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中・大型風力発電施設に関する影響想定地域マップ「全県版」公表
県は18日、中・大型風力発電施設に関する影響想定地域マップの「全県版」を公表した。06年度に伊那市、諏訪郡富士見町などの「入笠山周辺版」、07年度に須坂市などの「峰の原周辺版」、箕輪町と辰野町の「桑沢山周辺版」を作成しているが、今後、県内全域で活用できるように全県版を作った。
地域マップは、中・大型風力発電施設に関し、山地災害や自然・景観などへの影響が想定される地域などをあらかじめ地図に表し、地域住民、市町村、事業者などが計画の早い段階で活用できるようにしている。マップの対象施設は、定格出力が50キロワット以上、地上から風車中心までの高さが25メートル以上、風車直径が15メートル以上のいずれかに該当するもの。
主な影響想定地域は、保安林1万2757カ所、水道水源保全地区40カ所、砂防指定地2615カ所、地滑り防止区域624カ所、急傾斜地崩壊危険区域691カ所。自然公園の特別保護地区は3万1600ヘクタール、特別地域(特別保護地区除く)15万500ヘクタール。県自然環境保全地域は8カ所、郷土環境保全地域36カ所4千ヘクタール、鳥獣保護区のうち特別保護地区13カ所1万7500ヘクタール。希少猛きん類(イヌワシ、クマタカ)の行動圏とその推定域などは不明。
マップは、県のホームページで閲覧できる。今後、社会環境や自然環境などに変化があった場合に見直すという。 -
ラッパスイセン咲いて、春彼岸の入り
ラッパスイセン咲いて、彼岸の入り-。駒ケ根市の光前寺参道の枯草の中に、草丈13センチ前後の極早生(わせ)系で、衝撃的に早いという名を持つラッパスイセン「ラインベルト・アーリー・センセーション」が咲き始めた=写真
光前寺参道は「スイセン街道」にしようと、地元の有志らが数年前からスイセン植えに取り組んでいる。
今咲いているのは、この1種類だけだが、同寺の春の例祭(4月下旬)ころは白や黄色、さまざまなスイセンが参道を彩る。 -
小坂樫男伊那市長が伊那市総合計画基本計画案を諮問
伊那市は昨年12月の定例会で可決された「伊那市総合計画基本構想」を踏まえ、市のまちづくりの指針となる「伊那市総合計画基本計画案」を策定。17日、小坂樫男伊那市長は審議会に基本計画案を諮問した。
総合計画(09年度縲・8年度)は、まちづくりの方向性を示す「基本構想」、基本構想に基づいて市政運営を総合的、計画的に進める「基本計画」、基本計画に示した具体的な実施内容を明らかにする「実施計画」で構成。
今回策定された「基本計画案」(期間09年度縲・3年度)には(1)「市民が主役」のまちづくり(2)だれもがいきいきと働き産業が育つまちづくり(3)自然や景観を守り生かすまちづくり(4)健康で安心して暮らせるまちづくり(5)歴史と文化を大切にした、人をはぐくむまちづくり(6)多くの人が訪れるにぎわいのまちづくり(7)安全なまちづくり竏窒フ7章があり、その中に全60の項目が設けられている。
市は同基本計画案に政策の目標とする数値を「まちづくり指標」として盛り込んだ。第1章の「市民が主役の協働のまちづくり」の項目では、審議会における公募委員の割合(現状値1・7%)の目標値を5%(13年度)と設定。現状値を目標値と並べることにより、政策の目標を具体的に表した。
市では審議会に7月までに答申を求めている。
同基本計画案は準備が整い次第、市のホームページにアップされる。 -
宮田中卒業式
宮田村宮田中学校の卒業式は18日、同校体育館で開いた。巣立ちを迎えた108人が、周囲の支えに感謝しながら、絆を深めた学び舎に別れを告げた。
一人ひとり証書を受け取った卒業生。代表して小田切昂軌君が「この3年間で知識だけでなく、人間的な部分を多く学んだ。本気で取り組めば必ず結果はついてくる」とあいさつした。
在校生代表の松澤佳奈さんは「率先して取り組む3年生の姿が、常に私たちの目標。尊敬し、誇りでもある。これからも自信を持って社会を乗り越えていって」と言葉を贈った。
地球的な環境問題にも生徒会活動として取り組んだ卒業生。帯刀昇校長は「地球を守るという意識も大切にしながら、夢を実現して」と激励した。 -
花ろまん33弥生3月花贈り
弥生3月は花贈りの月、卒業式や送別会、入学式、別れと出会いのシーンに、心のこもったメッセージを花で伝える。卒業する先輩に贈る花はエレガントで淡い色調のスイートピー、花言葉は「わたしを覚えていてください」「微妙な悲しみ」。送別会は豪華な花束、色とりどりの花たちが喜びや悲しみのエピソードを語りかける。入学式は何といっても桜。思い出に咲く花はいつも桜。今回は花贈りのテクニックを中川村の「さくらびと」の松沢広さんと、飯島町の道の駅の花の里いいじまのフラワーコーディネーターの中原菜採さんからお聞きした。(大口国江)
◇入学式のアレンジ
