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県議選 伊那市区 向山氏一夜明けて
伊那市区は直前まで無投票になるのではないかと言われていたため、選挙戦が始まっても周囲からは『無投票じゃないの』という声が強く、危機感が伝わりにくかった。高遠、長谷は木下県議が先行しており、町場と村部という戦いでは厳しい戦いだった竏秩B今回選を振り返る。
田中県政と向き合った2期8年は戸惑いの部分も多く「知識や経験を活かしきれなかった反面、予測もしない勉強をさせてもらった」とし、「今回はそういうものを集約して取り組んでいきたい」と語る。
中でも、選挙戦で強く訴えてきた“均衡ある県土づくり”の実現に意欲を見せる。
「県そのものが中南信に身近な眼差しを向けるべき。これまでにも県庁機能のサブ的なものを中南信につくることを提案したり、特別委員会の中で検討した公共交通網の整備計画などを県に提出した。交通ビジョンは今後、経済団体にも呼びかけながら進めていきたい」
産業振興も重要な課題の一つに挙げる。
「多くの労働者が従事している中規模、小規模企業の対策に力を入れていくべき。中小企業の安定は雇用の安定、社会の安定につながる」とし、それぞれの地域に合った施策の構築を訴える。
福祉、子育て支援については、社会全体で支えていくような仕組みづくりを目指す。 「『地域にできることは地域で』が基本。これまでのような行政主導ではなく、地域から発信されたものを具体化し、県や国が支援していく体制が必要」
会派については「けじめとして今回の選挙はやらせてもらったが、これまでみたいに10も会派があっていいのかという問題がある。再編はするべき」とする。 -
県議選 駒ケ根市区 佐々木氏の勝因は
県議選駒ケ根市区(定数1)は元職の佐々木祥二氏(55)=無所属、赤須東=が現職の林奉文氏(61)=あおぞら、南割=を2277票差の意外な大差で破って返り咲きを果たした。わずか255票差で涙をのんだ前回選から4年竏秩Bもたらされた当選確実の報に佐々木陣営は会心の大勝利で雪辱を果たした喜びを爆発させたが、市民が佐々木氏に託す今後の県政への期待はこれまでになく重い。
強固な組織票を持つ佐々木陣営のリードで始まった選挙戦は中盤以降林氏の猛烈な追い上げにより大接戦の声も聞かれていたが、いざふたを開けてみれば多くの関係者も予想していなかったほどの大差がついた。
勝因を一言でいえば佐々木氏が「同じ考え」とする村井知事の景気拡大政策を多くの有権者が支持したことだろう。長引く景気低迷は庶民の暮らしに重くのしかかっている。回復基調にあると聞かされても地方都市の市民にその実感はなく、先行きの見えない不安感に覆われている現状の中で、佐々木氏の訴える政策にかすかな明るさと希望を見出したものと思われる。庶民感覚からすれば福祉の向上はもちろんだが、目に見える形での生活向上=所得増に結び付くと考えられる政策の方に林氏の訴えよりも魅力を感じたのではないか。
対する林氏は福祉、教育などの暮らし優先施策を前面に打ち出して訴えてきたが、その理念は「土建屋政治許さんぞ」の一言に集約されていた。「大型ダム建設に代表される・ス無駄な・ス公共事業反対」をアピールする意図が、有権者には誤って公共事業すべてを許さない姿勢であるかのような印象を与えた可能性もある。
今選挙は4年前の再戦だったと同時に「村井」対「田中」の代理戦争でもあった。林氏はアピールの柱の一つとして「田中氏の改革路線を後戻りさせてはならない」と訴えたが、多くの有権者の気持ちがすでに田中氏を過去の人と見ていることをつかみ切れなかったことによる意識のずれもあったのではないかと考えられる。
佐々木陣営は前回選でのムード戦略が結果的に失敗に終わった反省を生かそうと当初から強力な組織固めに力を入れて選挙戦を進めてきたが、その戦術への批判もあった。組織戦には付き物の「後援会への入会を無理強いされた」とする声や「相手は共産党だ。たった一つの議席を任せていいのか」とするネガティブ・キャンペーンなどだ。その戦い方に対する反発は徐々に広がっていた感があるが、これらの批判を得票に結びつけることができなかったことも林氏の敗戦の一因といえるかもしれない。
破れた林氏は佐々木氏を支援してきた中原市政への批判も度々口にしていることから、支持者らの間では新たな目標として来年1月の任期満了に伴う市長選への出馬を考えるべきだとする声も上がっている。 -
県議選 佐々木祥二氏 一夜明けて
勝因について「大衆草の根的な運動と景気対策優先の主張が多くの世代の理解を得られたこと」と分析。スローガンに掲げた・ス豊かで住みよい元気な駒ケ根市づくり・スが女性や若年層にも理解され、浸透した手応えがあったという。
「この4年間、就職口がないとか、リストラにあったとか、給料が下がったとか、いろいろな声を聞いてきた。景気を良くするには多くの県内企業が赤字という状況を何とかしなければならない。口先だけで福祉といっても無理だ。まず地場産業を活性化する施策を実行しなければその財源が確保できないのだから竏秩v
「遊説カーで市内を回っている時にも、子ども連れの母親や若い人たちが手を振ってくれるんだよ。これまでそういった反応はまったくなかったからうれしかったし、主張に賛同してもらえているんだなと思えて自信になった」と笑顔で振り返る。
これまでといったい何が変わったのか。
「前回選で落選後、図らずも務めることになった地元区長の時の経験が発想を変えた。区は最初の政府といわれるが、区が良くなれば市が良くなり、ひいては県も国も良くなる竏窒ニいうことに思い至った。村井知事の『市町村の自治ができれば県がやることはない』という考えとも共通する発想だ。同時に当時の区役員の皆さんとの人脈が今回の選挙戦で生きた」と、この4年間が無駄ではなかったことを強調する。
