」と研究を重ね、3年目から、そばは全く変わった。「つるっと入るくせのないそば」にするため製粉を研究。1カ月に1回、石臼の目立てを変え、理想の目立てになるまで3年を費やした。
「そばって食べると高いでしょ。だから真剣に考えないといけないと思った」
ソバを最もいい状態で収穫するよう収穫時期にこだわり、適切な温度と水分管理による保存方法も確立した。
赤そばも十割にこだわった。「味は普通のそばと全く違う。かんでいると甘くなる。どうしても十割でやりたかった」。最初は短く切れてしまったり、ゴムみたいだったり…。試行錯誤の末、十割そばを完成させた。
「子どもから大人まで皆に食べてもらえるそばにしたい。だれでも気軽に入れる、ファミリー的なそば屋にしたい」
思いの通り、家族連れが多く訪れる。赤そばがある珍しさから、8月ころからは県外者の来店が増える。
中箕輪そば組合は04年4月、中箕輪農事組合法人に組織を再編成した。信用度を上げ、付加価値をつけ、一層親身になって取り組もうという思いからだ。
「おいしかったと言われるのが最高。まだまだおいしくなっていく余地がある。そばって食べやすさなんだよね。単純なだけに難しい。まだまだ勉強です」 -
台風14号の影響
台風14号の影響で強い風が吹き、7日、伊那市、箕輪町を中心に、リンゴや梨の落果、稲やソバの倒伏、ブドウ棚の倒れなどがあった。上伊那地方事務所は8日以降に被害面積や被害額などをまとめる。
伊那市内で、「つがる」やジョナゴールドなどを栽培する生産者の一人は「台風の直撃を逃れて、よかった。9割が落果した数年前に比べてまだいい」と話しながらも「台風前に若干収穫したが、熟期でないものは残しておいた。落ちなくても、すれて傷ものになってしまう」と心配そうに雨の中を見守っていた。
また、収穫を控えたぶどう園では、一部の棚が根本から倒れた。豊作だっただけに、生産者は「まいった」と肩を落としたが、ブドウに傷みはなく、まずはひと安心。復旧作業が進み、予定通りにオープンする。
宮田村では、使用していないハウス2棟が倒壊。大田切区で栗の木が倒れ、一時道をふさいだが、村が撤去した。宮田高原に向かう寺沢林道で落石もあった。
飯島町のJA果実選果場には「つがる」「幸水」が通常に比べて2窶・割増の持ち込みがあったという。
今後、果実の玉ずれ被害が広がる可能性もあるとみられる。
小中学校は、時間を切り上げて集団下校するなど対応した。
飯田測候所によると、伊那の最大風速は15メートルで、降水量(午前6時窶伯゚後6時)は14ミリだった。