花材・東海桜、アネモネ、ラナンキュラス、ゼンマイ、ピット(葉)ゲーラック(葉)
受け皿に、吸水し、面取りしたオアシスを入れ、周りに水苔を張り、U字形の曲げた針金で固定する。器の3、4倍の長さに切った桜を中央より後に挿す。つぼみは上の方に、開いている花は中心に。アネモネは短く、つぼみのラナンキュラスは高めに入れる。バックにゼンマイ、ピットとゲーラックで根元を整える。
「花をスイセン、ポンポン菊、麦の穂に替えると卒業式に向く。パラレル型(垂直)は横に出さないようにするのがポイント。器の中に自然を再現するように生ける」。
##(写真)
◇ちょっと豪華なアレンジフラワー(中原さん)
花材・日向ミズキ、バロット咲きチューリップ、コデマリ、バラ「アリーロイヤル」、ダリア「ミレン」、白のスイートピー、赤のカラー、ドラセナ、コデマリ、モンステラ
日向ミズキで季節感を出し、バロット咲きのチューリップで華やかさと個性を強調。ダリアの存在感を生かし、コデマリで動きを演出、モンステラで全体を引き締めた作品。
中原さんは「若い女性にはチューリップやスイートピーなどかわいらしく、早春らしい花を。送別会は豪華な花束が喜ばれるが、持ち帰ることも考えて贈るといい」と話している。 -
琴伝流大正琴ファジー・いな交歓会
上伊那の琴伝流大正琴の指導者たちでつくる「ファジー・いな」や各教室の生徒たちの交歓会が16日、伊那市のJA上伊那本所であった。「ファジー・いな」のメンバーと17の教室の生徒たち約140人が演奏し練習の成果を披露し合った。
同会は10年以上前から毎年開いている。
「山小屋の灯」「手のひらを太陽に」など各グループ2縲・曲を演奏。客席では他の教室の生徒たちが、奏でられる大正琴の音色を耳を澄まし聞いていた。 -
小・中学校卒業生に庄内地区から祝いの花束
箕輪町と「友好交流推進協定」を結んでいる静岡県浜松市の庄内地区から17日、箕輪中学校3年生と町内5小学校の6年生に、卒業を祝う春の香りがいっぱい詰まった花束が贈られた。
毎年恒例の花束贈呈。庄内地区の箕輪町交流協会役員ら9人が、同地区が日本一の生産量を誇るガーベラと、甘い香りのフリージアの花束を持って町役場を訪れた。花束は卒業生と教職員分も含めた710束。
中学校は18日に273人、小学校は19日に5校で240人が学びやを巣立つ。花束を受け取った箕輪中の市川和馬君は「丹精込めて育ててくださった花を直接お届けいただき本当にありがとうございます。町と深い交流を築いてきた庄内の皆さんのことを忘れずに生きていきたい」。小学生を代表し箕輪南小の長瀬恵さんは「小学校6年間で咲き始めた花を中学に行ったら、いただいた花に負けないくらい、さらに大きく咲かせたい」と礼を述べた。
協会は「庄内の人たちのお祝いの気持ちをお受け取り下さい。学校生活をよい思い出に心豊かな毎日を送って」と、椚幸雄会長のメッセージを披露した。
平沢豊満町長は、「花の一つひとつに庄内の皆さんの温かい思い、町への激励のお言葉、町との関係を含めた深い絆を感じる。花に込められた気持ちを大切に世の中に出て行くと思う」と感謝した。
庄内地区からは24日にも保育園卒園児のために花束が贈られる。 -
箕輪町議会3月定例会閉会
箕輪町議会3月定例会は17日開き、08年度一般会計予算案など31議案と、人事案と意見書提出の追加2議案の計33議案を原案通り可決し閉会した。
人事案は、教育委員会委員の任命で、08年3月31日任期満了に伴う小林通昭さん(64)=南小河内=の再任に同意した。元箕輪中学校長、04年4月より町教育長を務め現在に至る。小林さんは「箕輪町の教育のためまい進したい」とあいさつした。
意見書提出は、農業委員会の必置規制の堅持に関する陳情書の採択に伴うもの。
請願・陳情の採決の結果は次の通り。
【陳情】
◆採択=▽農業委員会の必置規制の堅持に関する陳情書
◆閉会中の継続審査=▽「鳥獣被害防止特措法」関連予算を、鳥獣捕殺ではなく自然林復元と被害防除に使うこと等意見書提出に関する陳情▽森林環境税の創設と森林・林業・木材関連産業政策の充実を求める陳情▽保険業法から共済制度の適用除外を求める陳情書
◆不採択=▽老人医療費給付事業の継続を求める陳情書
【請願】
◆趣旨採択=▽六ヶ所再処理工場の本格稼動に反対し、その中止を求める意見書の議決を求める請願書 -
新たな門出祝い 小中学校卒業式
小中学校の卒業シーズンを迎え、伊那市の伊那東小学校と、春富中学校で17日、卒業証書授与式があった。春富中(別府繁樹校長)では、男子81人、女子96人の計177人の卒業生が、仲間たちと作った思い出を胸に、慣れ親しんだ学び舎を巣立っていった。
別府校長は卒業証書を一人ひとりに手渡し、「新たな航海に旅立とうとしている卒業生のみなさん。春富中で培った自信と誇りを胸に堂々と、これからの人生を歩んで」とはなむけの言葉を述べた。
在校生代表の有賀楓子さんが「立ち止まることがあっても友人の笑顔を思い出し、頑張って」と送辞。卒業生代表の倉田豊治君は「困難や壁にぶつかるときは、この3年間で学んだことを糧に乗り越えたい」と答えた。