一方で村井知事の景気拡大政策は支持するが、だからといってすべてをよしとするのではない竏窒ニ話す。
「議会の重要な役割は県政のチェック機能。知事にも言うべきことは言うし、おかしいと思うことはそう指摘する。市民の代弁者としてしっかりやっていきたい」 -
県議選 伊那市区 分析
告示日直前に急きょ選挙戦に突入することが確定した伊那市区(定数2)では、厚い地盤を持ち、今回から伊那市区に加わった高遠、長谷地区でも精力的に支持者を固めてきた現職の木下茂人氏(71)=無所属、美篶=と向山公人氏(64)=政信会、西町=が新人の井口純代氏(51)=あおぞら、福島=を引き離して再選を果たした。
4選を果たした木下氏は地盤とする農業関係の支持者からの票を確実に集め、農協などからの協力も受けた。 また、高遠、長谷地区にも早くから入り、地域間格差の解消や農業振興への取り組みを積極的にアピール。農業従事者が多く、地元である美篶地区との地縁が深い両地区で有利な戦いを進め、前回選ではわずが数百票の差しかなかった向山氏を約1700票引き離し、トップ当選の座を守った。
3選を果たした向山氏は、商業者の多い町部などで支持を固め、企業回りも積極的に展開。均衡ある県土づくりや産業振興などを訴え、地盤とする商工関係から票を集めた。また、推薦を受けた自民党や公明党の支持者票も確保した。
高遠、長谷地区でも早くからあいさつ回りなどを行い、町部などの支持を集めたが、木下氏には一歩及ばなかった。
告示直前の出馬表明で現職2人に挑んだ井口氏は、浮動票の掘り起こしと村井県政に支持寄りの立場をとる現職の批判票の取り込みを狙って短期決戦を展開。大型公共事業に積極的な村井県政の是非を問う一方、福祉、医療、子育てなどへの取り組みを訴えた。組織や党の力に頼らない独自選挙で、現職の批判票や共産党支持者の票を集めたが、投票率の低下を受け、十分な浮動票を巻き込むことができなかった。 -
県議選 一夜明けて 垣内基良氏
-感想は
ほっとした。朝3時まで息子と飲んだ。これから議席を安定させていかないと上伊那のためにならない。そのためには続けて勝てる組織をきちんとしないといけない。
-トップ当選して
とんでもない運命だ。不死鳥のようによみがえる。その精神力は支持者がいなきゃできない。1票差で町民の胸の中につかえたすっきりしない何かを取ると同時に、俺の分も取ってほしかった。ようやくわだかまりなく町が一つになった。本当にいい選挙だったと思う。
-村井知事の是非は選挙の争点になったか
郡区では政策的には争点ではなかったと思う。田中さん、村井さん双方を勉強しながらやっていれば争点だったが、県民が政争を繰り返し感情で投票行動していた。今回少し改善された。知事とは是々非々。考え方がだいたい一緒だから、あまりブレがないと思う。
-県議としてのこれから
現状を見て分析し、実行する。予算の個所付けを見ていないので、本年度やること、継続すること、来年予算化することを考える。定数が3から2になり地域選挙の終わりと思ったが、結果的には地域選挙だった。だから辰野から中川まで全部やる。この4年間で少し幅ができた。今までは持論展開し理解してもらうことをしてきたが、そういうことではない。県民同士でいがみ合わないように、真ん中を取るということでなく、上手に運営する方法をしていくことだと思う。議員は条例づくり、地域要望の取り入れがあるが、地域要望取り入れを処理する能力もつけないといけない。上伊那のためにきちっとやります。
-会派は「石田(冶一郎)先生の言う通りに」ということだが
まだこれからだけど、政治家は親方を裏切ってはいけない。そのことを自分の有権者に理解してもらうことをしていく。 -
県議選 新県議決まる
県議会議員選挙は8日投・開票された。上伊那では、伊那市区で現職木下茂人氏(71)=無所属(4)・美篶、現職向山公人氏(64)=政信会(3)・西町、駒ケ根市区で元職佐々木祥二氏(55)=無所属(3)・赤須東、郡区で元職垣内基良(57)=無所属(2)・辰野町、現職小林伸陽氏(63)=共産党(3)・箕輪町=が当選を果たした。
投票率は伊那市区が前回を8・2ポイント下回る60・79%、駒ケ根市区が0・48ポイント上回る71・11%。郡区は接戦だったが、投票率は上がらず、71・76%と前回を0・13ポイント下回った。
争点となった村井県政の姿勢には賛否両論あるが、有権者から「後世に禍根を残すようなことだけは避けてほしい」など注文がつく。「豊かで住みよい地域づくり」などを果たすため、県政をチェックし、有権者の1票1票にこたえなくてはならない。 -
県議選 郡区 有権者の判断
し烈な戦いを繰り広げた上伊那郡区。定数が3から2に削減され、現職、元職の各1人が当選、現職2人が落選した。接戦になるという各派の予想通り、4候補とも1万1千票以上を獲得し、トップ当選と最下位の差は1766票だった。
前回、辰野町から出馬して落選した赤羽公彦氏の獲得票(旧高遠町・旧長谷村を除いた8487票)の行方が注目されたが、垣内氏が町内で9639票を獲得し、2位に7700票以上の大差をつけて圧倒的な強さを見せた。「辰野町から県議の火を再び」の実現に向けて辰野一本化に力を注ぎ、前回よりも4385票を上乗せした。また、女性を対象にした集いを開くなど女性の支持拡大に力を入れ、前回と比較にならないほど後援会員数を増やしたのも特徴の一つ。
「自分自身の最後の戦い」と決めて臨んだ垣内氏。前回、1票差で落選した悔しさをばねに、トップ当選を果たした。
小林氏は「変わり始めた県政の改革を後戻りさせない」と訴え、他候補と立場の違いを明確にして戦った。地元箕輪町で5785票を固めたほか、すべての町村で前回を上回った。当選の要因は「政策が評価された」とみて、党派を超え、着実に獲得票数を伸ばした。