在校生や保護者に見送られる中、卒業生たちは、希望と自信に目を輝かせ、胸を張って会場を退場した。
在校生や保護者に見送られながら会場を退場する卒業生たち -
「森の座」が伊那谷ジグザグ隊で間伐材整備
もっと多くの人に森林にかかわってもらおう竏窒ニ、地元の森林整備に取り組むNPO法人「森の座」(西村智幸理事長、会員20人)が16日、伊那市新山の私有地約1ヘクタールで、昔ながらの「ジグザグ集材(単線循環式軽架線)」を用いた間伐材の搬出をした=写真。作業には同会の会員ほか、まきストーブのユーザーなど約20人が参加。搬出木材はまきなどに利用するため、それぞれで持ち帰った。
同団体では05年から地域の森林整備活動などに取り組み、切り捨て間伐などの対策を講じてきたが、搬出路などが整備されていない比較的小規模な森林では依然として搬出が課題となっていた。そこで、こうした森林でも簡単に間伐材を搬出する方法を模索。その中で、昔から林業界で用いられていた簡易な木材搬出方法「ジグザグ集材」を知り、今回初めてこの方法による間伐材の搬出を試み。本年度の元気づくり支援金の採択も受けた。
この方法では、間伐を行う森林内にワイヤーを張り巡らし、それをエンジンなどの動力で一定方向に循環させる。そこに一定の長さに切り整えた木材をつり下げ、出口まで運ぶ。この日は、事前に会員が伐採した木材を40センチほどに参加者が切りそろえ、ひもをつけてワイヤーにつるした。
西村さん(33)は「森林整備を担う人が少ないのが現状だが、多くの人に山に入ってもらい、森林整備に携わってもらえれば」と話していた。 -
伊那市消防団、新年度の幹部団員らを対象とした研修会
08年度の任命式を前に、伊那市消防団(田畑安彦団長)は16日、新年度、団の幹部として活動する予定の消防団員らを対象とした研修会を伊那市民体育館で開いた=写真。班長以上の役員となる約110人が参加。団員らが安全に任務を遂行するために、どんなことに配慮しなければならないかなどを学んだほか、日本消防協会長功績賞などの伝達があった。
来年度の部長以上新幹部予定者と現職を対象とした合同規律訓練で、多くの団員の指揮を執る幹部団員の場合、任命を受けてからただちに的確な指揮を執る能力を求められることから、事前にその心構えなどを学んでもらう目的で研修会を催した。
田畑団長は「みなさんは4月1日以降、多くの団員の指揮を執る立場であり、実際に出動する場合には、二次災害を起こさないよう、指導者として的確に指示しなければならない。今日はその辺を中心に研修を積み、新年度から住民の生命、財産、家族を守る任務に就いてほしい」と訓示。
その後、部隊指揮者としての心構えなどをテーマとした講話や礼式、隊編成訓練などに取り組んだ。
表彰者は次のみなさん。
◇日本消防協会長功績賞=福沢利雄副団長
◇日本消防協会勤続賞=原一郎(三義分団班長)北原勇次(三義分団班長) -
課長級に清水氏、春日氏昇格、宮田村人事異動で総務課長は高橋氏
宮田村は17日、4月1日付の人事異動を内示した。課長級への昇格は2人で、建設林務係長兼土地開発公社事務局長の清水敏美氏(54)が会計管理者兼会計係長、教育次長にはこども室長の春日良夫氏(54)が就く。副村長となる矢田典和総務課長の後任は教育次長の高橋克實氏(54)。異動者は退職者を含め26人で、全正規職員に占める割合が3割に満たない比較的小規模な異動となった。
清水氏は1985年に村役場に入庁し、2003年から土地開発公社事務局長、06年から建設林務係長を兼務。「健全運用を進め、村の事業が円滑に推進するよう努める」と抱負を述べた。
春日氏は1973年に村役場に入り、教育総務係長などを経て今年度からこども室長。教育委員会9年間在籍の経験で「親も含めた子育て支援に力を注ぐ」と話した。
退職者、新規採用は各3人で、正規職員数は本年度と同じ97人体制。新規の内訳は2年ぶり採用の一般事務職が1人、6年ぶりとなる保育士が2人。
係長級は2人が昇格し、清水氏の後任に原寿氏(44)、春日氏の後任に平澤敦士氏(44)を充てた。
いずれも退職者に伴う登用人事が中心となっており、清水靖夫村長は「村民サービス重視を基本に考えた」と説明する。
総務課長となる高橋氏は、教育次長の前職で管理財政係長を7年間務めた経験があり「自立の意識を見つめ直し、村にあったサービスをかみ砕きながら構築したい」と話した。
異動者は次の通り。カッコ内は前職。
【課長級】会計管理者兼会計係長=清水敏美(建設林務係長兼土地開発公社事務局長)総務課長=高橋克實(教育次長)教育次長=春日良夫(教育委員会こども室長)
【係長級】産業建設課建設林務係長兼土地開発公社事務局長=原寿(建設林務係兼土地開発公社担当)教育委員会こども室長=平澤敦士(県派遣)
【係級】総務課総務係=福澤典枝(こども室)同管理財政係=春日学(飯島町派遣)住民福祉課住民生活係児童福祉担当・平澤美登里(総務課総務係)同住民戸籍担当=小池愛菜(住民福祉課住民生活係)こども室=本田典子(住民福祉課住民生活係)産業建設課農政係=樋屋速水(産業建設課上下水道係)同上下水道係=小椋厚(新任)同建設林務係=三好一夫(生涯学習係施設担当係長)県派遣=城倉淳志(総務課管理財政係)中央保育園主任保育士=飯島真弓(西保育園主任保育士)中央保育園保育士=藤木香代子(西保育園保育士)、小林奈央(新任)東保育園保育士=小町谷綾子(西保育園保育士)、中原貴子(新任)西保育園主任保育士=宮下春美(中央保育園主任保育士)西保育園保育士=伊藤紀子(東保育園保育士)田中郁子(駒ケ根市派遣)派遣終了で飯島町=伊藤順子(西保育園保育士)
【退職者】春日清(会計管理者兼会計係長)西尾貞人(教育委員会生涯学習係)矢田典和(総務課長) -
伊那市で遊休農地対策プロジェクトが発足
伊那市内の遊休農地解消に向け、具体的な活動を展開する「遊休農地対策プロジェクト」(有賀芳雄会長)が17日、発足した。農業委員会の正副会長と、農業振興部会の役員、市内の各地区から選出された農業委員9人がメンバーとなり、昨年秋に調査した市内にある遊休農地の現状把握と、今後の取り組みを議論。1年目は、比較的面積規模、筆数の少ない水田の耕作放棄地の解消を目指し、地区ごとの対策を講じていくこととなった。
国の遊休農地解消重点地区の指定を受けた伊那市では昨年秋、農業委員の協力で、市内にある遊休農地の状況を把握。具体的対策を講じていくため、今回のプロジェクトを発足することとなった。
市内にある遊休農地の全面積は約356ヘクタール。うち、現在のままでも耕作可能な休耕地、多年草や雑草が繁茂しているものの、トラクターなどで起こせば容易に復元できる農地「耕作放棄地」が111ヘクタールあることから、各地区ごと、この耕作放棄地の解消に重点を置いて取り組む。
現状報告では各地区とも共通して「山つきの条件の悪い場所が荒廃している」という状況にあることが分かったほか、田畑合わせて最も多い耕作放棄地(約24ヘクタール)がある高遠地区では「農地を売りたいという人はいるが、担い手がいないというのが問題」などといった声もあり、担い手の確保、有害鳥獣対策が重要であることを認識した。また「ボランティアでは続かない。ある程度のメリットは必要」とする意見もあった。
今後、具体的な対策としては▽担い手、集落営農組織への農用地を集積する▽地区全体で「耕作する日」などを設ける竏窒ネどといった取り組みを地域ごとに展開し、一歩ずつ耕作放棄地を解消していく方針で、おおむね5年間、プロジェクトを継続し、成果をあげていきたいとしている。
また、遊休農地の中にはすでに原野化し、大規模な基盤整備を必要とする農地や農地として利用するより山林などとして活用すべき農地(244ヘクタール)含まれているが、これらの利用用途については今後、国が農地転用に関する一定の方針を示すこととなっているためそれを待って対策を考える。
次回の会議は6月に開く。 -
伊那市地蜂愛好会通常総会で約1千匹の女王蜂を会員に配布
伊那市地蜂愛好会(小木曽大吉会長)の通常総会が16日、例年より約1カ月早く開かれた。上伊那を中心に、県内各地から約70人の会員が参加。この冬冷蔵庫の中で越冬させた約1千匹の女王バチを配布した=写真。
ジバチの資源を守るとともにハチ追い文化の楽しみを共有することを目的として活動する同会では例年、通常総会に合わせて女王バチを会員に配布し、それをそれぞれの地区で放ってもらうことでハチ資源の保護・増殖に努めている。総会は毎年4月に開催してきたが、3月から4月までの間に約80%のハチが死んでしまうケースもあったことから、自然界でもハチが動き出すこの時期にハチを配布できるよう、総会の時期も1カ月早めた。
今年は80匹入りで120箱を準備。放つ方法としては、箱にハチが出られるほどの穴を空け、日陰の温度の低い位置に設置し、温度が自然に上昇した時、女王バチが飛び立てる環境を整えてあげることが良いことなどを説明した。
小木曽会長は「とりわけ雪の多かった年はハチの越冬も上手くいっていると言われている。今日みなさんに持って帰っていただく(女王)ハチはとりわけ元気が良い蜂。今回配布した女王を近くの山に放してもらうとともに、遊んでもらったお礼にという気持ちで、今年、自分の庭先で飼った巣のうち、1つは山へ返していただけたら」と話していた。
08年度事業としては、会員を対象としたハチ追い体験学習や11回目となるジバチ巣コンテストの開催などを予定している。 -
軽油の入ったタンクが転がり、道路、生活俳水路に流れ込む
伊那市室町で17日、走行中のトラックの荷台でタンクが倒れ、中に入っていた軽油約50リットルが道路や生活俳水路に流れ込む事故が発生した。