清水氏は前回の無所属から自民党公認として立った。昨年暮れから、地元箕輪町、南箕輪村を1万軒以上歩き、地元を固めた。箕輪町、南箕輪村で最高得票だったものの、辰野町で目標より1千票余が足りず、南部の獲得票も思うように伸びなかった。
南部から唯一立候補した小原氏は、飯島町・中川村で選対組織を立ち上げるなど南部から県議を送り出そうという気運を盛り上げた。前回の投票率に比べて0・63縲・・01ポイント上回り、地元宮田村の4295票をはじめ、飯島町、中川村で目標1万票に近い9074票を獲得した。北部の2町村に事務所を構え、支持拡大を図ったが、目標としていた票数に届かず、涙を飲んだ。 -
県議選 郡区
◆垣内基良氏
ほっとしたという感じ。辰野から中川までの責任を負ったと思う。気持ちを入れ替え、地域の皆さんのため、長野県のために頑張りたい。
前回の1票差で支持者がこの4年間、胸のつかえが取れず悩み苦しんだ。この選挙で勝たせていただき、皆さんの肩の荷、私自身の荷をなんとか下ろしたかった。おかげで下ろすことができた。辰野の皆さんが本当に一つにまとまっていただいた。政治理念、信条、行動力を含め政治力に理解いただいた結果。
皆さんのご要望、ご意見を聞いて、しっかり県政に反映する形をとりたい。今年の予算は決まっているので個所付けに努力し、来年度予算に要望を盛り込めるよう努力したい。
◆小林伸陽氏
厳しい選挙戦になると予想していた。戦いを勝ち抜けたのも、皆さんの努力の結果。
支持を訴える中で、政策や県のあるべき方向を示して戦ったのは、私の陣営だけである。公約を県政で実現する重さを感じている。
介護、子育て、医療、教育など住民の暮らしを守ることが最大の課題。県議会で支援に負けない努力をし、県政を前進させることで返したい。 -
県議選 伊那市区 木下茂人氏当選の弁
みなさん一人ひとりが票を掘り起こしてくれて、その積み重ねが結果につながった。みなさんの信任をたまわったからには公約を実行し、期待にこたえたい。豊かさを実感できる県政を進めていきたい。
短期決戦だった。最初は低調だったが、中盤から支援が盛りあがり、確かな手ごたえを感じることができた。感謝している。
村井知事誕生にかかわった一人としての責任もあり、本当の県の改革を知事とともに進めたい。知事とはべったりではなく、是々非々で取り組みたい。 -
県議選 木下茂人氏 当選から一夜明けて
4期連続でトップ当選。「団体も会社もあるわけではないが、一人ひとりが力を積み上げてくれた。本当にありがたいこと」。強力な選対組織は今回も健在だった。農業関係の支持も相変わらず厚く、当選後は「農業を理解している県議として頑張って」などの祝辞が多く寄せられた。
投票率が前回を大きく下回ったことについて「当初、無投票になるかもしれないと考えた人もかなりいたのかなあ。突然選挙になったので、波瀾が少なかった部分があった」「前回は知事に対してどう考えるかということが有権者の一番の関心事で、県政の大きな流れの中での対立がポイントだった。知事選を経て、県全体の方向性、大きな流れができたということで、県民に安心感があったのかな」と分析する。
選挙戦を通じて有権者が何を求めているのかを肌で感じた。
「山間地を回ってみて、このままではいけないと感じた。農業振興、若者定住、観光資源活用など、総合的な対策が必要だ。行政だけではできない。みなで考えないと」
「南信は均衡ある政治を求める声が多い。幹線道路も南信は未整備。国道153号のバイパスなど、構想(計画)のあるところは急がないと。今のペースでは40年かかってしまう。国の支援も得て」
議会改革については「田中前知事の時代からかなり進められたと思っている。情報の透明度も高まったし、改革すべきことは改革してきているが、県民にしてみると、これでいいということはないのだろう」と認識する。
今回選は「無所属」で立候補。今後の所属会派について有権者の関心が集まる。「(所属の緑のフォーラムは)4人残って無所属は私だけ。3人は自民党。会派の再編は選挙前からみな思っていたが、選挙が済まないとそれもできない。自分の考えはまだ申し上げる段階ではない」として、さっそく会派で相談するため9日夕に長野市へ。4期目のリーダーシップも強く求められることになりそうだ。 -
県議選 伊那市区
木下茂人氏の支持者らは8日午後8時ころから、美篶上大島の地域コミュニティセンターに集まり始め、開票開始の午後9時には約250人で広間が埋まった。
大型テレビで開票速報を見守る支持者らの顔に不安の色は見られない。
開票開始からわずか数分後、ケーブルテレビの女子アナが木下氏の「当選確実」を告げた。
会場に歓声と拍手が渦巻いた。
駆けつけた小坂市長らは「組織固めがすばらしかった。とりわけ合併した東部(高遠町・長谷)では圧倒的勝利と聞いている」などと祝福した。 -
県議選 駒ケ根市区 今日投開票
駒ケ根市区(定数1)は午前7時縲恁゚後8時に市内22カ所の会場で投票が行われる。開票は午後9時から市役所で行われ、大勢判明は10時すぎごろと見られる。市選挙管理委員会は午後10時から20分ごとに開票速報を発表する予定。選挙人名簿登録者数は29日現在2万7535(男1万3360、女1万4175)人。
31日から始まった期日前投票では6日現在、有権者の約6%に当たる1676人が投票を済ませている。 -
県議選開票事務
箕輪町が新方式導入で時間短縮、合理化図る箕輪町は、8日の県議会議員選挙の開票事務で、効率化を図り時間短縮を目指す新方式を導入する。開票事務を通して仕事の合理化を学び、今後の業務、役場全体の体質改善につなげることを狙う。
元三重県知事で早稲田大学大学院の北川正恭教授が提唱する「一点突破全面展開」の発想に基づく行革手法の一つ。県内先進地の小諸市に学び、従来の分業体制から、開票、内容点検、計数までを流れ作業に切り替える。前回の県議選の開票作業は職員71人体制で所要時間1時間25分だったが、今回は49人体制で45分を目指す。
開票作業に広い空間を確保するため、開票場を町文化センターホールに変更し、いすは設置せず、作業台を効率が上がるとされる高さにして立ち作業にする。職員数の減と時間短縮によりコスト削減も図る。
町は5日から7日まで開票事務のリハーサルを繰り返し、理事者と課長全員も見守った。平沢豊満町長は、「日常一般の仕事の合理化を開票事務を通じて体験する。職員数を絞ってやるので、それを核に全職員に広がってほしい」としている。 -
県議選 伊那市区 3候補が各地で最後の演説
投票日を翌日にひかえ7日、伊那市内では立候補者3人が市内各地で最後の思いを訴えた。
木下氏は地元の美篶地区などで遊説を行い、夕方から旧伊那市と高遠町町内で市街地で遊説行進を敢行。
村井県政に対しては「本当の意味での改革を進めるステージとなったが、まだまだ超えていかなければならないハードルがある。私も新県政の誕生に携わった一人として車の両輪となってがんばっていきたい」と語った。
政策面では南北格差、都市と農村部の格差解消、経済の活性化による県財政の安定などを挙げ「伊那市の議員として伊那市のみなさんの考えを県政に反映させ、豊かさを感じられる郷土作りに取り組みたい」と訴えた。 -
県議選 きょう投・開票
任期満了に伴う県議会議員選挙は8日、各投票所で一斉に投票が行われる。即日開票で、新県議が決まる。
上伊那は伊那市区(定数2)に3人=現職2・新人1、駒ケ根市区(定数1)に2人=現職1・前職1、上伊那郡区(定数2)に4人=現職3・前職1=がそれぞれ立候補した。
投票時間は午前7時縲恁゚後8時(一部異なる)。
開票は、伊那市区が午後9時から、市役所。10時から20分おきに、庁内放送などで開票速報を発表する。
開票終了は10時半前ごろで、10時縲・0時20分に大勢判明する予定。
駒ケ根市区は9時から、市役所で行われ、大勢判明は10時すぎごろと見られる。市選挙管理委員会は10時から20分ごとに開票速報を発表する予定。
郡区は、飯島町・中川村が8時45分から、辰野町・箕輪町・南箕輪村・中川村が8時50分から、それぞれ開票作業を開始。開票が終了した町村ごとに順次、伊那合同庁舎で結果を発表する。
開票終了予定時刻は宮田村の9時半が最も早く、最終と見られる辰野町・箕輪町は10時半。大勢判明は10時ごろを見込む。
3月29日現在の有権者数は伊那市区5万7327人(男2万7764人、女2万9563人)、駒ケ根市区2万7535人(男1万3360人、女1万4175人)、郡区6万8547人(男3万3422人、女3万5125人)。 -
県議選 あす投票
任期満了に伴う県議選は8日、投票が行われる。選挙戦は1日を残すのみで、各派は「悔いのないように、打てる手はすべて打つ」と1票1票を積み重ねる。
上伊那は伊那市区(定数2)に3人、駒ケ根市区(定数1)に2人、上伊那郡区(定数2)に4人がそれぞれ立候補し、9日間にわたる舌戦に突入した。
各候補は連日、遊説や個人演説会などをこなし「最後のお願い」にかける。 -
県議選 駒ケ根市区 終盤情勢
駒ケ根市区(定数1)は前職の佐々木祥二氏(55)=無所属、赤須東=と現職の林奉文氏(61)=あおぞら、南割=が一騎打ち。両陣営とも朝から市内全域を遊説カーで巡るほか、各地で街頭演説やミニ集会を開き、文字通り声をからして支持者獲得に全力を挙げている。投票日が近づくにつれ、相手候補を強く批判したり攻撃したりする言葉も飛び出すなど互いの舌戦は過熱竏秩B激しい選挙戦を繰り広げている。
「相手よりただ1票多ければいいんです。ぜひもう一度知人に声をかけてください」と・スお願い・スにも悲壮感が漂ってきた。
当初は強力な支援組織を持つ佐々木氏が有利と見る向きが多かったが、終盤にきて林氏が激しく追い上げているとの見方もじわじわと増しつつある。・ス豊かで住みよい元気な駒ケ根市・スを掲げ、村井知事の景気拡大政策を支持する佐々木氏が組織票からの上積みを図っているのに対し、超党派の市民らの支援を受け、福祉、教育などの・ス暮らし優先・ス政策を訴える林氏は幅広い層の支持を拡大している模様。
激しい選挙戦を横目に、両候補の支持者以外の市民は戦いの行方をどう見ているのか竏秩B
「この狭い地域だけでなく、広く県のためになる人に入れたい」「とにかくまず市の発展に尽くしてほしい」「どっちでも結局変わらないんじゃない?」竏窒ネどと反応はさまざまだが、若い有権者を中心とした無関心層の興味も徐々に高まってきているようだ。
結果を大きく左右すると考えられる投票率は両陣営とも70%前後を予測しているが、低ければ佐々木氏有利、高いほど林氏有利との見方が有力。
さて、最後に笑うのはどちらの陣営か竏秩B大勢判明は8日午後10時すぎと見られる。 -
県議選 伊那市区 終盤情勢
地盤の固い現職の木下茂人氏(71)=無所属、美篶=と向山公人氏(64)=政信会、西町=を告示日直前に立候補した新人・井口純代氏(51)=あおぞら、福島=が追い上げる伊那市区(定数2)。現職2人はそれぞれトップ当選を目指して最後の追い込みに励んでおり、最後まで攻めの姿勢を崩さない構えだ。一方の新人候補は「しがらみのない選挙」を訴え、現職の批判票や田中前知事の政策支持者票などの取り込みを狙い、現職2人に迫る。
木下陣営は5日夜、後援会女性部による総決起集会を地元の上大島で開催。約300人が集まる中、最後まで電話作戦や声かけに取り組む姿勢を再度確認。士気を高めた。