道路上に広がった軽油については、伊那消防署が出動し、砂や給油マットで除去。50リットルのうち、どれだけの量が俳水路に流れ込んだは不明だが、同水路は小沢川つながっていたため、上伊那地方事務所環境課で小沢川本流についても調査したが、その段階では油のようなものが水面に浮いている状況は確認できなかったという。 -
英語で観光ガイド入門講座の受講者が実習ツアーを実施
外国人に地元の名所を英語で観光案内できるようになることを目指す「英語で観光ガイド入門講座」を修了した受講者ら約10人が、AETとして上伊那に滞在する外国人らを案内する実践ツアーが16日、伊那市内であった。県交際交流員で同講座の講師を務めたパトリシア・ドーシャさん(24)とともに、市内の名所4カ所を観光。講座で覚えた表現を使いながら、その場所の特色、ゆえんなどを伝えるとともに、交流を深めた=写真。
NPO法人伊那国際交流協会が主催する「英語で観光ガイド講座」は今回で2回目。4カ月の間、約20人がパトリシアさんの作成したテキストに従い、観光案内するための表現などを学んできた。その内容を生かし、実際に案内をしてみよう竏窒ニ、実践ツアーを企画。テキストの中に登場したスポットを中心に市内を巡ることになった。
そのうち西箕輪の仲仙寺では、仁王門や本堂を見学。この日、観光ガイドを実践した垣内彰さん(55)=辰野町=は「教科書には載っていない細かい表現なんかを教えてもらうことができて良かった」と話していた。
また、講師を務めたパトリシアさんは「自分も勉強になって良かった。会話も弾んでいるみたいだし、みんな楽しんでいるので良かった。練習も大切だけど、まずは友達になることが大切」と話していた。 -
イーナちゃんマレットゴルフクラブ開幕試合
伊那市の有志でつくる「イーナちゃんマレットゴルフクラブ」(池上為夫会長)は15日、08年の開幕試合を伊那市の三峰川榛原河川敷公園マレットゴルフ場で開いた。
今年で発足6年目を迎える同クラブは、現在会員142人。今年は12月まで27の公式試合を予定している。
「天気が良くてなにより」と池上会長。青空の下で元気にプレーする参加者たちからは「上手だね」「おしい」などの声が聞こえてきた。
大会の結果は次の通り(36ホール、パー144)
【男子】▽優勝=赤羽篤99▽準優勝=林雄次107(3)小林岩夫107(4)福沢幸民(5)浅井芳字郎(6)御子柴守彦(7)向山泰正(8)鈴木律雄(9)向山崇志(10)北野茂次竏秩B
【女子】▽優勝=網野さだ子109▽準優勝=向山元子110(3)丹羽喜子111(4)伊藤和子(5)黒河内加奈子(6)北野けさ子竏秩B
【ホールインワン】▽赤羽篤▽江口友幸▽黒河内加奈子竏秩B -
南箕輪村身体障害者福祉協会第54回定期総会
南箕輪村身体障害者福祉協会(野沢志げる会長)は16日、第54回定期総会を松寿荘で開き、07年度事業の報告と08年度の事業計画を承認した。
村身協は08年度、身障協会員増強運動(現会員150人)に力を入れ、自主財源確保としてお茶やわかめなどの物品販売の実施を予定。また研修旅行やゲートボール大会、スポーツ大会、健康教室なども計画している。
野沢会長は「06年度から障害者自立支援法が施行されたが、障害の重い人ほど負担が重くなる。国でも手直しを加えたがそれもほんの一部。また4月からは後期高齢者医療制度が施行される。制度に振り回されず、一人ひとりが自立の精神を持って、支えてくれる家族や友人の気持ちをお互いにしっかりと持って助け合っていきたい」話していた。 -
上伊那地域ごみシンポジウム開催
ごみの減量化や資源化への取り組みを上伊那の住民一人ひとりが実践していこう竏窒ニ16日、「上伊那地域ごみシンポジウム」が伊那市の県伊那文化会館であった。上伊那各地から約200人の聴衆が集まる中、廃棄物処理施設の安全、安心を確保するために必要な取り組みに関する講演やそれぞれの立場からごみの減量化に取り組む4人の事例報告、パネルディスカッションがあり、施設運用については情報の共有により安心、安心の確保に努めるとともに、一人ひとりが一歩踏み出すことが、ごみの減量化、資源化を推進する大きな力になることを確認した=写真。
これまで上伊那広域連合では、新しいごみの中間処理施設を建設に向け、上伊那広域でつくる「ごみ処理基本計画推進委員会」でごみの減量化、資源化などを検討。12月末に報告書の提出を受けたほか、現在伊那市の用地選定委員会が同施設の建設用地を選定している。そんな中、最大の課題であるごみの適正処理には市民の積極的な取り組みが必要となるとともに、施設建設においても、地域住民の合意を得るには安全な施設をつくるとともに「安心である」という情報を提供し、住民に理解してもらう必要がある。そこで今回、上伊那地域に住む住民にごみ処理に関する理解を深めてもらう目的でシンポジウムを企画。
基調講演では日本環境衛生センター環境工学部計画課の秋月祐司氏が「廃棄物処理施設のあり方」をテーマに講演。秋月氏は現在のごみ処理施設はどの方法を用いても重金属やダイオキシン類などといった人体に影響を及ぼす有害な物質は出なくなってきている現状を示す一方「だからといって事故はゼロになるわけではない。安心して生活するにはトータルリスクを小さくすることが大切」と指摘。また、安全な施設を建設したからといって住民の安心につながるわけではないため、「透明な施設運営を続け、住民と情報を共有することが安心につながっていく」とし、施設見学が地元住民の意見を聞く地元協議会を設置することなどを提案した。
また、パネルディスカッションでは「上伊那統一の分別方法を作ってほしい」「分別ごみを1カ月以上家の中に置いておく大変。こまめに持ち込めるごみステーションのようなものをなるべく多く設置しては」などといった意見が出た。また、現在上伊那広域で普及を進めようとしている生ごみ処理機についても、たい肥として処理できない家庭もある現状から「これを収集してくれる場所があればいい」といった声もあがった。 -
第77回長野県ダンス選手権大会
伊那市の伊那商工会館イベントホールで16日、第77回長野県ダンス選手権大会があった。日本ボールルームダンス連盟東部総局長野県支局主催。5歳から72歳まで約120人が参加した。
アマチュアを対象にした同大会は6月に栃木県で開かれる東日本県別対抗アマチュア競技ダンス栃木県大会へ出場する県内代表を選出する選手権(C級以上)の部のほかにジュブナイル(男女とも12歳未満)・ジュニア(男女とも16歳未満)の部、ライジングスター(D級以下)の部、グランドシニア(男性が55歳以上)の部があり、それぞれワルツやタンゴなどの「スタンダード」と、チャチャやルンバなどの「ラテンアメリカ」に分かれ競い合った。
競技が始まると、華やかな衣装を着た出場者たちがフロアに進み出て、音楽に合わせてダンス。観客席からは番号を呼ぶ応援の声。出番を待ちきれず、観客の後ろでステップを踏む出場者の姿もあった。
県内代表には、安曇野市の鳥羽正一さん・有賀公子さんペア、中野市の綿貫龍一さん・植原英子さんペア、伊那市の唐木俊彦さん・唐木ユミさんペアが選ばれた。
また同大会とともにJBDF関東甲信越ブロック公認ノービス級競技会とプロ・ライジングスター競技会も併催。
プロ・ライジングスター戦では、プロの見事なダンスに観客の目は釘付けとなった。
大会結果は次の通り(上伊那)。
【スタンダード】
▽選手権=(4)唐木俊彦・唐木ユミ(伊那市)▽ライジングスター=(3)小林正浩・小林貞子(上伊那郡)▽グランドシニア=(1)吉沢勝治・吉沢いつ子(駒ケ根市)(2)小林正浩・小林貞子(上伊那郡)竏秩B
【ラテンアメリカ】
▽選手権=(1)唐木俊彦・唐木ユミ(伊那市)▽ライジングスター=(3)小林正浩・小林貞子(上伊那郡)(4)向山正信・向山なおみ(上伊那郡)(6)有賀武良・有賀千恵子(上伊那郡)▽グランドシニア=(1)小林正浩・小林貞子(上伊那郡)(2)吉沢勝治・吉沢いつ子(駒ケ根市)竏秩B
【JBDF関東甲信越ブロック公認ノービス級競技会】
▽ラテンアメリカ=(3)林正樹・白沢みゆき(上伊那郡)竏秩B -
宮田村議選立候補予定者の公開討論会21日に
宮田村商工会青年部(小田切等部長)は21日午後6時半から、任期満了に伴う同村議会議員選挙(25日告示・30日投票、定数12)の立候補予定者13人による公開討論会を村民会館ホールで開く。同村では村長選、村議選通じて初の討論会の開催となり、多くの村民の来場を呼びかけている。
討論会は各予定者が「村の抱える問題点と打開策」「村の将来像」の2点についてそれぞれ制限時間内で発表する。
「以前から討論会を開きたいという要望は強かった。立候補予定者一人ひとりの考え方を、同じ会場で平等に聞ける機会にしたい」と小田切部長。現在までに出馬表明する13人全員から出席の返答があるという。当日の一般入場は自由。 -
宮田中吹奏楽部、世代超えたOB共演で20日に演奏会
宮田村宮田中学校吹奏楽部の定期演奏会「スプリングコンサート」は20日午後2時から村民会館で開くが、同部出身OB、OGとの初共演実現で話題を呼んでいる。合同練習が15日から始まり、先輩後輩が心ひとつに最高のステージにしようと熱が入っている。
「先輩の皆さんと一緒に演奏したい」という現役部員24人の呼びかけに、今年度卒業生を含む34人のOB、OGが賛同。その中には兄弟姉妹が4組、親子も1組いるなど、世代を超えた同部の新たな歴史が今回のコンサートで刻まれる。
15日の合同練習では、久しぶりに楽器にふれた先輩を現役部員がリードしながら教える場面も。
現役当時はパーカッションを担当していたという安田修也さん(40)=町三区=も「本当に色々忘れちゃっていて」と話しながらも、「後輩と共演できるのはうれしい。気分転換にもなりますね」と笑顔がこぼれた。
コンサート当日は現役部員がワーグナーの行進曲など8曲を演奏し、OB、OGとの共演は「威風堂々」など3曲を予定。
津山碧部長(2年)ら現役部員は「先輩と一緒に演奏するのは緊張するが、良い経験になり楽しみ」と本番を心待ちにしている。 -