遊説、個人演説会を通して市内全域で支持を訴えてきた木下氏。今回の選挙戦の鍵をにぎる高遠、長谷地区では、選挙戦前からもう一人の現職・向山氏と肩を並べて活動を展開。農村部は木下氏、町部は向山氏という傾向で支持者が固まってきている。また、今回選は投票率が下がるとする声も多いが、そうなった場合、もともとの支持基盤が厚い木下氏が優勢になるとも予想される。投票日前日の6日は伊那市街で遊説行進を行い、最後の支持を訴える。
向山氏も市内全域での遊説、個人演説を展開。また、地盤とする商工関係組織を通じて支持者拡大を図っている。「今度こそ圧勝を」と向山陣営でもトップ当選を今回選の目標に掲げている。支持者の多い町部の投票率が下がれば不利に働く可能性もあるが、スポーツ関係者からの支持も厚い向山氏の場合、若い世代の浮動票を呼び込みやすい。また、推薦を受ける公明党の支持者票の確保も図る。投票日前日は伊那市内での街中遊説行進に加え、高遠町の市街地でも遊説行進を行う。
党派や団体の支持を得ず、市民活動などの個人的なつながりで今回選を戦ってきた井口氏も、連日の遊説で市内を駆け巡っている。 告示直前に出馬表明した井口氏は時間的制約の中今回の選挙戦に臨んできたが、匿名での応援メッセージが届いたりミニ集会や個人演説をしてほしいという要望が寄せられており、関係者の一人は「徐々に支持は広まっている実感はある」とする。また、現職の批判票や田中県政の支持者票だけでなく、自主投票としている共産党支持者の票も井口氏に集まると見込まれる。 -
県議選 郡区 終盤情勢
上伊那郡区(定数2)は、現職清水洋(53)=自民党(1)・箕輪町、現職小林伸陽(63)=共産党(2)・箕輪町、前職垣内基良(57)=無所属・辰野町、現職小原勇(58)=無所属(1)・宮田村=の4氏によるし烈な戦いが繰り広げられている。
各派は、投票率を70%前後と見て、当落ラインを1万2千縲・万3千票と予想する。地元票だけで確保できる数字ではないため、他区域へ切り込む。前回、辰野町から出馬し、落選した赤羽公彦氏の獲得票(高遠町・長谷を除いた8487票)の行方が当落に大きく影響する。
清水氏は自民党公認候補として立つ。箕輪町、南箕輪村を中心に、票固めに動く。辰野町に事務所を構え、町内から赤羽票の4分の1(1581票)以上をねらうほか、他町村から前回以上の上乗せを図る。
投票日を控え、6日夜に総決起集会を開き、支持者の結束を図った。7日は箕輪町、南箕輪村を集中的に回る。
小林氏は「変わり始めた県政の改革を後戻りさせない」と訴え、他候補と立場の違いを明確にする。4候補の中で、当落ラインを1万3千票と最も高く設定。辰野町で前回より千票を増やすなど全区域で目標獲得票数をかさ上げし、党派を超えて支持を広げる。
7日は地元箕輪町、南箕輪村、辰野町を回る。
垣内氏は「輝く伊那谷のために」をキャッチフレーズに掲げ、辰野町一本化を図る。町内の赤羽票(6326票)のうち3千縲・500票は困難とみて、飯島町、南箕輪村に事務所を構え、他町村から3300縲・千票を目標に上乗せを図る。
7日は辰野町を重点に、箕輪町、南箕輪村を回る。
南部唯一の立候補者、小原氏の陣営は「攻めの一点」。南部から県議を送り出すという気運は高まっているものの、南部で目標とする1万票を獲得するには「あと一歩」。飯島町・中川村で前回を上回る投票率70%以上を徹底する。辰野町、南箕輪村に事務所を構え、前回以上の獲得票を目指す。
7日は全区域を回り、村内の津島神社で締めくくる。
各派とも、当選ラインに達する数字をたたき出すが「実際は、どうなるか分からない」と危機感を募らせる。 -
県議選 駒ケ根市区 参謀に聞く
設問(1)選挙の特徴、争点(2)予想投票率(3)その根拠(4)その影響(5)当落ライン(6)激戦地(7)地盤(8)最もアピールする点(9)有権者の反応(10)ひとこと
佐々木祥二候補
福沢喜美選対委員長
(1)林候補は無所属というが実体は共産党。この点を市民の皆さんによく知ってもらい、適切な判断をしてもらいたい(2)70縲・2%(3)06年の県知事選駒ケ根市区(70・2%)(4)あまりないだろう(5)1万縲・万1千。駒ケ根市区の選挙は僅差の勝負になることが多い。今回もそうかもしれない(6)林候補の地元南割周辺の地区(7)市内全域。地元の町部と中沢が堅調だし、手応えは全体的に高まっている(8)福祉も教育もただではできない。まず安定した財政基盤をつくることが前提だ。そうすることが将来の夢や展望が開ける県政の実現につながる(9)決して悪くない。前回選よりもかなり良い(10)たった1つの議席が共産党では情けない。とにかくこの現状を変えたい。何がなんでも勝つ。
林奉文候補
村井喜美雄選対委員長
(1)暮らし優先か土建重視復活か。田中県政の後退を何とか食い止めなければならない。村井知事は県政を私物化している(2)70縲・5%(3)06年の県知事選駒ケ根市区(70・2%)(4)投票率が上がれば相手の組織票以外の得票が見込めることからこちらに有利と考える(5)1万縲・万1千。僅差だろう(6)あえて言えば全部(7)特にない。市内の全体で良い感触を得ている(8)一番大事なのは福祉、教育。子どもを大切にし、お年寄りをいたわる政策を実現する(9)非常に良い。訴えたいこと、主張が浸透してきている(10)行動力、政策能力、政治姿勢、人柄と、どれを取っても素晴らしい。県議会活性化のためのみならず、市のためにも県議として最もふさわしい人物だという自信がある。 -
県議選 伊那市区 各陣営の参謀に聞く
県議選伊那市区(定数2)の各派参謀に戦況、予想などを聞いた。
設問=(1)今回の選挙の特徴(争点も含め)(2)投票率の予想(3)その根拠(4)投票率の影響(5)当落ライン(6)激戦地(7)地盤(8)有権者に最もアピールしていること(9)有権者の反応(10)ひとこと
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県議選 郡区 参謀に聞く
8日に投票が行われる県議選上伊那郡区(定数2)の各派の参謀に、選挙の争点、戦況などを聞いた。
設問は(1)選挙の特徴(争点含む)(2)投票率の予想(3)その根拠(4)投票率の影響(5)当落ライン(6)激戦地(7)地盤(8)有権者に最もアピールしていること(9)有権者の反応(10)ひとこと竏秩B -
県議選 伊那市区 まちの声
村井県政に対して「是々非々」とする現職2人と「どちらかといえば支持しない」とする新人一人が選挙戦を繰り広げている伊那市区だが、村井県政のこの半年について有権者は「分からない」と大半が答えており、具体的な変化を感じられないというのが現状のようだ。 しかし、「県民の声を聞いてくれる分良い」(長谷黒河内・農業・男性・71)「田中県政に比べて一方的でない」(長谷溝口・自営業・61歳)などといった点を評価する人も多く、今後への期待も込めて「支持」「どちらかといえば支持」と回答する人が多い。
公共事業に対する姿勢については見方が分かれる。「賛成。これまでの6年は何の取り組みもなく、停滞していたが、これからは災害対策などもやってほしい」(西箕輪・農業・女性・77歳)、「知事が代わるたびに動きがあることはどうかと思うが、地元の人が望んでいて県民益となるなら仕方がない」(伊那部・調理師・男性・30歳)と支持する声もあるが「よくは分からないが、箱物ばかりつくろうとしている気がする」(公務員・女性・25歳)など、現状ではその効果を計りかねている有権者も多い。
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投票する候補については、旧伊那市区の有権者と今回から伊那市区に加わった高遠、長谷地区の有権者の間には、今回選に寄せる思いに違いがあるようだ。
旧伊那市区の場合「田舎なので地域的なつながりで決めた。普段から付き合いのある人」(西春近・会社員・男性・50歳)、「政治に前向きで、実行力のある人」(西箕輪・女性・農業・77)など、地縁的なつながりを重視したり候補者の姿勢に共鳴して投票する候補を決める有権者がほとんど。
高遠、長谷地区でも新しい候補者をしっかりと見極めて投票しようとする有権者もいるが、「選ぶ候補がいないので自分の関係する人に入れざるを得ない」(西高遠・女性・自営業・50代)など、見ず知らずの候補者に票を投じることに不満を感じる有権者もいる。
現職2人は両地区で早くからあいさつ回りを始め、磐石な基盤づくりに励んできたが、両地区では「本当に自分たちの地域のことを考えてくれるのだろうか」と一歩離れたところから懐疑的に今回の候補者を見ている有権者もいる。また「もっと底辺の気持ち、意見をくみ取ってほしい。本当なら地元から出てくれる人がいれば」(西高遠・自営業・男性・58)と、地域の実情に精通した地元候補を求める声は根強い。 -
県議選 郡区 まちの声
8日に投票が行われる県議選で、立候補者の村井知事に対する評価が分かれている。郡区の有権者のとらえ方はどうか、村井県政の満足度、県議を決める基準など一部の声を拾った。
村井県政の評価に対して「良し悪しを判断するには短すぎ、現時点では難しい」と複数が回答した。「村井県政に満足していない」では「昔の長野県に戻っている気がする。本当に税金を必要なことに使っているのか疑問」(辰野町・パート女性・37歳ほか)、「秘書の身内人事は問題」(同・サービス業男性・69歳)など懸念。一方で「村井知事は建設業界の味方というイメージを持っていたが、仕事ぶりを聞いていると、福祉にも手厚い感じがする」(宮田村・宅幼老所スタッフ大石泰嗣さん・35歳)、「前田中県政はさまざまな場面で極端だったので、村井県政には特別不満はない」(中川村・パート女性・59歳)と「どちらかといえば支持」の意見が挙がった。
公共事業のあり方について「穴あきダムはいらない。安全でないように思う」(辰野町・会社員女性・29歳ほか)、「ダムは造ったほうが良い。地元に必要な橋や水路改修など事業を進めることで、地域も潤うのではないか」(南箕輪村・主婦・69歳)と意見が分かれた。また「公共事業に対する姿勢自体は悪くないと思うが、大きな借金をして後世に禍根を残すようなことだけは避けてほしい」(宮田村・自営業小木曽公明さん・70歳)「必要最小限にして、赤字を減らしてほしい」(箕輪町・会社員女性・56歳ほか)と注文もあった。
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県議選で「投票する人を決めた」と答えた人は、どんな基準で選んだのか。
北部は「今までの実績や公約を見ながら決めたい」(南箕輪村・主婦・69歳ほか)と政策重視が目立ったが、南部では「地域的にかたよることなく、バランスが取れるように投票したい」(宮田村・自営業小木曽公明さん・70歳)、「身近な声を吸い上げてくれる人。人柄で選びたい」(同・公務員男性・30代)と地域重視が強く表れた。
「公約が聞こえてこない」と決めかねている有権者もおり「昨年7月の豪雨災害で水に浸かり、大変な思いをしたので、防災第一に考える人に投票する」(中川村・パート女性・59歳)、「県民益を考え、働く人」(辰野町・サービス業男性・69歳ほか)などで判断する。
各陣営の終盤の戦いによって、浮動票を取り込む要素はある。 -
県議選 駒ケ根市区 まちの声から
駒ケ根市区(定数1)は前職の佐々木祥二氏(55)=無所属、赤須東=と現職の林奉文氏(61)=あおぞら、南割=が立候補している。最大の争点として市民が注目するのが、両候補の村井県政への姿勢だ。佐々木氏は「財政基盤の確立が喫緊の課題という点で私も同じ考え方。田中氏と違ってバランスがとれている」として明確な支持を表明しているのに対し林氏は「今の政策は大型公共事業優先の土建重視復活だ。田中前知事の改革を後戻りさせてはならない」と強く批判している。