学校栄養士が卒業生に「献立カード」をプレゼント
宮田村宮田中学校の小原啓子栄養士は17日、同校を卒業する3年生全員に20品の給食レシピを収めた手製の「献立カード」をプレゼントした。「小、中学校の給食で培った食の意識を成長しても忘れないでほしい」と願ったもの。卒業生のことを想い、時には徹夜しながら作成した。
「以前から卒業生に渡したいと思っていたんだけど。なかなか実現できなくて」と小原さん。
カードにはちらし寿司、チーズロールカツ、ハンバーグ、そばサラダなど、給食で子どもたちに人気も高く、さらに栄養的にも優れたレシピを厳選した。
将来社会に出たり、結婚した時にも役に立つようにと、1人分と4人分の分量とつくりかたを掲載。
毎日の給食を残さずに食べてくれた卒業生の姿を思い浮かべながら、給食室の調理員とも協力しながらつくったという。
17日は卒業生にとって最後の給食。いつものように全校が会食するランチルームでカードを受け取り、おいしい給食をつくってくれた小原さんや調理員に全員で感謝した。 -
伊那東小 新校舎へお引越し
新しい管理教室棟が完成した伊那市の伊那東小学校で18、19日、来年度から使用を始める新校舎への引越しがあった。終業式を終えた1縲・年生の児童約600人が教室移動のために登校。新校舎で授業を受ける新2、6年生が、自分たちの荷物を新しい教室に運び込んだ。
新校舎は、老朽化が進む管理教室棟(北校舎)の改築が目的で、10年度の児童数ピークを見通し3学年計15教室などを設けた。市内の教育施設では初となる、公募で集まった地域住民の意見を取り入れた設計。工事は06年8月からで、本年3月中旬にしゅん工検査を済ませた。
建物は1階鉄筋コンクリート、2階鉄骨造りの延べ床面積約4200平方メートルで、工事費約11億円。校舎内を広く使うため、柱の数を減らし、梁(はり)を細くしても強度が保てる構造で、1、2、6学年の教室や、各学年の共有空間のほか、間仕切りのない開けた図書室などを配置した。
子どもたちは新築のにおいがする校舎の中に入ると目を輝かせ笑顔で作業。新しい校舎で道に迷わないよう、列を作って荷物を運んだ。5年生の女子児童の一人は「きれいで気持ちがよい。6年生になったら、新しい気持ちで勉強したい」と話した。
北校舎の取り壊しやグランド整備などの工事を今秋までに終え、それ以降にしゅん工式を開く。市教育委員会では、関係者を対象とした内見会を26日、一般開放を4月12日に行う予定だ。
新校舎への引越しを楽しむ児童たち -
伊那北小学童クラブ新施設の開所式
伊那市の伊那北小学校学童クラブの新施設が完成し、市教育委員会は17日夜、現地で新施設の開所式を開いた。同学童クラブを利用する児童や保護者ら約70人が出席。これまでよりも利用スペースが広くなった新しい施設の完成をみんなで祝った。
市教委生涯学習課によると、伊那北小学童クラブは1987(昭和62)年4月の開所。同小の児童数が増えたことにより、これまで利用していた校舎内の教室を新年度は普通教室として使用するため、体育館北側に新施設を建てた。現在は、低学年を中心に約80人の児童が利用する。
施設は軽量鉄骨造り1階建ての延べ床面積136平方メートル。利用者の増加を見通し、部屋数を2部屋に増やし、台所とトイレを設けた。工事費は1449万円で、厚生労働省の社会福祉施設整備事業補助金を利用し、市が615万7千円(07年度事業)を負担した。
開所式で北原明教育長は「これからも仲良く、元気よく遊んで」、笠原富重校長は「新しい学童クラブが完成したことにありがとうの気持ちを忘れず」とあいさつ。保護者の一人は「このような素晴らしい環境の中で面倒をみてもらえて感謝している」と話した。
新施設の開所式であいさつする笠原校長 -
子育て学級公開講座
箕輪町教育委員会は13日、子育て学級公開講座を町文化センター学習室で開いた。親子で一緒に楽しみながらの講演会で、子どもをほめることで自己肯定感を育てる大切さを学んだ。
町内在住の関奈保子さんが「イキイキ生きてますか」と題して講演。関さんは、幼児教育に携わった後、専門学校の講師、再就職支援の講師として女性のキャリアの支援活動で活躍している。
「親が明るくポジティブな言葉を使い、子どもをほめることが大事」とし、「ほめることで自己肯定感が育つ。在りのままの自分を愛してくれる人が周りにいるという気持ちを子どもが持つことで、本来の自分らしく生きることができる」と話した。
「いけないことをしたらしかることも大事。子どもは自分のことを見ていてくれるんだなと思う」と話し、指示や命令の言葉では子どもは言い訳を考えてしまうため、「どうしたらいいと思う?」と未来に向けた質問の言葉にすることをアドバイスした。 -
全国大会出場者激励会