市民の声も賛否両論で「借金を減らすことも大切だが、まず産業を活性化させてくれないと始まらない。ダムでも道路でもいいからもっと公共事業を増やして景気を良くしてほしい」(下平、自営業、47歳男性)「村井県政は発足して間がないが、田中前知事よりは各段に良く、支持している。地味だが着実な行政運営を評価している」(福岡、64歳、無職男性)「脱ダム宣言に代表されるように田中さんのやり方は素人にも分かりやすくて良かった。吉村県政までのような旧態依然とした体質にはなってほしくない」(小町屋、無職、70歳男性)と賛否が分かれる。
投票する候補はすでに決まっているかを尋ねたところ約半数が「まだ」と回答したが、佐々木氏に投票すると答えた人はその理由として「村井知事の政策を支持しているから」(北割二、無職、48歳女性)「人柄が信用できそうだから」(町一、無職、69歳女性)「県議を2期務めた実績があるから」(上穂町、自営業、56歳男性)などが挙がった。林氏に投票すると答えた人は「活躍している現職だから」(東伊那、主婦、72歳女性)「頭が良いから」(小町屋、無職、70歳男性)「田中前知事の改革路線支持だから。村井氏は役人くさくて嫌い」(福岡、団体職員、57歳男性)などを理由として挙げた。
投票の理由に候補者の人柄や実績などを挙げる声も多く、村井知事の支持率が今選挙の結果に直結するとは限らないが、今回市民の声を聞いた限りでは村井知事支持者で林氏に投票すると答えた人はなく、その逆もなかった。今選挙の結果を予測する有力な根拠となり得ることが分かる。しかし昨年8月の知事選での得票数は駒ケ根市区でも村井知事が上回ったものの、その差はわずか391票だった。「どちらが勝ってもおかしくない」と両陣営が互いに危機感を抱くゆえんだ。
一方で「政治には興味がない」(中沢、農業、76歳女性)「知事が誰で、何をやっても庶民の暮らしは結局変わらない」(町二、商店経営、56歳男性)などとするあきらめとも無関心とも思える見方も多い。村井知事支持についても「どちらともいえない」と答えた市民が特に女性に多かった。こうした政治全般に無関心な有権者の動向が選挙の結果を左右する鍵となる可能性も大きい。両陣営ともこれは十分承知で、いかにこの層を取り込むかに力を注ぎながら、連日激しい選挙戦を繰り広げている。 -
県議選 駒ケ根市区 中盤戦
駒ケ根市区(定数1)は前職の佐々木祥二氏(55)=無所属、赤須東=と現職の林奉文氏(61)=あおぞら、南割=が立候補。4年前と同じ顔ぶれの2人による一騎打ちとなった選挙戦は、日を追うごとに激しさを増している。両陣営とも目標得票数を1万2千程度として、市内全域を回る遊説や街頭演説を行うなど支持者獲得に必死だ。
前回選では新人だった林氏がわずか255票差で佐々木氏をかわして初当選を果たした。県議として田中知事に不信任を突きつけた佐々木氏と、知事を支持する姿勢を鮮明に打ち出した林氏との明暗がくっきりと分かれた選挙だった。あれから4年が過ぎ、県知事は村井氏に、2人の立場は県議と一市民にそれぞれ変わったが、両候補の考え方は基本的に変わりがないという構図だ。村井知事の政策を支持する佐々木氏が「風は変わった」として攻勢を強めているのに対し「田中氏の改革路線を後戻りさせてはならない」と訴える林氏。争点が鮮明であるだけに、真っ向から対立する互いの主張を有権者がどう判断するのか注目される。
昨年8月の知事選での駒ケ根市区の得票数は村井氏9597、田中氏9206でその差はわずか391票。今選挙を「村井県政の信任投票」と位置付ける向きもあるが、この票差を見てもかなり僅差の勝負となることが予想される。一方、投票率は70・2%だったが、今選挙ではそこまでは達しないだろうとの見方が有力。投票率が低迷した場合、組織票を抱える陣営に有利な結果となるのが一般的だが、その意味で投票率とともに浮動票がどう流れるのかが勝敗を大きく左右すると見てよさそうだ。
佐々木氏は強力な後援会組織をフルに活用し、地区ごとに連日連夜の演説会を開催している。林氏は車で遊説しながら毎日20カ所以上で随時街頭演説を行っているほか、4日夜に駅前ビル・アルパで個人演説会を開く。 -
県議選 伊那市区 中盤情勢
選挙戦も中盤に入り、伊那市区(定数2)では現職の木下茂人氏(71)=無所属、美篶、向山公人氏(64)=政信会、西町、新人の井口純代氏(51)=あおぞら、福島の3候補が、市内各地で遊説や個人演説などを精力的に展開している。
木下氏は市内各地区を遊説しながら1日2、3カ所で個人演説会を展開。告示前から今回から伊那市区に加わる高遠、長谷地区での基盤固めに力を入れてきたが、中盤に入っても引き続き、両地区で精力的に活動を展開している。集落ごとに開く個人演説会では、100人近く集まる所もあり、事務局の一人は「相当浸透してきている」と感触を語る。両地区では農業関係者層に支持の厚い木下氏の方が向山氏より優性であるとする見方も強い。5日には支持層の厚い女性部による総決起集会を行う。
向山陣営は31日に女性部による総決起大会を開き、集まった約100人が気勢を上げた。その後も、昼は遊説、夜は3、4カ所のハイペースで個人演説会を展開。日曜日には街頭演説を行うなど、あらゆる手段で支持を訴えている。
木下氏同様、告示前は高遠、長谷地区でのあいさつ回りを皮切りに選挙戦の準備を進めてきた向山氏。告示後は市内全域をくまなく回り、支持を訴えている。旧伊那市区の時から、木下氏が農業、向山氏が商工業を基盤として票を集めてきたが、高遠、長谷地区でも同様の構図で票が集まっている。