柔道、空手、剣道、フェンシング、新体操の全国大会に出場する地元出身選手を励ます会が14日、駒ケ根市役所で開かれた。市教育委員会の中原稲雄教育長は激励金を手渡し「それぞれ精進して県代表として出場を決めた。日ごろ鍛えた力を十分発揮し、自分で納得のいく成果を出してほしい」と激励=写真。出場者は「緊張せず、1試合1試合戦っていきたい」「日々の練習の成果を出し切りたい」などとそれぞれ決意を語った。
出場者は次の皆さん。
▼第30回全国高校柔道選手権大会(20日、東京)団体=井口大成(東海大三高2年)▼第27回全国高校空手道選手権大会(25縲・7日、長野市)団体形・組手、個人形=新田哲也(松商学園高)▼第30回全国スポーツ少年団剣道交流大会(26縲・8日、静岡県)=小町谷良一(監督)石沢周、林くるみ(いずれも赤穂中2年)▼文部科学大臣旗争奪はなます杯全国中学生空手道選抜大会(28縲・0日、北海道)形、組手=新田杏奈(赤穂中1年)▼第32回全国高校選抜フェンシング大会(21縲・3日、岩手県)団体=巣山史織、橋本彩、松原優里花(いずれも伊那北高2年)▼第23回全国高校新体操選抜大会(28縲・0日、山形県)団体、個人=笠原基衣(伊那西高1年) -
イチゴ栽培の廃液活用、一定の成果
伊那市と信州大学が連携事業として06年から伊那市西箕輪の「みはらしいちご園」に設置した研究用ハウスで試験研究をしている「イチゴ栽培の廃液活用」。イチゴは液肥で栽培するが、苗はすべての液肥を吸収しきれないため、約20%がそのまま垂れ流しとなり、環境負荷がかかっている。その負荷を減らす目的で廃液を再利用したトマト栽培ができないか研究しているが、2年目も終わりに近づき、ほぼ、廃液を出さないで再利用する方法が確立しつつある。
研究を担当する農学部の大井美知男教授は「イチゴの廃液をほとんど出さないで栽培できるようになり、見通しがついた。トマトが出来ることは分かったので、今後はトマトの品質を上げるよう、溶液を改良していきたいとしている」と語る。
研究は3カ年事業。2年目の本年度は、イチゴ栽培で出る廃液にトマトが生長するよう一部養分を補い、ハウスの中のトマト苗に施肥。根の部分は人工培土を入れた袋で覆われているため、再利用した液肥もすべてこの人工培土の中に吸収され、トマトの養分に変わる。
しかし、イチゴ栽培は冬から春にかけてで、トマトを栽培するハウスの温度を維持するにはコストがかかるため、実用化に向けてはこうした課題の解消も必要となる。 -
江戸天保年間から続く「伊勢太々講」
宮田村北割区の鈴木幸雄さん(62)宅で15日、167年前の江戸・天保年間から続く「伊勢太々講(いせだいだいこう)」があった。同区と南割区の36戸が講を組織しているもので、今年も2月に三重県の伊勢神宮に代参。この日は、代参の報告と神事を行い、持ち帰ったお札を配って各家庭の繁栄や地域安全などを祈願した。先祖代々の伝統は、地域の絆として今も脈々と受け継がれている。
神事や祝宴の準備をする幹事役の「宿仲間」は4戸、代参は2戸で当番制。会場も宿仲間の自宅を提供して毎年変わるしきたりで、今年は鈴木さん宅が受け持った。
代参人の浦野広さんが報告。夫婦で出かけたと話し「このような機会でないと妻と一緒に旅行することも少ない。先祖がつくってくれた講に感謝します」と続けた。
庶民が自由に旅行できなかった江戸時代。宮田村内でも代参人を設けて巡拝信仰する「参詣講」が、各部落ごとにできた。
「伊勢太々講」もそのひとつで、天保12(1841)年に米1俵が35銭の時代に53両余りの大金を奉納して始まったとされる。
太平洋戦争の一時期を除いて、代参人による参拝は休むことなく継続。社会が変わり個人参拝が中心になった現在も、36戸が頑なに伝統を守っている。
古くから同講に参加する春日甲子雄さん(84)は「浦野さんのように昔から代参で旅行し、その報告を受けるためにみんなで集まることも楽しみだったはず。こんな時代だからこそ、みんなで守っていくことが地域の結束にもなるはず」と話した。 -
農林漁家民宿おかみさん100選の一人に選ばれた市ノ羽幸子さんが認定報告
全国で工夫を凝らした民宿経営などに取り組む女性経営者100人を認定する「農林漁家民宿おかみさん100選」(農林水産省など主催)の第1弾で決定した20人の一人に選ばれた伊那市長谷黒河内で農家民宿「蔵の宿みらい塾」を営む市ノ羽幸子さん(60)が13日、小坂樫男伊那市長のもとへ認定報告に訪れた=写真。
「農林漁家民宿おかみさん100選」は、農林漁家民宿の拡大、地域活性化などを目的とする取り組みで、その1弾が1月末に発表され、県内では市ノ羽さんを含む2人が認定を受けた。
小坂市長のもとを訪れた市ノ羽さんは「発表された当日とその翌日は電話がなりっぱなしだった。中には、自分がまったく知らないおじいさんが『おら自分のことのように嬉しい』なんて電話してくれて、本当にありがたいと思っている」と語った。
小坂市長は「県下では2人が選ばれたということだが、なかなか認定を受けられるものではない。(みらい塾は)都会の人が来れば『素晴らしいな』と思い、心を休めることができる民宿だと思う」と語り、今回の認定を祝福した。