両陣営とも、前回選の新人候補2人の獲得票の合計が、現職一人ひとりの獲得票を上回っていたことには警戒しているが、田中前知事の追い風もなく、用意周到に準備してきた前回の新人候補との戦いとは異なると考えている。
井口氏は遊説を中心に選挙活動を展開。要望のあった地域には個人演説会を催すなど、臨機応変に対応している。ほかの2人に比べ、人的にも時間的にも厳しい情勢は変らないが「前回の新人候補2人が獲得した現職の批判票を掘り起こせれば必ずしも劣勢ではない」としている。
実際に、選挙を切望していた一部の有権者から応援の声が届くこともあるというが、依然として選挙に対する有権者の意識が十分に高まっていない実感があり、現職批判への思いが必ずしも投票行動に表れるかなどといった懸念もある。
有権者に対しては「現在の県政に本当に満足しているか」を問いかけ、投票行動でそれぞれの意志を示してほしいと訴える。 -
県議選 郡区 中盤情勢
激戦区の上伊那郡区(定数2)の4候補は、それぞれ地元を固めながら他区域へ攻め込んでいる。前回、辰野町から出馬し、落選した赤羽公彦氏が獲得した8400票の行方が当落のかぎを握る。
合併により、旧高遠町・旧長谷村が選挙区でなくなり、定数が削減されたため、各陣営とも当選ラインは前回の1万400票余を大きく上回る1万3千票前後と読む。
箕輪町の現職清水洋氏(53)は前回の無所属から自民党として立った。昨年暮れから箕輪町、南箕輪村を重点に、1万戸余を精力的に歩いた。町内企業も手分けで130社余を回り、地元を固めつつある。前回、4候補の中で北部は高得票だったが、南部では最も少なかった。北部に力を入れ、前回(9654票)以上の獲得票を目指して赤羽票の取り込みに動く。
知事との関係は「なれあいでなく、是々非々で臨む」としている。
同じく箕輪町の現職小林伸陽氏(63)=共産党=は「変わり始めた県政の改革を後戻りさせないことが、今選挙の最大の課題」と訴え、他候補と立場の違いを明確にする。昨年8月の県知事選で、郡区は村井仁氏より田中康夫氏が約1770票上回り「反村井票」を広域的に集める要素はあるものの、それが有利とは言い切れない。党派を超え、全体の支持拡大を図り、議席確保をねらう。
辰野町の無所属前職垣内基良氏(57)は前回、1票差で落選した悔しさをばねに、辰野一本化に力を注ぐ。赤羽票の奪い合いが激しく、町内を中心に、箕輪町・南箕輪村、南部へと入り込む。1日20カ所ほどの街頭演説をこなし「垣内」を印象づける。町内の立候補者が前回の2人から1人になったことで、投票率の低下が懸念される。
県知事との関係については「知事を選んだ県民の意思を尊重するべき。知事を支援しつつ、是々非々であるのが、県議の正しい選択」との姿勢を示す。
清水、垣内の2氏は、公明党推薦を受ける。公明党町議によると、清水氏は箕輪町から南部、垣内氏は辰野町と地域で党票をほぼ分けているが、情勢により変動する可能性がある。
宮田村の無所属現職小原勇氏(58)は南部唯一の立候補者。現職の強みを生かし、前回南部で獲得した7730票を上回る1万票を目標に定める。何としても南部から県議を送り出すという気運の高まりに期待し「良識ある有権者」の選択に頼る。
知事へのスタンスは「県民の思いと照らし合わせ、言うべきことは言う」としている。
1票差で当落を分けた前回選。接戦が予想されるだけに、各立候補者は街頭演説や個人演説会などをこなし、政策などを力強く訴える。各陣営の選対事務所にも「あと○票が足りない」と切迫した雰囲気が漂う。 -
県議選 郡区 候補者の横顔
「政治は結果責任である」竏秩B少子化対策、安心して暮らせる老後など幅広い意味で「豊かさ」が実感できる地域社会を作ることが求められ、それが県議の使命と考えている。
昨年7月、豪雨災害の影響で、上伊那各地も土砂流出や道路の陥没など被害を受けた。午前4時に起き、現場に出向き、被害を目の当たりにした。「安心、安全な地域づくりが大事である」と痛感した。
災害に強い地域づくり、出産後の女性の職場復帰を含めた少子化対策、既存企業の持つ経営資源を生かした経済対策など大きな課題を抱えながらも、夢や希望を持てる地域づくりを目指す。
村井知事に対しては「理想を求め、現実を踏まえて取り組んでいる」と評価し、なれあいではなく、チェック機関として議会の役割を果たすとしている。
幅広い趣味を持っていたが、今は好きなジャズの音楽を聞くくらい。「半分は仕事」で、よく本を読み、パソコンをいじる。時々、ギターも弾く。大学時代はスキー部に所属していた。
好きな言葉は「一期一会」で、人との出会いを大切にする。
家族は妻、二女。箕輪町松島。 -
県議選 伊那市区 候補者横顔
小学6年生のとき父が他界し、女きょうだいが多い中、家業の農業を支えてきた苦労人だ。しかし、その時に培った底力が、今の礎となっている。「自分は苦労したと思ってたけど、母は『そうでもない』って言うんだよ」と笑う。
伊那の郷土を良くしたい竏秩Bそんな思いから政治家を志すこととなった。今もその思いは変わらない。しかし今回は、村井県政の誕生にかかわった者の一人としてこれからの県政を導いていく責任があるとも感じている。
今回はまず、新たに伊那市区に加わった高遠、長谷地区でのあいさつ回りから始めたが、その中で中山間地の過疎化や農業振興問題が極めて深刻であることを実感した。
「県内には北と南、山村部と都市部の格差がある。そのこと一つ見ても農業振興を考えていかなければならない」と均衡の取れた地域づくりを訴える。また、産業振興により自力をつけることも重要であると考えており、中小企業に対する技術、人材育成支援などを具体策に挙げる。
趣味はそば打ち。みんなにごちそうできれば竏窒ニ始め、伊那市そば打ち名人の会の名人位を取得した。「理想は高く、敷居は低く」が信念。妻と二人暮し。美篶上大島。